やえ「王者の麻雀はエンターテイメントでなければならない!!」 (41)

奈良県予選第二回戦



玄「ツモ!!発ドラ3赤2で3000、6000です!!」100000⇒112000

モブ子「くっ…」100000⇒94000

モブ美「ううっ」100000⇒97000

やえ「ほう。この女、ドラを抱え込む力を持っているようだな」100000⇒97000

玄「な、なんでわかるのです!?」

やえ「貴様の能力などこの王者にはお見通しだ!!」

玄「ぬぐぅっ、さすがは王者・晩成の選手ですのだ!!」

やえ「そして、この半荘、貴様はこの私に勝てん!!」

やえ「時は満ちた!王者の麻雀を見せてやろう!!」


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―――

玄「これですのだ!!」

やえ「無駄だ!!王者の叫びがこだましゅる!勝利の鉄槌よ、大地を砕け!!」

やえ「ロン、清一色平和タンヤオ二盃口!!24000だ!!」97000⇒121000

玄「きゃあああああっ!!」112000⇒88000

やえ「ドラや赤を抱え、窮屈な手では捨て牌も限られる。ならばそれに絡まぬ牌が必然とあぶれるという事だ」

玄「ううっ、強すぎるですのだ」

やえ「王者の前では弱者の言い訳など通用しない!」

やえ「半荘の後に貴様に残されるのは敗北と言う二文字だけだ!」

玄「ま、まだまだですのだ!!」

―――

玄(序盤から暗刻が二つもあっていい感じで手が進んでるのです!!これなら…)

やえ「カン!」

玄「!?」

玄(一つの暗刻がドラに変わったのです!!でも王者は何で私の打点があがるような真似を?)

やえ「さらにカン!!そして牌をドロー」

玄「あ、ああ…」

やえ「むっ、もう一つカン!!さらに牌をドロー!!」

玄(手の中がドラ8赤2になったのです)

玄(ううっ、ドラ表示牌が増えたせいでドラをツモってきてしまったのです)

玄(でも、ドラ以外の牌は明らかに王者には危険ですのだ…)

玄(ここは勝負を恐れてはいけないですのだ)

玄(通るのです!!)

やえ「……」

やえ「その牌…」

玄「!?」

やえ「カンだ!!」

アナウンサー「おーっと、ここで王者・小走選手、四槓子聴牌を確定させましたあああっ!!」

玄「あ、ああっ…」

やえ「さあ、この王者を恐れぬのならかかってくるがいい!!」

玄(ど、どうしよう!?どの牌も危険に見えるよ)

玄(切るとしたらドラじゃないどっちかの牌だけど…)

玄(場には一筒が二枚出てて待ってるとすれば地獄単騎、もう一個の八萬は一枚も出てないけど…)

玄(ここはこの牌を切るよ!!)

玄「……」オソルオソル

やえ「……ふっ」

やえ「王者の鼓動、今ここに列を成しゅ!天地鳴動の力を見るがいい!」

玄「!?」ビクッ

やえ「ロン、清老頭、四槓子!!」

やえ「大会ルールではダブル役満はないから48000だ!!」121000⇒169000

玄「あああああっ!!!」88000⇒40000

アナウンサー「おおっと、ここで王者・小走選手の役満が阿知賀の松実玄選手に直撃だああああっ!!」

やえ「王者のしゅテージはこんなものでは無い。未だ経験しえぬ痛みを、お前に与えよう!」

玄「お、おねえちゃーん」ガクブル

―――

やえ「新たなる王者の脈動、混沌の内より出でよ!」

やえ「ツモ、立直一発ツモ混一色七対子!!」

やえ「8000の一本場で8100オールだ!!」169000⇒193300

玄「きゃああああっ!!」40000⇒31900

モブ子「いやああああっ!!」94000⇒85900

モブ美「ひええええっ!!」97000⇒88900

―――

玄「ううっ、ま、まだまだですのだ!!」

玄「私達はあなたを倒して全国に行くのです!!」

やえ「残念だけどお前には私を倒せない!」

やえ「何故なら、私は王者だからだ!!」

やえ「……来たか!!」

やえ「研磨されし孤高の光、真の覇者となりて大地を照らしゅ!光輝け!」

やえ「ツモ!!字一色!!16000の二本場で16200オールだ」193300⇒241900

玄「うわああああっ!!」31900⇒15700

モブ子「もうらめええええっ」85900⇒69700

モブ美「ひぎいいいっ」88900⇒72700

穏乃「玄さん!!」

憧「あんなに(点が)大きいので無茶苦茶にされて…」

宥「玄ちゃん…」

灼「ハルちゃん、どうにかならないの?」

晴絵「いや、これはもう無理じゃないかな」

穏乃「そんな…!!」

晴絵「ただ、玄がドラを捨てることが出来れば流れは変わるかも…」

憧「玄が大事にとっておいてるもの(ドラ)を捨てる事なんて、多分出来ないよ」

灼「でも、この先鋒戦を乗り切れても1位との差は今の時点で220000点はあるし、かなり厳しいかも…」

宥「玄ちゃん…」

―――

玄(ううっ、ここまで点数を取られるとかなり厳しいですのだ)

