ほむら「マミのお兄ちゃん」(146)

さやか「ほむら様、杏子様、お願いがあります」

ほむら「だそうよ? 杏子」

杏子「悪いな、これから塾があるんだよ」

さやか「嘘吐けぇ!」

ほむら「うそぴょーん」

杏子「いい加減にしろ、どうも有難うございましたー」

さやか「いい加減にするのはお前だよ!」

杏子「何だよ、ちゃんとオチてただろ?」

ほむら「そうよ、有難うございましたー」

さやか「ちょっと待って! 聞くだけ聞いて! マジで!」

ほむら「吐き気がするほど面倒くさいわ」

さやか「そこを何とか! 土下座とかするし!」

杏子(その必死さが警戒心を生む事に何で気付かないんだろうな)

ほむら「分かったわ聞くだけ聞いてあげるわ早くして欲しいわ」

杏子「それで、あたし達に何を頼みたいって?」

さやか「えーと、人探しと素行調査?」

ほむら「努力するわ、有難うございましたー」

さやか「ちょっとは興味持ってよ! っていうか話を聞いて!」

杏子「あー解った解った。ほむらも、いいな?」

ほむら「全然よくないけど仕方ないわね」

さやか「もうすでに泣きそうなんですけど……」

ほむら「はいはい、真面目に聞いてあげるわよ」

杏子「一体何なんだ? その人探しと素行調査ってのは」

さやか「それがさあ、昨日まどかとマミさん家にお呼ばれしたんだけど……」

ほむら(私達も誘いなさいよ!)

杏子(まあまあ、今は落ち着け)

さやか「その時にね――」


―――
――

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

ほむら「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

さやか「――でね、まどかってばラストシーンで泣いちゃったんだよ」

まどか「なっ! 泣いてないもん! あれは……あっ、欠伸だもん!」

マミ「ふふっ、そうよね、欠伸よね」

まどか「あー! 信じてないー! 本当に泣いてないもん!」

さやか「そうかそうかー、鼻まで垂らしてたのに欠伸かー」

まどか「駄目ー! もう喋っちゃ駄目ー!」

さやか「うおっと! 嫁のタックルは軽いぜ!」

マミ「あらあら、仲良しさんね」

まどか「むきー! むきー!」

さやか「ふはは、暴れたって無駄無駄……痛っ!」

まどか「あっごめん、当たっ、ちゃった……?」

さやか「あいや、前髪が目に入ったもんで……」

マミ「そう言えば美樹さんも髪、伸びたものねえ」

さやか「あははー、失恋してから伸ばすっていうのも変ですけどね」

まどか「ヘアピンとか持ってないの?」

さやか「時の狭間に置いてきちまったのさ……」

マミ「寝坊して時間が無くて忘れちゃったのね?」

さやか「てへぺろっ☆」

まどか「粗忽者だね、さやかちゃん」

マミ「それなら私の髪留め、あげましょうか?」

さやか「マジで!? いいの!?」

マミ「ええ、勿論」

まどか「いいなー、さやかちゃんいいなー」

さやか「ふふん、日頃の行いがいいからかな」

マミ「えっと、鹿目さんも欲しいならあげるよ?」

まどか「やたー! マミさんの髪留めー!」

さやか「さやかちゃんだけが愛されガールじゃなかったのかぁ……ッ!」

マミ「ただの髪留めなんだけどな……」

マミ「じゃあ今持ってくる――」

 <ぴんぽーん
 <ORIKO急便ですけどー

マミ「あっ、はーい。二人とも場所判るよね? 好きなの選んでいいわよ」

さやか「ありがとーマミさん!」

まどか「マミさん大好き!」

マミ「あの、本当にただの普通の髪留めよ? 別にすっごいパワーとか秘められてないからね?」

さやか「何言ってるんですか? 当り前じゃないですかー」

まどか「てぃひひ、変なマミさん」

マミ「あれー……私がおかしいのかな……」

 
 <無限に有限の印鑑おねがいしまーす
 <普通の印鑑じゃ駄目ですか?

さやか「でわでわ、頂くとしますか」

まどか「確かこの小箱の中に……あった!」

さやか「どれにする? どれにする?」

まどか「このお花のパッチン留めにする!」

さやか「決断早いな! 即決かよ!」

まどか「てぃひひ、一目ぼれしちゃったぁ」

さやか「じゃああたしは……ん? なんだこりゃ」

さやか「マ~ミさんっ!」

マミ「ひゃんっ! ……びっくりしたぁ」

さやか「へへっ、ごめんなさーい」

まどか「選んできたよ、マミさん」

マミ「あら、もうつけてるのね。二人とも似合ってるわ」

さやか「かわいい? かわいい?」

マミ「うん、すっごく可愛い。抱きしめたくなっちゃう」

まどか「マミさんマミさん、わたしは?」

マミ「可愛い可愛い、リボンじゃない鹿目さんも新鮮ね」

さやか「っと、マミさん、髪留めの箱の中にこんなの入ってたけど……」

マミ「ああ、一緒に入れてたの忘れてたわ。このカフス」

まどか「カフスってワイシャツの袖につける奴……だっけ?」

マミ「カフスはカフスでもそれはカフスボタンね。これはイヤーカフス、耳に付けるアクセサリーよ」

さやか「付けて見せて!」

マミ「えっと、まあ、いいけど……はい」

まどか「…………」

さやか「…………」

まどさや(えろい!!!)

