上条「イギリス清教女子寮の管理人さん」 (1000)
上条さんが学園都市の学生ではなくイギリス清教女子寮の管理人さんだったら
日常ほのぼのな感じで上条ハーレム
インデックスの自動書記破壊やローマ正教分派の合流といった流れもその内書くかも
何かやってほしいネタがあればキャラ名と内容を下されば適当に投下します
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404564392
ジリリリリリリリリ
カチッ
上条「んん……」
上条「……もう朝か」
ばさっ
上条「さーて」
上条「今日も一日頑張りますかね」
ネタというのは
機械音痴の神裂さんに電子レンジの使い方を教えるとかっていう指定?
◎朝ごはん
@食堂
インデックス「とうま~~!お腹すいた~~!」ばたばた
アンジェレネ「すきました~~!」ばたばた
上条「はいはい、もうすぐ出来るから静かにしてろって」
ルチア「シスターアンジェレネ!」
アンジェレネ「ひっ!?ご、ごめんなさいぃ!」
シェリー「ふあぁ……」
アニェーゼ「あれ、今日は随分と早起きじゃねぇですか?」
神裂「確かにそうですね。何か用事でも」
シェリー「別に無いわよ。たまにはあたしだって早起きするっての」
イギリス清教の管理人で何の前提もなく元ローマ正教がいるのはおかしくない?
上条「まったく、あいつら朝から元気だよな……」
オルソラ「そうでございますね」
上条「何かごめんな?朝ごはん作るの手伝わせちゃってさ」
オルソラ「いえいえ、構わないのでございますよ♪」
上条「そう言ってもらえると助かる。あのやんちゃシスター達にも聞かせてやりt」
オルソラ「元気な事は良い事ですから」
上条「え?あ、うん。そうだな…」
>>7
その辺の話もその内やりますえ
インデックス「あぁぁいいにおい……もう待ちきれないんだよ!行くよアンジェレネ!」
アンジェレネ「ふぇ?どこにですか?」
ルチア「こら、二人とも!静かに待ちなさいと何回言えば」
がやがや
シェリー「どいつもこいつもギャーギャー騒ぎやがって」
アニェーゼ「いつもの事でしょう」
シェリー「起き抜けからこれじゃあ敵わないわよ……」
神裂「インデックス……」
上条「はいはい皆さんお待たせしましたよーっと」
インデックス「やっときた!お腹すきすぎて、もうすぐ死ぬところだったんだよ!」がぁぁ
上条「昨日の夜もあんだけ食ったのに!?ちょ、インデックスさん落ち着いてー!?」
アンジェレネ「わーい朝ごはん……あれ?チョコラータ・コン・パンナがありませんよシスター・ルチア」
ルチア「騒いだ罰です」
アンジェレネ「!!」ごーん
上条「朝飯配膳しただけで噛み付かれるとか……不幸だー…」
オルソラ「大丈夫でございますか?」なでなで
上条「不幸は日常茶飯事ですから、慣れっこです……」
オルソラ「あらあら、痛いの痛いの飛んでいけ~♪でございますよ」
インデックス「いちゃいちゃしてないで早くいただきますしてほしいんだよ」
上条「少しは反省しろよ!」
「「「「「いただきまーす!」」」」」
建宮「今日もここは平和なのよな」もぐもぐ
神裂「何故あなたがここにいるんですか」
>>4
そんな感じ
天草式もエロいお姉さんも新たなる光もその内に
上条「ふぅ……食べる前から疲れちまった。取り敢えず俺もお祈りしてから……」
アンジェレネ「うぅ~」しょぼーん
上条「ん、どうしたアンジェレネ。料理口に合わなかったか?」
アンジェレネ「いいえ、美味しいです……」しょぼぼーん
上条「?」
ルチア「気にしないで下さい。チョコラータ・コン・パンナが飲めなくてしょぼくれているだけです」
上条「あのめちゃくちゃ甘いやつか……でも何で」
ルチア「食前に騒いでいたので、罰として取り上げました。そもそもあんな不健康なものを毎日毎日…」がみがみ
上条「はは、なるほど」
アンジェレネ「ちょこらーた……」ずーん
上条「…………」
インデックス「がつがつがつむしゃむしゃむしゃ」
アニェーゼ「相変わらず恐ろしい食いっぷりですね…」
神裂「い、インデックス、こぼれていますよ」
シェリー「シスターが聞いて呆れるな」
インデックス「?それ食べないならもらってもいい?」
シェリー「ダメ」
ルチア「ご馳走様でした」
上条「お粗末さまー」
アンジェレネ「ごちそうさまです……」
上条「あ、あぁ」
上条(ものっそい落ち込んでるな……そんなに飲みたかったのか)
アンジェレネ「はぁぁ……」
上条「……よし、アンジェレネ!」
アンジェレネ「はい?」
上条「ちょっとついて来てくれ」
アンジェレネ「?」
オルソラ「あら、貴方様」
上条「おう、オルソラ。もう食べ終わったのか?」
オルソラ「はい。今は食器の片づけをしていた所でございますよ」
上条「ホント悪いな、片づけまで…」
オルソラ「いいえ、気にしないで下さいませ」
アンジェレネ「あのぅ…」
オルソラ「まぁ、どうしたのでございますか?」
アンジェレネ「いえ、その、ついて来いって…」
上条「あ、そうだった。……ほらコレだよ、アンジェレネ」
アンジェレネ「ふぇ?」
《チョコラータ・コン・パンナ》ぱっぱかぱーん
アンジェレネ「!こ、これ」
上条「ルチアには内緒だぞ?バレたら上条さんも一緒に怒られちゃうからな」
アンジェレネ「はい!ありがとうお兄ちゃん!わーい!」
オルソラ「あれはこの前作っていた……」
上条「あぁ。オルソラも内緒にしてくれよな」
オルソラ「ふふっ、お優しいのでございますね『お兄ちゃん』♪」
上条「うっ……は、恥ずかしいので止めてください……」
オルソラ「ふふふ♪」
アンジェレネ「~~~♪」
上条(ま、いいか)
建宮「羨ましい限りよな、一回でいいから『お兄ちゃん』なんて呼ばれてみてぇのよ」
神裂「だから何故いる」
◎電子レンジ
神裂「え、えぇと……確か始めにここを押して……」ぽちっ
シーーン
神裂「おかしいですね。赤い表示が出るはずでは……」ぽちっ
シーーーーーン
神裂「私の押し方が悪いのでしょうか……」ぽちぽち
シーーーーーーーーーーン
神裂「はぁ……」ちらっ
レンジ「」
神裂(何度やっても反応が無い……やっぱり引き受けるんじゃなかった……)
―――――――――――――
神裂『私が、ですか?』
シェリー『他に誰がいるんだよ。今ここにはあたしとあんたしかいないでしょう』
神裂『ですが、私に頼まなくとも自分で……』
シェリー『服とか色々と汚れちゃってるし、作業の途中で手が離しにくいのよ』
神裂『そ、そのようですね』
シェリー『何でも最新型のを貰ってきたとかで、操作がえらく簡単なんだと』
神裂『そうですか……』
シェリー『な、頼むよ』
神裂『…………』
シェリー『いくら何でも電子レンジくらい使えるだろ。聖人さん?』
神裂『………分かりました』
―――――――――――――
神裂「…何が『操作がえらく簡単』ですか。説明書通りにやっても動かないじゃ――はっ!」
神裂(もしや故障しているのでは?ならば幾ら私がいじった所でどうにも……)
神裂(……待って。そう言えば、機械の調子が悪い時に手刀を叩き込むと言うのを聞いたことが有ります。ショックで調子が戻る事があるとか……)
神裂(ならば、ちょっとした故障にも応用が利くんじゃ……)
神裂「…………」ちらっ
レンジ「」
神裂「いや……いけません、安易な行動は身を滅ぼす元です」
神裂「無理をせずにやはり――」
シェリー『いくら何でも電子レンジくらい使えるだろ。聖人さん?ww』
神裂「」ぴきっ
神裂「……ふっ」
神裂「ふふふ、ふふふふふふふ」
神裂(良いでしょう……やってやりますよ)
神裂(私だって……こんな機械の一つや二つ……)ぎりっ
神裂「……こんのド素人がぁぁぁあああああ」しゅっ
どぉぉぉおおおおおおおおおおん
シェリー「――――で、こうなったと」
神裂「はい……すみません……」
シェリー「いや、あたしに謝られても……しかし派手にやらかしたな」
レンジだった物の欠片「」ちーん
シェリー「ものすごい音がしたから気になって来てみれば、電子レンジがあった一角が小宇宙に……」
神裂「面目次第もございません……」
シェリー「いや、あたしも悪かった。機械音痴がここまで酷いとは思わなかったのよ」
神裂「うぅ………」
シェリー「取り敢えず、今は幸いにも人が出払ってるからさっさと片しt」
<上条「ただいまー」
シェリー「……相変わらずタイミングの悪い男」
がちゃっ
上条「あぁ、二人ともここにいたのか……って何じゃこりゃ!?」
神裂「うぅぅ」
上条「か、神裂!?ま、まさか俺が出かけてる間に誰かがここを襲撃……」
神裂「い、いえそうではなく……」
上条「おのれ魔術師!!うちの最新型電子レンジを木っ端微塵にしやがって!!」
神裂「すみませんでしたぁぁ……!」しくしく
シェリー「………はぁぁ」
上条「なるほどな。そういう事だったのか」
シェリー「びっくりさせて悪かったわね」
上条「まぁ怪我がなくて良かった」
上条(厨房前は大怪我ですが……)
シェリー「ここはあたしが直しとくから、神裂頼んだ」
上条「了解」
上条(隅っこで体育座り……なんてベタな)
上条「あ、あー神裂さん?」
神裂「…………」ちらっ
上条「もしもーし?」
神裂「………なんですか」
上条「怪我とかして無いか?」
神裂「…大丈夫です」
上条「良かった。あれだけ派手に爆発してたからさ、もしかしたらと思って」
神裂「あれくらいの爆発は何ともありません。私は……聖人、ですから……」
上条「そ、そうか……」
上条(更に落ち込んで……なんか地雷踏んだ俺?)
神裂「……どうせ私はレンジ一つもまともに扱えないダメ人間ですよ……」ぶつぶつぶつぶつ
上条(うわ、やべ)
上条「げ、元気出せよ神裂!たかがレンジが一つ壊れただけじゃねーか!レンジだけじゃなかったけど!」
神裂「…たかが?」ぴくっ
上条「へ?」
神裂「…………」じろっ
上条(に、睨まれてる……)
上条(…けど正直全然怖くないな。涙目だし)
上条「な、もう気にすんなって。あの電子レンジは貰」
神裂「もう、当麻なんて知りません」
上条「い物だし………は?」
神裂「知りませんっ」ぷいっ
上条「ちょ、急に何だよ」
神裂「ふんっ」バシッ
上条「痛ッ!!え、何でいま殴ったの!?神裂!?」
シェリー「心配したあたしが馬鹿だったわ。いちゃつきやがって」いらっ
――その夜
上条「『食べられるものならやってみろ!』と言って高く飛び上がると、おじいさんは鮮やかなドロップキックを――」
アンジェレネ「すぅ……ふぁ……」
上条「叩き込み……ってあら?」
アンジェレネ「ふみゃ……」
上条「寝ちゃったのか。こっからが面白い所なんだけどな」
アンジェレネ「ん……」ぎゅっ
上条「……」
上条「はは、お休みアンジェレネ」なでなで
上条「ほい、後は頼む」
アンジェレネ「Zzz……」
ルチア「またアンジェレネは……すみません、ありがとうございます」
上条「いいって、ルチアもお休み」
ルチア「はい、おやすみなさい」
上条「さて、俺もそろそろ寝ますかー」
上条「今日は疲れたからなー、電子レンジの爆発とか爆発とか……爆発とかな……」
上条「手刀一発であの破壊力は流石と言うべきか……」
神裂「当麻」
上条「お陰で危うくキッチンが全滅――って神裂!?いや、あの違うんだ!!」
神裂「ちょっと時間を貰えますか」
上条「別に今のはあなたをバカにしてる訳では決してな………はい?」
@神裂の部屋
上条「ははははは、上条さん分かってましたよ。えぇ分かってましたとも」
神裂「?何の事ですか?」
上条「いや、こっちの話」
上条(廊下で呼び止められて、何か用かと尋ねてみたら――)
神裂『私の部屋で……そこで話します』もじもじ
上条(なーんて頬赤らめて言うから、ちょっと期待してしまった昔の自分にそげぶ)
神裂「それでは早速お願いします」がたっ
レンジ「」
上条(『電子レンジの使い方を教えて欲しい』……わざわざ前に使ってたの引っ張り出してきたのか)
上条(よっぽど昼の事気にしてんだな)
神裂「当麻?」
上条「あーはいはい使い方ね。んじゃ一から教えるぞ」
神裂「宜しくお願いします」
説明中
上条「―――で、最後にこの開始ってのを押す」
上条「と、こんな感じだ。分かったか?」
神裂「」ぷしゅー
上条「うん。ダメそうだな」
神裂「す、すいません。どうにも…」
上条「じゃあ一緒に操作してみよう。習うより慣れろって言うしな」
神裂「分かりました…」
上条「そんな落ち込むなって。ゆっくり覚えていけば良いんだ、な?」なでなで
神裂「は、はい////」
上条「んで、ここで時間設定を――」
神裂「ここですね……こうですか?」ぴっ
上条「ん、オッケー」
神裂「良かった……」
上条「な?落ち着いてやれば出来るだろ?」
神裂「はい、本当にありがとうございます」
上条「大袈裟だって。ただ使い方教えただけで何も特別なことしてねーんだから」
神裂「いえ、当麻が傍にいてくれるだけで……」
上条「へ?」
神裂「な、何でもありません!///」
上条「あ、あぁ…」
神裂「わわわ私は一体何を……///」わたわた
上条(実はばっちり聞こえてたんですけど……言えないよなー)
上条(取り敢えず今のはスルーで……)
上条「じゃ、じゃあもう一回復習しよう」
神裂「は、はい」
上条「今度は俺見てるだけだから、一人でやってみてくれ」
神裂「一人で、ですか」
上条「大丈夫、ヤバそうだったらすぐに助けてやるよ」
神裂「本当に?」
上条「本当に」
神裂「……約束ですよ」
上条「管理人さんに二言は無い!」
神裂「分かりました」
神裂「すぅ~……はぁ~……」
神裂「いざっ!!」
ぽちっ
シーーーーーン
神裂「…………」
上条「…………」
神裂・上条「「ん?」」
神裂「私はまた何か間違えて……」
上条「いや、合ってるぞ」
神裂「では押し方がいけないんでしょうか」ぽちぽちぽちぽち
シーーーーーン
上条「…………」
上条(確かに操作の手順は合ってる)
神裂「ちょっと時間を置いて――」
上条(機械の方もさっきまで普通に動いていたんだから特に問題はない)
神裂「ならば、もう少し強く――」
上条(でも――)
神裂「やはり少し衝撃を与えて……いけません神裂火織!同じ轍を踏む気ですか!」
上条(何故だろう、さっきから俺の不幸センサーが激しく反応している!!)
上条「神裂さん、落ち着こう。一旦落ち着こう」
神裂「私は落ち着いています」ぽちぽちぽちぽち
上条「なら、そのボタンを押す指を止めようか」
神裂「さっきまで普通に動いていたのに、何故急に動かなくなるんですか!!」
上条(そんなの俺が聞きてーよ!!)
上条「さ、さぁな。結構長く使ってたから、たまたまこのタイミングで寿命が来たのかも――」
神裂「…………」
上条「取り敢えず、使う手順はマスターした訳だし、続きは明日やろうぜ」
神裂「…………」
上条「俺も動かない理由調べてみとくから。な?」
神裂「………もう一回」
上条「ん?」
神裂「最後に、もう一回だけやらせて下さい」メラメラメラ
上条「あ、はい」
上条(まずい。何か変なスイッチ入っちゃってるな……)
上条(……あと一回位なら、大丈夫か)
神裂「では、いきます」
上条「……神裂さん」
神裂「?」
上条「いくのは構わないのですが」
上条「――なして俺の手を握っているのでせう?」どーん
神裂「っ、それは……」
上条「それは?」
神裂「その、万が一の時の保険というか、何と言うか」
上条「保険?」
神裂「うっ………いけませんか!?手を握っていては!!」
上条「べ、別に良いけd」
神裂「なら黙っていて下さい!集中出来ません!」
上条「えぇー……すいません」
神裂「ふぅ……///」ぎゅっ
上条(……不安だ)
神裂「で、では改めて」
上条「頼むから落ち着いてな」
神裂「ですから、私は落ち着いています」ぎゅっ
上条(手のひらが汗でびっしょりなんですがそれは……)
神裂「これまでの数々の汚名を返上し、『機械音痴の露出狂』などと言うふざけたレッテルを剥いでやります!!」
上条「そんな事言われてたのかよ……」
神裂「はぁぁぁぁぁぁ……」
神裂「はっ!!」しゅっ
ぶすり
上条・神裂「「…………」」
上条「……ちょっといいか」
神裂「な、なんですか」
上条「これが幻想じゃないなら……」
神裂「…………」
レンジ「」ぷしゅー
上条「……上条さんの目には、神裂の指が機械に突き刺さっているように見えるんですが」
神裂「げ、幻想じゃありませんよ。私にもそう見えます」
上条「だよなー!何か煙出てきてるしなー」
神裂「変な音もしていますね」
上条・神裂「「ははははははは」」
レンジ「」ピーーーーーーーーーー
上条・神裂「「っ!?」」
上条「危ねぇっ!」ばっ
神裂「あっ…」
どぉおおおおおおおん
ぱらぱらぱら
上条「っ、いってぇ……大丈夫か?」ぎゅっ
神裂「は、ははははい///」
上条「にしても……最近の家電製品は爆発しやすいように設計してんのか?いくらなんでも派手に散りすぎだろ…」
神裂「あ、あの…///」もじもじ
上条「あーあ。これ知られたら、またローラ辺りから嫌味言われそうだな」
神裂「あの!」
上条「不幸だー……ん?」
神裂「そろそろ、その……どいて頂けると…//」
上条「へ?」
《馬乗り》
上条「――うおっ!?す、すまん!!」ばっ
神裂「い、いえ…//」
上条「今のはだな!その、咄嗟に繋いでた手を引いたら偶然にもこうなってしまったと言いますか!そn」
神裂「分かっています」
上条「……怒ってない?」
神裂「怒ってまいせんよ。だって――」
神裂「私を庇ってくれたのでしょう?」にこっ
上条「っ!!」
神裂「私の方こそ、せっかく教えてもらったのにこんな……すみません」
上条「謝るなって、神裂は悪くない。まぁ、電子レンジは無くなっちまったけど……少なくとも、途中まではちゃんと出来てたじゃねえか」
上条「もうお前は機械音痴なんかじゃねーよ。俺が保証する」にこっ
神裂「と、当麻……///」
上条「は、はは……///」
<だだだだだだだだだだ
神裂・上条「「?」」
ばたんっ
アニェーゼ「大丈夫ですか!!今さっきこの部屋から爆発音が……して……」
シェリー「ったく、こんな時間に何騒いでん……だ……」
上条・神裂「「…………」」指を絡ませて寄り添い合う男女
アニェーゼ「」
シェリー「これはこれは……随分とお楽しみだったみたいね」
上条「い、いや!俺はただ神裂にレンジの使い方を……」
シェリー「レンジなんてどこにもねぇだろ」
上条「あぁそうだった、キレイさっぱり吹き飛んじまったよチクショウ!!」
アニェーゼ「………」ぷるぷるぷるぷる
上条「か、神裂!お前からも何とか言ってくれ!」
神裂「」キャパオーバー
上条「このタイミングで!?おい、起きろって!!」
シェリー「んじゃ、特に問題が無いならあたしは戻って寝る。お休み」
上条「ちょ、待っ――」
シェリー「あと、そこの子どうにかしないとヤバいんじゃね?」
上条「て……え?」
アニェーゼ「上条……当麻?」ごごごごごごごご
上条「」
シェリー「ご愁傷様」ばたん
<ま、待てアニェーゼ!話せば分かる!話せばーー!!
<こんな時間に二人で何やってたんですかーーーーーーーー!!
どごっ
<ぱぱのばかぁぁああ!!
<な、何で俺だけこんな……ふ、不幸だぁぁぁぁああああああ
シェリー「ふぁあああ」
シェリー「……アホらし」
翌日
オルソラ「まあ、それでは昨夜の騒ぎは貴方様だったのございますか」
シェリー「そう。半分はアニェーゼだけど、原因を考えたら9割は当麻が原因ね」
オルソラ「あらあら」
シェリー「オルソラもあの音で起きたクチ?」
オルソラ「はい。今日は何処にも出かける予定はありませんが…」
シェリー「それさっきの話な。んで昨日はどうだったのよ」
オルソラ「ちょっとした調べ物をしていたのでまだ起きていたのでございますよ」
シェリー「あ、そう。でもあの時出てきた連中の中にはいなかっただろ?」
オルソラ「はい。音に気づいて飛び起きたのですが、気のせいだと思ってそのまま就寝しましたので」
シェリー「……って事は、あんたやっぱり寝てたんじゃねえか」
オルソラ「そう言えばそうでございますね、ふふふ♪」
シェリー「……なんなのよ」
訂正
×貴方様 → ○彼
上条「おーい、オルソラ。上の棚から全部降ろし終わったぞ」
オルソラ「ありがとうございます!……では、これで」
シェリー「ん、行ってらっしゃい」
トトトト……
<なぁ、整理するの一人で大丈夫か?俺で良ければ手伝うけど……
<後は私一人で大丈夫でございますよ。貴方様は少し休んでいて下さいな
<そっか。無理はすんなよ?何時でも頼ってくれて良いからな
<ふふ、心配しすぎでございますよ♪
シェリー「平和ねぇ」
上条「ふぃ~取り敢えずひと休みっと……」
シェリー「お疲れ様」
上条「ぬおっ!?」
シェリー「何だよその反応は。失礼な男ね」
上条「いや気づかなくてびっくりしただけだ、ごめん」
シェリー「ん。許してやるよ」
上条「…………」
シェリー「…………」
上条「………えぇと」
シェリー「昨日の事なら、あたしが適当に誤魔化しといてやった。感謝しな」
上条「ありがとうございます……」
シェリー「上手くいった?」
上条「へ?」
シェリー「だから、昨日の秘密の特訓よ。上手くいった?」
上条「シェリー…お前気づいてたのか」
シェリー「まぁね。伊達に年食ってないわよ」
上条「だったら、あの時何でアニェーゼ止めてくんなかったんだよ!」
シェリー「別に、気づいたからってあの子止めるのは無理。どういう理由があれ、あんたらがイチャついてたのは事実」
上条「ははは……」
シェリー「で、成果は出た?」
上条「言わなくても分かるだろ。あの爆音と跡形もなく消し飛んだレンジが答えです」
シェリー「ダメだったのか。ま、あれが一日やそこらで治るわけがないな」
上条「でも、途中まではいい感じだったんだぜ。実際一回はちゃんと動かせたし…」
シェリー「……それで、どうして最後あんなになるのよ」
上条「……そこは俺にも分からない」
上条「何がいけなかったのか……原因を考えようにも、もう物は残ってねえし」
シェリー「…………」
上条「あーわかんねー」
シェリー「……あたしが思うに、アイツは力が強すぎんだよ」
上条「え、力?」
シェリー「そう、聖人としての力。魔術的な意味じゃなく物理的な意味で」
上条「……あぁ」
シェリー「ただでさえ馬鹿力な上に、緊張でそのパワーを上手くコントロール出来ないと――」
上条「想定されている以上の負荷に耐えられなくなって壊れると」
シェリー「Yes」
上条「確かに……一番最後にやった時、指刺さってたしな」
シェリー「でs……は?指が刺さった?」
上条「それはもう、綺麗にぶすっと」
シェリー「……そりゃするだろ爆発」
上条「………はは」
@聖ジョージ大聖堂
ローラ「――と言うことで、次の任務の内容についてはよろしい?」
神裂「はい」
ローラ「なら、これでお開き……と言いたい所ではあるけれど!」
神裂「?」
ローラ「実は、わたくしの元にとある報告が入ってきていりけるの」
神裂「はぁ……今回の任務に関係することでしょうか」
ローラ「……電子レンジ」
神裂「っ!!!??」びくっ
ローラ「わたくしが先日、学園都市から送ってきてもらいし最新モデルの電子レンジが、何者かの手によって無残にも粉々に破壊されてしまった、と」
神裂「あ…あ……」おろおろ
ローラ「そう言えば、貴女はきのう一日中寮にいていたのよね?」
神裂「う…は、はい……」
ローラ「なら、貴女何か知りたりける事があるのではなくて?」
ローラ「わたくしの大事なコレクションを木っ端微塵にした憎きやつを突き止めたいの、協力してはくれなし?」
神裂「っ!!」
ローラ「神裂?」
神裂「………わ……」
ローラ「ん?」
神裂「わ、私…は……」
ローラ「うんうん。私は?」
神裂「私……私は……っ!」
ローラ「もう一声!」
神裂「わ、私は何も知りません!!!!」ばーん
ローラ「あら、それは本当に?」
神裂「ほ、本当です!」
ローラ「ほ・ん・と・う・に?」
神裂「本当に本当です!!うわーーーーーーん!!!!!」だだだだだだだ
パリーンッ
<な、なんだ!?急に教会の窓ガラスをぶち破って女が!?
<どいてください!!うわーーーーーーん!!
ローラ「……んふ♪」
ローラ(ちょっと意地悪をしすぎたかしら?)にやにや
しゅたっ
神裂「はぁ……はぁっ……」
神裂(な、何をやっているのですか私は!!幾ら動揺したとは言え、教会の窓を破って逃げてきてしまうなんて……)
神裂(……後できっとからかわれるのでしょう。それはもう盛大に)
ローラ『げらげらげらげらwwwwwwやっぱり貴女が壊していたりしね神裂wwwwwww』
神裂「はぁ………」
とぼとぼ
“『今までの数々の汚名を返上し、『機械音痴の露出狂』などと言うふざけたレッテルを剥いでやります!!』”
神裂「……あんな大口を叩いて、結局は汚名を返上するどころか恥の上塗り……」
神裂「おまけに、途中から記憶が無くなって気がつけば朝……まだ当麻にちゃんと礼をしていないのに……」
神裂(これじゃあ、完全に彼に呆れられて――)ぐすっ
“『もうお前は機械音痴なんかじゃねーよ。俺が保証する』”
神裂「…………」
神裂「はっ////」ぼんっ
神裂(そうでした……あの時当麻は……///)
神裂「………///」
pipipipipipi
神裂「ん?メール…一体誰から」
ぽち
神裂「!!」
神裂「///――はっ」
神裂「取り敢えず返信を///」
ぽちぽちぽちぽち
ぴろりん
神裂「送信――と」
神裂「すぅ~~……はぁ~~……」
神裂「よし!!」
神裂(さて、今日も頑張らなくては!!)しゅっ
<ねぇ、ママー!変な格好の女の人がお空飛んでるー!
<何言ってるのこの子は……ってえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
携帯電話は使えるのね
上条「……っと、送信」ぴろりん
シェリー「メール?」
上条「あぁ、神裂にちょっとな」
シェリー「ふぅん」ぎゅっ
上条「ちょっとシェリーさん?あんまりくっつくとその……」
シェリー「当ててんだよ。それよりメール何て送ったのか見せろ」
上条「さらっと爆弾発言しやがった!?見せるから、見せるからちょっと離れt」
シェリー「へぇ、神裂は良くてあたしはダメか」
上条「っぐ……いえ、何でもありません……」
シェリー「どれどれ……ほーん?」
上条「別におかしな事書いてねえだろ?」
シェリー「そら、おかしな事は書いてないけど?……ホント、罪な男だテメェは」ぎゅっ
上条「何かその呼ばれ方久しぶり!ってかさっきより更に密着してあれやこれやの感触がー!?」
シェリー「男がガタガタ騒ぐんじゃ……っておい、返信きたぞ」
上条「耐えろ、耐えるんだ俺の理性!!……え?」
シェリー「どれどれ」パカッ
上条「あ、ちょっと待てって…」
シェリー「…………」
上条「俺にも見せてくれって、なあ」
シェリー「……はは、随分と可愛らしい聖人様だこと」
上条「はぁ?だから、俺にも見せろって」
シェリー「何でだよ?」むぎゅっ
上条「何故ならそれは俺のケータイだから!!ってかそろそろ本当に離れて!!」
シェリー「我慢しなさい」
上条「はぁぁ……なんか分からんけど不幸だー!?」
>>105
アニメ版だと携帯に呪符みたいなものを張っている所が確認されている
つまり、アニメ版のねーちんは携帯さえ使えない……?
アックアやテッラさえ現代利器を使いこなしているというのに……
From:上条当麻
Subject:レンジのこと
――――――――――――
今回は上手くいかなかったけど…
次はきっと大丈夫だ!
