勇者「やめろ……」
< ミシッ…ミシッ…
賢者「駄目です勇者様……ァッ、ひぃ……ぎぃぁああああ!!」ペキッ…ポキッ
勇者「やめろおおおおおおおおおおお!!」
弟魔王「ヒャハハ! 愛しの賢者ちゃんの骨盤、碎けちゃうよぉ?」
兄魔王「僕らは今、君らが手こずっていた魔法の障壁を解いてるんだよー?」
弟魔王「賢者ちゃんが死ぬまでは解いてあげるからよ、オラッ……攻撃してみろよ」
勇者「やめ……ろ…攻撃しない、もう逆らわないから……やめてくれ……」
< メシャァアッ!!
賢者「ぎゃあああああッ!!!! ぁぁあ"ぁァア"ア"アア"ア"ぁア"あああ!!!!」
勇者「やめろよおおお!!! やめてくれよぉおおお!!」
兄魔王「っ、ちょっと噴いちゃった」
弟魔王「なんでかウケるわー……ほんと俺達屑だよなぁ?」ケラケラ
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兄魔王「ねぇ、勇者」グリッ
< バキャッ……
賢者「~~~~ッッ!!!!???」
兄魔王「言っていたじゃあないか、僕ら兄弟を一撃で葬れる剣術を編み出したんだろう?」
弟魔王「やってみろよ、尤も……失敗したら賢者ちゃん死んじゃうけどー?」
勇者「…………」
勇者「賢者……」
賢者「ぅゥゥゥ……ッ、早くッ!! 早く勇者さ…ぁぎ…勇者様ぁっ!!!」
勇者「っ……!!」
< チャキッ
兄魔王「盛り上がってきたね、弟様」
弟魔王「俺達死んじゃうのかな? 兄様」
耳鳴りが止まない。
勇者(殺してやる……絶対にこの一撃で殺してやるッ……!!)
周りの声が遠退くのすら気づかない。
ましてや、自身が握る剣の柄から滴り落ちる血の匂いすら気づかない。
全身を巡る血液に混ざり合う膨大な魔力がいま、勇者の持つ剣に集中していく。
『生命エネルギー』とも表現できる魔力、それを常人の数千倍誇る勇者の力が……1つの刃として形作られる。
静かに、淡い光を宿して莫大な破壊力を秘めていく様は文字通りの脅威と言えた。
勇者「魔王ォオオオオオオオオ!!!」
勇者は強い、だがそれだけではない。
眼前で凄まじい苦痛に、息を、喉を切らして悲鳴を挙げていても諦めない瞳。
最愛の女性である賢者はこれ程の窮地であっても、その瞳は諦めていなかったのだ。
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