翼　「颯を射る如き刃　麗しきは千の花♪」

テロップ　「千ノ落涙」ｼｬﾝ

剣　「ﾄﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞ」

テロップ　「逆羅刹」ｼｬﾝ

さやか　「すごい、歌いながら戦ってる……でも……」

翼　「くっ！　多勢に無勢、手に余る……」

さやか　「あーあ……見てらんないよ」

翼　「……！　何者！？」

さやか　「一人じゃあキツいみたいだね。手伝うよ」

剣　「ｼﾞｬｷッｼﾞｬｷｯ」

翼　「新手のシンフォギア装者……だとっ！？」

さやか　「いやー危ないところだったね」

翼　「まさか、ノイズ相手に苦戦を強いられるとは……」

さやか　「ノイズ？」

翼　「ノイズの名を知らぬのか？　敵の名を、我々の討つべき災厄の名を」

さやか　「いやー聞いたことはあるけどさぁ、あれは別物で、魔女とか使い魔っていうんだよ」

翼　「魔女？　使い魔？　ノイズではないのか……」

さやか　「そんなことより、あんた……どこかで見たことがあるような……」

翼　「ん？　……はっ！？　しまった！！」

さやか　「あ！　ツヴァイウィングの風鳴翼！」

その頃

クリス　「一体どうしちまったんだ？　ノイズを追ってたら先輩がいきなり消えるなんて」

クリス　「ん！？　あれは！？」

ノイズ　「ｷｭﾍﾟｷｭﾍﾟ」

杏子　「どうことだよオイ……　どうしてこんなところに魔女が！？」

クリス　「やべぇ！　一般人がっ！？」

杏子　「結界の外に魔女がっ！？　どうなってんだ！？」

杏子　「わかんねぇ！　でも、やるしかないよね！」

クリス　「あの馬鹿っ！　なんで逃げねぇんだ！　……ん？」

クリス　「歌わずにギアを纏っただとぉ！？」

槍　「ｼｭｨｲﾝ」

クリス　「紅いガングニールっ！？」

杏子　「なんだこいつ！？　思ったよりかてぇ！」

クリス　「攻撃が当たってる！　歌わずにどうやってっ！？
　　　　でもパワーが足りてねぇじゃねぇか！　仕方ねぇなっ！！！」

クリス　「ｷﾘﾀｰ　ｲﾁｲﾊﾞﾙ　ﾄﾛｰﾝ」

ﾃﾞﾃﾞﾃﾞｯﾃﾞﾃﾞｯｽｺｰｽｺｰ

杏子　「うん？　どこからともなく音楽が聞こえてきやがったぞ。
　　　　何！？　何なんだ、あんた！　邪魔すんじゃねぇっ！」

クリス　「いいからペーペーは下がってなっ！」

クリス　「傷ごとエグれば　忘れられるってコトだろ♪」

杏子　「急に歌い出した！？」

テロップ　「BILLION MAIDEN」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

クリス　「まとめて消し炭になりやがれええええ！！！！」

テロップ　「MEGA DETH PARTY」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

杏子　「あいつも魔法少女！？」

杏子　「ふんっ、借りを作っちまったな……」

クリス　「借り？　あたしはあたしのぶちまけたゴミの後始末をしただけさ」

杏子　「よくわかんねぇけどさ、あんた、あいつが何者なのか知ってんのか？　結界が無かったけど」

クリス　「結界？　何のことだぁ？」

杏子　「おいおい、魔女ってのは結界の中に出てくるものじゃねぇか」

クリス　「知らねぇな。それになぁ、あいつらはノイズってんだよっ。
　　　　　魔女なんて、そんなメルヘンな代物じゃねぇ！」

杏子　「ノイズ！？」

数時間後

弦十郎　「魔法少女……魔女……その子たちは確かにそう言ったんだな！？」

翼　「間違いありません！」

緒川　「まさか……」

クリス　「何か知ってんのか？　ンならもったいぶんじゃねぇっ！」

緒川　「ですが、あれはあくまで仮説でしかないはず……」

弦十郎　「だが、それは実際に我々の前に現われてしまった……」

弦十郎　「真相はともかく、ひとまず話しておくか……」

クリス　「魔女……人の目に見えない化け物だとぉ！？」

弦十郎　「ああ、ノイズとは似て非なる災害だ！」

翼　「しかも魔法少女でなければその縄張りに立ち入れぬと？」

弦十郎　「おそらく、翼は偶然巻き込まれただけだろう。
　　　　そいつらを捻り潰せるのは魔法少女だけだ！　だが……」

翼　「だが……？」

弦十郎　「彼女たちの協力があれば我々も結界に立ち入ることができるやもしれん」

響　「それって……」

翼　「立花！？　聞いていたのか！」

響　「私たちシンフォギア装者と魔法少女が仲間になるってこと！？」

弦十郎　「あくまで、その魔法少女や魔女とやらが何かの見間違いでなければ、だがな」

響　「もしそうなら、一緒に戦いたい！　友達になりたい！　その子たちと！！」

翼　「立花……まさか、妙なことを考えているのではあるまいな？」

クリス　「つっても、おめぇはもう聖遺物を持たない素人。指咥えて見てろってんだ」

響　「で、でもぉ……」

翼　「雪音の言うとおりだ。かつて立花を侵した聖遺物は神獣鏡によって灰と化した。
　　　　お前が背負うものなど、もう何も無い」

響　「えぇー。私も人助けしたいですよー」

弦十郎　「こんなこともあろうかと、温存していた欠片からギアを再構成しておいたぞ」

翼・クリス　「え？」

響　「やったぁー！　さっすが師匠！」

弦十郎　「子供のやりたいことをやらせるのも大人の務めだからな」

未来　（ソロモンの杖が消滅してからもノイズの自然発生は続いて、その上今度は魔女！？）

その頃

ほむら　（美樹さやかと佐倉杏子の前に現れたのはシンフォギア装者……）

ほむら　（あれは、一度限りのイレギュラーだと思っていたけれど……）

ほむら　（シンフォギアが存在した世界、あのときの彼女たちの関係はいつになく良好……）

ほむら　（でも、ワルプルギルの夜が他の世界より強くなっていた……）

―回想―

奏　「行こう！　この場に槍と剣、それに銃と弓と火砲を携えているのは私たちだけだ！」

杏子　「おう！」

奏　「ｸﾛｲﾂｧﾙ　ﾛﾝﾂｪﾙ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ﾂｨｰﾂﾙ」

マミ　「天羽さんと佐倉さんに続くわよ！」

翼　「私たちも行きましょう、さやか！」

さやか　「翼さん！」

まどか　「ほむらちゃん、私たちも！」

ほむら　「は、はい！！」

奏　「まぼろし？　夢？　優しい手に包まれ♪」

テロップ　「LAST∞METEOR」ｼｬｲｲｲﾝ

マミ　「七人が力を合わせればきっと勝てるはずよ！」

テロップ　「TIRO FINALE」ﾎﾟﾛﾛﾛﾛﾛﾝ

―回想終―

ほむら　（それでも二人の装者の絶唱も通用せず、みんな殺されてしまった……）

ほむら　（今回も彼女たちの関係は良好……）

ほむら　（代わりに私は佐倉杏子とすらコンタクトが取れないけれど……）

ほむら　（それでも、ここまでまどかの契約は阻止できている……）

ほむら　（でも、もしあのときのように『超ワルプルギスの夜』が現われてしまったら……）

ほむら　（いいえ、そうだとしても……今度こそ、絶対に！）

翌日

ほむら　（とりあえず今日もまどかを監視するわ）

まどか　「さやかちゃん、これって……」

さやか　「グリーフシード！？」

QB　「大変だ。孵化しかかってる」

マミ　「それなら、ちょうど私たちが居合わせたのは幸いだったわね」

さやか　「そうですよ！　さっさとやっちゃいましょう」

ほむら　（この結界……まさかっ！？　あの魔女！？）

ほむら　（今回は遭遇しないと思っていたけれど……）

まどか　「さやかちゃん、大丈夫なの？」

さやか　「あはは、まどかは毎回心配しすぎなんだってば」

マミ　「そうよ。私たちはこれまで危なげなくやってきたじゃない」

QB　「でも、万が一ということもあるよ。まどかも魔法少女になってくれるのなら、
　　　　より安全に勝てるはずなんだけど」

さやか　「大丈夫大丈夫！」

ほむら　「……」ｽﾞｰﾝ

マミ　「あら……」

さやか　「うわ出た……」

まどか　「ほむらちゃん！」

ほむら　「今回は私に任せておきなさい」

マミ　「水を差すつもりかしら？」

ほむら　「油断しきったあなたには任せられないと言っているの」

マミ　「信用すると思って？」

リボン　「ﾑｫﾝ」

ほむら　「ば、馬鹿……　こんなことやってる場合じゃっ！」

マミ　「もちろん怪我させるつもりは無いけど、あんまり暴れたら保障しかねるわ」

ほむら　「今度の魔女はこれまでの奴らとはわけが違う！」

マミ　「おとなしくしていれば、帰りにちゃんと開放してあげる。行きましょ、美樹さん、鹿目さん」

まどか　「は、はい……」

マミ　「今日という今日は即効で片付けるわよ！」

さやか　「はい！」

ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝｷﾗｷﾗ

銃　「ｽﾞｶﾞﾝｯ　ｽﾞｶﾞﾝｯ」

剣　「ｼｭﾊﾟｯ　ｼｭﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ」

マミ　「なんだかもう何も怖くない！」

マミ　「一気に決めさせてもらうわよ！」ｽﾞｶﾞﾝｯ

まどか・さやか　「やったー！」

マミ　「ティロ・フィナーレ！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵ

魔女　「ｸﾊﾟｧ」

マミ　「え？」

まどか・さやか　「はっ！？」

マミ　「キャアアアアアア……え？」

まどか　「マミさんを食べようとした魔女に！？」

さやか　「何か刺さってる！？」

QB　「あれは」

テロップ　「切・呪りeッTぉ」ﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍ

切歌　「イガリマを返して貰えて良かったデス！
　　　　それに最近はリンカー無しでも適合できるようになったデス！」

切歌　「警告メロディ　死神を呼ぶ　絶望の夢　Death13♪」

マミ　「なぜそこで歌ッ！？」

さやか　「まさか、昨日の！？」

まどか　「さやかちゃん、知ってるの？」

テロップ　「封伐・PィNo奇ぉ」ﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍ

さやか　「うわっ、魔女が串刺し！！」

数分後

切歌　「一体何デスか、ここは。なんだかお腹がすく景色デス」

切歌　「突然釈放されて日本に帰ってみれば」

切歌　「毎日のように蕎麦が送りつけられてきて、飽きてきたところデス」

切歌　「そんなときに菓子だらけの謎空間に迷い込んで調とはぐれるなんて」

マミ　「助けられちゃったわね。ありがとう。ここは魔女の結界よ」

切歌　「魔女？　ノイズじゃなくてデスか？」

まどか　「ノイズ？」

QB　「彼女は魔法少女じゃないんだよ。
