律子「飛び立つ鳥は」 (27)

・アイマスSSです。
・律子誕生日おめでとう!!!
・書き溜めてあるのですぐ終わります。

ではよろしくお願いします。

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律子「おはようございまーす」ガチャ

………………

律子「あれ、おかしいわね。 誰も居ない……?」

……ピィ……ピィピィ…………

律子「……ん? 鳥の鳴き声?」

律子「応接間の方から聞こえる…………」ガチャ

「ピィ」

律子「……鳥?」

P「おう律子、おはよう」

律子「おはようございます。 ……あの、この子は?」

P「迷い込んできたらしい、多分インコの一種だろ」

律子「インコ……。 詳しくないですけど、野生では居ませんよね」

P「多分、飼い主の所から離れたんだろう。 もしくは……」

律子「もしくは?」

P「飼い主が飼えなくなった、とかかな」

律子「あ…………。 逃がしたってことですか……」

P「その場合、飼い主を探しても意味無いよなぁ。 どうしたもんか」

律子「………………飼ってあげることは無理ですかね」

P「……律子にしては珍しいな」

律子「だって、可哀そうじゃないですか。 このままじゃ保健所行きです」

P「まぁ、そうなるな」

律子「じゃあ飼ってあげましょうよ、野に放すよりずっと良いと思います」

P「よし、社長や小鳥さんにも報告しとくか。 首を横に振る事は無いだろ」

律子「そうと決まれば鳥かごや餌とか買いに行かないといけませんね!」

ガチャ

伊織「おはよう……。 って、あら?」

あずさ「誰も居ないわねぇ……」

亜美「もしかして、りっちゃん寝坊しちった?」


律子「んな訳無いでしょー!! こっちよこっち!!」


亜美「おろ、こっち?」

伊織「居るなら居るって言いなさいよ」

あずさ「律子さんおはようございますー」

律子「プロデューサーも居るわよ」

P「おう、伊織、あずささん、亜美おはよう」

伊織「で、二人して仕事もせずに何をしてるわけ?」

P「あー……、それはな」

「ピィ」

伊織「またくだらない事でも……、ぴぃ?」

「ピィピィ」

あずさ「まぁ、この頭の羽。 もしかしてオカメインコでしょうか」

P「あずささん、わかるんですか?」

あずさ「友人が好きで飼ってたので、見たことあるんです」

亜美「で、なんでそのおっかねぇインコが居るの?」

律子「オカメインコね。 迷い込んできたらしいのよ」

P「朝事務所に来て、換気の為に窓開けたら突然入ってきたんだよ」

伊織「放してるけど、か、噛まないでしょうね……」

P「そういえば、鳥かごに入れてるわけでも無いのに大人しいな」

あずさ「この子がのんびり屋さんなのかもしれませんねぇ」

亜美「いやいや、あずさお姉ちゃん程では」

あずさ「もうっ、亜美ちゃん?」

律子「兎に角、この子はうちで世話する事になったから」

伊織「そうなの? 見た目も整ってるし、野生には見えないわよ?」

P「けど飼い主も解らないしな、一応張り紙とかはするべきか」

律子「結局、飼い主の方が見つかるにしても見つからないにしても、その間はうちで保護するべきだと思うの」

あずさ「そうですね、このままじゃ可哀そうですし」

律子「そうなんですよ」

亜美「じゃあ名前とか決めちゃおうYO!」

あずさ「まぁ! 良いわねそれ!」

亜美「んっふっふ~、良いっしょ!」

律子「名前ねえ……」

P「変なのとかつけてやるなよ」

亜美「亜美を舐めてもらっては困る……、ベリーナイスでサイバネティックセンスな名前をつけてやろう……!」

P「絶対ロクな物にならないだろ……!!」

あずさ「でも、すぐには思いつかないですねぇ……」

律子「ちゃんとした名前にしてあげないと、呼ぶとき大変ですからね」

亜美「む~……、そう言われると亜美の立場が……」

