人魚「人間を拾ったわ」(127)



人魚「ちょっと何よ、藪から棒に降ってきて」

少年「……あれ、僕生きてる……ん?人魚!?」

人魚「何?飛び下り自殺でもしようとしたわけ?」

少年「え、うん……えっと、」

人魚「人間なんてすぐ死ぬのに、わざわざ自殺するなんて馬鹿みたい」

少年「あ、あの…」

人魚「ん?」

少年「コスプレのお姉さん、ほっといてください…僕、このまま浮かんでたら溺死できると思うから」

人魚「コスプレぇ!?馬鹿にしてるの!?」

少年「え、だって人魚なんて…」

人魚「ほんっとこれだから人間は!」

人魚「よく聞きなさいよ人間、人魚ってのは……」


釣り人「ん?なんだあれ!」

人魚「うわ、見つかった!とりあえず逃げるわよ!!」

ガシッ

少年「え?」

ザブン

少年「うわあ…手を離して!溺れる溺れる!!」ゴボゴボ

人魚「落ち着きなさいよ。あなた今しゃべってるでしょ」スイー

少年「あ…本当だ」

人魚「人魚と手を繋いでる間は水中でも息ができるのよ。てゆうか、溺れたいんじゃなかったの?」

少年「……う、うん」ゴボゴボ

人魚「まぁいいわ……ちょっとついてきて」

少年「?」

人魚「暇なのよ、私」

少年「でも僕、死…」

人魚「どーせ死ぬならちょっと私のために時間割くくらいいいでしょ」

少年「……ちょっとね、お姉さん」

人魚「ふふ、よろしい」

少年「……うわぁ!綺麗!」

人魚「でしょう?ここお気に入りの珊瑚礁なの」

少年「魚もたくさんいるね」

人魚「だいたいは知り合いよ。あら、」

スズメダイ「 」パクパク

人魚「saluton!」

スズメダイ「 ? 」パクパク

人魚「jes!」

少年「すごいや、魚とも喋れるんだね」

人魚「まぁね」フフン

スズメダイ「 」パクパク

人魚「bye」

少年「あ、魚いっちゃった」

少年「お姉さん、知り合いがたくさんいるのに、僕が要るくらい暇なの?」

人魚「……魚とは色々違うのよ。ま、人間とも違うけどね」

人魚「あとさ、私けっこう好きなの!人間」

少年「そうなの?」

人魚「うん。でもここ何百年かは関わらなかったから…あなたが落ちてきたとき、ちょっとお話しでもしてみたいなと思ったの」

人魚「あ、そうだ人間。ちょっとこれ食べなさい」

少年「何これ。真珠?」

人魚「似たようなものね。それを食べとけば、手を離しても息できるわ」

少年「そうなんだ…」モグモグ

少年「味しない…」

人魚「美味しいもんじゃないわよ」

少年「あ、でもすごいね!普通に息ができる!」パッ

人魚「あんまりはしゃぐと流されるわよ」

少年「お姉さん、本当に人魚なんだね」

人魚「やっと信じたか」

少年「この海藻、陸の花に似てるなぁ」ツンツン

人魚「そんなのあるんだ?」

少年「なんだっけ、とり…とりあたま?」

人魚「そんな間抜けな名前の花があるのね」

少年「ちがうと思う…思い出せないや」プチプチ

人魚「何でちぎってるのよ」

少年「花冠、作ろうと思って」プチプチ

少年「……お姉さん、聞かないんだね」プチプチ

人魚「なにを?」

少年「どうして、僕が身投げしたか」

人魚「……聞いて欲しいわけ?」

少年「聞かれたら、答えようかなって」

人魚「じゃあ聞いてあげる。どうして自殺なんてしようとしたの?」

少年「……僕ね、癌なんだって。それも末期の」

人魚「ガン?ああ、人間のかかる病気ね」

少年「うん。今はこうしてまだ動けるけど、じきに身体が弱ってきて、ものすごく苦しくなるんだって」

人魚「……」

人魚「よくわからないけど、治療とかできないの?」

少年「僕のうち、お金なくって…それに、お父さんとお母さんは僕が嫌いみたい。
癌ってわかったとたん、海辺の崖においてかれちゃった」

人魚「だから飛び下りたと……酷い話ね」

少年「………」

少年「…はい、できた。お姉さんにあげるね」

人魚「……花冠ってこういうもんなのね」

少年「青い花だから、お姉さんの金髪によく似合うね」

人魚「…ありがと」

人魚「……じゃあ、あなたも暇なのね」

少年「……」

人魚「もう親に関係ないんだから、急いで死ぬことないでしょ」

少年「うん」

人魚「さ、行きましょ」

少年「え、どこに?」

人魚「まだまだ付き合ってもらうわよ。もっと楽しいところがあるの」

人魚「ほら、手握りなさい」

少年「? もう息できるよ?」

人魚「違うわよ!引っ張って行ってあげるって言ってんの!」

少年「わぁ、ありがとう!」ぎゅっ