　　　　その代わり、ぼくらの知らない何かを知っているみたいだね」

マミ宅

切歌　「本当にこれ食べても良いデスか！？」

マミ　「ええ。危ないところを助けてもらったお礼よ」

切歌　「すっごく美味しいです！　調にも食べさせてあげたいデス」

杏子　「ほんとだよな。こっちもうまいぜ。食うかい？」

まどか　「杏子ちゃん、いつの間に」

さやか　「それで、何なのさ、シンフォギアって。風鳴翼も言ってたけど」

マミ　「シンフォギア……前にニュースで聞いたことがあるような」

切歌　「案外隠し通せるものデスね。マリアの歌が全世界に放送されてしまったはずデスが」

まどか　「そういえばそんなこともあったね」

マミ　「みんなで歌ったあの歌……自然と心から沸いてきたあの歌……あれに何か関係が？」

切歌　「政府の秘密工作は上手くいってたみたいデス」

マミ　「暁さん、そのシンフォギアについて、私たちに教えてくれるかしら？」

切歌　「それは……絶対誰にも言わないと約束してくれるデスか？」

まどか　「うん。誰にも内緒だよ」

ほむら　（暁切歌……それに雪音クリスといい、あのときはいなかった装者ね）

ほむら　（なにより、天羽奏がいない）

ほむら　（あのときとは違うの？　それならワルプルギスの夜も……）

ほむら　（そうだと良いけれど……）

ほむら　（ところで、私の隣にいる彼女は何なのかしら）

未来　「この部屋から響の声が聞こえる……」

ほむら　「そう、あなたの親友、立花響さんというの」

未来　「うん。人違いだったみたいだけど……」

ほむら　「それにしても、人の部屋のベランダによじ登るなんて、度を越しているわ。
　　　　これではまるでストーカーじゃない」

未来　「でも、やっぱり響にはもう戦ってほしくないから……」

ほむら　「戦う？　まさか、魔法少女？」

未来　「魔法少女！？　昨日響たちが話していた！？」

ほむら　「どうやら私たち、無関係では無さそうね」

数日後

翼　「本当にここに美樹さやかが？」

藤尭　『間違いありません。調査によれば、この見滝原中学校に在学しています』

響　「いよいよ会えるんですね！　魔法少女に！」

クリス　「はしゃいでんじゃねーよ！　こっぱずかしいじゃねぇか」

ｷｬｰ

翼　「絹を裂く声！？」

藤尭　『ノイズの反応があります！』

響　「行きましょう、翼さん！　クリスちゃん！」

響　「ﾊﾞﾙｳｨｼｬﾙ　ﾈｽｹﾙ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ﾄﾛｰﾝ」

クリス　「一般人はとっくに逃げたみてーだな！　やりやすいってもんだ！」

翼　「戦場に鳴り響くは防人が歌のみ！　悲鳴など不要！」

響　「何故？　どうして？　広い世界の中で♪」

ﾄﾞｶﾊﾞｷｯ　ｺﾞｺﾞｺﾞ　ｸﾞｺ

翼　「まとめて片付けるっ！」

テロップ　「蒼ノ一閃」ｼｬﾝ

テロップ　「QUEEN's INFERNO」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

銃　「ｽﾞｶﾞﾝｯ　ｽﾞｶﾞﾝｯ」

翼　「銃声っ！？　何者だっ！」

マミ　「あら、あなたたち、見慣れない魔法少女ね」

さやか　「あっ！　風鳴翼！！」

翼　「昨日の、魔法少女かっ！」

杏子　「クリス！」

クリス　「おめぇはっ！」

翼　「あなた方の助太刀、感謝します。しかし、ノイズの相手は私たちの役目……」

マミ　「いえ、誰かを守るのが私たちの使命だもの、相手は関係ありません。
　　　　それに、昨日は私のほうが魔女から助けてもらったし……」

翼　「ああ、雪音が助けたという……」

クリス　「あたしが助けたのはそっちの赤い方だ。こっちの銃使いは初めてだぜ」

マミ　「あら、暁さんはいないんですか？」

響　「暁って……切歌ちゃん！？」

マミ　「そう……シンフォギア装者も一枚岩じゃないみたいですね」

クリス　「だけどあいつらはアメリカに連れてかれたはずじゃぁっ！？」

斯波田　『ああ、そいつぁよぉ』ｽﾞｽﾞｽﾞｰ

藤尭　『事務次官！　勝手に無線に割り込まないでください！』

斯波田　『ケチくせぇ大人の化かし合いにガキを巻き込むのは喉越しが悪いってもんだ』ｽﾞｽﾞｽﾞｰ

翼　「つまり？」

斯波田　『ガキ２人に関しちゃあめでたく釈放、ひとまず日本に連れ戻しといたぜ。
　　　　あのアイドル大統領も、もうじきってところだろうよ』ｽﾞｽﾞｽﾞｰ

響　「切歌ちゃんも調ちゃんも日本にいるんだ！」

斯波田　『やっとこさ、晴れてカタギの仲間入りってこったな』ｽﾞｽﾞｽﾞｰ

無線　『ﾌﾟﾂﾝ』

弦十郎　『ひとまず、彼女たちから詳しい話を聞きたい。本部まで来てもらうんだ！』

特異災害対策機動部二課本部

弦十郎　「なるほど、魔法少女とやらのことは大体わかった」

緒川　「わざわざありがとうございました、ご足労いただいて」

マミ　「こちらこそ、シンフォギアのことを教えていただいてありがとうございます」

翼　「戦場は違えども、同じ防人同士、良くやっていこうではないか」

弦十郎　「しかし、何か引っかかるんだよなぁ……
　　　　そのキュウベェって生き物、核心を隠しているような……」

緒川　「そうでしょうか？」

弦十郎　「杞憂ならば良いんだが……そうだ、お前は何か知らないか？」

ほむら　「！？」

緒川　「あなたも魔法少女なんですか？」

まどか　「ほむらちゃんっ！？」

杏子　「てめぇっ、いつの間に！？」

ほむら　「気付いていたの？」

弦十郎　「おうよ。伊達に映画を見てるわけじゃ無いんでな」

ほむら　「私から言うことは何もないわ。
　　　彼女たちの説明が、魔法少女のすべてよ」

弦十郎　「ふむ、そうか」

緒川　「何はともあれ、ゆっくりしていってください」

友里　「あったかいもの、どうぞ」

ほむら　「それには及ばないわ。もう失礼するから……」ｽﾀｽﾀ

さやか　「相変わらず感じ悪い奴！」

クリス　「ったく、あんな奴に侵入を許すなんてどうなってんだ。
　　　　ここを再建したとき、セキュリティも強化したんじゃなかったのかよ」

緒川　「彼女は皆さんがエレベーターに乗る瞬間に紛れ込んだようですよ」

響　「あちゃー全然気付かなかった」

未来　「ほむらちゃん……」

数時間後・翼部屋

翼　「なるほど、その男のために魔法少女に……」

さやか　「まぁそんなとこですねー」

翼　「だが、私にはわからないな。色恋沙汰というものは」

さやか　「翼さんって恋とかしないんですか？　やっぱ事務所に禁止されてるとか？」

翼　「私は歌女である前に防人だ。防人に色恋など要らぬと信じてきた……
　　　しかし、恋のために防人に身をやつすこともあるのかもしれないな」

さやか　「そうですよ。大切な人のために戦えるって、すごく幸せですよ」

翼　「ああ、美樹のおかげで、私とはまた違う防人の在り方を知ることができた」

さやか　「それはそうと……すごい部屋ですね……」

翼　「くっ……こんなところでも生き恥を晒すとは！」

イルズベイル

杏子　「ってなことがあったもんだから、私は決めたんだ。自分のためだけにこの力を使おうって。
　　　　でも、あいつは思い出させてくれた……
　　　　私が最初に憧れた、勇気と友情が勝つストーリーってのをさ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

クリス　「おめぇも背負いきれねぇ過去を背負ってたんだな」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

杏子　「今の私には仲間がいるんだ。
　　　　私の帰る場所……っていうのは大げさかもしれないけどさ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

クリス　「良かったじゃねぇか」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

杏子　「あんたもさ、あの仲間たちに囲まれて、随分と楽しそうじゃんか」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

クリス　「べ、別に、楽しくなんかねぇよっ！
　　　　まぁ、そこまで悪い気もしねぇけど……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

杏子　「そうだよな。独りぼっちは寂しいもんな」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

響部屋

まどか　「私って昔から得意な学科とか人に自慢できる才能とか無くて……」

響　「だから、魔法少女になって人助けしたいんだね」

まどか　「こんな自分でも誰かの役に立てるんだって胸を張って生きていけたら……
　　　　それが一番の夢だから……」

未来　「でも、まどかちゃんに戦って欲しくないって言う人もいるんでしょう？」

まどか　「はい……暁美ほむらちゃんって言って、よくわからないんですけど、
　　　　どこかで会ったような気がして……だから気になって……」

未来　「なら、その子の気持ちに応えてあげるのも大事な人助けなんじゃないかな？」

まどか　「そう……なんでしょうか」

未来　「そうだよ。ノイズや魔女は今いるシンフォギア装者と魔法少女だけで十分みたいだし」

響　「私もがんばるからね！」

未来　「響も私の気持ちに応えてくれれば良いのに……」

響　「あぇ？　なんだって」

未来　「なんでもないよ」ﾌﾟｲｯ

ほむら　「……」

１時間後

響　「いやぁまどかちゃん可愛かったねぇー」

未来　「響とちょっと似てるところあるよね」

響　「えー、そっかなー」

ほむら　「立花響」

響　「うわっ！？　誰？　あ、さっきの！」

未来　「ほｍ」

ほむら　「暁美ほむらよ」

響　「あぇ……その暁美ほむらさんが何のご用件で」

ほむら　「ほむらで良いわ」

響　「あ、はい、ほむらさん」

ほむら　「立花響。あなたは自分の人生が尊いと思う？　家族や友達を大切にしてる？」

響　「えっと、大切だよ。友達も、家族も……今はどこにいるかわからないお父さんも！」

ほむら　「そう……良くない質問をしてしまったわね。でも、覚えておいて。
　　　　戦うということは、その大切な人たちを傷つける結果を生むこともあるのよ」

響　「わかってるつもりだよ！」

ほむら　「なら、小日向未来の声にもう少し耳を傾けることね」

響　「未来の！？」

未来　「……」

ほむら　（これで良かったのかしら？）

ほむら　（小日向未来が私の気持ちを代弁してくれたように、
　　　　私も彼女の気持ちを代弁してみたけれど……
　　　　本人が言っても聞かなかったのに、他人である私が言って効果があるのかしら）