P「そう言う時点でおかしい名前にするつもりだったのバレてるからな?」

亜美「いおりん、なんか無い? さっきからダンマリだけど」

伊織「………………りんご」

「「「「りんご?」」」」

「ピィ?」

伊織「……ほっぺが赤いから、りんご」

律子「りんご………………」

あずさ「可愛らしい名前ね♪」

亜美「いおりんにしてはファンキーですなぁ」

P「それを言うならファンシーな。 そんなファンシーでもないしな」

伊織「や、やっぱり良い!!! 他の名前にしましょ!!」

律子「いや、私は良いと思う。 特徴を表してるし、解りやすくて」

あずさ「私もそう思います、さすが伊織ちゃんね♪」

亜美「りっちゃんとあずさお姉ちゃんが良いって言ってるし、亜美は譲るよ、いおりん……!!」

伊織「別に嬉しくないわよっ!!」

P「良いじゃないか、俺も良いネーミングだと思うぞ」

伊織「………………そ、そう?」

P「あぁ、じゃあこいつの名前は「りんご」だ」

律子「どれだけここに居るか解らないけど、よろしくね、りんご」

りんご「ピィピィ!」

・ ・ ・ ・ ・

―夏―

律子「ただいま戻りました~ってあ゛っつっっ!!!」

小鳥「おかえりなさい……、律子さん……」

P「おう律子、ただいま絶賛エアコン故障中だ」

律子「なんでまた!?」

りんご「ピィ」

小鳥「りんごちゃんが鳥かごから出たがってたので……、その」

律子「出したんですか? ……って、それとこれと何の関係が?」

小鳥「実は、知らない間にりんごちゃんがエアコンのコンセントを齧っちゃって……」

律子「はあ!??」

小鳥「ごめんなさい…………」

P「まぁ、その時は俺も居たから、小鳥さんだけに責任があるわけじゃ……」

律子「りんごは大丈夫だったんですか!? 感電したりとか……」

小鳥「え、あ、大丈夫です。 電源は点いてなかったんで……」

律子「はぁ…………、良かった」

P「…………意外だな」

律子「……? 何がですか?」

P「事務所の備品が壊れた事よりも、りんごの事を気に掛けるなんてな」

小鳥「律子さん、優しいんですね」

律子「……………………言いたい事はそれだけですか?」

P・小鳥「「へ」」

律子「それはそれ、これはこれ、そっちに関しては……、しっかり!! お説教させてもらいますよ……!!」

P・小鳥「「」」

りんこ「ピィ?」

・ ・ ・ ・ ・


―秋―

P「すっかり秋だな、涼しくなった」

律子「直に肌寒くなりますから、体には気をつけなきゃダメですよ?」

りんご「ピィ」

亜美「どーん!!!」バターン

真美「真美さんじょー!!!」

やよい「二人とも急いだら危ないでしょー!」

律子「こらあんた達……、ってどうしたのよその葉っぱ!?」

亜美「近くの公園で拾ってきたんだYO!」

やよい「りんごちゃんの鳥かごに入れてあげようって亜美が言い始めちゃって……」

真美「めっちゃ綺麗だからりんごぱいも喜ぶっしょ!!」

律子「りんごぱい?」

亜美「うん! りんごぱい!!」

真美「あっぷるぱいじゃ、食べ物になっちゃうかんね~」

やよい「律子さん、やっぱりダメでしょうか……」

P「……律子」

律子「…………、今回だけよー?」

亜美・真美「「ぅわーい!!」」

亜美「それそれ入れろや入れろ~!!」

りんご「ピィピィ!!」

真美「紅葉祭りだ~!!」

律子「こら一気に入れたりしないの! りんごも怖がってるでしょ!!」

P「皆りんごが来てから構いっぱなしだなぁ」

やよい「う? プロデューサー、寂しいんですか?」

P「え? あぁいやいや、そうじゃないよ。 やよいは優しいな」

やよい「えへへ……」

りんご「ピィ!! ピィ!!!」

律子「コラやめなさーーーい!!!!」

・ ・ ・ ・ ・


―冬―

小鳥「あぁあぁあぁぁ……、爪先が冷える……」

P「冷え性なんですか?」