神裂がちゃんと出来るようになるまで
いくらでも付き合うから
また一緒に頑張ろうな。
From:神裂火織
Subject:Re:レンジのこと
――――――――――――
はい
わたしもとうまといっしょにがんばります
よろしくおねがいします
電子レンジ編 終わり
>>105
>>108
神裂さんはケータイの通話とメールだけマスター
現在、カメラの使い方をインなんとかさんから習っている状況……という事で
その話もやるかも
取り敢えず、次は任務のねーちん&カミやんを天草式+αで大追跡編をやります
◎大追跡編
@食堂
上条「……ヒースロー、空港?」
アニェーゼ「はい……え、まさか知らないんですか?」
上条「いや、知ってるよ?知ってるけd」
アニェーゼ「ですよね。じゃあ、そこに明日の午後1時20分、第一ターミナルの…」
上条「ちょ、ちょっとタンマ!」
アニェーゼ「はい?」
上条「はい?じゃねーよ!いきなりなんだ『ヒースロー空港に行け』って!俺いま掃除しようとしてたんですけど!」
アニェーゼ「大きい声出さないで下さい……嫌なんですか?」
上条「嫌だとか嫌じゃないとか言うことではなく!理由を言えっての」
アニェーゼ「はぁ~。細かいとこ気にし過ぎちまう男はハゲますよ」
上条「お前が大雑把過ぎるの!!あと上条さんの毛根は今日も元気です!」
アニェーゼ「えぇと、確かここに……」
上条「どスルー!?」
アニェーゼ「あった。これですよこれ」ひらっ
上条「くそう、俺はまだハゲてなんか……ないよな?」ずーん
アニェーゼ「誰に向かって言ってんですか。ほら、ご所望の『理由』です」ひらっ
上条「あ?――これ、昨日お前に来た手紙だよな」
アニェーゼ「そうですよ」
上条「アニェーゼ宛に来た手紙、ってことはイタリアのローマ正教関係とか?」
アニェーゼ「アルゼンチンからです」
上条「あ、アルゼンチン?そんな所から来てるのか」
アニェーゼ「えぇ、ラプラタ大聖堂の司教から私に」
上条「らぷらた?」
アニェーゼ「……とにかく、さっと読んじまって下さい。そこに全部書いてあるので」
上条「いや、あのアニェーゼさん?……これ何語?」
アニェーゼ「スペイン語です」
上条「英語でさえ危うい上条さんにスペイン語の手紙が読めるわけ無いだろ!?」
アニェーゼ「イギリスに住んでんですから、英語は出来なきゃ不味いでしょう……」
―――――――――――――
敬愛なるシスター・アニェーゼへ
ご無沙汰しています
かなり久方ぶりの便りになってしまった事をお許し下さい
ですが、また鑑定をお願いしたい物が有りまして厚かましくもこうして筆を執りました
先日、我がラプラタ大聖堂の関連施設の一つで、その老朽化に伴い一部改修工事を行ったのですが
その際に出てきたある物が問題で……
恐らく何かの霊装ではないかと思うのですが、当方では皆目検討がつきません
教皇様のサインが入っているので正教に関係している事は間違いないかと
文面で説明するには少し難しい物なので、細々としたやり取りは割愛して、早速実物を送ります―――
アニェーゼ「『どうか宜しくお願いします』…と」
アニェーゼ「簡単にまとめちまうとこんな感じです」
上条「なるほどな……いや待てよ?」
アニェーゼ「?」
上条「アルゼンチンの教会から見つかった物を、どうしてローマ正教のアニェーゼに鑑定させるんだよ」
上条「向こうの、アルゼンチン正教?とかが調べるのが普通じゃないのか」
アニェーゼ「……ブエノスアイレス大司教区の事ですかね。あそこはローマ正教傘下ですよ」
上条「あ、そうなの」
アニェーゼ「その辺から説明しちまった方が良さそうですね」
上条「是非ともお願いします……」
アニェーゼ「どこから話せば……前に、スペイン星教派の話はしたので知ってますよね」
上条「あぁ、確かローマ正教内の派閥だったっけ?」
アニェーゼ「そうです。では15~16世紀にかけて、スペインの所謂『コンキスタドール』達が、特にアメリカ大陸を中心に侵略、植民地化しちまったってのは……」
上条「なんか聞いたことが有るような、無いような?」
アニェーゼ「どっちなんですか……ともかく、その時に欧州の文化が流入すると共に十字教も広められてったんですよ。半ば強制的に」
上条「ふんふん」
アニェーゼ「その結果、ローマ正教とそのかつての植民地だった国々の間には、表立ってやしませんが宗教的な――特に魔術結社的な意味で――強権的な支配構造が出来上がったってな訳です」
アニェーゼ「つまり、魔術的に植民地の国々を実質支配しちまったんですよ。このアルゼンチンも例外じゃ有りません」
上条「ほおほお」
アニェーゼ「まぁ、アステカやインカと言った現地の土俗神話に結びついて特殊な変化を遂げた一派とか、フィリピンの様な東南アジアに伝播している諸宗教や原住密教と融合しちまって、魔術的には殆ど原型を留めていない例も有るんで、一概に皆がそうだとは言えないんですが」
上条「へえぇ」
アニェーゼ「そして先人達が十字教を広めた先で、布教活動と同時に魔道書の執筆や新しい術式の開発等をしてたんですが、18世紀後半になって植民地各地が政治的に独立します」
上条「ふむふむ」
アニェーゼ「ローマ正教もその影響を受け、多くの正教関係者は本国に…つまりスペインやイタリアに帰ってきちまったんです。自分達の功績の一部を現地に残して」
アニェーゼ「残って帰化し、熱心な活動を行っていた人もいたらしいですが、そういう人達は魔術云々と言うより信仰心から動いていた人達ですから、そういう方面には疎かったみたいで」
上条「あらあら」
アニェーゼ「で、稀にですけど、その残された魔術に関連する物の依頼が舞い込んでくる事があるんです。今回みたいな霊装の鑑定とか」
アニェーゼ「私達は、よくその手伝いをしてましたから、こうして今でも……」
上条「なるほどなるほど」
アニェーゼ「………ちょっと、ちゃんと聞いてんですか?」
上条「もちろん聞いてるぞ。アニェーゼは色んな事を知ってて偉いな、脳味噌スカスカな上条さんとは大違いですよ」なでなで
アニェーゼ「え、えへへ//……って違う!!ちゃんと私が言ったこと理解できたかってことです!!」
上条「おう。つまりは偶然見つかった霊装が良くわかんねぇから、繋がりのあるローマ正教に鑑定して貰おうって事だろ?」
アニェーゼ「随分とざっくりですが……まぁ、そうです」
上条「で、何となく事情は分かったけども。なんでそれの受け取りに俺を?」
アニェーゼ「自分で言うのも何ですが、今の私はローマ正教徒でありながらイギリス清教に身を置いちまってるちょっと面倒な立場です」
上条「だな」
アニェーゼ「だからこういった、宗教関連の物品取引みたいなデリケートな事案で、公の場に姿を見せるのはちょっと……」
上条「いや、お前ら結構頻繁に出掛けてるじゃん……まぁ良いけどさ」
アニェーゼ「それに、予報によると明日は雨らしいですし。厄介ですよね雨」
上条「おい!今なんか本音がもれたぞ!」
アニェーゼ「だからパパ、お願い」うるうる
上条「うわぁ可愛い!よしお父さん頑張っちゃうぞ―――ってなるか!!」
アニェーゼ「ちっ」
上条「まったく……俺だって暇じゃ無いんだぞ?寮の掃除に屋根の修理……」
上条「食材の買出しにも行かなくちゃなんねえし、それに――」
アニェーゼ「苦手、なんですよ」
上条「――は?」
アニェーゼ「苦手なんです……雨って」
上条「苦手って、何が…」
アニェーゼ「あの湿った匂いがすると……昔を思い出しちまうんです」
上条「っ!」
アニェーゼ「両親を失って、頼るすべも無く一人路地裏で蹲って……」
アニェーゼ「自分の身を守る物も無く……ただただ冷たい雨に打たれているしかなかったあの頃を……」
上条「…………」
アニェーゼ「だから、どうしてもあs」
上条「もういい、アニェーゼ」だきっ
アニェーゼ「ふぁ!?」
上条「悪い、お前がそんなトラウマ抱えてたなんて知らなかったんだ……ごめんな」ぎゅっ
アニェーゼ「いいいいいえ!そんあ気にすりゅこと///」
上条「大丈夫、俺に任せろ。ちゃんとその霊装受け取ってきてやるから」
上条「だからアニェーゼは安心して待っててくれ」にこっ
アニェーゼ「う、うん……//」
アニェーゼ(本当は、雨降ってると面倒だから適当に噓ついちまったんですけど、効果覿面じゃねえですか…//)
上条「ん?でもそう言えば前に雨の日に庭で他の子達と……」
アニェーゼ(!!?)
アニェーゼ「っ!ぱ、パパ!頭なでなでして下さい!」ぎゅっ
上条「え、あ、あぁ……どうした?急に甘えん坊になったな」なでなで
アニェーゼ「えへへへへへへへ///」
アニェーゼ(まぁでも―――この位の噓なら、別に良いですよね!)
上条「でもそんな重要な物、何で俺一人に……」
アニェーゼ「一人じゃ行かせませんよ。幾らパパが無駄に戦闘慣れしてるとは言え、流石にそこまで鬼じゃないです」
上条「無駄に戦闘慣れしてるって……別に好きで巻き込まれてるんじゃないのに……」しくしく
アニェーゼ「ちゃんと用心棒をつけますから」
上条「用心棒?」
アニェーゼ「だから安心して行って来てください」にこっ
上条「あ、あぁ……」
上条(用心棒って……誰だ?)
アニェーゼ「ほら、なでなでの手が止まっちまってますよ」
上条「はいはい」
アニェーゼ「~~~♥」
――昨晩
神裂「上条当麻の護衛?」
土御門『そうだにゃー』
神裂「何故、当麻を護衛なんて……まさか!また彼の身に何か――」
土御門『あー、取り敢えず今ねーちんが想像してるような事は起きてねーから。落ち着け』
神裂「……本当でしょうね、土御門」
土御門『当ったり前だにゃー。もし実際にカミやんがそんな危機的状況にいるとしたら、こんな呑気にお電話していられるわけないだろ?』
神裂「それはそうですが…あなたの言う事は信用出来ませんから」
土御門『あらら』
神裂「大体、あなたからの上条当麻に関する話で、碌な目にあった事が有りません」
神裂「いつもいつも彼に迷惑をかけて……いい加減にしないと、幾らあなたと言えど……」
土御門『おいおい、そりゃ言いがかりだぜねーちん?いつも厄介事に巻き込まれるのはカミやんの“不幸体質”のせい。俺に非はないにゃー』
神裂「確かに彼の《幻想殺し》が影響しているのは間違いありませんが……」
土御門『影響してるっつーか、モロそれが原因だろ』
神裂「なら、尚のこと私達が彼を…!」
土御門『だから落ち着けって。まぁったく、ねーちんたら……カミやんの事となると、まるで発情期のネコみたいn』
神裂「何か?」ジャキンッ
土御門『はは、冗談だって。同僚に対する小粋なジョークぜよ、ジョーク!だから抜いた刀を納めるにゃー!』
神裂「はぁ……それでは、もっと詳しく内容を」
土御門『もっと詳しくって、もう全部話したぜよ』
神裂「え?ですがまだ、当麻を護衛しろとしか言われていませんが……」
土御門『だから、それが任務内容だってばねーちん。寝ぼけてるのか?』
神裂「寝ぼけているのはあなたでしょう!?たったそれだけの情報で何をどうしろと!」
土御門『はぁ~…これだから最近の若者は。何から何まで指示を出して貰わないと行動出来ないなんて、天草式十字凄教の女教皇様が聞いて呆れるにゃー……』
神裂「んなっ!こ、この……」
土御門『まだ分かんねーのかキサマはッ!!』
神裂「!?」
土御門『……良いかねーちん。これは千載一遇の大チャンスなんだぜい?』
神裂「チャンス?」
土御門『惚れた男にアピール&今までの恩を少しでも清算するためのな!!』
神裂「ほ、惚れっ!?急に何を言い出すんですか!!///」
土御門『あっれれ~?違ったかにゃー?』
神裂「当たり前です!!別に私は、そんな……///」
土御門『おかしいなぁ。だってねーちん、部屋の箪笥の上から二番目の引き出しに――』
神裂「なぁぁあああ!?ななななぜそれをあなたがっ!?」
土御門『カミやんのし――』
神裂「殺すッ!!テメェ今どこにいる!!たとえ地の果てまでも追って殺すッ!!!!」シャキーン
ブツッ
ツー、ツー
神裂「土御門ォォォォォオオ!!!!!」
ツー、ツー
土御門「おー、くわばらくわばら」
土御門「……アフターケアは任せたぜ、カミやん?」にやり
―――――――――――――――
上条「――っ!?」ぞくっ
アニェーゼ「どうしたんです?」
上条「なんか、ものすごく嫌な予感が……」
アニェーゼ「?」
@日本人街・天草式
建宮「ふんふん」
建宮「……なるほど。それで時間は――」
建宮「となると、恐らく――」
香焼「教皇代理、誰と電話してんすかね?」
牛深「さぁ?」
建宮「ん、わざわざ報告ありがとさん。じゃあな」ぴっ
牛深「誰と話していたんですか?」
建宮「ちょっとした知り合い……いや、同士と言うべき我が友人からだ」
香焼(土御門さんすね)
牛深(土御門だな)
建宮「そいつが、ちょっと面白い情報が入ったと連絡してくれたのよ」
香焼「面白い情報ってなんすか」
建宮「お、知りたいか?知りたいのか?」
牛深「もったいぶらないで教えて下さいよ」
建宮「実は昨日、女教皇様にある任務が降りたのよ」
牛深「はぁ…それは、いつもの事では?」
建宮「確かに。ただそれだけなら、何てことない情報……」
建宮「だがしかし!問題はその内容なのよな!」
香焼「だから、その内容が何なのか聞いてるんすけど」
建宮「そう焦るな―――ズバリその内容はッ!」
牛深・香焼「「……」」ごくり
建宮「上条当麻との一日デェェェトッなのよ!!」
牛深・香焼「「…………」」
牛深・香焼「「な、なんだってぇぇえ!!?」」
牛深「そ、そんなバカな……任務内容が『上条当麻とデート』!?」ぶるぶる
香焼「本当なんすか、それ」
建宮「確かなツテだから間違いないのよ」
牛深「そ、そのことを五和は?」
建宮「勿論知らない。ってか知ってたら今頃大騒ぎで、オレらだって無事では済まないのよな!」
牛深「で、ですよねぇ。ははは……」
香焼「そうすよ。まさか『上条当麻とデート』なんてふざけた任務がよりによって女教皇様に下ったなんて知られたら……」
建宮「それこそもう一巻の終わりよな。はっはっはっ!」
五和「何が、一巻の終わりなんですか?」
建宮「はっはっh………え?」
五和「ねぇ、建宮さん」
建宮「あ…いや……」
牛深(い、五和……)
香焼(あぁ、これはもうダメかもしれないすね)
牛深(……もはや教皇代理の無事を神に祈ることしか……)
香焼(諦めたらそこで試合終了すよ)
牛深(この状況で他に一体何が出来るって言うんだ!)
対馬「何やってるのよ……」
香焼「あ、対馬先輩いたんすか」
牛深「一体いつから?」
対馬「『上条当麻とデート』だって騒ぎ出した辺りから」
牛深「対馬も人が悪い……何故教えてくれなかった」
対馬「あの子抑えてるので精一杯だったの!大体あんな話大声でしてるんじゃないわよ!」
牛深「う……も、申し訳ありません」
香焼「まぁ、しょうがないすよ。今回は不運な事故みたいな物すから」
対馬「……あんたねぇ」
五和「答えて下さい。さぁ、さあ!」
建宮「分かった!分かりました!ちゃんと話すから、話すからその槍をおろしてーー!?」
五和「…………」ばっ
建宮「ぐふ……た、助かったのよ」
建宮(やっぱり五和にとってこの話題は鬼門過ぎるのよな……)
対馬「あら、解放されたみたいね」
香焼「本当すか?てっきり半殺し位にはされるかと思ったんすけど」
対馬「あなた五和を一体何だと……」
香焼「『恋する乙女』すよね?」
対馬「合ってるけど、言い方にそこはかとなく悪意を感じるわ」
牛深「あの……大丈夫でしたか教皇代r」
がしっ
牛深「っ!?」
建宮「何で助けてくれんかったのよ!!この薄情もんがーー!!」
牛深「助けるも何も、悪いのは教皇代理でしょう!?」
建宮「例えそうだとしても助けに来るべきなのよ!」
牛深「そんな理不尽な!?」
建宮「『救われぬ者に救いの手を』の精神は何処に行っちまったのよーー!!」
牛深「あんたのプライドこそどこ行った!?救われないのはこっちだ馬鹿野郎!!」
五和「早く話してくれませんか?」にっこり
建宮「ひゅピッ!?」
――説明中――
建宮「――と、言うこと…だったのよ……こぷ」ぱたり
対馬「そんな……ウソ……」
五和「…………」
香焼「俺もまさかとは思ったんすけど、本当らしいすよ」
対馬「でもソースは土御門なんでしょ?信じていいのか……」
牛深「土御門だからこそ、だ。こういう情報を敢えて横流しして、反応を面白がる奴だからな」
牛深「逆に、わざわざこんな嘘を流すメリットも考えられない」
対馬「それは、そうだけど……でもまだ私は信じきれないわ。だって――」
五和「…………」
諫早「残念ながら、それは本当だ」
浦上「……」こくり
一同「「「「!?」」」」
牛深「い、諫早さん……それに浦上も」
浦上「ど、どうも」
香焼「今日は仕事が有るとか言ってなかったすか?」
浦上「うん、有ったよ。有ったんだけど……」
対馬「ちょっと、この話が本当って……諫早さん何か知ってるの?」
諫早「あぁ」
対馬「教えて!どういう事よ『上条当麻とデ――」
五和「………」ピクリ
対馬「……あのふざけた任務内容は一体なんなのか!」
諫早「落ち着け。今からちゃんと話す」
一同「「「「…………」」」」じっ
建宮「」死ーん
諫早「あれは、丁度昼の休憩を浦上と二人でとっていた時のことだ―――」
――回想――
浦上「諫早さん。廃棄用の箱全部、裏に回しておきました」
諫早「お疲れさん。お前も休みなさい」
浦上「あ、はい……休憩入りまーす!」
<はいよー
浦上「ふぅ~」
諫早「どうした。もうへたばったのか」
浦上「いえ、そういう訳じゃ……ただ、空気が湿って来ているなぁと思って」
諫早「あぁ。どうやら明日は雨のようだな」
浦上「やだなぁ……雨の日は髪の毛ボワボワになっちゃうから……」
諫早「ならば、短くすれば良いだろう?」
浦上「だ、ダメです!」
諫早「なぜ?」
浦上「だって短くしたら、ポニーテールに出来なくなっちゃいます」
諫早「ほぉ、その髪型に何か拘りがあるのか」
浦上「こ、こだわりって言うか……あ、あの人が褒めてくれたから……///」ゴニョゴニョ
諫早「?」
浦上「とにかく髪を短くするのは却下です」
諫早「まぁ、好きにするとい――――ん?」
浦上「どうしました?」
諫早「いや、あの人だが……」
浦上「え?誰ですか?」
諫早「ほら、あそこにいるだろう」
神裂「…………」こそこそこそ
諫早・浦上「「…………」」
浦上「……女教皇様!?」
諫早「恐らくな……一体何をやっておられるんだ」
神裂「…………」こそこそこそ
ガチャ
浦上「あ、中に入った」
諫早「あそこは建宮が物置がわりに使ってる平屋だが……」
浦上「何か借りに来たんですかね?」
諫早「……建宮の私物をか?」
浦上「……ちょっと考えづらいですよね」
諫早「…………」
浦上「…………」
諫早「浦上。ちょっと見てきてくれ」
浦上「何で私が!?」
諫早「気にならないか?」
浦上「気になりますけど。諫早さんが行けばいいじゃないですか」
諫早「いざという時、わたしより若く、尚且つ同性のお前の方が助かる見込みが高いだろう?」
浦上「『助かる見込み』ってなんですか!?」
諫早「ちょっとした言葉の綾だ」
浦上「ウソだ!!」
諫早「こんな老いぼれに、無理をさせんでくれ……」
浦上「何言ってるんですか!この前も一人でお店に来た暴漢叩きのめしてたくせに!」
諫早「そんな事……あったかね?」
浦上「とぼけるな!!とにかくい・や・で・す!まだ死にたくない!」
諫早「いやはや…『老人を大切に』と言う風潮は、もはや何処にも残っていないんだな……」
浦上「都合の良い時だけおじいさんのフリして……ずるいですよ」
浦上「…………」
諫早「…………」
浦上「……出てきませんね」
諫早「そうだな」
浦上「……何かあったんですかね?」
諫早「気になるなら見に行けばいい」
浦上「そ、そうですよn……って!騙されませんよ!」
諫早「騙してるつもりはないんだが……」
浦上「…………」チラッ
諫早「…………」
浦上「…………」チラッ チラッ
諫早「…………」
浦上「…………」チラッ チラッ チラッ
諫早「…………」
諫早「……おっほん。浦上」
浦上「っ、は、はい!」
諫早「いつまでも出てこられない女教皇様が些か心配だ。様子を見に行くが―――ついてくるかね?」
浦上「!!行きます!!」
浦上「~~♪」ワクワク
諫早「……やれやれ」
諫早「……ここだな」
浦上「はい」
諫早「さて、入るぞ」
浦上「ら、らじゃーです」
カチャ
諫早「……気を抜くなよ」
浦上「わかってます!」
ヒタヒタ
浦上「中暗いですね……何で電気付けないんでしょう?」ヒソヒソ
諫早「少しでも気づかれない様にするためだろう」ヒソヒソ
浦上「なるほど」
諫早(ここまで警戒しているとは……本当に何をしておられるのか)
浦上「あ!見てください諫早さん!」ヒソヒソ
諫早「どうした?」ヒソヒソ
浦上「ほらあそこ!下の隙間から光が漏れてます」ヒソヒソ
諫早「なに……おぉ、あそこだな」ヒソヒソ
諫早(一番奥から二番目の扉……はて、確かそこには――)
浦上「ど、どうしますか?入ります?」
諫早「……そうだな。入ってみよう」
浦上「諫早さんが先頭で行ってください。私は絶対に嫌です」
諫早「まったく……」
諫早(そこには『例のアレ』が――――はっ!まさか!!)
浦上「諫早さん?」
諫早「……あ、あぁ。すまん」
浦上「?」
諫早(いやいや、考えすぎだろう。考えすぎだ)
諫早「それでは――行くぞ」
浦上「……」こくり
コンコンッ
諫早「女教皇様、いらっしゃいますか。私です、諫早です」
ガタッ
<い、諫早っ!?な、何故ここn……あぁ!!
どんがらがっしゃーん!
浦上「!何でしょうか今の音……」
諫早「分からん…だが何か起きたに違いない。踏み込むぞ!」
浦上「はい!」
ガチャッ
諫早「女教皇様!!」
浦上「大丈夫ですか女教皇様!!」
神裂火織@堕天使エロメイド「え…………」
諫早・浦上「「…………」」
浦上「えええええええええええええええええ!!!???」
諫早「なんとっ……」
堕天使エロメイド「み、み、見ないでください!!!!!」ばっ
浦上「うわわわわわわ……女教皇様ってば大胆……///」
諫早「……何をされているんですか」
堕天使エロメイド「こ、これはですね!決して個人的な趣味趣向で着ているわけでは無くっ……!」ばいーん
浦上「え?ち、違うんですか?」
堕天使エロメイド「あなた方の中の私は、一体どれだけ変態に歪められているのか!!」
浦上「いや、そんな服着て言われても……」
諫早「こら浦上。この服はそんな己の嗜好で身につけるものではない」
諫早「女教皇様にも考えが有ってのことなんだ」
堕天使エロメイド「諫早……」
浦上「なんですか、その考えって」
諫早「そりゃあお前、意中の男を悩殺するためだ。当たり前だろうが」
浦上「あ、そうか」
堕天使エロメイド「諫早ーー!?」
諫早「とにかく、女教皇様。我々は一旦外に出て待機していますので、さっさと着替えて下さい」
堕天使エロメイド「はい……」
ばたんっ
浦上「…………」
諫早「やれやれ……」
浦上「なんか、色々とすごかったですね!」
諫早「あぁ。女体の神秘を最大限に生かした傑作――もはや『霊装』と言っても過言ではない」
浦上「……エロじじい」
がちゃっ
神裂「……どうぞ」
浦上「あ、いつもの服ですよ」
諫早「当たり前だ。余計なことを言うな………では、失礼します」
神裂「…………」
浦上「…………」
諫早「…………」
チクタクチクタク
神裂「…………」
浦上「…………」
諫早「…………」
チクタクチクタク
浦上「……わ、わたしお茶いれてきます!!」
神裂「それなら私が――」
浦上「そんな!女教皇様にそんな事させられません!座っていてください!」だだだだだ
神裂「あ……」
諫早「…………」
諫早「――女教皇様」
神裂「は、はい」
諫早「先ほどの件……訳をお聞きしても宜しいですか」
神裂「…………」
諫早「どうしても話せないと言うのなら、構いませんが」
神裂「いえ」
神裂「……話しましょう」
浦上「えぇと、台所は……ここか!」
がちゃっ
浦上「さてと、お茶お茶ーっと」
――湯沸し中――
浦上「はぁ~~……緊張した。あんな空気耐えられない」
浦上「諫早さん、上手くやってくれるかなぁ」
こぽこぽ
浦上「それにしても……何でこの急須、女の子の絵が描いてあるんだろう」
浦島「教皇代理の趣味とか?……気持ち悪い」
こぽこぽこぽっ
浦上「お茶っ葉も見たことないのばっかりだし」
浦上「『铁观音』?……読めない」
浦上「あ、こっちは読める!『東方美人』だ!」
浦上「……本当にお茶なのかなこれ。変な薬とかじゃないよね……」
ごぼごぼごぼっ!
浦上「あ、あ、吹きこぼれちゃう!」わたわた
神裂「―――そこで上条当麻に確認してみると、確かに明日は出かける用が有ると」
諫早「成る程――では、明日。ヒースロー空港に出かける、あの少年の護衛に着くと言うことですね」
神裂「そうです」
諫早「女教皇様一人だけでですか?」
神裂「はい。どうやら私一人だけが付くことになっているようで…」
諫早「ふむ……」
諫早(おかしい……あの少年の護衛ともなれば、恐らくその対象は彼の右手……)
諫早(ならば、その事が我々の元に入ってきていておかしくなかった筈だ)
諫早(いくら女教皇様が聖人と言えど、普通に街中を歩いての移動なら、もっと多くの人数を割いて――)
諫早「――ん?」
諫早(という事は――?)
てくてく
浦上「『東方美人』にしちゃったけど、大丈夫だよね。開けてみたら普通にお茶っ葉だったし」
浦上「……それに、なんか飲んだら美人になれそう」
??『いいんじゃないか?俺は、良く似合ってて可愛いと思うけど』
浦上「……えっへへ///」
浦上「また褒められちゃうかm」
<明日は一日あの少年と二人きりという事か!!!
浦上「!?」びくっ
がちゃっ!