まどか「でもマミさんがアクセサリーなんて意外だね」

さやか「確かに、何というか、意外な感じ?」

マミ「まあ自分では買わないわね。これも貰いものだし」

さやか「誰から貰ったんですか? 彼氏?」

マミ「違います。お兄ちゃんからのプレゼントなの」

まどか「マミさんお兄ちゃん居るんだ」

マミ「ああ、お兄ちゃんって言っても親戚のお兄ちゃんね」

さやか「へ~、お兄ちゃんか。どんな人?」

マミ「どんな人って言われてもねえ……」

まどか「好きなの?」

マミ「えっ? あっ、いや……その」

さやか「図星ですな、名探偵まどか」

まどか「てぃひひ、カマかけただけなんだけど」

マミ「……もうっ!」

まどか「見てみたいなー、マミさんの好きな人」

さやか「今度紹介してくださいよ」

マミ「えと、私の両親が亡くなる少し前に連絡が取れなくなったから」

まどか「それって、失踪、とか……?」

マミ「連絡先が変わっちゃったのよ。こっちもこっちで引っ越しちゃったし」

まどか「手掛かりとかは無いの?」

マミ「県内で接客業に就いたって、聞いたことあるかな」

さやか「そういえば名前は? お兄ちゃんの」

マミ「知らないの。私の両親も『お兄ちゃん』って呼んでたし……」

さやか(うーん、八方塞がりって感じ?)

マミ「あ、でもお兄ちゃんが同僚の人達を連れてきたことがあったわね」

まどか「その時のこと、詳しく思い出せる?」

マミ「確か、全員スーツを着てたわね。でもお堅い感じじゃなくて、気安く話せる印象だったわ」

まどか「それから?」

マミ「ちょっと待ってね、だんだん思いだしてきたわ。そう、私が『接客業って大変なんですか?』って聞いたら――」


 『マミちゃんには10年早いかなー』


マミ「――って言われたの。それでカチンと来て泣いちゃったのよね」

さやか(接客業でもスーツって着るんだなー)

マミ「その時同僚さんの一人がお兄ちゃんに向かって――」


  『マミちゃん慰めてやれよ、お兄ちゃんだろ? ショウ』


マミ「――そうだわ。お兄ちゃん、ショウって呼ばれてた」

さやか「ショっ↑!!!!?」

まどか「うわ! さやかちゃんどうしたの!?」


さやか(いや、いやいや、いやいやいや、いやいやいやいや。
     いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
     いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや)

さやか(ねえよ、それはねえよ。思いこみだよあり得ない。絶対違う。
    だって接客業なんでしょ? 接客業って言ったらアレ……)


さやか「………………」


さやか(ホストって接客業じゃん!!!!!)

さやか(やべえよ、全部当てはまるよ、今のとこドンはまりだよ。
     全員スーツ姿だった? 当たり前だよホストだもん。
     堅物じゃなくて気安い? 当たり前だよホストだもん。
     マミさんには10年早い? 当たり前だよホストだもん)

さやか(うわあああああああやっべええええええええマジでええええええ。
     あたし血祭りに上げちゃったよ、ショウさん半殺しにしちゃったよ。
     っていうか半殺しで済んだのかも確認してないよ! 生きてんの!?)


さやか「いやっ、いやいや、ちょっとおちけつ、一旦おちけつ」


さやか(そうだよ、今はまだ可能性の段階じゃん今はまだ。
     だってショウさんの『ショウ』ってあれ源氏名でしょ? 多分。
     故にお兄ちゃんの方の『ショウ』が本名だった場合は無問題。
     いや、無問題でもねえよ。血祭りに上げちゃってるんだから)


マミ「でも『ショウ』って本名じゃないらしいわ。愛称みたいなものだって」


さやか(ハイ終わったあああああああああああああ!!!!!)


――
―――


さやか「……とまあ、そんな感じです」

ほむら「……あの、一ついいかしら?」

杏子「あたしからも、多分同じ事だけどさ」

さやか「はい……なんでしょうか……」

ほむ杏「「話が長すぎて後半聞いてなかった」」

さやか「そこが重要なんろうがよぉ!!」

ほむら「つまり要約するとエロいマミとパッチン留めまどかが見れた訳ね。クソが」

杏子(悔しさが必要以上にひしひしと伝わってくるな)

