ラブライブSS
どろっと
※ちょいどろ注意
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花陽「真姫ちゃんが好きなの」
凛「……頑張ってかよちん!」
凛はかよちんが好き。でもかよちんは真姫ちゃんが好き。
なら、応援するのが友達で……
親友で……
……うん。頑張って。かよちん。
凛「凛になんでも言ってね! 手助けはなんでもするから!」
花陽「ありがとう、凛ちゃん!」
笑顔がとっても眩しいにゃ。
花陽「ま、真姫ちゃん好きです! 付き合って下さい」
真姫「は、花陽……私も花陽のことが好き……」
よかった……。成功してくれて嬉しいにゃ。
ガラッ
凛「やったにゃー! かよちん! 真姫ちゃん! おめでとう!」
花陽「凛ちゃんっ!」
真姫「凛!」
三人で抱き合ってぴょんぴょん跳ねて……
花陽「凛ちゃんのおかげだよ! ありがとう!」
その笑顔が大好きで。
真姫「なんだかよくわからないけど、ありがと凛」
その声がとっても綺麗で。
凛「二人とも……っ……おめでとう……っ」
凛は泣いてたんだ。
――――本当に?
――――本当に心から?
嘘にゃ……。
ううん。本当。
だってかよちんのこと……大好きだもん。
花陽「凛ちゃんには今までどおりでいてほしいな……」
真姫「そうね、急に気を使われてもなんか変だし」
凛「大丈夫? 凛に真姫ちゃん嫉妬しちゃうにゃー」
真姫「ば、バカにしないでよ!」
花陽「じゃあ帰ろう? 真姫ちゃん、凛ちゃん!」
真姫「う、うん……」
顔を赤らめて可愛いにゃ。
凛「いっくよー!」タタッ
花陽「待ってよぉ!」
真姫「追うわよ花陽!」
……その手が繋がれてるのは見ないふり。
だから走ったよ。大好きなかよちん。
三人で居てほしいって言われても。
花陽「真姫ちゃん」
真姫「花陽」
……二人の世界に凛はいらないにゃ。
ちょっと、ほんのちょっとずつ。離れていこうって。
「り……ん」
絵里「ちょっと! 凛!」
凛「え……?」
絵里「何やってるの! 動きが散慢よ!」
凛「あ、ご、ごめん!」
今は集中しないと……
希「絵里ち厳しいでー」
にこ「あんまりきつく言わないほうがいいんじゃない?」
絵里「……そうね。ごめんなさい凛」
少し強めに撫でられた。
真姫「凛、どうしちゃったの?」
花陽「凛ちゃん大丈夫?」
あ……今はだめ……
凛「ごめんっ!」
走った。顔が見られたくなくて。逃げちゃった。
あぁ……やっちゃったにゃ……
凛「どうして……こんなに胸が痛いのかな」
凛「かよちん……」
どこで間違ったんだろ。凛。
こんなに弱かったんだね。
ガラッ
絵里「凛、大丈夫?」
凛「うん……ごめんね絵里ちゃん」
絵里「泣いてるのね、凛」
凛「明日から頑張るから……」
絵里「凛! ……辛かったら言いなさい」
また撫でられた。今度はさっきより優しく。
絵里ちゃんに話そうかな。全部……
絵里「なるほどね……」
凛「凛はどうすればいいかな……」
絵里「ここで腐らないで」
肩を強く掴まれた。
絵里「貴女がもっと輝けばいい」
絵里「取り戻したいなら……振り向いて欲しいなら」
絵里「……今より強くなりなさい」
凛「わかった……」
今日から、凛は、変わるんだ。
でも……でも……
凛「絵里ちゃん。お願い一つだけ……」
一つだけしちゃいけないお願いをしたんだ。
――――――――――――
絵里「……はは、輝けですって」
絵里「自分も縋っているというのに情けないわ」
絵里「シュシュなんてつけてもらって……」
「もうやめにしましょう。絵里」
絵里「後一回……後一回だけよ……」
「……」
――――――――――――
凛「絵里ちゃんも言ってた」
凛「そうだ、全部凛が悪かったんだ」
凛「もっともっと頑張っていれば」
凛「真姫ちゃんみたいに……」
それじゃあだめ。
凛「真姫ちゃんになるんだ」
それでもダメ。
凛「真姫を超えるんだ……!」
凛は頑張るよかよちん。
ピッ
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
凛「えへへ、頑張るよ。かよーちんっ♪」
とりあえずここまでです。お疲れ様でした。
――打倒西木野真姫。考えるのはそれだけだった。
凛「でもどうすればいいかな……」
真姫ちゃんの長所を見つめなおす。
凛「お金持ち、顔が可愛い、性格は不器用、ピアノが弾ける」
凛「作曲も作詞もできる、勉強ができる、頭がいい」
凛「身体はスリム、運動もそこそこにゃ……」
勝ってるポイントは間違いなく運動系。
でもそれだけじゃダメだった。
お金や容姿はどうにもならない。
凛も女の子っぽく……無理無理無理無理。
その立場なら勝てるわけがない。
凛「頭良くなるしかないかなぁ……」ピッ
『凛ちゃん、大好き』
頑張るにゃ!
