ほむら「ルンバを買ってきたわ」 (42)
※改編後・叛逆前
※エロはありません
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◇ほむらの家
ほむら「魔獣退治に忙しくてお掃除する暇がないので……」
ほむら「ルンバを買ってきたわ」
QB「ルンバ?」
ほむら「自動でお掃除してくれるロボットよ」
QB「ふうん。それで本当に綺麗になるのかい?」
QB「僕にはオモチャにしか見えないけれど」
ほむら「ふふ、試してみれば分かるわよ」
ほむら「早速スイッチをいれてみるわ……ぽちっと」
ルンパ『ゴアアアア!!』
QB「なかなかに騒々しいね」
ほむら「そうね……吸引力がある証拠じゃないかしら」
ほむら「……それじゃ、私はこの子をほったらかしにして魔獣退治に出かけるわね」
ほむら「帰ってきたら床がピカピカになっているといいな……ふふっ」
QB「あんまり過剰な期待はしないほうがいいと思うよ」
QB「さて、ほむらはルンバの活躍を期待して出かけたわけだけれど」
ルンパ『ゴアアアア!!』
QB「どうも騒々しいばかりだね、ルンバとやらは」
QB「ちっともゴミも吸い取らないし」
ルンパ『ゴアアアア!!』ガツンガツン
QB「何やら壁にぶつかり続けているよ」
ルンパ『ゴアアアア!!』ガツンガツンガツンガツン
QB「……いくらなんでもこれは妙だね。故障かな」
QB「もしかしたら使い方を間違っているのかもしれない」
QB「ちょっと取扱説明書を読んでみよう」
ルンパ『ゴアアアア!!』ガツンガツンガツンガツン
QB「あったあった、これだね。『ルンパ・取扱説明書』」
QB「おや、ルンパ? ルンバじゃないぞ、これ」
ルンパ『ゴアアアア!!』ガツンガツンガツンガツン
QB「成るほど、ほむらは偽物を買ってしまったようだね」
QB「やれやれ、抜けているなあ彼女も」
QB「ほむらはルンバが素晴らしい働きをしてくれると信じていたみたいだし……」
QB「この間違いに気がついたら相当落胆するだろうね」
QB「でもまあ彼女の不注意が原因だから仕方がないよね」
QB「これも良い勉強になるだろう、うん」
ルンパ『ゴアアアア!!』
QB「……でももし、こんなことでほむらが絶望して消滅なんかしたら困るなあ」
ルンパ『ゴアアアア!!』ガツンガツン!!
QB「…………」
◇深夜
ほむら「ただいまー」
QB「おかえり、ほむら。やけににこやかだね」
ほむら「そうかしら……? ……ふふ、ルンバの働きぶりを確かめるのが楽しみだったからかもしれないわね」
ほむら「さて、どれくらい綺麗になったかしら」
QB「リビングに行ってごらん。驚くと思うよ」
ほむら「凄い……! ホコリ一つ落ちてないわ……!」
ほむら「これがルンバの力なのね!」
QB「うん、そうだね」
ほむら「凄いロボットね、ルンバって……これなら今後の掃除も楽チンだわ」
ほむら「ルンバを発明した人に感謝しないといけないわね、ふふっ」
QB「ルンバを改良した人に感謝しても良いんだよ」
ほむら「……え? 今なにか言った?」
QB「いいや、なんでもないよ」
ほむら「……あら? でも……」
QB「どうしたんだい?」
ほむら「この壁、傷がついているわ」
ほむら「ルンバがぶつかってしまったのかしら……自動で避けるはずだったのだけれど」
QB「ああ、うん、そういうこともあるんじゃないかな」
ほむら「残念ね……これじゃあもうルンバは使えないわ……」
QB「えっ、どうしてだい」
ほむら「だってここ賃貸だし、これ以上傷を増やすわけにはいかないもの」
ほむら「ごめんなさいルンバ……貴方のことは片付けさせてもらうわね……」ションボリ
QB「…………」
◇翌朝
QB「ほむら、ほむら」
ほむら「ん……どうしたのキュゥべえ?」
QB「ちょっと見てほしいものがあるんだ、ほら」
ほむら「これは……ルンバの説明書?」
QB「そうだよ、昨夜読み返してみたんだけどね」
QB「ここに君が喜びそうなことが書いてあるよ」
ほむら「え……? 何かしら……」