さやか「マジで本当に力を貸してください。何でもするから」

杏子「アンタさあ、結局それって誰の為よ」

さやか「……正直……7割くらいは自分の為です……」

杏子「ふ~ん、まあ別にあたしはいいけどさ」

ほむら「その『お兄ちゃん』とやらを殺っちゃってた場合はどうするの? さやか」

さやか「それは……、その時はマミさんに説明した後、警察に……」

ほむら「馬鹿ね、貴女は。それじゃあマミだけが傷ついて終わりじゃない」

杏子「さやかは自業自得だし、終わったことは仕方ねえしな。その場合」

ほむら「知らなければ今まで通りなんだし、余計なことは言わないでいいの」

さやか「でも……ケジメって言うかさ、本当のこと言わないとさ……」

ほむら「まあ別に死んでない訳だし、気にする必要もないんだけどね」

さやか「………………は?」

杏子「そんな事だろうとは思った」

さやか「はあ!?」

ほむら「一応、生死の確認は毎回してたからね。今回も死に損なっていたわ」

さやか「な、な、なんだよぅ、じゃあ最初、から言っ、言ってよぉ」

ほむら「な、泣かなくてもいいでしょうが」

杏子「いやあ、泣くだろ普通。ひどい奴だなほむらは」

ほむら「貴女も何かごちゃごちゃ言ってたでしょ!?」

ほむら「ま、まあ、さやかも真剣みたいだし引き受けてあげるわよ」

さやか「……ひっく、あぃがと、ごじゃぅまひゅ」

杏子「人探しっていうのはもうクリアだよな。ほむら知ってんだろ?」

ほむら「自宅の場所と勤め先は知ってるわ。但しホストの方の『ショウ』だけどね」

杏子「『お兄ちゃん』かどうかは素行調査の方で様子見るしかないか」

ほむら「それだって望み薄よ。『お兄ちゃん』を知っているのはマミだけなんだから」

さやか「あの、あのね……」

杏子「何だ、どうした?」

さやか「『お兄ちゃん』かどうかも、なんだけどね……」

ほむら「『ショウ』の人間を見極めてほしい、って言うんでしょ?」

さやか「うん……お願い……」

杏子「あー、『お兄ちゃん』本人がいけ好かない奴の場合もあるもんな」

ほむら「さやかの印象通りのカスだったら捨て置けばいいわ」

杏子「今日はこの辺で解散でいいだろ?」

ほむら「そうね、諸々の打ち合わせはまた後で」

さやか「お手数おかけします……」

ほむら「先に言っておくけど、途中報告はしないわよ? 結果が出ない段階だと誤解を招く恐れがあるから」

さやか「うん、分かったよ、よろしくね」

杏子「幻術使いとストーキングのプロのコンビだ。心配すんな」

ほむら「貴女さっきから何なの? ケンカ売ってんの? 買うぞコラ」

さやか(本当に頼むよ、二人とも)

翌日・金曜日・学校の屋上


ほむら「ふあぁ……あふっ……」

マミ「眠そうねぇ、全然お箸が動いてないわ」

まどか「朝からずっとこんな調子なの」

仁美「ほむらさん、はい、あ~ん」

ほむら「あむ……もきゅもきゅ……」

さやか(徹夜だったんだ……なんか申し訳ない……)

ほむら「マミ……」

マミ「あら、なあに?」

ほむら「一昨日は私を仲間外れにしてくれたそうね」

マミ「貴女と杏子は予定があるって言ってたじゃない」

ほむら「変更できるからこそ予定と言ったのよ」

まどか(ほむらちゃんって、たまに無茶苦茶言うよね)

仁美(わたくしもお誘いを頂いたことは黙っておきましょう)

さやか「仁美にはメールしたんだよね。来れなかったけど」

ほむ仁「「なんと!」」

ほむら「く、いや、その事よりも今聞きたいのはマミの恋バナについてよ」

マミ「こ、恋バナって言うほどのことじゃ……」

ほむら「なら聞かせてもらってもいいでしょ? 失恋したばかりの人達には悪いけど」

さやか「ぐはっ!!!!」

仁美「がはっ!!!!」

ほむら「同じ男から同じように仲良く振られた人達には悪いけど」

さやか「何で丁寧に言い直したのよ!」

仁美「八つ当たりにも程がありますよ!」

ほむら「眠気のせいかしら、とてもイライラする」

まどか「なんでそんなに眠そうなの?」

ほむら「……夜の蝶を観察してるのよ」

マミ「午後もあるんだし、今の内に少し寝ておいたら?」

ほむら「そんな事より恋バナをーー」

マミ「寝ぼすけさんには話しません。ほら、膝貸してあげるから」

ほむら「仕方ないわね。ほんと仕方なくだから、あの、お邪魔します」

さやか「眠さも限界を超えると恥じらいとか無くなるんだね」

仁美「どなたか油性ペン持っていませんか? もしくは筆ペンでも」

ほむら「……っくひゅん!」

マミ「あら、起きちゃった?」

ほむら「……今何時?」

マミ「もうすぐ放課後かな」

ほむら「……は? 授業は?」

マミ「サボっちゃった、へへっ」

ほむら「へへっ、じゃないわよ」

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねぇ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

佐天「初春?」

初春「結果として面白くないのは許せます。許せるだけで面白くはないんですが」

初春「パクリ二匹目のドジョウ百番煎じは許せませんね。書いてて恥ずかしくないんですか?」

初春「ドヤ顔してる暇があればとっとと首吊って死ねよ」

初春「そうネットに書いてありました」

佐天「なあんだネットかあ」

初春「一番の害悪はそういったSSを持ち上げてる人たちなんですけどね」

佐天「ふーん」

佐天「でもこのSS誰も持ち上げてないよ」

マミ「だってよく寝てたから、起こしにくかったし」

ほむら「だから、って……もう、貴女って人は……」

マミ「ノートはとっておいてくれるって言ってたわよ?」

ほむら「そういうことを言っているんじゃないって解ってるわよね?」

マミ「授業を欠席させてしまって済みませんでございます?」

ほむら「……はあ、もういいわ。参りました」

マミ「ははー、恐悦の極みにございます」

ほむら「貴女って人は、本当にもう……」

マミ「危ないことをしてる訳じゃないのよね?」

ほむら「何のことかしら?」

マミ「何のことでも、よ」

ほむら「……貴女が心配するようなことは何もしてないわ」

マミ「なら、現在進行形で心配してるって事は言わない方がいいかしら」

ほむら「一段といい性格になったわね、貴女は」

マミ「ふふっ、性格のいい後輩のお陰かな?」

ほむら「……どういたしましてと言っておくわ」

ほむら「授業終了のチャイムが鳴ったわね」

マミ「あら、膝枕はもうおしまい?」

ほむら「それはもうちょっと」

マミ「座りっぱなしでそろそろお尻が痛いんだけど」

ほむら「延長料金なら色を付けて払うわよ。多分ね」

マミ「それなら、期待しちゃおうかな」

ほむら「そうね、期待しててちょうだい」

さやか「結局戻って来なかったね、ほむらの奴」

まどか「ほむらちゃん大丈夫かな……」

仁美「巴先輩も一緒でしたし心配はいりませんよ」

まどか「そうじゃなくて、ちょうちょの観察なんてさ」

さやか(勘付きおったか、名探偵まどか)

