やえ「阿知賀と」灼「晩成と」穏乃「壮行試合?」 (45)

咲-Saki-シリーズのssです
阿知賀女子と晩成高校の壮行試合の話になります
以前小走先輩が阿知賀勢に壮行試合を持ちかける話を書かせて頂きましたが、その続きのような形になります

闘牌描写はほぼありません(鳴き、和了宣言程度の予定です)。すいません

以上です。始めます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404394528

穏乃「晩成が、壮行試合を!?」



灼「うん。とりあえず皆に聞いてからってことで返事は保留してるけど……」



玄「あの晩成高校が……いったいどうしたんだろうね」



憧「うーん……でもラッキーじゃない?本当だったらこっちからお願いしないといけない相手だからね」



宥「うぅ……」フルフル



穏乃「……やろう!やりましょう!」



灼「うん。私も受けた方が良いとおも……」



憧「だよねー」



玄「大会に向けてますますいい経験になるねっ!」



穏乃「……うおおぉっ、燃えてきたあああ!」



灼「ハルちゃんにもあとで聞いてみる……」


晴絵「壮行試合?」



灼「そう。晩成から申し込まれた……」



晴絵「ほう……」



灼「こちらとしてはありがたい話だとおも……」



晴絵「うん。それは確かに」



晴絵(今のスケジュールで全国に向けての仕上がりは充分とは思っているけど、より試合が出来るならそれに越したことは無い。ましてや相手は晩成高校……)



晴絵(これは、願ってもない機会だな)ニヤリ



晴絵「私は受けることに賛成。ただ、その日は教師の会議があるから出られないかも知れないんだ。もしそうなったら……」



晴絵「その時は灼、よろしくね」



灼「う、うん……」



晴絵「……県大会初戦のことは覚えてる?」



灼「うん。勝ちはしたけど、ギリギリだった……」



晴絵「そう」コクッ



晴絵「正直言って、晩成に対して勝てるビジョン自体はあった。だけど、終わってみれば薄氷の勝利だった」



晴絵「私の時もそうだったけど、やっぱりあそこは奈良の代表として必勝が義務付けられているからね。他とは少し違うわけ」



灼「……」



晴絵「そんなところともう一度手合わせ願えるというのは、こちらにとって大きなチャンス」



晴絵「全国に向けて最高の調整にしなきゃだな」ニコッ



灼「……はい!」

やえ「……」



良子「やえ」チャッ



やえ「どしたー」



良子「どうだ。その後連絡はあるか」



やえ「いや、まだ。向こうもいろいろ日程が詰まってるらしいから」



良子「そうか。ならこっちは待つしかないな」



やえ「うん……」



良子「とりあえず、ちゃんと誘えて良かったな」ニヤリ



やえ「と、当然よ……」



紀子「その割には動揺が見えたがな」



やえ「なっ……!」カァァァ



良子「よう紀子」



紀子「うむ」



紀子「壮行試合というからには、我々もそれなりに仕上げねばなるまい。今日も真剣に取り組んで行くぞ」



良子「お、おう。それはもちろん当然だが……しかし意外だな。紀子がここまでやる気とは」



日菜「まあねー」ヒョイッ



良子「日菜。相変わらず神出鬼没だな……」



日菜「まあまあー」



日菜「のりちゃんも、やっぱりリベンジしたい気持ちがあるのよー」



紀子「……ま、まあ、そういうことだ」

日菜「それはもちろんゆかちゃんも」



日菜「そしてやえちゃんも」



やえ「……」



日菜「そしてもちろん、わたしもね♪」



日菜「それだけに、みんな気合いが入っているのはとうぜんよー」



良子「……まあ、そうだな」



良子「そうなりゃいっちょ、気合い入れてやるか」スッ



紀子「うむ。その意気だ」



良子「まあ安心してくれ。もちろん俺も例に漏れず、モチベーションは高いからな」



やえ「……よし。始めよう」




由華「お疲れ様です」ガチャッ



由華「……」ハッ







やえ「……」パシッ



良子「……」ピシッ



日菜「……リーチ♪」チャッ



良子「むっ」



紀子「!」



やえ「……ほう」



ピシッ



パシッ






由華「……」



由華(先輩達、みんなやる気だ……)



