魔娘「…（魔王3将軍、聞こえますか）」

魔娘「…（いま私は勇者と共にいます）」

魔娘「…（すぐに私の元へ転移魔法で駆けつけてください、あなたがた3人ならきっと）」

ﾌﾞｩﾝ

勇者「む？魔法陣？危ない、下がるんだ！」

獅子将軍「我が名は魔王3将軍が一人、獅子将軍！！」

蛇将軍「我はﾍﾋﾞｨｯ！！ｷｼｬｱｱｱｱ」

山羊将軍「我が名は魔王3将軍が一人、山羊将軍である」

魔娘「…（やっぱり蛇将軍だけ頭悪い）」

勇者「なんだと、こいつらどうやって！」

獅子将軍「二人共、相手は勇者だ、最初からあれをやるぞ！！」

魔　獣　合　体

ﾋﾟｶｧｯ

勇者「まぶし！」

キメラ将軍「我はキメラ将軍、3将軍全ての力を持ちし者…」

勇者「ほう…」

キメラ将軍「ゆくぞ人の子よをぉぉぉ！！」

ｶﾞｷｨﾝ

勇者「くっ…だが女神の加護を受けしこの盾ならば！」

キメラ将軍「むぅっ、我が剣が欠けた！？」

勇者「そこだ！！」ｻﾞｼｭｯ

キメラ将軍「ぐ…う…見事」

魔娘「…（思っていたより手強い…）」

キメラ将軍「だがただでは死なぬ…自爆！！」ﾄﾞｫﾝｯ

勇者「ぐああああっ！！」

勇者「くっ…しまった」

魔娘「…っ！いまがチャンス！」

魔娘は本当の姿を露わにする…

頭からは2本の角が、背中には黒いカラスのような翼が生えた！」

肌は先程の肌色からは打って変わり、青白くなっている

勇者「えっ！？」

魔娘「我は魔王の娘、魔娘…勇者よ、貴様を殺す！」

勇者「か、か…」

魔娘「どうした？痛手を負っている上に魔王の娘が相手とはもはや勝算はないと悟ったか？」

勇者「可愛い…」

魔娘「え？」

勇者「やばいむっちゃ可愛い」

勇者「君いくつ？」

魔娘「は？」

勇者「てかさ、何で魔王の娘なのにゴブリンに襲われてたの？」

魔娘「いや、ゴブリンなんて低俗な魔物は父が作ったわけじゃないから…」

勇者「えっ、そうなの！？」

魔娘「そ、それに別に助けてもらわなくてもこの姿になればすぐに倒せたぞ」

勇者「へぇー…」

魔娘「ちなみに私は578歳だ」

勇者「それって人間で考えると？」

魔娘「…うーむ、22歳くらい」

勇者「俺18歳！お願いします俺と結婚して下さい。」

勇者「お父様への挨拶は魔王ということを考えると少し怖いけど…」

魔娘「は？いや、だから何をお前は…」

勇者「一目惚れしましたいままで出会った女性の中で一番可愛いです」

勇者「サキュバスより可愛いやばい」

魔娘「そ、そりゃあ私は魔王の娘だぞ、サキュバスなんかより美しいに決まっているだろう」

勇者「どうすれば結婚出来る！？」

魔娘「大丈夫かお前、というか勇者だろう、私と勝負しろ」

勇者「わかった、精霊の加護のおかげで話してる間に傷も癒えたし」

魔娘「な、だ、騙したな…もう許さん」

勇者「え？だます？」

魔娘「全力でお前を殺してやる！！」

勇者「わかった、じゃあ俺が勝ったら結婚して下さい！」

魔娘「意味がわからんわ！！もうダメだチリひとつ残さん！」

勇者「なるべく傷つけたくないけど髪の毛とか切れちゃったらごめんね」

魔娘「はあああああああ！！！」

魔娘の全魔力が一点に集中する

魔娘「全魔力一点投射！！」

ｽﾞｶﾞﾝと言う音と共に勇者は遥か後方へ吹き飛ぶ、
盾が無ければおそらく勇者の身体を貫通していただろう
それほどに女神の盾は堅い

勇者「ちいっ！さすが俺の嫁だ！！」

魔娘「お前の嫁になった覚えなど無い…」

勇者「チャンス！」

勇者は一瞬の隙を見つけ魔娘へ飛び掛かった

魔娘「しまった…ッ」

勇者はそのまま魔娘を押し倒す

勇者「はぁ…はぁ…」

魔娘「…（な、なんだ？）」

魔娘「殺さないのか？」

勇者「きっ、キスしていいか？」

魔娘「は？」

勇者「い、いや…だから、その、キス…」

勇者「それとも婚前交渉どころか婚前は手も繋がないとかそういうあれ？」

魔娘「お前まさか本気なのか？」

勇者「俺はいつでも本気だ」

魔娘「…///」きゅん

魔娘「い、いいぞ…」

勇者「いいのか？」

魔娘「ああ…だ、だが初めてなのだ…その…」

ﾁｭｯ

魔娘「あ…」ﾄﾛｰﾝ

勇者「へへへ、やったぜ」

魔娘「だ、だが父にはなんと言えば…」

魔娘「人間だし、その上伝説の勇者なんて…」

勇者「とりあえず家にお邪魔していい？」

魔娘「ああ、構わんが…」

―――魔王城

勇者「うわわわ…」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

魔娘「お前ほんとうに勇者なのか？」

勇者「いくら勇者でも魔王城を前にして平然とはしていられない」

魔娘「正直な奴だ…全く」

――――魔王城、玉座

魔娘「父上」

魔王「おお、魔娘か…よく戻った、特に問題はなかったか？」

魔娘「その…紹介したい男性がおりまして」

魔王「なぁぁぁぁんだとぉぉぉぉぉぉぉ！？」

魔王「お前ほどの女の心を射止めた男とはぁぁぁぁぁぁ」

魔王「一体どれほどのぉぉぉぉ奴ぅぅぅなのだぁぁぁぁぁぁ！」

側近「魔王様落ち着いてください」

魔娘「じ、実はもう連れてきてます」

魔王「すぅぐにぃ我の前へ出せぇぇぇぇぇい！」

魔王「半端な男であれば我が即座にその首を切り落としてくれるわあああああああ」

側近「…（そんな勢いだから誰も魔娘様と付き合いたがらないんだよなぁ…）」

魔娘「入ってきてくれ」

勇者「…」ｻﾞｯ

勇者「は、初めまして、勇者と申します。このたびは魔娘さんとの真剣なお付き合いを」

魔王「」

側近「」

勇者「お願いしたく、こちらまで足を運びました！」

魔王「ぬううううううううううううう」

魔王「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

魔王「ぬああああああああああああああああああああああ」

物凄い振動が魔王城を襲う！

魔王「許サヌ…貴様などニ…娘をやルなどと」

魔王は真の姿を露わにした！

真魔王「娘が欲しくば我を殺セええええええええ！！」

勇者「それは、出来ません！！！！！！」

真魔王「」ｽﾞｺｰ

魔娘「勇者！？」

勇者「話し合いで説得したいんだ」

真魔王「ムムム…」

魔王は元の人型へ戻った

魔王「…貴様のような勇者は初めてだよ」

魔王「我と戦いたがらない上に、娘を欲しがるとは」

魔王「おかしな奴だ、フッフッフッ」

魔王「アッハッハ」

魔王「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ」

側近「…」

魔王「ヒーｗｗｗおかしいｗｗｗｗ魔娘欲しいとかｗｗｗｗ」

魔王「怖い顔してるのにｗｗｗｗ下手したらワシより強いのにｗｗｗｗｗｗｗ」

勇者「え？」

魔娘「父上…その話は…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

勇者「えっ？」

魔娘「いや…その…」

側近「魔娘様は変身をあと2回残してらっしゃいます。いまの姿が通常時の姿です。」

側近「戦闘時には更にここから2回、そして魔王様の言う怖い顔というのは最終形態の…」

魔娘「やめて」

側近「はい」

勇者「そうなのか」

魔娘「…失望、したか？」

勇者「でも今の姿が俺にとっての魔娘だから！」

魔娘「…」きゅん

魔娘「…いかん（キュン死する…）」

魔王「して、勇者よ」

勇者「はい！」

魔王「我が娘、一生大事に出来るか？」

勇者「はい、死ぬまで大事にします！」

魔王「フッ、こういうのも、ありなのかもしれぬな…」

魔娘「そ、それでは」

魔王「ああ、よかろう」

魔王「式は盛大に行う！」

勇者「あ、あの、良ければ俺の住む街の人達や両親、国王陛下も呼びたいのですが…」

魔王「構わんが、我らを恐れたりはせぬか？」

勇者「する…と思います。そこは俺がなんとか説得します！」

魔王「ふむ…そうか、して勇者よ、伝えたいことがある」

魔王「我の側にくるが良い」

勇者「は、はい…」ｽﾀｽﾀ

魔王「これな」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

勇者「な、なんです？」

魔王「魔娘の最終形態の写真」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

勇者「…！？」

勇者「怖すぎィ！！」

勇者は失神してしまった！

魔王「ヒャーｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

魔娘「父上エェェェェェェ！！！」

魔娘は最終形態へと姿を変えた

魔王「親子喧嘩か受けてたとう！！」

魔王は真の姿を露わにした！！

――――

魔王「すみませんでした」

魔娘「わかればいいんです…」

魔娘「勇者、勇者！」

勇者「あ、魔…娘…？」

側近「その姿で起こしては…！」

勇者「怖すぎィ！！！」

勇者は再び失神してしまった

魔娘「」

勇者「あれ…俺は…」

側近「起きましたか、魔娘様は自室で落ち込んでおられるようです」

勇者「そ、そうか…謝ってこないと…」

―――魔娘の部屋

勇者「魔娘、さっきは…その…ごめん」

魔娘「勇者…」

勇者「その、もうさっきの姿見ても大丈夫だ！」

魔娘「え？本当に？」

勇者「あ、ああ」

魔娘「目が300個あって尻尾は蛇の頭だしそれが12つに裂けてるし、肩からは龍が生えてるし何か色々すごいことになってるあの姿をもう大丈夫なのか？」

勇者「大丈夫、大丈夫！！」

魔娘「そうか、良かった！ドアを開けるからな！」

ｶﾞﾁｬｯ

魔娘最終形態が現れた

勇者「だ、大丈夫…（やばい超怖い）」

魔娘「ほ、本当に大丈夫なんだな…」

魔娘「良かったぁ…」

魔娘は勇者を抱きしめたと同時に尻尾が勇者に絡みつく

勇者「…あ、ああ（やばい感触があまりにもおぞましい）」

魔娘「あ、すまない、すぐに姿を戻すから」

勇者「うん、俺はその魔娘が一番好きだな」勇者ｽﾏｲﾙ

魔娘「…///」

魔娘「あ、あの…良かったら私の部屋で寝ていかないか？」

勇者「えっ？」

魔娘「そ、その…話とか色々聞かせて欲しくて、お前のこととか」

勇者「あ、ああ…そういうことな、いいぞ！」

魔娘「ふふ…」

―――翌日、勇者の故郷

国王「魔王の娘と婚姻じゃとぉぉぉぉ！？」

勇者「はい！」

国王「昔からどこか変わった雰囲気のある少年だと思っておったが…」

国王「まさか、うーむ…」

大臣「国王陛下、この婚姻を認めてしまうとおそらく隣国などからの圧力が…」

国王「じゃが…」

国王「じゃが…」

王妃「いいではありませんか」

勇者「お妃様！」

王妃「魔族とて生きているのです。今こそ互いに手を取り合うべきなのかもしれませんよ」

国王「うむ、その通りじゃな」

国王「よし！認めよう！して式はいつじゃ？」

勇者「今日です」

国王「トゥデーイ！！！」ｽﾞｺｰｶﾞｯｼｬｰﾝ

大臣「国王陛下が滑り込みで城の窓を割って落下した！！」

―――魔王城

側近「あーあー、静粛に」

側近「これより人間族、勇者と」

側近「魔族、魔娘の婚姻の儀を執り行います」

勇者の父「息子がついに結婚とは、くぅー！」

勇者の母「あらあら、あなたったら」

魔王「魔娘よぉぉぉうおぉぉぉん」

魔王妃「まさか人間と結ばれるとは驚いたわ」

式は盛大に行われ、2次会、3次会と盛り上がった。

―――

勇者「魔娘、どうしたんだ？皆のところへは行かないのか？」

魔娘「どうも皆が集まる場は苦手でな、一人が好きなのだ」

勇者「誰でも苦手なことはあるさ、気にするな」

勇者「って、一人が好きなら俺もお邪魔だったかな？」

魔娘「い、いや…お前は、ここにいろ///」

勇者「やったぜ」

魔娘「私な、今すごく嬉しいよ」

勇者「え？」

魔娘「こんなに自分を想ってくれる人がいて、こんなこと初めてだったか…」ｽﾞｼｬｯ

魔娘「ら…？」

勇者「えっ…？」

魔娘「勇…者…」

勇者「魔娘！？」

竜騎士「竜王様がお怒りだ」

勇者「誰だお前！！」

竜騎士「魔族と人間が結ばれるなど竜王様は望まぬ、許されることではない」

勇者「竜王…だと」

魔娘「勇者…すまない、実は…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」

勇者「喋らなくていい、傷が開く」

竜騎士「次はお前だ、勇者」

勇者「許さねぇ！！」

竜騎士「ほう、丸腰の貴様に何が出来る？」

勇者「丸腰じゃねえよ…」ｷｨﾝ

竜騎士「ほう、なるほど、勇者というだけあるな、装備を召喚したか」

勇者「一瞬でケリをつけてやるぜ」

竜騎士「ふっ、どうかな？」ｽﾞﾊﾞｧｯ

竜騎士「っな…」

勇者「えっ、お前よっわ」

竜騎士「えっ、待ってやり直さして」

勇者「魔娘の手当が必要だから認めん」

竜騎士「待って、待って待って、仕切り直し」

勇者「ダメだ」

―――魔王城、玉座の間

勇者「魔娘は幸い傷が浅かったのと驚異的な生命力で命に別状はないみたいです」

魔王「…う、うむ」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

勇者「お義父さん？」

魔王「…い、いや」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

勇者「あ、こいつどうしましょう」

竜騎士「ごめんなさい勇者めっちゃ強いです勝てない」

魔王「う、うむ…」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

竜騎士「竜王様がお怒りです」

魔王「あ、あのさぁ…竜王様に伝えて欲しいことがあんだけどさぁ…」

竜騎士「…？」

魔王「これ伝えてくれたらお前の命とか奪ったりしないからさぁ…」

竜騎士「…はい」

魔王「竜王様のことすっかり忘れてたっていうか死んだと思ってましたって言っといて」

竜騎士「」