浦上「なんですか今の大声!!」
諫早「はぁ……はぁ……」
神裂「///」
浦上「…………」
浦上「え?」
――かくかくしかじか
浦上「…それでさっきの“二人っきり”につながる訳ですね」
諫早「そうだ」
神裂「二人っきりと言っても、ただの仕事ですから//」
ササッ
浦上「五和が知ったら大変な事になりそうですね」ヒソヒソ
諫早「ん?あぁ、そうだn………そうか!」
浦上「え?」
諫早(彼を好いている女は数知れず。もしやその混乱を避けるために―――)
浦上「諫早さん?」
諫早(――違うな。それでは護衛を一人にした理由にならん)
浦上「もしもーし」
諫早「いや…しかし……」ぶつぶつぶつぶつ
浦上「?ちょっとそっとしておいた方がいいかな……?」
神裂「これで全て話しましたが、何か――」
浦上「あ、はい!女教皇様、一つ聞きたいんですけど」
神裂「良いですが……私もただ『上条当麻の護衛』としか聞かされていませんから、それ以上の事なら――」
浦上「あ、その事じゃなくてですね」
浦上「何でさっき、あの衣装を着ていたんですか?」ばぼーん
神裂「!?」
神裂「えぇ!?そ、その理由まで話さなくてはいけませんか!?」
浦上「どっちかって言うと、その理由の方が知りたいです」きらきら
神裂「なんて期待に満ちた視線!?や、やめなさい!そんな目で私を見ても――」
諫早「そうですよ女教皇様」ぬっ
神裂「ひゃあっ!?」
浦上「うわっ!諫早さん何ですか急に!」
諫早「今の話でついぞ忘れていましたが、本題はそちらです」
神裂「うっ……」
諫早「任務の内容を全て喋った事によって有耶無耶にしようと目論んでみたいですが……」
諫早「この諫早の耳は誤魔化せませんぞ!!」
諫早「さあ!正直に白状してください!女教皇様!」
諫早「何故、人目を忍んであの様な素てk……けしからん格好をしてお戯れになっていたのか!その理由をはっきりと!」
諫早「今!この場d」
神裂「うるさぁぁぁああああああああい!!!!」ずばっ
諫早「ぐはっ!?」
どごぉぉぉおおん
神裂「はぁっ……はぁっ……」
諫早「」死ーん
浦上「……エロじじい」
――回想終わり――
諫早「と、いう訳だ」
対馬「……どこから突っ込めば良いのか分からないわ」
牛深「ま、まさか女教皇様があの衣装を!?」ぶるぶるぶる
香焼「これは本気すね。本気と書いて『マジ』と読む感じすよ」
浦上「私もびっくりしたよ」
五和「……女教皇、様」ぎりっ
対馬「それで、その後は?」
諫早「いや、これで全てだが」
対馬「え?」
諫早「叩き伏せられて、目が覚めた時にはもういらっしゃらなかったからな」
牛深「諫早さん!それじゃあ女教皇様が何であの衣装を着ていたのか分からないままじゃないですか!」
諫早「あぁ。だが建宮の話が本当であると言う確証にはなっただろう?」
対馬「確証じゃないわよ。結局デートなんてデタラメだったんじゃない……」
香焼「ってか浦上は?やられたのは諫早さんだけすよね?」
浦上「うん」
香焼「その後に女教皇様と何か話さなかったんすか」
浦上「話したかったけど……諫早さんのしたあと、すごい勢いで出てってどっか行っちゃったから」
香焼「ちっ。それじゃあ本当に分からずじまいか」
浦上「結局、東方美人も飲み損ねちゃった……」
香焼「……は?東方美人?」
浦上「な、何でもない!何でもない!」
香焼「はぁ…?」
五和「…………」
対馬「ね、五和。話聞いてたでしょ?やっぱり『上条当麻とデート』なんて嘘だったのよ」
浦上「そうだよ!本当はただの警護だって」
五和「………でも」
対馬「ん?」
五和「……二人きりなのは、変わりませんよね」
浦上「い、五和?」
五和「二人きりで一日中一緒にいるのは、本当ですよね」
対馬「それはそうだけど……」
五和「女教皇様はいつもそうです……ずるいんですよ……」ぶつぶつぶつぶつ
浦上「うわぁ、どうしよう……」
対馬「ダークサイド五和になるのも久しぶりね」
牛深「お、おい……五和の様子おかしくないか?」
香焼「今日は初めから様子おかしかったじゃないすか」
牛深「いや……もっとドス黒い、こうなんかモヤっとした……」
五和「私だってもっと一緒に……」ぶつぶつぶつぶつ
香焼「……言いたいことは分かったっす」
牛深「だろ!?」
諫早「おぉ対馬、浦上。どうだった?」
対馬「ダメね。こっちの声が聞こえてないわ」
浦上「完全に殻にこもっちゃいました」
諫早「参ったな。どうしたものか」
香焼「上条さんに来てもらったらどうすか?本人に説明させればどうにか」
浦上「逆効果だと思うよ……」
五和「大体いつもあの人を……」ぶつぶつぶつぶつ
対馬「とにかく!これ以上あの子を刺激しない様にしましょ」
諫早「うむ」
牛深「そうだな」
香焼「了解っす」
浦上「了解!」
対馬「取り敢えずこの場は解散して――」
建宮「ふ、ふふ…」
建宮「ふはは、ふはははははははははははは!!」どーん
一同「「「「!?」」」」
諫早「建宮貴様っ、まだ生きておったのか!!」
牛深「あれだけの攻撃を受けてまだ立ち上がるとは……」わなわな
建宮「勝手に殺すんじゃないのよ!」
浦上「しーっ!静かにして下さい!」
香焼「てかなんすか、あの無駄に悪役じみた笑いは」
建宮「あれしきの傷でどうこうなるほどヤワな体じゃないのよ!!」
対馬「まったく……どうでも良いけど、また変なこと言って騒がないでよ?」
対馬「元はと言えば、アンタが不用意にあんなこと――」がみがみ
建宮「ほぅ……?」ニヤリ
対馬「な、何よ」
建宮「そんな口をきいて良いのか?俺は知ってるのよ?」
対馬「だから!なにが言いたいのかはっきりしなさい!」
建宮「ふ、あくまでそんな態度をとり続けるってなら、こっちにも考えがあるのよ……」
対馬「?」
牛深「うわ、なんてあくどい顔を……」
香焼「またしょーもない事考えてるに500ペリカっす」
浦上「私も」
諫早「ペリカ…?なんだそれは」
建宮「お前さん達よく聞け……」
建宮「こんな偉そうなこと言っているが、実は対馬はな――」
建宮「この前、上条当麻とデェェェトッしてたのよ!!!!!!」どぎゃーーん
一同「「「「…………」」」」」
一同「「「「な、なんだとぉぉぉぉおおおおおお!!??」」」」ずぎゃーーん
対馬「んなっ、ば、バカ!!?アンタ何でそれを……///」わたわた
五和「……え?」
諫早「対馬が、あの少年と……?」
浦上「うぇっ、え、対馬さんも!?」
対馬「違う!違うの!!あれは別にデ、デートなんかじゃ……//」
五和「…………」
牛深「そんなまさか!?上条当麻は巨乳の女性しか興味がないと聞いたぞ!」
香焼「何言ってんすか、あの上条大先生すよ?性別が女であればもう攻略対象だろと」
牛深「なんと……流石フラグ王……」
香焼「ロリ属性含めたローマ正教のシスター大半を陥落させたの見れば一目瞭然す」
諫早「だからこそ、金髪位しか特徴のない対馬も落としたのだと言えよう」
牛深「なるほど!!」
浦上「どんだけ失礼だ!!」
対馬「余計なこと言うなって言った傍から何暴露してくれてんの!?」
建宮「はて?余計なことって何なのよ?」
対馬「とぼけるな!!……大体なんで知ってるのよ」
建宮「俺は曲りなりも『教皇代理』。仲間内の恋愛事情は知り尽くしているし、又、知り尽くす義務が有るのよな!!」
対馬「そんな義務無いわよ!!」
五和「対馬さんまで……やはり私は……」ぶつぶつぶつぶつ
牛深「教皇代理!対馬の件についてもっと詳しく!」
建宮「まぁ、待て待て。今じっくり話してやるのよ」
対馬「建宮ァァア!!」
香焼「これは女教皇様に報告した方が良いすかね」
諫早「止めろ。そんな事をしたら今度こそ天草式は終わりだ」
浦上「二人とも変なこと言ってないで、教皇代理と対馬さんを止めてください!!」
香焼・諫早「「?」」
浦上「何ですごい不思議そうな顔してるんですか!?も~~!!」
浦上「もう、ダメですよ教皇代理!!」
建宮「ん?」
浦上「女の子には誰にも知られたくない事の一つや二つあるものなんです!!」
浦上「それをそんな風に話しちゃ、対馬さんだって可哀想です!」
対馬「浦上……」
建宮「………なるほどな」
浦上「分かってくれましたか!」
建宮「あぁ。言いたいことは良く分かったのよ―――とすると、あれか?」
浦上「へ?」
建宮「あの事も言わない方が良いって事なのよな?」
浦上「あのこと……?」
建宮「お前さんも上条当麻とデートしていたっつーことは」
一同「「「「…………」」」」
一同「「「「はぁぁああ!?」」」」
浦上「えぇぇぇぇええええええ!?」
五和「…………」ずーん
牛深「女教皇様、五和、対馬に続いて浦上まで!?もう理解できない!!」
対馬「う、浦上……?」
浦上「いや!私だって違います!!ただ買い物に付き合ってもらっただけで!!」
香焼「二人で買い物行きゃ、もう立派なデートすよ」
浦上「だからーー!!何で言っちゃうんですかぁぁあ!?///」
建宮「てへっ☆」
五和「建宮…さん……」ゆら~
建宮「!?」
諫早「そうか……」
諫早「もう既に天草式は終わっていたんだな……」
諫早(たった一人の少年の手によって)
―
―――
野母崎「―――うん、分かった。それ買って帰ればいいんだな」
野母崎「あぁ、先に建宮の所に寄っていくからあと二時間位かかると思うけど……」
野母崎「……はいはい、なるべく早く帰るよ。うん、じゃあ」
ピッ
野母崎「さぁ、さっさと建宮んとこに顔出して……」
たんたんたん
がちゃっ
野母崎「こんにちわー……」
牛深「今のはかなり深く入ったぞ!?教皇代理!!しっかりしてください!!」
香焼「すごい音だったすね。流石にこれは死んだすよ」
牛深「カムバァァァアアアアック!!」
建宮「」
対馬「あぁ知られた知られた知られた……恥ずかしくて死にそうだわ……」
浦上「だからあれは違うんです……違うんです……////」
諫早「私がいながら何と言う始末。先人様に申し開きできん……」
五和「すき、きらい、どうでもいい……すき、きらい、どうでもいい……すき、きらい、どうでもいい……」
野母崎「…………」
野母崎(何があったんだ……)
――夜
@女子寮・食堂
オルソラ「霊装の運搬、でございますか?」
上条「だから明日の昼飯とか、全部オルソラに任せっきりになっちまうけど……」
オルソラ「大丈夫でございます。このオルソラにどんと任せなさい、なのでございますよ」
上条「ははぁ、どうか宜しくお願いいたしますオルソラ様!」
オルソラ「ふふふ♪」
上条「ほら、オルソラの分」
オルソラ「ありがとうございます♪」
オルソラ「貴方様のいれる紅茶はいつもおいしいので、すっかり虜なのでございますよ」
上条「褒めすぎだって。俺はオルソラのいれてくれた方が美味いと思うけどな……まだまだ勝てねえよ」
オルソラ「えっへん、でございます」
上条「ははは」
上条「ふぅ……」
オルソラ「落ち着きますね」
上条「そうだな」
オルソラ「~~~♪」
上条「…………」
上条「なぁ、オルソラ」
オルソラ「なんでございますか」
上条「その、いっつもオルソラばっかに任せちゃってるけど………嫌、じゃないか?」
オルソラ「?何の事でございましょう?」
上条「明日のことだよ。それもひっくるめて色々と」
オルソラ「別に気にしていないのでございますよ」
上条「でも、俺が用事出来る度に、必ずと言っていいほど頼るのはオルソラだろ」
オルソラ「そうでございますね」
上条「それをいっつも快く引き受けてくれるのはありがてーけど、オルソラにも自分の仕事有るし……そっちの仕事は俺に手伝えることが無い……」
上条「迷惑のかけっぱなしだよなぁ、と思いましてね?」
オルソラ「貴方様……」
上条「その上、そのお礼も満足にしてやれてなくて……」
上条「そうこうする内に、また他の用事で頼んで負債が溜まって………あれ、よく考えたら俺って相当なダメ男なんじゃ……」
オルソラ「そんなことないのでございます」
上条「え?」
オルソラ「貴方様は私に頼ることを、そしてその返礼が出来ていないことを引け目に感じている様でございますが」
オルソラ「そんなこと、気にしないでほしいのでございますよ」
上条「でも……」
オルソラ「嬉しいのです」
オルソラ「寮にいる他の誰でもなく、この私を頼ってくださることが」
オルソラ「そのことを気に掛けて、悩んでくださることが」
オルソラ「貴方様がそうして私を思ってくださることが、何よりの喜びで――」
オルソラ「そして――何よりの“お礼”なのでございます」
上条「オルソラ……」
オルソラ「……なんて言ってしまいましたけれど」
ぎゅっ
上条「!?」
オルソラ「お礼と言うならば、二人で過ごす時間を大切にして頂けると、もっともっと嬉しいのでございますよ♪」
上条(む、胸が押し付けられて……や、柔らかい感触が!?///)
オルソラ「最近お互いに忙しくて、ゆっくりと出来なくなっていますでしょう?」
上条「そ、そそそうだな!」
オルソラ「それはちょっと寂しいのでございます……」
上条(ちょっ、その上目遣い可愛すg……そげぶそげぶ)
オルソラ「ですから、もう少しだけこうしてゆっくりとした気分に浸りたいのでございます」にっこり
上条(そうしたいのは山々だけれども、心臓のビートがマッハでそれどころではー!?)
上条「は、はは……まぁ、そんなことで良ければ何時でも言ってくれよ」
上条(あんまりやられると上条さんの内なる獣が首をもたげそうになるから勘弁だけど……)
オルソラ「もう、『そんなこと』なんて言わないでくださいまし」ぷく~
上条「へ?」
オルソラ「貴方様だからこそ、私はお願いしたのでございますよ?」
上条「わ、悪い」
オルソラ「むぅ」じ~
上条(え、俺いま何か変な事言った?)
オルソラ「むぅ~」じ~~~
上条(分からん……それにしても怒った顔も可愛……そげぶそげぶ!)
@神裂の部屋
神裂「…………」正座
《堕天使エロメイド》ででーん
神裂「あの時、気が動転して咄嗟に掴んで持って来てしまいましたが……」
神裂(改めて見ても、何て卑猥な衣装ですかこれは)
神裂(こんな物を着るなんてとても正気の沙汰とは―――って、これでは天に唾を吐くようなものですね)
“『何でさっき、あの衣装を着ていたんですか?』”
神裂「ぐっ……」
神裂(よりにもよって、あの場面を天草式の人間に見られるとは……神裂火織一生の不覚!!)
神裂「取り敢えず、この衣装は明日の朝早くにでも元あった場所に戻してきてしまえば問題ないはずです」
神裂「あの二人には見られてしまったのは痛いですが……」
神裂(突然の事で、お互い混乱していましたし、真意まで気づかれてはいないでしょう)
神裂(……というか、いないであろうことを祈ります)
“『あの霊装級のメイドコスでねーちんが精一杯ご奉仕すれば、その「献身性」と「エロス」で、年上属性スキーのカミやん泣いて喜ぶに違いないにゃー!!』”
神裂「…………」
神裂「献身性と……え、エロス……///」
神裂「ゴホンッ!!」
神裂「と、とにかく!この計画は中止です」
神裂(第一、明日は一般市街を移動するのですから、どのみちこんな衣装を着れるはずがない……迂闊でした)
神裂「まったく、またあの男に一杯食わされるところだった……」
ガサガサッ
神裂「……さて。何か飲んで、さっさと寝ますか」
がちゃっ
神裂「食堂は……と、まだ灯りが付いている?」
神裂(こんな時間にまだ誰か起きていたとは―――まさか)
神裂「もしかして当麻///」きゅんっ
神裂「……な、何を考えているのですか私は!///明日に備えて早く寝なければいけn」ぶんぶんぶんぶん
<むぅ~~
<だ、だから悪かったって……
神裂「……ん?」
神裂(この声は当麻と……オルソラ?)
神裂「二人で一体何を……」
がちゃ……
オルソラ「貴方様のそういう所は是非とも治していただきたいのでございますよ」ぎゅっ
上条「な、治すから……だから、その」
オルソラ「なんでございますか?」じ~~
上条「顔が、顔が近すぎるんじゃありませんかオルソラさん?」
オルソラ「そんな事ないのでございますよ」ずいっ
上条「そんなことあると思いまーす!!今明らかに近づいただろ!」
オルソラ「嫌、なので……ございますか……?」うるうる
上条「うっ!?嫌じゃない!嫌じゃないけども、上条さんも一応思春期の男の子なのでして…」
オルソラ「やはり、私となんて一緒にいたくないのでございますね」うるうるうるうる
上条「だー!!だから違うって!!むしろオルソラみたいな可愛い女の子とならずっとこうしていたいというのが正直な所と言いますか!?」
オルソラ「え……」
上条「あ……」
オルソラ「……ふふ、貴方様にそう言っていただけるなんて、とっても嬉しいのでございます///」ぎゅ~~
上条「いや今のはですね、思わず洩れてしまった青春の雄叫びが………不幸だー……」
オルソラ「不幸、ですか?」うるうる
上条「いやちがっ!…って何回やるんだこのやり取り!!」
オルソラ「私はいま幸せでございますよ?」
上条「は……」
オルソラ「貴方様はいかがでございましょう?」
上条「…………」
上条「……し、幸せ……かな?」
オルソラ「ふふふふ♪//////」ぎゅ~~~~!
上条「あばばばばばばばばばばば/////」
神裂「…………」
ばたん……
上条「ばばばばばば………ん?」
オルソラ「?」
上条「いま入口の所に誰かいなかったか?」
オルソラ「私は気づきませんでしたが……」
上条「俺の気のせいかな…」
オルソラ「きっとそうでございますよ」ずいっ
上条「だから何で顔を近づけるのでせう!?」
いっちゃらこっちゃら
神裂「…………」
ぐっ
神裂「…………献身性と」
神裂「…………エロスッ!!!」
――翌日
アンジェレネ「えー!出かけちゃうんですかぁ?」
アンジェレネ「どうしてですかーー!!」
上条「ど、どうしてって言われましても……」
アンジェレネ「うぅ……今日は一緒に“ばばぬき”やろうって言ってたのに……」
上条「ごめんな、俺もつい昨日聞いたばっかで……」
アンジェレネ「うぅ!!」
ルチア「駄々をこねるのをやめなさい、シスターアンジェレネ」
アンジェレネ「で、でも!!」
ルチア「でも、じゃありません!仕事ならば仕方がないでしょう?」
ルチア「我が儘を言って彼を困らせてはいけないと、何度言ったら分かるのですか!!」
アンジェレネ「我が儘じゃないですよぅ!!」
上条「お、落ち着けって二人とも……良いんだルチア。ありがとう」
ルチア「え?」
上条「ごめんな、約束してたんだもんな」なでなで
アンジェレネ「うん」
ルチア「ですがっ――」
アンジェレネ「……ルチアおばさん」あっかんべー
ルチア「」ぷちっ
ルチア「シスターアンジェレネ!!!」
アンジェレネ「うひゃぁ!!」
だだだだだだ
<待ちなさい!!今日という今日は許さない!!
<うわーん!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
上条「…………」
上条「……仲良きことは何とやら、かな」
アニェーゼ「朝っぱらから何騒いでんですか」
上条「おう、おはよう」
アニェーゼ「おはようごぜーます」だらん
上条「ナマケモノみたいになってるぞ」
アニェーゼ「昨日ちょっと夜ふかしちまいまして」
上条「そうか……ってそうだ。アニェーゼ」
アニェーゼ「?」
上条「今日の事、もしかして他のシスターに言ってなかったのか」
アニェーゼ「あぁ………忘れちまってました。てへっ☆」
上条「おい」
アニェーゼ「いいじゃねぇですか。何か問題でも?」
上条「……いいえ」
アニェーゼ「でしょう?それより、ちゃんと準備して下さいよ。そろそろ時間です」
上条「大丈夫だ。ちゃんと昨日の内に準備はした」
どさっ
上条「まぁ、そもそも持ってくもんなんてほとんど無いしな」
アニェーゼ「そうですか。そしたら、これも渡しちまいます」さっ
上条「ん?何だその紙」
アニェーゼ「委任状、みたいなもんですよ」
上条「委任状?……相手に渡せば良いのか?」
アニェーゼ「見せるだけでいいです」
上条「ふぅん……」
アニェーゼ「……まさか『委任状』の意味が分からないとか……?」
上条「し、知ってる!それくらいオツムの悪い上条さんでも知ってます!!」
アニェーゼ「…………」
上条「…………」
上条「……すみません、嘘つきました」
アニェーゼ「罰として、後でペテロの逆十字です」
上条「罰重すぎない!?絶対死ぬだろそれ!!」
アニェーゼ「ちょっと想像してみて下さいよ」
アニェーゼ「霊装の引渡しに、まったく面識のない見た感じ至って平凡な少年が現れて」
『あ、どうも。例のブツ引取りにきやした~』
アニェーゼ「なんて言ってきたら、不審者だと思って怪しがって帰っちまいますよ」
上条「確かに――え、待って。今の変な奴って俺?」
アニェーゼ「だから、きちんとローマ正教から依頼されて来た人間だと証明するためにこの紙がいるんです」
上条「無視かよ……ってか、そんな紙一枚で本当に証明になるのか?」
アニェーゼ「なりますよ。私のサインが有りますし、特別な術式を施しましたし」
アニェーゼ「その筋の人が見れば一発で分かります」
上条「なるほど」
アニェーゼ「だから、その右手で絶対に触らないで下さい。絶対に」
上条「……分かりました」
アニェーゼ「じゃあ、適当に丸めとくんで、さっさとしまっちまって下さい」
上条「はいはい」
アニェーゼ「くどいようですけど、右手で触ったらアウトですから」
上条「肝に銘じます」
がさごそ
上条「……あ、そうだ」
アニェーゼ「なんです?」
上条「俺と一緒に行ってくれる護衛の人って、誰なんだ?」
上条「もうそろそろ出かけようかという時間なのに、俺まだ知らないんですが……」
アニェーゼ「あれ?言って無かったでしたっけ?」
上条「言ってないな」
アニェーゼ「そういう事は早く言えってんですよね……」
上条「それこっちのセリフ!!」
アニェーゼ「付き人ですけど、貴方もよく知ってる人なんでしんp」
アニェーゼ「…………」
上条「ん?どうしたアニェーゼ」
アニェーゼ「………あ、あれ、あれ」ぷるぷる
上条「俺の後ろ?何か変なもの――」くるっ
上条「…………」
上条「お、お前はッ!!?」
――同時刻
@天草式
建宮「おい、皆渡ったか」
牛深「……あの、教皇代理」
建宮「?」
牛深「これは、何ですか?」
建宮「おいおい、知らんのか?これはな」
ばっ
建宮「超高性能トランシーバー、なのよ」
牛深「いや、それは分かってるが!!」
香焼「そうじゃなくて、何でこんな物配ってんすか」
建宮「変なことを聞くんじゃねぇのよ。通信するために決まってるだろうが」
浦上「あれ?今日って何か有りましたっけ?」
野母崎「今日は非番のはずなんだけど……」
建宮「シャーラーップ!!」
建宮「オメェらの頭ん中はスポンジか?今日は上条当麻と女教皇様の記念すべきデートなのよ?」
建宮「こんな面白そうな……もとい、重大な事案を放っておくなんて、天草式の教皇代理として絶対に許されないのよ!!!!」
牛深「げ、下衆だ……」
香焼「完全に下心100%すよ、あの顔は」
浦上「あれ、対馬さんと五和は?」
野母崎「そう言えば、姿が見えないね」
香焼「対馬ならまだ寝てるんじゃないすか?あの後、浴びるように酒飲んでたんで」
浦上「う、うわぁ……やけ酒……」
野母崎「彼女、そんなに飲める方じゃ無いのにな……」
香焼「んで。五和は、こっち」すたすたすた
がらがらっ
五和「Zzz………」
浦上「うわっ、酒臭いっ!!」
野母崎「……何で、押し入れで焼酎の瓶を抱えて寝てるんだい?」
香焼「いつもの事すよ。酒飲んで荒れて、押し入れに閉じこもって就寝」
浦上「うぅ…どうしようか。起こした方が良いかな?」
野母崎「いつまでもここに寝かしておく訳にはいかないだろう」
香焼「水でもぶっかけるか」
浦上「女の子相手に何するつもりだ!!」
香焼「女だからこそすよ。ほら、水で服が濡れて良い感じに透ければ――」
浦上「へんたい!!」
野母崎「うっ……いや、ダメだ!俺には妻が……」
浦上「野母崎さんも!!悩まないでくださいよ!!」
建宮「なーに騒いでるのよ」
香焼「あぁ、丁度いい所に。今から、五和に水かけて起こそうとしてたんす」
浦上「させないよ!!」
牛深「普通に起こせばいいだろ。何でそんn」
建宮「待て牛深……香焼よ、もしかしてそれは……」
建宮「五和にドッキリ☆スケスケ大作戦という事なのよな?」
香焼「ウィ」
浦上「何で分かるんですか!!」
建宮「よしッ!今すぐ水道からホース繋いでっ」
浦上「『よしッ!』じゃねー!!させないからな!!」
香焼「これで良いすか?」
牛深「い、いや。こっちの方が水量が……」
浦上「んにゃー!!いい加減にしろー!!」
がやがやがやがや
五和「………んん……」
野母崎「やぁ、起きた?」
五和「んぅ………のも、ざきさん?」
野母崎「気分はどう?」
五和「…………」キョロキョロ
野母崎「ん?何か探してるの――」
五和「……どこれすか」じろっ
野母崎「へ?」
五和「だから……当麻さんはどこれすかーー!!」ばっ
野母崎「え!?いや俺知らなっ…ギャーーーーー!!」
どごぉぉぉおおん
浦上「あぁ!皆さんがバカなこと言ってる間に野母崎さんが!」
香焼「五和起きてたんすか……」
牛深「そ、そんな……野母崎……」
建宮「野母崎はオレ達のために犠牲となったのよ……合掌」
浦上「勝手に殺すな!!」
建宮「五和が起きてしまったからには、計画は中止なのよ。ほら、そこら辺のホースとかさっさと片しt」
五和「どこだーーーーーー!!!!」ずがん
建宮「ほぐはッ!?」べぶし
牛深「きょ、教皇代理ーー!?」
香焼「ダメっすね。昨日の酒がまだ残ってるみたいす」
浦上「ど、どうするの!?私たちだけじゃ五和止められないよ!」
香焼「急いで上条大先生に電話を」
浦上「だから仕事でしょ!」
香焼「ならばこの劇薬d……鎮静剤で動きを止めて……」
浦上「いま劇薬って言った!言い切った!!」
香焼「なんすかさっきから。文句ばっかり言いやがって」
浦上「だったらもっとマシな案出してよ……」
香焼「はぁ……仕方ないすね。とっておきの新兵器を使うか……」
浦上「新兵器…?」
がさごそがさごそ
香焼「確か、この辺にしまったはずなんすけど……」
浦上「ねぇ、本当に大丈夫なの?その新兵器って……」
香焼「教皇代理が心血を注いで作り上げた力作すから。安心していいすよ」
浦上「なんでだろう。不安が加速した気がする」
香焼「お、あった!!」
浦上「え、どれどれ?」
香焼「名づけて、『どこでもいっしょ ver.上条当麻』」じゃじゃーん
浦上「……ただのヘッドフォン?」
香焼「違うすよ。やってみれば分かるすから」
浦上「やだよ、怖いし……」
香焼「まぁまぁ、取り敢えず付けて」
浦上「ひゃっ!」
香焼「で、名前を入力……う、ら、が、み、と」pi pi pi
浦上「ちょ、え、なに?」
香焼「はい、スタート」ぽちっ
浦上「ちょっと待って!」
しーーーーん
香焼「…………」
浦上「うぅ………ん?」
浦上「ね、ねぇ、香焼くん。何も音しないけど……」
上条『よ、浦上!元気か』
浦上「へ?……えぇぇぇ!?か、上条さん!?」
上条『何だよ、俺のこと忘れちゃったのか?』
浦上「い、いいいいいやそんな!忘れるわけないです!ちゃんと覚えてます!!」
上条『はは、冗談だよ。久しぶりだな、浦上』
浦上「は、はい……お久しぶりです」
上条『いやー前に会った時より可愛くなってて、上条さんちょっとビックリしちゃいましたよ』
浦上「いえそんなこと……ってふぇぇぇえええええ!?/////」
上条『なぁ、浦上』
浦上「ふぁ、ふぁい?////」
上条『愛してる』
浦上「っあぁぁぁああああああああい!!!!///////」ばっ
香焼「あ、ちょっと。大事に使ってくださいよ」
浦上「なに今の!?なに今の!!??」
香焼「だから、『どこでもいっしょ ver.上条当麻』すよ。ネーミング適当すけど」
浦上「だ、だっていま声が……はっ!まさかどこかに潜んでっ」
香焼「無いすよ。仕事だってさっき自分で言ってたじゃないすか」
浦上「だったらなんで……一体どこから声が!?」
香焼「ヘッドフォンからに決まってるだろ」
浦上「そ、そっか。そうだよね……でも、上条さんが私のこと……でへへ////」
香焼「よだれ拭いたほうがいいすよ」
浦上「へへへへ……はっ!!」
浦上「うぅ……//」ごしごし
香焼「どうすか、この新兵器」
浦上「うん……確かにすごい破壊力だよ。五和ならひとたまりもないよ」
香焼「よし、早速これを五和に取り付けて……」
浦上「あ、待って!」
香焼「なんすか?」
浦上「その……どういう仕組みなの?それ」
香焼「仕組みすか?そんな大したこと無いすよ」
香焼「長い間をかけて収集した上条当麻の声をデータ化して」
香焼「それらを分解・合成して様々なセリフパターンを作り出し」
香焼「それを自由自在に再生することが出来るようにしたソフトを内蔵したヘッドフォン」
香焼「更に本人の名前を入力すると、ちゃんと上条当麻がその本人の名前を読んでくれるようにし」
香焼「モードも“スタンダード”から“ヤンデレ”“宇宙人”みたいなものまで幅広く用意した」
香焼「正に、上条当麻好きの、上条当麻好きによる、上条当麻好きのためのマシーン!!」
香焼「定価格は、税込で5£位を考えてるらしいす」
浦上「普通にすごすぎるよ!!!!」
香焼「そうすか?普通じゃないすかね」
浦上「私、会話出来てたよ?全然普通じゃないよ!」
香焼「そこはほら、魔術とか盛大にぶっこんでるすから」
浦上「あぁ……納得」
香焼「理解してもらえて何より」
香焼「で、これを五和に取り付ければ……」
浦上「暴走を止められる……かなぁ?余計熱上がっちゃったりしない?」
香焼「取り敢えず、やってみてからってことで」
五和「ふ~~……ふ~~……」
野母崎「」でん
牛深「」ででん
建宮「」ででーん
浦上「うわぁ……地獄絵図」
香焼「三人の冥福を祈りつつ……せいっ」
かぱっ
五和「う……?」
五和「?……何の真似ですか」
香焼「い、つ、わ、と。入力完了」
五和「これは一体なんなんでs」
五和「!?!?」
五和「…………」
五和「当麻さん……////」にへらぁ
香焼「思ったより上手くいったすね」
浦上「うん。予想以上にあっさりだったね」
香焼「ヤバい顔してるすけど」
浦上「うん……言わないであげて……」
対馬「ったぁ……頭痛い……」
対馬「昨日あんなに飲むんじゃなかったわ……」
てくてく
対馬「……はぁ、あいつらにどんな顔して会えばいいのか」
がらがらがら
野母崎「」
牛深「」
建宮「」
五和「も、もう、当麻さん……ダメですよぅ……でへへへへへ//////」でれでれでれでれ
対馬「…………」
対馬(この状況にツッコミ入れたら負けよね)
浦上「あ、対馬さんおはようございます」
対馬「……え?あ、うん。おはよう」
香焼「二日酔い大丈夫すか?」
対馬「まだ頭痛いけど……まぁ、何とか」
浦上「よかった~」
対馬「…………」
対馬(何があったのかは、聞かないでおこう。うん)
@女子寮の食堂
上条「お、お前はッ―――!!」
アニェーゼ「…………」
ごごごごごごごご
上条「――神裂!!………なのか?」
神裂「っ……は、はい///」
上条「おい、アニェーゼ。ちょっと」
アニェーゼ「…………」( ゚д゚)
上条「アニェーゼ!」
アニェーゼ「はっ!?」
上条「一体何が起きてるんだ!?」
アニェーゼ「そ、そんなのこっちが聞きてぇです!!」
上条「なんで……なんで……」
上条「なんで、神裂がフリルのたくさん付いたワンピースを着ているんだッ……!!」
神裂「?」
神裂「あの……当麻?」きゃるん
上条「うっ」
上条「(なんだコレ!?まさか今日の取引を知ったどこかの魔術師が――)」
アニェーゼ「(んなわけないでしょ……)」
神裂「当麻!」
上条「うおっ!?は、はい!」
神裂「……いきなりで申し訳ないのですが、聞きたいことが有ります」
上条「な、何を……?」
神裂「あのですね、その……」もじもじ
神裂「こ、この服装……どうでしょうか?おかしくないですか?////」
上条「クソッ!!おのれ魔術師!よくも神裂を!!」ばっ
アニェーゼ「落ち着いてくださいって!!ってか失礼でしょうが!?」
上条「わ、わりぃ……取り乱した」
アニェーゼ「帰ってきてもらえて何よりです」
上条「でもまさか、神裂があんな格好するなんてな……」
アニェーゼ「私も最初は心臓止まるかと思いましたけど……」
アニェーゼ「そんなにおかしいことじゃねぇでしょう。神裂火織だって女の子(笑)ですから」
上条「お前、神裂のこと馬鹿にしてんだろ」
アニェーゼ「してません……それより、良いんですか?」