仁美(確かになにかを隠していたようですけど)

まどか「そんなに綺麗なちょうちょだったかな」

さやか「まどかってホント可愛いよね」

仁美「この可愛さはちょっとした奇跡ですよね」

まどか「あっ、ほむらちゃん戻ってきた!」

ほむら「あら、貴女達まだ帰ってなかったの?」

さやか「たった今帰るところだったんだよーだ」

まどか「さやかちゃんが『もう少し待とう』って」

さやか「余計なことは言わんでよろしい」

ほむら「過ぎた気遣い痛み入るわ」

仁美「意訳すると『ありがとう! 嬉しい!』という所でしょうか」

ほむら「余計なことは言わんでよろしい」

まどか「じゃあ帰ろっか」

仁美「巴先輩にも声を掛けていきましょうか」

ほむら「マミはクラスメイトにさらわれていったわ」

さやか「本当は昼休みも約束してたらしいからね」

ほむら「さながら波に揉まれるように、ていうか色々揉まれたわ」

まどか「てぃひひ、マミさん大人気だね~」

ほむら「そこから涙目で説教を始めたマミのムービー、欲しい?」

まどさや仁「「「 超欲しい(です) 」」」

ほむら(さやか、ちょっと)

さやか(なにかね?)

ほむら(例の件について報告するからウチに寄りなさい)

さやか(昨日の今日だけど、途中報告はしないんでしょ?)

ほむら(『お兄ちゃん』かどうかはともかく、ショウの人間性はよく分かったから)

まどか「……二人とも何してるの? 帰らないの?」

さやか「あー、そのことなんだけどさー」

さやか「ほむらに用があるからさ、今日は、ね?」

まどか「うん全然いいよ、別に。じゃあ仁美ちゃん行こ」

ほむら「え? ちょっとくらい渋ってくれても……」

まどか「この前ね、美味しいケーキ屋さん見つけたんだ。 帰りに寄らない? 二人“だけ”で」

仁美「あっ、で、では、ご一緒させて頂きますね、あはは」

まどか「ねー? さやかちゃんとほむらちゃんも二人で何かするみたいだし」

ほむら(まどかが超怒ってらっしゃる!)

さやか「いやほんとごめん、今日だけだからさ」

まどか「『別にいい』ってさ、言ってるでしょ?」

ほむら(全然よさそうじゃない……)

仁美「ま、まどかさん、早く行きませんか? わたくし楽しみで、本当に――」

仁美(内緒話はわたくし達の預かり知らぬ所でお願いできますか!?)

さやか(仁美、逝ってらっしゃい。めんご☆)

仁美(さやかさァーーーz____ん!!!)

 <ふんだ! 仲間外れにされたっていいもんね!
 <ま、まあまあ、たまにはこういう事もありますよ

さやか「……いっやあ、参ったねこりゃ」

ほむら「とんだとばっちりなんだけど? どうしてくれるのよ」

さやか「尾を引くんだよなぁ、まどかの怒りは」

ほむら「怒ってるまどかなんて久しぶりに見たわね……」

さやか「そんだけあたし達に心を開いてると考えれば!」

ほむら「いつか貴女の横っ面をぶっ飛ばす事に決めたわ」

ほむら「帰ったわよ」

杏子「おー、やっと来たか」

さやか「おじゃましまっす」

杏子「ほむら、ほいパス」

ほむら「投げないで手渡しなさいよ」

さやか「なにそれ」

杏子「盗撮映像に決まってんだろ?」

ほむら「音声だけの場面があるのが納得いかないけどね」

杏子(やっぱプロは言うことが違うな)

ほむら「適当に編集してあるんでしょうね?」

杏子「する訳ないだろ。見ないとこは早送りしろよ」

ほむら「……ちっ、じゃあ見ましょうか」

杏子「てめっ、今舌打ちしただろ」

ほむら「はい? 何が? 訳が分からないよ」

杏子「こいつちょームカつく!」

ほむら「さやか、リモコン、再生して」

さやか「え~っと、これか。再生っと」

ほむら「あーあー、オープニングに無駄な映像が……」

杏子「っさいな! やり方知らないし暇も無かったんだよ!」

ほむら「ショウが女性のオーナーと会話するところが最初よ」

杏子「聞けよ! シカトすんな!」

さやか「……っとと、ここら辺からかな?」


―――
――

ショウ「オーナー、この後飲み行きません?」

オーナー「行かないよ。お前、酒入ると人の話聞かなくなるだろ」

ショウ「そっすか? そんな事無いんじゃないかな~……」

オーナー「その上キツくダメ出ししてくるし。延々と一方的に責められる立場にもなれや」

ショウ「ははは……、すいまっせん……」

オーナー「この前の女子中学生?に襲撃された時も酔ってたんだろ? 変な絡み方してたんじゃねえの?」

ショウ「いや~、何を喋ったのかまでは……」

オーナー「ま、女に刺されて死ねりゃホスト冥利だろ」

ショウ「信じてねえでしょ。本当に刺されましたからね、女子中学生に」

オーナー「別にあたしの知ったこっちゃないし。っと、お前と一緒に女子中学生?にボコられた新入り君な」

ショウ「アイツに何かあったんすか!?」

オーナー「実家で農業継ぐっつって店辞めたから」

ショウ( ……シラフだったからな~、アイツ )