小鳥「えぇ、そうなんですよ……・ 運動不足かなぁ……」

P「時間無くて運動出来ないですよねぇ。 ストレッチだけでもすれば違うと思いますよ」

小鳥「ですかねぇ……」

りんご「ピィ」

小鳥「りんごちゃんは暖かそうで良いなぁ」

P「けどインコって結構寒さに弱いらしいですよ」

小鳥「え、そうなんですか?」

P「えぇ、暖房が効いてるから大丈夫っぽいみたいですけど」

律子「意外とインコは気温の変化に弱いんですよ」

P「お、律子おはよう」

律子「おはよう御座います。 この前調べたんですけど、極端に暑かったり寒かったりするとやっぱり辛いらしいですね」

小鳥「人と同じ感じなのかしら……」

律子「そう認識した方が良いでしょうね。 私達が暑い、寒いと思ったらりんごもそうなのかもしれません」

P「しかし律子……。 インコの事を調べるなんて相当入れ込んでるじゃないか」

律子「へっ、そそそ、そんな事無いですよ!!」

小鳥「プロデューサーさんプロデューサーさん」ソソソ

P「ん?」

小鳥「この前律子さんインコの飼い方の本注文してたんですよぉ」

律子「ちょっ、小鳥さん!?」

P「ほほう、詳しく聞こうではありませんか」

律子「プロデューサーまで!?」

小鳥「「必要書類なんですからっ☆」とか言ってですね……」

律子「そんな口調してましたっけ!?」

P「ははぁ……、あの子がねぇ……」

律子「…………むぅぅぅ……、やめてくださーい!!!」

りんご「ピィィ!!!」

律子「あっ……、ごめんねりんご、驚かせちゃったねー」

P・小鳥「「やっぱ一番入れ込んどるやんけ!!!」」

律子「あっ、ホントだ…………」

「ピィピィ」

亜美「どったの? なんか雄たけびが聞こえたけど」

あずさ「律子さん、どうかされたんですか?」

律子「あぁいや、ちょっとね」

伊織「ちょっと、りんごに何かしてたんじゃないでしょうね?」

P「なんで俺に言うんだよ」

伊織「この中で一番信用ならないからに決まってるじゃない! ねー、りんご?」

りんご「ピィ」

P「なんて人聞きの悪い……。 てか」

伊織「なによ」

P「お前も結構入れ込んでるんだな」

伊織「???」

・ ・ ・ ・ ・


―春―

りんご「ピィピィ」

律子「もうすっかりりんごも765プロの一員ね」

P「いきなりどうした?」

律子「いえ、もう少しで一年経つんだなー、と」

P「りんごが来てからか?」

律子「えぇ、初夏くらいに来たはずですからね」

P「確かそんくらいだったなぁ」

律子「みんなのメンタルケアの助けにもなってるし、無くてはならない存在かもしれないわね」

P「メンタルケアは俺らの役目だろ?」

律子「まぁ、そうなんですけどね」

P「張り紙しても連絡も全然来ないしなぁ」

律子「それはそれで良いじゃないですか。 ずっとここに居ても良いのよー」

りんご「ピィ?」

P「親戚のおばちゃんかお前は」

律子「失礼ですね、まだそんな歳じゃないですよ!!」

コンコンコン

P「お、誰か来たみたいだぞ。 ほら」

律子「まったく……。 はいはい、今行きますよ!!」


律子「はいはい、どちら様で…………」

「あのぉ…………」

・ ・ ・ ・ ・


律子「……………………」

P「…………まぁ」

律子「……………………」

P「…………なんだ」

律子「……………………」

P「良かったじゃないか、元の飼い主が見つかって」

律子「……………………」

P「みんなにもメールで連絡しといた。 空気も読んでくれるさ」

律子「………………プロデューサーは」

P「ん?」

律子「プロデューサーは、寂しくないんですか?」

P「そりゃ、寂しくないって言ったら嘘になるけど、やっぱりりんごの気持ちを……」

律子「りんごは元の飼い主の方が良いって言うんですか!?」

P「そりゃぁ、まぁ……」

律子「少なくとも、私は大切な家族を逃がしたりなんかしません!」