上条「へ?」
アニェーゼ「あっち」
神裂「…………」しゅん
上条「あ~……」
アニェーゼ「無視するからしょげかえっちまってます」
上条「意外とメンタル弱いよな、神裂って」
アニェーゼ「ほら、さっさと決めて来ちまってください」
上条「決めるってなんだよ」
アニェーゼ「いつものように、サラッとたらしこんできて下さいつってんですよ」
上条「人聞きが悪い!!」
アニェーゼ「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと行く!!」どんっ
上条「うわっっと!」
神裂「…………」しゅん
上条「っと……神裂?」
神裂「……何ですか?」ちらっ
上条「その……神裂が着てるその服、なんだけど……」
神裂「!!」ばっ
上条「何と言うか……」
神裂「は、はい……////」わくわく
上条「えっとですね……」
神裂「…………///」
シェリー「…………」にやにやにやにや
上条・神裂「「!?」」
神裂「い、いいいいいいいいいいったいいつからそこに!!??」
シェリー「何時からって……」
“神裂『こ、この服装……どうでしょうか?おかしくないですか?////』”
シェリー「の所から」
神裂「そんな!?」
上条「ほとんど初めから聞いてたんだな……」
シェリー「悪いかよ」
上条「悪かないけど……」
シェリー「あのセリフ良かったな。『おのれ魔術師!よくも俺のかおりんを!!』」
上条「言ってませんが!!??」
アニェーゼ「ちょっと、何バレてんですか」
シェリー「中々言い出さないから、じれったくなって」
上条「え、アニェーゼさん?」
アニェーゼ「はい、アニェーゼさんですが何か」
上条「……気づいてたのか?シェリーに」
アニェーゼ「当たり前じゃないですか」
上条「おぅ……」
アニェーゼ「お二人が全然気づかないんで、笑いこらえるの必死だったんですよ。謝りやがれ」
上条「なんで!?」
シェリー「おい、当麻」
上条「はい…なんでせう?」
シェリー「アニェーゼと夫婦漫才も良いけど、ほら」
神裂「最近の私はいつもこうです……」ずぅぅううん
シェリー「流石にもう立ち直れなさそうだな」
アニェーゼ「何やってんですか」
上条「だから!!全部俺が悪いの!?」
シェリー「女泣かせて放って置くとは……下衆だな」
アニェーゼ「てかそろそろ出発しないと遅刻しちまいますよ」
上条「だぁぁ!!神裂ぃぃぃいい!!」
―十分後―
上条「そんじゃ、行ってきます」
シェリー「はいはい、行ってらっしゃい」
アニェーゼ「ハンカチとティッシュは持ちました?」
上条「俺は子供か!!ホントそう言うのどこで覚えてくるんだ……」
シェリー「土御門だろ」
上条「あのヤロウ!!!」
神裂「…………」しゅん
上条「か、神裂さんはもう準備出来てらっしゃいますか?」
神裂「はい……」
上条「では、出かけようと思うのですが……宜しいですか?」
神裂「はい……」
シェリー「あら、元に戻らないな」
アニェーゼ「あの服着るので精一杯だったんでしょう。キャパオーバーってやつです」
シェリー「護衛として大丈夫なのかそれは」
アニェーゼ「……さ、さぁ?」
シェリー「はぁ、いつもの“不幸”が起きない事を神に祈るとしようかしら……意味ないだろうけど」
上条「行ってきます」
神裂「…………」ぺこり
バタンッ
シェリー「っと。さ、あたしはブランチでも頂くとするか」
アニェーゼ「…………」
シェリー「ん?」
アニェーゼ「…………」しゅん
シェリー「…………」
シェリー「へぇ~」にやにやにやにや
シェリー「神裂火織に大好きなパパ連れてかれちゃって、寂しいか」
アニェーゼ「なッ!?」
シェリー「分っかりやすいね~」
アニェーゼ「な、何言ってやがるんですか!!そんな訳無いでしょう!?」
アニェーゼ「パp…上条当麻は仕事に行くだけですからぁ!!」
アニェーゼ「そもそもそれを頼んだのが私ですし?!寂しいとかそんなっ――」
シェリー「年頃の女と二人でお使いに行くだけの簡単なお仕事です。ってか?」
アニェーゼ「あ、あぅ……」
シェリー「そら確かに、あいつに頼んだのはあんたかも知れないけど」
シェリー「まさか、神裂があんな姿で登場するとは夢にも思っておらず」
シェリー「今更ながらにちょっと不安になってきたんだと、そういう事だろ?」
アニェーゼ「…………」
シェリー「どうやら図星のようね」
アニェーゼ「…………」うるっ
シェリー「あいつ、年上に弱いからな……もしかしたらいつもと違う雰囲気の神裂にコロッと落とされちまうかも」
アニェーゼ「……ふぇ」
シェリー「え?」
アニェーゼ「ふぇぇぇぇえええええええん!!」
シェリー「えっ、ちょっと噓でしょ!?」
アニェーゼ「うぁぁぁああああああん!!」
シェリー「な、泣くことないだろ!ほら落ち着けって…」
アニェーゼ「違うもん!!パパはそんな人じゃないもん!!うぁぁあああああん!!」
シェリー「そ、そうだな!あたしが間違ってたわ!!だから泣くなっt」
アニェーゼ「ふぇぇぇええええええええん!!」
シェリー「うるせぇぇぇえええええええええ!!」
がちゃっ
オルソラ「あらあらあら、これは何の騒ぎでございましょう?」
シェリー「お、オルソラ!丁度良かった!」
オルソラ「丁度良い?」
シェリー「助けてくれ!!」
アニェーゼ「うぁぁぁああああああああん!!」
オルソラ「これはこれは……」
シェリー「もうあたしには手がつけられねぇ」
オルソラ「そうでございましたか……ほ~ら、落ち着いて下さいな」ぎゅっ
アニェーゼ「ふぇぇぇ……ぐすっ」
オルソラ「もう大丈夫でございますか?」なでなで
アニェーゼ「……ぅん」ぎゅっ
オルソラ「ふふっ♪」
アニェーゼ「……///」
シェリー「流石だな。ありがとう、助かった」
オルソラ「いえいえ~。それより、何があったのでございますか?」
シェリー「え?……気になる?」
オルソラ「はい。アニェーゼさんがこの様になってしまうのは非常に珍しいことですから」
オルソラ「言いにくいことなら、無理にとは申しませんけれども……」
シェリー「あー、そんな大したことじゃないから話すわ」
アニェーゼ「…………」じー
シェリー「……だから悪かったてば、睨むなよ」
シェリー「すんげぇぶっちゃけて言うとな、当麻がついさっき出掛けてったんだけど、そのことでちょっと」
オルソラ「なるほど。あの方のことでございましたか」
シェリー「あれ、気づいてた?」
オルソラ「何となくですけれど。、アニェーゼさんがこの様に感情的になるのは、決まって彼が関係している時でございますよ」
シェリー「そういやそうだな」
オルソラ「一緒に行きたかったのでしょうか?」
シェリー「いや、そうじゃなくて。本気出した神裂にびびっちまったんだよ」
オルソラ「神裂さん?当麻さんでは無くてですか?」
シェリー「ほら、今日当麻一人で行かせるのもどうだってことで、神裂が同行することになってただろ?」
オルソラ「そうだったのでございますか?」
シェリー「聞いてなかった?」
オルソラ「えぇ……」
シェリー「何だ、あいつオルソラにも話してなかったのかよ」
オルソラ「……お話、続けて下さい」
シェリー「あぁ……それで、護衛役として付いてくはずの神裂がめかしこんできてるの見て仰天しちまったってこと」
オルソラ「…………」
シェリー「いや、当麻達が出発する前から妙に機嫌悪いなとは思ってたんだけど」
オルソラ「…………」
シェリー「二人が出てった途端に露骨にしょげくり返ってるから、ちょっとからかってやろ」
オルソラ「ちょっと待って下さいまし」
シェリー「うと思って……あ?」
オルソラ「……少し確認したいことがございます」
シェリー「あ、あぁ……良いけど?」
オルソラ「……今日、当麻さんは仕事でお出かけして、それに神裂さんが同行していると……『二人っきり』で」
シェリー「他に頼んでなかったみたいだから、そうね」
オルソラ「おまけに随分とめかしこんで?」
シェリー「ふりっふりの白いワンピース着てたぞ」
オルソラ「…………」
オルソラ「ふふふふふふ……そうでございますか……ふふふふふふ……」ごごごごごごごごごご
シェリー(ヤバい、笑顔なのに目が全然笑ってない。これヤバい)
アニェーゼ「…………」ぶるぶる
@ルチアの部屋
ルチア「良いですか、シスターアンジェレネ。次はありませんよ」
アンジェレネ「はいぃ……すみませんでしたぁ……」
ルチア「まったく……」
アンジェレネ「……あ~あ」
ルチア「……まだ何か?」
アンジェレネ「ち、違いますよ!!」
アンジェレネ「今日はお兄ちゃんと遊ぶ予定だったから、暇になっちゃったなぁって思っただけですよぅ!」
ルチア「暇なら、あの散らかった部屋を片付けるなり、教義の修業に励んだり、週末のバザーの準備をするなり……やることならいくらでもあるでしょう」
アンジェレネ「え~~、でも雨降ってきそうじゃないですか!」
ルチア「全て室内で出来ることですが」
アンジェレネ「うぅぅ……」
ルチア「はぁ……」
アンジェレネ「はぅぅ……」
ルチア「だらしがないですよ」
アンジェレネ「部屋の中でできること……う~ん……」
ルチア「ですから――」
アンジェレネ「そうだっ!」
アンジェレネ「お兄ちゃんのかわりにシスターオルソラに遊んでもらえばいいじゃないですか!!」
ルチア「は?」
アンジェレネ「ナイスアイデアだと思いませんか?」
ルチア「思いませんが」
アンジェレネ「そうと決まればレッツゴーです、シスタールチア!」
ルチア「え、いや私はっ…」
アンジェレネ「わーい!!」だだだだだ
ルチア「ちょっと待ちなさいシスターアンジェ、あっ……!」
だだだだだだだだ
がちゃっ
アンジェレネ「シスターオルソラー!!あっそびっましょー!!」
シェリー「はぁ?」
オルソラ「おはようございますアンジェレネさん」
アンジェレネ「おはようございます!」
シェリー「また面倒なのが来やがった……」
アンジェレネ「め、面倒って……」
シェリー「ほら、正教のシスターどもはあんたの管轄だろ」
アニェーゼ「もう違いますって」
アンジェレネ「あれ?シスターアニェーゼもいたんですか?」
アニェーゼ「…いちゃ悪いんですか」
シェリー「ついさっきまで、オルソラに抱きついて泣いてたんだこいつ」
アニェーゼ「はっ!?な、泣いてなんかねぇですけれど!?」
シェリー「言葉が乱れてんぞ」
オルソラ「ふふっ」
アンジェレネ「へ、な、泣いてた?シスターアニェーゼがですか……?」
アンジェレネ「もっと詳しく聞かせてください!!」
アニェーゼ「詳しくって!!なに目光らせてんですか!!」
シェリー「まったく、しかたないわね……」
アニェーゼ「そうですよ!第一、私は泣いてなんk」
シェリー「こっち来い、詳しく話してやる」
アニェーゼ「ちょっ!?」
オルソラ「シェリーさん、アニェーゼさんを苛めてはダメでございますよ」
シェリー「苛めてはないだろ」
オルソラ「めっ、でございます」
シェリー「はいはい……だとさ、アンジェレネ。諦めな」
アンジェレネ「えーー!?」
アニェーゼ「ほっ……」
がちゃっ
ルチア「は、はぁ……し、シスターアンジェレネ……」
アンジェレネ「わっ、シスタールチア!」
ルチア「見つけましたよ……」
アンジェレネ「助けてーー!」
アニェーゼ「今度は何やらかしたんですか……ってなんで私の後ろに隠れるんです!?」
アンジェレネ「匿ってください!!」
ルチア「はぁ……はぁ……」
アニェーゼ「いやいやいやいや」
アンジェレネ「動かないで下さい!見えちゃいます!」
アニェーゼ「体格がほとんど変わらねぇんですから無理に決まってんでしょうが!?」
ルチア「隠れても、無駄ですよ……」
アニェーゼ「ほら、馬鹿なことやってないでさっさと謝っちま」
ルチア「二人ともお仕置きです」
アンジェレネ「いやだーー!!」
アニェーゼ「私も!?何で!?」
シェリー「何やってんだか……」がさっ
オルソラ「あら、どちらへ?」
シェリー「ちょっと準備してくる」
オルソラ「準備……でございますか」
シェリー「そう。紅茶いれといて」
オルソラ「なにかお仕事をされるなら、コーヒーの方が宜しいのではございませんか?」
シェリー「いや、仕事じゃないから」
オルソラ「?」
ルチア「さぁ、壁を向いて並んで立ちなさい」
アンジェレネ「わーん!主よ、私たちをお救いください!!」
アニェーゼ「だからなんで私まで!?」
オルソラ「はーい、そこまで!でございます」
ルチア「邪魔しないで下さいシスターオルソラ。この子達に罰を……」
オルソラ「落ち着いてください」
ルチア「私は落ち着いています」
オルソラ「ほら、そんな怖い顔しないで欲しいのでございますよ。いまとっても美味しい紅茶をいれますから……ね?」
ルチア「うっ………はい」
オルソラ「そちらのお二人も、座って待っていてくださいな」
アンジェレネ「はーい!」
アニェーゼ「た、助かった……」
アンジェレネ「スコーンは?スコーンはありますか?」
オルソラ「生憎、今は用意がないのでございます。代わりに、Walkersのショートブレッドで我慢してください」
アンジェレネ「ぜんぜんOKです!あれも美味しいですよね~」
アニェーゼ「ついさっきまでの態度は何処へ……」
アンジェレネ「いちじくのジャムもいっぱいつけてください!!」
オルソラ「了解です♪」
アニェーゼ「げっ……」
アニェーゼ「どんだけ甘党なんですか……」
アンジェレネ「えー、美味しいのになぁ」
がちゃっ
シェリー「よっと」
ルチア「あ、シェリー……その荷物は?」
シェリー「ん、後で説明してやるよ。オルソラは?」
ルチア「今、紅茶をいれに行っています」
シェリー「あら、まだだったの」
シェリー「ま、良いか。よっこらせっと」どさっ
アニェーゼ「どこ行ってたんです?」
シェリー「自分の部屋だよ」
アンジェレネ「あ、これクレヨンですか?」ひょいっ
シェリー「おい!勝手に触るんじゃねぇよ。クレヨン違うから」
ルチア「シスターアンジェレネ、もしテーブルに落書きをしたら……分かっていますね」
アンジェレネ「ひぃっ!ちゃ、ちゃんと紙に描きますよぅ……」
シェリー「いや、問題はそこじゃないから!触るなっつってんだろ!!」
オルソラ「お待たせしました~紅茶とビスケットですよ~」
アンジェレネ「待ってました!」
ルチア「す、すみません。手伝いもせず……」
オルソラ「気にしなくてよいのでございます♪」
オルソラ「はい、シェリーさん。ご所望の紅茶でございますよ」
シェリー「ありがとさん」
オルソラ「はい、アニェーゼさんも」
アニェーゼ「どうもです」
シェリー「ふぅ、うまい……さってと」
がさごそ
シェリー「一丁やるか」
ルチア「あの、さっきも聞きましたがその荷物は?」
シェリー「ゴーレムの材料よ」
ルチア「あぁ、ゴーレm……はい?ゴーレム?」
シェリー「イエス、ゴーレム」
ルチア「え……は?」
アニェーゼ「またアレ作るんですか」
オルソラ「エリスちゃんでございますね」
シェリー「ちゃん付けすんな。あと、今日のはコイツ」
ぎょろっ
アニェーゼ「わっ!何ですかこれ……眼球?」
アンジェレネ「こ、こわい……」
シェリー「そうか?結構イケてるだろ」
アニェーゼ「美的感覚どうなってんです」
シェリー「王立芸術院の先生様にそれ言う?」
ルチア「これがゴーレム……」
シェリー「追跡・偵察用にあと何個か作らないとな」
ルチア「追跡?偵察?」
アニェーゼ「え、ちょっとまさか……」
アンジェレネ「?」
オルソラ「…………」
ルチア「どういうことです?何を追跡するって言うんですか?」
アニェーゼ「いや、シスタールチアは聞かないほうが……」
ルチア「シスターアニェーゼ、少し黙っていて下さい」
アニェーゼ「えぇぇ……」
シェリー「何をって、決まってんだろ」
ルチア「それを教えてください!」
アニェーゼ「いや、ちょっ」
シェリー「だーかーら」
シェリー「当麻と神裂のデートをだよ」
ルチア「!!??」がたっ
オルソラ「…………」ぴくっ
アニェーゼ「あ、あ……」ぶるぶる
アンジェレネ「ふぇ?でーと?」きょとん
ルチア「い、いま『デート』と言いましたよね」
シェリー「言ったわよ」
ルチア「今日、二人はローマ正教宛ての仕事を……」
シェリー「そう。仕事ついでにデート。二人で仲良くデート」
ルチア「んなっ……!?」
アニェーゼ「ちょっと!!?」
アンジェレネ「で、でーとって、どういうことですか……?」
オルソラ「……本当に、どういうことなのでございましょうね」ごごごごご
アンジェレネ「ひっ!シスターオルソラが初めて見る顔になってるぅ!」
がばっ
アニェーゼ「(なんでそう適当なこと言っちまうんですか!!)」
シェリー「(バカ、適当なんかじゃねえよ)」
アニェーゼ「(うそつき!!絶対楽しんでるでしょうが!!)」
シェリー「(だから違うって、ちゃんとあたしなりの考えがあるんだよ)」
アニェーゼ「(……考え?)」
シェリー「(そう。こうやって少し大袈裟に話しておけば……)」
アニェーゼ「(おけば……?)」
シェリー「(なんだか面白そうな反応見せてくれそうじゃない?)」
アニェーゼ「やっぱり楽しんでんじゃねーですか!!!」ぎゃーん
ルチア「シェリー!!く、詳しく話をっ!!」
シェリー「話聞くより、自分の目で見た方が良いでしょ」
ルチア「ですが、覗き見の様な真似は……」
アンジェレネ「私も!私も見たいです」
シェリー「よし、アンジェレネこっち来い。オルソラも見るだろ?」
オルソラ「えぇ、勿論♪」ごごごごごご
シェリー「ほら、あんたはどうする?」
ルチア「う…………」
ルチア「…………」
ルチア「……み、見ます!」
シェリー「はいよ」にやにやにやにや
アニェーゼ「あぁぁ……」
@ロンドン市街
上条「…………」
神裂「…………」
てくてく
上条「…………」
神裂「…………」
てくてく
上条「…………」
上条(……き、気まずい)
神裂(はぁ……)
上条(マズい……寮を出てからお互い一言も喋ってない)
上条(今日一日ずっとこのままってのもな……)
上条「…………」ちらっ
神裂「…………」むすっ
上条(お、怒ってる……っぽい)
上条(……ここは一つ、俺の話術でどうにかこの空気を和らげるしか無い!)
上条(よ、よし)
上条「あー……雨、弱くて助かったな!」
神裂「……この街では強い雨は殆ど降りません」
上条「そ、そうですよね……」
神裂「そうです」
上条「み、みんな傘差してないのも、やっぱり慣れないんだよ俺。日本じゃこれくらいでもh」
神裂「こんな小雨ですから、基本的に傘を差す習慣がありません」
上条「で、ですよね~………」
神裂「はい」
上条「…………」
神裂「…………」
上条(ダメだ……和らげるどころかカウンター食らって上条さんの心折れそう……)
上条(どうしてこんな事n)
上条(……そうだ。きっとこれは幻想だ……)
上条(きっと霧雨が俺に見せている幻想に違いない!というか、そうであってください!!)
上条(それなら、この右手で――)
ぶんっ ぶんっ
上条「その幻想をぶt」
神裂「何をしているんですか」
上条「ひゅぴっ」
上条(あぁぁぁぁぁぁ!!なにやってんだよ俺は!?)
上条(『霧雨が見せた幻想』ってなんだよ!!そんな訳ないだろ!?現実に決まってんじゃん!!)
上条(現実逃避しちゃう自分自身にそげぶっ!!そげぶっ!!)
上条「あ、な、何でもありません……すいませんでした~……」
神裂「今は仕事中ですよ。ふざけた行動は慎んでください」
上条「本当にすいませんでした……」
上条(これ余計怒らせちゃってないか?はは、終わった……)
神裂(……ばか)
てくてく
上条「…………」
神裂「…………」
上条(なんかもう、取り返しがつきそうにない……)
上条(いや、諦めんな俺。考えろ、考えるんだ!)
上条(確かこんな時にどうすれば良いのか聞いたことが――)
上条「!!」
上条(そうだ、何か問題が起きたら先ずは原因を探れって、諫早師匠が言ってたっけ)
上条(原因………やっぱり、出掛けるときに何かあったんだよな)
上条(あのとき確か―――)
“神裂『こ、この服装……どうでしょうか?おかしくないですか?////』 ”
“上条『クソッ!!おのれ魔術師!よくも神裂を!!』”
“シェリー『あのセリフ良かったな。「おのれ魔術師!よくも俺のかおりんを!!」』 ”
“上条『言ってませんが!!??』”
“アニェーゼ『お二人が全然気づかないんで、笑いこらえるの必死だったんですよ。謝りやがれ』”
“上条『なんで!?』”
上条「…………」
上条「そうか!!」
上条(そう言えば出掛けるとき、ジタバタしてたせいで何も食べずに出てきちまったんだよな!)
上条(と、言うことは!神裂はいま腹が減っているに違いない……)ちらっ
神裂「…………」ずーん
上条(うん!心なしか腹が減っているような顔をしている気がしなくも無い!だから機嫌が悪かったんだな)
上条(……さすがです師匠。あなたのお陰でなんとかなりそうだ!!)キリッ
諫早「ぶへっくしょい!!」
<あれ、諫早さん。風邪っすか?
諫早「いや、違うと思うんだが……っぶしょい!」
上条(そうと分かれば!)
上条「なぁ、神裂」
神裂「はい」
上条「なんか食いたいものあるか?」
神裂「……は?」
上条「朝何も食ってないから、腹減ってるだろ?そこら辺の店で軽く食べ」
神裂「減っていませんが」
上条「ていかな……え?なんて?」
神裂「ですから、減っていません」
上条「え、あ……そ、そうか」
神裂「…………」
上条「…………」
上条(あっるぇぇぇぇえええええ!!?)
上条(違ったの!?お腹空いてたんじゃなかったんですか!?)
上条(『これで決める(キリッ』じゃねーよ!!恥ずかしっ!俺恥ずかしっ!!)
てくてく
上条「…………」
神裂「…………」
上条(……もう打つ手なし、か……)
上条「……はぁ」
神裂「…………」しゅん
Side:天草式
建宮「あっちゃぁ……あいつは何やってるのよ!」
牛深「いやぁ、女教皇様のあんな表情初めて見ましたよ俺」
香焼「いつもなら、お得意のラッキースケベを2、3発ぶちかましててもおかしくない頃なんすけどね」
野母崎「いや、この状況でそんな事したら不味いと思うけど……」
建宮「とにかく、引き続き監視を怠るな。いざとなったら作戦αを実行するのよな」
対馬「はぁ……なんで私たちがこんなことしなくちゃいけないのよ」
浦上「まぁまぁ対馬さん。良いじゃないですか、今日は仕事お休みだったんですよね?」
対馬「休みの日だからこそ、よ。二日酔いで頭痛いし、訳も分からず連れ出されて当…上条当麻の尾行だなんて……」
浦上「はは……」
対馬「そもそも全員で尾行するならトランシーバーいらないじゃない」
浦上「100%教皇代理の趣味だと思います」
対馬「でしょうね……ところで、五和は?あの子も一緒に来てるんでしょ?」
浦上「来てるには、来てるんですけど……」ちらっ
対馬「どうしたの?あの子また」ちらっ
五和「も、もうっ、当麻さんのえっち……でへへへへへへへへへ//////」でろでろ
対馬「酒でも………あぁ」
浦上「はい。こう言う訳でして……はは」
対馬「朝から気になってたんだけどさ、あのヘッドフォンで五和は何を聴いてるの?」
浦上「えぇとですね、何と言いますか……」
対馬「通報されてもおかしくない顔になってるけど……大丈夫なの?」
浦上「大丈夫、ではないかもです。あれの依存性はハンパないので」
対馬「依存性って……ちょっと、まさか」
浦上「いやいや!危ないものじゃないですから!安心してください」
対馬「本当に?」
浦上「はい!」
対馬「なら良いけど……うわ、また変な声で笑って……」
浦上(ごめんなさい対馬さん。それ、本当は十字教界を転覆しかねない最強兵器だったりします……)
牛深「うーん……女教皇様の機嫌直らないな」
香焼「もう作戦突入すか?」
建宮「待て、もうしばらく様子を見る」
野母崎「あ!また彼が動き出しましたよ」
建宮「よしよし、それでこそ上条当麻だ……テメェら、目を離すんじゃねぇのよ!」
上条「……なぁ、神裂」
神裂「なんですか」
上条「その……ごめんな」
神裂「え?」
上条「本当にごめん!この通りだ!」がばっ
神裂「き、急にどうしたんでs」
上条「もう本当に申し訳ありませんでした!!」どげざー
神裂「だから!!なんですか急に!!」
上条(もう原因を探っててもらちがあかねぇ!!)
上条(正直に誤っちまおう。多分また知らないうちに何かしらやらかしたんだろうし……)
神裂「こ、こんな天下の往来で土下座しないでください!!ちょっと!?」
>>453
訂正
×誤っちまおう → ○謝っちまおう
上条「俺バカだから気づかないけど、何か神裂の気に障る様なことしちまったんだろ」
神裂「そ、それは……とにかく土下座をやめてください!!」
上条「もうこれ以上、お前にそんな顔させたくないんだよ」
神裂「!!」
牛深「ど、土下座……」
香焼「さすが大先生す」
野母崎「褒めるところじゃないだろう……」
上条「ま、そうさせたのは俺なんだろうけど……せっかくの休みの日に、こっちの都合で無理やり仕事つき合わせておいてな」
神裂「それは……」
上条「護衛だけど、嫌だったら本当にすぐ帰ってくれて構わない。俺一人でも大丈夫だ……と思う。確信はないけどな」
上条「とにかく、俺は神裂に嫌な思いさせたままっていうのは嫌だからさ。一発ぶちのめしたいとかも、それで気が済むならやってくれ」
上条「ま、俺が仕事出来るくらいの余力は残しておいてくれると助かる」
神裂「…………」
浦上「まぁまぁカッコいいこと言ってるのに、土下座で台無しですね」
対馬「そ、そうね……」
五和「そんな……当麻さんがそう言ってくれるだけで私……あぁん/////」でろでろ
神裂「…………」
上条(謝るだけ謝った……後は神裂がどうするか……)
神裂「顔を上げてください……当麻」さわっ
上条「え?」
上条「か、神裂……?」
神裂「もう良いんです」なでなで
上条「もう良いって……は?」
上条(え、なんで……)
上条(なんで俺はいま頭を撫でられてるんでせう!?)ぎゃーん
上条(『怒らせてしまった同僚に謝っていたら、何故か頭をなでなでされた』)
上条(……な、何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何がなんやらさっぱりだ!)
上条(助けて師匠!!)
諫早「っぶしょいっ!!」
<あはは、またくしゃみしてるー
諫早「……やはり風邪でもひいたか」
神裂「すみません。私もその……少し意地を張りすぎました」なでなで
上条(お、落ち着け俺。こういう時は遠くの景色を見て心を落ち着かせ……って見れねー!!)
神裂「本当はそんなに怒っている訳では無くてですね」
神裂「なのに、あなたをそんな風に悩ませてしまって、その……罪悪感が……」
神裂「だからこれはちょっとした謝罪とお、お詫びに………は、恥ずかしいのでまだこっち見ないで下さい///」
上条(だから見たくても、土下座の状態で頭撫でられてるから地面しか見えねー!!)
神裂「すみませんでした」
上条「こ、こちらこそ……」
神裂「……ふふっ」
上条(あれ……何か機嫌直ってる?)
神裂(彼は十分すぎるほど、私のことを考えてくれていたんですね……////)
上条(よく分からんけど、神裂ももう怒ってないみたいだ。土下座していた間に何か起こったのか)
神裂「これで、お互いもう気にするのはやめましょう」
上条「あ、あぁ。神裂がそれで良いなら」
神裂「はい」にっこり
上条(機嫌直ったって言うか……むしろ上機嫌になってないか?)
上条「奇跡だ……」
神裂「なんですか?」
上条「へ?いやっ……そうだ、そろそろ手離してもらえるか?頭あげたい」
神裂「はっ、すみません。つい……」
上条「いいよ、そもそも土下座始めたの俺だし」
神裂「はい」
上条「ははっ、それじゃ――ッ!!?」
神裂「?」
上条「こ、これは……」
上条(か、神裂が頭を撫でるためにしゃがみ込んでいたせいで目の前に見てはいけない物が……////)
上条「し、白……」
神裂「は?白?」
上条「ふがっ!!」
上条(やべっ!声に出て―――!?)
神裂「一体何のことですk……」ちらっ
神裂「っ!!!???///////」ばっ
神裂「…………」
ざざざざざ
神裂「…………」すくっ
上条「…………」さっ
神裂「……見ましたね」
上条「……はい」
ごごごごごごごご
神裂「七閃ッ!!」しゅっ
上条「ちょっ!その刀一体どこからぶべらっ!?」
子供「ねぇ、ママ。あの人たちさっきからなにしてるのー?」
ママ「見ちゃいけません!」
Side:天草式
建宮「だはははははははは!!やりやがったのよアイツ!!げらげらげらげら」
牛深「あまり大きな声で笑うと気づかれますって!」
香焼「天然ジゴロぶち込んでからのラッキースケベ。さすが大先生す」
野母崎「いやいやいやいや」
建宮「はぁ、はぁ……まったく、笑かしよるのよ」
浦上「うわぁ……か、上条さんってば大胆だなぁ///」
対馬「…………」むすっ
浦上「あれ、対馬さん?」
対馬「へ?……あ、何でもないわ!何でもない!」
浦上「は、はぁ……」
対馬(やだ……なにイラついてんのよ私……)
五和「えぇ?もう一回ですか?……もう、当麻さんってばぁ////////」でろでろ
牛深「教皇代理、あの二人そろそろ第一目標地点に到達します」
建宮「ふむ……香焼、頼んだぞ」
香焼「了解」だっ
野母崎「何を始めるつもりなんだ?」
牛深「作戦βを開始するんだ。ほら、お前も早く準備しろ」
野母崎「いや……俺、作戦なんて一つも聞いてないんだけど……」
建宮「おい対馬、お前さんもさっさと準備を済ませちまえ。作戦開始なのよ」
対馬「は?準備って……何すれば良いのよ」
建宮「先ずはコレに着替えて、準備が終わったら待機」
対馬「着替えなんて面倒な……はっ!?」
建宮「おい大声出すんじゃないのよ。怪しまれちまうのよ」
対馬「何よこの衣装!?」
建宮「あそこの角にあるカフェのウェイトレス用の物ですが?」
対馬「それを何で私が着なきゃいけないの?」
建宮「そら、潜入するために決まってるのよ」
対馬「潜入って……そんなことするなんて今初めて聞いたんだけど」
建宮「だろうな。俺だっていま初めて言ったのよ」
対馬「おい!!」
建宮「んで、浦上は俺とこっちでちょっとした小芝居」
浦上「お芝居ですか?でも私そういうのあんまり……」
建宮「心配するな。簡単だし、一瞬で終わるのよ」
浦上「分かりました。……あ、五和は」
建宮「牛深と待機させるのよ。本人と会ったら絶対に使い物にならんしな」
浦上「ですね」
五和「そ、そんな恥ずかしいこと……でも上条さんのためなら……////」
牛深「…………」
上条「だから、あれは不可抗力というか、神の見えざる手というか……」
神裂「わ、分かっています。だからあの一撃だけで許したんです!」
上条(『だけ』!?明らかに消しに来てただろ!!)
神裂「いくらあなただからと言って、街中であんなこと……///」
神裂(女性の下着を覗くなど……///)
上条「へ?」
神裂「あ、いえ……///」
上条「あぁ、そうか」
上条「土下座の事だな」
神裂「は?」
上条「あの時はちょっとテンパってて咄嗟にさ。確かに一緒にいた神裂も恥ずかしかったよな、悪い」
神裂「…………」
げしっ
上条「いてっ!」
神裂「ふんっ」
上条「え、なんで小突いたの……?」
神裂「知りません!」げしっげしっ
上条「え、いたっ、まっ……ふ、不幸だ……」
Side:天草式
建宮「ほう、見せつけてくれるのよな」
対馬「…………」ぐっ
浦上「対馬さん?さっきから様子が……」
建宮「気にするこたねーのよ」にやにや
浦上「……また変なこと企んでませんか?」
建宮「まさか…くふっ…企んでるわけ…はは…ないのよHAHAHAHAHAHAHAHA!」
浦上「絶対ウソだー!?隠す気ゼロですか!!」
建宮「ほれ、対馬。早く行って野母崎と合流しろ」
対馬「うるさいわね。私はまだ作戦に協力するとは――」
建宮「……愛しの彼にお灸を据えてやるチャンスなのよ」にやり
対馬「っ!……い、愛しのって///」びくっ
建宮「はい、いってらっしゃい」
対馬「くっ……べ、別に当、上条当麻にどうこうとか、そ、そんなんじゃないから///」
建宮「はいはい分かってるのよ」にやにやにやにや
浦上「うわぁ……」
建宮「ふぅ、ちょろい奴よ」
浦上「あんまり対馬さんからかわないであげて下さいよ」
建宮「ん、善処しない」
浦上「しろよ!!」
建宮「さぁ、俺達も行くのよ」
浦上「ふぇ?……どこに?」
上条「…………」
神裂「…………」
上条(またやってしまった……俺のバカ!!)