ほむら「ええと、『ルンバ秘密機能その1』……?」
ルンパ『ゴアアアア!!』
ほむら「わあ……! 壁の傷が見る見る消えていくわ……!」
QB「ルンバが塗布するナノマシンが自動的に壁を修復しているんだよ」
ほむら「凄いのね、ルンバって!」
QB「そうだね。まあ僕達の技術にかかればこれくらい……」
ほむら「え?」
QB「いや、なんでもないよ」
ルンパ『ゴアアアア!!』
ほむら「壁にぶつかる気配もないわね……良かった」
QB「学習機能も搭載されているからね、もうほむらの家を傷つけることもないだろう」
QB「これで安心してルンバを使用出来るね」
ほむら「ええ……でも……」
QB「うん?」
ほむら「ちょっと騒音が気になるわね……」
ほむら「お隣りさんに迷惑がかかっちゃうし、残念だけど使うのは諦めるわ……」
QB「……そうかい、まあ仕方がないよね」
ほむら「ごめんなさいルンバ……やっぱり片付けさせてもらうわね……」ションボリ
QB「…………」
◇お昼
QB「ほむら、ほむら」
ほむら「ごめんなさい、お昼ご飯はまだ用意出来てないわ」
ほむら「今、きらら☆マギカを読むのが忙しくて……」
QB「違うよ、ご飯の催促じゃないよ」
ほむら「?」
QB「ちょっとこっちを見てほしいんだ」
ほむら「なに? ……ってあら? 貴方を乗せて移動しているソレって」
QB「ルンバだよ。どうだい、音がしないから分からなかっただろう」
ルンパ『フィィ...ン』
ほむら「ええ、びっくりだわ」
ほむら「でもどうして? 今朝はあんなに音を立てていたのに」
QB「『ルンバ秘密機能その2・消音モード』をつい……発見したんだ」
QB「これなら隣人に気兼ねすることなく使えるんじゃないかい?」
ほむら「そうね、ありがたいわ」
ほむら「ちゃんと騒音対策も考えてあるなんて……流石はルンバね!」
QB「そうだね、すごいね」
ほむら「……その、ありがとうね。わざわざ調べてくれて」
QB「たまたま説明書を読んで気がついただけさ」
◇夕方 ほむらの家
マミ「へぇ、これがルンバなのね」
ルンパ『フィィ...ン』
ほむら「きちんと掃除してくれるし、なかなか可愛いコよ? ふふ」
杏子「ふーん、すごいじゃん」バリボリ
ほむら「……ちょっと杏子、お菓子こぼさないでくれないかしら」
杏子「おっと、ゴメンゴメン」
マミ「まったくもう、佐倉さんたら……」
杏子「まあいいじゃんか、どうせルンバがすぐに綺麗にしてくれるんだしさ」
ほむら「さすがのルンバもテーブルの上とかソファーまでは掃除出来ないわよ」
ほむら「あんまりこぼされるのは困るわ」
杏子「あ、そりゃそうだよね。悪い、気をつけるよ」
マミ「そもそも、そういうお行儀が悪い食べ方はやめるべきだと思うわよ」
杏子「はいはい、わかりましたよーだ」
QB「…………」
◇夜
QB「ほむらほむら、ちょっといいかい」
ほむら「デザートなら抹茶アイスがあるわよ」
QB「ありがとう、後でいただくよ。でもそうじゃなくてね」
ほむら「?」
QB「『ルンバ秘密機能その3・ホバリングモード』を試してみようと思うんだ」
ルンパ『フィィ...ン』フワフワ
ほむら「わあっ、ルンバが浮いたわ!」
ルンパ『フィィ...ン』
ほむら「空を飛んでソファーの上とか、テーブルの上とか掃除してくれるのね……!」
QB「それだけじゃないよ、棚の上みたいに君の手が届かないところも掃除出来るんだ」
ほむら「素敵!」
QB「さらに最先端技術により風を起こさずに空中を移動するからゴミが散らかることもないよ」
ほむら「ますます掃除が便利になるわね……やっぱりルンバって凄い!」
◇深夜
ほむら「きゃああああっ!?」
QB「どうしたんだいほむら、こんな夜中に悲鳴をあげて」
ほむら「い、いま……ご、ゴキ……ゴキブリが……!!」
QB「うん?」
ゴキ「かさかさー」
QB「本当だ。ゴキブリだね」
QB「でもこんな虫ごときに大騒ぎしなくてもいいんじゃないかな」
ほむら「に、苦手なんだからしょうがないじゃない……」
ほむら「……キュゥべえ、私の代わりにやっつけてくれない……?」