モブ美「あ、そ、それ、ロン!!平和のみの三本場で1900です!!」72700⇒74600

玄「は、はい」15700⇒13800

玄(振り込んだけど、ようやく王者の人の親が流れたよ)

やえ「まだだ!!私はこのターン、まだロン宣言を行っていない」

玄「え…」

やえ「その牌、私もロンだ!!平和三色同順で5800の三本場は6700だ!!」241900⇒248600

玄「ぐあああああっ!!」13800⇒7100

やえ「己のピンチを演出し、鮮やかな反撃を持って観客のカタルシしゅを掴む。これが王者の麻雀!!」

モブ子(いや、全然ピンチじゃないよ…あなたは)

―――

やえ「リーチ!!」

玄(と、とにかくドラ付近以外の牌が狙われてるから、私が振り込むことが多いですのだ)

玄(お母さんにはドラを大事にしなさいって言われたけど、私が前に進むためにも)

玄(一旦、お別れ!!)

玄(帰ってこなくても私はずっと待ってるから!!)

やえ「追い詰められたお前がそうくる事はわかっていた!!」

やえ「王者と悪魔、今ここに交わる!荒ぶる魂よ!天地創造の叫びを上げよ!」

やえ「ロン!!立直一発一気通貫發ドラ1の四本場で19200!!」248600⇒267800

玄「」7100⇒-12100

アナウンサー「なんと、県予選Aブロック二回戦はシードの晩成が先鋒戦で阿知賀を飛ばしての決着だああああああっ!!」

穏乃「玄さーん!!」

灼「ドラの嵌張待ちって、明らかに玄が狙われてたんじゃ…」

憧「玄の初めて(のドラ切り)があんなに酷い事になるなんて…」

宥「玄ちゃん…」

晴絵「みんなあれだけ頑張ったのに県予選の初戦敗退か…」

穏乃「で、でも、しょうがないですよ。晩成は強かったから…」

灼「そうだね。私達ももっと早く頑張ってれば結果は違ったかもしれないけど…」

やえ「こんな麻雀では満たされないな」

上田「あらら。やえさん、一人で決めちゃって。この『鉄砲玉の良子』にも出番を残して欲しかったけどな」

紀子「そうね。私も出番がなかったしこんなんじゃ満足できないわ」

日菜「次は日菜にも出番を残して置いてくださいよ」

やえ「断る!」ウガーッ

日菜「ええっ!?ちょ、暴力反対!!」

由華「大丈夫ですよ、日菜先輩。どんな選手にも、存在する以上、必要とされる力がありますから、そのうち出番はやってきます」

由華「とりあえずはみんなでミルクでも飲みましょう」



カン!!

