絵里「真姫は希のこと、どう思ってる？」

真姫「なんでそこで希が出てくるのよ」
真姫「――まあ、そうね……何だかんだ言ってもみんなをまとめる縁の下の力持ちって印象かしら」

絵里「成る程。そうよね」

真姫「いい加減ちゃんと説明してくれない？」

絵里「分かったわ。よく聞いてね」
絵里「――希の妹になりたい」

真姫「……は？」

絵里「そして油断した希の服の下の鏡餅を拝みたい」

真姫「やっぱり今回も賢くないのね、エリー」

絵里「私は本気よ」

真姫「なおのこと残念じゃない」
真姫「それに、あれって元々は毒薬でしょ？」

絵里「ええ、だから後退化に特化した薬に改良してほしいの」

真姫「無茶言わないでよ」
真姫「架空の薬を開発して、更にそれを改良なんて出来るわけないじゃない」

絵里「無理難題だということは重々承知しているわ」
絵里「でも、私の野望のためにはどうしても必要なの」

真姫「……はあ～馬鹿馬鹿しい」ﾔﾚﾔﾚ
真姫「話はそれだけ？私もう帰るから、それじゃ――」ｶﾞﾀｯ

絵里「待って」

真姫「悪いけど、無駄話に付き合ってられるほど私も暇じゃないわ」

絵里「……真姫、これは貴女にとっても有益な話なのよ？」

真姫「ふざけたこと言わないで」
真姫「私にどんなメリットがあるって言うの」

絵里「本当に言っているの？」
絵里「――その薬を使えばにこの妹になれる可能性があるというのに」

真姫「ッ！」ﾋﾟﾀｯ

絵里「想像してみなさい。幼児化した貴女をにこがどう思うか――」

真姫「」ﾋﾟｸｯ

絵里「にこには妹や弟がいる」
絵里「面倒見の良いにこは幼児化した貴女を決して放っておかないわ」

真姫「……！！」

真姫「それってつまり……にこちゃんの家で一緒にご飯食べたり出来るってことよね？」

絵里「ふふ、ずいぶん可愛らしいことを言うのね」
絵里「……真姫がその気ならそれ以上の事が出来るのよ」

真姫「そ、それ以上って――」ｱｾｱｾ

ｽﾞｲｯ

絵里「一緒にお風呂に入ったり……」ﾋｿﾋｿ

真姫「――！」

絵里「同じ布団で寝ることだって出来ちゃうのよ？」ﾋｿﾋｿ

真姫「――っ！？」


――


――――


――――――

――――――


――――


――


にこ『ほら真姫ちゃん、お姉ちゃんと一緒にお風呂はいるわよー！』ﾇｷﾞｯ

真姫『はーい』ﾇｷﾞﾇｷﾞ

にこ『湯船に浸かる前にしっかり体洗いましょうね～』

ｺﾞｼｺﾞｼ

真姫『お姉ちゃんくすぐったいよー』ｷｬｯｷｬｯ

にこ『もう、じっとしてないとちゃんと洗えないじゃない』ﾌﾌｯ

真姫『お姉ちゃん、今度は私が背中洗ってあげる！』

にこ『そう？じゃあお願いしようかな』

ｺﾞｼｺﾞｼ

真姫『どう？気持ちいい～？』

にこ『うん、とっても気持ちいいニコ☆』

真姫『それじゃあ今度は、こっち洗ってあげる』

ｽﾙｯ

にこ『えっ！？ま、真姫ちゃんそこは大丈夫ニコ！』ﾋﾞｸｯ
にこ『前は自分でちゃんと洗えるからっ！？』ｱｾｱｾ

真姫「遠慮しないでいーよ！私がキレイにしてあげる！」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ ｻﾜｻﾜ

にこ『んっ！……やん、あっ！』

真姫「あれあれ～？お姉ちゃん変な声出てるよ～？」

ﾅﾃﾞｻﾜ ﾌｪｻﾞｰﾀｯﾁ

にこ「あああぁぁぁ……！」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

――


――――


――――――

――――――


――――


――


真姫「――ふぅ」

絵里「おかえりなさい」

真姫「……ただいま」

絵里「考えは決まったかしら？」

真姫「早速ママに掛けあってみるわ」

絵里（やっぱりこの赤毛チョロいチカ）