上条(どうしてこうなっちまうかな……)
神裂「…………」ちらっ
上条「ん?」
神裂「ぁっ……///」さっ
上条「…………」
上条(?また怒ってるって訳じゃ……ないのか?)じ~
神裂「っ………///」ふいっ
??「ちょっと、そこのお二人さん」
神裂「…………///」
上条「うぅむ………」
??「おい!!」
神裂・上条「「?」」
ウェイター「こんにちは。お二人仲良く手を繋いで、デートすか?」
神裂「は、はい……」
上条「こんにちは……?」
ウェイター「どうも」にやり
神裂・上条((誰だこいつ))
ウェイター「いやぁ、羨ましいですね。俺も平日に堂々とデートしてみたいすよ」
神裂「はぁ……って違いますよ!?」
ウェイター「またまたぁ、照れちゃって」
神裂「て、照れてなどいません!!」
ウェイター「そうだ先s、彼氏さん」
神裂「無視!?」
上条「いや俺たちはそういうんじゃ……」
ウェイター「今うちの店で期間限定のスペシャルランチ出してるんですよ」
上条「うちの店?」ちらっ
カフェ《COLLET》
上条「お、おぉ……」
上条(いつの間にこんなオシャレな店の前に……全然気が付かなかった)
ウェイター「それでですね、もしお昼がまだでしたら如何かなと思いまして」
上条「そ、そうですね」
上条(どうする……時間はまだ少し余裕があるから、食っていっても大丈夫だろう……)
上条(でもな……神裂は腹が減ってないみたいだし……)
上条(悪いけど断って……)
ウェイター「はい、二名様ご案内~」
上条「まだ返事してねぇけど!?」
ウェイター「ほら、彼女さんもぼーっとしてないで」
神裂「か、かのっ!!?////」
ウェイター「ごゆっくりー」
上条「お、おいっ……」
からんからん
ウェイター「…………」
ウェイター「……こちらK、無事二人を店内に誘導しました。どうぞ」
Side:女子寮
こねこねこねこね
アンジェレネ「できました♪」
オルソラ「あら、それは何でございますか?」
アンジェレネ「らいおんです!」
オルソラ「まぁ、お上手でございますね♪」
アニェーゼ「いや、どう見ても新種のクリーチャーなんですが……」
シェリー「あいつらまた勝手に材料を……」
ルチア「そんな事より、早く完成させてください」そわそわ
シェリー「……必死すぎるだろ。そんなにアイツが気になるのかしら?」
ルチア「んなっ!?ちちちちち違います!!」
シェリー「ふーん」にやにやにやにや
アンジェレネ「見て下さいシェリーさん!どうですか?」
シェリー「お前静かにしてろって……何よこれ」
アンジェレネ「らいおんです」
シェリー「……らいおん、か」
アンジェレネ「はい!」
ルチア「これがライオン?……ふふっ」
アンジェレネ「わ、笑わないでくださいよぅ」
ルチア「くふっ……だ、だって全然似てない……シェリー、あなたもそう思」
シェリー「なかなか良いセンスしてるじゃない」
アンジェレネ「わーい!褒められました!」
ルチア「!?」
ルチア「ば、バカな……」
アニェーゼ「芸術家ってのは、紙一重な所がありますから……ほら、ゴーレムはもう完成したんですか?」
シェリー「した。ほれ」ぽいっ
ごろん……
ギョロッ
アニェーゼ「やっぱり気持ち悪いですねこれ。グロいです」
ルチア「もう少し形を……どうにかならなかったのですか?」
シェリー「うるせえな。いいでしょ別に」
アンジェレネ「ねぇねぇ、早く送りましょうよ!」
シェリー「焦るんじゃねえよ。いまやるからちょっと待ってなさい」
オルソラ「ですがシェリーさん。神裂さん達が今どの辺りにいるのか分からないのではございませんか?」
シェリー「大丈夫、この探査術式で探すから。すぐに見つかるでしょ」
アニェーゼ「?その術式……あなたのじゃないですよね?」
シェリー「ちょっと借りたんだよ」
ルチア「借りるって、一体誰から?」
シェリー「赤毛のヤニボーイから」
アニェーゼ「は?」
ステイル「………!」ぞぞっ
ステイル「な、なんだ……?この悪寒は……」
ルチア「ちょっと待ってください。もし場所が分かったとしても、ここからもうかなり離れてしまっていれば操作が難しくなるのでは?」
シェリー「そこも問題なし。既にロンドン市街中心から半径百キロ圏はカバー出来るように、街中に術式仕込んでおいた」
ルチア「い、いつの間に……」
シェリー「あたしに抜かりはねえよ」
アニェーゼ「勝手にんなもの仕込んじゃマズいでしょうに」
シェリー「でもちゃんと許可取ったわよ?」
アニェーゼ「誰に?」
シェリー「ローラに」
――――――――――
シェリー『――って事なんだけど。いい?』
ローラ『それは非常に面白そうでありけるわね!!OKよ!』
シェリー『んじゃ、やってくる』
ローラ『必ず結果を教えたもうてくれる?それはもう詳細に!』
シェリー『分かってる。バッチリ激写してきてやるよ』
ローラ『ふふふ……実に楽しみよ』
――――――――――
アニェーゼ「……本当にあの人は何を考えてんですか」
シェリー「何も考えてないんだろ」
オルソラ「…………」
シェリー「もういいだろ。あたしは準備に取り掛かるから邪魔す」
オルソラ「シェリーさん」
シェリー「んじゃな……今度はあんた?」
オルソラ「その事を伝えに言ったのは、いつのことでございますか?」
シェリー「いつって、昨日だよ」
オルソラ「昨日、でございますか……」
シェリー「何よ。なんか言いたいことでもある?」
オルソラ「いえ。ただ――」
オルソラ「まるで、昨日の内から――今日こうしてお二人の動向を監視する事が決まっていたようだと、少し不思議に思っただけでございます」にっこり
シェリー「!?」ぎくっ
オルソラ「ねぇ?どう思いますか?」
シェリー「い、いやそれは……」
オルソラ「それは?」
シェリー「う………」
オルソラ「そ・れ・は?」
シェリー「……そ、そんな事ある訳ないだろ?ただ、アイツらのことだからまたいつもの様に厄介事に巻き込まれるんじゃねえかと思って念のために……」
シェリー「そう!念のためだよ、念のため!」
オルソラ「……なるほど、そうでございましたか♪ごめんなさい、変なことを聞いてしまいました♪」
シェリー「はは、気にしなくていいわよ」
オルソラ「ふふっ」
シェリー「…………」
シェリー(言えねぇ……)
シェリー(本当は、デートの様子を録画してからかってやろうと思ってたなんて……言えないわ)
アンジェレネ「シェリーさん、まだ動かさないんですか?」
シェリー「え、あぁ、そうね。やるわよ、今すぐに」
アンジェレネ「えへへ、楽しみです」
ギョロッ
アンジェレネ「これもちょっと可愛く見えてきました」さわさわ
ルチア「シ、シスターアンジェレネ!素手で触ってはいけません、呪われますよ!?」
シェリー「呪われねえよ。それに結構イケてると思うんだけど」
アニェーゼ「何度見てもビジュアルが醜すぎる……あなたとアンジェレネのセンスがイカれちまってんです」
シェリー「あーもう、ごちゃごちゃうるさいんだよ。アンジェレネ、そこの荷物どけろ」
アンジェレネ「これですか?」
シェリー「そう。もうすぐここにあいつらの居場所が……お、出た出た」
アニェーゼ「ここは……まだ大通りまで出てない?何ちんたら歩いてんですかね」
オルソラ「それに、空港までの最短ルートから大分外れているようでございますけれど」
アンジェレネ「なんででしょう?どこか寄り道とかしてるのかなぁ……」ぽつり
アニェーゼ「」ぴくっ
オルソラ「」ぴくっ
ルチア「?」
シェリー「……ふっ」
アニェーゼ「寄り道って……まさかあの二人、本当に……」
アンジェレネ「あ、動きが止まったみたいです」
ルチア「どこですか?」
アンジェレネ「これは……ホテル?」
アニェーゼ「んなっ!!?」がたたっ
オルソラ「あらあらあらあら」ごごごごごご
ルチア「ホテル?何故こんな昼間から……」
アンジェレネ「あ、間違えました。ホテルじゃないです」
アニェーゼ「なんて間違いをしやがるんですかぁ!!」がっ
アンジェレネ「わ、わ!?なんでそんなに怒るんですか!?」
オルソラ「もう、いけませんよアンジェレネさん♪」ごごごごごご
アンジェレネ「うわーん!目が怖いぃぃ!!」
ルチア「二人でホテルn……あっ……////」
シェリー「見てて飽きないわね、あんたら」
アンジェレネ「うぅぅ……なんでぇ……」
シェリー「チョコレートあげるから元気出しなさい」ぽいっ
アンジェレネ「わーいチョコレートだ!」
シェリー「扱いやすくて助かるわ」
シェリー「えっと場所は―――コレット?あぁ、カフェか」
シェリー「取り敢えず2体転送して……お、繋がった」
シェリー「おい、映像繋がったぞー」くるっ
アニェーゼ「私が頼んだのは荷物の受け取りであって、デートなんかじゃないのに……パパのバカッ!」ぐすっ
オルソラ「お仕事そっちのけで一体何をなさるおつもりなのでございましょうね?」ごごごごごご
ルチア「寮を管理する立場にありながら、か、姦淫の大罪を犯すなど……あ、ありえにゃい……///」もんもん
シェリー「このメンタルの弱さは問題だよな」
アンジェレネ「ふぇ?めんたる?」
シェリー「何でもない。口の端にチョコ付いてるぞ」
アンジェレネ「わ、もったいないもったいない」いそいそ
シェリー「仕方ないわね。二人で見るか」
アンジェレネ「はい!」ぱらぱら
シェリー「おい、カスを落とすな……どこから持ってきたんだそのウエハースは」
アンジェレネ「これは常備しているんですよ。シェリーさんもどうぞ」
シェリー「……遠慮しておく。ほら、もうすぐ映るぞ」
アンジェレネ「ワクワクしますね!」わくわく
パッ
<「はい、二名様ご案内~」
<「まだ返事してねぇけど!?」
<「ほら、彼女さんもぼーっとしてないで」
<「か、かのっ!!?////」
<「ごゆっくりー」
<「お、おいっ……」
シェリー「おっと、これは……」
アンジェレネ「ずるいですよぅ!私もお兄ちゃんとカフェ行きたいです……」
シェリー「こりゃ決定的瞬間を捉えちまったな」
アニェーゼ・オルソラ・ルチア「「「…………」」」じ~~
シェリー「!?」
Side:上条&神裂
ウェイター「注文が出来たら呼んでください。では」
上条「は、はい。どうも……」
神裂「…………////」
上条(落ち着こう。今日もう何回目か分からんけど落ち着こう)
上条(まず今の状況……めちゃくちゃオシャレな雰囲気の喫茶店に、白いワンピースを着た神裂と相席している)
上条(うん、おかしいね!空港に荷物を取りに行くはずだったのにね!)
上条(運命の神様の嫌がらせに違いない……)
神裂「あの、当麻」
上条「一応イギリス清教の人間だけど言うわ……いつか絶対神様殴る」
神裂「殴る?」
上条「え?……いや何でもねぇよ!?ただの独り言だ!」
神裂「ま、またですか」
上条「ははは……」
神裂「?」
上条「それより!さっき話しかけてたのは…」
神裂「え、えぇ。早く注文を決めてしまいましょうと」
上条「注文って……え、飯食うの?」
神裂「そのつもりですが?当麻が言い出したんじゃないですか」
上条「それは……いいのか?なんか強引に連れてこられた所だし、他にどこも見てないだろ」
神裂「私は別に構いません。ここはとても雰囲気の良いお店ですし」
上条「確かにすげぇ高級感が出てるけども」
神裂「でしょう?……それとも」
上条「それとも?」
神裂「この店でわ、私と一緒にいるのは……嫌ですか?」
上条「!!」
【白昼】聖人が性人だった実況スレ4人目【堂々】
>>531
他のスレ
堕天使vs大精霊十七戦目(768)
今イギリスのカフェにいるんだが…(981)
【堕天使】聖人ってエロくね?Part561【エロメイド】(5)
妹王決定戦五人目(459)
幻想殺し監視スレ59874殺目(874)
ツンツン頭と健気金髪娘SS(672)
学園都市第三位って、か、可愛いよね!(2)
幻想殺し監視スレ59873殺目(1000)
↓今のままでいいんじゃないかにゃ~↓(1)
正しい日本語教師緊急募集(2)
魔神は小嫁可愛い3世界目(401)
インデックスの魅力を語ろう5箱目(571)
美味いコーヒー教えろォ(72)
幻想殺し監視スレ59872殺目(1000)
幻想殺し監視スレ59871殺目(1000)
幻想殺し監視スレ59870殺目(1000)
☆一日中逆立ちした時の女子のスカートのエロさは異常★(31)
幻想殺し監視スレ59869殺目(1000)
建宮抹殺メンバー募集スレ(5)
婚后派あつまれー(3)
上条「嫌じゃねぇよ!ただ、こんないかにもお値段高そうな店落ち着かないってだけで……」
神裂「こ、声が大きいですよ!」
上条「おっと……だから、お前と一緒なのが嫌なわけじゃないから」
神裂「はい……良かった」にっこり
上条「うっ……///」
神裂「……////」
ウェイター「ちょっと良いすか」
上条・神裂「「っ!!?」」
ウェイター「乳繰り合ってるの邪魔しちゃってすいません」
上条「してませんが!?」
ウェイター「先ほど、お伝えするのを忘れていたことが有りまして」
神裂「?」
ウェイター「実は、期間限定である割引キャンペーンをやっているんすよ」
上条「きゃ、キャンペーン?この店でですか?」
ウェイター「はい。一つ条件が有るんすけど、お客様方ならクリアしてるんで大丈夫す」
神裂「条件、ですか。一体どんな?」
ウェイター「簡単すよ」
ウェイター「条件は“恋人同士”であること―――ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!」
上条・神裂「「ラブ割!?」」
上条「ラブ割って……」
ウェイター「Love+割引。つまり、まんま恋人割って事すよ」
上条「へぇ……こういう店でも、そういうのやるもんなんですね」
ウェイター「やるんすよ。どうすか?」
上条「う~ん、それでどの位安くなるんですか?」
ウェイター「最大で、全品無料になりますね」
上条「なるほど、最大で無料に……無料!?え、ただになんの!?」
ウェイター「おまけにデザートが一品付きます」
上条「も、もしかしてそれも……?」
ウェイター「無料っす!!」
上条「すげぇ!!」
神裂「割引きですか」
神裂(でも私達は、そもそも恋人では無いのに……)
上条「なぁ、どうする神裂?」
神裂「どうすると言っても、私達は――」
上条「せっかくだから俺は頼もうと思ってんだけど」きらきらきらきら
神裂「えぇ!?」
神裂(なんでそんな輝いた目をしているんですか!?)
神裂(まさか……当麻はそんなにも私とこ、恋人割を……/////)
上条(まさか無料になるなんてな!上条さん久しぶりにラッキーが降りてきましたよ!!)
神裂「そんなに、頼みたいんですか」
上条「あぁ!!」きらきらきらきら
神裂「……分かりました。頼みましょう////」
上条「よっしゃ!」
神裂(こんなに喜ぶなんて……と、当麻/////)
上条(正直、外食は結構痛い出費だと思ってたんだけど、こりゃ助かったぜ!!)
ウェイター「相変わらずすね、大先生」
上条「すんませーん!」
ウェイター「はいはい」
上条「あの、さっきの割引お願いしたいんですけど……」
ウェイター「かしこまりましたー」
上条「で、注文は俺が」
ウェイター「それでは、お二人が恋人であるという証拠を見せてください」
上条「このナポリタ……はい?」
神裂「証拠……?」
ウェイター「はい。恋人同士だとはっきり分かるやつを」
上条「そんなの聞いてないんですが……」
ウェイター「言ってないなかったすけど、当たり前でしょう。自己申告だけでOKとかうちは即刻破産すよ」
神裂「確かにそうですね……」
上条「じゃあ何をすれば良いんですか?」
ウェイター「そうすね。例えば、あそこのお客様の様な感じで」
上条・神裂「「?」」ちらっ
男性客?「お!遂に出番なのよ………さぁマイハニー!!俺とあっつ~いキスを!!」
女性客?「は!?す、する訳ないでしょうが!!何言ってるんですか!!」
男性客?「もう、ハニーってば照れ屋さんなのよな。でも二人の燃え滾るような愛があればモーマンタイなのよ!!!」
女性客?「大有りですよ!!ちょっ、こっちに近づかないで下さい、通報しますよ!!」
男性客?「まったく困ったちゃんなのよな。たかがキスの一回や二回」
女性客?「あ、もしもし警察ですか?なんか変な男の人が……」
男性客?「え、まさかマジで通報しとる!?……おい、ちゃんと役割としてカップルの演技を……」
女性客?「それはそうですけど、キスは絶対に嫌です。意味が分からないです」
男性客?「これが一番手っ取り早いのよ。それ、ぶっちゅ~っと」
女性客?「あ、はい。ここの住所は――」
男性客?「ちょっと待てー!?」
上条「……あんな感じですか」
ウェイター「そうすね」
神裂「ただの痴話喧嘩にしか見えなかったのですが、通報していましたし」
ウェイター「まぁ、男と女にはよくあることすよ」
上条「いや無いだろ……」
ウェイター「って事で、お願いします」
上条「お願いしますって、ケンカでもすればいいんですか」
ウェイター「違うすよ」
ウェイター「愛の口付けを、一発お願いします」
上条・神裂「「口付け!?」」
上条「ウソだろッ!?そこまでするなんて――」
ウェイター「ウェイター、ウソツカナイ。キスヲ、キスヲクダサイ」
上条「急に片言!?さっきまで普通に喋ってただろ!!おい、神裂も何か言っt……」
神裂「と、当麻と口付け……あ、あ//////」ぷしゅ~
上条「神裂さーん!?」
上条(ダメだ、今日の神裂はあてにならねぇ!)
ウェイター「で、どうするんすか。割引を受けたいなら、腹括って下さい」
上条「うっ……や、やっぱりキャンセルで……」
ウェイター「ちなみに、キャンセル料は1000£になりますが」
上条「なんですとっ!!?」がーん
男性客?「おら、男なら覚悟決めるのよ!キース!キース!」
女性客?「ちょっと!騒がないで下さいよ!」
上条(お、おいどうする?まさかこんな条件が有ったとは……)
上条(そうだよな……上条さんにそうそうラッキーな話が転がり込んで来るわけが無かった。はは……)
上条(やめようにも、キャンセル料がな。手持ちじゃ足りない所の話じゃない)
上条(これが払えなければ――)
―――――――――――――
ウェイター『アイツが無銭飲食したんすよ』
警察『なに?逮捕だ!!』
上条『NoooooOOOOO!!』
―――――――――――――
上条(こうなる事は必至ッ……!)
上条(そうなると、取引の時間に間に合わなくなるのはいつものパターン!)
男性客?「なーにウジウジ考えてるのよ、ガッといっちまえばいいのよ!!」
女性客?「いい加減にしろ!!」がすっ
男性客?「うぐはッ!?」
上条(アニェーゼの……ローマ正教から依頼された仕事を、俺のミスで潰すわけにはいかないよな)
上条(ましてや、こんな理由で……)
上条「…………」さっ
ウェイター「…………」こくり
上条(……道は一つ、か)
上条「と、なると……」ちらっ
神裂「こんな皆が見ている前で……でも、当麻がしたいなら……//////」ぽや~ん
上条「…………」ごくり
神裂「ですが、私は仮にも天草式をまとめる身……で、でも当麻が……///」
上条「………神裂」
神裂「ひゃ、ひゃいっ!?」
上条「…………」
神裂「当麻……?」
上条「さっきの話聞いてたら分かると思うけど……さ」
上条「……この状況をどうにかするには、その……神裂と……」
神裂「は、はい……////」どきどき
上条「わりぃ、こんな事になるなんて……」
神裂「いえ、ここで良いと言ったのは私です……」
上条「それでも……こんな所で俺となんて嫌だろうけど、でm」
神裂「嫌じゃありませんよ?」
上条「え?」
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
上条「なっ……」
神裂「他でもない、あなたなら……////」
上条「か、神裂……」
神裂「ですから……」
神裂「当麻のしたいようにして下さい」
上条「したいようにって、良いのかよ!?」
神裂「言ったでしょう。あなたなら構いません……」
上条「でも……」
神裂「…………////」
上条(神裂が静かに目をつぶって……)
上条「…………」
上条(俺も、覚悟を決めよう――)
すっ
Side:天草式
てくてく
対馬「はぁ……バカバカしい。なんで私がこんなこと」
“『愛しの彼にお灸を据えてやるチャンスなのよな!』”
対馬「っ!」ぶんぶんっ
対馬「彼が何をしようと私には関係ないじゃない」
対馬「…………」
対馬「ま、愚痴言ってもしょうがないわよね。仕事は仕事」
てくてく
対馬「コレット……ここか」
対馬「潜入とか言ってたわよね、取り敢えず裏口から……っと」こそっ
対馬「どのくらい人が入ってるのかしら。あんまり多いとさすがに無理が――」
し~ん
対馬「……誰もいない?うそ、場所間違えたとか――」
??「あれ、対馬?」
対馬「きゃっ!?」
シェフ?「中々来ないから、てっきり断って帰ったのかと思ったよ」
対馬「あの、違うんです!私は別に怪しいものじゃ……は?」
シェフ?「はは、何言ってるんだ対馬」
対馬「……野母崎?」
野母崎「はい。野母崎ですが」
対馬「どうしたのよその格好」
野母崎「どうしたのって、シェフだよシェフ」ばさっ
対馬「そんなの見れば分かる。どうしてその格好をしているのかって聞いてんの」
野母崎「建宮がこれ着て待機してろって言ったから」
対馬「……それで素直にシェフになって待ってたわけ?はぁ…」
野母崎「いやぁ、でも結構カッコいいだろう?この衣装」
対馬「普通」
野母崎「手厳しいな……」
対馬「でもよく出来てるわね、この服。こういうのどっから仕入れてんのかしら」
野母崎「服飾関係の知り合いがいるんだってさ」
対馬「胡散臭いわ……」
野母崎「対馬も貰ってるだろ?着替える服。見せてくれよ」
対馬「え?うぅん……」
野母崎「あれ、貰ってない?」
対馬「……これ」
野母崎「お、これが対馬……の……」
《メイド服》
対馬「いきなりこんなの渡されて、『作戦開始だ、これを着て待機』って。ふざけてるわよね」
対馬「“ファンシーウェイトレス”って、明らかに正規の衣装じゃないでしょ」
野母崎「建宮……」
対馬「やっぱり帰ろうかな」
野母崎「まぁまぁ、俺達は後方支援らしいし……」
対馬「だったら何で着替える必要があるのよ」
野母崎「それは……ほ、ほら!万が一にも二人に姿を見られた時に誤魔化せるじゃないか。シェフとウェイトレスならこの場にいても自然だろ?」
対馬「そういうもんかしら」
野母崎「流石に、ただのおふざけで着せるわけは……」
対馬「…………」
野母崎「……あるかもな」
対馬「帰りたいわ……」
pipipi
『こちらK、こちらK』
野母崎「あ、通信が入った」
対馬「Kって…この声、香焼でしょ」
野母崎「そう。コードネームは頭文字のK」
対馬「コードネーム?」
野母崎「付けた方が雰囲気出て面白いってさ」
対馬「……バカばっかね、ホント」
『今から目標と接触します』
『こちら司令官。了解したのよ』
対馬「この司令官は、アイツ?」
野母崎「そう」
『続いて司令官よりNへ、レストラン内での準備は完了したか』
対馬「…………」
野母崎「そんな目で見ないでくれ……これは建宮が勝手に……」
『おい、聞いてるのか。聞いてるなら応答するのよな』
対馬「準備って何のことよ。野母崎と合流しろとしか言われてないわ」
『そ、その声はH!?』
対馬「勝手なコードネームで呼ぶな!!」
『えー、ノリが悪いのよ』
対馬「ったく……それで何でHなのよ、頭文字とるならTじゃ……」
『そりゃ、ちゃんと「貧乳」の頭文字からとっt』
対馬「殺す」
『仕方ないのよ、Tでは「建宮(Tatemiya)」と被ってしまうのよな』
対馬「被るって、あんた自分のこと司令官って言ってるじゃない」
『…………』
対馬「どうなのよ」
『では具体的な指示を出す。聞き漏らさぬように』
対馬「おいっ!!」
『先ずはN、いないのか?』
野母崎「あぁ、いるよ。もう随分前に着替え終わって、言われた通り待機中だ」
『よし。それなら今すぐスパゲッティを作る準備をするのよ』
野母崎「分かった。スパゲッ……ちょっと待って」
『ん?』
野母崎「え、俺が作るの?」
『当たり前なのよ。何のためにその格好してると思ってるのよ』
野母崎「いや、でも俺そんなに料理出来ないよ」
『ウソつけ。お前がたまに嫁さんと一緒に料理してるのは既にリサーチ済みなのよ』
野母崎「それは、そうだけどさ……」
『そんでもってH!』
対馬「あんた本当に後で殺すわよ」
『仮にもわたくし教皇代理なのだが……まぁいい。Hの仕事はウェイトレスさんなのよ』
対馬「……どういうこと?」
『え……まさかウェイトレスが分からないのか……?』
対馬「そんな訳無いでしょ!さっきの野母崎と言い、私の仕事と言い、おかしいでしょうが!!」
『どこがおかしいのよ?』
対馬「作戦作戦って、何考えてるのか知らないけど!なんで私達がここで働かせられなきゃいけないのよ」
『そりゃ、今日一日この店を天草式で貸しきったんだから、誰かが店員やらないとまずいのよな』
対馬「は?貸しきった?」
『お陰で今月の予算ちょっと厳しくなっちまったけど、まぁドンマイなのよな』
対馬「ドンマイじゃないでしょ……」
『流石に店員まで雇う余裕は無かったからな、お前さん達にやってもらろう事にしたのよ』
『本当は五和あたりにダイナマイツボディを生かしたエロメイドをやらせようと思ったんだが、ただいま使い物にならんからな』
『仕方なく、代役としてHの出番なのよ。その美脚を生かせるために短めのスカートにしたんだから感謝してほしいのよな』
対馬「…………」
『てな訳で、後は頼んだのよ。ばいちゃ☆』
プツッ
野母崎「言いたい事だけ言って切っちゃったよ」
対馬「……ねぇ、野母崎」
野母崎「なんだい」
対馬「私って、そんなに貧乳なの?」
野母崎「え…?」
対馬「…………」
野母崎「……の、ノーコメントで」
対馬「ふんっ!!」
野母崎「ぎゅばっ!?」
バタリ
対馬「着替えてくるわ」
野母崎「行って…らっしゃい……」がくっ
――数分後
野母崎「いってて……対馬、まったく手加減せずに蹴ったな……」
野母崎「うちの女子連中はおてんばが過ぎるよ……」
??「悪かったわね、おてんばで」
野母崎「対馬!?いや、今のはほんの言葉のあやで……お?」
ウェイトレス対馬「な、何よ」きゃるん
野母崎「おぉ……これはなかなか」
対馬「思った以上にスカートが短いんだけど……これで接客しろって、ちょっと……」
野母崎「大丈夫だって。デザインも良いし、上条君だって褒めてくれるんじゃないか?」
対馬「そ、そうかしら///……って彼は関係ないわよ!!//」
野母崎「あれ、そのために着たんじゃないの?」
対馬「あんたさっきの通信で何聴いてたの!?」ぐいっ
野母崎「ご、ごめんごめんっ!!謝るから首締めないで!?」
対馬「頼まれたから仕方なく着てるだけで、彼に見てもらおうとかそんな……///」
野母崎「ふぅ……褒めても怒られるのか。もう黙ってよう」
野母崎「…………」
対馬「え、でも待って……この短いスカートで彼の前に出るの!?」きゃるん
対馬「うわ……どうしよう。恥ずかしすぎる……////」きゃるるん
野母崎「…………」
野母崎(家帰ったら、奥さんに着てもらえないか頼んでみよう。うん)ぐっ
からん
<二名様ご案内~
野母崎「お?来たみたいだね」
対馬「もう来たの!?ちょっと早……」
pipipi
『こちら司令官こちら司令官、各員に告ぐ』
野母崎「あ、また建宮からだ」
対馬「何とか裾を引き伸ばして…っ」
『ターゲットが来店した。配置につけ』
野母崎「配置も何も、裏方なんだよなぁ」
対馬「くっ…思ったよりきっちり出来てるわね」
『こちらも定位置についた、窓際の奥から二番目の席なのよ。ほれ、U』
『へ?な、何ですか?』
『この通り、Uも元気なのよ』
『無駄なこと言わないで下さい!!あとその呼び方はなんですか!?』
野母崎「おいおい……もう二人とも店内にいるんだろう。バレるぞ」
対馬「どうすんのよこれ……」
『こちらKこちらK、二人は予定通り中央席に誘導完了』
『うむ、ご苦労。Nの方は異常ないか』
野母崎「無いよ。心配ご無用」
『Tはちゃんと着替え終わったのか』
野母崎「うん、着替え終わっていま指令待ち――」
対馬「いざとなったら、この長い前掛けでどうにか……」ぶつぶつ
野母崎「おっと……」
『どうした?』
野母崎「なんでもないよ。対馬も俺も、準備完了です」
『うむ。ではこれより――』
『女教皇様と上条当麻のらぶらぶちゅっちゅ作戦を開始するのよな!!』
野母崎「了k……え」
対馬「でもこれじゃあ後ろが隠せな……ん?」
『各員、健闘を祈る』ぷつっ
野母崎「えぇぇ?」
対馬「…………」
野母崎「なんてこった、あの時の話は冗談じゃ無かったのか…!」
対馬「……ねぇ、いま建宮が変なこと言ってたわよね。私の聞き間違いかもしれないけど」
野母崎「うぇ!?そ、そうかな!?俺よく聞いてなくt」
対馬「何 て 言 っ て た ?」どんっ
野母崎「はいっ!『女教皇様と上条当麻のらぶらぶちゅっちゅ作戦』を開始する、と言っていました!」
対馬「らぶ?……あんのクワガタヘッド……」ぎりぎりぎりぎり
野母崎「ヤバイよ建宮、こんな計画成功しても失敗しても死」
pipipi
『ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!』
野母崎「ぬがっ!?」
対馬「ふふ……あのバカ、本当に面白いこと考えるわよね」
野母崎「そ、そうでございますね!!」
対馬「でも流石にこんな所でそんな、当麻k……上条当麻と女教皇様なら断るに決まってるわ」
野母崎「対馬様のおっしゃる通り!!」
対馬「確か中央の席にいるのよね。様子は――」
上条「あぁ!!」きらきら
神裂「……分かりました。頼みましょう////」もじもじ
対馬「」
対馬「………」ふりっ
野母崎「………」さっ
対馬「嬉しそうね、あの二人」いらいら
野母崎「そ、そうかな?」
建宮「お!遂に出番なのよ………さぁマイハニー!!俺とあっつ~いキスを!!」
浦上「は!?す、する訳ないでしょうが!!何言ってるんですか!!」
対馬「しかも何よあの建宮のふざけた演技は……浦上にまで迷惑かけて……やっぱり今すぐ殺したほうが……」いらいら
野母崎「ま、まぁいつものことだし、大目に見てs」
対馬「あぁ?」
野母崎「なんでもありません」
対馬「なんなのよ……ぶつぶつ……」いらいらいらいら
野母崎(ヤバい、他に注意を向けさせないと本当に建宮殺りかねない……)
野母崎「あ、あー、ほら!ちゃんと二人の様子を観察しましょう!心配でしょう、ね?」
対馬「し、心配なんかこれっぽっちもしてないわよ!当麻君の心配なんてね!!」
野母崎「いや、当麻君って……とにかく!これも仕事ですから!」
対馬「う……そうね。仕事だから仕方ないのよこれは、うん」
野母崎「ほっ。じゃあ、こっちに。この隙間からならよく見えるよ」がさっ
対馬「ここ?」じ~
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
対馬・野母崎「「!!?」」がたっ
対馬「な、ななななな!?」
野母崎「バカな!?上条君ならまだしも女教皇様から!?」
対馬「うわうわうわ」
野母崎「予想以上に女教皇様本気だったのか……」
対馬「そんな……」
野母崎「参ったな、もしかして本当にあの二人――」
対馬「……が……ぶない」
野母崎「へ?」
対馬「当麻君が危ない!!」
野母崎「あ、危ない?」
対馬「このままじゃあ、あのバカ共にそそのかされて当麻君がっ……女教皇様と無理やりキスさせられるわ!!」
対馬「止めなくちゃ……私情ではなく、あくまで五和や他の子のためにも!!」
対馬「そうよ!!わ、私が何としてでも止めないと!!」
野母崎「」
野母崎(上条君、本当に罪作りな男だね君は……)
対馬「あ、当麻君まで目を閉じて……ヤバイわ!時間が!」
野母崎「対馬?」
対馬「なによ!ちょっといまピンチなの黙ってて!」
野母崎「はいっ」
対馬「くっ……こうなったら仕方ないわ。バレても良いから直接!」だっ
野母崎「お、おい待て対馬!」
対馬「うっさいわね!あんたは黙っててって――」
ひゅんっ
対馬「え?」
Side:女子寮
カリカリカリカリ
シェリー「ここをこうして……まだダメか。クソッ!」
シェリー「ふぅ……」
アンジェレネ「どうですか?お店の中映りそうですか?」
シェリー「それがな、どうやらこの店に結界が張られてるみたいなのよ」
アンジェレネ「結界?……そ、それじゃあまさか」
シェリー「すぐ傍、もしくは内部に魔術師がいるな」
アンジェレネ「はっ!もしかして、お兄ちゃんを狙って悪の組織が――」
シェリー「いや、この文様は見覚えがある。天草式ね」
アンジェレネ「はぇ?天草式って、神裂さんの?」
シェリー「そう。どうやら、考えることは皆一緒ってことね」
アンジェレネ「?」
シェリー「向こうは向こうで、この二人を監視してるってことだよ」
アンジェレネ「なるほど~」
シェリー「ともかく、ここの術式を適当に書き変えて……」かりかりかりかり
シェリー「今度こそ、どうよ!」だんっ
ぱっ
上条「一応イギリス清教の人間だけど言うわ……いつか絶対神様殴る」
神裂「殴る?」
アンジェレネ「わぁ、映った!」
シェリー「よっしゃ!上手くいったな。これで中の様子も見たい放題だわ」
シェリー「おい、あの三人組は?」
アンジェレネ「あそこにいます」
シェリー「そしたら映像繋がったから、こっちに呼んで――」
アニェーゼ「パパ……うぅぅぅ」
ルチア「しっかりして下さい、シスターアニェーゼ。そんなに強く掴んではぬいぐるみが……」
オルソラ「ふふふふふふ……もう、貴方様は本当に本当に」
ルチア「し、シスターオルソラ!?ティーポットにひびが!?」
シェリー「うん、見せるのはやめとくか」
アンジェレネ「ですね」
シェリー「さっきの店に入ってく映像見てからずっとああなの?」
アンジェレネ「はい。シスターオルソラが怖いです……」
シェリー「シスターが聞いて呆れるわ」
シェリー「あの三人は放っておいて、監視を続けましょう」
アンジェレネ「私も見ますー」
シェリー「どーぞ」
神裂「この店でわ、私と一緒にいるのは……嫌ですか?」
上条「!!」
アンジェレネ「ほぇ~神裂さん可愛いですね」
シェリー「………なぁ、あんたは気にならないの?」
アンジェレネ「なにがですか?」
シェリー「上条当麻と神裂火織がデートしてんの見て」
アンジェレネ「う~ん……気になるって言うか、ずるい!って思います」
シェリー「ふぅん。さっきも言ってたわね、そう思ってる風には見えないけど」
アンジェレネ「そうですかぁ?これでも実はちょっと怒ってたりするんだけどなぁ」
アンジェレネ「本当は、今日遊ぶ約束してたのは私が先だったのに、神裂さんにお兄ちゃん取られちゃいましたから」
アンジェレネ「そのかわり、今度は遊ぶだけじゃなくてもっとすごいことしてもらうんです!」
シェリー「すごいこと……例えば?」
アンジェレネ「え?た、例えば……えぇと……」
シェリー「考えてなかったのかよ」
アンジェレネ「そうだ!一日中お菓子食べ放題にしてもらいます!チョコラータ・コン・パンナも飲み放題です!」
シェリー「そんなんでいいの?」
アンジェレネ「そんなんって、すごくないですか?朝から夜まで甘い物食べ放題ですよ……////」うっとり
シェリー「やろうと思えばいつでも出来るだろそんなの」
アンジェレネ「絶対ムリです!シスタールチアにおしおきされちゃいます」ぶるぶるぶる
シェリー「……つくづく、シスターあるまじきだな。あんた達って」
上条「おっと……だから、お前と一緒なのが嫌なわけじゃないから」
神裂「はい……良かった」にっこり
アンジェレネ「シェリーさんは怒ってないんですか?」
シェリー「なんであたしが怒るんだよ」
アンジェレネ「なんで……なんで?」
シェリー「……バカ?」
アンジェレネ「うぅ、バカじゃないです……」
シェリー「はぁ……怒るも何も無いだろ。二人で出掛けた程度で騒ぎ過ぎなのよ」
アンジェレネ「ほぉ、シェリーさん大人ですねぇ」
シェリー「あんたらがガキなんだろうが」
アンジェレネ「わ、私は違いますよぅ!私はみんなよりお姉さんなんですから」
シェリー「面白いジョークだわ」
アンジェレネ「ジョークじゃないです!」
ウェイター「条件は“恋人同士”であること―――ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!」
上条・神裂「「ラブ割!?」」
シェリー・アンジェレネ「「!?」」
アンジェレネ「ら、ラブ割って……」
シェリー「あんのバカ野郎……」
アンジェレネ「デザートがタダになるんですね!すごい!!」
シェリー「そこかよ!!」
アンジェレネ「だってこんな高そうなお店のデザートがタダですよ?これはもはや一つの革命と言っても過言ではありません!!」
シェリー「間違いなく過言だわ。よだれ拭け」
アンジェレネ「アップルパイにベイクドチーズケーキ……ほぁぁああああ///」
シェリー「うるせぇな!!」
アンジェレネ「くふふ……じゅるっ」
シェリー「目が据わってるわよ……ったく」
アンジェレネ「良いなぁお兄ちゃんと神裂さん。私も今度連れて行ってもらおうっと」
シェリー「そん時は他のヤツらに見つかんないようにしろよ。厄介だから」
アンジェレネ「大丈夫ですよ、そういうの得意ですから」ふんすっ
シェリー「ふっ」
アンジェレネ「鼻で笑われたー!?」ごーん
ウェイター「愛の口付けを、一発お願いします」
上条・神裂「「口付け!?」」
シェリー・アンジェレネ「「!?」」
アンジェレネ「お兄ちゃんと神裂さんがき、キスですかぁ!?」
シェリー「あ、バカッ!?声が大きい――」
アニェーゼ「パp……」ぴくっ
オルソラ「…………」ぴくっ
ルチア「え、キス?え?」
シェリー「うわヤバイ」
アンジェレネ「あわわわわわ……」
アニェーゼ「どういうことです?今聞き捨てならねえこと聞いちまったような気がしたんですが」
オルソラ「私も聞いてしまったのでございますよ」にこにこ
シェリー「……き、気のせいでしょう?何かの聞き間違いよきっと」
ルチア「で、でも今確かにキスって……////」
アンジェレネ「言ってましたよn……あたっ!」
シェリー(余計なこと言うんじゃない!!これ以上刺激させたら大変でしょうが!!)