王者がキングだったらというネタ

当然、王者は卒業しても自分にあった仕事が見つからないので最終的にはすこやん枠に堕ちつくか、金髪の年下の男の子のお嫁さんになります

県予選の一ヶ月前のターン―――



京太郎「というわけで奈良に転校する事になりましたんで」

久「そう。それは残念ね」

和「奈良、ですか…」

優希「京太郎!!お前が転校したら誰が私のタコスを買って来るんだじぇ!?」

京太郎「それは自分で買えよ」

まこ「新天地でも頑張れよ」

京太郎「はい!!今までお世話になりました!!」

咲「京ちゃん」

京太郎「咲…」

咲「向こうでも麻雀を続けるの?」

京太郎「そうだな。せっかくだし、続けて頑張ってみるよ」

咲「わかった。京ちゃんが麻雀を続けるなら、また会えるかもしれないしね。全国大会で」

京太郎「そうだといいな」

咲「じゃあ、またね」

京太郎「ああ。またな」

そして、翌日の晩成高校のターン―――



京太郎「長野県から転校してきた須賀京太郎です!!よろしくお願いします」

初瀬「おおっ!!背も高いしクラスの中では結構なイケメン男子だ」

教師C「須賀君の席は岡橋さんの隣ナノーネ」

京太郎「えっと、よろしくお願いします」

初瀬「うん。よろしくね、須賀君」

さらに休み時間のターン―――



初瀬「へー。須賀君って麻雀やってたんだ」

京太郎「やってたって言っても、初心者だし全然強くないですよ」

京太郎「この晩成に転校してきたのだって、家から近いって理由だし」

初瀬「まあ、でも、麻雀やってたならうちの麻雀部を覗いてみてもいいんじゃないかな」

初瀬「強豪だけどみんな優しい先輩だし」

京太郎「そうだな…。俺みたいに弱くて迷惑じゃなければ見に行っていいか?」

初瀬「だってさ、先生」

教師C「わかりましたナノーネ」

京太郎「!?」ビクゥッ

初瀬「あ。安心していいよ、この先生、変質者とかじゃなくてうちの麻雀部の顧問だから」

教師C「変質者とは失礼ナノーネ」

京太郎「まあ、担任が変質者とかありえないし、それはわかるってるけど…。ちょっとビビったくらいで」

初瀬「あ。そうなんだ」

教師C「では放課後に麻雀部へ案内するノーネ」

京太郎「よ、よろしくおねがいします」

そして、放課後のターン―――



京太郎(この晩成高校は強豪なのに顧問がちょっとアレな感じの人だから、部長とか部員がしっかりしてるのかな)

京太郎(岡橋とか見る限りじゃ普通っぽかったけど)

教師C「ここが麻雀部一つ目の部室ナノーネ」ガチャッ

京太郎「おおっ。清澄と違って教室が部室になってるんですね」

京太郎「っていうか、一つ目の部室って?」

教師C「ちなみにここは主に二軍の部室、オシリス・レッド、ナノーネ」

京太郎「さすが強豪、部室もたくさんあるんだ」

初瀬「お。来たわね、須賀君」

京太郎「ああ。岡橋も誘ってくれたし、来ないと悪いかなって」

初瀬「まあ、ここは二軍施設だからあるのは全自動麻雀卓が4台と牌譜整理用のパソコンが1台、あとは麻雀関係の書籍の本棚ね」

京太郎「普通だな」

初瀬「でも、一軍やレギュラーにあがればもっといい施設で出来るからみんな昇格を目指して頑張ってるわ」

初瀬「当然、私もね」

教師C「とりあえず次の部室に案内するノーネ」

京太郎「あ、はい」

教師C「ここが一軍のための部室、ラー・イエロー、ナノーネ」ガチャッ

京太郎「おおっ!!」

京太郎「全自動雀卓が三台にネット麻雀用にパソコンも8台置いてあって、本棚の本もオシリス・レッドの二倍くらいあるのか」

京太郎「それにすっげえゆったり出来るソファーやテーブルにはお菓子も置いてあったり、休憩用にベッドが4つも用意されてるとか、いたせりつくせりですね」

教師C「こっちには冷蔵庫と冷凍庫、さらに電子レンジも完備してあるのでお腹が空いても問題ないようになってるノーネ」

京太郎「一軍でこれだけ充実してるならレギュラーの部室とかどうなってるんだよ…」

教師C「それでは今からレギュラーの部室、オベリスク・ブルーへ向かうノーネ」

教師C「ここがレギュラー5人のための専用部室、オベリスク・ブルー、ナノーネ」ガチャッ

京太郎「……」

京太郎「……え?」

京太郎「……」

京太郎(汚い机一つにパソコンが一台、ボロい自動じゃない麻雀卓とたくさん詰まれたカップラーメンの箱)

京太郎「ここって、物置とかじゃないんですか?」

やえ「失礼な」

京太郎「うわああっ!?って、だ、誰ですか?」

やえ「この晩成高校で私を知らないとはさらに失礼な男だな」

やえ「私は王者!!小走やえだ!!」

京太郎「は、はあ…」

やえ「むっ。反応が薄いな」

教師C「この子はオベリスク・ブルーのトップ、晩成高校麻雀部の部長でエースの小走やえナノーネ」

京太郎「あ。はじめまして、自分は今日、晩成高校に転校してきた一年生の須賀京太郎です」

やえ「そうか。まあ、転校生なら私を知らない事も特別に許してやろう」

やえ「私は王者だから心が広いしな」

京太郎「ありがとうございます」ニコッ

やえ「…っ!?」ドキッ

やえ「あ、あんまり近づくな。ビックリするだろ」ドキドキ

京太郎「ああ、すいませんでした」

やえ「そ、それにしてもこの王者を動揺させるとは…貴様なかなかやるな」

京太郎「?」

ここまで

ここからはだらだらと適当に京やえを書いていきます

そして京太郎はダーク雀士グナーになります

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