ほむら　（立花響はすでに戦うことに慣れてしまっているし、
　　　　小日向未来も一度は立花響の戦いを受け入れてしまっているらしいから……）

ほむら　（思えば、最初の世界で出会ったまどかもあんな感じで、勇ましかったわね）

次の日・某魔女の結界内

翼　「ここが魔女の結界……先日見た風景とは違うみたいだな」

クリス　「しっかしこの空間にこの人数、息苦しくなってくるぜ」

マミ　「魔女とシンフォギア装者の相性を確かめるテストでもあるんですから、仕方ありませんよ。
　　　　もしもの事があったら私たち魔法少女がフォローしますから」

響　「全部で、いち、にぃ……」

さやか　「九人だね」

まどか　「私だけちょっと場違いかも……」

調　「まさかこんな形であなたたちと再会するなんて」

切歌　「それもこれもマミのおかげデス！」

響　「またよろしくね、調ちゃん、切歌ちゃん」

調　「言われなくても」

調　「マミは本当に中学生？」

マミ　「ええ、中学三年生よ」

切歌　「ということは１５歳、私と同い年デス」

調　「だけど、大人のマリアと似てるところがある」

切歌　「そうデスかね」

マミ　「あら、じゃあそのマリアさんとも一度会ってみたいわね」

調　「会えるよ。もうすぐに」

ほむら　「……」ｽﾞｰﾝ

翼　「あれは……」

マミ　「あら、あなた、ちょっとしつこいんじゃないかしら」

杏子　「それだけじゃねぇぞ！」

未来　「……」ｽﾞｰﾝ

響　「未来！？　なんでほむらちゃんと一緒に？」

ほむら　「一緒ではないわ。ついさっき偶然会ったのよ」

クリス　「結界にやすやすと入れない奴と、どうやったら偶然会えるんだよ」

ほむら　「それより、あなたたちは寄ってたかって、まどかを……」

マミ　「仲間外れのやっかみかしら？」

ノコギリ　「ｷﾞｭｨｨｨﾝ」

調　「首をかしげて　指からするり　落ちてく　愛を見たの♪」

テロップ　「α式百輪廻」ｺﾃﾘﾝｶﾞｼｬﾝ

鎌　「ｼｭｯ」

テロップ　「切・呪りeッTぉ」ﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍ

ほむら　「……」ﾌｯ

調　「！？」

切歌　「消えたデス！」

マミ　「後ろにいるわ！」

銃　「ｽﾞｶﾞﾝｯ　ｽﾞｶﾞﾝｯ　ｽﾞｶﾞﾝｽﾞｶﾞﾝｯ　」

調　「逃がさない！」

テロップ　「γ式・卍火車」ｺﾃﾘﾝｶﾞｼｬﾝ

順番間違えた。>>54と>>56の間にこれを

切歌　「あれは……マミの敵デスか？」

マミ　「ええ、そういうことになるわね」

調　「なら、やるしかない！」

調　「ｳﾞｧﾘｱｳｽ　ｼｭﾙｼｬｶﾞﾅ　ﾄﾛｰﾝ」

マミ　「何度も警告したものね。良い加減、痛い目を見てもらうわよ」

切歌　「マミの敵は私たちの敵デス！」

翼　「鞘走るな！　まだ敵と決まったわけではっ！」

響・まどか　「そうだよ！　まずは話し合おうよ」

調・切歌・ほむら　「戦場で何をバカなことを！」

クリス　「お前ら、案外気が合うんじゃねぇか？」

ほむら　「まどかをそそのかす愚か者に合う気なんて持ち合わせていないわ」

調　「また消えた！？」

杏子　「一体どんな魔法なんだっ！？」

切歌　「どこへ逃げても同じデス！」

ほむら　「……」

調　「今度こそ……」

切歌　「デス！？」

調　「なっ……動けないっ！」

テロップ　「影縫い」ｼｬﾝ

翼　「戦場で平静を欠くことこそ死を早めるものと知れ！　巴、お前もだ！」

マミ　「ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ」

翼　「何っ？　なぜ動ける！！」

翼　「ならばっ……」

マミ　「ティロ・フィナーレ！！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵ

まどか・未来　「危ない！」

ｽﾞｼﾞｬｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ

マミ　「盾！？」

翼　「剣だッ！」

テロップ　「天ノ逆鱗」ｼｬﾝ

さやか　「翼さん！　なんでマミさんの邪魔をするんですか！
　　　　あいつは私たちを仲間割れさせようとしてるんですよ！」

翼　「今宵、我らが敵は魔女のみ。魔法少女にあらず！」

さやか　「そう……そうですか、なら、私がっ！」

未来　「やめて！」

響　「未来っ！？」

未来　「ごめん、さやかちゃん！」

ｼｭｯ　ﾎﾟｰﾝ

ほむら　「！？」ﾌｯ

まどか　「あ、さやかちゃんのソウルジェム……」

響　「奪って投げちゃった！？」

杏子　「なんつー投擲力だよオイ……」

クリス　「っつーことはこれでもう変身できねぇってことだな？」

まどか　「さやかちゃん！？」

さやか　「……」ｶﾞｸﾝｯ

未来・まどか　「さやかちゃん！？」

QB　「今のはまずかったよ」

切歌　「キュウベェ、いたデスか」

QB　「よりにもよってそれを放り投げるなんて、どうかしてるよ」

未来　「何……？　何なの？」

杏子　「どういうことだオイ……こいつ死んでるじゃねぇかよ！」

一同　「っ！？」

まどか　「さやかちゃん……ねぇ、起きて！　どうしたの？　ねぇ！
　　　　嫌だよこんなの、さやかちゃん！」

杏子　「何がどうなってやがんだ…………おい！」

QB　「君たち魔法少女が体をコントロールできるのは
　　　　せいぜい100メートル圏内が限度だからね」

翼　「30尺？　何のことだ！」

QB　「普段は当然肌身離さず持ち歩いてるんだからこういう事故は滅多にあることじゃないんだけど」

まどか　「何言ってるのよキュウベェ、助けてよ！　さやかちゃんを死なせないで！」

QB　「はぁ」

QB　「まどか、そっちはさやかじゃなくてただの抜け殻なんだって」

まどか　「ぇ！？」

QB　「さやかはさっき未来が投げて捨てちゃったじゃないか」

杏子・翼　「なん……だとっ？」

QB　「魔法少女との契約を取り結ぶぼくの役目はね、君たちの魂を抜き取ってソウルジェムに変えることなのさ」

翼　「しからば……美樹たちは生ける屍とされたに等しいではないか！」

QB　「むしろ便利だろう？　心臓が破れてもありったけの血が抜かれても
　　　　その体は魔力で修理すればすぐまた動くようになる。
　　　　ソウルジェムさえ砕かれない限り君たちは無敵だよ」

まどか　「ひどいよ……そんなの、あんまりだよ！」

QB　「わけがわからないよ。どうして人間はそんなに魂のありかにこだわるんだい？」

響　「なんて酷いことを……」

ほむら　「……」ｽｯ

さやか　「ぁ」ﾋﾞｸﾝ

一同　「……」

さやか　「何？　何なの？」

数時間後

翼　（影縫いは、身の落とす影を心の落とす影とし縫い合わす業……）
　　　　形骸の影は真の影にあらずという事か・・・）

響　「さやかちゃんたち、今どんな気持ちなんだろう」

クリス　「存外強いのかもな。あれを知った後でもしっかり魔女と戦ってたじゃねぇか」

翼　「しかし美樹の剣は迷いに満ちていた」

未来　「そうだよね……きっとショックは大きいと思う。
　　　　もしかしたら、ほむらちゃんは知ってたのかもしれないけど……」

翼　「ひとまず、明日は彼女らには会わぬようにとのことだ。
　　　　寸分でも心持ちを整えられれば僥倖だが……」

翌日

まどか　「ほむらちゃんは知ってたの？」

ほむら　「……」ｺｸ

まどか　「どうして教えてくれなかったの？」

ほむら　「前もって話しても信じてくれた人は今まで一人もいなかったわ」

まどか　「キュウベェはどうしてこんな酷いことをするの？」

ほむら　「あいつは酷いとさえ思っていない。人間の価値観が通用しない生き物だから。
　　　　何もかも奇跡の正当な対価だと、そう言い張るだけよ」

まどか　「全然釣り合ってないよ！　さやかちゃんはただ好きな人の怪我を治したかっただけなのに！」

ほむら　「奇跡であることに違いは無いわ。不可能を可能にしたんだから」

まどか　「さやかちゃんは私を助けてくれたの。
　　　　さやかちゃんが魔法少女じゃなかったらあのとき私も仁美ちゃんも死んでたの！」

ほむら　「感謝と責任を混同してはだめよ。あなたには彼女を救う手立てなんて無い。
　　　　引け目を感じたくないからって借りを返そうだなんてそんな出過ぎた考えは捨てなさい」

まどか　「ほむらちゃん、どうしていつも冷たいの？」

ほむら　「そうね、きっともう人間じゃないから、かもね」

翌日

まどか　「さやかちゃん、おはよっ」

仁美　「おはようございます、さやかさん」

さやか　「ぁ……　おはよう！」

仁美　「昨日はどうかしたんですか？」

さやか　「ちょっとばかり風邪っぽくてねぇ」

まどか　「……」

さやか　「さぁて、今日も張り切って……あ……」

仁美　「あら、上条くん、退院なさったんですの？」

夕方

さやか　「それで……話って何？」

仁美　「恋の相談ですわ」

さやか　「……」

仁美　「ずっと前から私、上条恭介くんのことお慕いしてましたの」

さやか　「そ……そうなんだ」

仁美　「私、明日の放課後に上条くんに告白します。丸一日だけお待ちしますわ。
　　　　さやかさんは後悔なさらにように決めてください。上条くんに気持ちを伝えるべきかどうか」

さやか　「私は……」

夜

さやか　「まどか……それに、翼さん！」

翼　「その、かたじけない、鹿目から事情を聞いてしまったんだ。
　　　　何と言えば良いかわからないが、少しでも美樹を慰撫できればと……」

さやか　「なんで優しくするんですか……私にはそんな価値なんて無いのに」

翼　「価値が無い！？　何を言うっ！」

さやか　「私ね、今日、後悔しそうになっちゃったんです。
　　　　あのとき仁美を助けなければって、ほんの一瞬思っちゃって……」

翼　「……」

さやか　「仁美に恭介を取られちゃうよ……でも私、何もできない！
　　　　だって私、もう死んでるんだもん……ゾンビだもん！
　　　　こんな体で抱きしめてなんて言えない、キスしてなんて言えないっ！」

まどか　「さやかちゃん……」

翼　（恋とは、かくも人を苛むものなのかっ！？）

さやか　「すみませんでした、もう大丈夫です」

弦十郎　『翼、その近くにノイズが現われたぞ！』

翼　「ノイズッ！？　また見滝原に！？」

さやか　「え、ノイズ？」

翼　「すまない美樹、私はこれより戦場に赴かねば！」

さやか　「私も行きます！　私だって防人ですからっ！」

まどか　「さやかちゃんが行くなら、私もついて行って良いですか？」

剣　「ﾌﾞｵﾝﾌﾞｵﾝﾌﾞｵﾝﾄﾞｼｬｱ」

テロップ　「　風　輪　火　斬　」ﾄﾞﾝｯﾄﾞﾝｯﾄﾞﾝｯﾄﾞﾝｯ　ｶｱｱｱｱ

翼　「美樹、大丈夫か！？　おい！」

さやか　「邪魔しないでください……一人でやれます」

翼　「美樹っ！」

剣　「ｼﾞｬｷッｼﾞｬｷｯ」

ノイズ　「ｷｭﾍﾟｷｭﾍﾟ」

さやか　「アハハハハ！　ほんとだ！　その気になれば痛みなんて……アハハッ」

さやか　「完全に消しちゃえるんだ！」

まどか　「もうやめて！」

翼　「もはや防人にあらず、さながら仁王か阿修羅のよう！」

その頃・ほむら宅

クリス　「おい、本当にあたしらが出なくても良かったのかっ？」

弦十郎　『ああ、すでに翼が……というよりほとんどさやかくんが殲滅した』

無線　『ﾌﾟﾂﾝ』

クリス　「やるじゃねぇか、あの剣使い……」

クリス・杏子　「で……」

ほむら　「……」ｽﾞｰﾝ

クリス　「知ってること洗いざらい吐いてもらおうと思って乗り込んだら、
　　　　ワルプルギスの夜とかわけのわからねぇことほざきやがって」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほむら　「ワルプルギスの夜の出現予測は、この範囲」