キャバ嬢「ショウくぅん、会いに来たよ~」

ショウ「お前……。もう来んなっつったろーが」

キャバ嬢「いいじゃん、お客さんなんだからさ~」

ショウ「金遣い荒らすぎんだもんお前、引くわ」

キャバ嬢「ショウ君はワタシが居ないとすぐ飛んじゃうんだからね」

ショウ「お前の頭のネジの方が飛んでるわ」

キャバ嬢「とりあえずドンペリで!」

ショウ「……あーそりゃ残念だなー」

キャバ嬢「何が? 喜ぶとこだろホストこら」

ショウ「何ならアフター行くかと思ったんだがなー」

キャバ嬢「――――――ッッ!!!!!」

ショウ「そんなんじゃ金使いきっちゃうかなー無理かなー」

キャバ嬢「ドンペリ無しで、水で」

ショウ「水道水入りましたー」

キャバ嬢「…………おい」

ショウ「飲まねえの?」

キャバ嬢「居酒屋かよ!」

ショウ「すいませーん、たこわさ2つー」

 <はーい! ただいまー!

キャバ嬢「早い!安い!美味い!で評判の居酒屋かよ!」

ショウ「嫌なら帰れよ。徒歩で」

キャバ嬢「お前それでもホストかよ!」

キャバ嬢「ワタシに宵越しの銭を持たすな! もっと貢がせろ!」

ショウ「金遣い荒い女とかマジ引くわ」

キャバ嬢「ショウ君の為に言ってるの! 怪我した分取り返すって言ったじゃない!」

ショウ「お前がな。オレは言ってません」

 <たこわさ2つ、おまちでーす!

キャバ嬢「ありがとよ!」

キャバ嬢「向上心が足りないんだよ! ショウ君は! 向上心!」

ショウ「ホストに向上心もクソもねえだろ」

キャバ嬢「『ショウは陰で努力すんの好きだよなー』、byオーナーちゃん」

ショウ「あんのクソババア!」

キャバ嬢「……まーでも、今日の所は許してやっか」

ショウ「あーん?」

キャバ嬢(ショウ君とアフターなんて初めてだし♪)

キャバ嬢「あの、ショウ君?」

ショウ「…………」

キャバ嬢「ちょっと飲みすぎじゃないかな……?」

ショウ「…………」

キャバ嬢(目付きはしっかりしてるけど……)

ショウ「……大体よぉ」

キャバ嬢「うん?」

ショウ「ちょっと油断するとすぐ付け上がって籍入れたいとか言い出すからさぁ、困るんだよね」

キャバ嬢「…………えっ?」

ショウ「ホスト通いするような女とくっ付いてどうすんのさ。不安定にも程があるだろ」

キャバ嬢「そっ、そんなん言う事無いでしょお!? ワタシっ、本気でっ……」

ショウ「女って馬鹿だろ。くだらねぇ事に金バラまいて嬉しそうにさあ」

キャバ嬢「ショウ君……、ワタシの事、そんな風にっ……」

ショウ「大体よぉ」

キャバ嬢「もういいよ……聞きたくない……」

ショウ「ちょっと油断するとすぐ付け上がって籍入れたいとか言い出すしさあ」

キャバ嬢「…………んん?」

ショウ「ホスト通いするような女とさあ、くっ付いてどうすんの?」

キャバ嬢「それ今言ったよ? ショウ君? 脳みそ無事?」

ショウ「大体よぉ」

キャバ嬢「コイツ話聞いてねー!」

キャバ嬢「ぱっと見シラフなのに実はべろんべろん――――ハッ!」


――回想――

オーナー『ショウは酔うと人の話を聞かなくなって、とにかくダメ出ししてきます。
     なんで酒飲ませないように気を付けてください』

オーナー『羽振りの良すぎる客にダメ出ししてそれっきりという事も……』

―――
――



キャバ嬢「……こういう事か……つーかそれホストとしてどうなんだ?」

ショウ「人が話してるんだからちゃんと聞こうよ」

キャバ嬢「お前が言うなよ!」

ショウ「大体よぉ」

キャバ嬢「はいはいまたですか」

ショウ「お前いくつよ」

キャバ嬢「17歳でぇっす☆」

ショウ「お前もう来月で25じゃん? 結婚も考えていい歳じゃん? ホストクラブ通って何やってんの?」

キャバ嬢「……だからショウ君がワタシと一緒になっ」

ショウ「大体よぉ」

キャバ嬢(これ思ったよりキツい)

―30分後―


ショウ「ホストとホスト通いするような女がくっ付いてどうするよ。不安定だと思わねえ?」

キャバ嬢「はい……思います……」

ショウ「親が泣くよな。オレが親でも泣くよ。お前も泣くだろ?」

キャバ嬢「はい……泣きます……」

ショウ「そんなアホ共を親に持っちゃったガキはどうなるよ? 泣くんだよ。あ~あ、みんな泣いちゃったよ。なあ」

キャバ嬢「はい……すいませんでした……」

ショウ「大体よぉ」

キャバ嬢(死にたくなってきた……)