人魚「人間の遅くて不恰好なばた足なんて見てらんないわよ」スイー

少年「お姉さんの手、ひんやりしてるね」

人魚「そう?人間の手が熱いんじゃない?」スイー

少年「みんな暖かいのかな?あんまり他の人の手に触ったことないから、分かんないや」

人魚「……奇遇ね、私も本当は人魚が冷たいかなんて知らないの」

少年「どうして?」

人魚「私以外の人魚に、会ったことがないのよ」

人魚「もしかしたら、もう私以外に人魚なんていないのかもしれない」

少年「……お父さんやお母さんはいないの?」

人魚「分からないわ。気付いたらひとりぼっちで波に揺れていたから」

少年「……」

人魚「さぁ、ついたわ。ここよ」

少年「わぁ……!」

人魚「どう?」

少年「陸地の森みたいだ!これ、全部海藻なの?」

人魚「ええ。なかなか壮大でしょう」

人魚「最近はここで暮らしてるのよ」

少年「最近は?」

人魚「私は人間みたいに決まった寝床なんて持たない主義なの。気の向くままに波に乗って世界を回っているもの」

少年「なんだかカッコいいね…!」

人魚「照れるわね…」

少年「……」コクン

人魚「人間?」

少年「あ、ごめんなさい…僕、ちょっと疲れちゃったみたいで」

人魚「まぁ人間がこんな長い時間泳いでたら無理もないわね。今日はもう寝ましょう」

人魚「この海藻に横になればいいわ」

少年「…ハンモックみたいだね」

人魚「あ、それなら私も知ってるわ。確かに似てるわね」

少年「よいしょ……案外安定してるね」ごろん

人魚「寝心地最高よ」ごろん

少年「空、綺麗だね」

人魚「空?」

少年「あ、ここ海の中だから…水面だね」

人魚「そんな綺麗かしら?」

少年「うん。月の光がゆらゆら揺れて、不思議な感じ」

人魚「見慣れてるから分かんないわね…」

少年「ねぇお姉さん、子守り歌、歌ってよ」

人魚「子守り歌?」

少年「人魚って、歌が上手なんでしょ?僕、いつもすぐに寝れないんだ」

人魚「よく知ってるわね、子守り歌以外にもたくさん知ってたわよ。魅了の歌、呪いの歌、嵐の歌…」

少年「そんな歌もあるんだ…」

人魚「でも残念ね、忘れちゃったわ」

人魚「最後に歌ったのいつだったかしら?とにかく、長い間歌ってなかったから忘れちゃったわよ」

少年「そっかぁ」

少年「……いい、やっぱりいらない。なんだか、今日はよく寝れそうな気がするんだ」

人魚「いらないなんて失礼ね」

少年「あ、ごめんなさい、そういう意味じゃなくて…」

少年「なんだか、今日はあったかい気持ち。こんなこと始めてだよ」

人魚「……それはよかったわね」

少年「ありがとう、お姉さん」

人魚「え?」

少年「きっとお姉さんのおかげだよ……生きててよかった…」

人魚「人間…」

少年「……」

人魚「……人間?」

少年「すぅ……」

人魚「寝てる…」

人魚(結局すぐに寝てるじゃない。……でも、私もなんだか不思議な気持ち。ひとりぼっちじゃない夜っていいものね)フフ

人魚「おやすみなさい」

少年「おはよう、お姉さん」

人魚「あら人間、早いのね。どう?ぐっすり眠れた?」

少年「うん。とってもよく眠れたと思うよ!」

人魚「それはなによりね」フフン

人魚「それじゃあ人間、何か見たいものとかある?」

少年「え?好きなところ連れてってくれるの?」

人魚「ええ。私はとっても暇だもの。海の中ならどこでもいいわよ」

少年「……うーん」

少年「じゃあ、そこの森みたいな所に
入ってみたい!」

人魚「どこでも連れてってあげるって言ってんのに…目の前なんて可愛いげのない子ね。まあいいわ、手、出しなさい」

少年「うん」

人魚「せっかくだし、森の奥まで行くわよ」ぎゅっ

少年「海藻がゆらゆらしてて、綺麗だね」

人魚「ここはけっこう珍しい海藻もはえてるのよ」

少年「そうなんだ」

人魚「あ、この海藻食べれるのよ。はい」プチッ

少年「本当?」

人魚「まぁ食べてみなさいよ」

少年「……不思議な味だね…」

人魚「やっぱり人間の口にはあわないか…美味しいんだけどなぁ」

少年「え、あの、ごめんなさい…」

人魚「気にしてないわ。さ、先に進むわよ」

少年「うん」

少年「お姉さん、前から魚が来るよ」

人魚「本当だ」

マダイ「 」パクパク

人魚「Bonan matenon! kion vi faris?」

マダイ「 」パクパク

人魚「Tio pravas, bye!!」

マダイ「 」スイー

少年「あの鯛は何て言ってたの?」