由華(……ふふっ)

灼「うん……うん……」



灼「……わかった」



灼「……」ピッ



玄「……もしかして、赤土さん?」



灼「……うん」



灼「ハルちゃん、やっぱり壮行試合は出られないって……」



穏乃「そうですか……でも、先生の仕事なら仕方ないですね!」



玄「わたしたちだけでもいい試合ができるようにがんばろう!」



穏乃「会場は、晩成高校なんですよね?」



灼「うん。ちょうどさっき正式に返事したところ」



宥「決まったんだ……」フルフル



穏乃「差し入れとか持っていったほうがいいのかな!?お菓子とか!」



憧「いらないでしょ。学校の中でやるんだし」ビシッ



玄「でも、お菓子パーティーしながらでも楽しそうだね」パァァァ



憧「ちょっとちょっと、遊びに行くんじゃないんだから……」



灼「あと、明日は駅に迎えに来てくれるらしい」



穏乃「じゃあ、駅に集合ですね!」



灼「そうだね」



憧「遅れないようにしないと……」



穏乃「よーし、テンション上がってきたあぁ!」

やえ「……はい。はい。どうもありがとう」



やえ「……」ピッ



やえ「ふう」



良子「阿知賀か?」



やえ「そう。正式に試合の了承を貰ったわ」



良子「そうか。よし、いっちょうもんでやるか」



やえ「うん」



やえ「日菜、紀子、由華。ちょっと」



由華「はい」ササッ



紀子「……ん」



日菜「どうしたのー?」



やえ「今、阿知賀の部長から試合について了承の連絡を貰ったわ。なので明日、阿知賀と試合をします」



日菜「おーっ」



紀子「……よし」



由華「いよいよですね」



やえ「明日は私が阿知賀のメンバーを駅まで迎えに行くから、皆は準備をしていて欲しい」



日菜「りょうかーい」



良子「まあ準備といっても特にすることもないけどな」



日菜「そうでもないわよー。おもてなしの心は大事なんだからー」



良子「そんなもんかねえ……」



やえ「そういうことで、よろしく」



良子「了解」



紀子「うむ」



日菜「おっけーい♪」



由華「……はいっ!」

すいません、今日はこれで止めます
続きは明日以降書きます

灼「……」



玄「おまたせーっ」タタタッ



宥「お、おはよう……」タタッ



灼「まずふたり……」



玄「ごめんね、遅くなっちゃったかも」アセアセ



灼「ううん。穏乃も憧もまだ来てないよ」



灼「……って、ほんとにお菓子もってきた……」



玄「うん。おねーちゃんと相談してね。お世話になるんだし、やっぱり形だけでもしたほうがいいと思ったんだあ」



宥「うん……」フルフル



灼「そう……まあ、何も準備してなかったからたすかる……」



憧「ごっめーん遅れちゃったー!」スタタタ



灼「憧……」



憧「とうちゃく……っと」スタッ



憧「あれ、最後かと思ったけど最後じゃない」



灼「うん。穏乃がまだ……」



憧「ありゃりゃ。それならこんなに急ぐことなかったかー」



玄「しずちゃん、だいじょうぶかな……」



憧「しずのことだから寝坊とかないと思うけど、一応電話したほうがいいかな」サッ



宥「あっ……あれ」



憧「ん?」



灼「あれは……」



玄「しずちゃん……!」





穏乃「遅刻だーーーっ!」ドドドドドド



穏乃「とうちゃく!」キキーッ



玄「おはよう」ニコッ



穏乃「すいません!差し入れ選んでたら遅くなっちゃって……」



穏乃「……って、玄さんも買ってたんですか?」



玄「うんっ」



宥「おかし、いっぱいになっちゃったね……」



穏乃「大丈夫です!お菓子はみんな好きなはずですから!」



憧「強気だなあ」



灼「とにかく、これで揃った……」

穏乃「ここで待っていればいいんですね?」



灼「うん。そろそろ来る頃だとおも……」



穏乃「晩成高校ってどんなところなんだろう」ワクワク



宥「校舎、きれいだといいね……」



玄「憧ちゃんは晩成高校、見学とか行かなかったの?」



憧「行こうと思ってたけど、そのあとすぐ阿知賀に決めたから結局行ってない」



玄「それじゃあみんな初上陸だね」



穏乃「きっとおしゃれなティーカップとかあるんだろうなー」



憧「家政婦がいたりね」



玄「上流階級だね♪」



灼「高校だってことわすれてる……」



灼「……あっ」

やえ「」スタスタスタ



やえ「おまたせ」ザッ



憧(来たか)