ショウ「10年後も同じ額稼げると思ってんの? 無理だろ。考えりゃ解んだろ」

キャバ嬢「はい……解ります……」

ショウ「ホスト通いするような女はよぉ、ちゃんとした男に全額貢がせないと。言い訳とかさせちゃ駄目っしょ」

キャバ嬢「はい……駄目です……」

ショウ「大体よぉ」

キャバ嬢「うわあああああああああ!」

―翌日―


オーナー「おいショウ、ちょっとこっち来い」

ショウ「はい、何ですか?」

オーナー「お前昨日あたしの事クソババアっつったろ」

ショウ「イッテマセンケド?」

オーナー「お前は嘘が上手いよなー、ホストの鑑だよ」

ショウ「ウソジャナイッスヨー」

オーナー「お前のお得意さんのタレコミだから。ちょっと殴らせて」

ショウ「チクりやがったなあのアマ。ちょっとやめて」

オーナー「ホストでもないのに客の愚痴を3時間も聞いちまったよ。だから30発な」

ショウ「これを機にオーナーもホストどうっすか? そこはせめて3発で」

オーナー「お散歩感覚で性別変えるワケねえだろ。放せボケ」

ショウ「オーナーならそのままでも男――「おらぁ!!!」――ごっふ!」

オーナー「お前の要求通り3発にしといてやった。みぞおちに」

ショウ「…………あざっす」

オーナー「件のお得意さんな、もう来ねえと」

ショウ「あー……すいませんオーナー、店の客減らしちまって」

オーナー「いいよ。お前、客の数が売り上げに繋がんないから」

ショウ「謝って後悔したの初めてです」

オーナー「あー、件のお得意さんな」

ショウ「何ですか?」

オーナー「『ありがとう、やり直す』だとよ」

ショウ「……何したんスか昨日のオレ」

―――
――



ほむら「……とまあ、こんな感じなんだけども」

さやか「……えっ? ショウさ…………えっ?」

杏子「アンタがボコったのは善良な酔っぱらいだったと」

さやか「あっ、ははは、はは、は……はは」

ほむら「……さやか、『焼き土下座』っていうのがあってね」

杏子「待て待て、それ洒落にならない」

杏子「さやかの奴、一人にして平気なのか?」

ほむら「謝る対象が存在するんだから立ち直るでしょ」

杏子「じゃあ残る問題はどう片付ける?」

ほむら「シンプルに考えて良いと思うけど」

杏子「ニアミスさせて面通し、か」

ほむら「明日は休日だし、マミを連れ出す理由には事欠かない」

杏子「ってことはあたしがショウかよ。ちょーめんどくせー」

ほむら「ちょー頼りにしてるわよ、杏子」

杏子「……はっ、ちょーウゼー」


――
―――


~土曜日・駅周辺~


マミ「それにしても、暁美さんと二人きりなんて初めてじゃない?」

ほむら「あら、私以外はそうじゃないって口振りね」

マミ「だってそうだもの。志筑さんともこの前出かけたし」

ほむら「……今のは予想外にダメージが大きかったわよ」

マミ「誘おうって時に限って暁美さんの都合がつかないんだもん」

ほむら「間の悪さは自覚してるわ。嫌っていう程ね」

マミ「今日はどこに連れていく気かしら? 間の悪い暁美さん?」

ほむら「今は何とも言えないわね。取りあえずいつもと違う場所、かしら」

マミ「あら、サプライズ? じゃあ私達もいつもと違う事しましょうか」

ほむら「どんな事よ、いつもと違う事って」

マミ「例えばこんな風に、腕なんか組んでみたりして」

ほむら「あっ、ちょっと、恥ずかしいからやめて」

マミ「ふふっ、あら~? 先輩ちょっとショックだな~」

ほむら「貴女、最近茶目っ気が出てきたわよね」

マミ「んー、相手が暁美さんだからかな?」

ほむら「……電車ギリギリだから、少し急ぎましょう」

マミ「あらあら? ふふっ、もしかして照れちゃった?」

杏子(電車が着くのはいつ頃だっけな)

ショウ「…………」

杏子(勝手に外に出てきてくれたもんだからやることが無い)

ショウ「…………」

杏子(ちょー暇、暇、暇。なんかたるくなってきた)

ショウ「……おい」

杏子(早起きしたから眠くなってきちゃったし)

ショウ「おい、お嬢ちゃん」

杏子(……? あ、やべ、バレた)

杏子『ほむら、今ちょっといいか?』

ほむら『杏子? 大丈夫だけど、もう駅に着くわよ?』

杏子『事情が変わってさ、駅ん中で待っててくんね?』

ほむら『抜かりは無いんでしょうね?』

杏子『抜かりしか無かった。結果的にはよかった』

ほむら『……反省会を開いた方がよさそうね』


マミ「あ、ここでしょ? 着いたわよ?」

ほむら「あっと、そう、ここ。降りましょう」

ほむら『今駅の中だけど、どのくらい待てばいいの』

杏子『あたし達も駅に着いたから入り口に向かえ。南口な』

ほむら『……達? ってことは、つまり……』


ほむら「……マミ、私トイレに行ってくるから南口で待ってて」

マミ「ええ、わかったわ」

ほむら「じゃ、そういうことで」

マミ「……電車に乗る前もトイレに寄ったのにねえ」

ショウ「北見原行きならこの黄色い線に沿って行けばいいから」

杏子「ありがとな、お兄さん」

ショウ「今度迷子になったらコンビニの店員にでも聞きなよ。教えてくれっから」

杏子「おお、何から何までぅあ゙っ!!!」

ショウ「何だよお嬢ちゃん、どうした?」

杏子「いやっ、ホントありがとな。じゃあ……後はよろしく!」

ショウ「あん? ちょっ……後って何だっつーの」

マミ(南口ってこっちでいいのよね……)

ショウ「帰るかな……あだっ。あ、すんません」

マミ「うあ、い、いえ、こちらこそよそ見して、て……」

ショウ「……おう? マミ子?」

マミ「……お! お兄ちゃん!?」

ほむら(計画通り!)