人魚「なんか、ここって小海老が美味しいから食べに来てたんだって」

少年「海老!ぼく海老好きだよ」

人魚「あと、『可愛い坊やだね』って言ってたわよ」

少年「……カッコいいのほうがよかったなぁ」

人魚「ふふ、可愛い可愛い」

少年「もう、お姉さんたら」

人魚「そういえば、人間」

少年「なぁに?」

人魚「あなた、名前なんて言うの?」

少年「僕の名前?」

人魚「そうよ。……に、人間だと呼ぶとき不便かなって…」

少年「少年だよ。お姉さんは?」

人魚「私…名前がないの。今まで通り、お姉さんって呼んで」

少年「うん、お姉さん」

少年「だんだん暗くなってきたね」

人魚「中心にいくほど生い茂っているのよ。…でも、中心はひらけてるの」

人魚「ほら、見えてきた」

少年「あそこ?」

人魚「そうよ」

少年「わっ、まぶしい!」

人魚「いきなり明るいところに出たものね。それより見てみなさい」

少年「……?」

少年「……おっきい!」

人魚「海藻の中にも長く生きるのがあってね、これなんかもう60年くらいになるんじゃないかしら」

少年「ピンクで綺麗だね…なんだか見たことがある気がするよ」

人魚「花びらの部分は、スターチスっていう地上の花に似ているらしいわ」

人魚「まぁ、スターチスなんて見たことないし…おしゃべりのイルカが言ってたことだから怪しいけどね」

少年「僕もよく分かんないけど…本当に綺麗だね」

人魚「ええ。森に入ったら、これを見せたかったの」

少年「僕に?」

人魚「少年にね」

人魚「この美しさを、誰かと分かりあいたかったの」

少年「誰もわかってくれないの?」

人魚「魚はこういうとこ駄目ね。喜怒哀楽はあるけど、感動みたいな複雑な感情はないから…」

少年「そっか…」

人魚「でも、少年は分かってくれてるんでしょ?」

少年「もちろん!」

人魚「ふふ…なんだか私、とっても嬉しい!」

人魚「こんなにいい気分は、生まれてからあったかしら…」

少年「生まれてから……お姉さん何歳なの?」

人魚「…それ聞いちゃう?」

少年「え、うん…」

人魚「どれくらいになるかしら…人間の暦は詳しくないけど…
そうね、あなたの落ちてきた場所あたりの人間が、変な髪形してるのは見たわ」

少年「変な髪形?」

人魚「えっと…ちょうどこんな感じよ」ヒョイ

少年「ちょんまげ!ちょんまげだ!」

人魚「ちょんまげって言うの?またお馬鹿っぽい名前ね」

少年「すごいねお姉さん、長生きなんだね!」

人魚「長生きなんてもんじゃないわよ。人魚は永遠を生きるのだから」

少年「?」

人魚「老いることもなく、死ぬこともない。世界の終わりをこの目で見るのよ」

少年「でも、元気なまま長生きできるっていいことじゃないの?」

人魚「……まさか」

人魚「少年、私が人間を好きな理由はいくつかあるけどね……一番は、羨ましいからなのよ」

少年「何がうらやましいの?」

人魚「……寿命よ」

人魚「いえ、人間だけじゃない…生きるものは、全て寿命に抗えない」

人魚「終わりがあるから美しい。儚いからこそ尊いのよ」

少年「……」

人魚「寿命を持つものにとって、生きることは死んで行くことよ」

人魚「不思議よね、生と死は対極にあるのに」

人魚「でも、私にはそれがない」

人魚「寿命のない命なんて命じゃない。私は、生きてすらいないのかもしれないわ」

少年「……」

人魚「あらごめんなさい、難しい話しちゃったわね」

少年「うん、難しかった……けど…」

少年「お姉さんは、ちゃんと生きてるよ」

人魚「少年……」

少年「だってお姉さん、ひんやりしてるけどちゃんと暖かさもあるもん。生きてる証拠だよ」

人魚「……そうね、あなたが言うならきっとそうだわ」ニコ

少年「でも、神様は意地悪だね」

少年「僕とお姉さんが入れ替われたらいいのに」

人魚「……」

少年「僕はもうすぐ死んじゃうけど……もっと生きたい。もっとたくさんのものを見たいし、もっとたくさんのことをしたい」

人魚「……ごめんなさい、無神経なこと言ったわ…」

少年「あ、謝らないで!お姉さんが助けてくれなかったら僕、とっくに死んで…」

人魚「……あなた優しい子ね」

少年「だから泣きそうな顔しないで、お姉さん…」

人魚「な…泣きそうな顔なんてしてないわよ!」

人魚「……」

少年「お姉さん…」

人魚「少年、帰ろっか」

少年「うん」

人魚「……」スイー

人魚(手のひら、暖かい)

人魚(少年も、今はちゃんと生きてる…)