宥「あわわ……」フルフル



灼「どうも……」



やえ「待たせてしまってごめんなさい。それじゃあ行きましょうか」



灼「はい」



穏乃「今日はよろしくお願いします!」



玄「お願いしますっ」ペコッ



やえ「こちらこそ」

やえ「……」スタスタ



灼「……」スタスタ



穏乃「な、なんか重苦しい雰囲気……」



憧「しず、なんか喋ってよ」



穏乃「ええ、無茶ぶりだなあ……」



やえ「……」スタスタスタ



玄「あのっ!」



やえ「?」



玄「団体戦はありがとうございましたっ」ペコッ



やえ「いや、こちらこそ」



玄「すごく勉強になりました!晩成高校の先鋒はさすがにレベルが高かったです」



やえ「ふふっ、ご謙遜を」



やえ「私があの場で稼ぐのにどれほど苦労したか……」フフッ



玄「いえ、こっちも少しも気を抜けなかったです!」



ワイワイ



穏乃「さすが玄さん……」



憧「うん。物怖じしないよね」



穏乃「それにしても……」



穏乃「小走さんって、普通に喋ってくれるんだ」



憧「確かに。もっとお堅い感じかと思った」



灼「意外……」



宥「うぅ……」



スタスタスタスタ



やえ「さて……」



やえ「着いたわ」ザッ

穏乃「おおぉ……」



灼「ここが……」



玄「晩成高校……」



やえ「雀卓のある部屋はこっち。ついてきて」サッ



灼「はい」サッ



穏乃「よーし……」



宥「……」スタスタ



…………

……





穏乃「なんというか、割りと普通……」



憧「そりゃあ高校だからね。そんなに違いがあったらおかしいわよ」



穏乃「えーっ、さっきはのってたくせにー」



玄「家政婦さんもいないね」フフッ



宥「……」ドキドキ



灼「……」



やえ「……」スタスタスタ



やえ「」ピタッ



やえ「着いたわ。この部屋」ガチャッ



穏乃「……」ゴクッ

良子「おっ、来たか」



紀子「……」



日菜「ようこそー」



由華「……」キッ





宥「……」フルフル



憧「晩成のレギュラー陣……」



灼「……」



玄「……」ゴクッ





やえ「ふぅ」



やえ「改めて、ようこそ晩成高校へ」



やえ「今日は私達の呼び掛けに応えてくれてありがとう。団体戦のメンバー5名で相手をさせて頂きます」



良子「今日は宜しくな。前回のようにはいかないから覚悟するように」



紀子「……」



由華「宜しくお願いします」



穏乃「……こちらこそ、よろしくお願いします!」



玄「よろしくお願いしますっ!」



灼「わざわざ時間をつくってくれて、ありがとうございます……」



