【安価】勇者カミジョーの冒険 (20)

早速デスガ、安価ヲ執リマス

直下、勇者ノ性別ヲ決メテクダサイ(両性、無し、ナドモ可能デス)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481407144

デハ次ニ、幻想殺しノ有無ヲ決定シテクダサイ

デハ、『上条当麻の内側に潜む、正体不明の力』ノ有無ヲ決定シテクダサイ(原作にある、竜の首や、それとはまた別の何かのこと)

アリガトウゴザイマス



上条当麻

性別:男

年齢:15(原作準拠)

種族:人間

幻想殺し:無し(魔法の習得、使用が可能になりました)

謎の力:有り

??「あー、おほん。

   やぁ上条当麻。初めまして。いきなりだけど、君にはこれから我々の世界を救う勇者となってもらう!!

   というのも、サクッと経緯を話すとだね。

   魔王が現れて世界が大ピンチ!極悪非道、暴虐の限りを尽くす奴を倒そうにも魔王はとにかく強すぎて、

   現世の人達だけじゃどうにもならねえ、よっしゃこういう時こそ神頼みじゃー!と人々が一斉に祈りだしやがったんで、

   突っぱねるわけにもいかない神様同士が額突き合わせてゲームしたりお菓子作りしたり女子力磨いたりしながら真剣に話し合った結果、

   勇者を選定して加護なり何なり与えて見守りつつ世界を平和に導かせようとなったのはいいものの、

   肝心のその勇者に見合う者が一人もいねぇときたもんだ。

   んじゃどうすんのよって、また神様同士で額突き合わせようとしたんだけどみんな面倒くさがっちゃってさ。

   今度は天使ちゃん達に丸投げしちゃいましたテヘペロで解決策を考えてもらったんだけど、意外とけっこー面白い案が出てね。

   いやまぁ頭のお堅い一部の神はカンカンだったし、無理かなーと思ったらまさかの賛成多数で天使ちゃん達の案が通ったわけだよ。

   内容は『この世界に適当な人材がいないのであれば、他所様の世界から拝借しよう』って感じで、つまり引き抜きだね。スカウト?

   最寄りの世界から色々物色させてもらったら、君がヒットした。……のはいいんだけど、ここでちっと問題発生。

   引き抜きはいいけど、世界間を移させるにあたって、予測の出来ない事態が『君に』発生すると先方に警告されちゃって。

   あ、先方ってのは君の元いた世界の神様連中のことね。で、こっちも他を探し直す時間もなかったり面倒くさかったりで。

   この際リスクには目を瞑ろう!と君を異世界転生させたわけなんですよー。

   そ・し・た・ら・さ!はい起こりました予測の出来ない事態が君に!言わずもがな分かってるよね自分がどうなっちゃったか。

そうさ、幻想殺しの消失さ!私らにはアレの正体もよく解っちゃいなかったけど、でもあの異能無効化は惜しかったよなぁ。

   まっ無くなったもんはしょうがないし?切り替えって大事じゃん。

   君には特別な右手がなくとも勇者として頑張ってもらわなくちゃならないんだ。ごめんねー。

   とはいえ幻想殺しが無くなったからこそ得られる恩恵もあるんだぜ?

   我ら神々からの加護、勇者としての力、魔法等の習得、これらは幻想殺しを前提とする以上私達も諦めてたからね。

   総合的に見て実はプラマイの差は大したことないんだ。だから安心して冒険してちょーだい!以上!

   ……っと危ない、言い忘れるとこだった。転生する形として、君の人生はこの世界で再び一から始まるものとなるんだ。

   赤ん坊からやり直し。記憶の継承とか出来ない。これもごめんねー。

   今度こそ以上、説明終了っ!いやー、ちと時間かかっちゃったな。確かそろそろ…あぁやっべぇカナミン始まっちゃうよ行かなきゃ!?

