朝



結衣「あけていい？　」



雪乃「ええ、どうぞ」



結衣「えへへっなんだろうなぁー」ｶﾞｻｶﾞｻ



結衣「うわぁ！　かわいいお財布っ…………（ってこれ………）」






結衣（……バリバリ…………）

雪乃「どう……かしら……？　由比ヶ浜さん……」



結衣「わ、わぁーかわいいなー！！　ありがとうゆきのん、大事に使うよ！」



雪乃「そう、ならよかったわ」ﾆｺｯ　

雪乃「このお財布とても便利なのよ」



雪乃「簡単に開け閉めできるし、それにこの音……」

ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ



結衣「…」



雪乃「いいわぁ………最高ね…」

結衣「……あはは……ゆきのんってこういうの好きなんだね…」



雪乃「ええ」


雪乃「さっそくだけど使ってみてはどうかしら？」



結衣「えﾞ！……（どどうしよう……恥ずかしいな……）」

結衣（でもここで断ったら……）ﾁﾗｯ



雪乃「…」ﾜｸﾜｸ　



結衣「（……目が輝いてるよ…）　…うん…じゃあいれかえるね！」



ﾊﾞﾘｯ！ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ！



雪乃「！」

雪乃「やるわね由比ヶ浜さん………ここまでの音を出すとは相当練習を積んできたようね」



結衣「そんなわけないし！」



雪乃「やはり私のGUCCIのお財布にもマジックテープを付けるべきかしら………」



結衣（自分は使ってないんだ………）

雪乃「あら、もうすぐSHRが始まるわ。それじゃあまた」



結衣（どうしよ………）

昼休み　自販機前



優美子「結衣何飲む？」



結衣「ええーとどれにしよーかなぁ…」



結衣（こんなとこでお財布ひらけないよ……かといって買わないと飲み物ないし…）

優美子「あーしはレモンティーっと、ほら結衣さっさとしないと置いてくよ」



ﾊﾞﾘｯ



優美子「？」

優美子（何この音？）



ﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ



優美子「ぷっ？！　結衣ってばバリバリに替えたんだ！　まーじウケるんですけど！！」



結衣「いやー‥…まあね………」



葉山「やあ、２人も自販機にきてたんだ」



優美子「あっ隼人！　ちょっときいてくんない結衣ったらさー」



葉山「ははっどうしたんだい？」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ



結衣「」



優美子「やっぱ隼人いいわぁ……//」



結衣「！？」

結衣（結局あのあと隼人くんにもお財布のことバレて………）


結衣（あたしのもバリバリされちゃった………）



八幡「おお」



結衣「あっヒッキー！たすけて！！」



八幡「うわなんだよ…俺はMAXコーヒー買いにきただけだ」



八幡「…サイフサイフっと……」ｼﾞｬﾗｯ




結衣（うわ……ヒッキーの長財布…………）




結衣（……………チェーンついてる………）

八幡「………………なるほど…そんなことがあったのか」



結衣「うん……どうしよヒッキー……」



八幡「まあ部活のときに話してみるか」

放課後


雪乃「で、話ってなにかしら」



八幡「簡潔に言う」


八幡「バリバリ財布はダサいぞ」



雪乃「……何故そう思うのかしら？」



八幡「まず音がダサい。見た目もダサい。あんなの小学生しか使わん」

雪乃「極めて主観的ね。それはあなたの勝手な意見に過ぎないわ」



八幡「くっ………つーかお前バリバリ好きなくせになんで葉山と仲悪いんだよ」



雪乃「葉山くんは人のバリバリを勝手にバリバリするのよ。それはバリバラー精神の欠ける行為だわ」



八幡「あーそういや由比ヶ浜もされたとか言ってたな」



雪乃「なんですって？！　…やはり葉山くんは危険ね」

雪乃「比企谷くんはどんなお財布を使ってるのかしら」



八幡「俺はこれだ」ｼﾞｬﾗｯ



雪乃「チェーンね……なるほどそれなら盗まれる心配はないわ」



八幡「驚いたな……てっきり批判されるかとおもってたわ」



雪乃「あら、私はなんでもかんでも否定するような人間ではないのよ」



八幡「悪かったな……」

八幡「しかし考えてみりゃバリバリにもメリットはあるな。財布自体が長持ちするとか」



雪乃「そうね、耐久性に優れているわ」




八幡「………となると……結論は決まったな」


雪乃「ええ……由比ヶ浜さんがとるべき行動はただひとつ」



結衣「うんバリバリにチェーンつけるよ」



おわり