憧「やるからにはこっちも負ける気はありませんからね!」



宥「うぅ……」フルフル

日菜「まあまあー。お菓子も用意したから、適度にリラックスしてやりましょうー」



穏乃「ほんとだ、お菓子いっぱい」



憧「すいません。わざわざ……」



玄「わたしたちも差し入れ、持ってきましたっ!」サッ



日菜「あらー」



良子「これは合わせると凄い量だな……」



日菜「お菓子パーティーねー」フフッ



玄「ふふっ、そうですね♪」



憧「結局そうなったか……」



宥「ほんとにお菓子はみんな好きだったね……」フフッ



やえ「さて」



やえ「早速だけど、始めていきましょうか」



やえ「我々から2名ずつ、そちらから2名ずつ出して、ローテーションしていく方式で良い?」



灼「はい」



やえ「よし。では始めましょう。こっちからはまず私と……」



やえ「……由華、いける?」



由華「はいっ!」



灼「こっちは私と……まずは玄」



玄「うんっ!」フンッ




日菜「観戦組はお菓子をつまみながら待機しておきましょうー」



日菜「どうぞどうぞー」ササッ



穏乃「あ、ありがとうございますっ」



良子「さて……」



宥「……」ゴクッ

やえ「……」チャッ



由華「……」パシッ



灼「……」ピシッ



玄「……」チャッ






良子「うおっ」



紀子「むう……」



良子「あいかわらずエグいな、この順目でもうドラ5かよ……」



日菜「そうねー」



日菜「……でも」






玄(よしっ……!)ピシッ



やえ「ロン」



玄「!」ビクッ






穏乃「……!」



宥「そんな……」



憧「あの待ち……まさか、狙い打たれた?」



玄「うぅ……」ジャラッ



やえ「……」



やえ(これは私達のリベンジも兼ねている……)



やえ(そうそう簡単には、打たせてやらない!)キッ



由華(やえ先輩……)






穏乃「すごい……やっぱり、個人戦1位は伊達じゃない……」



穏乃(……うーっ)



穏乃(私も)



穏乃(私も、早く打ちたいっ!)ウズウズ

すいません、今日はここで止めます
続きは明日以降書きます



穏乃「よろしくお願いします!」



憧「宜しくお願いします!」



良子「おう、よろしく」



紀子「……」



穏乃「……」チャッ






やえ(ん……?)



やえ(あのマメ……)



やえ(どうやら、全国が決まってからも相当打ってきたらしいね)フフッ





穏乃「ツモ!」



紀子「!」



良子「ほう……やるじゃないか」



憧(先に和了られた……)



憧(……次は私も!)