アンジェレネ(うぅ、ご、ごめんなしゃい……)
シェリー「とにかく!アンタら一回落ち着いて――」
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
アニェーゼ・オルソラ「「」」
ルチア「あ……////」
アンジェレネ「わわわわ……」
シェリー「神は死んだ」
アニェーゼ「やっぱり言ってたじゃねーですか!!パパぁ!!」
オルソラ「まぁ、神裂さんもいけない人ですね。ふふ、ふふふふふ」
ルチア「い、いけません!聖職者であるというのにふしだらな……/////」
シェリー「もう知らねっと」
アンジェレネ「私もあっちでココア飲んできま~す……」
シェリー「逃げるな」むんずっ
アンジェレネ「わぷっ!は、離してください」ばたばた
シェリー「あの三人どうにかしなさいよ」
アンジェレネ「私がですかぁ!?」
シェリー「こうなったのもアンジェレネ、お前が悪い。責任取りな」
アンジェレネ「そんなー!?魔女狩りもびっくりな濡れ衣ですよ!!」
シェリー「大丈夫よ。骨は拾ってやるから」
アンジェレネ「私まだ死にたくありませんよぉぉお!!」
アニェーゼ「アンジェレネ、ちょっとこっちに来て下さい」
アンジェレネ「はひっ!?」
オルソラ「じっくりお話を聞きたいのでございますよ」
アンジェレネ「お話……で、でもっ」
アニェーゼ「良いから、こっちに来いってんですよ」ずいっ
オルソラ「良い子だから、素直にこっちにいらっしゃい」ずいっ
アンジェレネ「うわ~~ん!!」
シェリー「アーメン」
ルチア「か、彼とその…き、キスなんて羨まs……じゃなくて!!/////」
シェリー「…………」
シェリー「……仕方ないわ。今の内に回線切っておくか」ごそごそ
アンジェレネ「いーやーだー!!」だだだだだ
アニェーゼ「待ちなさいシスターアンジェレネ!!」だだだだだ
シェリー「ちょ、危ないわね!!室内で走り回るんじゃな」
アンジェレネ「うわっぷ!!」どてーん
がらがらばたーん
アンジェレネ「いたたたた……」
シェリー「い……ほら、言わんこっちゃない……あ」
アンジェレネ「ふぇ?」
zizizizizi………
シェリー「……テメェが転んだ弾みで術式が微妙に崩れて……」
アンジェレネ「崩れて……?」
シェリー「ゴーレムがコントロールを失った……暴走する」
アンジェレネ「へ!?」
BON!!
シェリー・アンジェレネ「「!!」」
Side:上条&神裂
神裂「………///」
上条「…………」
上条(俺も覚悟を決めよう――)
上条(――割引を断る。やっぱりどう考えてもやりすぎだ)
上条(神裂もこれ以上は限界だろうな。なんか頭から湯気出てるし……)
神裂「//////」ぷしゅ~
上条(な、なんか尋常じゃない量出てるな……)
上条(こりゃ、早く神裂に伝えないと)
上条「…………」がたっ
上条「(神裂、神裂)」ちょんちょん
神裂「っ……はい///」
上条「目、開けていいぞ」
神裂「え///」
上条「だから、目開けていいぞって」
神裂「す、すみません……目を開けてその、す、するのは……とてもじゃありませんが羞恥心に耐えられる自信ががががが///」
上条「いや、そうじゃない!!違うから、とにかく目開けて!」
神裂「違う……?」ぱちり
上条「ふぅ……ちょっと話がある」ぼそぼそ
神裂「話ですか……それは、一体何の…///」
上条「さっきのキスの話、なんだけどさ」
神裂「!ひゃい!///」
上条「乗り気だった俺が言うのもあれだけど……あれ、断ろうぜ」
神裂「そうですね!断りまし………え?」
上条「神裂は良いって言ってくれたけど、さすがにキスまでやるのはその、な。やりすぎだと思うし」
神裂「そ、そうですか……」
上条「そうそう。お前も、俺なんかとするの嫌だろ?」
神裂「はぁ……」
上条「キャンセル料の方は、どうにかするからさ」
神裂「…………」
上条「どうにかするっても今手持ちがそんなに無いからな、金以外の解決方法ってなるとジャパニーズ・ドゲザで頑張る位しか思いつきませんが」
神裂「…………」
神裂(断る……え、何故?)
神裂(私は構わないと、そうちゃんと彼に伝えたはずです。なのに突然断ると……キャンセルのリスクを背負ってまで)
神裂(これはどういう……)
神裂「!!!」
上条「いやでもここイギリスだからな……土下座した所で意味がない気もする」
神裂「当麻は……嫌、なんですね」
上条「最悪、捕まりそうになったら神裂だけでも……ん?」
神裂(そういうこと、ですか……はは、何を浮かれていたのでしょう私は……)
上条「あれ、どうした?なんか顔色が悪k」
神裂「当麻は私とキスをするのが、どうしても嫌なんですね……」ずごーん
上条「ほわっつ!?」
神裂「やはり、さっき言っていた事も嘘だった……私みたいな女とは……」
上条「いや嘘とかじゃなくて……」
神裂「つまりは私みたいな女とは……恋人らしい事など、死んでもやりたくないと……そういうことなのでしょう」ずずーん
上条「そういうことってどういうこと!?んなこと言ってないだろ!」
神裂「言ってなくても分かります。『ケッ、テメーみたいな図体がデカいだけの女とキスなんざ願い下げだ』という心の声が……」
上条「思ってないからー!!完璧にあなたの被害妄想ですことよ!?」
神裂「すいませんでした……ふ、不快な思いを、させてしまって……」ぐすっ
上条「泣っ!?ちょっと急にどうしちゃったの神裂さん!!」
神裂「な、泣いてなどっ!いません!」ずびっ
上条「いやだって音g」
神裂「気のせいです!」ぐすっ
上条「えぇぇ……」
神裂(それにしても、なんて滑稽な……まるでピエロですね私は)
神裂(彼が嫌がっていることにも気が付かずに、あんな露骨に……)
“神裂『口づけを下さい……当麻……///』”(思い出補正)
神裂「っ!!//////」ばっ
上条「うおっ!今度は急にメニューで顔を隠した!?」
神裂「顔を……見られたくないので……ぐすっ」
上条「は、はぁ……ってか泣いてるよなコレ絶対。不幸だ……」
上条(なぜだ……今の説明の中で変なことは一つも言ってな……いよな?)
上条(だぁー!!何が何やらまったく分からん!!)
上条「くそぅ……どうすれば……」
男性客?「おいおいおい、女を泣かす男なんてサイテー!!なのよ」がっ
女性客?「珍しくちょっとだけ同意です。しっかりしてください上条さん!」ばっ
上条「でぇ!?さっきの謎カップル………って何で俺の名前知ってるんですか?」
男性客?「あぁん?今はそんな細かいことより彼女の方が優先じゃないのか?」びしっ
神裂「もういっそ、こんな自分を消して……あぁ、七天七刀で……」ぶつぶつ
女性客?「すごく物騒なこと言い始めてるんですけど……」
男性客?「男として恥ずかしくないのか上条当麻!!」
上条「だから、俺はそういうつもりで言ったんじゃなく!!」
神裂「いえ、もう良いんです。潔くこの刀の錆となって……」チャキッ
上条「待て待て待て待て!!何してんだ危ねぇな!!」がばっ
神裂「止めないで下さい!!」
上条「んなわけにいくか!!とにかく刀しまえよ!!」
神裂「私がどうしようとあなたには関係ないでしょう!」
上条「関係ないとかそういう問題じゃないでしょーが!いいからその手を下ろせ―――!」
BON!!
<「対馬っ!」
ウェイトレス?「え?―――きゃっ!!」どしーん
上条「うわっち!?」
神裂「当麻!」
ウェイトレス?「いたたた……ご、ごめんね当麻君」
上条「い、いえ……え?」
ウェイトレス?「あぁ、どうしよう!怪我とかしてない?」
上条「ただぶつかっただけなんで大丈夫です」
ウェイトレス?「良かったぁ……本当にごめんなさいね?」
上条「は、はい」
上条(店内で連れが暴走していたら、突然綺麗なお姉さ……店員さんが吹っ飛んできた。何を言っているのか以下略)
上条(あれ、でもなんかどっかで見たことある顔だな……誰だっけ?)
神裂「…………」むすっ
上条(……って、問題はそこじゃない)
上条「あの……この店の人、ですよね?」
ウェイトレス?「へ?………あぁ、そうよ!!じゃなくてそうです!!」
上条「俺と会うの初めてですよね」
ウェイトレス?「そ、それは勿論!お客様とは初対面です!」
上条「でも、あなたさっき俺を下の名前で呼んで……」
ウェイトレス?「うぇ!?な、何のことですか?」
上条「だから、さっき俺のこと名前で呼んでませんでした…?」
ウェイトレス?「ぐ……お客様の気のせいですよ!爆発音を聞き間違えたんじゃありませんか?」
上条「そんなん聞き間違えるか!!」
ウェイトレス?「いえ、聞き間違いですきっと!ですよねお連れのお客様――」
神裂「ほぉら、やっぱり当麻は私の様な成りそこないの女より、もっと可愛らしい女性が……」いらいら
ウェイトレス?「あ……」
神裂「私なんて……私なんて……」チャキッ
ウェイトレス?「女教皇……じゃなかったお客様!?」
上条「そうだ、こっちの問題がまだ片付いてなかった!おい落ち着け神裂!!」
神裂「お構いなく、そっちの方と仲良くしていいれば良いじゃないですか。では」すっ
上条「早まるな!?仲良くって、この人ただの店員だぞ!」
神裂「……当麻のことを、名前で呼んでいました」
上条「いや……そこに関しては俺の方がびっくりと言いますか……」
神裂「そして、貴方はそれに対して嬉しそうにニヤついていました」
上条「そ、そんな事ないぞ!?」
神裂「…………」じ~
上条「……あったかも、知れなくもない?」
神裂「失礼します」チャキッ
上条「お願いだから待って!?」ばっ
がやがやがやがや
ウェイトレス?「…………」
女性客?「これじゃあ、ただの痴話喧嘩ですね」
男性客?「まったくなのよ……羨ましいかH?」
ウェイトレス?「……別に羨ましかないわよ。あとその呼び方すんな」
男性客?「おぉ怖い……女の嫉妬は恐ろしいのよな」
ウェイトレス?「おい」
男性客?「くぺっ!?」
女性客?「まぁまぁ、Hさんも落ち着いてください!」
ウェイトレス?「だからその呼び方すな!!」
神裂「さようなら当麻……」
上条「サヨナラじゃなく!頑なに話聞かないなオイ!!」
BON!!
ひゅんっ
上条「へぶっ!?」がつーん
神裂「!?」
ウェイトレス?「と、当麻君!?」
女性客?「また何か飛んできましたよ!!」
男性客?「あのシルエット……どこかで見た気がするのよな」
女性客「と言うより、さっきからちょいちょい変な音したり、何か飛んできたり……」
ウェイトレス?「一体何が起きてるのよ……」
男性客?「……そうか!この術式はアイツの……はっはっは!そうかそうか!」
女性客?「アイツって誰です?」
ウェイトレス?「さぁ?」
男性客?「いや、何でもない。さっきの変な音とかは心配しなくても大丈夫なのよ」
ウェイトレス?「……何を根拠に」
男性客?「ナイショ☆」
ひゅんっ
BOOOOON!!
神裂「爆発!?」
上条「おばしょっ!?」どーん
ウェイトレス?「と、当麻くーん!!」
女性客?「何が『心配しなくて大丈夫』ですか!!最大級の爆発が起きましたが!?」
男性客?「ん?そんなこと言ったかしら?」
女性客?「ちょっ」
上条「いってぇ……なに今の爆発……?」
神裂「と、当麻!大丈夫ですか」ぎゅっ
上条「あぁ、後頭部のダメージ大だけどなんと、か……」
神裂「?どうしたんですか!まさか意識障害が――」
上条「意識は有る!そうじゃなくて……」
上条「顔が近すぎではないでせうか……////」
神裂「顔……?」
神裂「っ///////」ぼんっ
神裂「あ、あ……/////」ぷしゅ~
神裂(心配で思わず近寄ってしまいましたが……これは……/////)
上条「し、心配してくれたんだよな!ホントにもう何ともないから!!安心してくれ!!////」
神裂「はい……////」
神裂(当麻の真っ赤な顔がこんなに近くに……////)
上条「だからもう離れてくれると……ってかそうしないと上条さん別の意味で大変なことに……」
神裂(……金縛りにかかったように体が動かない///)
神裂(彼の体の熱が伝わって来るようで……あ、暑くなってきました///)
上条「……なんで黙ったまま動かないんですか?まさか気絶しちまったとか!?」
神裂(当麻……////)
上条(や、ヤバい……このままだと下条さんがスタンバイ完了してしまう……!)
ウェイトレス?「……真っ赤な顔して抱き合いながら、動かなくなったわ」
男性客?「お、このまま店の中でおっぱじめるつもりなのk」
ウェイトレス?「…………」
男性客?「我らの女教皇様がそんなことをなさる訳がございませんよね。はい、どうもすいませんでした」
女性客?「そ、それにしても……謎の爆発とか、やたら積極的な女教皇様とか……」
男性客?「やっすいB級映画の香りがするのよな」
女性客?「言葉選んでください教皇代理」
男性客?「司令官と呼べェ!!」
ウェイトレス?「そんなことより、この怪現象をどうにかするのが先でしょ」
女性客?「そうですよ。さっき何か分かったみたいなこと言ってましたよね?教えてください!」
男性客?「教えても何も、お前さん達二人とも前に一回見たことがあるのよ」
ウェイトレス?「?今の爆発をってこと?」
男性客?「ブーッ!爆発に絡んでるこの……」がっ
もぞもぞもぞもぞ
ギョロッ
女性客?「きゃっ!なんですかこれ……気持ち悪い」
男性客?「前衛オブジェさんのことだ」
ウェイトレス?「それ……確か、イギリス清教の……」
男性客?「そのとーり。イギリス清教はシェリーのゴーレムたんよ」
ウェイトレス?「でもなんでそれがこの店にあるのよ?」
男性客?「ま、考えることはどいつもこいつも一緒ってことなのよ」
男性客?「特に、あの少年が気になるおなご達にとっては、な」にやり
ウェイトレス?「だから、何度も言うように私はっ!」
男性客?「上条君なんて気になってないんだろ?もう既に耳タコなのよ」
ウェイトレス?「くっ……ムカつく……」
女性客?「あの、この気持ち悪いのがシェリーさんのものだって言うのは分かったんですけど……」
女性客?「それが、この爆発騒ぎとどういう関係が?」
男性客?「細かい事は分からんが……清教の奴らの姿が見えないということは、コイツを何処からか遠隔操作で操っているって事だ」
男性客?「普通に考えれば、あの女子寮なのよ」
男性客?「そこで恐らく、術式が暴走でも起こしたのよ。あの二人のラブシーンに当てられて、今頃大騒ぎになってるだろうからな」
女性客?「な、なるほど……」
ウェイトレス?「ふぅん……これで当麻くんの……」つんつん
ギロッ
zizizizizizizizizi…………
ウェイトレス?「ちょっと……なによこの音」
女性客?「それになんか光り出してませんか……?」
男性客?「……恐らくだが、そいつ爆発するのよ」
ウェイトレス?「え!これが!?」
女性客?「どうして、そんなこと!」
男性客?「いや、だって変な風に膨らんできているのよな」
zizizizizizizizizizizi…………
女性客?「え……ほ、本当だ」
ウェイトレス?「ヤバいんじゃないの、これ……?」
女性客?「どうするんですか!?」
男性客?「うぅむ……」
zizizizizizizizizizizizizizizizi……
ウェイトレス?「考え込んでる暇なんか無いわよ!!」
女性客?「建宮さん!!」
男性客?「っだぁ、うるせぇのよ!!こんなもんはな!!」しゅっ
男性客?「こうしてやるのよーー!!」びゅっ
女性客?「投げたー!?」
ウェイトレス?「そ、そっちには当麻くんが!!」
上条「…………///」
神裂「…………///」
上条(あれから神裂がまったく動かなくなった)
上条(体中押し付けられて、色々当たってるだけでもヤバいってのに……)
神裂「とうま……///」すりすり
上条(何故か俺の首筋に額を擦り付けてる……クソッ!!神は俺を試しているのか!!)
上条(ってか本当にどういうことなの。この人まさか神裂のソックリさん?)
上条(普段と態度が違いすぎる……)
上条(と、とにかくまずは体を離さないと……)ぐいっ
神裂「ぁんっ……//」びくんっ
上条「わ、わりぃ!!」
神裂「い、いえ……少し驚いただけで……///」ぎゅっ
上条「おぅふ」
上条(なんでまた抱きつくんですかァ!?)
上条(むしろさっきより悪化してるじゃねーか!!)
神裂「………///」ぽー
上条「な、なんで抱きついてるんだ神裂」
神裂「…………////」ぽー
上条(例によって例のごとく、神裂に俺の声は届いてない)
上条(よって俺の理性が大ピンチなこの状況は、何も解決していない。むしろ加速してる気がする……)
神裂「んっ……///」ぎゅっ
上条「おぷっ!?」
上条(こ、これが伝説のおっぱ……!?)
上条(……うん。心を整えよう。悪しき煩悩を滅殺しよう)
上条(そうだ!!こういう時は素数を数えるんだって小萌先生が言ってた!!―――よし!!)
上条(………………)
ぽくぽくぽくちーん
上条(……素数のスタートって0だっけ?それとも1……)
上条(上条さんのバカ!!結局いっつもこの問題にぶち当たって数えられてないんだろうが!!)ぎゃーん
上条(はぁ、こっち来てから勉強なんて全然してねえもんなぁ……)
上条(強いて言えば英語?……いや、それ出来ないと生活がアウトだから)
上条(それも寮内だと殆ど皆日本語で話してくれてるし……)
上条(……え、まさか俺イギリスに来てから堕落してる……?)
上条「なんてこった……」ずーん
神裂「?」
神裂(当麻が落ち込んでいる……でも、落ち込んでいる当麻もまた……///)
上条「俺、無事に寮に帰れたら計算ドリル買うんだ……」
ひゅんっ
がっ
上条「九九辺りからやった方がいいkぶべしっ!?」
ぐらっ
神裂「あ、危ない当麻っ」がしっ
上条「……まただよ。何か今日は一段と不幸だわ……いてて」
神裂「だ、大丈夫ですか?い、痛いの痛いの飛んでけ~……」
神裂「……/////」
上条「は、はは……あ、ありがとな」
上条(んなに照れるならやるなよ……////)
ずるっ
上条・神裂「「え?」」
神裂(いけません!不安定な体勢で居たからか、バランスが崩れて……)すっ
上条(このままだと神裂が頭から落ちる……危ねぇ!!)ぎゅっ
ばたんっ!!
神裂(っ…………)
神裂(………あ、あれ?)
上条「うっ、体捻った……」
神裂「当麻……」
上条「おっ、無事そうだな。良かった良かった」
神裂「ありがとうございます……すみません、こんな――」
上条「お互い様だって。これでさっきの『痛いの痛いの飛んでけ~』はチャラな」
神裂「!忘れてください!あれは咄嗟でつい言ってしまっただけです!」ばしばしっ
上条「あでで!分かった、分かったから!照れ隠しが痛い!!」
zizizizizizizizizizi……
上条「ん?」
上条「なんだこの音……」
zizizizizizizizizizi…………
上条(なんだこれ……まさか、さっきから俺にぶつかってきてたのはこの……)
ギョロッ
上条(!これシェリーのゴーレムじゃねーか!!)
上条(なんでこんな所に……)
神裂「当麻が本当に痛そうにしていたから、どうにかしようと焦っただけですから……だから……」ぶつぶつ
かっ
上条(ひ、光り始めた……一体今度は……)
―――――――――――――
ギョロッ
上条『へぇ、こいつに隠密行動させんのか……』
シェリー『そうよ。そのために動きとか遠隔操作性の向上をうんたらかんたら』
上条『なるほど……でも、もし気付かれたらどうするんだよ。近くにいないから、見つかった時点でアウトなんじゃ……』
シェリー『大丈夫よ、その辺はちゃんと考えてあるわ。いざとなったら――』
上条『いざとなったら……?』ごくり
シェリー『自爆する』
―――――――――――――
上条「まさかっ!?」
上条(盛大にバクハーツ!!??)
神裂「別に、一度言ってみたかったとかそんな理由ではなく……///」ぶつぶつ
上条「こりゃヤバス!!」ぎゅっ
神裂「きゃっ、ななな何ですか急に////」
どぉぉぉぉおおおおおおおおおん
ひゅんっ
ぱこーん!
上条「うべっ!?」
神裂「きゃっ!!」
ぶちゅっ♥
ウェイトレス?「ゴホゴホッ……何やってんのよ!!」がすっ
男性客?「(*ゝω・)てへぺろ☆」
女性客?「今までで一番大きい爆発でしたね。女教皇様と上条さん無事かな……」
ウェイトレス?「そうよ!あんな至近距離で爆発なんて、もしかして酷い怪我してるんじゃ……当麻くん!」
女性客?「あの二人に何かあったら、教皇代理として責任とってくださいね!!」
男性客?「んなこと言ったって、こんな事が起きるなんざ想定外なのよ!俺に一切の責任はない!!」
ウェイトレス?「あんたさっきゴーレム投げつけた張本人でしょうが!!」
男性客?「暴力はんたーい!!SOS!SOSなの……よ……」
男性客?「…………」あぜん
女性客?「あれ、急に固まっちゃった。おーい」
男性客?「あ……あれは……」
ウェイトレス?「?あれ?なんのことよ」くるっ
ぶっちゅ~♥
神裂「んっ……/////」
上条「んむっ!!?」
ぶっっちゅ~~♥
神裂「ん……あ//////」
上条「むっ……っはぁ!!」
神裂「…………///////」
上条「あ、あ……い、いいいいいいいままままままま!!!??/////」
神裂「と、当麻……///////」ぽやーん
上条「お、おぉぉぉぉおおおおお!!??////////」
ウェイトレス?(対馬)「…………」
対馬「当麻くん……」
男性客??(建宮)「…………」
女性客??(浦上)「…………」
建宮「……浦上、至急牛深に連絡して五和を安全圏まで隔離するよう指示を出せ」
浦上「わ、分かりました////」
建宮「いま目の前で起きている事態を、絶対に五和……加えてイギリス清教の連中に知らせてはならんのよ」
浦上「ら、ラジャーです!////」
建宮「一歩間違えれば、本当にこの国を揺るがす戦争に発展する恐れがあるのよ……!」
浦上「はい!/////」
建宮「……所で、今のちゃんと撮ってる?」
浦上「あ、そ、そっか……はい!撮れてます!鮮明に!/////」●REC
建宮「グッジョブ!!」
Side:五和
牛深「Zzz………」
五和「はい。それじゃあ、また明日……」
五和「えぇ?お別れのキスですか?////」
五和「も、もう……当麻さんの甘えんぼっ////」
五和「一回だけですからね?」
五和「ん……ちゅっ////」
五和「ふふふふふふふふふふふ//////」でろでろ
五和「ふぅ……」
カチッ
五和「幼馴染モードも素晴らしかった……はぁぁ///」
五和「まさか当麻さんにあんな趣味があったなんて、きゃっ///」
五和「ふふ、次はどのモードにしましょうか♪」
…………
五和「……そう言えば、皆何処に行ったんだろう?」
五和「あの、牛深さん」
牛深「Zzz………」
五和「気持ちよさそうに寝てる……そっとしておいた方が良いかな」
五和「携帯に連絡入れてみよう……対馬さんの番号は」
『おかけになった電話は電波の届かない場所におられるか、電源が入っていないため、かかりません』
五和「……繋がらない。じゃあ今度は浦上ちゃんに……」
『おかけになった電話は(以下略』
五和「あれ、おかしいな。どうして皆繋がらないんだろう……」
牛深「ぐがぁ~……すぴゅぅ~……」
五和「話聞くにも、牛深さんすごい寝入っちゃってるし」
prrrrrrrrrrr!!
五和「わっ!?」
五和「わ、私の携帯?」
しーん
五和「違うみたい……じゃあ何が鳴って……」きょろきょろ
prrrrrrrrr!!
五和「あった!これって……トランシーバー?なんでこんな紛らわしい音なのかな」
ぽちっ
『あ、繋がった!牛深さん!私です浦上です!』
五和「え?」
五和(うそ、あれ?さっき携帯に連絡したときは反応無かったのに……)
『至急お伝えしなければいけないことが有ります!!五和には絶対に聞かれないようにしてください!!』
五和「え、え?」
五和(聞かれないようにって……私もう聞いちゃってる……)
『良いですか、今すぐに五和を連れて天草式の本部に戻って下さい!!表の大通りは使わずに裏通りを使って!!』
五和「な、なんで?」
五和(私と牛深さんだけ本部にって……まさか、皆の身になにかっ――!?)