杏子　「根拠は何だい？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほむら　「統計よ」

クリス　「統計？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

杏子　「以前にもこの街にワルプルギスの夜が来たなんて話は聞いてないよ。
　　　　一体何をどう統計したってのさ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほむら　「……」

杏子　「今更お互い信用する気も無いけどさ、もうちょっと手の内を見せてくれたって良いんじゃない？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

QB　「それは是非ぼくからもお願いしたいね、暁美ほむら」

クリス　「どのツラ下げて出てきやがったテメェ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

QB　「君たちにとって重要な情報を知らせにきたんだけどね」

クリス　「ンあぁっ！？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

QB　「美樹さやかの消耗が予想以上に早い。
　　　　このままだとワルプルギスの夜が来るより先に厄介なことになるかもしれない」

杏子　「なんだそりゃ、どういう意味だ？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

QB　「ぼくじゃなくて彼女に聞いてみたらどうだい？　君ならすでに知っているんじゃないかな、暁美ほむら」

ほむら　「……」

QB　「やっぱりね。どこでその知識を手に入れたのか、とても興味深い。君は……」

ほむら　「聞くだけのことは聞いたわ。消えなさい」

QB　「……」ｽﾀｽﾀ

杏子　「ほっとくのかよアイツ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほむら　「あれを殺したところで何の解決にもならないわ。
　　　　それよりも美樹さやか、溜め込みすぎた穢れを早く浄化しないと……」

クリス　「そんなことよりお前も食えよ。三人分持ってきたからさ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほむら　「遠慮しておくわ」

クリス　「そんなんだからそんなんなんだよ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほむら　「何が言いたいのかしら」

その頃・マミ宅

切歌　「マミは辛くないデスか？」

マミ　「ええ……本来ならすでに死んでいるはずだったもの」

調　「本当？　無理してない？」

マミ　「本当に、大丈夫よ。私、あの子たちの……先輩だもの。しっかりしなきゃ」

切歌　「そんなに気負うことなんて無いデスよ！」

調　「私たちには素顔を見せてほしい」

マミ　「そうね……そうよね」

マミ　「じゃあ、本当のことを言うとね、私、怖くて仕方が無いの。
　　　　だってそうじゃない、自分がとっくに魂の抜け落ちた人形になっていたなんて……」

調　「人形……違う、マミは」

マミ　「でもね、一番ショックだったのは……私が佐倉さんや美樹さんを誘って巻き込んでしまったということなのよ」

切歌　「マミはあのキュウベェに騙されただけデス！　何も悪くないデス！」

マミ　「二人とも、ありがとう……」

切歌　「マミはまだ出会ったばかりだけど他人って気がしないデス」

調　「マミのために私たちにできることは何でもする。魔女だって倒す」

切歌　「どうせ身寄りなんて無いデス。マミさえ良ければ、ずっと一緒デス！」

マミ　「優しいのね」

調　「誰かを守るためにも、真の強さを勇気と信じていくって、決めたから……」

切歌　「辛いときは叫んでみるデス！　私たちを呼ぶデス！
　　　　辛い気持ちも怖い気持ちも涙ごと全部切り刻んでやるデス！」

翌日

恭介　「でもさ、志筑さんって変える方角はこっちなんだっけ？
　　　　今まで帰り道で見かけたことって無いような……」

仁美　「ええ、本当は全然逆方向ですわ」

恭介　「え、じゃあ今日はどうして？」

仁美　「上条くんに……お話したいことがありますの」

さやか　「……」ｽﾞｰﾝ

同刻・某公園

まどか　「ねぇ……いつか言ってた、私がすごい魔法少女になれるって話、あれは本当なの？」

QB　「すごいなんてもんじゃないよ。君が力を解放すれば、奇跡を起こすどころか
　　　　宇宙の法則でさえ多少なら捻じ曲げることができるかもしれないよ」

まどか　「じゃあ私があなたと契約したら、さやかちゃんの体を元に戻せる？」

響　「まどかちゃん！？　何をっ？」

まどか　「だって、こうでもしないと、さやかちゃんは……」

響　「でも、契約しちゃったら、まどかちゃんも魂を抜かれちゃうんだよ！？」

まどか　「そうですけど……」

まどか　「もし響さんだったら……どうしますか？」

響　「私は……どうなんだろう」

まどか　「あんな体にされちゃったのが、さやかちゃんじゃなくて未来さんだったとしても？」

響　「あっ！」

まどか　「どうですか？」

響　「いやー参ったなぁ……返す言葉がないや」

まどか　「……」ﾎｯ

響　「大切な人のために魂を差し出す……それがまどかちゃんのやりたいことなら、私は……」

QB　「どうやら理解も得られたようだね」

まどか・響　「うん」

まどか　「さやかちゃんのためなら……私、魔法少女に……」

響　「！？」

銃　「ﾊﾞﾝｯﾊﾞﾝｯ」

まどか　「っ！？」

ほむら　「ハァッ……ハァッ……」

響　「ほむらちゃん！」

まどか　「酷いよっ！　何も殺さなくても」

未来　「そうだよほむらちゃん、いくらなんでも！」

響　「未来まで！？」

ほむら　「あなたは……いえ、あなたたちは、なんでいつだって、そうやって自分を犠牲にして…………」

まどか・響　「え？」

ほむら　「役に立たないとか、意味が無いとか、勝手に自分を粗末にしないで」

未来　「響たちを大切に想う人の事も考えて！」

ほむら　「まどかたちを失えばそれを悲しむ人がいるって、どうして気付かないの！？」

未来　「響たちの帰りを待ってた人はどうなるの！？」

響　「二人して言わないでよ。ちょっと怖いよ」

まどか　「ほむらちゃん……！？　私たちはどこかで……」

ほむら　「それは……」

まどか　「ごめんね、私、さやかちゃんを探さないと……」

響　「待ってまどかちゃん、私も行くよ！」

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

ほむら・未来　「待って！」

ほむら　「まどかぁ！」
未来　「響ぃ！」

QB　「無駄な事だって知ってるくせに」

未来　「！？」

QB　「懲りないんだなぁ君も」

ほむら　「……」

未来　「キュウベェ？　キュウベェが２匹！？」

QB　「代わりはいくらでもあるけど、無意味に潰されると困るんだよね。もったいないじゃないか」

ﾑｼｬﾑｼｬ

未来　「食べてる！？」

QB　「君に殺されたのはこれで二度目だけれど、おかげで攻撃の特性も見えてきた。
　　　　時間操作の魔術だろう、さっきのは」

ほむら　「……」

QB　「やっぱりね。なんとなく察しはついてたけれど、君はこの時間軸の人間じゃないね」

未来　「時間軸！？　え？　え？」

ほむら　「お前の正体も企みも、私はすべて知ってるわ」

QB　「なるほどね、だからこんなにしつこくぼくの邪魔をするわけだ。
　　　　そうまでして鹿目まどかの運命を変えたいのかい？」

ほむら　「ええ、絶対にお前の思い通りにはさせない。キュウベェ……いえ、インキュベーター！」

未来　「一体どういうことなの？　全部教えて！」

数時間後

杏子　「やっと見つけた」

さやか　「……」

クリス　「なんだ一緒だったのか」

翼　「捨て置けるものか」

さやか　「悪いね……手間かけさせちゃって」

杏子　「なんだよ、らしくないじゃんかよ」

さやか　「うん、別にもう、どうでも良くなっちゃったからね」

クリス　「おい！　そのソウルジェム、色が！」

杏子　「！」

さやか　「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったかあんた、言ってたよね」

翼　「何を言う！　美樹はその志の通り、幾人もの無辜を救ったではないか！　絶望することなど……」

さやか　「だけどその分、心には恨みや妬みが溜まって……」

クリス　「溜め込みすぎなんだよ、色々と！」

さやか　「誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。
　　　　魔法少女ってそういう仕組みだったんだね……」