…………

……




灼「皆さん、今日はありがとうございました」



阿知賀一同「ありがとうございましたっ!」



やえ「いえ、こちらこそ。大会まで日がないのに受けてくれてありがとう」



良子「楽しかったぜ」



日菜「みんな、やっぱり強いわねー」



穏乃「いえ、晩成の皆さんも、ほんとに強かったです!」



憧「今日でまたひとつレベルが上がった気がするよねー」



玄「そうだねっ」



宥「お菓子もぜんぶなくなっちゃったね……」



憧「しずが食べ過ぎなのよ」



穏乃「えーっ、みんなそうだったじゃんかー」ムクーッ



玄「じ、実はわたしもちょっと食べ過ぎちゃったかも……」モジモジ



灼「……わたしも」ボソッ



憧「ま、まあ確かにあたしもけっこう食べたかもしれないけど」



穏乃「うーっ……」



穏乃「おなかすいたーっ!」ガバッ



玄「うわっ」ビクッ



憧「い、今お菓子食べ過ぎたって言ったばかりじゃない!」



灼「別腹……?」



穏乃「ファミレス行きたい!ファミレス!」



宥「うぅ……」

ワイワイ





良子「賑やかな連中だな……」



由華「そ、そうですね ……」



穏乃「あのっ!」ザッ



良子「ん?」



穏乃「私達これからファミレスに行こうと思うんですけど、皆さんもどうですか?」



良子「ほう、誘ってくれるのか。そいつは嬉しいね」



良子「行けるメンバーは行っても良いかと思うが……やえ。どうする」



やえ「……」



やえ「……行きましょうか」



日菜「わたしもだいじょうぶー」



紀子「……」コクッ



由華「行きましょう」



良子「決まりだな」



良子「俺らも行くぜ。よろしく」



穏乃「ありがとうございます!」



玄「うれしいねー」

イラッシャイマセー



玄「席あいててよかったね」



憧「そうだね」



良子「ここには良く来るのか?」



憧「いえ、だいたいしずの思いつきで……」



穏乃「えへへ……」



玄「晩成の皆さんは練習後に集まったりするんですか?」



良子「うーん、翌日の課題をやらないといけないからだいたいすぐ帰るな」



穏乃「うっわ、さすが偏差値70……」



良子「行ったとしても、せいぜいコンビニに寄る程度だな」



やえ「良子は限定味のコーラが好きでね。この前アボカド味のコーラが出た時に付き合われたんだけどあれはひどかったわ」



憧「あれですか。あたしもあれはあまり……」



良子「俺は旨いと思うんだけどな……」



灼「わたしは割りといけるとおも……」ボソッ



憧「うそっ!ありえない!」ガタッ



灼「えっ、そんなに……?」



良子「やっぱり否定されるのか……」



やえ「当然よ」



良子「ぐっ……」



良子「まあしかし、分かりあえる人間がいて良かったぜ。さすがは阿知賀の部長さんだな」ニヤリ



灼「い、いや……」

日菜「阿知賀のみなさんは練習後はよく集まるのー?」



憧「うーん、最近は練習がキツくてすぐ帰っちゃいますね」



穏乃「ほんとは遊んだりしたいけどねー」



玄「うちには鬼教官がいるからねー」フフッ



やえ「……ふたりは大会前にスーパーで見たわ」



穏乃「えっ」



憧「……あっ」



憧「もしかして、初瀬と会った日……」



やえ「ん……」



日菜「初瀬ってもしかして、岡橋さんのことかなー」



やえ「岡橋とは知り合い?」



憧「ええ。阿太中時代のチームメイトだったんです!」



やえ「そうだったの……」



憧「当時はあたしも晩成に進学する予定だったんですけど、阿知賀に来ちゃいました」テヘッ



良子「そうだったのか。晩成に来てくれればお前さんの腕なら充分戦力になったのに」



憧「いえ。仮に晩成に進学しててもここまで上達してないと思います」



憧「今の環境だからここまでやれているかなーって」テヘッ



良子「そうか……」



穏乃「憧……」

やえ「スーパーで見かけた時、高鴨さんの手からどれだけ練習しているのか分かった」



穏乃「……!」



やえ「確かに、飛躍的に成長していける環境なんでしょうね。阿知賀は」



穏乃「……みんなのおかげです」



穏乃「みんなが集まってくれたから、こうして強くなれてるんです!」



憧「……うん」



由華「新子さんは、どうして阿知賀に……?」