人魚「……ほら、ついたわ。森の出口よ」

少年「ありがとう。ちょっと海藻で横になろうかな…」ユサッ

人魚「ねぇ少年、明日はどこに行きたい?」

少年「明日も、一緒にいてくれるの?」

人魚「行くあて、ないんでしょ?だから一緒にいてあげても…」

少年「あ、明後日は?その次の日は!?」

人魚「明後日もその次の日も、そのまた次の日も…ずっとよ」

人魚「だから、明日はどこに行きたい?」

少年「……」グスッ

人魚「あ、あれ?私何か変なこと言った!?」

少年「ち、違う…僕、嬉しくて…」グシグシ

少年「そんなこと言ってもらえたの、始めてだから…」

人魚「わかったわかった、泣き止みなさい」ナデナデ

少年「お姉さん、」

人魚「なぁに?」

少年「……僕ね、ジンベエザメが見たい」ニコッ

人魚「わかった、明日連れてってあげるわ」ニコ

人魚「ほら、今日はもうそのままお休み。明日は早いわよ」

少年「うん……おやすみなさい、お姉さん」

人魚「おやすみ」

人魚(……この子に、少しでも多くの楽しい事を教えてあげたい、見せてあげたい…)

人魚(……この子が、すこしでも長く生きられるようにしないと)




…………………………

………………

……


少年「ジンベエザメ!ジンベエザメだぁ!!」

人魚「こら!手をはなしたら流されるわよ!」

少年「お姉さん、ジンベエザメとはお話しできる?」

人魚「出来るわよ!…多分」

人魚「Tre agrableーー!!」

ジンベエザメ「 」パクパク

人魚「声でかい…」

少年「声?聞こえないよ?」

ジンベエザメ「 」パクパク

人魚「?iuj diras tielーー!!」

人魚「少年、手を振ってごらんなさい」

少年「お、おーい!ジンベエザメー!」ブンブン

ジンベエザメ「 」バシャッ

少年「わっ、ヒレふってくれたー!!」

少年「ジンベエザメ、なんて言ったの?」

人魚「海はどうだい?楽しいかい?って言ったわね」

少年「楽しいーー!!」

人魚「Li versxajne amuzaーーーー!」

ジンベエザメ「 」パクパク

人魚「それは何より、楽しんでいきなよ。だってさ!」

少年「海の中って、みんな優しいんだね」

人魚「まあ人間嫌いも少なくないけど、人間みたいにピリピリしてるヤツは少ないわね」

少年「いいところだね、海は」

人魚「そうよ。地上はよく知らないけど…ここは、優しくて広いわ」

少年「…あっ、」クラッ

人魚「ちょっと!手離しちゃ駄目じゃない!」パシッ

少年「ごめんなさい、なんだかくらっとしちゃって…」

人魚(……病気のせいなのかしら)

少年「……ふう、」

人魚「少年、続きはまた今度にしましょう」

少年「でも…」

人魚「帰るわよ」スイー

人魚(私には人間のことも、病気のこともよくわからない…)

人魚(この子になにをしてあげられるのかしら)

人魚(今度、海の魔女にでも聞きにいかなきゃ)

人魚「……到着ね。とりあえず横になりなさい」

少年「うん」ごろん

人魚「大丈夫?苦しいの?」

少年「……大丈夫だよ。心配しないで」

人魚「…そう?」

少年「おやすみなさい、お姉さん」

人魚「……おやすみ」

少年「…、はぁ……」

人魚(苦しそう…眠れないのかしら)

少年「……」ゴロン

人魚(寝返りうつばっかりね…)

人魚「眠れないの?」

少年「あ、お姉さん!?起こしちゃった…?」ゼェゼェ

人魚「そんなにゴロゴロされちゃあね」

少年「うう…ごめんなさい」

人魚「仕方ないわね、…目をつぶりなさい」

少年「?」

人魚「子守り歌、歌ってあげるわ」

少年「でも、忘れたって…」

人魚「お、思い出したのよ!とにかく、特別なんだからね!」

少年「……えへへ、ありがと」

人魚「心して聞きなさいよ」

少年「うん」

人魚“Bona nokto, kara infano”

人魚“Mi donos al vi amikajn en via dormo...”

少年(さっきまでの苦しさが嘘みたい…)

少年(とっても静かな気持ちだ…)スゥ


人魚“?i ne venas terura nokto”

少年「……」スヤスヤ

人魚“Bona nokto, kara infano...”



人魚「……寝たわね」

人魚「ふふ、お間抜けな寝顔」ナデナデ

人魚(今日は、急に具合が悪くなった…明らかにつれ回したのが良くなかったんだわ)

人魚(楽しいことを体験させてあげたいと思ったけど、それが本当に少年の為なのかしら?)

人魚(ともかく、しばらくは安静ね…)

人魚(私も、もう寝よう…)






少年「ん……」

少年(明るい…朝かな)

少年(あれ、お姉さんがいない)

少年「お姉さーん…お姉さーん!!」

少年(……いない…どうしよう…)

少年(…もしかして僕、また捨てられちゃったんじゃ)

人魚「思ったより手間取ったわね…」スイー

少年「! お姉さん!」

人魚「あら少年、起きてたの?」

少年「お、お姉さん…帰って来てくれたんだね…」グスッ

人魚「当たり前じゃない、泣き止みなさい。全く男の子なのに泣き虫ね!」ナデナデ

少年「うん……お姉さん、どこ行ってたの?」

人魚「ふふ、これを見なさい!!」バッ

少年「すごい、海老だ!!」

人魚「桜エビに車エビ、伊勢エビだってあるわよ!」

少年「…もしかして、僕のために?」

人魚「べ、別にそ…」ハッ

人魚「そ、そうよ!あなたのためなんだから!ありがたく食べなさい!」

少年「ありがとう…僕、嬉しい!」

人魚「素直でよろしい」フフン

人魚「じゃあ、伊勢エビから食べよっか」

イセエビ「…」カサカサ

人魚「ふんっ」ベキッ

イセ エビ「」

少年(ワイルドだぁ…)

人魚「はい、少年」

少年「ありがとう」モグモグ

少年「生でも美味しいね」モグモグ

人魚「人間はなんでも火を通すから、あなたには珍しいかもね」モグモグ

人魚「でも、火を通すのも悪くないらしいわね…一度、食べてみたいわ」

少年「海老だと、エビフライが美味しいんだよ!」

人魚「エビフライ?何それ」

少年「熱い油でエビを揚げるんだ。サクサクしてるんだよ!」

人魚「お、恐ろしい調理法ね…」

少年「そうかな?」

人魚(昔のヨーロッパの処刑のようだわ…)

少年「ねぇお姉さん、海老は食べていいの?」

人魚「今食べてるじゃない」モグモグ

少年「何て言うか…お姉さん、海老とはお友だちじゃないの?」モグモグ

人魚「エビぃ?エビの言ってることなんて分かんないわよ。エビ美味しいし」ムシャムシャ

人魚「基本的に、魚以外と会話は無理ね。あとはカメとかイルカとか…海鳥なら話せたりもするわね」モグモグ

少年「お姉さん、本当にいろんな生き物と話せるんだね!」

人魚「すごいでしょ」フフン

少年「…ごちそうさま」

人魚「あら、伊勢エビ以外にもたくさんあるのに…もういらない?」

少年「うん、もうお腹いっぱいなんだ」

人魚(どう考えても少なすぎるわね…食欲ないのかしら)

人魚「そう?なら無理強いはしないわ。エビはまだ生きてるし、適当に遊ばせといてまた捕まえるわ」パッ

エビ「……」カサカサ」

人魚「少年、今日はちょっとここで休んでなさい」

少年「えー!僕、大丈夫だよ?」

人魚「駄目よ。体調が良くなったら、またどこへだって連れてってあげるから」

少年「……わかった。約束だよ!」

人魚「いい子ね」

人魚「あーあ、この花冠も萎れてきちゃった。けっこう気に入ってたのに」

少年「じゃあ、今度あの珊瑚礁に連れて行ってよ。またお姉さんに作ってあげる」

人魚「本当?」

少年「本当だよ。だからそれはもう捨てたらいいよ」

人魚「えー、嫌よ」ガサゴソ

少年「何?その箱」

人魚「なかなか可愛いでしょ?昔、沈没船から拝借してきたの」

人魚「私の宝物をしまっているのよ…まぁそんなにないけどね」

少年「何が入ってるの?」

人魚「ふふ、ないしょ。花冠はここにしまっておくわ」カチャン

少年(そんなに大切にしてくれるんだ…なんだか、とっても嬉しいな)

その夜



少年「ゔぅ…」

人魚(今日も眠れないのね…苦しそう)

人魚「少年。子守り歌、歌ってあげる」

少年「今日もごめんね、お姉さん…」

人魚「かまわないわよ、これくらい」

…………………

…………

……

人魚「やっと眠ったわね…」

少年「……」スヤスヤ

人魚「……」

人魚(このままじゃ駄目だわ)

人魚(この歌は半ば強制的に眠らせるようなもの。これを繰り返していれば少年はこの歌なしには眠れなくなってしまう…)

人魚(だからと言って、苦しんでる少年を放っておくなんて出来やしないわ…)

人魚(でも、今は夜だけだからいいけど、昼間にも苦しみだしたらどうするの?この歌で眠らせて、少年が起きたらまた眠らせるの?それを繰り返すの?)

人魚(眠っている間は苦しくはない。でも…)


人魚(私は、どうすればいいの?)

人魚(少年は朝まで起きない…)

人魚(魔女のところにでも行って、助言でもしてもらうかしらね…気に入らないけど)

人魚「待っててね、少年。できるだけすぐに帰ってくるから」ナデナデ

人魚「……行ってくるわ」スイー

海中洞窟



人魚「魔女ー!いるんでしょー!」

魔女「なんだい煩いね」

人魚「相変わらずリップ濃すぎよ!変えれば?」

魔女「悪かったね、趣味なんだよ!で?今日は一体何の用だい?」

人魚「実は…」

……………


魔女「へぇ……つまり、アンタはその坊やを助けたいんだね」

人魚「まぁ…そんなとこね」

魔女「とりあえず安静ってのは間違っちゃいないね」

魔女「でも、それじゃあ根本的な解決にはならないねぇ……病にならないアンタには分からないかもしれないけど」

人魚「……」

魔女「この際だし、はっきり言わせて貰うよ。アンタが選べる選択肢は二つ」

魔女「陸に返して人間の治療を受けさせるか、弱り続けていく坊やをただ眺めているか。その二つだね」

魔女「まぁもっとも、陸に返したところでその坊やが助かる見込みは少ないけどね」

人魚「そんな……!!あなたの薬とかで、どうにかならないの!?」

魔女「無理だね。いくらアタシでも人間のガンなんて治せやしない」

人魚「…そう」

魔女「どっちを選ぶか、坊やと話し合うんだね。ほら、今日はもう帰りな」

人魚「そうさせてもらうわ。…邪魔したわね」

魔女「おっと忘れるところだった、これを持って行きな」

人魚「何よコレ」

魔女「痛み止めだ。治すことは無理でも、感覚を騙すくらいなら出来るさ」

人魚「……怪しいモンじゃないでしょうね」

魔女「安心しな、成分は人間が使っているものと大差ないよ」

人魚「…今、持ち合わせないんだけど」

魔女「また今度、真珠でも持って来な」

人魚「…悪いわね、助かるわ」

魔女「さぁさぁ帰った帰った。坊やが待っているんだろ?」

人魚「ええ。…また来るわ」

………………

…………

……


少年「ねぇお姉さん、今日もどこにも行けないの?魔女さんの薬飲んでから全然しんどくないのに」

人魚「そうねぇ…」

少年「もう何日寝てるかわかんない。つまんないよ…お姉さん、お願い!」

人魚(結局、重要な話はできてないし、いつ薬が効かなくなるか分からない…)

人魚(今のうちに、したいことさせてあげるのもいいのかもしれないわ)

人魚「…わかった。遊びに行きましょ!」

珊瑚礁



人魚「少年、本当にここでよかったの?」

少年「うん、また花冠作ってあげるって、約束したもん!」

人魚「ありがとう…」フフ

少年「でも、最近は本当に体が軽いや…魔女さんって、いい人なんだね!絵本とは大違いだ」

人魚「人魚姫の話のこと?私あの話キライ!」

少年「そうなの?」

人魚「ええ。人間の作った話だと、だいたい人魚は不幸になるのよ?私に何の恨みがあるのかしら…」ムスッ

少年「たしかに、最後は泡になって消えちゃうなんて悲しいね…」

人魚「全くよ」

人魚(泡のように儚いのは人間のほうよ)

人魚(私だって、いっそ泡になって消えることが出来たら…)

人魚「それに、あなたが言う通り、海の魔女だってあんなに悪いヤツじゃないわ」

人魚「口紅濃くてがめついだけで、けっこういいヤツなのよ」

少年「そうなんだね」

少年「いつか魔女さんに会わせてね、お礼を言わないと」

少年「あ、よかった。まだたくさん咲いてる」プチッ

人魚「ねぇ、少年……」

少年「なぁに?お姉さん」プチプチ

人魚「大切な話があるの…」

人魚「少年、これ」ジャラッ

少年「わ、わあ!すごい!!真珠がいっぱいだ!こんなに、どうしたの?」

人魚「集めてきたのよ。…少年、」

人魚「……」

人魚「これを持って、地上に戻りなさい」

少年「…え?」

人魚「真珠を売れば、それなりのお金になる。それを使って、地上で治療を受けなさい」

少年「……お姉さん、」

人魚「人間の治療なら、治るかもしれないわ。大丈夫、私ならいつまででも待って…」

少年「嫌だ!」

少年「お姉さん、ずっと一緒にいてくれるって…あれは嘘だったの?」

人魚「嘘なんかじゃないわ…!私だって一緒にいたいわよ…!!」

人魚「でも、あなたが助かるにはこれしかないの…」

少年「…そんな顔しないで、お姉さん」

少年「僕ね、わかるんだよ。今は薬のおかげで動けるけど、もう僕は助からない…」

少年「最初に病院で言われたんだよ、もうどうしようもないって」

人魚「で、でも…やってみなきゃ分からないじゃない!」

少年「分かるよ、自分の体なんだから」

人魚「少年……」

少年「だからね、お姉さん…」

少年「どうせ死んじゃうなら、僕、お姉さんと一緒にいたいんだ」

少年「もうどこへ連れて行ってくれなくても文句言わないよ…お姉さんがいてくれれば…」

人魚「……わかったわ」ぎゅっ

人魚「あなたがそう望むなら…ずっと一緒にいてあげる。ずっとずっと…」

少年「……ありがとう、お姉さん」ぎゅっ

人魚(どうしてかしら…)

人魚(こんなに悲しくてやるせないのに、どうしてこんなに、暖かいの……?)