杏子　「さやか！」

さやか　「私ってほんとバカ」

未来　「さやかちゃんはバカじゃない！」

さやか・杏子・翼・クリス　「え？」

翼　「小日向！　なぜここに！？」

クリス　「それは……グリーフシード！」

ｼｭｳｳｳｳ

クリス　「色が澄んでいきやがる！」

未来　「間に合った……」

さやか　「未来さん、なにするのさ！」

未来　「お願い！　これ以上うつむかないで！」

さやか　「でも……私はもう…………」

未来　「さやかちゃんが辛そうにしてると、まどかちゃんまで辛くなっちゃうんだよ！」

さやか　「そう……ですよね。わかってますって。だけど、恭介は、きっと何も……」

未来　「恭介くん……それがあなたの好きな人の名前？」

未来　「壊れた愛でも良い！　傷んだ愛でも良い！　守りたい！　ただそれだけなの！」

翼　「小日向、矢庭に何をのたまう！」

クリス　「どうしちまったんだ？　顔がこえぇぞ」

杏子　「この目、まるで死んだ私の親父みたいだ」

さやか　「つまり……どういうことですか？」

未来　「どう思われようと関係無い。たとえ気付いてくれなくても、守ってあげるのが本当の愛だから……」

さやか　「本当の愛……」

未来　「絶対に譲らないで、その気持ちを！」

さやか　「……」

クリス　（そんな重いこと言っても逆効果じゃねぇのか？）

さやか　「わかりました！」

杏子　「なんだって！？」

さやか　「自分の生きる道が見えた気がします！　愛の防人としての生きる道が！」

翼　「そ、そうか……良かったな」

クリス　（こいつ色々と毒されてきてるぞ。でも虚ろな目じゃなくなったから良いか）

ほむら　（美樹さやかの魔女化を阻止した……誰が何を言っても聞かなかったのに……）

ほむら　（募る愛に押し潰されるのではなく、共存していく……勉強になったわ）

ほむら　（小日向未来、やはりあなたの愛は素晴らしい）

未来　「そう、さやかちゃんには戦う力がある。でも私は……」ﾎﾞｿｯ

翌日・特異災害対策機動部二課本部

弦十郎　「ワルプルギスの夜……か」

藤尭　「聞いたところによると、通常の魔女とは一線を画す強力な魔女とのことです」

杏子　「あいつは確かに言っていたんだ。そいつが近いうちに見滝原に来るって……」

クリス　「あたしらをかく乱するための嘘っぱちじゃねぇのか？」

まどか　「違う……と思う。ほむらちゃんはそんなこと……」

マミ　「でも、おかしいんじゃないかしら？　今後出現する魔女のことを、どうして知っているの？」

切歌　「やっぱり嘘デス！」

未来　「いいえ、本当です」

響　「未来！」

ほむら　「……」ｽﾞｰﾝ

まどか　「ほむらちゃん！」

未来　「私、ほむらちゃんから全部聞いたんです！」

数分後

翼　「これが……時から解脱するということなのか！」

ほむら　「私から手を離せばあなたの時間も止まってしまうわ」ｽｯ

翼　「！？」

翼　「信ぜざるを得ぬようだな。時を御するという、その業のことを」

まどか　「ほむらちゃんが別の時間軸からきたなんて……」

調　「あのときも、時間を停止させて攻撃を避けたと言うの？」

ほむら　「ええ、そうよ……」

弦十郎　「未来くんにさやかくんの居場所を正確に教えたようだし、時間を遡るというのも確かのようだな」

未来　「でも……本当に伝えたかったのはそれだけじゃないんです。
　　　　うぅん、むしろこっちの方が重要かも」

ほむら　「小日向さん！　そっちは言わない約束……」

未来　「魔法少女は魔女を生むんです！」

マミ　「……」ｽﾞｰﾝ

数分後

未来　「そして、ソウルジェムが濁り切ると……」

響　「魔女に……」

杏子　「そんなこと、信じられるかよ！」

未来　「私がお願いして教えてもらったことなんです。
　　　　　だから、杏子ちゃんたちを困らせようと嘘をついてるなんてことはありえません！」

翼　「魔法少女の宝玉を清めるは魔女の核のみ。しかし魔女は魔法少女により生ず……
　　　　これでは逃れられぬではないか、いずれ魔女と堕ちる定めから！」

さやか　「私って、そんなに危ないところだったんだ……」

ほむら　（やはり、未来に話すべきでは無かったわ。こんなに軽々と話してしまうなんて。
　　　　経験上、混乱が起こるだけなのに。特に巴マミは……）

マミ　「ごめんなさい……少し席を外させてもらうわ」

調　「マミ？」

切歌　「待つデス！」

数分後・某所

マミ　「私たち、魔女の卵だったのね」

切歌　「マミ……」

調　「怖い？」

マミ　「怖いに決まってるじゃない！」

調　「私にもわかる。あなたの気持ち」

マミ　「月読さんに何がわかるの！？」

調　「私も、塗り潰されそうになったから……」

マミ　「え……」

数分後

マミ　「そう……あなたたち、本当に強いのね。私、ダメな子だ」

切歌　「だから、マミも残すデス！　魔女に塗り潰される前に！　マミがここに居たって証を！」

マミ　「いいえ、私は決めたわ。何も残さないって……」

調　「どういうこと？」

マミ　「だって、魔法少女が魔女を生むなら、みんな死ぬしか無いじゃない」

調　「死ぬって……まさか」

数十分後

ほむら　（巴マミはどこへ行ったのかしら……もしもまたあんなことを考えているのなら……）

ほむら　「！？」

ノイズ　「ｷｭﾍﾟｷｭﾍﾟ」

ほむら　「ノイズ……こんなところで……でも私は」

―回想―

奏　「きっとどこまでも行ける　見えない翼に気付けば♪」

槍　「ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ」

テロップ　「STARDUST∞FOTON」ｼｬｲｲｲﾝ

剣　「ﾄﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞ」

テロップ　「千ノ落涙」ｼｬﾝ

さやか　「ヤアアァァ！　セァッ！」

杏子　「くぬっ！　えい！」

矢　「ｼｮｺﾞｫ　ｼｮｺﾞｫ」

巨砲　「ｽﾞｶﾞｧﾝｯ」

テロップ　「TIRO FINALE」ﾎﾟﾛﾛﾛﾛﾛﾝ

奏　「杏子たちはもうノイズとの戦いにも慣れたみたいだな」

翼　「でも……」

ほむら　「行きます！」ﾌｯ

爆弾　「ﾄﾞｺﾞｫﾝ」

ノイズ　「ｷｭﾍﾟｷｭﾍﾟ」

ほむら　「あぁう……」

翼　「やはり、ほむらの攻撃だけは……」

奏　「魔法で設置しても爆風は物理攻撃でしかないのかっ！」

ほむら　「やっぱり……私、皆さんの足を引っ張ってばかり……」

奏　「真面目が過ぎるぞ。引け目を感じることなんて無いさ」

ほむら　「でも……」

奏　「それならさ、私だって謝りたいんだ。私は適合者でも魔法少女でもない。
　　　　リンカーで繋がってるだけの、仮初めの歌を歌ってるだけなんだ。
　　　　時間もパワーも限られてる……仮初めのさ」

ほむら　「いいえ！　天羽さんは、ノイズのときも、魔女のときも、一番の……」

奏　「だからさ、ノイズのことは任せてくれよ。私が、仲間たちが、ほむらを守るから、な？」

―回想終―

ノイズ　「ｷｭﾍﾟｷｭﾍﾟ」

ほむら　「でも、あのとき、誓った。もう誰にも頼らない！」

響　「いや、頼ってよ」

ほむら　「！？」

響　「ﾊﾞﾙｳｨｼｬﾙ　ﾈｽｹﾙ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ﾄﾛｰﾝ」

ほむら　「立花響、どうして？」

響　「私、人助けが趣味なんだ！」

響　「ぎゅっと握った拳　1000パーのサンダー　解放全開……♪」

響　「3！　2！　1！　ゼロ！！」ﾄﾞｶﾊﾞｷｯ　ｺﾞｺﾞｺﾞ　ｸﾞｺ

ほむら　「私はもう人じゃないし、それに、あなたに助けてもらう必要もないわ。
　　　　これぐらいのノイズ、私一人でも十分だもの」

響　「えー、でも未来が言ってたよ。ほむらちゃんはノイズとは戦えないって」

ほむら　（小日向未来……立花響を戦わせたくないと言いながら、彼女を刺激することを言ったのね）

響　「まぁ見ててよ！　チャッチャーっと片付けちゃうからさっ！」

響　「はっ！　はっ！　えあああああっ！！」

ｽﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞｯﾎﾞ

ほむら　「立花響……」

響　「とぅりゃあああっ！！」

ほむら　「立花さん……」

葡萄型ノイズ　「ｺﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ」

ほむら　「立花さん！　危ないっ！」ﾌｯ

ﾄﾞﾝｯ

響　「フォッ！？」

ほむら　「……」

響　「いやー油断しちゃった。時間を止めて助けてくれたんだね！」

ほむら　「逃げなさい。あまりにも多すぎる。あなた一人では無謀よ」

響　「あっははー、確かに一人だと無謀かもねー。でも……」

ﾋｭﾝﾋｭﾝﾋｭﾝ

テロップ　「GIGA　ZEPPELIN」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

響　「私たちには仲間がいるんだよ！」

クリス　「ったく、一人で飛び出していきやがってよ！」

ほむら　「雪音クリス……あなたまで」

クリス　「水くせえんだよ、ッテメェも！　ノイズつったらあたしらの出番じゃねェか！」

ほむら　「魔女もノイズも関係無いわ」

クリス　「大アリなンだよぉ！　そいつぁ……あたしが背負う十字架なんだ！　だから……」

杏子　「やっと見つけたぞ、クリス」ﾀｯﾀｯﾀ

クリス　「イ・イ・子・は・ネンネしていなッ♪」

テロップ　「BILLION MAIDEN」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

杏子　「クリス！？」

クリス　「ヒャッハー　Go　to　hell！！　さぁスーパー懺悔タイム♪」

テロップ　「MEGA DETH PARTY」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

杏子　「待てよオイ！　私も戦うぞっ！」

槍　「ｼｭｨｲﾝ」

ｸﾞｻｯ　ｸﾞｻｯ

クリス　「てめぇも引っ込んでろっ！」

杏子　「そうは行くかよっ！」

クリス　「ちっ……」

ノイズ　「ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ」

響　「危ない！　クリスちゃん！！」

クリス　「なっ！？」

槍　「ﾁｭｨｨｨｨｨﾝ」

クリス　「……」

杏子　「まったく、言わんこっちゃない。でも、いつぞやの借りを返せたことになるのかな」

クリス　「き……きょ…………」

杏子　「お前のために戦わせてくれよ、友達なんだからさ、クリス」

クリス　「……て、てめぇ、ととととと友達なんて……あたしは別にっ！」

杏子　「別にあんたがどう思ってようが構わないさ。私が勝手に放っとけないって思ってるだけなんだから」

クリス　「あ……ありがとな」ﾎﾞｿｯ

杏子　「近くの敵は任せな。クリスは散らばってる奴を片付けてくれよ！」

槍　「ｸﾞｻｯ　ｸﾞｻｯ」

クリス　「ああ！」

ｳｨｰﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝ　ｶﾞｶﾞｯ　ﾄﾞﾄﾞｰﾝ　ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