憧「昔の仲間と全国で戦いたい。それだけです」



玄「今はそれが叶うところに来れてうれしいです!」

穏乃「……それに、全国には友達がやって来るんです」



穏乃「その友達と、遊ぶんです!みんなで!全国の舞台で!」



良子「ほお……」



紀子「……」



日菜「なんだかすてきねー」



由華「……」



やえ「……」



やえ「……仲間と、遊ぶ?」



穏乃「……?」



やえ「……」フルフル



やえ「ふざけないで!」ガタッ



穏乃「!」ビクッ



由華「……!」



やえ「そんな……そんな目的で全国に行こうっていうの?」



やえ「敗退した人間がいったいどれほどの気持ちで戦っていたか……!」



日菜「やえちゃん、おちついて……!」



やえ「……!」ハッ



やえ「……ごめんなさい。悪かった」



穏乃「い、いえ……」



阿知賀一同「……」



晩成一同「……」

アリガトウゴザイマシター



良子「今日はありがとうな。インターハイ頑張れよ、応援してるから」



灼「こちらこそ、ありがとうございました」



玄「がんばりますっ!」



良子「ああ。じゃあ、また」



阿知賀一同「ありがとうございました!」



スタスタスタ



穏乃「……」



憧「……」



玄「小走さん、怒ってたね……」



宥「……」



灼「……しゃくにさわったのかも」



穏乃「……」



憧「まあしょうがないよ。言葉のあやってやつでしょ」



穏乃「うん……」




スタスタスタスタ



由華「あの」



穏乃「!」ハッ



憧「巽さん……?」

由華「……」



由華「先程は、すいませんでした」



憧「い、いえそんな、こちらこそ……」アセアセ



由華「……」



由華「やえ先輩は、三年生になる前から晩成高校の主力として戦ってきました」



由華「そしてあの県予選は部長として臨んだ最後の試合」



憧「……」



由華「私達は晩成高校で麻雀を打つことに対して誇りを持っています。その中でも、やえ先輩はその思いが一際強い」



由華「やえ先輩は晩成高校の歴史の重さを背負って戦っていました。この大会にかける思いは誰より強かった」



由華「それだけにどうしても、敗退したことへの悔しさは残っているんです」



灼「……」



宥「……」



由華「皆さんは少しも悪くありません。ただ、やえ先輩がどういう思いで大会に臨んでいたかだけは知っておいて貰わないといけないと思って……」



由華「……すいませんでした」



玄「……」



憧「……」



穏乃「……」

穏乃「……」


穏乃「……伝えなきゃ!」バッ



宥「!」ビクッ



穏乃「小走さんに伝えなきゃ!私たちの思いを!」

穏乃「行ってくる!」ダダダダダ



憧「ちょ、ちょっとしず……!」



玄「……いっちゃった」



灼「……すいません。わざわざ」



由華「い、いえ……こちらこそなんだかすいません」



由華「そ、それに、やえ先輩が皆さんのことを考えてたのは本当です。壮行試合を提案したのは私ですけど、皆さんに何かしてあげたいと思ってたのはやえ先輩ですし……」



灼「そうなんですね……」



由華「ええ。だから皆さんを一番応援したいと思ってるのもまたやえ先輩なんです……」


宥「……それは嬉しい」



宥「巽さんは小走さんのことが大事なんだね」



由華「!」ドキッ



由華「い、いえ、大事というかなんというか……」アセアセ



宥「なんとなく伝わってきたよ」



宥「それに、小走さんが私たちをどれだけ思ってくれてたかもわかった……」



灼「……」



玄「……うんっ」



宥「穏乃ちゃんにもきっと伝わっているはず。だからもう大丈夫……」



憧「……そうだね」

やえ「……」スタスタ



ダダダダダ



穏乃「小走さん!」キキーッ



やえ「!」ビクッ



やえ「び、びっくりした……どうしたの、いったい」ドキドキ



穏乃「全部、聞きました……」ゼェゼェ



穏乃「小走さんがどんな気持ちで大会に参加していたか……どんな気持ちで麻雀をしてきたか」



やえ「えっ」



穏乃「巽さんが教えてくれました。小走さんのことを、私たちのことを想ってくれて」



やえ「由華が……」



穏乃「私たちは昔の友達と遊ぶために全国に行きます」



穏乃「遊ぶって言い方、確かに軽く聞こえるかも知れません。でも私たちにとってそれは本当に大事なことと言うか……」