………………


少年「はい、新しい花冠できたよ」トスッ

人魚「ありがとう…あら?それは何?」

少年「指輪も作ってみたんだよ。着けてくれる?」

人魚「もちろん!」

人魚(指輪…)

人魚「ねぇ、少年が私の手にはめてくれない?」

少年「うん」

人魚「この、左手のくすりゆびに」

少年「どうしてその指なの?」

人魚「少年は知らないのね…教えてあげるわ」

人魚「私が、少年とずっと一緒にいるっていう証よ。……さぁ」

少年「うん、どうぞ」スッ

人魚「…ありがとう。大切にするわ」




人魚(ずっと、ずっと一緒よ)




人魚(いつかくる、その日まで……)

…………………

………




少年「お姉さん、今日は久し振りに遊びに行けて楽しかったよ」

人魚「明日は、どこに行きたい?」

少年「あしたも遊びに行っていいの?」

人魚「かまわないわ…ええ、いいのよ」

人魚(何が正しいかなんて分からない。でも、少年の望みを叶えてあげることならできるわ)

人魚(少年はもう長くない命を受け入れている……)

人魚(私にできるのは、その間を少しでも満ち足りたモノにしてあげることだけ)

人魚「どこへだっていいのよ」

少年「うーん……じゃあさ、お姉さんのお気に入りの場所が見たい!」

人魚「私の、お気に入りの…」

少年「あるでしょ?」

人魚「……あるわ、とびっきりの場所が」

少年「どんなところ?」

人魚「明日のお楽しみよ。……さ、今日はもう寝なさいな」

少年「うん、おやすみ。お姉さん」

人魚「おやすみなさい。きっと、きっと連れて行ってあげる…」

少年「……」スゥ


人魚(もう、歌ってあげなくても眠れるのね……)






