厨二能力バトルっぽいやつ書く(45)


「君の望みを叶えてあげよう」

「君がずっと、心の底で望んでいたものを」

「君すら知らない、瀝青のような澱んだ衝動を」

「・・・君は、止水のような安寧を望むかい?」

「ただ腐り落ち、臭気を発するだけの安寧を望むかい?」

「それとも何もかもを破壊し、誰もかもを破壊し、ついには己すらも破壊してしまうような」

「至高の変革を望むかい?至福の変革を望むかい?至上の変革を望むかい?」

「・・・そうだ、それが君の望みだ」

「それこそが君の望みだ」

「ここに契約は完了した。代金はじきに振り込まれる」

「今はゆっくり眠るといい。なに、焦る必要はないさ」

「物語は、今ここに始まりを迎えたのだから」


・・・pipipipipipipipipipipi・・・


「・・・残念。いや、おめでとう。目覚めの朝が来た」


pipipipipipipipipipipipipipipipi


青年「・・・・・」

青年「いつもならアラームの5分前には勝手に目が覚めるんだが・・・」

こういう日はなにか良くないことが起きる。置き引きにあった時も、好物のカキフライに中った時も
そんなついてない日は、必ず今日のようにアラームで目が覚めた時だった

青年「ルリコンゴウインコだったな」

先程まで見ていた夢に思考を巡らせる。
内容はほとんど覚えていないが、鳥と話をしていた。どんな話をしていたかは覚えていない。
ただ、あの醒めるような碧は、きっとそうだったのだろう。

なんだろう、何かが変わっていくような、そんな兆しを感じた気がしたんだが・・・

何はともあれ、憂鬱だ。
この憂鬱な気分を抱えたまま、今日も日常が始まる。

青年「さて、今日はどんな不幸に見舞われるのか・・・」

青年「じゃあ今日も、お前の飯代、稼いでくるよ」


今日の通勤電車は、この時間帯には珍しく空き座席がチラホラ見えた。
こんな風に、たまたま座れた日には、俺の思考は良くない考えを巡らせ始める。

高慢な上司。馴れ馴れしい同僚。やる気のない後輩。仕事場と自宅を行き来するだけの日常。
そして人あたりのいい人物を演じ続ける自分。

全て糞だ。糞の詰まったズタ袋だ。

思えば、今まで生きてきた20数年の人生の中で、ただの一度も自分の心の内を晒したことはなかった。
誰からも好かれなかった。誰からも嫌われなかった。
誰かに踏み込んだことも、誰かに踏み込まれたこともなかったからだ。
思考の渦に飲まれていく。ぐるぐるぐるぐる。不意に、周りの時が止まったような気がして・・・

青年「・・・何もかも、ブッ壊れねーかな」

誰にも聞こえないよう、そう呟いた。

???「なら俺がブッ壊してやろーかぁ?」

ハッとして前を向いた瞬間、俺は左頬に突き刺さる鋭い痛みと共に吹っ飛んでいた。


左頬が痛い。何が起きたのかわからない。目の前の男は誰だ?なぜ俺に攻撃を加える?

???「おいおい、なぁ~んだぁ?シケたツラしやがってよぉ~」

???「殴り合いだろぉ~がよぉ?殺し合いだろぉ~がよぉ?」

そこには30代くらいのチンピラ風の男が立っていた。後ろに撫で付けた金髪。極限まで細い眉。
びっしりと蓄えた顎髭。だぼだぼのニッカボッカ。元暴走族のとび職といったところか?
こんなやつは知り合いにいない。こんな男と関わる機会もないし、関わりたいとも思わない。

青年「おおおおお前は誰だ!?なんでいきなりこんなことをするんだ!?」

チンピラ「誰かってぇ?そんなもんは必要のねえことだろぉ~がよぉ~」

チンピラ「大事なのはよぉ~、お前と俺がこの場所に来てるってことだろぉ~」

チンピラが大仰に両手を広げている。あたりを見渡すと、満員に近いはずの電車には、俺とチンピラの2人しかいなかった

チンピラ「気づかなかったのかぁ?もう始まってるんだぜぇ~」

チンピラ「殺し合いが・・・なぁ!!!」


そう叫ぶのと同時に、奴が右の回し蹴りを放つ。前のめりになりながら、間一髪それを躱した俺は、転げるように距離をとった。

青年「フーっ、フーっ・・・」

チンピラ「なんだぁ、やれば出来るじゃねえかよぉ~」

チンピラ「いいぜぇ、もっと逃げて逃げて逃げまくってぇ、俺をもっっと楽しませやがれぇ!!!」

青年「ひ、ひぃ・・・!!」

俺は逃げた。何度も転びながら。あいつはそれを見て楽しんでいるようだった。

チンピラ「逃げ回る腰抜けヤロウを追い回すのは最高だなぁ!!!オラオラもっと逃げろやぁ!!!」

俺は逃げる。涙を流しながら。涎と鼻水を垂らしながら。ああ、全く以て最悪の日だ。
きっとこうなることが、今朝アラームで目を覚ました時から決まっていたんだろう。・・・畜生・・・
糞が!!糞!!なんで俺だけ!!死ね!!糞チンピラ風情が!!死ね!!死ね!!みんな死ね!!!

???「随分と物騒なことを考えてるねえ、さすが僕が選んだだけはある」


青年「しね・・・、え?」

青年「あ・・・お前は・・・っ!!か、からだがうごかない!?」

???「まあまあ、落ち着いてよ。今は時を止めて、思考の中だけで会話してるからあいつは来ないよ」

青年「何なんだ一体、あいつは何なんだお前は何なんだこの状況は何なんだ!?お前がこれに巻き込んだのか!?」

???「だから落ち着いてって言ってるじゃん。そもそも君自身契約に賛成したでしょ?」

青年「契約・・・?俺にそんな覚えはない!!」

???「まあー申し訳ないとは思うよ?説明が終わらないうちに君起きちゃったし」

???「だからこうしてまた君のもとに来たわけで・・・ほら」

青年「あ・・・お前は・・・夢に出てきた・・・」

???「覚えててくれたんだ、光栄だね」

???「僕はこの戦いの管理人だよ。そして監視役でもある」

???「僕のことはインコちゃんとでも呼んでくれ。なに、きっと短い付き合いだ。名前なんて意味をなさない」


インコ「さて、どこから話そうか?」

青年「・・・全部だ。全部話せ」

インコ「それは無理なお願いだね。君にはそこまで知る必要も、その権利もない」

青年「なら・・・まずこの状況を説明してくれ」

インコ「わかった。確かに、まずは君自身に君の置かれた状況を理解してもらわないとね」

インコ「君には、あの怖いおにーさんを含めて、7人と殺し合いをしてもらう」

青年「はぁ!?どういうことだよ!?」

インコ「言葉通りの意味だよ。そしてこれ以上のことは知る必要がない。知る意味がない」


青年「なんだそりゃ・・・きょ、拒否権はないのか?」

インコ「ないね。契約は既に結ばれた。物語はもう動いているんだよ」

青年「契約・・・また契約といったな。その契約とはなんだ?」

青年「俺はどんな見返りを得られる?・・・俺は対価として何を支払う??」

インコ「君は既に見返りを受け取っているよ。君にとって、途轍もなく、途方もなく価値のある見返りをね」

インコ「対価については答える義務はないね。もともとそういう契約だ」

青年「出鱈目だ・・・」

インコ「そう、出鱈目だ。しかし君は承諾した。快諾した。契約は滞りなく執り行われた」


青年「・・・わかったよ。もう余計な詮索はしない。・・・だから、教えてくれ。この戦いはどうすれば終わる?」

インコ「うん、そういう質問を待ってたんだよ。・・・この戦いの参加者は君を含めて8人だ。」

インコ「その中の、最後のひとりになれば、戦いは終わる。」

青年「戦いといったな。勝負は何を持って決する?」

インコ「参加者の死を持って。この戦いに参加権の放棄はない。殺し、殺され、殺し合い」

インコ「まさしく最後の一人となったものが、ただひとりの勝者だ」

青年「・・・そうか。」

・・・なんだ?この感情は

青年「では、既に受け取っているという見返りというのは?」

・・・この昂ぶりは・・・

インコ「この戦いへの参加権そのものだよ。」


インコ「この戦いで発生する殺人は、絶対に発覚しない。」

インコ「参加者同士の戦闘時には、結界のような空間が展開されるから目撃されることはないし」

インコ「死体は結界の中で消滅する。証拠もね」

インコ「おまけに殺された参加者の存在自体がこの世から抹消され、誰の記憶からも消えるからね」

インコ「そうしてそいつがあたかも最初からいなかったかのように、この世界は都合よく改竄される。」

インコ「つまり、この戦いの参加権は、参加者を何の罪もなく、罰もなく殺害できる権利なのさ」


インコ「そして、見返りとして、君にはもうひとつの権利が与えられる」

インコ「人の身では到底到達し得ない能力を行使できる権利だ」

インコ「人間が、人間に至る道の途中で手放した能力・・・」

インコ「進化の袋小路に迷い込んだ君たちへのプレゼントだよ」

青年「・・・俺に与えられた・・・、俺の能力はなんだ?」

インコ「君の能力はね・・・、なぁーんだ、君。やっぱり、嬉しそうじゃんか」

青年「・・・嬉しそう?・・・この俺が?」

インコ「とってもいい笑顔をしてるよ。」

インコ「虫をひねり潰すのが楽しくて仕方ない、そんな少年みたいな笑顔だ」



チンピラ「なぁ~んだ、もう諦めたのかぁ?」

青年「・・・逃げるのはもうやめだ。」

チンピラ「へぇ~、殺される覚悟はもう出来てるってかぁ?」

青年「殺される覚悟?笑えない冗談だ。覚悟をするなら、お前を殺す覚悟だよ」

チンピラ「・・・さっきまで涙流しながら逃げ回ってた腰抜けが、言ってくれるじゃね~かぁ・・・」

青年「尤も、お前を殺すことには覚悟すら必要ないがな。」

青年「・・・お前を殺すのは虫を潰すより楽しいかな?」

チンピラ「・・・ッ!!」

チンピラ「オラァッ!!!」

チンピラがノーモーションで右ストレートを放つ。常人ならば目で追うことすら不可能なその拳は、正確に青年の顔面を捉えた

・・・かに見えた



「バシィッッッツ」耳を劈く炸裂音が鳴り響く。青年の顎を砕くはずだったチンピラの拳は、青年の左手に捉えられていた。

チンピラ「はな・・・離せやゴルァあああああ!!!」

青年「ほらよ」

チンピラ「・・・ッ」

あっさりとチンピラの拳を離した青年の顔には、おもちゃで遊ぶ無邪気な子供のような笑顔が浮かんでいた。
一方、青年とは対照的にチンピラの顔には隠しきれない恐怖の色が浮かんでいた


チンピラ(何だってんだ・・・俺の能力モデルは「ドーベルマン」だぞぉ?相当強ぇの能力のはずだぜぇ・・・)

チンピラ(ましてやパンピーがこれ以上のヤツを持ってるはずがねえ!!)

チンピラ「・・・てめえの能力は何だァ!!一体てめえ、何飼ってやがる!!!!」

青年「・・・お前みたいなド低脳に言っても分かりゃあしねえだろうがな・・・」


青年「俺は蛇の能力者だよ。モデルはボアコンストリクターだ」


青年は満面の笑みを浮かべた

そして次の瞬間、青年はチンピラの視界から消え

チンピラの意識もまた、この世から永遠に消えた

噛ませ役が死んだところで
プロローグ終了です。

続きは後日。


少女「フーッ・・・フーッ・・・」

少女(傷はそれほど深くないが・・・マズイな)


月明かりに照らされる駐車場で、二人は対峙していた

制服姿の少女は、左の肩口に傷を負い、肘のあたりまで血を滲ませている

一方、相対するメガネをかけた男の方は、口元を血で汚しながらも貼り付けたような笑みを浮かべていた


メガネ「・・・どうやら君は、僕を愉しませるに足る人物ではなかったようだ」

メガネ「悲しいが、君では役不足だった。舞台はもう、終わりだ」

少女「・・・ハッ、こんな小さい傷を負わせただけでもう勝利宣言だなんて。早漏野郎にもほどがあるんじゃない?」

メガネ「残念だ・・・。全く残念だよ。」

メガネ「・・・君では、とてもとても。勃起すらできない」


そう吐き捨てるとメガネは、白磁のように透き通る、少女の首に掴みかかった。

少女「・・・がっ・・・っはぁ・・・」

ぎりぎりと音を立て、メガネの右手が彼女の細い首に食い込んでいく。

メガネ「殺しはしないよ。死体はこの空間とともにすぐに消えてしまうからね」

メガネ「戦いでは興奮すらできなかったが・・・こちらの具合はどうかな?」

少女は必死に抵抗する。メガネの腕を掻き毟り、メガネの体を我武者羅に蹴り付ける。

しかしメガネはそれを気にもせず、その顎を、その地獄の底のような顎を広げていく


耳まで裂けたメガネの口内には、恐ろしく鋭い牙が並んでいた

少女「・・・ひっ・・・」

メガネ「なるべく直ぐに死なないように、ゆっくり食い散らかしてあげよう」

その牙が彼女を引き裂こうとしたその時・・・

メガネ「・・・」

不意にメガネの動きが止まった

メガネ「・・・感心しないなぁ、人の食事を盗み見するのは」

メガネ「まあいい、出ておいで」

メガネ「僕の興味は君に移った」



そう言うとメガネは、乱暴に少女を放り投げた

少女「ぐ・・・げほげほっ」

少女「・・・はぁ・・・はぁ・・・っつ、はぁ・・・」

物陰から何者かが出てくる。知らない顔だが、この静止した空間で身動きができるということは、そういうことなのだろう

見た目は20代ほど、仕事帰りだろうか。くたびれたスーツを着ている。

ただ、どこにでもいそうなこの青年が、顔だけは、無邪気な少年のような笑顔を浮かべている。背筋が凍るのを感じた


青年「いいのか?止めを刺さなくても」

メガネ「言ったじゃあないか。僕の興味は、既に君に移っている」

青年「そうか。それと、折角の食事を邪魔して悪かったな」

メガネ「気にするな、それに、どうやら君の方が美味そうだ」

青年「美味そう?俺が?」

青年「どうやら自分が捕食者だと勘違いしているようだな」


メガネ「それで合っているよ。全く以て正しい。」

メガネ「僕が捕食者。君が被捕食者」

メガネ「それにやはり、君は美味そうだ」

メガネ「若くて、青くて、瑞々しい」

メガネ「さあ、君はどれほど、僕を愉しませてくれる?」



・・・じり・・・じり・・・

二人はゆっくりと近づいていく

・・・じり・・・じり・・・

時が止まったこの空間で、二人の周りだけに

・・・じり・・・じり・・・

目に見えない何かが、はっきりと蠢いていた

・・・じり・・・じり・・・

二人の隔たりが、吐息がかかるほどになった刹那

先に仕掛けたのは、青年の方だった



「ばつん」

生々しい音と共に、青年の右手には肉片が握られていた

見れば、メガネの左脇腹から血が滲んでいる

メガネ「ほう」

メガネは、嬉しそうに笑みを浮かべながら、自分の脇腹を見つめている

青年「余所見している阿呆がいるかよ」

青年の左手が消えた



青年「・・・な・・・」

青年の左手は、メガネの首を掴んでいた。

だが、その指は首に食い込むことすらなく、メガネの表皮で止まっていた。

メガネ「君の能力は瞬発力と握力か?」

メガネ「確かに初速はある。重さもある。力強さも一級品だ」

メガネ「だが僕が展開した鱗板を毟り取る程の力は無いようだな」

メガネ「まあ他にも隠している能力はあるのだろうが・・・」

メガネ「それも些末なことだ。直ぐに分かる」


青年「・・・くっ」

青年は距離を取る

メガネ「不用意に距離を取るのは勧められないな。僕が飛び道具を持っていないとも限らない」

青年「・・・俺が飛び道具を持っているとは考えないのか」

メガネ「ならば使えばいい。僕はそれを正面から受けよう」

見ればメガネの頬は上気を帯び、その股間は隆起していた

青年「・・・変態が」

誤用が一般化しすぎてもうこういうことに突っ込むのは野暮なのかもしれないが、
あえて突っ込むと役不足じゃなくて力不足な



メガネ「さあ来い。僕を興醒めさせるな。もっと僕を愉しませろ・・・」

青年「・・・フー。・・・愉しませろ、だ?」

青年「違うな。お前が、俺を愉しませるんだ」

青年「俺は”constrictor”。俺は”絞め殺す者”。」

青年「俺は飛び掛る者。俺は引き裂く者。俺は巻き付く者。俺は絞め殺す者。」

青年「俺が捕食者だ。お前は俺の餌に過ぎない。」

青年「俺が、お前を殺し、丸呑みにする」

>>32ご指摘ありがたやありがたや




メガネ「・・・素敵だ、とても素敵だ・・・」

メガネ「とてもとてもとてもとても・・・」

メガネ「とても素敵だ」

メガネ「だがまだ足りない・・・足りない足りない足りない足りない。まだ足りないんだよ」

メガネ「疾さが重厚さが力強さが瞬発力が機転が策略が狡猾さが執念が衝動が羨望が」

メガネ「確固たる自負が殺意が妄執が狂気が羞恥が慚愧が快楽が背徳が失意が怨嗟が」

メガネ「憤怒が欺瞞が悔恨が愉悦が闘志が冷酷さが随喜が悲嘆が怨恨が憐憫が絶望が」

メガネ「遍く全て、何もかもが」


メガネ「だから、僕が与えてあげよう」



青年「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す・・・」

二人は再度距離を詰める

青年「殺す殺す殺すころすころすころぁあ”あ”あ”あ”あ”あ”」

獣のような咆吼とともに、青年が奔りはじめる

地面に吸い付くような、異様に低い姿勢で奔る様は、まさしく蛇のようであった

二人が肉薄した刹那

先に仕掛けたのは、青年であった

「ばつん」

肉が削がれる音がした



「あ・・・あ・・・・」

青年「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」


青年の右の手首の、肉が深く深く削ぎ取られていた

鮮血滴る合間には、白い骨が覗いていた

青年「ふうううううううううううううう、ふうううううううううううううう」



「もにゅ・・・もにゅ・・・」

メガネ「やはり君の肉は美味だったな。だが、いささか芳醇さが足りない」

メガネ「ここで食い尽くすのは惜しい」

青年「ん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”」

メガネ「いい眼だ、絶望的な戦力差を前に未だ闘志を失っていない」


メガネ「だから、君に与えよう」



青年「か”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

絶叫とともに、俺は奴に飛び掛った

そこには、慈悲深いまでに優しい、奴の笑顔があった

そして、俺の両の眼に、奴の指が触れた

それが俺の見た最後の光景

俺は光を永遠に失った


今日はここまでです。
続きは後日

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