穏乃「……」キッ



穏乃「……かけがえないことなんです!絶対やらなきゃいけないことなんです!」



やえ「!」



穏乃「それに……小走さんが背負ってたものの重さも分かったから」



穏乃「私たちが戦います!小走さんの想いの分まで!」



やえ「……!」



穏乃「だから……今回はありがとうございました!気にさわるようなこと言ってごめんなさい!」バッ



やえ「……」



やえ「……べ、別に私の分まで戦ってくれなくてもいいわよ。私には個人戦があるから」



穏乃「小走さん……」



やえ「私はそこで全部ぶつけるから、だからあんた達は……」



やえ「……」



やえ「あんた達は……」ジワッ



穏乃「……!」ハッ



やえ「……勝ちなさいよ!どこまでも勝ちなさいよ!半端なところで負けたら承知しないんだから!」



やえ「しょうち、しないんだから……」グズッ



穏乃「……」ジワッ



穏乃「……はいっ!ぜったいっ……!ぜったい勝ちますっ!」



穏乃「……ありがとうございましたっ!」バッ



…………

……

初瀬「頑張って、憧!」



憧「初瀬も!」



初瀬「うん、来年は私が勝つから!」



憧「上等!」




ブロロロロ





??「……」ガサガサ



??「……しかし」



良子「よかったのか?出ていかなくて」



やえ「うん。岡橋もいたし」



紀子「……」



良子「しかしまあ、実際喋ってみると面白い連中だったな」



日菜「そうねー」



良子「やえも和解出来て良かったな」



やえ「わ、和解だなんてそんな……」



やえ「でも、あの時はみんな、ごめん」ペコッ



良子「良いってことだ。お前の気持ちは分かるからな」



紀子「うむ」



日菜「そういうことー♪」



やえ「ありがとう……それと」



やえ「由華、ありがとう」



由華「!」ドキッ



やえ「今回は由華のおかげ。本当に助けられたわ」



由華「私がしたいように行動しただけです……」



由華「……でも、良かったです」



日菜「ふふっ」



紀子「……うむ」

ブロロロロ



玄「小走さん達はいなかったね」



穏乃「そういえば出発の時間は伝えてなかった……!」ガーン



憧「でも初瀬がいたから知ることは出来たとは思うけど」



灼「たぶん恥ずかしがってるんだとおも……」



宥「そうかも……」フルフル



玄「でも、小走さんとちゃんと話せてよかったね。しずちゃん」



穏乃「はい。おかげでさらに燃えてます!」ゴォォォォ



憧「でもあの空気はどうなるかと思ったわーほんと」



宥「そうだねー……」



灼「団体戦が終わったらこっちが小走さんを応援する番……」



玄「そうだねっ」



憧「あの人には勝ってほしいね」



穏乃「うん!でもまずは……」



晴絵「……」コホン



晴絵「私達が、頑張らなきゃな!」



一同「はいっ!」



カンッ

やえ「さて、今日もみんなには付き合ってもらうわ」



良子「おっ、やる気だな」



やえ「啖呵を切った以上、無様な姿は見せられないから」



紀子「よし。やるぞ」



由華「出発まで日も残り僅かですからね。いっぱい打ちましょう!」



日菜「やえちゃん、簡単には勝たせないわよー♪」



やえ「うん……よろしく」キッ



良子「あと……」



良子「全国ではいきなり取り乱すことはやめてくれよ?」ニヤリ



やえ「とっ……とうぜんよ!」カァァァァ






もいっこ
カンッ

終了です
ありがとうございました

乙です
最近晩成SSが増えていて嬉しい
ただ今さらですが改行が多すぎるかなと思いました

やっぱ他のスレと比べて空行多いよな。
誰も突っ込まないからこっちの不具合かと思った。
特殊な効果を狙う場合以外は空行は1行でいい。
それ以上だと読みづらすぎる。

まあ乙。

>>43
>>44
ありがとうございます。
読みづらいんですね……申し訳ありません。参考にさせて頂きます。
こちらとしては、間隔が短いと読みづらいのではと感じていたため今回は多めに改行(3行)してみた、といういきさつです。
しかし、今後は控えていこうと思います。失礼しました。
読んで頂き、ありがとうございます。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom