男「俺…なのか…」女「そうみたい…」 (48)
男「どういうことなんだよ…」
女「そんなの私が聞きたいよ…」
ある朝目が覚めるとそこには一人の女性がいた。
同じ部屋、同じベッドの上。
昨日の寝る前までの記憶ははっきり覚えてる。
いつもどおりに風呂に入り、いつもどおりに歯を磨き、布団に入り眠りについた。
女「朝起きたら私の部屋にいきなり見知らぬ男性が入り込んでるなんて…」
男「は!?いや、それはお前が…」
あたりを見渡すが間違いなく自分の部屋だった。
家具の位置や服も間違いなく俺の部屋だ。
女「…って何で私の服だけないの!?お気に入りのスカートも!!」
男「俺の部屋だぞ、ここは…というか誰なんだよあんた…」
女「そう…なのかな…やっぱり…。名前?私は女、女男」
男「は?女男は俺の名前だぞ…」
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すごく不思議なことだが最初から女がここにいたことに違和感はなく、
まるで毎日一緒に暮らしているかのようだった。
名前を聞いてもとくに不思議には思わなかった。
本来であればこの状況を即座に警察に連絡するのだろうが、そんな気持ちも微塵もおきなかった。
それはどうやら、彼女も同じようでどこか落ち着いていた。
女「ねえ、なんで通報しないの?」
男「なんか、受け入れられてる自分がいるんだよ…」
女「私も実はそうなんだ…、なんかすごく落ち着いてる」
それから少しお互いの情報を出し合った。
彼女が言っている住所は間違いなくココで、バイト先、学校もクラスも同じ。
家族の名前、なにから何まで同じだということが分かった。
男「あのさ、すごくSFな話なんだけど…」
女「うん、実は私もそう思ってた…」
男女「パラレルワールド!」
男「それしか考えられないよなぁ…」
男「はぁ…理解はできたが気持ちが追いつかねえ…」
ため息を深くつく、気持ちが追いつかないのは事実だが、リラックス状態は続いている。
女「…私ね、毎日ずっと思ってたことがあってさ…もし私が男の子なら小学校も、中学校もイジメられなかったのかなって…」
男「それ、俺もいつも考えてたよ、もしも俺が女ならって、もっと上手く生きられただろうってさ」
同じ人間なのだから当然なのだけど、ほとんど同じ事を体験して、同じ気持ちを共有してるとすると、辛くてたまらなくなる。
ましてや目の前にいる自分(女)が俺が望んだ自分なら尚更だ。
女「ということは、結局変わらないのかな…あの時イジメてきたビッチめ…」
俺はそれを聞いて驚いて声を上げた
男「どういうことだよ!イジメてきたのはヤリチンだろ!?」
女「え?ヤリチンくん…?…あぁ!もしかして!!!」
男「あぁ、たぶん俺たちの性別が逆であるように、もしかしたら細かいところに違いがでてるのかも…」
話を続けて分かったことは女の元いた世界では女は幼馴染と親友であり、よく二人でショッピングなどに出かけていたようだ。
俺は幼馴染とはクラスは同じだが挨拶する程度の仲でしかなかった。
逆に女は俺の大親友の友の事をクラスにいる人気者の男子程度くらいの認識だったらしい。
話をいろいろ聞いてすり合わせて見たが違いは交友関係だけにとどまっていた。
女「でも…これからどうしよう…とりあえず幼馴染に電話…」
男「ダメだ、こっちの幼馴染はお前のこと知らないんだぞ」
女「でも……そうだよね」
今度は彼女が深くため息を付いた。
これがもし逆の立場なら俺ならどうするのだろう。
今置かれてる立場が逆なら俺はどう行動するのだろう…。
母「こらー!男!いつまで寝てるんだい!!」
勢いよくドアが開き、壁に当たりすさまじい音が鳴った。
たしかにいつもならこの時間にはもう起きて朝ごはんを食べてる時間だ。
男女「あ…母さん…」
条件反射で二人で声をそろえてしまった。
母にこの状況を見つかってしまった。
母からすればこの状況はしらない女性を部屋に上げてるということになるのだろうか?
