男「年に一度の超能力武闘大会が今年も来た」 (7)


男「てなわけで俺も出場するために一か月間修行してくるぜ!」

姉「てら~」

母「食費が浮いて助かるわ~」

父「きをつけてな~」



男「止めろよ」

姉「めんどくさお前」

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男「まあいいや…とりあえず友達とこもってくるわ」

姉「ホモは早く行け」

男「ほもじゃねぇし!」

父「俺の子ならホモだ…間違いない」

男「?!」

母「あらあら…」

姉「もうお前さっさといけよ!止めないからさ」

男「なんだよなんだよ…みんなして」

父「我が家の教育方針は自由尊重だからな」

男「育児放棄の間違いじゃないよな」

母「ダメよそんなこと言ったら…ちゃんとお小遣い毎月五百円あげてるでしょ」

男「高校生になってまで五百円ってなんだよ!バイは普通あるだろ!」

父「俺の収入じゃそれが限界だ…」

男「大企業の社長が何言ってんだよ…とりあえず友達待たせてるからもういくわ」

姉「おうがんばってゆうしょうしてら~」


━━━

男「てなことがあってよ…どう思うよ?」

女「まぁ…あんたの家族らしい話だよね」

男「どういう意味だよ」

女「そのまんまの意味かな」

男「??」

女「いいから、ほら荷物もって…いくよ!」

男「お、おう」

男「で…これからどこ行くの」

女「向かうは北海道よ」

男「山って近場じゃないの!?」

女「北海道の山にいる熊はほかの地域のより狂暴らしいからね…さ、手を握って」

男「熊…え」

女「何も言わずについてくればいいの!」

そういって彼女は俺の手を握ると同時に地面を強くけり飛び上がる。
その勢いにつられ体がひきつけられるように俺の脚が宙に浮いたと思った瞬間、目の前の景色は
綺麗な水色に塗り替えられた。


それからしばらくして俺の意識は真っ白になった。


気を失って目を覚ましたらあたりは夜で、木々の葉っぱの間からは月明かりが指している。
ふと横に首を傾け視線をやった先では焚火がたかれていた。

男「……どこだここ!」

意識がなくなる寸前に見た風景は上空数百メートルの景色で起きたら土の上に丸太を枕にして
寝ている事実を理解して飛び起きた男を驚きと軽蔑の眼差しでみつめる女がそこにはいた。

男「……女…お前何食ってんの」

彼女の持っているぼっこに刺さった肉と思わしき物体と、彼女の後ろにあるでかく黒い物体に目を咬合やりながら
尋ねると女は何食わぬ顔で「熊肉」とだけ答えて焚火にかざしてあったもう一つのぼっこに刺さった肉を
渡してきた。


男「いや…」

女「なんだ!私の料理が食えないってか!」

男「食えないっていうか…食えるのかそれ」

女「私が食べてるじゃないか!…あ、塩コショウじゃ足りない人?あいにくタレはもってきてないんだがなぁ」

男「いやそういうわけじゃないんだけどな」

女「……ああ、ゲテモノダメな人か?」

男「…まあ」

女「大丈夫、どっかの地域ではイルカも食べるらしいしどこかの国では猫とか犬とか食ってるところもあるから…熊も結構食べるところまだおおいんだぞ」

男「……じゃあ、一個だけ」

女「それでいいそれでいい」


━━━━
━━


2X15年7月7日

AM7:30

男「………ね~む」

男「あ~…トイレトイレ」

トイレに行こうとテントのチャックを外し外に出ると仁王立ちで笑いながらこちらを見ている女がいた。

女「おはよう」

男「……おやすみなさい」

女「にがすかよ!」

そういって彼女はテントをつかみ投げ捨てた。

男「俺のテント!」

女「さあ地獄の特訓はじめましょうか!」

男「俺の財布と携帯と眼鏡!」


女「念のためにその3つは私のテントの中に入れておきました」

男「だから目覚ましなんなかったのか!」

女「あの目覚ましはどうかと思うよ…」

男「人の勝手だろ」

女「私の声でお前の名前よぶとか…悪趣味だな」

男「いうな恥ずかしい!」

女「大丈夫だれもいないからこんな山奥…ふたりっきりだよ」

男「…二人きり」

女「変態め」

男「何がだよ」

女「さぁ、なんだろうね」

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