口調も変えてみよう。新しい一歩!
かよちんだ、幸先が良いかも。
凛「あ、かよ……」
真姫「おはよ、花陽」
花陽「うん、おはよ真姫ちゃん♪」
最悪だった。一人で学校に行こう。凛なら遅刻ギリギリでも間に合うもん。
怪しまれないし、大丈夫大丈夫。
ピッ
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
家に戻ろっと……
凛「ハァハァ……よし、セーフ!」
真姫「遅いわよ凛」
花陽「凛ちゃん何かあったの?」
凛「あはは、寝坊しちゃったにゃ」ポリポリ
口調は無理かも。ごまかせてるかな。
真姫「そ、ならいいけど」
花陽「授業始まるから後でね!」
凛「うん」
授業ってこんなに難しいの?
凛、英語全然わかんない……
勉強しなきゃ。取り戻すんだ。
昼休み。実はあんまり教室に居たくない。
かよちんと真姫ちゃんの仲いいところ、見えちゃうから。
凛は祝福できない自分が嫌。
あぁ、かよちんの隣は真姫ちゃんになっちゃった。
花陽「凛ちゃんお弁当一緒に――」
凛「凛お寝坊したから買ってくる! 先に食べてていいよ!」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「今日はしょうがないわよ、少し待って戻らなかったら食べましょ」
凛「……どこで食べようかな。屋上でいいかな」
屋上には先客が居た。
凛「絵里ちゃんと…………希ちゃん……?」
よかった。絵里ちゃんは希ちゃんのこと好きだったのがわかってたし……
結ばれてよかったね。絵里ちゃん。
凛「邪魔するほど野暮じゃないにゃ」
階段を降りて、どこか違う場所でと思ったら――
希「お、凛ちゃんやん?」
にこ「なによー? 凛、どうしたの? 三年の廊下よここ」
凛「あ、あれ? おかしいにゃ?」
希「ん、どうしたん?」
凛「……凛が寝ぼけてたかも」
にこ「まだお弁当食べてないなら一緒に食べる?」
凛「食べるにゃ!」
寂しくなりそうな昼休みが楽しくなったよ。
でも、あれって……そういうことなのかな。
凛もしちゃいけないお願いしたし、うん気にしないであげよう。
放課後になったよ。
授業はちゃんと聞いたけどやっぱり凛の頭じゃきついかも。
今日は練習休みだけど……
花陽「凛ちゃん今日は――」
凛「ごめんね、今日は用事があるの!」
真姫「それならいいけど、あんた気を使ってない?」
ずけずけと言ってくる真姫ちゃん。
もう少しオブラートに包めないのかな。
凛「勉強しなきゃいけないから。じゃーねー」
真姫「凛が……」
花陽「勉強……?」
勢いで部室に入ったら、絵里ちゃんと海未ちゃんがいたにゃ。
海未「どうしましたか、凛」
絵里「今日は練習休みよ?」
二人ともどうしてここにいるのかな。
凛「勉強……教えて欲しいなって……思ったにゃ」
海未「!」
海未「凛、貴女は偉いです。それで教科は!?」
眼の色が変わってるにゃ。
凛「え、英語だけど……」
海未「苦手な教科を克服しようとする努力! 素晴らしいです!」
絵里「私も教えてあげれるわよ」
凛「絵里ちゃん、海未ちゃん……」
凛「よーっし! 凛頑張るよ!」
これで、放課後は勉強できる。……会わなくて済むよ。
勉強、勉強、勉強。
今の凛にはこれくらいしかない。
何度目かの放課後。
真姫「今日くらい一緒に帰って欲しいんだけど」
花陽「花陽も久しぶりに凛ちゃんと帰りたいなっ」
同情なのかな。いらないよ、そんなの。
凛「凛は勉強の約束があるから」
花陽「なんでそんな急に勉強を?」
真姫「そうよ、凛は英語以外なら平均くらいじゃない」
凛「凛は次の定期で真姫ちゃんに勝つから」
凛「真姫ちゃんの得意な英語でいいよ」
真姫「いいわよ、わかったわ」
花陽「喧嘩はだめだよぉ……!」
凛「喧嘩じゃないよ、かよちん」
真姫「そうよ、花陽」
凛「凛は待たせてる人がいるから、勉強してくる」
待っててねかよちん。絶対取り戻すから。
花陽「……」
真姫「挑戦されるなら受けて立つわ」
凛「絵里ちゃん、勉強」
絵里「はいはい、今日は厳しめに行く?」
凛「うん。海未ちゃんは?」
絵里「仲良し三人組で帰っていったわ」
凛「ねぇ、絵里ちゃん。どうして凛に優しくしてくれるの?」
絵里「……頑張って欲しいからかな」
凛「ふーん」
絵里「さ、ビシバシ行くわよ!」
凛「わかったにゃ!」
絵里ちゃんは優しい。
凛のためにこんなに時間を割いてくれてるのだから。
凛のことを良く見ている。
絵里「結構遅くなったわね」
凛「やっぱり難しいよぉ……」
絵里「でも今の凛なら8割は取れると思うわよ?」
凛「8割じゃだめ。10割取らないと真姫ちゃんに勝てない」
絵里「でも根を詰めすぎても仕方ないわ」
絵里「そうだ、ラーメンでも食べに行く?」
凛「ラーメン……行く!」
絵里「私のおごりでいいわよ?」
凛「ありがとにゃー!」スリスリ
絵里「久々に凛らしくなったんじゃない?」ニコッ
凛「そうかなぁ……」
絵里ちゃんのおごりでラーメン!
嬉しい!
絵里「じゃあまた、明日学校でね」
凛「元気が出たよ! ありがと絵里ちゃん!」
ああいうお姉ちゃんがいたら、凛の気持ちもわかってくれたのかな。
勉強してるからかもしれないけど、最近かよちんと話してないなぁ。
我慢我慢。
ピッ
『凛ちゃん、大好き』
勝てればかよちんは戻ってきてくれるから。
絵里ちゃんが嘘つくわけないもんね!
今日はここまでです。お疲れ様でした。
真姫「うふふ、花陽大好きー」
花陽「私も……真姫ちゃんが大好き!」
やめて。
真姫「愛してるわ、花陽」
花陽「えええぇっ、そんなぁ……///」
やめて
真姫「目をつぶって……?」
花陽「うんっ」
ヤメテ
凛「それはだめえええええええええええええ!」
夢だ。夢で本当に良かった……にゃ。
凛「おふとんびしょびしょ……」
凛「お水飲んでから寝よ……」
ピッ
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大』
ピー
凛「電池が切れちゃった……」
凛「充電して寝よう……」
本格的に授業中が辛い。
最近は朝も昼も夜も絵里ちゃんに勉強を見てもらってる。
真姫ちゃんとかよちんは見ないふり。
宣戦布告したから、わかってくれてるみたいだけど。
今日も勉強。
ガチャ
絵里「待ってたわよ凛」
凛「開けただけで、凛ってわかったの?」
絵里「うーんなんとなく貴女が来ると思ってた……かな」
凛「へぇ~すごいね、絵里ちゃんは」
絵里「うぅん、そんなことないわよ」
凛「真姫ちゃんに勝つって言ってきたから!」
絵里「……頑張ってね凛」ナデナデ
くすぐったいにゃ。
この前屋上で嬉しそうだったにゃ。
だから、凛にこんなに優しいのかな。
それとも、申し訳なく思ってるのかな。
うん、今は触れるべきことじゃないよね。
絵里「へぇ、凛、やればできるじゃない?」
凛「う~まだだめー」
絵里「短期間で9割まで伸ばせばすごいわよ?」
凛「真姫ちゃんに完全勝利しないと……」
凛「かよちんは戻ってこないにゃ」
絵里「……そうね。もう少し頑張りましょ」
あれ、今絵里ちゃん暗かった。
気のせいだよね。
凛「トイレ行ってくるにゃ」
絵里「お花摘みって言いなさいな」クスクス
ガチャ
絵里「……携帯忘れてるわね」
絵里「……」
絵里「見たりはしないわよ」
ヴヴヴヴ
絵里(あ、メールだ)
『凛ちゃん、大好き』
絵里「……え?」
『凛ちゃん、大好き』
絵里「これ……この前の……私の声じゃない……」
絵里「一回きりって言ってたじゃない……」
バァン
凛「たっだいまにゃー!」
絵里「メール……着てたわよ」
凛「ありがと、絵里ちゃん」ニコニコ
真姫ちゃんからだ。
『あんたねぇ、勉強するのはいいけど、私たちとも少しは……』
『仲良くしてよね……』
うるさいにゃ。
絵里「ん、誰からだった?」
凛「イタズラメールだったよ。ね、勉強続けよ!」
絵里「え、えぇ、そうね」
凛「英語は……絵里ちゃんのためにも勝つよ!」
絵里「えっ?」
凛「こんなに絵里ちゃんが手伝ってくれたんだから……」
凛「勝たないと嘘だ!」
絵里「凛……」
抱きしめられた。
ちからいっぱい。
凛「絵里ちゃん……痛いよ」
絵里「ごめんね……ごめんなさい……」
頭を撫でてあげる。
凛「凛は絵里ちゃんのためにも頑張るから……ね?」
泣かないで絵里ちゃん。
必ず良い報告をするんだ。絵里ちゃんのためにも。
明日は本番。
凛は勝つ。
かよちんを取り戻す。
絵里ちゃんのお陰で10割行けるよ。
ありがとう絵里ちゃん。
ピッ
『凛ちゃん、大好き』
凛も大好き。
凛「真姫ちゃん。今日の英語は勝つよ」
真姫「はぁ? 第一声がそれ? 花陽に気を使いなさいよ!」
花陽「真姫ちゃん、怒ったらだめ!」
真姫「……凛、それが望みかもしれないけど、負けてあげる訳にはいかないわ」
凛「……明日の結果発表が楽しみだよ」
待ってて、待ってて。もう少しだから。
あ、あれ、これ凛なのかな。自分が自分じゃないくらいスラスラ解けるよ。
見直しをして、ケアレスミスを防いで……完璧にゃ。
テストは驚くほど簡単だった。やっぱり絵里ちゃんすごい。
テスト返却まであっという間。
現代文:85点。数学78点。古典91点。
あれ、凛の成績上がってる……絵里ちゃんと英語以外も勉強してたからかな。
今日の帰ってくる教科は、後は英語だけ。
「西木野ー」
真姫「はい」
「98点だ。素晴らしいな」
凛が、ケアレスミスも許されなくなった。
「星空ー」
凛「はい!」
結果は――――。
やった! やった! やったにゃー!
100点! 満点! やったー!
凛「絵里ちゃん! やったよ! 満点だ!」
すぐに抱きついた。
絵里「おめでとう! 頑張ったわね……!」
撫でられるの気持ちいーにゃー♪
絵里「あら、英語以外も上がってるじゃない!」
凛「絵里ちゃんの教え方が上手いからだよぉ!」
凛「やった! これで、これで――――」
凛「かよちんも戻ってくるんだよね!」
絵里「あ…………凛…………」
凛「かよちんがお祝いに来てくれるはずにゃ♪」
お米も買わなきゃ♪
凛「ありがとね、絵里ちゃん!」
凛「凛は絵里ちゃんを信じてよかった!」
いっそげー! いっそげー!
かよちんが来る前に~♪
凛「それじゃまた明日ね!」
久しぶりにかよちん成分補給できるにゃー!
凛「雨雨降れ降れもっと降れ~♪」
かよちんとお風呂で~♪
凛「美味しいお米も~♪」
一緒にご飯!
凛「たっだいまー!」
……あれ? 誰もいない?
『凛へ、急用が入って1日帰ってこない
カップラーメンばっかり食べたらだめだよ』
了解にゃ。
えへへ、かよちんと一緒だぁ……
ピッ
『凛ちゃん、大好き』
お米はどうすればいいかな、かよちん炊くのとかこだわりありそうだし。
どうせ来てくれるなら、一緒に調理すればいいかなっ♪
早くこないかな♪
――――1時間後
まだ20時にゃー! 今日はお泊まりのはずだから用意に時間がかかってるのかな?
凛もちょっとお腹が空いてきたかなっ! でも我慢っ♪
――――2時間後
21時にゃー うーん凛の家忘れちゃったのかなぁ。
大好きなかよちんが忘れるわけないよね?
――――3時間後
ピッ『凛ちゃん、大好き』
ピッ『凛ちゃん、大好き』
22時にゃ、かよちん誰かに襲われてないかな、大丈夫かな。
電話しようかな。でもドッキリだったらかよちんに悪いにゃ。
――――4時間後
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
遅いなぁ……凛ちょっと身体冷えちゃった。先にお風呂だけ入ろっかな。
来てくれるはずなんだよね、かよちん、絵里ちゃん。
――――5時間後
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』『凛ちゃん、大好き』
日付回っちゃった、電話しないと。
花陽『ふぁ……凛ちゃんどうしたの?』
凛『かよちん、今日……』
花陽『もう、凛ちゃん先に帰っちゃったから!』
凛『え……』
花陽『せっかく三人でパーティー仕様としたのにー!』
凛『あ、あれ?』
花陽『真姫ちゃんもちょっと怒ってたし仲直りして』
花陽『――――三人でテスト終わりの打ち上げしようね♪』
凛『ありがと、かよちん。おやすみ』
花陽と約束はしてないけど、テスト満点で真姫に勝ったから、花陽は凛に惚れ直して家に来ると思ったってことじゃね
あはは……なにこれ……嘘だよね。
絵里ちゃんも嘘ついてたの……?
テストで勝てば……かよちん戻ってくるんじゃなかったの……?
凛の努力なんて……意味無いじゃん……
凛「こんなテストいらない」ビリビリ
凛「お米なんていらない」バシャッ
結局凛はバカだったんだね。
テストで勝てれば、全部戻ると思ってたんだ。
あはは、ははははははは。
なんで教えてくれなかったの……? ねぇ。
ピッ
『凛ちゃん、大好き』
うふふ、かよちんみーつけた。
今日はここまでです。お疲れ様でした。
大体>>53さんの言っている通りですね。表現できてなかったら申し訳ない。
『凛ちゃん、大好き』
アラーム音が鳴り響く。
『凛ちゃん、大好き』
寝てないのにね。おかしいな。
『凛ちゃん、大好き』
かよちんは真姫ちゃんのものになっちゃったんだね。
『凛ちゃん、大好き』
ご褒美もらわなきゃ。
『凛ちゃん、大好き』
凛「おはよ、絵里ちゃん」
絵里「ひどい顔よどうしたの?」
凛「あのね、かよちん戻ってこなかったよ」
絵里「…………ごめんなさい」
なんで謝るのかな。
凛「凛、一生懸命頑張ってたんだよ」
ねぇ、答えてほしいな。
凛「あはは、絵里ちゃんは凛の頑張る姿見て嗤ってたんだね」
絵里「そんなこと……」
凛「じゃあどうして教えてくれなかったの?」
凛「あんな努力無駄だったよ」
絵里ちゃんの嘘つき。
絵里「それは……」
答えられなかった。
凛と一緒にいるのが楽しくて。
それに縋っている自分がいるのが分かって。
頼られるのが誇らしくて。
ずっと一緒に居たかった。
凛「ねぇ、絵里ちゃん」
次の一言が怖くて。
凛「凛、屋上で見ちゃったんだ」
絵里「…………あ」
吹っ切れたはずなのに。忘れたかったはずなのに。
凛「なんで、海未ちゃんに希ちゃんの格好させてたのかな」
息ができないほど苦しくなった。
うふふ、やっぱり嘘つきだった。
でも、凛は許してあげる。
絵里ちゃんのこと大好きだから。
凛「えーりちゃんっ♪」
肩が震えてたから抱きしめてあげなきゃ。
凛「満点とったからご褒美がほしいな♪」
絵里「ご褒美……何がほしいの?」
頭の良い絵里ちゃんだから、わかると思ったんだけどね。
凛「かよちんは真姫ちゃんのものになっちゃったからさ」
えへへ、プレゼントしてくれるかな。
凛「凛だけのかよちんになってよ、絵里ちゃん♪」
凛は優しいから、ずーっと嘘ついててもいいよ♪
絵里「そんな……こと……」
あれ、へたりこんじゃった。
凛、そんなおかしな事言ったかな?
凛「ねぇ、絵里ちゃん、一緒に行こう?」
凛「それともできない?」
うん、それならそれでもいいんだけどさ。
凛「後輩にはさせても、自分はできない?」
泣きそうになっちゃった。絵里ちゃん可愛いなぁ。
凛「二人っきりの時だけでもいいからさ」
そっと耳元で囁いてあげるんだ。
「かよちん、大好き」
絵里「…………グスッ」
あはは、泣いちゃった。可愛いなぁかよちん。
凛だけのかよちん。
もう一人のかよちんは真姫ちゃんと幸せになってね!
凛は凛のかよちんと幸せになるから!
ぎゅっと抱きしめれた。長かったよ。
ずっとずっと言いたかった。
「大好きだよ、かよちん」
もう一回。
「大好きだよ、かよちん」
言いたりない。
「大好きだよ、かよちん」
か細い声で返ってきた。
「私も大好き……凛………………ちゃん」
相思相愛だね、かーよちん♪
先週までとは大違い!
人生バラ色とはこのことにゃー♪
あ、かよちんと真姫ちゃんだ!
凛「おっはよー! かよちんと真姫ちゃん!」
花陽「お、おはよう凛ちゃん」
真姫「あら、ずいぶん今日は上機嫌ね」
凛「まぁね~♪」
このかよちんも可愛いにゃー
凛「真姫ちゃんのかよちん可愛いね♪」
真姫「あげないわよ?」
花陽「り、凛ちゃん恥ずかしい……」
凛「取らないよ! だって凛のかよちんも可愛いも~ん♪」
生徒会室で待ってくれてるからダッシュにゃ!
真姫「え?」
花陽「今……? 気のせいだよね?」
バァン
凛「おっはよーかよちん!」
今日もいつもどおりかわいいにゃ-!
抱きついちゃった、えへ♪
絵里「う、うんっ、おはよう、凛……ちゃん」
今日は早起きしたからねむいにゃー!
凛「かよちんの膝枕で寝るねっ!」
絵里「だめだよぉ、起きて凛ちゃんっ」
うん、綺麗な声にゃ。
凛「おやすみっ!」
ぐにゃー
凛「zzz」
絵里「寝たわね…………」
どうすればよかったのかな。
海未に一回でもあの姿をさせちゃったのがいけなかったのかな。
それとも凛に素直に言えばよかった?
言えるわけがないじゃない。
貴女の花陽はもう戻ってこないなんて。
……なんて欺瞞だ。凛と一緒に居たかっただけのくせに。
寂しかったくせに。自業自得だったのに。
あの大好きが、自分に向けられているものじゃなくて。
悔しかったくせに。
そして……一瞬でも嬉しいと思っちゃった。
だから、目が醒めるまで、ずっと貴女の花陽でいてあげる。
ううん、居させて下さい。
だって私は凛が好きだから。
…………凛ちゃんが好きだから。
絵里「ねぇ、凛ちゃん」
凛「なぁに~かよちん」
わぁ、かよちんの手が温かい。
絵里「好きだよ、凛ちゃん」
凛「凛もかよちん大好きっ!」
嬉しいよ! かよちん!
自分から言ってくれたよ!
凛だけの独り善がりじゃなくて本当に良かった♪
先週はずっと泣いていたけど、はにかむようになってくれた。
えへへ♪
授業中もほんわか。
昼休みが待ち遠しい!
真姫「ねぇ、最近の凛ちょっと変よ?」
凛「ん~? 凛は幸せだよー?」
花陽「凛ちゃん……」
凛「こっちのかよちんも可愛いけど」
凛「やっぱり凛のかよちんのほうが可愛い」
つい笑みがこぼれちゃう♪
真姫「それよ」
凛「え?」
花陽「花陽は……一人しか居ないよ?」
凛「……なんのこと言ってるかわからないにゃー♪」
あれあれ?
変な胸騒ぎがする。
何か忘れてる気がするにゃ。
凛のかよちんはかよちんで……
真姫ちゃんのかよちんもかよちん。
生徒会室にかよちんは居たよ。優しく微笑んでくれたよ。
うん、やっぱり、勘違いだよね。
凛「かよちん……」
絵里「大好きだよ、凛ちゃん」
うん。これで幸せなんだよ。
バァン
真姫「そんなわけないでしょ!」
絵里「……!」
凛「……何しに来たの」
真姫「馬鹿な友人の目を醒まさせに来たのよ!」
真姫「大体絵里も何やってるのよ!」
辛そうに目を伏せてる。傷つけないでよ。凛の――。
真姫「あんたがそんなに腑抜けているから凛は!」グイッ
凛の――が肩を思い切り掴まれて――――
凛「凛のかよちんに触らないで!」
真姫「はぁ!? イミワカンナイ!」
真姫「そこにいるのは絵里でしょ!」
真姫「それに――」
真姫ちゃんが制されてる。
花陽「凛ちゃん」
パシンと乾いた音が頬に響いた。
凛「痛い……何する……の?」
泣いていた。かよちんは。
花陽「花陽は誰のものでもないよ……」
花陽「花陽は花陽だよ、凛ちゃん……」
ポロポロ涙がこぼれてる。
こんな姿、みたいわけじゃなかったのに。
あはは、はははは。はははははははははは。
そっか、また凛は間違ったんだね。
大切な人を傷つけて。
自分の心だけ守ろうとして。
人の優しさを……利用して。
嫌われて当然だよね、かよちん、真姫ちゃん。
……ね、絵里ちゃん。ごめんね。
凛「ごめんね」
それだけ言って逃げたよ。
『凛ちゃん、大好き』
もう合わせる顔がない。
『凛ちゃん、大好き』
ごめんねかよちん。
ごめんね真姫ちゃん。
『凛ちゃん、大好き』
ごめんなさい……絵里ちゃん……
『凛ちゃ
電池が無くなっちゃった。
もういいかな。
ごめんね。
――――――――――――――――
真姫「ちょっと絵里」
絵里「何よ……」
バシーン
絵里「いった……」
真姫「何たそがれてんのよ! 早く追いなさいよ!」
絵里「でも私は……」
真姫「そんなんだから花陽の真似事させられるんでしょ!」
絵里「……じゃない……」
真姫「なに?」
絵里「仕方ないじゃない! 凛が望んだことなんだから!」
絵里「私だって何とかしたかったわよ! 凛に好きって言って欲しかったわよ!」
絵里「あの子の中にずっと花陽が居るんだもん……どうすればよかったのよ……」
花陽「行ってあげて。今の凛ちゃんには、きっと、絵里ちゃんが必要」
真姫「私からもお願い、早く連れ戻してきてよね。待っててあげるから」
絵里「……うん、行ってくる。……後輩に励まされるなんてまだまだね」
――――――――――――――――
絵里「凛! 開けなさい!」
絵里「電話……」
ツーツー
絵里「体当たりで開けるしか……」
ガチャ
絵里「鍵がかかってない……?」
絵里「凛!」
凛「……絵里ちゃん……」
真っ暗な部屋に、散乱した写真と……ハサミ。
凛「なにしにきたの」
絵里「迎えに来たわ」
凛「凛は一人でいい」
絵里「私が駄目よ」
凛「もう構わないでよ……」
絵里「構う」
凛が反抗するから抱きしめよう。
凛「絵里ちゃん……凛……は……」
絵里「何も言わなくていいから……ね」
とってもいい匂い。絵里ちゃん。
でも、凛、絵里ちゃんに酷いことしちゃったんだよ。
こんな凛……
凛「許してくれないよね……」
絵里「許すわ」
凛「え……」
絵里「凛のことが好きだから許す」
凛「……」
かよちんの真似じゃなくて?
絵里「凛、私は凛が好きよ」
凛「絵里ちゃん……凛も……」
好きって言ってもいいのかな。あれだけかよちんって言ってたのに。
凛「凛……は……」
絵里「言わなくてもいいわ。……今はね」
軽いウィンクを飛ばされた。
胸がドキドキするよ、絵里ちゃん。
絵里「さ、二人に謝りに行くわよ」
凛「え……やだやだやだ無理無理無理!」
絵里「大丈夫だって、私がちゃんと隣にいてあげるから」
力強く手を握ってくれている。
凛「う……うん頑張る」
――――――――――――――――
凛「ごめんなさいかよちん、真姫ちゃん」
花陽「……」
真姫「……」
怒ってるよね、やっぱり。
真姫「遅いわよ、凛。約束あるでしょ?」
凛「やく……そく……?」
花陽「テストが終わったら打ち上げしようって♪」
凛「凛も……行ってもいいの……?」
花陽「あたりまえだよっ!」
真姫「友達でしょ?」
絵里「三人で楽しんでくればいいんじゃない?」
真姫「絵里も来るのよ」
絵里「え"っ」
花陽「私も絵里ちゃんの惚気話聞きたいかな♪」
絵里「そ、そんなことないわよ?」クイクイ
凛「え、絵里ちゃんもついてきて欲しいかにゃー!」
真姫「ほら、凛もそう言ってるわよ」
絵里「……わかったわよ」
真姫「決まりよ、行きましょ!」
空にいっぱいお星様。気づけば夕日が落ちていた。
三歩下がって、真姫ちゃんと花陽ちゃんが手をつないでいるのを眺める。
凛の隣には絵里ちゃんが居る。
絵里「ねぇ、凛」
凛「なにかにゃ」
絵里「すごいドキドキしてるんだけど私」
凛「実は……凛も……」
絵里「……えいっ」ナデナデ
凛「くすぐったいにゃー!」
絵里「凛、お返事待ってるからね?」
真姫「こらー! 人前で惚気ないの!」
花陽「そういうのはパーティー中に♪」
凛「あはは……」
絵里「うふふ」
凛の隣にはね、綺麗なお星様が輝いているよ。
凛「絵里ちゃん」
絵里「んー?」
凛「大好きだよ!」
FIN
お疲れ様でした。見てくださった方々有難うございます。
色々有り難うございます。鬱エンドはないです。
かよちんの写真全部焼いて、その後……というのは考えましたが、死ぬのは好きではないので……
次回作は、ネタが固まれば……ですね。
伸びていたので覗いてみたら……
絵里「希ー?」 希「……東條って呼んでくれませんか……絢瀬さん」 - SSまとめ速報
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絵里「希ー?」 希「……東條って呼んでくれませんか……絢瀬さん」
恐らくのこれのことだと……。
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