コナン「よろしくお願いします」
徹子「お父様が小説家の工藤優作さん、
お母様が女優の工藤有希子さんでいらして、
大変に才能溢れるご両親の間にお生まれになった、
いわばサラブレッドでいらっしゃいます」
コナン「ははは、いやいや」
徹子「数々の難事件を解決していらっしゃる名探偵でいらして、
雑誌や新聞なんかでご存知という方も多いと思いますが、
こういったトーク番組にお出になるというのは初めてということでね」
コナン「はい、そうですね。
ちょっと緊張してるんですが、呼んで頂いて光栄です」
徹子「ウッフフフなんだかこんな小さなお子さんがね、
大人のような口調で話しているというのは可笑しくって」
コナン「ははは」
徹子「今はね、このように可愛らしいお子さんの姿をしていらっしゃいますが、
本当はおいくつだったかしら?」
コナン「17ですね」
徹子「まあ、お若い。ウッフフフまあこんなお子さんにお若いっていうのも
おかしな話なんですが、実際の年齢もお若くていらっしゃって」
コナン「はは、そうなんですよ」
徹子「テレビの前のみなさんもね、
非常に大人びたお子さんに見えていた方も多いと思いますが、
そうではなくて本当に大人でいらっしゃいます」
コナン「ははは」
徹子「最近の子どもはずいぶんしっかりしているんだななんて話もございますが、芦田愛菜ちゃんっているじゃない、子役の」
コナン「ああ、はい、愛菜ちゃん」
徹子「あの子もね、前にこの番組に来てくれたんだけれども、本当にわたくしビックリしましたよ、あのときは」
コナン「あ~、確かに、ちゃんとした子ですよねえ」
徹子「ええ、あのーお買い物のね、おままごとを一緒にしたんだけれども、お会計のときにスタンプカードはありますかなんて言うのよね、
ウッフフわたくし本当に大笑いしちゃって、もう」
コナン「ははは」
徹子「ええ、またそのようなね、しっかりとしたお子さんがいらしてるということなんですけれども、
あなたの場合はまた違った事情がおありになるということで」
コナン「はい」
徹子「最初に工藤新一さんとご紹介しましたが、
このお姿のときのお名前はまた違うみたいね」
コナン「はい。子供のときは
江戸川コナン、という名前でして」
徹子「え、江戸川、コン、」
コナン「コナンです」
徹子「コナン。ごめんなさいね。個性的なお名前で、
江戸川コナンさんと名乗っていらっしゃる」
コナン「はい。すいませんなんか、変な名前つけちゃって…」
徹子「とんでもないか。
いえね、アフリカにベナンって国があるでしょ」
コナン「あ~はい」
徹子「あたくしユニセフの親善大使っていうのをやっててね、
アフリカには何度も行ったことがあるんですけれども、
なんだかそれと混同してしまうようなところがあるの」
コナン「あ、ベナンとコナンで」
徹子「ベナン。コナン。
あらあんまり似てないわね」
コナン「はは、いや初めて言われましたね」
徹子「あらそう。
あたくしはなんだかどうしても間違えてしまうんですが、
個性的なお名前でね、素敵でございます。」
コナン「ははは、ありがとうございます」
徹子「そのお名前のお話も後ほどお伺いしていきたいと思うんですが、
まず、なぜ17歳でいらっしゃるのに、
今のようなこういったお姿になられたのかということが、
皆さん大変気になっていらっしゃることだと思います」
コナン「ははは、そうですよね」
徹子「どういったことで、今のようになられたのかしら」
コナン「あのー、幼なじみと遊園地に出かけたんですね、僕。
そこでちょっと事件に巻き込まれまして」
徹子「あなたよく事件に巻き込まれるんですってねウッフフフ。」
徹子「あたくしなんだか笑ってしまうんですけれども、あなた本当によく事件に遭遇なさる」
コナン「ええ、なんだかそうなんですよね、そういう星のもとに生まれたのかなんなのか」