杏子　「託した！」

テロップ　「MEGA DETH QUARTET」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

ｺﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ　ﾋｭﾝﾋｭﾝ　ﾎﾞｵｵｵｵ　ｽﾞｶﾞｱｱｱｱｱﾝ

ほむら　「何なの！？　あの火力……」

杏子　「やった……のか？」

クリス　「ったりめーだッ！」

翼　「やっと着いたと思いきや、すでに敵は無し……」

杏子　「すごいだろ？　あたしとクリスのコンビはさ！」

響　「ちょっとぉ杏子ちゃぁん、私はぁ？」

未来　「すっかりお株奪われちゃったね」

さやか　「あーあ、私も一緒に戦いたかったなぁ」

翼　「そう嘆くな。無事こそ何にも勝る宝ではないか」

ほむら　「……」

まどか　「ほむらちゃん……」

響　「手を繋ごう、ほむらちゃん、まどかちゃん！　みんなも！」

ほむら　「立花さん……」

まどか　「ほむらちゃん、馬鹿な私のために……時間を超えて来てくれたんだね」

ほむら　「まどか……」

翼　「暁美、お前の歩んできた長い道程に、感謝したい」

さやか　「友達も、先輩もいっぱいできたしね！」

クリス　「あたしが言えた義理でもねぇけどさ、ちったぁ一緒に背負わせてくれよ」

杏子　「独りぼっちになんてさせねぇからさ！」

未来　「大切な人を守りたい気持ち……一緒に、大事にしよう」

ほむら　「私は……」

銃　「ｽﾞｶﾞﾝｯ」

さやか　「っ！？」

翼　「美樹！！」

杏子　「さやか！！」

ｼｭｵｵｵｵｵ

響　「みんな避けてっ！！」

テロップ　「非常Σ式・禁月輪」ｺﾃﾘﾝｶﾞｼｬﾝ

未来　「調ちゃん！」

まどか　「切歌さんとマミさんも乗ってる！？」

切歌　「デエエエエエエエス！！」

さやか　「大丈夫……当たり所が良かったみたい。これぐらい、すぐ回復するよ」

杏子　「今の、マミが撃ったのかよ！　何しやがるっ！」

マミ　「高速移動中は狙いが定まらないわね」

クリス　「そういう問題じゃねぇ！　てめぇら仲間じゃなかったのかよ！」

マミ　「仲間よ。だから助けてあげるの」

ほむら　「巴マミ……やはりあなたは」

マミ　「あなたたちが人を殺す魔女になる前に……死なせてあげるのよ」

まどか　「え……何言ってるの？　ちょっと、マミさん！」

翼　「気でも触れたかっ！？」

響　「調ちゃんも、切歌ちゃんも！　どうしちゃったの？」

調　「私たちは決めた。マミのために戦うんだ。だから、マミがそうしたいなら……」

切歌　「一緒デス！」

切歌　「ｾｲｵｽ　ｲｶﾞﾘﾏ　ﾗｲｾﾞ　ﾄﾛｰﾝ」

杏子　「てめぇ……どうしてもやるってのか？」

切歌　「絶対に、絶対デス！」

響　「待ってよ！　話し合おうよ！　きっとマミちゃんも分かり合えるはずだから！」

マミ　「魂も持たない、いつか悪い魔女になってしまう私たちに、お互いを理解する意味なんてあるのかしら？」ｶﾁｬ

未来　「響っ！！」

響　「……！」

切歌　「警告メロディ　死神を呼ぶ　絶望の夢　Death13♪」

テロップ　「切・呪りeッTぉ」ﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍ

翼　「くっ……再び刃を交えねばならぬのか……」

調　「DNAを　教育してく　エラー混じりの　リアリズム♪」

テロップ　「裏γ式・滅多卍切」ｺﾃﾘﾝｶﾞｼｬﾝ

切歌　「マミたちが心を痛める……」

調　「そんな世界なんて！」

切歌　「今すぐに just saw now 痛む間もなく♪」
調　 　「だからそんな世界は♪」

切歌　「切り刻んであげましょう♪」
調　　 「伐り刻んであげましょう♪」

杏子　「ぐっ……」

さやか　「うぁああ！」

マミ　「ティロ・フィナーレ！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵ

ほむら　「……」ﾌｯ

さやか　「くっ……ごめんマミさん！」

剣　「ﾌﾞｵﾝﾌﾞｵﾝ」

マミ　「美樹さん、私、負けないわよ」

翼　「月読！　頭を冷やせ！！」

翼　「蒼ノ一閃」ｼｬﾝ

調　「ああぁっ！」

まどか　「いやだよ、こんなの……」

切歌　「隙有りぃぃぃぃ！！」

ほむら　「！？」

ﾁｬﾘﾝ　ｶﾞｼｬﾝ　ｶﾞｼｬﾝ

ほむら　「ぐっ……」

翼　「この技はっ！？」

テロップ　「断殺・邪刃ウォｔｔKKK」ﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍ

杏子　「ほむら！　さっさと時間を止めて逃げろ！」

クリス　「無理だ！　拘束されてんだから！！」

切歌　「やるデス！！」

まどか・響　「ほむらちゃん！！」

マミ　「動かないで」ｶﾁｬｯ

まどか　「マミさん……」

マミ　「鹿目さんは魔法少女じゃないから死ななくても良いの。
　　　　でも、誰か一人でも動いたら……」

ほむら　「まどか！」

翼　「だめだ、ここからでは間に合わない……」

切歌　「もう……終わりデス！　断ち切るデス！　呪いの連鎖も！　永遠の旅も！！」

調　「切ちゃん！！」

マミ　「待って、暁さん、とどめは私が……」

？？？　「切歌、何をやっているの？」

マミ・切歌・調　「！？」

マリア　「話はすべて聞いたわ！」

杏子　「あいつの顔……どこかで…………」

さやか　「マリア・カデンツァヴナ・イヴ！」

切歌・調　「マリア！！」

翼　「緩んだ！！」

テロップ　「千ノ落涙」ｼｬﾝ

ﾁｪﾘﾝﾁｪﾘﾝ

切歌　「ぅわっ！」

さやか　「たくさんの鎖を一瞬で断ち切った！？」

マミ　「イヴさん？」

マリア　「調、切歌、あなたたちが自分の手を汚す必要なんてまったく無いのよ」

調　「でも、やらなきゃ。それがマミのため」

マリア　「マミ……あなたが巴マミね。二人と仲良くしてくれてありがとう」

マミ　「こちらこそ、私なんかと友達になってくれて、二人には本当に感謝しているんです」

マリア　「でも、二人に重責を背負わそうとするのなら……」

マリア　「無双の一振りがあなたを貫くっ！」

マリア　「ｸﾞﾗﾝｽﾞｨﾂｪﾙ　ﾋﾞﾙﾌｪﾝ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ﾂｨｰﾂﾙ」

ｺﾙﾃｽ　ﾌｪｽ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ｺﾙﾃｽ　ﾌｪｽ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ

まどか　「ガングニール？　それって響さんの！？」

調　「マリアもリンカー無しで適合を？」

マリア　「残念ながら二課の力を借りた時限式。でも、迷い子一人が相手なら、これで十分！」

クリス　「何だと！？」

弦十郎　『そういうことだ。マリアくんはもうお前たちの味方。あとはマミくんを……』

翼　「ならば助太刀を……」

マリア　「その必要は無いわ。ここは戦場ではないのだから」

翼　「戦場でない？　ならば、ここはどこだと言うのだっ！？　武器を携え合間見えるこの場は！」

マリア　「再会の場、そして、新たなる出会いと対話の場！」

マミ　「イヴさん……暁さんと月読さんの大切な人！」
マリア　「巴マミ……調と切歌の新たなる友！」

マリア　「この胸に宿った　信念の火は♪」

銃　「ｽﾞｶﾞﾝｯｽﾞｶﾞﾝｯ」

マント　「ｶｷﾝｶｷﾝ」

マント　「ｺﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ」

マミ　「マントを自由自在にっ！？」

マント　「ｼｭｯ　ｺﾞｯﾎﾞﾎﾞ」

マミ　「追いかけてくるっ！　槍使いだというのに遠距離もカバーしてるの！？」

マント　「ﾁｭﾄﾞﾝﾁｭﾄﾞﾝ」

マミ　「貫かれる！　こうなったら……」

リボン　「ｷｨﾝ」

マリア　「リボンを硬化させただとっ！？」

切歌　「ああ……マリアとマミが…………」

調　「私たちは、どっちを……」

マリア　「ならば……この身ごとぶつける！！」ﾀｯﾀｯﾀ

銃　「ｽﾞｶﾞﾝｯｽﾞｶﾞﾝｯ」

マリア　「当たるものかっ！！」ﾋﾟｮﾝｯ

マミ　「そのジャンプを待っていたのよ！」

マリア　「っ！？」

銃　「ﾄﾞｺﾞｫｯ」

マリア　「くっ……はっっ」

翼　「銃身を棍棒にっ！？」

マミ　「うっ……」

響　「クロスカウンター！！」

マリア　「この砲撃手は、近接戦もっ！？」

マリア　「くっ……肩に…………」

マミ　「はぁはぁ……」

マリア　「やるわね……」

マミ　「あなたもね。でも、これならどうかしら……」

巨砲　「ｶﾞﾁｬ」

調　「あれは！」

マリア　「受けて立つ！」

槍　「ﾁｬｯ」

切歌　「この距離で！？」

マミ　「ティロ・フィナーレ！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵ

槍　「ﾄﾞｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ」

テロップ　「HORIZON†SPEAR」ｼｭｲｰﾝ

猿規制がよく出ます



マミ　「参ったわね……決着を付けたいのに、ダメージで体が動かない」

マリア　「まさか、相打ちにまで持ち込まれるなんて！」

マミ　「イブさん、暁さんと月読さんに愛されているんですね」

マリア　「あなただって。二人の眼を見てすぐにわかったわ」

切歌　「マリア、マミ！」

調　「私たちはどうすれば」

マミ　「二人とも、ごめんなさい。いけないことに付き合わせちゃって」

切歌　「もう、やらなくて良いデスか？」

マミ　「ええ……なんだかもう、どうでも良くなっちゃった」

マミ　「不思議ね。戦いがこんなに楽しいと思ったのは初めてだったわ。
　　　　それに、なんだか眩しかったの。イヴさんが。正義を見つめる真っ直ぐな眼が。
　　　　それで思い出した。私のするべきこと、やりたいことを。
　　　　私はもっと戦いたい！　誰かを守りたい！　私が私である限り！」

響　「マミちゃん！」

マリア　「そう。私たちの戦いはこれから！　来たるべき決戦の日は近い！」

調　「最強の魔女……」

切歌　「ワルプルギルの夜！」

ほむら　「マリア・カデンツァヴナ・イヴ、あなた、わかっているの？
　　　　ワルプルギスの夜はこの街を、破壊しつくすほどの強敵……
　　　　いいえ、もしも私の考えが正しければ、今回は世界を滅ぼすほどの……」

マリア　「知れたこと！」

物陰

？？？　「良い事を聞かせて貰いました。渡りに船とはこのことですよ……」

三日後

さやか　「うげぇ、これを飲むの？」

マミ　「卵ってカロリーが高いのよ……」

調・切歌　「食べ物を粗末に！」

杏子　「するんじゃねぇ！」

響　「こんなにおいしいのにね！」

クリス　「未だに慣れねぇ……」

ほむら　「休憩が終わったらもう一度見滝原中まで往復ランニングよ」

まどか　「みんな……すごい気合…………」

翼　「ところで今日は小日向は居ないのか？」

響　「それがここ最近、放課後すぐにどこかへ出かけちゃうんです……」

弦十郎　「特訓中のところ悪いが、ノイズが現われたぞ！」

緒川　「やっぱりおかしいですよ、ここ連日の見滝原での発生は！　偶然とは思えません！」

マリア　「関係無い。私たちのすることはただひとつ！」

響・さやか　「行きましょう！」

切歌　「デス！」

ほむら　「私たちも」

数十分後

マミ　「今回は大したこと無かったわね」

クリス　「前回が多すぎたんだよ！」

杏子　「それだけじゃないぞ」

調　「私たち自身が強くなっている」

ほむら　「これなら、もしかすれば……」

翼　「ん？　あれ人影？　逃げ遅れたのか？」

ほむら　「！？　あれは……」

未来　「……」ｽﾞｰﾝ

響　「未来！」

―回想―

QB　「すっかりみんなから敵視されたと思っていたけれど、まさか君がぼくに話しかけるなんてね」

未来　「インキュベーター……私、ずっと迷ってたけど、やっぱり響に戦って欲しくない！
　　　　ノイズも発生しない、魔法少女も魔女にならない、そんな世界にしてほしいの」

QB　「それは無理な相談だ。それを実現するためには、宇宙の法則の一部を塗り換える必要があるからね。
　　　　まどかならともかく、君はそれほどの素質を持ち合わせていないよ」

未来　「やっぱり……でも、それなら、私も一緒に戦いたい。もう一度戦う力が欲しいの！」

QB　「そういうことなら、僕としては大歓迎さ」

未来　「なら、私、魔法少女に……」

ウェル　「そんなことをして大丈夫なのでしょうか？」

未来　「！？」

QB　「君は」

未来　「あなたは……米国に拘束されたはずじゃあ！」

ウェル　「どうやら、マリアだけを解放するはずのところに、手違いがあったようですよ。
　　　　そんなことより……未来さんが魔法少女になってしまって、本当に良いのでしょうか？」