『訳を詳しく話している時間は無いので、映像データを牛深さんの端末に送ります!絶対に五和に見られないように確認したら、すぐに行動に移って下さい!!』
『以上、教皇代理の代理で浦上からお伝えしました!!では!!』
五和「あ、待って――」
プツッ
五和「切れちゃった……」
五和「……どういうことなんだろう。やっぱり何か起きてるのは間違いないみたい」
五和「しきりに『私に見せないように~』とか強調していたのが気になるけど……」
ぴろりん♪
五和「あ……牛深さんの携帯だ」
五和(さっき言ってた映像データかな)
五和「どうしよう。気になるけど、人の携帯勝手に見るなんて……」
五和(ううん……でも、もしかしたら他の皆が危険な状況にあるかもしれないし、急いで確認した方がいいよね?)
五和「…………」
牛深「ぐごっ……すぅ~……」
五和「ごめんなさい牛深さん!」さっ
パカッ
五和「映像データは……これだ」
五和「…………」ごくり
ぽちっ
神裂『んっ……/////』
上条『んむっ!!?』
五和「……え?」
神裂『ん……あ//////』
上条『むっ……っはぁ!!』
五和「……は?」
ガシャンッ!
五和「…………」
五和「………………」
五和「へぇ……そう言うこと、か……ふふ」
五和「ふふふふふふふふふふふ…………」ごごごごごごごごごごごごご
side:女子寮
アニェーゼ「ゴーレムが暴走って……大丈夫なんです?」ぎりぎり
アンジェレネ「痛い痛いっ!ギブです!ギブアップです!!」ばたばた
シェリー「偵察用で一番小さいやつだから大丈夫だと思う……たぶん」
ルチア「たぶん……」
シェリー「仕方ないじゃない。向こうの状況がわかんねえんだから、なんとも言いようが無い」
アンジェレネ「なんで降参してるのに止めてくれないんですかぁ!?いたいいたいいたい!!」
オルソラ「新しく術式を組みなおせば大丈夫なのではございませんか?」
シェリー「今やってみてる」かりかりかりかり
ルチア「何かお手伝いできることはありますか」
シェリー「特に無いから、心の準備でもして待ってなさい」
ルチア「心の準備?」
シェリー「そう。もし映像復活したら、当麻と神裂のあっつーいラブシーンが始まってたりするかも知れないぞ?」
ルチア「え……ら、ラブっ!?///」
オルソラ「シェリーさん……?」
シェリー「はい。冗談です、すみませんでした」
アニェーゼ「今回はこんぐらいで勘弁してやりますよ」
アンジェレネ「は、はひぃ………」ぼろっ
シェリー「あーダメだ!一回完璧に通信が切れたから、こっちで組み直しても無理みたい」
オルソラ「そうでございますか……」
アニェーゼ「どうです?上手くいきました?」
シェリー「全然。うんともすんとも反応なし」
アニェーゼ「残念ですね。これからがお楽しみだったってのに」やれやれ
シェリー「あんだけ取り乱してたやつが何言ってんだ」
オルソラ「ふむ………」
ルチア「ら、ラブシーンと言うのはつまり二人が……で……け、汚らわしい!そんなこと……そんなこと////」
アンジェレネ「こひゅー……」
シェリー「あいつらが帰ってくるまでおとなしく待ってましょう」
アニェーゼ「写らないのなら仕方ないですね。ちっ」
シェリー「んじゃあ、解散と言うことで――」
オルソラ「ちょっと待ってくださいまし」
シェリー「あたしちょっと寝てくr……何よ」
オルソラ「私に一つ提案があるのでございますよ」
シェリー「提案?」
オルソラ「動かない機械を直すとっておきの方法を知っているのでございます」
アニェーゼ「へぇ、すごいじゃないですか」
シェリー「……聞かせてくれるかしら」
オルソラ「ななめ45度ちょっぷ、でございます」どどんっ
シェリー「はい却下」
オルソラ「どうしてでございますか?」きょとん
シェリー「あのねぇ、術式が崩れてるのをチョップで直せるわけが無いだろ!!」
オルソラ「ですが、日本ではよくこうすると神裂さんが……」
シェリー「それ家電の話だろうが!!おまけに、つい最近それを実践して大惨事になったのを忘れたの!?」
アニェーゼ「でもあれは、神裂の馬鹿力で起きたミラクルじゃねーですか」
オルソラ「そうでございますよ」
シェリー「うるせぇ!とにかくその方法はダメよ!」
オルソラ「残念です……」しゅん
シェリー「ったく……」
オルソラ「と見せかけて、えいっ」ちょっぷ
シェリー・アニェーゼ「「あ」」
し~~~ん
オルソラ「あらあら?」
シェリー「……だから言っただろ。物理的な作用でどうにか出来るものじゃないのよ」
アニェーゼ「確かに、それで直せたら魔術師はいらねーってんですよ」
ごごごごごごごご……
かっ
シェリー「!?」
オルソラ「まぁ、なにやら魔方陣が光りだしていますね」
アニェーゼ「え、うそでしょう……本当ですね」
オルソラ「どうしたのでございましょう?」
アニェーゼ「いやいや、たった今……若年性アルツハイマーですか」
シェリー「……解せぬ」
ぱっ
オルソラ「あ、映りました」
アニェーゼ「すげぇ、完璧に直ってんじゃないですか」
オルソラ「どんなもんだーい、でございます」えっへん
アニェーゼ「またイギリス清教で新たな奇跡が起きましたね」
シェリー「…………」
オルソラ「シェリーさん?調整をお願いしても宜しいですか?」
シェリー「そ、そうね………あんたの右手はどうなってんのよ一体」かりかりかり
オルソラ「その不具合をぶち壊す!のでございます」
シェリー「やかましいわ」
アニェーゼ「おーい、そこのおバカさん二人。映るみたいですよ」
アンジェレネ「」ぴくっ
ルチア「いけません!///私は正教徒私は正教徒私は正………え?」
アニェーゼ「だから、また映るみたいですよ」
アンジェレネ「え!本当ですか!」しゅたっ
アンジェレネ「見に行きましょう!シスタールチア!」ばっ
ルチア「え、え、何を?」
アニェーゼ「ふーん……随分と元気そうじゃないですか、え?シスターアンジェレネ?」
アンジェレネ「!!」
アニェーゼ「あの位じゃ全然効かないって事ですかね……」ゆらっ
アンジェレネ「誤解です!本当はメチャクチャ痛くて立っているのもやっとなんですから!」
アニェーゼ「ほぅ?」
アンジェレネ「両足の骨折れちゃってるんですから!バラバラですから!」
アニェーゼ「んなわけないでしょう。どんだけ嘘下手くそなんですか」
アンジェレネ「う、嘘じゃないもん!」だっ
アニェーゼ「あ、待て……って思いっきり走ってんじゃねぇですか!!骨折どこ行った!!」
シェリー「ん、もうちょっと右か……こうかしら」かりかり
オルソラ「木棚が邪魔でよく見えないのでございますよ」
シェリー「高さが足りないのか……なら、これでどうよ!」だん
ぱっ
神裂『んっ……/////』
上条『んむっ!!?』
シェリー「なっ!?」
オルソラ「あら……」ぴしっ
アンジェレネ「私にも見せてください!どーん!!」ばふっ
アンジェレネ「どうですか?お兄ちゃん映ってますか?」いそいそ
シェリー「うっわ、マジでやりやがった……いや、確かにこうなる事も考えてはいたけど……」
オルソラ「本当に……これはお灸を据えないといけないのでございますよ、ふふふ……」
シェリー「お灸って……あんた何するつもりよ」
オルソラ「聞きたいのでございますか?」にこっ
シェリー「やっぱりいいわ、止めとく。あんた目が笑ってねえよ」
アンジェレネ「うぅ、無視しないで私にも見せてくださいってば!!」
アニェーゼ「ハァハァ、やっと追いついた……チッ、逃げ足だけは無駄に速いんですからもう」
ルチア「シスターアンジェレネ!あれだけ寮内で走り回ってはいけないと!」
アンジェレネ「うげっ!」
アニェーゼ「少しは反省しろってんですよ」がみがみ
ルチア「本当に貴方ときたら……」がみがみ
アンジェレネ「ご、ごめんなさい……」しゅん
ルチア「まったく、一体何度同じことで叱れば……おや?シスターオルソラの様子が」
アンジェレネ「ゴーレムさんの映像が戻ったのを見てからずっとあんなかんじですよ」
アニェーゼ「背中からドス黒いなにかが立ち上ってるんですが……どんな映像が映ってんですかね」
アンジェレネ「私も早く見たいのに、無視して見せてくれないんですよぅ!」
ルチア「あの、その映像見せてもらっても……?」
シェリー「これは正直予想以上だった……絶対に外部に漏れないようにしないと……」こそこそ
オルソラ「えぇ、そうでございますね」ひそひそ
ルチア「……あの!聞こえませんでしたか?その映像を見せてもらえませんかと」ぐいっ
シェリー「あ、バカあんた勝手に――」
神裂『ん…ちゅ……』
上条『んむ……』
ルチア「言って……」
ルチア「…………」
シェリー「あっちゃー……」
ルチア「……ええぇっ!?そ、そそそそそそんな!!?」
アンジェレネ「なんですかなんですか!!なにが写ってるんですか?隠さないで見せてくださ……」
アニェーゼ「そうですよ。彼に仕事を頼んだのは私なんですから、その経過を確認する義務が……」
神裂『ん……あ//////』
上条『むっ……っはぁ!!』
アンジェレネ・アニェーゼ「「ふぇ?」」
アンジェレネ・アニェーゼ「「えぇぇぇぇぇええええええええええええええ!?!?!?」」ぴしゃーん
ルチア「ぁ……」ふらり
シェリー「おっと……マズったわ、見ちまいやがった」
オルソラ「そうでございますね」にっこり
シェリー「…………」
Side:神裂&上条
神裂「当麻……///」ぎゅっ
上条(え、嘘だろッ!?)
上条(俺はいま本当に……神裂と、き、ききききき)
上条「うわぁぁぁあああああ!!」
神裂「どうしたんですか?慌てて……そんな当麻も可愛らしい……///」
上条「逆にどうして神裂はそんなに落ち着いてるんだよ!?」
神裂「……落ち着いてなどいません。ほら、こんな風に――」
むにっ
上条「!!!???」
上条(か、神裂が俺の手を掴んで自分の破壊的なお、おぱ―――!?)
神裂「あんっ……///」
上条「お、おいこくぁwせdrftgyふじこlp!!?」
神裂「ほら、分かりますか当麻」
神裂「心臓の鼓動がこんなにも早く……あなたのせいですよ、んっ……////」
上条「」ぷつーん
上条(―――もうダメだ。良いよね?俺行っちゃっても良いよね?)
上条(ここまで必至こいてジェントル上条さんを保ってきたけど、限界だ!!)
上条(大体、自分からあんなけしからん体擦り付けて来ておいて、挙句に真っ赤な顔であんなこと言われたら……)
上条(男として黙ってられないだろ!!下条さん発動しても仕方ないだろ!!ぶっちゃけ神裂さんドストライクですし!!)
上条(上条当麻……いきます!!!)
神裂「んっ」ぎゅっ
上条「ぐもっ!?」
神裂「あなたのせいですから……せ、責任を取ってください!ちゅっ……」
上条「んむっ!?」
上条(はい負けましたー。ってか神裂に対して腕力で勝てるわけが無かったー!!)
神裂「ん、ちゅっ……とうま////」とろん
上条「う……////」
上条(……あぁもう、どうにでもな~れ)
こそこそ
浦上「うわうわうわうわ……////」
対馬「と、当麻君が……」
建宮「遂に覚醒したのよ……女教皇様と上条当麻、共にな!!」きりっ
浦上「す、すごい……あっ、またキスした/////」
対馬「つまりは、私も強気で攻めれば当麻くんとあんな風に……/////」
建宮「聞いてないのね」
建宮「まったく、女ってのは逞しい生き物なのよな」
建宮「そいじゃ、牛深に連絡して五和の様子を確認するとしますか……」
「どうして私の様子を確認するんですか?」
建宮「あん?どうしてってそりゃ……」
建宮「…………」サー……
五和「ねぇ、どうしてですか?」にっこり
建宮「あ、あ………」
五和「どうしたんですか?建宮さん、顔が真っ青ですよ」
建宮「いや、あの……」
五和「あ、そういえば牛深さんに連絡するって言ってましたよね」
ドサッ
牛深「」死ーん
五和「どうぞ。さっきから何回起こしても反応が無いので、話せないと思いますけど」
建宮「ち、ちがっ……」
五和「違う?何が違うんですか?」にこにこ
建宮「落ち着け!と、とにかく話をさせてほしいのよ!」
五和「……話、ですか」
建宮「そ、そう!ほらあの昔のどっかのお偉いさんが『話せば分かる』って―――!」
五和「……ふふっ」
<ぎゃぁぁぁあああああああああああ
上条「ん?いま誰かの悲鳴が聞こえたような……」
神裂「そうですか?私には当麻の声しか聞こえません///」ぎゅっ
上条「おぷっ!!」
上条(うっ、そろそろ締め付けられすぎて呼吸が……)
上条(タップ!このままだとおっぱいで溺死といううらやま……恐ろしい事態になる!!)ぱしぱし
神裂「あぁ、そんな激しく……な、なるほどこれが『えすえむ』と言うモノですね……///」
上条(違えぇぇ!!なに言い出してんだこの人!!SMなめんな!!)
上条(……いかん、酸素が足りなくなって思考回路が……)
上条(頼むから気付けって!!)ばしばしっ
神裂「ぁんっ……んっ……////」ぴくん
上条(あ、これダメだわ)
上条(……グッバイマイソウル……)
神裂「あ……」
すっ
上条「おっ?」
上条(神裂の締め付けが緩んで、急に呼吸が楽に……)どさっ
上条「すぅぅぅぅ~……はぁぁぁぁぁぁ~……た、助かった。マジでリアル昇天するところだった……」
神裂「あなたは………」
上条「生きているって素晴らしい……」
神裂「…………」
上条「神裂?」
??「随分と楽しそうですね、女教皇様」
神裂「い、いえ。これは……」
上条「?あれ、この声――」くるっ
五和「こんにちは当麻さん」にっこり
上条「五和!なんでここに……」
五和「すいません、当麻さん。詳しいことはまた後で……今は先ず女教皇様とお話が」
神裂「…………」ぐっ
上条「え、あ、はい」
上条(……話をするんだよな?)
五和「…………」カチャリ
神裂「…………」チャキッ
上条(なのに何で無言で武器を構えてるんでせう……?)
??「(か、上条さん!こちらへ!)」
上条「え?」
浦上「お、お久しぶりです!上条さん」
対馬「ひ、久しぶりね。当麻君」
上条「浦上に、対馬さん!?」
上条「え……ここ天草式の拠点だったりする?どうしてこんなに集まってんだ?」
浦上「そ、それはですね。なんというか深い訳がありまして……その」ごにょごにょ
対馬「当麻くんが女教皇様とデートに行くって言うから、心配になって付いて来たのよ!」ばーん
浦上「ちょっと対馬さん!?」
上条「は?デート……いやいやいや!!これはデートじゃないですから!」
対馬「誤魔化しても無駄よ、建宮から全て聞いてるわ」
上条「全て聞いてるならデートじゃないって分かるで……あれ?そう言えば建宮とか男連中はいないのか」
浦上「あぁ、建宮さんと牛深さんならそこに……」
牛深「」死ーん
建宮だったもの「」
上条「どうしたんだコレ!?」
対馬「五和にやられたのよ」
上条「ま、マジか……」
上条「建宮の奴、また何かやらかしたのか……」
浦上「いえ、今回は建宮さんよりも……」じ~
上条「……え、俺!?」
浦上「はい」
上条「うそん!?」
上条「バカな……俺なんもしてないぞ」
対馬「何言ってんの。女教皇様とあんな風にき、キスしておいて……////」
浦上「////」
上条「あれはっ!いわゆる不可抗力ってヤツで――」
対馬「じゃあ、その後もずっと女教皇様と抱き合ったままで――おまけにむ、胸まで触ったのも不可抗力ってこと?////」
浦上「うぅ…////」
上条「それは神裂が勝手に……」
対馬「仕事に行くなんて結局嘘だったんじゃない……///」
上条「待った!仕事って言うのは嘘じゃねぇよ、本当だって。1時20分までに空港に行って取引を……」ちらっ
時計<12時50分>
上条「なッ!!?」
上条「もうこんな時間!?余裕持って出てきたはずが!!」
浦上「空港って何処に行くんですか?」
上条「ヒースローだけど……」
対馬「ここから30分でヒースロー空港か……ギリギリね。正直間に合うか……」
上条「こうしちゃいられない、神裂!!」
神裂「五和……」ぐっ
五和「羨ましいです、当麻さんとあんな……あんな……」ぎりっ
ごごごごごごごごごごごごごごごご
上条「…………」
上条「え、あの二人急にどうしてしまったんですか?なんで一触即発な空気になってるんですか!?」おろおろ
対馬「……自覚ないって、ある意味罪よね」
浦上「と、取り敢えず、上条さんは気づかれないようにこの場を立ち去ってください。五和と女教皇様の方は私達でなんとかしますから」
上条「でも、神裂は取引の護衛に……」
対馬「取引に間に合わなかったら守るも何もないわよ!事が片付いたら追いかけて護衛でも何でもしてあげるから!」とん
上条「そうか……わりぃ、あとは任せる!!ありがとう対馬さん!」きりっ
対馬「あ、うん。ま、任せて……///」
浦上「頑張ってくださいね上条さん!」
上条「あぁ、サンキュな」にっこり
浦上「ぁう……////」
上条「じゃっ。二人とも本当にありがとう!この埋め合わせは必ず!」たったった
対馬「いってらっしゃい……当麻君////」
浦上「かっこよかったですね、上条さん……///」
五和「今日こそ、白黒はっきりつけましょう……女教皇様」
神裂「……分かりました。受けて立ちましょう」
ごごごごごごごごごごごごごごごご
対馬「……さぁ。あんな風に言っちゃった手前。私達も頑張りましょうか」
浦上「はい!」
対馬「取り敢えず、もう一回この辺りに人払いの術式を……」
浦上「…………」
浦上(あれ?誰かのこと忘れているような……気のせいかな?)
たったった
上条「やっべぇ……かなり急がねぇと間に合わない」
上条(クソッ、何やってんだ俺は!アニェーゼに頼まれた大事な仕事だってのに……!)
“アニェーゼ『パパ、お願い!』”
上条(それが間に合いませんでした、じゃダメだろ!人として!)
どんっ
上条「あ、すいませ……そ、そーりー」
上条「昼過ぎて、道に人が増えてきたな……雨も止まねぇし」
上条(この中を走ってくのは無理か……)
上条「どうやって空港まで行く……?」
上条(タクシーに乗るか……いやダメだ、ここからだとかなり料金がかかる。今の手持ちだと間違いなく足りない)
上条(バスは……これもダメだな。俺の英語力じゃ空港行きのバスを探し出すのでタイムアウトだ……)
上条(そうだ!地下鉄……は今ストライキ中だったよな確か。くっそ何てタイミングだよ不幸だー!!!)がしがし
上条「やっぱ無理矢理でも走っていくしか……」
??「はぁ~い、坊や。そんな所で何慌ててるのかしら?」
上条「いや、ちょっと今急いでて……ってお前は!!?」
Side:女子寮
アニェーゼ「ふぇぇん……ぱぱのばかぁ……」めそめそ
アンジェレネ「な、泣かないでくださいシスター・アニェーゼ!よ~しよ~し」なでなで
シェリー「やっぱガキには刺激が強すぎたか……マセてるくせに妙な所で初心なのよね」
オルソラ「あら、可愛らしいではございませんか」
シェリー「可愛らしい、ねぇ……」
ルチア「うぅ……////」
シェリー「キスシーン見て倒れるのは果たして可愛いのかしら」
オルソラ「そ、そうでございますね……」
シェリー「そういや、あんたはもう気持ち整理ついたワケ?さっきまで随分と荒んでたけど」
オルソラ「はい、もうすっかり気分爽快でございますよ♪」
シェリー「そう、なら良かったわ」
オルソラ「お仕事の途中で、あんなことをしてしまったお仕置きはちゃんと致しますけれど……」
シェリー「すんのかい」
オルソラ「そこまで目くじらを立てなくとも、帰ってきたら私にも口付けしてもらえば良いだけの話でございます」
シェリー「……は?」
オルソラ「いわゆる『おかえりなさいのちゅー』でございますよ」
シェリー「…………」
シェリー(なるほど、そういう考えに辿り着いたか)
シェリー(こりゃ、仕事が終わっても大変そうね……あたしの知ったこっちゃ無いけど)
シェリー「……まぁ、良いんじゃねーの?他の奴らにバレないようにすれば」
オルソラ「?何故でございましょう?」きょとん
シェリー「当たり前でしょうが。またこの騒ぎが繰り返されるのが目に見えてるでしょう?」
オルソラ「あぁ、なるほど……」
シェリー「またあいつらの暴走止めろだなんて冗談じゃないわ」
オルソラ「そろそろお夕飯の食材を買いに行かないと」
シェリー「話聞いてた!?」
アニェーゼ「すんっ……」しくしく
アンジェレネ「ど、どうしよう」おたおた
アンジェレネ「……あぁ、主よ。どうかシスター・アニェーゼを泣き止ませてください……」
アニェーゼ「うぅぅ」めそめそ
アニェーゼ「…………」
アニェーゼ「…………」すくっ
アンジェレネ「アーメン………あれ、泣き止んだ?」
アニェーゼ「……そうだ、私がパパを迎えに……」ぼそぼそ
アンジェレネ「やった、お祈りが通じた…」
アニェーゼ「パパ!!」だっ
アンジェレネ「え?パパ?――ちょっと何処行くんですかー!?」
オルソラ「献立は何がよろしいですか?それによってお買い物の内容が変わってくるのでございます」
シェリー「……なんでもいいわよ。任せる」
オルソラ「それでは旬のお野菜を沢山入れたパスタを……」
アニェーゼ「待っててくださいパパ!いま行きますから!!」だだだだだ
アンジェレネ「ぜぇ…ぜぇ……うわーん!お祈り効きすぎましたぁぁ!」だだだ
どんっ
オルソラ「きゃぁっ」
シェリー「おい危ないだろ!走るな!」
アンジェレネ「す、すいませぇん、でもシスター・アニェーゼが……うわっち!」
どてんっ
ルチア「うぐっ」べちっ
ルチア「う……」
シェリー「ほら見ろ。本当に反省しないなテメェは……」がしっ
アンジェレネ「だってだって!シスター・アニェーゼが全然泣き止まないから神様にお願いしたら急に元気いっぱいになってだーって、うわぁーってぶぶだびで!」
シェリー「後半何言ってんのか分からん!!」
オルソラ「大丈夫でございますか?」
ルチア「は、はい。なんとか……」
オルソラ「安心したのでございます……ところで、お夕飯はパスタでよろしいでしょうか?」
ルチア「夕飯ですか?……はい、構いませんが……」
オルソラ「では決定なのでございます!」
ルチア「?」
シェリー「さっき走ってたのは許してやるから、言葉整理してもう一回説明して」
アンジェレネ「さっきのお兄ちゃんの映像見てからずっと泣いてるから、神様に『シスター・アニェーゼが泣き止みますように』ってお祈りしたんです」
アンジェレネ「そしたら泣き止んだのは良いんですけど、急に『パパー!』って言いながら走り出して……」
アンジェレネ「も、もしかして変なことお願いしたから神様が怒って……」ぶるぶる
シェリー「パパ?……おいおい、まさか」
オルソラ「なので、出来れば一緒にお買い物に来て欲しいのでございますよ」
ルチア「私で良ければもちろん………それで、あの。一つ聞きたいことが」
オルソラ「?」
ルチア「どうして私はこんな所で寝ていたのでしょう?」
オルソラ「覚えてらっしゃらないのでございますか?」
ルチア「はい、どうにも記憶が……何かとんでもない物を見たような気がしなくもない様な……」
オルソラ「!!」
オルソラ「気のせいでございましょう。アンジェレネさん達の相手をして少し疲れたから横になるっと言っていたのでございますよ」
ルチア「そうだったんですか……すみません、変なことを聞いてしまって」
オルソラ「いいえ♪」
シェリー(あいつが『パパ』っつったんだから当麻のことだよな……)
シェリー(それを呼びながら走っていった……つまり当麻に会いに行ったってことか)
シェリー「……これはアニェーゼを追った方が良さそうだな。アンジェレネ!」
アンジェレネ「あぁぁ、どうしようどうしよう……ごめんなさい神様ごめんなさいk」
シェリー「しっかりしろ!」ずびしっ
アンジェレネ「あうっ!」
シェリー「アニェーゼを追うわよ」
アンジェレネ「うぅ……い、いえっさー!」
シェリー「オルソラ!」
オルソラ「それではルチアさんには調味料や香草を……」
ルチア「シスター・オルソラ。シェリーさんが呼んでいます」
オルソラ「?『だるまさんが転んだ』でございますか?」
ルチア「違います。『シェリーさんが呼んでいます』と言ったんです」
シェリー「ルチア起きてたのね、どうよ気分は」
ルチア「はい、仮眠を取らせていただいたお陰で大分いいです」
シェリー「仮眠?」
ルチア「シスター・アンジェレネ達の相手で疲れてしまって……少しの間ですが」
シェリー「は?いや、だってあんた……」
ぐいっ
オルソラ「…………」
シェリー「ちょっ、何だよ」
オルソラ「…………(ふるふる)」
シェリー「…………」
シェリー「そ、そう。たまには良いわよね、シエスタみたいで」
ルチア「ありがとうございます」
シェリー「(……自分がショックで気絶してたこと忘れてんの?)」ひそひそ
オルソラ「(そのようでございます。下手に刺激しない方がよいと思ったので……)」ひそひそ
シェリー「(その判断は正しいわね)」
シェリー「さて、オルソラとついでにルチア」
シェリー「急で悪いけど、あたしとアンジェレネでアニェーゼを追うから。ちょっと出てくるわ」
ルチア「シスター・アニェーゼを……?」
シェリー「そう。詳しく話してる時間は無いから、訳は後で」
オルソラ「そうでございますか」
オルソラ「では私達も行きましょう、ルチアさん」
ルチア「はい……って私もですか?」
シェリー「いやオルソラ、別にあんた達まで来なくても……」
オルソラ「丁度、食材の買い物に行こうと話していた所でございますよ」
オルソラ「どうせ外に出るのですから、ご一緒してもよろしいでしょう?」
シェリー「そりゃそうだけど……」
オルソラ「では決まりでございます。さぁ、急いで支度いたしましょう」
ルチア「あ、私買い物袋用意します」
シェリー「…………」
シェリー(わざわざ自分から虎の穴に……)
シェリー「……別に良いか。さぁ、アンジェレネも早く支度して」
アンジェレネ「待ってください!」
アンジェレネ「確かこういう時に言うセリフをお兄ちゃんに教えてもらったんです……!」
シェリー「あん?セリフ?」
アンジェレネ「えーっと、えと…………あ、思い出した!」
アンジェレネ「こほんっ」
アンジェレネ「40分で支度しな!!」ででーん
シェリー「…………」
アンジェレネ「……あれ?」
シェリー「……馬鹿なこと言ってないで、さっさと支度して来い。置いてくわよ」
アンジェレネ「は、はぁい……あれぇ、おっかしいなぁ……?」
シェリー「おかしいのはテメェの頭だ」いらっ
Side:上条
上条「お、オリアナ!?」
オリアナ「あら、名前覚えててくれたんだ?お姉さん嬉しい♥」だきっ
むにんっ
上条「おい!抱きつくなって!///」ぐいっ
もみっ
オリアナ「あんっ」
上条「あ、すまんっ」
オリアナ「いま会ったばっかりなのにこんな激しく……嬉しい、やっと坊やもその気に――」ぷちぷち
上条「ちちち違うからな!?ボタン外さないで!?」
オリアナ「え~?何が違うの?」ぎゅっ
上条「今のはその、けっしてわざとやったんではなくてですね……!」
オリアナ「うんうん」ずいっ
上条「だから勿論その気になったとかならないとかそういう話では無く……って顔近すぎませんか?///」
オリアナ「良いじゃない、このくらい♪」
上条「良くありません!!ほら、離れろっ」
オリアナ「あ、ちょっと!」
上条(ったく、一体どうなってんだよ。神裂といい、オリアナとい……)
上条(……いや、コイツはいつも通りか)
上条「…………」
上条(……神裂……)
“神裂『当麻……////』”
上条「っ!!」
上条(う……やばい、どさくさに紛れて頭から飛んでたあの時の感触が)
上条(俺、神裂としちまったんだよな……キス)
上条(何考えてんだ!!今はそれどころじゃないだろ!!)どきどき
オリアナ「なによ、久しぶりに会ったっていうのにつれないわね」
オリアナ「最近忙しくて全然会えなかったから、お姉さんすご~く寂しかったのよ?」ぎゅっ
上条「だから抱きつくなってばッ」
オリアナ「あ……こら、痛いじゃない」
上条「ご、ごめん……」
オリアナ「確かにお姉さん、若さに任せた激しいのも嫌いじゃないわ」
オリアナ「でもね、女の子に激しくするのと乱暴にするのは似ている様で大きな違いなの?分かってる?」
上条「はい、すいません今度から気をつ………何の話してんの!?」
オリアナ「何の話って、ナニをする時の――」
上条「分かった!それ以上言うな!」
オリアナ「もうっ、言えって言ったり言うなって言ったり……坊やはとんだ困ったちゃんね」
上条「そのセリフ、そっくりそのまま返します……」
オリアナ「あら、お姉さんのどこが困ったちゃんなのよ?」しゅるっ
上条「だからそういう所がだよ!!お願いだからそれ以上肌を露出させないでくださいませんか!?」
オリアナ「ごめんなさい。お姉さんね、一定面積以上肌を露出させないと死んじゃう病気なの」
上条「ウソつけっ!あぁもう不幸だーーーーー!?」
オリアナ「私は、また君にこうして会えて幸せだけどな~……?」じ~
ぎゅむっ
オリアナ「君は私と会うのが、そんなに嫌だったのかしら」うるっ
上条「どえ!?い、いやそんなことはっ」
オリアナ「本当に……?」うるうる
上条「ほ、本当でs」
オリアナ「良かった!じゃあ問題ないわね♪」
上条(あれ、何か前もこんな事があったような気が……)
ぎゅむ~っ
ぷるんっ
上条「!?」
オリアナ「あ、ちょっと服ずれちゃった」
上条「おい!!////」
オリアナ「ふふっ、嬉しい?お姉さんの当たってて」ぎゅっ
上条「ふ、ふぁい……」
上条(む、胸が……ただでさえ抱きついてきてて体が密着してる上に、さっき上着のボタン外してたりで服がずれて……)
ばい~ん
上条(なんかもう色々大ピンチ!!)
上条(ってか今日こんなんばっかだな俺!!厄日?)