P「…………おいおい」

律子「それにりんごが本当に元の飼い主の所に戻りたかったかどうかも解らないし……」

P「……律子」

律子「またあの人が逃がしたりなんかしたら本当に……」

P「律子」

律子「あっ…………」

P「それ以上はダメだ、律子だって解るだろ?」

律子「…………すいません」

P「俺に謝っても意味無いよ、謝り損だ」

律子「でもやっぱり悲しいです……。 言ったじゃないですか、無くてはならない存在だって」

P「それは知ってる。 あの子に一番入れ込んでたのは律子だもんな」

律子「…………なんなんでしょうね、大切な存在が離れていくこの感覚……」

P「解るよ、その気持ち」

律子「解るわけないですよ……」

P「解るんだよ、昔大切にしてたアイドルが辞めちゃったからな」

律子「へ……? そんな事あったんですか?」

P「あぁ、律子以外は全員知ってるよ。 本人は気付いてない、辞めたじゃなくて方針を変えたと思ってるからな」

律子「…………、あぁ……。 それって……」

P「詮索は無しだ、プライベートに介入すんなよ?」

律子「ふふっ、私以外全員知ってるんじゃないんですか?」

P「それはそれ、これはこれだ。 ……半年くらい前このフレーズを聞いた覚えがあるな」

律子「なんですかそれ、ふふっ。 うふふっ、あはは!」

P「…………元気出たか?」

律子「…………ふー。 少しだけ」

P「少しだけか」

律子「…………いつかあの子達も」

P「…………?」

律子「竜宮のみんなも、今よりもっと人気になったら、私が居なくても大丈夫になるんでしょうか」

P「……………………それは」

律子「私が営業しなくても、向こうから仕事とか入ってきて、いつの間にかセルフプロデュースとかも出来るようになって」

P「流石に無いだろ」

律子「もしもの話ですっ。 ……そうしたら、あの子達もいつか私から巣立っていくんでしょうか」

P「お前も一緒に飛んでいけば良いだろ」

律子「私は飛べませんよ。 自分から翼をもいだんですから」

P「実に詩的な表現だけど、だったら尚更無いな」

律子「全否定ですか」

P「アイツらはお前が飛べなかろうと、手を引いて一緒に飛ぼうとしてくれる子たちだよ」

律子「………………」

P「……お前が信じられなくてどうする」

律子「……そうですね、そうですよね…………」

P「…………あー、前言撤回」

律子「…………はい?」

P「伊織からメールの返信があった。 言及をしに今からこっち来るそうだ」

律子「……………………はい?」

P「「一体どういうこと!? 丁度あずさと亜美と一緒に行動してたから連れてくるわよ!! 律子も居るんでしょうね!!!」、……だとよ」

律子「…………騒がしくなりそう」

P「まだ前言撤回の理由を言ってないぞ」

律子「え」

P「続きがあってな。 「律子が一番りんごと接してたんだから……、私たちが行くまでちゃんと支えてあげときなさいよ!!」、ってさ」

律子「伊織…………」

P「ちゃんと向き合えよ、自分じゃなくアイツらに。 アイツらお前を置いていく気サラサラ無いぞ」

律子「………………そう、みたいですね」

P「さて、フォロー頼むぞ。 どうせ袋叩きに会うのは俺なんだから」

律子「さあ、どうしましょう」

P「頼むよ」

律子「ふふ…………、はぁい」

ドンドンドンドン!!

P「あー、律儀にノックなんかしやがって。 出たくねぇよ……、はいはい今開けるよー」


律子「…………もうひと頑張りしようかな」

律子「あの子達の羽が生え揃うまで」


おしまい

ここまで読んでくださりどうも有難う御座いました。
まぁまぁ書いたつもりなのにたった6000文字ぽっち。

りっちゃん誕生日おめでとう!!!!!

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