徹子「ウッフフフ、普通の人はね、大きな事件や事故なんかだと一生にそう何度もあうってことはないんでしょうけれども、
あなたの場合はね、また例外で、なんの因果だか、よくそういうことにあう。
あったものはしょうがないから、お諦めになって、全部解決してらっしゃるということで、本当に素晴らしい功績を修められている方でございます」
コナン「いやっ、諦めてとかそういう感じではないんですけどね、使命感みたいなものは持ってのぞんでますよ」
徹子「素晴らしい。その遊園地にあなたと一緒に行ったというのが、幼なじみの毛利蘭さんという方」
コナン「あ、はい、そうです」
徹子「あの有名な毛利小五郎さんの娘さんなんですってね」
コナン「はい」
徹子「蘭さんは空手がお得意でいらして、とてもお強いとか。
県大会にも何度もご出場されてるんですって?」
コナン「はい、そうですね。
だからもう、喧嘩になったら恐ろしいですよ」
徹子「あら、フフフ。
やっぱり喧嘩になるとあなたが負けてしまうの」
コナン「まあ腕が立ちますからね。
その遊園地に行く時も、
僕ちょっとその約束を忘れてたんですが、
電柱に拳でヒビ入れて
‘まさか行けないなんて言わないわよね’
みたいに言われちゃって」
徹子「ウッフフフ、脅しのような」
コナン「そうですよ。まあ僕も照れ隠しで
忘れた振りしちゃったみたいなところもあるんでね」
徹子「可愛らしい。
知らんぷりして女の子の気を引くようなことはね、
年頃の男の子にはよくありますよ」
コナン「ははは、まあ僕もそれですね」
徹子「はい。行く前にはね、
そのようないざこざがあったようですが、
結局遊園地には二人でお行きになって。
そこで何か悪い人たちの取引を見てしまって、
その人たちに毒のような
何だかわからないお薬を飲まされたんですって?」
コナン「はい、そうです」
徹子「この人たちのことを、
黒い組織と呼んでいらっしゃる」
コナン「あ、黒の組織って呼んでます」
徹子「あら、ごめんなさい黒の組織?
黒い、じゃなく黒」
コナン「いやまあ、どっちでもいいんですけどね。
正式な名前はわからないんですけど、
とりあえず黒っぽい服装をしているので、そう呼んでます」
徹子「そう呼んでるっていうのは、あなたがそう決めてこう呼ぼうってことでそうなったということ?」
コナン「まあ、そうですね、なんとなく決まった感じになって、周りもそう呼んでます」
徹子「じゃあ、本当のチームのお名前がおわかりにならない。
警察かなんかに届けるにしても、手掛かりがなくて大変ね」
コナン「まあ、そうですね、はい。なんとか捕まえたいです」
徹子「その服装が黒っぽいっていうのは、
着ているものなんかが黒いようなということなのかしら」
コナン「はい。あのー、黒のスーツとかコートを着ていて」
徹子「まあ、ドラマに出てくるスパイのような」
コナン「ははは、そうですよね。
逆に目立ってるんじゃないかって感じですが」
徹子「それでもお葬式か何かあるんじゃないかってこともありますから、そんなに突拍子もないような服装でもないかもしれないわね。
それでその黒い組織に飲まされたお薬に体が小さくなるような不思議な力があって、
今のようなお姿になられて」
コナン「はい」
徹子「それからはその黒い組織を倒して、
小さくならないようなお薬を見つけるために、
高校生と小学生の
二つの顔を持つ生活をしていらっしゃる」
コナン「はい」
徹子「倒すといっても具体的には難しいでしょうけれども、なんとか、また解決していただきたいものでございます。」
コナン「ありがとうございます」
徹子「何か大変なことはおありになる?」
コナン「いやっ、まあ大変なことばかりでねー、
まあもう、だいぶ慣れてはきてるんですけど」
徹子「あらそう。はたから聞いていると、
子供に戻れるなんて楽しそうなんて思っちゃうけど」
コナン「はい、やっぱりそうですねえ」
徹子「どういったところで大変なのかしら」