オリアナ(照れてる照れてる♥)
オリアナ「ねぇ、せっかくだからどこかでお茶でもしていかない?」くいっ
上条「お茶ですか……?」
オリアナ「そう。お姉さんのおごりで、どう?」
上条「いや、俺ついさっきまでそこの店で……」
アニェーゼ『1時20分』
上条「はっ!!!!!」
上条「オリアナ!いま何時だ!?」
オリアナ「時間……そろそろ1時丁度ね。あれ、用事あったりした?」
上条「い、1時……?」
オリアナ「ええ」
上条「…………」
オリアナ「坊や?」
上条「NoooooooooooooOOOOOOOOO!!!!」
オリアナ「っ!?」びくっ
上条「1時だと!?もう20分しかないじゃん!?」
上条(そうだよ!俺にはこんな所で立ち話してる時間なんか無かったのに!!)がしがし
上条(1時丁度ってことは、ここから空港まで20分……)ちくたくちくたく
上条(……無理だ……30分だって無理げだったのに……)ぼーん
上条「終わった……」
オリアナ「坊やどうしたの急に……?」
上条「はは、何でもねぇよ……ただ……」
オリアナ「?」
上条「……ただ、上条さんがどうしようもないマダオだっただけの事さ……ははは……」ぼーん
オリアナ「本当にどうしちゃったの?」
かくかくしかじか
オリアナ「それで1時20分までに空港へ行かなきゃならないってことね」
上条「そうです……でも、もう無理だ。完璧に詰んだ……」
オリアナ「ふぅん……」
上条「ごめんな、アニェーゼ、神裂、浦上、対馬さん……ふがいない俺ですみませんでした……」
オリアナ「…………」
オリアナ(確かに、20分ちょっとで到底着ける距離じゃないわ)
オリアナ(でも私なら……)
上条「そうだRED BULL買おう。それ飲んで空飛んで空港に行こう」ぶつぶつ
オリアナ(待って。と言うことは、これはもしかして……チャンス?)
上条「どうせならそのまま滑走路から」
オリアナ「坊や!」
上条「……なんですかー?」
オリアナ「お姉さんが助けてあげよっか」
上条「……へ?」
オリアナ「だから、お姉さんが何とかしてあげるって言ってるの」
上条「オリアナが……?」
オリアナ「そう。坊やは取引の時間に間に合うように空港に行きたい、けどもうどう頑張っても無理そう」
オリアナ「走っていこうとしてたみたいだけど、ここからの距離を考えたら無謀だわ」
オリアナ「お姉さん、そういう熱血な所も素敵だとは思うけどね」
上条「う……」
オリアナ「だから、お姉さんが間に合うように力を貸してあげる、どう?」
上条「どうって、そりゃありがたい話だけど……どうするんだよ」
オリアナ「ふっふ~ん、忘れちゃったの?お姉さんのし・ご・と♪」
上条「え?……あ」
オリアナ「そう、私は《運び屋》。契約すれば、例えどんな所であろうと目的の物を運んでみせる」
オリアナ「もちろん、時間も正確よ」
上条「な、なるほど」
オリアナ「ね、良い話でしょ?君は時間通りに目的地に着ける」
オリアナ「お姉さんはもう少し坊やと一緒にいられる……まさにWin-Winの関係じゃない」ぎゅっ
上条「お、おい……////」
オリアナ「ふふ、照れちゃって……可愛い♥」
上条「からかうなって……あ」
オリアナ「?」
上条「その提案メチャクチャありがたいし、オリアナ様様なんだけど……俺いま手持ちが少なくてさ」
オリアナ「あぁ、お金のこと。そんなの別に気にしなくてもいいわ……と、言いたい所だけど」
オリアナ「流石にタダっていうのはね~?」にやり
上条「ですよねー……」
オリアナ「……だから坊やだけ特別。お金の代わりになるものを貰って、それでチャラにしてあげるわ」
上条「代わりになる物?」
オリアナ「そう……んっ」
上条「んっ!?」
ちゅっ♥
じゅるるるれろっちゅぱじゅるr(以下自主規制
Side:天草式
“『ここは私達に任せて!!』”
対馬「なーんて大見得張って送り出しちゃったけど……」
五和「どういうつもりなんですか女教皇様……今日は大事な任務が有るって……」
神裂「ですから、彼の護衛が今日の任務です!」
五和「……キスしたくせに」
神裂「うっ//////」
五和「くっ……女教皇様ばっかりずるいです!!私だって、私だって――!!」
牛深「」死ーん
建宮だったもの「」さらさら
対馬「どっから手をつければいいのよ」
浦上「どうしましょうね……」
対馬「人払いの術式は張ったし、このお店が大爆発とかしない限り大丈夫だと思うわ」
浦上「はは……なんか起きそうですけどね。爆発」
五和「うぅぅ……!!」ごごごごごごごごごごごごご
対馬「まさかこんな事になるとは思ってなかったから、碌な装備持って来てなかったのよね……しくじったわ」
浦上「仕方ないですよ、建宮さんも半分ピクニック気分でしたし」
対馬「あの馬鹿……ムカつくから放置で、牛深だけこっちに運んでおきましょ」
浦上「はい」
建宮だったもの「」ぽつーん
牛深「…………」ちーん
対馬「さて、問題は五和をどうするかよね」
浦上「上条さんの事となると本当に……手が付けられないですもんね」
対馬「でも今日は思ったより落ち着いてない?いつもなら今頃この店跡形も無く吹き飛ばしてそうだけど」
浦上「さすがにそこまでしないですよ!?……まぁ多分、これのお陰だと思います」
《どこでもいっしょ ver.上条当麻》
対馬「……これ、さっき五和がつけてたヘッドフォンよね?これで何で?」
浦上「説明めんどくさいのでご自分で体験してみてください」すちゃっ
対馬「え、ちょっと!!」
浦上「いってらっしゃ~い」ぽちっ
対馬「なによ、これ音出てないじゃない。壊れてるん」
対馬「えぇぇ!?と、当麻くん!!?」
対馬「う、うん……そ、そうだけど……」
対馬「…………」
対馬「っ!!!??///////」ぼんっ
対馬「な、なななな何言ってんのよ!?い、いやらしい……////」
対馬「ま、待って待って……あ、ダメだってばそんな……」
対馬「いやっ、ちょっとまって当麻くん……あっ////」
対馬「っあぁぁぁぁあああああいっ!!!」ばしーん
対馬「ハァハァ……」
浦上「おかえりなさい対馬さん」
対馬「なんなのコレ!?なんなの!!??」
浦上「気持ちは分かりますけど、落ち着いてください。《どこでも一緒 ver.上条当麻》です」
対馬「と、当麻君が私にあんな……あんな卑猥な……////」
浦上「そんなにすごかったですか?一応、五和の利用履歴から適当に選んだんですけど……」
対馬「そもそもどういう仕組みなのよ、私の言ったことに普通に反応してたんだけど……ウソ、まさかこれ当麻くんと繋がってるの!!?生当麻くん!!?」
浦上「ち、違います!!」
浦上「長い間をかけて収集した上条さんの声をデータ化して」
浦上「それらを分解・合成して様々なセリフパターンを作り出し」
浦上「それを自由自在に再生することが出来るようにしたソフトを内蔵したヘッドフォン」
浦上「更に本人の名前を入力すると、ちゃんと上条さんがその本人の名前を読んでくれるようにして」
香焼「モードも“スタンダード”から“ヤンデレ”“宇宙人”みたいなものまで幅広く用意した」
香焼「正に、上条さん好きの、上条さん好きによる、上条さん好きのためのマシーン!!」
浦上「だそうです」
対馬「何そのハイスペックマシン!!?」
訂正
説明下二行 香焼 → 浦上
すまん
浦上「五和が今日穏やかなのも多分これのお陰です」
浦上「これで上条さん成分を多量摂取していたので、なんとか自我を保っていられるんだと思います」
対馬「……なんかヤバい薬みたいね」
浦上「中毒性と言いますか……それは本当に」
対馬「じゃあ、取り敢えずそれをもう一度五和に着けさせれば、この場は収まるってこと?」
浦上「出発前もそうしましたから、恐らく収まると思いますけど……ただ……」
対馬「?」
五和「私だって、当麻さんとデートしたいのにっ!!」ざしゅっ
神裂「ですからこれはデートでは無いと何度言えば!?」がきんっ
五和「誰がどう見たってデートじゃないですかぁ!!あんな風にキスまでして!!」しゅぱっ
神裂「あ、あれは……だからただの事故のようなもの、だと……////」てれてれ
五和「そんな素敵な事故があってたまりますか!!っていうか顔真っ赤じゃないですか!!」ざんっ
浦和「この状況でどうやって近づいて、どうやって取り付ければいいのか……」
対馬「…………」
対馬「……仕方ないわ、私がやる」
浦上「え、対馬さんが?」
対馬「こんな危険な役、あなたにさせるわけにはいかないから」にっこり
浦上「つ、対馬さん……」じ~ん
対馬「それに―――」
“上条『そうか……わりぃ、あとは任せる!!ありがとう対馬さん!』”
対馬「当麻くんに頼まれちゃったしね、えへへ////」
浦上「どぇぇ!?」
対馬「待ってて、当麻くん。私頑張るからね///」
浦上「ず、ずるい!!私だって上条さん『任せた!』って言われたんですから――」
prrrrrrrrrrrrr
prrrrrrrrrrrr
対馬「ん?何の音かしら……電話?」
浦上「……ですかね?でも誰のだろう――」
『司令官、司令官。こちら流離いの匿名希望より、緊急報告』
対馬「あ、建宮のトランシーバーからだわ」
浦上「あれ?たしか建宮さん電源切ってたのに」
対馬「さっきの衝撃でスイッチが入ったか、どっか壊れたんでしょ」
神裂「本当です!別にあんなの、大したことでは……////」
五和「そんな顔で言われても説得力がないです!!」
『上条当麻について』
神裂「当麻!?」
五和「当麻さん!?」
浦上「うわっ、反応した!」
対馬「なんて地獄耳よ……」
『現在、上条当麻がオリアナ=トムソンと接触中』
神裂・五和「「!?」」
浦上「オリアナ=トムソンって……あのオリアナさんですか!?」
対馬「……それしかいないでしょうね」
浦上「そ、そんな……あの人が何で?」
対馬「そんなのこっちが聞きたいわ」
『大通りで周囲に見せつけるように熱く抱き合い、オリアナ=トムソンは興奮のあまり脱衣中』
神裂・五和「「!!!???」」
浦上「えぇぇぇええええ!!??」
対馬「くっ……オリアナが現れて何も起きない訳が無いと思ってたけど、まさかそんな大胆な……」
浦上「だ、脱衣中ってどういうことですか!!?は、裸に……うわうわうわうわ/////」
対馬「落ち着きなさい。裸になんかなったら警察沙汰よ?これはいつもオリアナがやってる――」
神裂・五和「「オリアナが裸に……当麻(さん)が危ない!!!!!」」
対馬「…………」
浦上「あうあうあう……////」
五和「……女教皇様」
神裂「……なんですか五和」
五和「ここは一旦、休戦しませんか……?」
神裂「奇遇ですね。いま私もまったく同じ提案をしようと思っていた所です」
五和「何よりも先ずは……」
神裂「こんな争いよりも……」
五和・神裂「「当麻(さん)を助けに行かなければ!!!!!!」」どどーん
ぱりーん!!
だだだだだだだだ
対馬「い、行っちゃった……」
対馬「追わないと……浦上!!」
浦上「みんなえっちです……不潔です……////」
対馬「あぁ、もうしっかりしなさいよ!ほら、行くわよ!!」ぐいっ
浦上「うわっ、え、対馬さんなんですか?うわわっ!?」
Side:上条&オリアナ
オリアナ「ちゅるっ……れろっ…ちゅ……」
上条「んんっ……じゅるっ……!?」
上条(え、何で?何で上条さんキスされてるんでせう!?)
上条(しかも――)
オリアナ「ぁんっ……ちゅむっ……」
ぎゅ~
上条(めっちゃ強く抱きしめられてる上に、し、舌が……!?)
オリアナ「ん……ふぅ、こんなもんかしらね♥」
上条「ぷはぁっ!!……な、なにすんだよ!!?」
オリアナ「料金代わりに、坊やの唇頂いちゃいました♪」
上条「お前なぁ!!」
オリアナ「あら、嫌だった?お姉さんなりに気持ち良くなってもらおうと思って頑張ったんだけどなぁ?」さわさわ
上条「うっ……だから、触るなって////」
オリアナ「んふふっ」
上条(正直……)
上条(正直………メチャクチャ興奮しました)どぅーん
上条(だってしょうがないじゃん!!思春期男子がこんなキスされて興奮すんなって方が無理だろ!!)
上条(神裂の時だっておっぱ……いっぱいいっぱいだったのに、こんなセクシャルなキッスに耐えられるほど上条さんのメンタルは強くありません!!)
上条(……いかんいかん。煩悩退散!今の俺には大事な使命があるんだ……)
オリアナ「…………」
オリアナ(ちょっとやりすぎたかしら?)
オリアナ「ヤバいなぁ……」
オリアナ(坊やとのキス……思ったよりずっと良かった)
オリアナ(お陰でこっちまで……)
じゅんっ
オリアナ(……やられたなぁ///)
オリアナ(本気になっちゃいそう……///)
上条「お、オリアナ?オリアナお姉さん?」
オリアナ「んっ……なぁに?」
上条「いや、俺早く行かないと時間が……」
オリアナ「そうだったわね……」
上条「う、うん。頼むわ……」
上条(……よく分からんけど、なんかさっきより雰囲気がエロくなってる……)
オリアナ(ダメダメ、しっかりしなきゃ。私から言って引き受けたんだから……ん?)
オリアナ「…………」さっ
??「…………」さっ
オリアナ「…………」
上条「どうしたオリアナ?」
オリアナ「……何でもないわ」
オリアナ(こっちを隠れて見てる気配が……それもかなりの数ね)
Side:シスターズ
シェリー「次は……こっちの角を右だ」
ルチア「ここを右に……まだシスター・アニェーゼは見当たりませんね」
オルソラ「アニェーゼさんは当麻さんの元へ向かったのでしょう?彼との距離はあとどれほどなのでございますか?」
シェリー「直線距離で100mちょっとってとこか、そこの角から顔出せば見える」
ルチア「本当ですね……ですが、シスター・アニェーゼの姿は無いようですが」
シェリー「ってことは追い抜いた?……一先ず、当麻と合流するか。追い抜いたなら、そこで会えるだろうし」
オルソラ「あいあいさー、でございます」
ルチア「あ、シェリーさん。ちょっと」
シェリー「ん?どうした、アニェーゼ見つかった?」
ルチア「いえ、シスター・アンジェレネが」
アンジェレネ「ふへぇ……」でよーん
ルチア「疲れて動けなくなっています」
シェリー「……はぁ」
アンジェレネ「す、すいませぇん……ふにゃ」
オルソラ「大丈夫でございますか?」ぱたぱた
アンジェレネ「ふぇぇ……なんとか……」
シェリー「ったく。どうして――」
どっさり
シェリー「こんなに重たいバック背負ってきたんだよ。ピクニックか」
ルチア「どうりで、支度に時間がかかったんですね……」
シェリー「こんなにパンパンになるまで、何入れてきたんだ」
アンジェレネ「それは……色々いるかなって思って、持ってこれるだけ全部です」
シェリー「そんな、サバイバルだ冒険だするわけじゃないんだから、こんな――」ぱかっ
《お菓子》ぎっちり
シェリー「って菓子ばっかじゃねえか!!!」
アンジェレネ「はい。色んな種類のお菓子を詰められるだけ詰めて……」
シェリー「色々ってそっちかい!!何だテメェは、心の底からピックニック気分か!!」ゆさゆさ
アンジェレネ「ご、ごごごめめめんんなななささいい」がくがく
オルソラ「まぁまぁ、シェリーさん」
ルチア「落ち着いてください!」
シェリー「訳を聞こうか?」
アンジェレネ「はぅ……」
オルソラ「そこまで怒らなくても良いのではございませんか?」
ルチア「シスター・アンジェレネがお菓子を持ち歩くのは、いつものことですよ。だからと言って肯定するつもりは毛頭ありませんが……今はそれ位で良いのでは」
シェリー「いいや、もうこんなのが今日何回目だと思ってる?一回ちゃんと言ってやらな」
アンジェレネ「お、お兄ちゃんにあげようと思ったんです……」
シェリー「いと……あ?」
ルチア「え?」
オルソラ「?」きょとん
アンジェレネ「だって、なんかお兄ちゃんすごく大変そうだったから……」
アンジェレネ「会ったら、このお菓子食べて元気になってもらおうと思って……それで……」しゅん
シェリー「…………」
アンジェレネ「だから持って来ちゃいました……ごめんなさい」
シェリー「……悪かったわね、怒鳴ったりして。きっと当麻も喜ぶよ」なでなで
オルソラ「アンジェレネさんはとてもお優しいのでございますね、いいこいいこ」ぎゅっ
アンジェレネ「え、えへへ……//」
ルチア「あのシスター・アンジェレネ……それでは、その服に付いた染みはなんです?」
アンジェレネ「あ、これはその……ずっと走っててお腹空いちゃったので、さっきチョコレート食べちゃったんです。てへっ」
シェリー「さっきの感動を返せバカ!!」ばしっ
アンジェレネ「いたい!?」
オルソラ「ふふふっ♪」にこにこ
シェリー「結局、自分で食うんじゃないの……」
シェリー「ほら、その糖分バカは放っておいてこっちは当麻の所に」くるっ
オルソラ「これも中々美味しいのでございますよ」もぐもぐ
ルチア「シスター・オルソラ、勝手に食べるのはどうかと……」
シェリー「何で一緒になって食ってんだぁぁぁああ!!」
オルソラ「シェリーさんもお一つ如何でございますか?」
シェリー「如何でございますか?じゃないわよ!今がどういう状況か忘れたか!?」
オルソラ「お夕飯の買い物に……」
シェリー「アニェーーーーゼ!!」
オルソラ「あ、そうでございました」
シェリー「はぁ、はぁ……」
オルソラ「こちらがシェリーさんの分でございます」
シェリー「あ、ありがt……って違うだろぉぉがぁぁああ!!!」どーん
アンジェレネ「いたい……うぅ、美味しいのになぁ……」
ルチア「だからいつも言っているでしょう。程々にしなさいと」
ルチア「ましてや、今はシスター・アニェーゼを追っている最中なのです。気が緩みすぎていますよ」
アンジェレネ「……ルチアおばさんの分からずや」ぼそぼそ
がしっ
ルチア「何か言いましたか」ぎちぎち
アンジェレネ「いい言ってません!だからアイアンクローはやめて下さいぃぃぃぃいたいいたい!!」
ルチア「次は無いと言った筈ですよ」ぎちぎち
アンジェレネ「割れちゃいます!!頭がぱーんってなっちゃいますぅぅう!!」
??「「当麻(さん)!!!」」ばっ
ルチア・アンジェレネ「「!?」」
Side:天草式
神裂「当麻……」
神裂(まさかオリアナ=トムソンが現れるとは……私が護衛として付いておきながら何と言う失態……っ!)しゅんっ
五和「当麻さん……」
五和(またあの人、当麻さんのこと誑かして変なことするつもりなんだ……早く助けにっ!)しゅんっ
しゅたたたたた
対馬「くっ、何て速さよ……」たたたた
浦上「はぁ、なんとか着いていくので、精一杯です、ね……はぁ」たたたた
対馬「あの二人がオリアナと会う前にどうにかしないと、街中で乱闘が始まるわ」
浦上「ふぅ……もう、間に合わない、気もしますけど……はぁ」
対馬「あ、角曲がったわ」
浦上「は、はい……そ、れにしても、良く分かりますよ、ね」
対馬「なにが?」
浦上「上条さんのいる、場所です……無線では、オリアナさんと、会ってるってことしか……」
対馬「そうね……女教皇様は聖人だから?」
浦上「便利ですね、その説明……」
対馬「それに、前に五和が――」
“五和『当麻さんの匂いっていうか……分かるんです、遠くにいても』”
対馬「と言ってたわ。だから今回もそうなんじゃない?」
浦上「……に、匂い、ですか……」
対馬「えぇ」
浦上「…………」
浦上(なんだか五和がどんどん人間離れしていってるような……)
神裂・五和「「そこだッ!!」」
対馬「あ、また曲がった。今度は左だわ」
浦上「り、了解、です……」
<当麻(さん)!!!
対馬「!二人の声……ということは角を曲がった所に当麻くんが!」
浦上「い、急がないと!」
たたたたたた
しゅっ
対馬「当麻くん!」
浦上「上条さん!ぶ、無事ですか!」
ルチア「え?」ぎちぎち
アンジェレネ「あー!もうそろそろ出ちゃいますよ!のうみそがでちゃいますよぉぉおおお!!」じたばた
対馬・浦上「「え?」」
対馬「あれ、あなたは確か……ローマ正教の……」
ルチア「そういう貴方は……天草式の?」
対馬「こんな所で、奇遇ですね」
ルチア「えぇ、お久しぶりです」
アンジェレネ「ふ、ふへ……あれ?何だか痛くなくなってきました~へへへ……」
浦上「あ、あの……その子もう離してあげた方が……」
ルチア「そうですね」ぱっ
アンジェレネ「ふへへへ」とさり
浦上「うわっ、だ、大丈夫ですか?」
アンジェレネ「大丈夫ですよ~ふひっ……あ~、イエス様がわらしのこと呼んでます……へへへ」ふらふら
浦上「明らかに大丈夫じゃない!?そっち行っちゃダメですよー!!」
対馬「ルチアさんここで何を?」
ルチア「私は、上条当麻の元へ向かったシスター・アニェーゼを追ってきたんです。シェリーさんや、シスター・オルソラと共に」
対馬「あぁ、あの方達も一緒に……ここにはいないんですか?」
ルチア「いますよ、あちらに」
五和「あぁぁ、当麻さんとあんなにくっついて……」ごごごご
神裂「当麻……」しゅん
五和「私、ちょっと行ってきます!」しゅっ
シェリー「落ち着けって、いま行っても仕方ないだろ。もう少し堪えてなさい」がっ
オルソラ「はい、皆さん。チョコレートでございますよ」
対馬「あ……いた。女教皇様と五和……」
ルチア「本当に緊張感の無い人達です……」
アンジェレネ「あれぇ?……なんでこんな所に川があるんでしょう~?」ふらふら
浦上「いや、それきっと三途の川だから渡っちゃ……って正教に三途の川の概念有りませんよね!?ちょっと!!」
神裂「当麻……また他の女性と……」しょぼん
五和「ぐぬぬぬ……」めらめらめら
シェリー「いつの間にあの変態女が現れたんだかね……あ、このチョコ美味いわ」
オルソラ「えぇ、本当に困った方でございます」
シェリー「ちょっと、そっちの袋取って。チョコ入ってるやつ」
オルソラ「もちろん、きちんと説明していただくのでございますよ」
シェリー「……今、チョコの袋取ってって言ったんだけど。おーい」
ルチア「シェリーさん、何してるんですか」
シェリー「お、ルチアじゃない。アンジェレネの折檻はもう終わったの?」
ルチア「あれは別に折檻では……って何でチョコレート食べてるんですか」
シェリー「もうこうなりゃヤケ食いよ。ほら、あんたも」
ルチア「いえ、私は遠慮しておきます……」
シェリー「そう……ん?後ろにいるのは?」
対馬「こんにちは、天草式の対馬です…お久しぶりです」
シェリー「対馬?……あぁ、天草の。久しぶりね、どうした?」
対馬「女教皇様と五和を追って来ていたんです。それで二人がこちらに曲がっていったので」
シェリー「あぁ。二人ならたった今急に走り込んできて、そこの角からじっと向こう見始めて」
シェリー「なんだろうと思ってあたしらも覗いてみたんだけど、まぁびっくり。当麻とオリアナが抱き合ってんだから」
シェリー「そんで、皆で大張り込み大会になった」
対馬「なるほど……」
ルチア「ちょっと待ってください。いま『当麻とオリアナ』と言いませんでした?」
シェリー「言ったわね」
ルチア「どういうことです?何故彼女の名前が……」
シェリー「自分の目で確かめな」
ルチア「?」ひょいっ
ルチア「!!」
ルチア「な、なぜ彼がオリアナと抱き合って!?」がーん
ルチア「い、いつの間に……」わなわな
シェリー「こっちがアンジェレネに構って騒いでる間に来たみたいだな」
ルチア「それに二人とも顔が真っ赤で……まさか////」ぽっ
シェリー「……存外むっつりスケベだよな、ルチアって。そう思わない?」
対馬「い、いえ……」
シェリー「そういや、神裂と五和を追ってきたのよね。どっから?」
対馬「実は私達、当麻k……上条当麻と女教皇様の二人を朝から尾行していたんです」
シェリー「初めからってこと。そりゃお疲れ様」
対馬「うちの建宮…教皇代理の指示で、手が空いてる者で連絡を取りながら……」
シェリー「建宮?……あぁ、あのクソ野郎ね。姿が見えないけど、一緒には行動してないのか」
対馬「いえ、ここに来る前に五和に襲われて……」
シェリー「……死んだ?」
対馬「辛うじて生きていると思います。恐らく」
シェリー「惜しかったな」ちっ
対馬「それで――」
神裂「なッ!?」
五和「あ、と、当麻さん!!」
ルチア「ま、まさかまさか////」
オルソラ「まぁ……」
対馬「?」
シェリー「おい、うるさい。今こっちで話を――」
神裂・五和・ルチア「「「あーーーーーーーーーーー!!!」」」どぎゃーん
シェリー・対馬「「!?」」びくっ
オルソラ「あら……ふふふふ」ごごごごごごごご
シェリー「な、何が起きたんだ……」
対馬「わ、私達も見ましょう!」
シェリー「そうね……」
シェリー・対馬「「…………」」ひょいっ
シェリー・対馬「「なんですとぉぉおお!!?」」どぎゃーん
アンジェレネ「え、そんなにたくさんチョココロネくれるんですかぁ?わぁ~い……」ふらふら
浦上「ダメです!それ絶対食べちゃダメなやつですよ!?」
アンジェレネ「はい、ラズベリーソースでお願いしま~す……でへへへ」じゅるっ
浦上「うわーん!誰か助けてーー!!」
キリが良いのかよく分からないけども、今日はここまでで
あと40しか無くなったんで、ここが埋まったら次スレ建てようと思います
上条「イギリス清教女子寮の管理人さん」??「その2」
で建てるつもりです
??に誰か名前入れようかなと
この娘がいい!と言うのがあったらレス下さい
Side:上条&オリアナ
<がやがや
オリアナ(……なるほど、隠れているのはあの子達か)
オリアナ(お目当ては坊やね、間違いなく)ちらっ
上条「アニェーゼに渡された紙は……良かった、無くしてない」
オリアナ(楽しいランデブーになりそう♥)
オリアナ「さぁ、行きましょうか。何としても時間までに着かないとね」
上条「頼む!もうオリアナだけが頼りなんだ」
オリアナ「ふふっ、お姉さんに任せなさい」
上条「本当にありがとな、オリアナ」
オリアナ「感謝は無事に到着してからにして」ぎゅっ
上条「っ……わ、分かった//」
<なッ!?
<あ、と、当麻さん!!
オリアナ「…………」
オリアナ(あれで隠れてるつもりなのかしら?バレバレね)
オリアナ(……そうだ。面白いこと思いついちゃった♪)
上条「なぁオリアナ、何回も言ってるけど抱きつくの止めろって……」
オリアナ「ねぇ坊や、こっち向いて」
上条「?……こうk」
オリアナ「んっ」
ちゅっ
上条「むっ!」
オリアナ「ちゅ……れるっ……」
じゅるちゅぱれろちゅっ(以下自主規制
<あーーーーーーーーー!!!!!
<なんですとぉぉおお!!?
オリアナ「ちゅっ……ふふ♥」
上条「っはぁはぁ……もうなんなんだよお前はさっきからぁぁ!?」
オリアナ「言ったでしょ。料金の代わりに坊やの唇を頂くって」
上条「それならさっき――!」
オリアナ「あら、一回で済むと思ってたの?」
上条「なん……ですと……?」
オリアナ「生憎、お姉さんそんなに安い女じゃないの」
上条「じゃあ、あとどれくらいで完済なのでしょう……?」
オリアナ「そうね―――」
オリアナ「一万回くらい?」ばぼーん
上条「そんなに!!??」
オリアナ「これでも普段より大分安くしてるんだけど」
上条「どんだけ時間かかるんだ!?後で何でもするから勘弁してくれ!!」
<うがああああああ!!!!
どごぉぉぉおおおおおおおんん!!!!!
上条「なんだ!?」
神裂「当麻ーー!!何をしているんですかあなたはァァ!!」
五和「そうですよ!そんなうらy……うらやましいこと!!」
上条「神裂に五和!?」
オリアナ「……ふふ、我慢の出来ない子達ね」
上条「は?それどういう意味……」
オリアナ「どうもこうも、そういう意味。さ、こっちよ」ぐいっ
上条「うぐっ」
神裂「待ちなさいオリアナ!!」
五和「そうですよ!当麻さんを解放してください!!」
ルチア「あ、あぁ私はどうすれば……///」
シェリー「追うに決まってるだろうが。このムッツリシスター」
オルソラ「ふふふふ、当麻さーん。怒らないのでこっちへ来るのでございますよー」
上条「ルチアまで!?おまけにシェリーにオルソラに……どうなってんだ……?」
オリアナ「さぁ、どうなってるのかなぁ……カーブにご注意!」ぐいっ
上条「は?カーブぅべっ!?」ぐっ
五和「あぁぁ、当麻さんが拉致されました!!」ぐぬぬ
神裂「なんということを……あの女……」ぎりぎり
ルチア「上条当麻は『色欲』の大罪に囚われています……まったく、もうまったく///」
シェリー「お前もな……はぁ、いい年こいた奴らが揃いも揃って追いかけっことはね」
オルソラ「ふふふ……当麻さんもオリアナさんもこっちへいらっしゃい」にこにこ
シェリー「……だから目が笑ってないわよ」
だだだだだだだだ
……………………
浦上「大丈夫?無理しないでね」
アンジェレネ「はぅ……あ、ありがとうございます。すみません、ご迷惑おかけして……」
浦上「い、いいのいいの!困ったときはお互い様だから」
浦上「対馬さーん!アンジェレネちゃん何とか意識が……」
リュック「…………」
しーーーーーーーーん
浦上「………あれ?」
たったったった
オリアナ(近くに停めておいて良かった。なんとか追いつかれる前に発車出来そう)
オリアナ「さ、坊や。あの車に――」
上条「……まさか初めからいたのか……いや、それじゃ何のために……」ぶつぶつ
オリアナ「……仕方ないなぁ」
オリアナ「ほら、口閉じてないと舌噛んじゃうわよ!それっ!」ぶんっ
上条「待て待て、もしかしたら偶然……うおっ――!?」ひゅんっ
どぐしゃっ
上条「ぐっほ!!」
オリアナ「よっと」さっ
上条「いってぇ……ん?なんで車……」
オリアナ「さぁ、お姉さん久しぶりにフルスロットルで飛ばしちゃうぞ、っと♪」
上条「フルスロットル?……あ、そうか。この車オリアナn」
オリアナ「激しくいくから、振り落とされないようにして…ね!!」ぎゃるーん
がちっ
Brrrrrrrrr!!!!!
上条「っ!!」
オリアナ「坊やとのドライブデートへ、レッツゴー♪」
ここまでで。続きから次スレに移ります
スレタイですが、多数決で決めるつもりなのでこの勢いだと恐らくアンジェレネになるかと
それでは
このSSまとめへのコメント
期待っ!!
上条モテモテハーレム最高‼(≧∇≦)
対馬さんガンバッ!!
面白いんだけど話がなかなか進まなくてちょっと苛々するな