母「…ん?男!!そこのお嬢さんはどこの子だい!?」
母はものすごく動揺していた。
俺と女でふたりで必死に落ち着かせて、ゆっくりと話し始めた。
母はそれをきくと妙に納得していた。
母「はー!不思議な事もあるもんだねえ…ということはお嬢さんは私の娘で、名前は男女…」
女「はい、そうなります…、いつも会ってるのに何か、すごく変な感じです…」
彼女のその言い方はどこか恥ずかしさや虚しさ、そういうものがごちゃ混ぜになってるように感じた。
母「なに改まってるのさ、私はあんたの母親なんだろう?もっといつもみたいに甘えてくれてもいいんだよ?」
母のその言葉をきくと、女は立ち上がり、母に抱きついた。
女「おかーさん!!おかーさん!!!」
いきなりのことで困惑したり、戸惑ったり、彼女に溜まっていたものがあふれ出したのだろう。
彼女は声を荒げてなき始めた。
とりあえずここまでにしてご飯食べてきます。
続きは寝ていなければ…
ほう、自分同士ならさぞアッチの相性もバッチリなんでしょうなあ?(ゲス顔)
双子みたいなもんだろ
母「よしよし…いきなりの事で怖かったんだよね…」
女は声がかれるくらい泣いた。
確かに不安などもあるのだろうが、なにかどこかでそれだけでは説明できない何かを感じた。
しかし、俺はそれを聞くことはできなかった。
女「ごめんなさい…いきなり泣いたりして…」
母「いいんだよ、私はあなたのお母さんなんだからね。」
慰めて、やさしく微笑む母の顔を俺はこのときはじめてみた。
小さいころ泣いたときはいつも母の胸の中だったから顔なんて見たことがなかった。
母「でも…これからどうしましょう…お父さんには私から説明するとして…」
女「やっぱり私、仲良かった幼馴染ちゃんに会いたいです…。私のことしらなくても、何か、助けてくれそうで…」
実際俺もどうするのが一番いいのか分からない。
人に合わせること自体この状況を照らし合わせるならばするべきことではないのだろう。
でも、俺は女に何もいうことはできなかった。
母「そうね、幼馴染ちゃんは優しいから、きっと力になってくれるわ」
男「この場合呼んだほうがいいのかな…?連れて行くでもいいけど…」
母「そうね、下手に家の外に出すのは気が
母の言葉をさえぎって女がしゃべりだした
女「外に出て、会いに行きます!それに、外に出たらなにか分かるかもしれないから!」
女のいう事はもっともだ。だけどいろいろな問題もある。
だけど、俺がこうなったら一番聞かないことは俺が一番知っている。
男「分かった、一緒に行こう。場所は分かるんだよな?」
女「大親友だったんだよ?そんなの当たり前でしょ!」
彼女は胸をはって自慢げに言った。
幼馴染の家に行くことになったが大きな問題がひとつある
男「ところで服はどうするんだ?パジャマのままでどこか行くわけにもいかないだろ…」
女「え?私の服着るよ?Tシャツもジーパンもあるし…」
男「いや、それ俺の出し、俺が着て…ん?…でも自分だもんな…」
確かに俺は細身な方で、服のサイズもレディース用のものがあったりする。
しかし男が一度でも着たものを女の子に着せるのは…と思ったのだが、女はあまり気にしていない用だった。
母「そんなことしないでも私のお古だって…」
女「あ!!そういえばあの服母さんのお古だったはず!!」
彼女と母親は仲良く部屋に行ってしまった…。
その間に俺も着替えも済ませた。
着替えをすませて階段を下りると楽しそうな話し声が聞こえる。
俺が女だったらこんな感じに母さんと楽しく話していたのかと思うとすこし寂しい気持ちになる。
ここから幼馴染の家までは5分くらいの距離で、小さいころはよく遊んでいた。
小学校上がって、高学年になるにつれて男女の違いを意識しだし、すこしずつ距離が離れていった。
女「お待たせ!母さんのお下がりだけど、お気に入りだったんだよね!このワンピース!」
そこには白いワンピースを着た女がいた。
ただでさえ色白で消えてしまいそうなのに、それが際立っていた。
だけど、どこか綺麗で思わず見とれてしまった。
女「あんまりジロジロ見ないでよ…私はアナタなんだからナルシストだよ…?」
男「そう…だよな。同じ人間なんだもんな。」
目の前にいるのは間違いなく自分自身なのだ。
癖とかも同じだし…。でも、自分が女性だったらこんな容姿になるなんて想像していなかった。
女「…思ってることなんとなく分かるよ。でも、ソレは私も同じなんだからね。」
やはり自分同士というのは難しい、考えが全部筒抜けだ。
んー…?なんだろう、この突貫工事みたいな文章は。
女「じゃあ行こうか」
女は玄関まで行き、母のサンダルをはいた。
俺も靴を履き、ドアを開けて外に出る。
今日の天気は晴れていて、雲ひとつない青空だった。
男「いい天気だなー…こんな日は木陰で寝てたいよ…」
女「学校の裏の木でしょ?」
男「やっぱり一緒同じことばっか考えてるんだなー」
他愛のない話をしながら歩く。
友人ならともかく、まったく同じ人間同士の会話というのは難しい。
まったく同じ経験を積んで、同じ体験をしてるがゆえに話すことが見当たらない。
女「幼馴染ちゃんとね、いつも一緒に通学してたんだ。もちろん帰宅も一緒!」
女は察してくれたのか俺の知らない世界の話を始めてくれた