杏子(危なかった……)

ショウ「おー久しぶりだなー。え、何? お前ここ住み?」

マミ「……え? あ、違っ……違う、けど……」

ショウ「どうしたよ? ……はーん、俺に見とれてたか?」

マミ「うん……そうかも……」

ショウ「ほっほー。はっずかしいセリフ言うようになったなー、マミ子も」

マミ「だって、本当のことだもん」

ショウ「いいけどよ、あんまり外でそういう事言うんじゃねえぞ?」

マミ「……あの、お兄ちゃん」

ショウ「何だ? あっ、あれか? 頭ナデナデ」

マミ「子供扱いしないで!!」

ショウ「そういう反応が子供だっつの、中学生」

マミ「くっ! そんな事よりっ! ……時間、ある?」

ショウ「何だどうした? 急ぎの用か?」

マミ「……今すぐじゃなくても、いいんだけど……」

ショウ「まあ、別にいいぞ? 今でも後でも」

マミ「あ、の、えっと……じゃあちょっと待ってて。友達に電話するから」

ショウ「へいへい、どうぞどうぞ」

―――
――



さやか「……それで? それからどうしたの?」

ほむら「急用が出来たって伝えて帰宅したわ」

杏子「アタシも家に上げてもらってそのまま爆睡した」

ほむら「寝すぎて疲れたからもう寝ていい?」

杏子「アンタ、昨日から寝るか寝ながら食うかしかしてねえな」

さやか「お、お疲れさまっす、お疲れさまっす」

さやか「お二人には何とお礼をしたらいいのか」

ほむら「貴女はとっとと『お兄ちゃん』に詫びでも何でも入れてきたら?」

さやか「ゔっ! ……じゃあ、明日……いや、今から行ってきます……」

杏子「うっわ~気まずそ~、間違ってもあたしを巻き込むなよな」

さやか「承知してらあ! っていうか場所どこよ! どこに行きゃいいのよ!」

ほむら「どこって、マミの家だけど」

さやか「うわっ、どうしよう吐きそう。そして泣きそう」

ほむら「冗談よ、日中は自宅に居るはず。住所はメールで添付してあげるわ」

さやか「アンタのこの仕打ちは一生忘れないと思うね」

杏子「うっさいのが居なくなってゆっくり出来るな」

ほむら「私はこれから出掛けるけど、貴女はどうする?」

杏子「どこによ、さやかの出歯亀しに行くのか?」

ほむら「マミとまどかとそれから仁美」

杏子「……みんな違ってみんないい?」

ほむら「いやそういうのじゃなくて」

ほむら「昨日の埋め合わせで今日も会おうってなったから」

杏子「折角だからみんなで会おうってか?」

ほむら「そういうこと、貴女も来る?」

杏子「あー……じゃあ、行く」

ほむら「あら素直、珍しいわね」

杏子「うっさいな」

マミ「……あっ、来た来た」

ほむら「お待たせ、ちょっと遅れちゃったわね」

仁美「こんにちは、杏子さんもいらっしゃたんですね」

杏子「よーっす。さやかは居ないけどな、用があるんだとさ」

まどか「……あの、ほむらちゃん」

ほむら「なななな何かしら? まままどか。おっ、おっ、怒ってる? まだ怒ってる?」

杏子「キョドるにも程ってもんがあるだろ」

まどか「昨日はごめんなさい……八つ当たりしちゃって……」

ほむら「ああ、別にいいのよ。コソコソしてたのは本当だしね」

まどか「マミさんのお兄ちゃんを探してたなんて知らなくて……」

ほむら「えっ? 何で知ってるの?」

まどか「えっと、マミさんから聞いたんだけど……」

ほむら「…………」

マミ「あれ? てっきりそうだと思ってたんだけど、違った?」

ほむら「……いえ、大正解ですよ。巴先輩」

杏子(まあ、そりゃバレるよな。普通は)

仁美「杏子さんも協力なさってたんですよね?」

杏子「おっ? 何だ、あたしの事までバレてたのか」

マミ「お兄ちゃんの話を聞いたらね、一枚噛んでるなーって思ったの」

仁美「そもそも何故隠していたのですか? やましい事でもあるまいし」

ほむら(やましい事だらけの青色バカが居たからです)

杏子「まあ、サプライズって奴だよ。探して見つかりませんでしたじゃ格好も付かないしな」

マミ「ああ、暁美さんもそんな事言ってたわね。サプライズ」

ほむら(杏子、ナイスフォロー)

まどか「確かにわたしだったらポロっと喋っちゃったかも……」

杏子「仁美は話自体聞いてなかったらしいし、アレだ……説明するのメンドかった」

仁美「成る程ー、そうでしたかー」

仁美(とまあ、そういう事にしておいてあげましょう)