QB「やれやれ、わかったよ」
QB「えい!」
ゴキ「かさかさー」
QB「……あれ、逃げられた」
QB「タンスの裏に入っていっちゃったよ」
ほむら「……何処から襲われるか分からない最悪のパターンじゃないの……」
ほむら「うう、今夜はもう怖くて眠れないわ……」
ほむら「……こんなとき、ルンバがゴキブリをやっつけてくれれば良いのに……」
QB「…………」
◇翌朝
ほむら「……? 何かしらこのゴミ袋……」
QB「ああ、それかい? ルンバが昨晩戦い抜いた結果だよ」
ほむら「どういう意味?」
QB「『ルンバ秘密機能その4・一撃殺虫ルンバさん』を起動させたんだ」
QB「ルンバから14体ほどの小さいルンバ……使いルンバを射出して、害虫を殲滅させたんだよ」
ほむら「そ、そんな機能まであったの……?!」
ほむら「……でも、じゃあこの袋の中身って」
QB「主にゴキブリの死骸だね。ゆうに50匹は越えていると思うよ」
ほむら「 」
QB「……ほむら? あれ、どうしたんだい?」
◇夜
ほむら「忙しい忙しい」
QB「どうしたんだいほむら、忙しそうだね」
ほむら「少し宿題が貯まっちゃって……」
ほむら「もうすぐ期末試験だしテスト勉強もしないと……」
QB「大変だね」
ほむら「魔獣退治にもいかなきゃいけないから本当に忙しいわ……」
ほむら「……いっそ貴方が魔獣をお掃除してくれれば素敵なのにね、ルンバ?」
ルンパ『フィィ...ン』
QB「…………」
◇深夜
魔獣1『オオオオ...!!』
魔獣2『ウワアアアアア!!』
魔獣3『ブヒィィィイ!!』
マミ「くっ……凄い数の魔獣だわ……!! いくら倒してもキリがない……!!」
杏子「ちくしょう、こんなとこで死んでたまるかよ!!」
ほむら「でも……このままじゃ……!!」
『フィィ...ン』
ほむら「……! この音は……」
ルンパ『フィィ...ン!!!!』
ほむら「ルンバ! 来てくれたの……!?」
QB「ルンバ秘密機能その5『システム・イド』を発動させたんだ」
QB「これによりルンバの潜在能力がフルに発揮され、魔獣とも戦えるようになったんだよ」
ほむら「凄いわルンバ!」
杏子「見ろ、次々に魔獣どもが吸い込まれていくぞ!」
マミ「これなら勝てそうかも……! みんな、反撃よ!」
ほむら「ええ!」
杏子「ああ! ルンバにばっかり美味しいとこ持ってかれてたまるか!」
QB「……うん、これで勝てるはずだね」
QB(でも、さすがにこの魔獣の数は……)
◇翌朝
ルンパ『ヴ...ヴ......』
ほむら「ルンバ……こんなにボロボロになるまで私達を守ってくれたのね……」
杏子「な、なあ大丈夫なんだよな? ほむらならルンバも直せるんだろ?」
ほむら「いいえ……ここまで損傷が多いと、私ではもう手に負えないわ……」
杏子「そんな……」
マミ「ごめんなさい暁美さん……私がもっと強ければ、こんな……」
ほむら「良いのよ、この子は立派にルンバとしての使命を果たしたのだから……」
ほむら「……おやすみなさい、ルンバ」
ルンパ『ヴ......ン......』
QB「…………」
◇数日後
ほむら「はぁ……」
QB「まだ落ち込んでいるのかい、ルンバの件で」
ほむら「……いえ、そんなことは……」
QB「君は嘘をつくのに向いていないね」
ほむら「…………」
QB「そんなに寂しいなら新しいのを買えばいいじゃないか」
ほむら「……私のルンバはあの子だけだもの、代わりなんて……」
QB「やれやれ……まあそう言うだろうと思っていたよ」
QB「ところでほむら、世の中にはカスタマーセンターっていうのがあってね」
ほむら「カスタマーセンター……?」
QB「ちょっと時間がかかってしまったけど……ほら、見てごらん」
『フィィィン...』
ほむら「……あ……!」
ほむら「おかえりなさい……ルンバ!」
おしまい。
乙ー
叛逆ほむほむ「この時を待っていた。さあ円環の理を吸い込むのよルンバ!」
QB「さすがに無理じゃないかな」
ハッピーエンド
このSSまとめへのコメント
ああーバカバカしいー
だがそこが良い、シリアス系読んだ後だからなお