   じゃあ上条ちゃん、色々頑張って!諦めないで!神様はいつも君を見守っているから、運命は君を導くからねーーーーーーーーーーー!!」

東の国『日ノ本』

辺境の名もなき村



上条「……………………なんか、不快な夢を見た気がする」

少年の目覚めはあまりよろしくなかった

起床時間はいつも通りなのだが、ロクでもない夢を見たようで単純に機嫌が悪いのだ

上条「ツッコミどころ満載で、話も一方的且つ理不尽で、あと取り敢えず雰囲気がムカつく……そんな感じの……」

どうせ夢なのだし、無理に思い出して余計にイライラするならやめればいいものを、不毛である

しかし、それも長くは続かない。「にゃぁ」と一鳴き、布団の中でモゾモゾする生き物が少年の気を引いた

上条「おはよう、スフィンクス」

頭を軽く持ち上げ、布団を少し捲ると目が合った

一見ただの子猫だが、違う。ドレッドノートキャットと呼ばれる立派な魔物だ

諸事情あって上条と共に暮らしている古き友。言い方は悪いが、『平和ボケ』している村人のおかげで問題にならずに済んでいる

上条「…朝飯、作るか」

もふもふに癒され、夢のことも頭から抜けて、いつも通りの日常を送り始める上条であった

朝食を済ませ、家を出た

村の中心は広場のようになっていて、掲示板がある

月に一度この掲示板に『新聞』が貼られるので、上条はそれを見に来ていた

上条「各地で魔物の襲撃相次ぐ……物流にも支障……皇都の治安は悪化の一途……」

この『新聞』は皇都で発行され、飛脚と呼ばれる人が持ってきてくれている

飛脚は基本的に己の足のみで依頼地へ荷を運ぶ仕事であり、陸路がある限り、余程の遠回りだと判断しなければ乗り物は使わない

辺境の村であるにも関わらず、記載されている発行日と届いた今日の日付が五日しかズレていないのはいつ見ても驚きだ

都とこの村とでは、馬を使っても一週間以上かかる距離があるのだから

上条「謎の流行り病……死者こそまだ出ていないが、原因、治療法不明……」

どうやら悪い報せばかりのようだ。上条の表情も暗くなる

上条「しわくちゃの爺さんぐらいしか医者『的』なのがいないこの村で、謎の流行り病は怖すぎるな……」

一通り読み終えて、ふと横の張り紙に目が行く

上条「ん、なんだ?珍しいな、魔物の討伐依頼書じゃないか」

その内容に、目を疑った

上条「……なんだ、これ」


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃     討 伐 依 頼                               ┃
┃                                           ┃
┃ランク:A                                      ┃
┃                                           ┃
┃依頼者:ルノゥ・ソールマディ                             ┃
┃                                           ┃
┃討伐対象:オーガ(複数)                               ┃
┃                                           ┃
┃依頼内容:この依頼は定員を設けておりません。こちらの指定する期日までに、依頼主である私┃
┃                                           ┃
┃     のところまで来ていただき、依頼を受諾していただいた方全員で討伐に当たってもら┃
┃                                           ┃
┃     います。詳細は受諾していただいた方にのみお伝えしますが、敵はあの凶悪なオーガ┃
┃                                           ┃
┃     が複数、群れを成しています。国の一個小隊でやっとの相手と想定されますので、腕┃
┃                                           ┃
┃     に自信のあるなしに関わらず、まず覚悟のあることを条件とさせていただきます。途┃
┃                                           ┃
┃     中、逃亡するのは構いませんが、その場合報酬は無し。ご注意ください。     ┃
┃                                           ┃
┃                                           ┃
┃報酬:金貨三十枚(依頼達成時点での依頼受諾者数、及び討伐貢献度に応じ分配)      ┃
┃                                           ┃
┃指定期日:六月十七日迄                                ┃
┃                                           ┃
┃依頼者所在:ソールマディ港                              ┃
┃                                           ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

ありゃ、ミスりました




討 伐 依 頼

ランク:A

依頼者:ルノゥ・ソールマディ

討伐対象:オーガ(複数)

依頼内容:

この依頼は定員を設けておりません。こちらの指定する期日までに、依頼主である私のところまで来ていただき、

依頼を受諾していただいた方全員で討伐に当たってもらいます。詳細は受諾していただいた方にのみお伝えしますが、

敵はあの凶悪なオーガが複数、群れを成しています。国の一個小隊でやっとの相手と想定されますので、

腕に自信のあるなしに関わらず、まず覚悟のあることを条件とさせていただきます。

途中、逃亡するのは構いませんが、その場合報酬は無し。ご注意ください。


報酬:金貨五十枚(依頼達成時点での依頼受諾者数、及び討伐貢献度に応じ分配)

指定期日:六月十七日迄

依頼者所在:ソールマディ村

上条「き、金貨?さっ、ささ、さんじゅうまいぃ……っ!?」

討伐対象のヤバさなどそっちのけ

何よりも目を引くその報酬こそ、上条の度肝を抜いた

上条「おいおっちゃん!!あんたのとこで売ってるパンはいくらだ!?」

金貨という、自分には一生縁のないであろう鋳貨に混乱する頭は比較対象を求めて

村唯一の飯屋を営むおっちゃん、飯田米幸(はんだ よねゆき)に問う

飯田「なんだぁいきなり。うちはパン一つ、銅貨五枚だ」

上条「水は!コップ一杯の飲み水はいくらだ!?」

飯田「銅貨三枚」

上条「肉一切れはいくらだぁ!!」

飯田「一切れにつき銅貨七枚だよ!」

上条「これら合せて一食おいくらあ!?」

飯田「銅貨十五枚ィ!三食なら四十五枚だあ!!」

上条「あんがとよ!」

飯田「結局なんなんだよ!珍しく食ってくのか!?」

上条「んなカネあるか!うちは今日も狩りだ!」

飯田「なら訊くんじゃねえ!」

この世界の通貨は銅貨、銀貨、金貨の三つを共通通貨としており、どの国も独自通貨を使用することを条約によって禁止している

銅貨百枚が銀貨一枚に相当し、銀貨百枚が金貨一枚に相当

飯田のおっちゃんの店での設定価格は一般価格であり、食材もまともなものを扱っているので問題ないため、十分基準として考えられるだろう

一食をパンと水と肉で銅貨十五枚

一日三食満足に食べるとして、銅貨四十五枚

これが一ヵ月なら、銅貨千三百五十枚

銀貨十三枚と銅貨五十枚に相当する

上条「金貨一枚あれば、七ヵ月は食い物に困らないでお釣りがくる……それが、三十枚だとおおおおおお………っっ!!!」

上条は食料を自力で調達する派なのであまりお金のやりくりを考えなくていい生活をしているのだが

それは別にお金がいらないということではない。むしろ欲しい。欲しくないわけがない

お金がないからお金のかからない生活をしているのだから。お金があれば苦労も減るのだ

上条「……それに、夢だって叶うかもしれない」

そう、夢

上条当麻には、密かな夢がある

どう頑張ってもお金のかかる夢だ、そして必要なお金はどう頑張っても集められない。その余裕がない

上条「オーガっていうのがどれだけ危険な魔物かは噂程度でも十分わかる。俺なんかじゃ勝てっこないだろう」

しかし勝算はないこともなかった

上条「………………なぁ、スフィンクスさんや。一つ頼みがあるんじゃが……」

少年の頭の上を特等席とし、微睡んでいた子猫は呆れたような眼を向ける

上条「頼むよー、お前が一緒なら死なない程度には戦えると思うんだ。この討伐貢献度ってやつの判定具合が微妙だけど……」

スフィンクス「ニャ…ニャァ~ォア……?」

頭に乗せた猫と揉める男を飯田のおっちゃんが冷ややかな眼で眺めていた

訂正>>14

報酬:金貨五十枚 → 報酬:金貨三十枚

依頼者所在:ソールマディ村 → 依頼者所在:ソールマディ港

相棒との交渉は難航した

上条は一旦諦めて、今日一日、これからの予定を考える

上条「うーん、今朝ので食料の備蓄も尽きたからなぁ。狩りは当然として、他にどうするかな」



安価直下

1、先に狩りを済ませる

2、村を散歩

3、村の外を散歩

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