ほむら「実際、思ったより早く解決したから秘密にしておく事も無かったわね」

まどか「さやかちゃんも協力したんでしょ? やっぱり」

ほむら「あー……広い意味では。一応、発起人でもあるし?」

杏子「まあ、そこは突っついてやるな。色々あるんだ」

まどか「……ふうん?」

マミ「暁美さん、杏子」

ほむら「何よ?」

杏子「何だよ?」

マミ「本当に、本当にありがとう。すっごく感謝してるわ」

ほむら「……別に? 感謝される謂われはないわよ」

杏子「……あたしも、ただの暇つぶしだったしな」

まどか(わあ、二人とも顔真っ赤。杏子ちゃんなんて髪の色と同化しちゃってる)

仁美「…………」

 
ピロリ~ン♪


ほむら「なっ!? ちょっと仁美!?」

杏子「おいこら! 何撮ってんだ!」

仁美「面倒くさくて除け者にされた恨みです」

杏子「嘘吐け! 絶対愉快犯だろ! 消去しろ!」

仁美「わたくしのケータイのデータはわたくしの物です! 控えおろう!」

杏子「ほら見ろ! 遊んでんじゃねえか! ケータイよこせ!!」

仁美「まどかさん! 少々懲らしめておやりなさい!」

まどか「えっ!? わたしが!? 何でわたしが!?」

 < まどかさん、ゴー!!
 < えっ? ええっ? ホントにわたし?
 < 写メを消せえええ!


ほむら「……全く何やってるんだか」

マミ「暁美さん暁美さん」

ほむら「今度は何? 私の顔はこれ以上赤くならないわよ?」

マミ「膝枕の延長料金って、もしかしてこの事だったの?」

ほむら「そのつもりだったけど、足りなかったかしら?」

マミ「とぉんでもない! 足りないどころかお釣りが出るわよ!」

ほむら「なら取っておきなさい、私の気持ちよ」

マミ「ふむ、それは残念ね。一応用意してきたんだけど」

ほむら「? 用意って、何の用意よ」

マミ「これ、髪留めなんだけど。暁美さんに似合うかなって」

ほむら「そこまで言うなら遠慮なく頂くわ。開けていい?」

マミ「開けてから言う? 時を止めるよりも速く動けるなんて初耳なんだけど」

ほむら「どう? 似合うかしら? 変じゃない?」

マミ「…………」

ほむら「……あの、何とか言って欲しいんだけど」

マミ「やっぱり黒髪だと金色は映えるわねえ……羨ましい……」

ほむら「それはー……似合っている、ということでいいのかしら?」

マミ「ん? あ、うん。それはもう、予想以上に似合っててびっくりしちゃった」

ほむら「……ありがとう、大切にするから」

マミ「ふふっ、喜んでくれて嬉しいな。ありがとう」

ほむら「お礼にお礼で返したらキリが無いじゃないの」

マミ「そもそも髪留めがお礼の気持ちなんだけど?」

ほむら「事の始まりは貴女の膝枕じゃない」

マミ「……ぷっ、あははっ! 本当にキリが無いわねえ」

ほむら「全く、貴女って人は本当にもう……」

マミ「でも、いいんじゃない? キリが無くても」

ほむら「……それもそうかも、知れないわね」

マミ「暁美さん、これからも末永く、ありがとうね?」

ほむら「…………マミ」



ほむら「それは流石に日本語としておかしくない?」

マミ「ああ、ツッコミは入れるのね」

まどか「あ、ほむらちゃん髪留め付けたんだ。とってもビューティ!」

ほむら「あら、ありがとう。貴女もパッチン留めマジ可愛いわよ。マジで。超マジで」

まどか「てぃひひ、ホント? ありがとう」

マミ「ふふっ、キリが無いわねえ」

ほむら「……ふん、別にいいんでしょ? キリが無くても」

まどか「? 何がいいの?」

ほむら「それより、あの二人はどうしたのよ。見当たらないけど」

まどか「あ、先に映画館行ってるって、走ってっちゃった」

マミ「あらあら、志筑さんと杏子にも髪留め渡そうと思ってたのに」

ほむら「……私だけじゃなかったの?」

マミ「みんなに渡さなきゃ不公平でしょ? そんなのは、ダーメ」

まどか(マミさんって、たまにお母さんみたいになるなあ)

ほむら「不公平といえば、私はまだ貴女がカフス付けたところ見てないんだけど」

マミ「何でその話に持ってくのよ。関係無くない?」

ほむら「関係無くないわよ。まどかとさやかが見たなら私にも見る権利はあるでしょ?」

まどか(さやかちゃん、かあ……)



まどか(そういえば、さやかちゃんの用事って何だったのかなあ……)

さやか「…………」

ショウ「……お、おい、あのさ……」

さやか「血祭りに上げてしまって! すいませんでした!」

ショウ「……いや、もういいから……マジで……」

さやか「マミさんのお兄サマとは露知らず! 申し訳ありませんでした!」

ショウ「マミ子の知り合いかよ……っていうかいい加減顔上げろよ……」

さやか「どんな罰でも受ける所存! さあ!」

ショウ「さあじゃねえよ! 怖えんだよ! 帰れ!」

 < そう言わず! 償いのチャンスをー!
 < だあああ! キリがねえ! 助けてー!



QB「…………」

QB「…………」

QB「訳が分からないよ」



おわり

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