先輩「チューベローズの呼ぶ声」 (13)
カフェ『Lily』
先輩「いやー、今日も練習キツかったねー! 後輩ちゃん!」
後輩「そうですねぇ」
先輩「陸上部はどう? 慣れたかな?」
後輩「んー、そうですね。段々と馴染んできました」
先輩「でも、水泳と両立なんてキツくない?」
後輩「いえ、どちらも好きですから、全然キツくないです」
先輩「ほーん……」
店員「おまたせしました。アイスティーとアイスココアです」
コン…
先輩「あ、どうもー」
後輩「どうも」
店員「それではごゆっくり……」
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ごくごく…
先輩「ぷはーっ! 生き返るぅー」
後輩「今日は凄い猛暑日でしたね」
先輩「うん。本当、あの鬼顧問は下道だよ!」
先輩「『給水時間すら勿体無い!』って何だよ、おかしいよね!」
後輩「はい……でもまあ、指導はさすが顧問といった感じですね」
先輩「まあね。あの人のお陰で私も一年で速くなれたし……感謝してやらなくもないっ」
後輩「何ですかそれ」クスクス
先輩「まあ、恩師ってやつに分類してやるよってことかな」
後輩「ふふっ、恩師……」
後輩「恩師ですか」
先輩「ん?」
後輩「いえ、私にとって恩師はやっぱり……先輩でしょうか」
先輩「き、急にどうした!」
後輩「……私が入学したてのとき、学校で迷っていた私を助けたのは先輩ですし、素敵な部活を教えてくれたのも先輩」
後輩「勉強も分りやすく教えてくれますし……何より……」
先輩「どわーっ! 恥ずかしいから止めて!」
先輩「体がムズムズする!」
後輩「褒められなれてないんですね」
先輩「そ、そりゃあね!」
先輩「あー、なんかもう……」
後輩「? どうしました?」
先輩「ちょっとお花を摘みたくなってきた」
後輩「……ああ、はい。行って、どうぞ」
先輩「うん、ごめんね!」
がたっ
先輩「すぐ戻るからねっ」
後輩「はい」
後輩「……」
後輩「さてと……」
さっ
後輩 (睡眠薬っていうのはどのぐらいが適量なんだろうか)
後輩 (まあ、あるだけ容れてみよう……『途中』で起きられても困るから)
後輩「このアイスティーに……」
サーッ…
後輩「っと、全部入ったなぁ」
からん…
後輩「よくかき混ぜてっと、これでよし」
後輩 (先輩早く戻らないかな)
先輩「おまたせっ!」
後輩「あ、先輩。おかえりなさい」
先輩「おう! というかそろそろいい時間だし、帰ろうよ」
後輩「そう、ですね」
先輩「じゃあ、さっさと飲んじゃおう! それ一気……と」
ごくっ!
後輩「……」
先輩「っふぅー! 後輩ちゃんはもう飲んだね」
後輩「はい」
先輩「よしいこう!」
後輩 (ちょっと粉が溶けきれてなかったけど……何の躊躇もなしに飲んでくれたな……良かった)
からんからん
先輩「ふんふふーん」
後輩「先輩ご機嫌ですね」
先輩「うん? うん、まあね」
先輩「なんか、こうして後輩連れて歩き回るのってちょっと夢だったんだよね!」
後輩「お、おかしな夢ですね」
先輩「いや、割と真面目だって! いつも年上に振り回されてたから、私も年上の立場に立ちたいなーって」
後輩「なるほど……」
後輩 (先輩可愛い)
先輩「……おっと」フラッ
先輩「っと」フラッ
後輩「どうしました? 突然……」
先輩「あ、ごめん! 立ち眩みしちゃって……」
後輩「そうですか……あの、平気ですか?」
先輩「ちょ、ちょっちキツい! 肩貸して!」
後輩「はい、これでいいですか?」
先輩「さ、さんきゅ……」クラクラ
後輩 (効いてる効いてる……!)
後輩 (もうすぐで分かれ道だ……)
先輩「ふう。あ、もうここでいいよ!」
後輩「……歩けますか?」
先輩「だ、だいじょ……あっ!」フラッ
後輩「ほら、大丈夫じゃないじゃないですか」
先輩「い、いや平気だって本当……!」
後輩「はぁ。ここから先輩の家より私の家の方が近いですし、泊まっていって下さいよ。明日休みですから」
先輩「いやそんな迷惑……」
後輩「大丈夫ですって、先輩ですしそれに……」
後輩「今、家族は居ませんから」
先輩「……じゃあ」
後輩「来ますか?」
先輩「……甘えます」
『後輩邸』
ガチャコンッ
後輩「さあ、どうぞ」
先輩「あ、うん。お邪魔しまーす」
後輩「いや家族は私以外居ませんって」
先輩「そ、そっか」
後輩「……何で焦ってるんです?」
先輩「いやー、人の家にお呼ばれなんて久々だからさ」
後輩「なるほど。気分の高揚をおさえられないと」
先輩「……何かその言い種だと変態的」ジトー
後輩「!」ジュン
先輩「ん?」
後輩「いえ、なんでも」
コトッ
後輩「アイスティーしか無かったですけど、いいですね?」
先輩「何でアイスティーなの」
後輩「いや、うちってアイスティー大好き一家なんです。お姉ちゃんが特に好きでして……」
先輩「へ、へえ……」
先輩「じゃ、頂きます……」
ごくっ
後輩 (そういえばさっきの睡眠薬の効果は……そろそろかな?)
先輩「あ……あふっ」
ばたんっ
後輩「……今か」ニヤリ
後輩「んしょっ、と……」
先輩「……」
とさっ
後輩「ふぅ。やっぱり先輩は長身だから重いなあ……171cmだっけ」
後輩「こうして二階の部屋まで連れてくるだけで疲れた……」
後輩「でもまあ……」
先輩「……むにゃむにゃ」スースー
後輩「後はこっそり先輩の『処女』を頂いて、そして先輩の指を使って私も『処女卒業』……むふっ」
後輩「これで先輩の体に『私』を刻める……!」
先輩「すー……にゃ」
後輩「まあ、まずは、そのたわわな先輩肉を頂いてしまいますか」
後輩「私のベッドで眠りこける先輩……この光景だけで10回はエクスタシーが止まらない!」
後輩「むふふ、おっぱーい、おっぱーい……」
先輩「んっ」
もにゅもにゅ…
後輩「はーっ! 柔らかいぃ……!」
後輩「このまま顔を埋めて────
ガンッ
後輩「しまっ────!」
先輩「……」スースー
そこで私の意識は途切れた。
暗闇。
後輩 (────いたた!)
後輩 (なにか、後頭部に鋭い痛みが……!)
後輩「もがもがっ」
後輩 (はれっ? 喋れないぃ……)
後輩 (目の前も真っ暗だし、一体何が────
「きゃーっ!!」
後輩「もがっ!?」
後輩 (この声は……先輩?)
「ほら、暴れんじゃないの。衣服を乱してベッドで眠りこける……それって誘ってるんでしょう?」
先輩「ち、ちがっ……! やっ、そんなとこ!」
後輩 (それにもう一人……この声は……)
女「いやー、妹の部屋に来てみたら、とんでもない上玉だわね!」
先輩「いやっ!」
後輩 (お姉ちゃん!?)
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