未来　「だって……あれが来たら、響は絶対に戦ってしまうから！　だから、せめて私も！」

ウェル　「そうして仮にワルプルギスの夜を倒せたとして、
　　　　いずれ未来さんが魔女となってしまったとき、彼女は何を思うのでしょうか」

未来　「そうなったら、私を殺してくれれば……」

ウェル　「彼女がそうすると、あなたに引導を渡すと、本当に思いますか？」

QB　「ありえないだろうね。あるいは心中という形でなら君を殺すかもしれないけれど」

未来　「でも……それじゃあ私はどうしたら……」

ウェル　「そんなあなたに、素敵なプレゼントがありますよ！」

―回想終―

未来　「ﾚｲ　ｼｪﾝｼｮｳｼﾞﾝ　ﾚｲ　ﾂｨｰﾂﾙ」

響　「未来……何をっ！？」

クリス　「あの聖詠……」

翼　「いや……まさか…………あれはもう！」

藤尭　『しかし、この波形パターンは確かに……』

弦十郎　『神獣鏡だとぉ！？』

ほむら　「小日向さん！」

未来　「響……やっぱり私……」

ほむら　「神獣鏡ですって？　小日向さん、あなたもシンフォギア装者だったの？」

翼　「一度だけ、ならず者にそそのかされて纏ったことがあった。だが……」

マリア　「神獣鏡は自分の光で完全に消え去ったはず！」

ウェル　「馬鹿だなぁ！　切り札を温存していないわけがないじゃないですか！！」

響　「ウェル博士！」

さやか　「うわっ、何あのおじさん……！」

翼　「噂をすれば影。奴がかのならず者！　しかし、なぜ……」

斯波田　『米国の連中がとちりやがったみてぇだな。ヤクネタを野放したぁ、大盤振る舞いも過ぎるってもんだぜ」

ウェル　「こんなこともあろうかと秘密の場所に隠しておいた研究データや貴重品が、本当に役に立つとは！
　　　　さぁ未来さん！　親友救ってあげてくださいよ！　その麗しき愛の力でぇ！！」

未来　「閃光　始マル世界　漆黒　終ワル世界♪」

翼　「立花！　狙いはお前だ、かわせ！」

笏　「ﾊﾞｼｭﾝ　ﾊﾞｼｭﾝ」

響　「うわっ！」

クリス　「てめぇはまた！！」

テロップ　「BILLION MAIDEN」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

杏子　「飛んだぞ！　しかも速いっ！？」

ウェル　「今回は戦闘パターンをプログラムする時間がありませんでしたが……
　　　　むしろそんなものなどは要らぬほどに素晴らしい動きですよ！
　　　　それとも、これも愛の力の成せる技なのでしょうかぁ？」

翼　「小日向！　お前はもう、そのギアの真の恐ろしさを知っているはず」

未来　「大丈夫……響のギアだけを削いでみせるから！」

さやか　「翼さん、あのギアの恐ろしさって！？」

未来　「ワルプルギスの夜……ほむらちゃんたちが何度戦っても勝てなかった魔女！
　　　　そんな相手と戦わせたら、今度こそ響が……」ﾊﾟﾗﾗﾗ

翼　「あれはっ！？」

テロップ　「閃光」ﾋﾞｼｲｨ

テロップ　「千ノ落涙」ｼｬﾝ

さやか　「翼さん！！」

杏子　「拡散するレーザーをたくさんの剣で全部防いだぞ！？」

剣　「ﾎﾞﾛｯ」

翼　「否……受け損ないが立花に！！」

響　「え……」

ｶﾞｼｬ　ﾋﾟｭｲｨﾝ

クリス　「ギアをかすめただけで解除させやがったのか！？」

響　「大丈夫、ペンダントはまだ残ってる！　しばらく使えなさそうだけど」

翼　「くっ……見ての通りだ。あれは聖遺物を、いわば、溶かす荒業。
　　　　シンフォギアの一種にしてシンフォギアの天敵！」

マミ　「そういうことなら……」

神獣鏡　「ｶﾞｼｬｶﾞｼｬｶﾞｼｬｶﾞｼｬｶﾞｼｬｶﾞｼｬ　ｶﾞｼﾝ」

マミ　「魔法少女の出番ね！」

さやか　「マミさん！？」

神獣鏡　「ﾐﾜﾜﾜﾜﾜ」

巨砲　「ｶﾞﾁｬ」

調　「無垢にして苛烈、魔を退ける力の奔流」

ほむら　「魔を退ける……魔を…………」

クリス　「『魔』！？　っつーことは！？」

マミ　「ティロ・フィナーレ！！」

テロップ　「流星」ﾋﾞｼｲｨ

マミ　「！？」

マミ　「相殺されないっ！？　ひ……」

ウェル　「魔法少女が一人逝ったああああああ！！！！」

ほむら　「巴さん！」ﾌｯ

ｼｭｲｨｨｨｨﾝ

マミ　「え……盾！？」

調　「なんとノコギリ」

テロップ　「γ式・卍火車」ｺﾃﾘﾝｶﾞｼｬﾝ

ほむら　「呆けないで！」ｶﾞｼｯﾌｯ

ノコギリ　「ﾎﾞﾛｯ」

ウェル　「うげぇ！？　あの世へ逝かずにどこへ行ったぁ！？」

響　「調ちゃんのノコギリが一瞬で現われて、マミちゃんが一瞬で消えたんだ！」

翼　「月読と共に時を外れ、円刃を設置したか！」

ほむら　「巴さんの時間を止めるためには一度私たちの時間を動かさなければならないから、
　　　　広範囲を覆い、高速回転でエネルギーを分散して一瞬でも浸食を遅らせられる、
　　　　そんな月読さんのノコギリが時間稼ぎには最適だったのよ」

マミ　「ありがとう暁美さん、助かったわ。でも私の技も効かないなんて、まさか……」

翼　「魔を退ける……その魔とは、魔法少女のその名も指しているというのか！」

杏子　「だとすれば、どうすれば良いんだよ！」

未来　「ほむらちゃん……邪魔をするの？　私の気持ち、わかってくれないの？」

ほむら　「あなたの対象は立花さん、私の対象はまどかだもの」

未来　「相手が違っても気持ちは同じでしょう？」

ほむら　「シンフォギアや魔法少女が失われれば、その分だけワルプルギスの夜に勝てる確率が下がるのよ。
　　　　そうなったら……まどかは！」

ウェル　「それが僕たちの狙いなんですけどね！」

QB　「シンフォギア装者も魔法少女もいなくなればまどかが契約するしかなくなるからね」

ウェル　「ワルプルギスの夜が人間をごっそり減らしてくれりゃあ、僕にもチャンスが！」

未来　「そう、ほむらちゃんも響に戦わせようとするのなら……もう！」

未来　「あの懐かしのメモリア　二人を紡ぐメロディーを♪」

テロップ　「閃光」ﾋﾞｼｲｨ

ほむら　「……」ﾌｯ

手榴弾　「ｽﾞｶﾞｰﾝｽﾞｶﾞｰﾝ」

響　「未来！！」

未来　「くっ……」

笏　「ﾊﾞｼｭﾝ」

銃弾　「ﾁｭｰﾝ」

マミ　「小日向さんの光線を砕いた！」

翼　「そうか、暁美の攻撃は聖遺物でも魔法でもない！」

鞭　「ﾋｭﾝ　ﾋｭﾝ　ﾋｭﾝ」

ほむら　「……」ﾌｯ

ロケット弾　「ﾋｭｯ」

未来　「！？」

ロケット弾　「ﾊﾞｯﾌｧﾛｰ」

未来　「うぁ……あああああああ！！」

ウェル　「キエェーイイ！　なんなんどぁ、あの魔法少女ワッハァ！！」

ほむら　「小日向さん、好い加減認めたらどうかしら。立花さんの戦いを」

響　「そうだよ！　私、ワルプルギスの夜になんて負けないから！」

未来　「くっ……絶対に…………」

ﾄﾞｺﾞｫ

ほむら　「う」

響　「飛び膝蹴り！？」

ほむら　「くっ……」

未来　「響！　ほむらちゃんを助けたかったらペンダントを私に……」

笏　「ﾊﾟﾗﾗﾗﾗﾗﾗ」

マミ　「させないわよ！」

リボン　「ｼｭｯ　ｸﾙｸﾙ」

未来　「いやっ……離して！」ﾌﾞﾁｯ　ﾌﾞﾁｯ

響　「マリアさん！　ちょっと貸して！」

マリア　「え？　まさか、また！？」

響　「ﾊﾞﾙｳｨｼｬﾙ　ﾈｽｹﾙ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ﾄﾛｰﾝ」

未来　「……」

マリア　「あなた、どれだけ破天荒なの？　どうやって彼女を止めるの！？」

翼　「竹馬の友が、再び相戦わなければならなぬと言うのかっ！」

響　「幾億の　歴史を越えて♪」

ﾊﾞｼｯ　ﾄﾞｶｯ

鞭　「ﾋｭﾝﾋｭﾝ」

ﾋﾟｼｯ　ｶﾞｯ

ウェル　「今回は反射物なんてありませんよ！　未来さんから神獣鏡を剥ぎ取るなんて不可能だぁ！！」

笏　「ﾊﾞｼｭﾝ　ﾊﾞｼｭﾝ」

さやか　「響さん、危ない！」

ｺﾞｫ

ほむら　「空中で推進力を！？」

未来　「！？」

ｶﾞｼｯ

ずっと猿規制で書き込めなかった。助けて


未来　「離して！　響！！」

響　「お願い、聞いて！！　私は……」

未来　「嫌！　嫌ぁ！！」

翼　「小日向！　聞き分けが悪いぞ！！」

未来　「もう嫌なの！　響を失うかもしれないって、怖い思いをするのは！！」

ほむら　「小日向さん！　ワルプルギスの夜を倒さなければいずれみんな死んでしまうのよ！
　　　　まどかも、立花さんも！！」

未来　「わかってるよ！　でも……」

ほむら　「約束するわ。立花さんも死なせはしない。そのためにも、彼女の力を貸して欲しいの！」

未来　「響が助かるために、響が戦う……」

ほむら　「みんなで助かるのよ。今を生き抜くために私たちは出会ったのだから」

翼　「暁美……」

未来　「わかったよ、ほむらちゃん」

ウェル　「うえええええ！？」

QB　「彼女は感情に任せて立花響のシンフォギアを破壊すると思っていたけれど、
　　　　思った以上には合理的な判断ができるようだね。僕としては残念だけど」

弦十郎　「ウェル博士！！　お前をもう一度拘束する」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

ウェル　「うえええええ！？」

未来　「でも、その代わり、私も戦うよ。ワルプルギスの夜と！
　　　　だから、神獣鏡のギアを貸してください、ウェル博士！」

ウェル・響　「うえええええ！？」

弦十郎　「未来くん！　君がギアを纏うにはマリアくんとは比べ物にならない量のリンカーが必要だ！
　　　　現に今だって体が蝕まれているはずだ！　ウェル博士のせいで！！」