女「それでさ、たまに一緒に帰りにショッピングモールよったりして…あ!幼馴染の好物って知ってる??」
小さいころの記憶を頼りに思い出す。
たしか小学校の自己紹介の紙にも書いてあったはずだ
男「苺だったっけ?」
女「惜しい!苺チョコ生クリームのクレープだよー!」
男「そんなのほぼ当たりじゃないか!」
女「ちがうもんねー!」
女はクスクスと笑い始める。
俺もそれに釣られて笑ってしまう
>>14
仮にも自分が相手なので、性的な興味はわかないと思って書いております。
>>17
近いと思います。目が覚めたらいきなり双子になってた!という感じですかね
>>23
実はなんとなく書きたいなと思ったその日すぐにスレを立てたので話の内容はほとんど現在進行形で考えながら書いております。
こういう感じのスレを立てて読み物を書くのも初めてなのでご了承ください。
こういう時の女の人はずるいと思った。
そんな話をしていたら、すぐに彼女の家の前に着いた。
男「チャイム押すよ?」
ピンポーンという音の後にすぐに幼馴染の声が聞こえる
いつもの元気で明るい声だ
幼「はーい?アレ?男くん?珍しいね、今開けるね。」
どうやらインターホンから俺の姿が確認できたようだ。
幼馴染は言い終えるとすぐにこちらに向かって鍵を開けれくれた。
幼「なになに?どしたの?…ん?そちらは…?」
それを聞くと女の体にすこし力が入った気がした。
すると女は俺が説明する前に女がしゃべりだした。
女「ちょっと、ありえないことを言うので落ち着いて聞いてください。」
女の体が少し震えていた。そして、目にはすこしだけ涙を浮かべていた。
俺は女の背中に手を当てて、ゆっくりさすった。
女は息をすぅっと吸い込むとゆっくり語りだした。
自分の名前のこと、パラレルワールドから来た事。
そして、大親友であったこと。
とめるべき会話だったのかもしれない、親戚とでも説明すればよかったのかもしれない。
それでも、女の顔を見たら会話を止めることはできなかった。
幼「そんな話信じられるわけがないよ、何かの冗談でしょ?」
女「そう…だよn
幼馴染の話はまだ続いていた。
結果として女は喋ることができなかった。
幼「でもね、女ちゃんの表情とか体の震えとか、そんなの見たら信じるしかないじゃん、だって親友なんでしょ?」
女「幼馴染ちゃん…!ありがとう!」
女は幼馴染に抱きついて泣き始めた。
だけど、母さんに泣いたときとは違ってどこか落ち着いていて、泣きじゃくる感じではなかった。
涙ぐんで、それがゆっくりすーっとほほを2.3滴伝って落ちただけだった。
不思議な事に先ほど泣きつかれたからかな?とはなぜか思えなかった。
とりあえずここまで
質問等は答えるのでお気軽に~
応援コメントくれるとやる気が上がります。
女が泣き終わると幼馴染が女の背中を優しく2.3回叩いて引き離した。
幼「まぁ、立ち話もなんだから家に入りなよ!」
男「俺もいいのか?」
俺としては年頃の女の子の家に入ることに抵抗がある。
小さい頃は仲良くしていたが最近では挨拶程度しかしない仲だと思い返すとより抵抗が…
などと考えていたら手を引っ張られた
女「ほら、入るよー!お邪魔しまーす!」
男「引っ張るなよ!お、おじゃましまーす」
強引に女に引っ張られ幼馴染の家にお邪魔することになった
~♪
女が楽しげな鼻歌歌いながら歩く。
女と同じ部屋にいても胸の鼓動が早くなったりしなかったのに、今の自分は落ち着きがない。
自分自身なのだから当たり前といえば当たり前のことなのかもしれないが…。
幼「ということで、ここが私の部屋でーす!男くんもきたことあるけど覚えてる?」
男「うわ…ほとんどあの時のままな気がする…。懐かしいなぁ…」
正直な話、今は会話を楽しむ余裕がないくらい落ち着かない。
部屋のいろんな所をキョロキョロと見渡してしまう。
女「私は四日ぶりくらいかなぁ…幼馴染ちゃんがお菓子作るって聞いたからその手伝いに」
幼「作ってたよ!こっちだと一人きりだったんだけどね…」
幼馴染は微かにどこかぎこちなさを残していたが、ある程度は信用して心を開いているように見えた。
女「そうなの??女友ちゃんとは?」
幼「すこしおしゃべりはするんだけど、なんか後一歩が踏み出せなくてさ…あっちの私は仲良くしてたの?」
女「うん、すごく仲良くしてたよ。私も仲良くしてたんだけどね」
女がいた世界との違いや食い違いは聞いた話だけで照らし合わせたもので、実際どこがどこまで違うのか分からない。
俺自身があちらの世界にいけたら何かつかめるのかもしれないが…。
女「あ、幼馴染ちゃん、聞いておきたいことが~」
急に女が幼馴染に内緒話をはじめた。
どんな話かは分からなかったが幼馴染の顔がぽーっと赤くなったのだけは分かった。
幼「えぇ!!!ち、ちがうよー、実はね…」
すこしだけ大きな声が聞こえた。
だが、また内緒話だ。しかし男が聞いてはいけない話なのだろうと聞かないことにしておく。
気になるけども。
女「えええええぇぇ!!それ本当に!?あっちだとそうだったからてっきり…」
今度は女の大声、さっきの幼馴染より大きい声で。
というか、こういう話をするならば俺は帰したほうがよかったんじゃないのか…?