人魚「少年、少年。起きなさい」ユサユサ

少年「お姉さん…おはよう」パチ

人魚「おはよう。気分はどうかしら?」

少年「なんだかとっても気持ちがいいよ。不思議なくらい」

人魚「そう……なら、連れて行ってあげるわ」

人魚「素敵な場所へ」

人魚「ほら少年、手を握って」

少年「うん」ぎゅっ

人魚「……離しちゃ駄目よ」

少年「絶対に離さないよ、お姉さん」

人魚「…わかってるじゃない」フフ

人魚「さぁ、行きましょう」スイー

少年「今日はどこへ連れて行ってくれるの?」

人魚「秘密。きっとびっくりするわよ」スイー

少年「楽しみだなぁ」ニコニコ

人魚「綺麗なところでね、私も悲しいことがあると行ったりするのよ」スイー

少年「悲しいこと……」

少年「なんか、ここから地面が崖みたいになってるね」

人魚「ここから深いところへ降りていくのよ。怖い?」

少年「…ちょっと」

人魚「目をつぶっててもいいわよ。しっかり引っ張って行ってあげるから」

少年「ううん、大丈夫。…目を開けてる!」

人魚「偉いわね。じゃあ、ゆっくり行くわよ」スイー

少年「すごい…どんどん暗くなって行くね」

人魚「深く潜ると太陽の光も届かなくなるのよ」スイー

少年「なんだか、不思議な魚が増えてきたね」

人魚「深海の魚は独特だからね…さぁ、もうすぐ海の底よ」スイー

人魚「ほら、ついた」ストン


ふわ…


少年「…!」

少年「ゆ、雪だ!どうして、海の中に雪が…」

人魚「不思議でしょう?海のなかでも雪は降るのよ」

少年「綺麗だね…」テクテク

少年「足跡も残る。本当に雪みたい」

人魚「マリンスノーって呼ばれてるみたいよ、コレ」

少年「そのまんまだね」クスッ

少年「……なんでかは分からないけど、懐かしい気持ち。どうしてかな」

人魚「全ての命は海から生まれたのよ。人間だってそう。だからあまり変なことでもないんじゃないかしら」

人魚「私も、ここに初めて来たとき思ったわ。水の揺らぎしか聴こえない静寂、目の前しか見えない暗闇…
なにより降り積もる白が、とても懐かしく感じたの」

少年「お姉さんもなんだね」

少年「……?」

少年「お姉さん、あれは何?」

人魚「アレって?」

少年「あの大きい、骨みたいなの」

人魚「ちょっと、近づいてみましょうか」

人魚「これは…クジラの骨格ね、たまに海底で見かけるわ」

少年「鯨のなんだ…近くで見ると、思ったよりずっと大きいや」

少年「……」チラッ

人魚「?」

少年「話は変わるけど……お姉さん、悲しいの?」

人魚「…へ?」

少年「……僕が、もうすぐ死んじゃうこと」

人魚「……何でよ」

少年「ここ、悲しいことがあると来るんでしょ?それにお姉さん、悲しそうな顔してるもん」

人魚「え、嘘…」

少年「気付いてなかったの…?」

人魚「でも、だって…そんなの…悲しいに、決まってるじゃない…」

人魚「私、やっと一人ぼっちじゃなくなったのに、それなのに…」

少年「…ごめんなさい、お姉さん」

少年「でもね、僕、あんまり悲しくないんだ。不思議でしょ?」

少年「お姉さんとバイバイしなくちゃ行けないのは寂しいけど…死ぬことは悲しくないんだ」

少年「みて、お姉さん」

人魚「?」

少年「鯨の骨のまわりに、小さな生き物がいっぱいいるよね」

人魚「ええ…」

少年「この生き物はきっと、鯨の死体を食べて生きているんだよ」

少年「…死ぬって、そういうことだと思うんだ」

少年「命は巡るって聞いたことがあるんだ」

少年「お姉さんは永遠に生きてられるんでしょ?だから、どれくらいかかるか分かんないけど……僕が生まれ変わった後も、きっと生きてるよね」

人魚「…そうね」

少年「そうしたら、またお姉さんに会えるから…悲しくなんかないんだよ」

人魚「……」

少年「また会えたら、今度も一緒にいてくれるよね…」

人魚「……馬鹿ね、あたりまえじゃない。約束したんだから」

少年「……!げほっ、」ゴボゴボ

人魚「少年!!ち、血が…!」

人魚「は、はやく戻らないと…!」

少年「……いいんだ、お姉さん」

少年「それより僕、空が見たいんだ。連れて行ってよ、お姉さん」

人魚「こんな時に何言ってるのよ…!?」

少年「最後のお願い。……駄目?」

人魚「…わかったわよ、空くらい何度でも見せてあげるから、最後なんて、言うんじゃないわよ!」

少年「ありがとう」

人魚「急いで行くわよ…離れないでよね!」ガシッ

少年「うん」

人魚(…わかってるわ。本当にこれが少年の最後のお願いになることくらい、わかってるわ……)

人魚(そういえば、最初に少年を連れてきたときもこの近くを泳いでいたわね)

人魚(あのときより痩せてしまったけど…ずっと嬉しそうな顔をしてる)

人魚(……これで、よかったのよね…?)

ザバァッ


人魚「少年、ついたわよ」

少年「海にいたから、空気が息苦しいや…変なの」アハハ

少年「でもやっぱり、綺麗だね…月」

人魚「…そうね」

少年「最後に、お姉さんと月が見れてよかった…」

少年「僕、陸にいたときは月が一番好きだったんだ」

少年「お姉さんはたくさん面白いものや綺麗なものを見せてくれたよね」

少年「だから、一度でいいから僕の好きな月をお姉さんと見たかったんだ」

少年「…あれ?」

少年「お姉さん、泣いてる…」

人魚「えっ?」ぽろっ

人魚「これが…涙…?私…」ぽろぽろ

少年「…そっか」

少年「お姉さんがそんな顔をしてるときは、いつも泣いてたんだね。気づかなくって、ごめんね…」

人魚「…誰のせいだと、思ってんのよ」ぽろぽろ

人魚「なんで勝手に、死んじゃうのよ…!!」

少年「ごめんね、…」

少年「でもね、僕、今とっても幸せなんだよ」

少年「お姉さんにいっぱい楽しいことを教えてもらって、優しくしてもらって…」

少年「それで最後まで、こうしてぎゅってしてくれてるのが、すごく幸せなんだ」

人魚「いつまででもこうしててあげる…だから、まだいかないで……!」ぎゅっ

人魚「あと少し、少しでいいの!まだ、一緒にいたい…!」ぽろぽろ

少年「泣かないで、お姉さん」ぎゅっ

少年「きっと、また会えるから…泣かないで」

人魚「絶対よ…!絶対、また会いに来なさいよ…!!」

少年「うん、約束する」ニコ

少年「ねぇ。子守り歌、歌ってよ。僕、お姉さんの子守り歌大好きなんだ」


人魚「…うん。久し振りに歌ってあげる…」

人魚“Bona nokto, kara infano”


少年「やっぱり、上手だね」


人魚“Mi donos al vi amikajn en via dormo...”


少年「おやすみ、お姉さん」


人魚“Gentle mateno venas denove”


少年「……またね」


人魚“Do, bonvolu dormu nun, kara infano...”





人魚「……またね」






おしまい

初めてオリジナルで書いたら難しかったです…
コメントくれたら凄く嬉しいです



ナルト「サスケェのアナルに住むってばよ!」

ナルト「サスケを納豆風呂に入れるってばよ」
とかも読んでくれたら嬉しいです。お粗末様でした。

> ナルト「サスケェのアナルに住むってばよ!」
>
> ナルト「サスケを納豆風呂に入れるってばよ」
> とかも読んでくれたら嬉しいです。お粗末様でした。

最後の最後にぶち壊し過ぎィ

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