響　「お前は未来に何をしたあああああ！！！」

ウェル　「うえええええ！？」

未来　「お願いです！　やらせてください！！」

響　「うえええええ！？」

現在、他IDの書き込み１回につき１回書き込めるようになる模様



二日後

ほむら　「来るっ！」

響　「何……あれ」

超ワルプルギスの夜　「イッヒッヒッヒッヒ」

広報車　「見滝原に避難指示が発表されました～」

マリア　「今こそ、決戦のとき！！」

まどか　「……」

弦十郎　「俺たちにも見える、だとぉ？」

緒川　「ということは、やはりほむらさんが言っていた強化されたワルプルギスの夜！！」

安藤　「何なのあれ？」

寺島　「ノイズ、とはちょっと様子が違うみたいですね」

板場　「んもー、アニメじゃないんだから！！」

響たち　「ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ」

安藤　「ビッキー！　ヒナ！！」

恭介　「さやか！　それに鹿目さんと暁美さんまで！？　一体どこへ！？」

仁美　「とりあえずついていってみましょう！！」

響　「ﾊﾞﾙｳｨｼｬﾙ　ﾈｽｹﾙ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ﾄﾛｰﾝ」
翼　「ｲﾐｭﾃｳｽ　ｱﾒﾉﾊﾊﾞｷﾘ　ﾄﾛｰﾝ」
さやか　「せいやっ！！」ﾊﾞｰﾝ
クリス　「ｷﾘﾀｰ　ｲﾁｲﾊﾞﾙ　ﾄﾛｰﾝ」
杏子　「くんぬっ！！」ﾊﾞｰﾝ
マリア　「ｸﾞﾗﾝｽﾞｨﾂｪﾙ　ﾋﾞﾙﾌｪﾝ　ｶﾞﾝｸﾞﾆｰﾙ　ﾂｨｰﾂﾙ」
切歌　「ｾｲｵｽ　ｲｶﾞﾘﾏ　ﾗｲｾﾞ　ﾄﾛｰﾝ」
調　「ｳﾞｧﾘｱｳｽ　ｼｭﾙｼｬｶﾞﾅ　ﾄﾛｰﾝ」
マミ　「えいっ！！」ﾊﾞｰﾝ
未来　「ﾚｲ　ｼｪﾝｼｮｳｼﾞﾝ　ﾚｲ　ﾂｨｰﾂﾙ」
ほむら　「……」ﾊﾞｰﾝ

安藤　「シンフォギア装者がすごく増えてる！」

恭介　「あれは……今流行りのコスプレという奴なのかな」

響　「絶対に離さない　この繋いだ手は♪」

ｽｶﾞｰﾝ　ﾊﾞｼｰﾝ

テロップ　「天ノ逆鱗」ｼｬﾝ

さやか・杏子　「ぇいやあああああ！！！」

剣　「ｼﾞｬｷッｼﾞｬｷｯ」

槍　「ｼｭｨｲﾝ」

ほむら　「一旦離れて！」

テロップ　「γ式・卍火車」ｺﾃﾘﾝｶﾞｼｬﾝ

テロップ　「切・呪りeッTぉ」ﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍ

ロケット弾　「ﾊﾞｯﾌｧﾛｰ」

クリス　「これならどうだああああ！！！」

ｳｨｰﾝｳｨｰﾝ　ｶﾞｼｬﾝ　ﾁｬｰ　ｶﾁｬ

マミ　「ティロ・フィナーレ！！」

テロップ　「HORIZON†SPEAR」ｼｭｲｰﾝ

テロップ　「RED HOT BLAZE」ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

テロップ　「流星」ﾋﾞｼｲｨ

ﾁｭﾄﾞｰﾝ

ほむら　「効いていない……神獣鏡すら…………」

翼　「まさか……これだけやっても効かぬというのか！？」

テロップ　「ASGARD」ｶｰﾝ

切歌　「あれは……」

弦十郎　『フィーネだとぉ！？』

調　「やはり……あのとき完全には消滅していなかった」

ほむら　「あれこそが超ワルプルギスの夜の正体……」

調　「魔女にしてフィーネの魂を宿した最強の敵！」

マリア　「こんな敵に、本当に勝てるの！？　セレナー！」

切歌　「遺書を……手紙を書いておきたい気分デス」

恭介　「さやか……なんて格好で剣を振り回しているんだ！」

さやか　「！？」

寺島　「立花さん、またですの？」

響　「！？」

恭介　「なるほど、さやかたちは魔法少女でこの人たちはシンフォギア装者なんだね」

板場　「すっごーい！　魔法少女って、完全にアニメじゃない！」

クリス　「なんつー理解力だ」

翼　（上条……美樹の想い人。ひ弱そうだが、優しそうで顔立ちも綺麗で、良い男ではないか）

仁美　「でも、苦戦しているようですわね」

翼　（こいつが志筑仁美だな……）

仁美　（なんだかツヴァイウィングの風鳴翼に似てる人に睨まれてるような……）

ほむら　「ええ、だからあなたたちは早く逃げなさい。どこへ逃げても無駄かも知れないけれど」

恭介　「逃げられないよ！　さやかが戦っているんだから！！」

さやか　「恭介！！」

恭介　「僕の友達なんだから！！」

さやか　「あ、そ」

仁美　「でも、私たちがいたところで何の役に立てるというんですの？」

まどか　「とりあえず歌おう！」

恭介　「こんなこともあろうかとヴァイオリンを持ってきたよ！」

寺島　「それはナイスですわね」

板場　「みんなで力を合わせればきっと何とかなるよ！　アニメみたいに！！」

安藤　「でも、何の歌を！？」

仁美　「それなら、みんなが知ってるあの歌を！」

一同　「りんごが浮かんだ　お空に♪」

藤尭　『装者たちのフォニックゲインが高まって行きます！』

響　「これはっ！？」

翼　「エクスドライブモード！？」

クリス　「これだけの人数で、どうして！？」

まどか　「みんなの友情の力だよ！」

未来　「というよりむしろ……」

ほむら・未来　「愛よ！！」
ウェル　「愛ですよ！！」

マミ　「なぜそこで愛ッ！？」

弦十郎　『こらウェル博士！　脱走するな！』

ｶﾞｼﾝ　ｶﾞｼﾝ　ｸﾞｨｰﾝ

テロップ　「終Ω式・ディストピア」ｺﾃﾘﾝｶﾞｼｬﾝ

ﾋｭﾝﾋｭﾝﾋｭﾝﾋｭﾝ

テロップ　「終虐・Ne破aァ乱怒」ﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍｯﾍ

ｷｨﾝ

切歌　「これでも効かないデスか！？　……うわっ」

翼　「弾き飛ばされる！！」

調　「ああ！！」

響　「衝撃波がこっちまでっ！？」

さやか　「恭介！　危ないっ！！」ｶﾞｼｯ

ほむら　「まどか！　危ないっ！！」ﾈｯﾄﾘ

全員　「うわあああああ」

恭介　「あ、ありがとう、さやか」

マリア　「そんな……これだけの力を合わせても歯が立たないなんて……」

響　「こうなったら……絶唱を！！」

翼　「よせ立花！　お前はもう融合者じゃない！　今度は耐えられないぞ！！」

響　「でも……」

まどか　「キュウベェ……私…………」

QB　「なんだい？　まどか」

ほむら　「まどかっ！？」

読まなくても良いので空白でも良いので書き込んでください。最後まで投下させてください



まどか　「私が魔法少女になれば、ワルプルギスの夜にも勝てるの？」

QB　「わからないね。君は飛び抜けた素質を持っているけれど、
　　　　ワルプルギスの夜の強さも僕の予測をはるかに上回っている。
　　　　あえて予想するなら、互角と言ったところかな」

まどか　「そっか」

ほむら　「まどか……だめよ、絶対！」

未来　「そうだよ、私たちはまだ……」

まどか　「マリアさん、そのペンダント、使えますか？」

マリア　「こ、これは……恐らくまだ使えるわ。でも、何をするつもり？
　　　　あなたは適合者では無いのだから、シンフォギアは纏えないわよ」

まどか　「なら、キュウベェ、私の願いで私自身をシンフォギアの適合者にできる？」

QB　「それなら可能さ」

ほむら　「まさか……」

まどか　「キュウベェ！　私に戦う力を！」

QB　「わかったよ」

ほむら　「まどかあああああああああ！！！！！！」

まどか　「ｾｲﾚﾝ　ｺﾌｨﾝ　ｱｶﾞｰﾄﾗｰﾑ　ﾄﾛｰﾝ」

マリア　「魔法少女に変身してなおかつシンフォギアを纏っただと！？」

ほむら　「……」

銀の腕　「ﾄﾞｰﾝ」

恭介　「す、すごい……」

マリア　「シンフォギアと魔法少女、二つの力を相加ではなく相乗させているのか！？」

さやか　「でも……」

杏子　「これでもまだ駄目なのかよ！」

ほむら　「まどかが身を捧げても倒せないなんて……」

まどか　「ごめんね、ほむらちゃん……」

まどか　「ｶﾞﾄﾗﾝﾃﾞｨｽ　ﾊﾞﾍﾞﾙ　ｼﾞｸﾞﾚｲﾄ　ｴﾃﾞﾅﾙ♪」

ほむら　「この歌……まさか！？」

クリス　「おい、すべてを背負うつもりなのか？」

ﾁｭｺﾞｵｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

響　「まどかちゃんの絶唱でも効かないっ！？」

絶唱顔　「ｳｪﾋ、私だけじゃダメみたい……」

ほむら　「まどかああ！！！　まどかああああああ！！！！」

まどか　「でも！」

ｷﾞｭｯ

響・ほむら　「え！？」

まどか　「みんなの力を繋ぎ合わせれば……」

響　「そうだ！　みんなで力を束ねて！」

翼　「この絆にすべてを賭す！！」

杏子　「誰かのために！」

さやか　「正義のために！」

マリア　「誇りと契って！」

クリス　「守るべき場所を守るんだ！」

未来　「もう諦めない！」

マミ　「もう何も怖くない！」

調　「重ね合ったこの手は！」

切歌　「絶対離さないデス！」

ほむら　「まどか……私はまどかと一緒に！！　みんなと一緒に！！！」

恭介・仁美・板場・安藤・寺島　「うおおおおおおお！！！！」

弦十郎・緒川・藤尭・友里　『おおおおおおおお！！！！』

ほむら・未来　「繋ぎ合ったあああああ！！！」

まどか・響　「私たちの力でええええええええ！！！！！！！」

テロップ　「CONNECT」ｼｬｷｰﾝ

超ワルプルギスの夜　「ﾎﾞﾝ」

ウェル　「ワルウウウウプルウウウウウウギイイイエエエエエエエェェェ！！！！」

ほむら　（私たちはシンフォギア装者たちと力を合わせて超ワルプルギスの夜を倒した……）

ほむら　（そして、全員が生き残ることができた）

ほむら　（まどかを除いて、だけれど）

ほむら　（だから、私の戦いはまだ終わらない）

ほむら　（次に私がシンフォギア装者と出会うのは、あと何回の時間を繰り返したときかしら……

ほむら　（あるいは、もう二度と……）

ほむら　（それにしても、あのときの感覚……）

ほむら　（まるで、まどかがもう少しで時を超越しようとしていたかのような……）

ほむら　（まさか、ありえないわ。彼女の願いは時間には関係のないものだったはず……）

ほむら　（結局、時を越えるのは私ひとり……）

ほむら　（でも、たとえ永遠の旅になったとしても、きっと忘れない）

ほむら　（立花響と、小日向未来と……みんなと繋いだあの手の感覚を）

教室内の声　『目玉焼きとは固焼きですかそれとも半熟ですか？　はい中沢くん！』

fine.