コナン「やっぱりまず、一番気を遣うのは
正体がバレないようにってことですよね」
徹子「バレないようにっていうのは
誰に対してそう思うの?」
コナン「いや、それはやっぱり黒の組織にですよ。
僕に飲ませた薬っていうのは
組織は毒だと思ってますからね。
工藤新一は死んだと思ってるんです」
徹子「あら、別にあなたを
小さくしてやろうってことではなかったの?」
コナン「そうですよ。
小さくなったのは偶然ですからね、
僕がこうして生きているって知られるのは
ちょっとヤバいですね」
徹子「そうですか。それではCMです」
徹子「はい。
あのーあなた、江戸川コナンさんとも名乗ってらっしゃるということでね」
コナン「はい、そうですね」
徹子「個性的なお名前ですけれども、
これには面白い由来があるんですって?」
コナン「いやいや、まあ面白いというか、
行き当たりばったりで決めたって感じなんですけどね」
徹子「あなた、子供になったばかりのときに名前を聞かれて、
咄嗟に本棚にあった背表紙が目に入って。
それが江戸川乱歩とコナン・ドイルの本で、
それを合わせて、あなた口からでまかせみたいに
江戸川コナンですって言ってしまったという、
これはどういうお話だったのかしら」
コナン「その通りの感じですね」
徹子「ウッフフあたくしこれを伺ったときに
なんだか笑ってしまって、
どうりで、あまり考える暇がなくて
こういうお名前になってしまったんだと思って
可笑しくってウッフフフフ」
コナン「ははは」
徹子「そういった理由で
江戸川コナンさんになられたということですが、
あなたサッカーがお得意なんですって?」
コナン「あっはい、子供のときから得意でしたね。
今も一応サッカー部で」
徹子「ウッフフフ子供の時からって
今も小さくていらっしゃるから
変な感じが致しますけれども、
お体がいきなり小さくなっても
サッカーは変わらず上手にお出来になるの?」
コナン「そうですね。
体が覚えてるって感じで、変わらず」
徹子「素晴らしい。こちらにサッカーボールを用意させていただんですけれども、
何か見せてくださるってことはお出来になるかしら」
コナン「あっ、今やりますか?」
徹子「なにか派手な、短い」
コナン「えーっと…じゃあ、
よく推理するときにやるんですが、
ボールを体の上に乗せたりする…」
徹子「じゃあそれをお願いします」
コナン「ほっ、ほっ」
徹子「アラーッ!」
コナン「…で、膝から背中に乗せたり…ほっ」
徹子「まぁー、すごおい!」
コナン「はい、じゃあ一応、こんな感じで…」
徹子「ワ~」
パチパチパチ
コナン「はは、ありがとうございます」
徹子「なんだか手品を見ているようなね、
頭や膝に磁石なんか入ってるんじゃないかしら
なんて思ってしまうような、
素晴らしい特技でございました」
コナン「ははは、いやいや、なんかすいません、時間割いてもらって」
徹子「非常に楽しい芸を披露してくださいました。
小学校でもサッカーはおやりになるの?」
コナン「そうですね、結構、休み時間なんかには」
徹子「でも、本当は17歳ということでやっぱり同級生の子たちには何か、ズルいぞなんて言われたり」
コナン「いや、言われないですよ。まず17ってこと知らないです(笑)。身体的には小学校の同級生と同じなので、ある程度は素です」
徹子「あら、じゃあ、サッカーのうまい子ということでクラスに馴染んでらっしゃる」
コナン「まあまあ、そうですね。でも勉強とかの方面ではやっぱり、小学一年生らしくしていないとですけど」
徹子「ウフフ高校生になって、まさか1+1なんてね、やることになるっていうのは、
バカらしいような気になるでしょうが、復習になって結構でしょう」
コナン「あー、まあ、そうですね」
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