女「ということは…………っという事だね。ふふふ!」
女がニヤニヤしている。
俺は暇なので近くにあった漫画を読むことにした。
2.3ページめくった時点で俺は読むのをやめた。
…コレはそういう特殊な人種が読むものだ。しかたないので別の漫画を読むことにした。
幼馴染「でも、わかるなぁ…あっちの私のことも。でも、私は違うからね!」
女「まぁ、そうだよね~。そっかぁ…まぁ、多少のズレがあるもんね~」
漫画を読んでる合間にちょくちょく反応を窺う。
幼「そうそう!ズレがあるみたいだからね!でも、なんか面白いなぁ自分の話なのに…」
女「そうだよね、幼馴染ちゃんであって、幼馴染ちゃんではないからね。」
少し話すとだいぶ打ち解けて馴染んできたのかいろんな会話をしだす。
すこし小声ではあるが、聞こえる声で話すもんだから聞き耳を立てれば全部丸聞こえである。
俺は脳裏に「女がB、幼馴染がC」その言葉だけを深く深く頭の中に刻み込んだ。
幼「となると、さすがに下着は渡せないけど…」
幼馴染は服を大きめの紙袋に詰め始めた。
洋服ダンスを空けているのですこし動けば下着がみえ…
すごい形相で女がこちらを睨みつけている…
コマンドは?
・たたかう・いれかえ
・どうぐ__ニア_にげる
ダメだ!逃げられない!
女「お~と~こ~く~ん???それは男の人が覗いていいものじゃないでしょ~??」
女に見つかってしまった。
たしかにそのとおりではある。
男「そうは言っても見えるところで作業するほうが悪い!男がまったく気にならないわけがないだろ!」
俺はもう言い訳しかすることができない。
強気に言ってみたもののこちらが不利な状況はかわらない。
すこし言い訳を考えていると幼馴染が芝居がかった声で喋った。
幼「ひ、ひどいは男くん!!男は皆ケダモノなのよ!部屋に入れなければ良かったわ!」
それを聞くと女が笑い始めた。いや、確かに面白かったが俺は笑える状況ではなかった
女「幼馴染ちゃん面白いwwwwwwそれwwwwwwいいwwwwwwww」
どうやらツボに入ったらしく笑い転げている。
この状況を見る限り俺は幼馴染に助けられたのだろう。
幼「私は気にしてないけど、あんまり露骨にそういうことはやめたほうがいいと思うよ?」
俺「そ、そうするよ…。でもいいのか??結構、服を袋に詰めてるけど…」
幼「いいのいいの~。女ちゃんだってこれから何するにもお洋服は必要だろうからさ」
今俺がいなかったか
何言ってんだお前 どこに俺が…いた
>>40
>>41
そんなバカな話が…アレ?
間違えただけなので脳内変換お願いします。
ちなみに
>>1と>>5で名前が「女男」と「男女」で逆になってるミスもあります…。
あんまり使うことがないですがイメージとしては「ユウキ」みたいな名前をイメージしてくれると…。
更新遅めなので、ゆっくり見守ってくれるとうれしいです。
女「でも、こんなにいいの?」
幼「いいのいいの~、気にしないでよ!」
男「いや、気にしないでって言ったって…」
女「そんなに気にするなら何かお返しすればいいんじゃないの?」
女の言うとおりだ。
しかし、お返しって言っても何をしたらいいのか…ん?
男「なら、一緒に近くのショッピングモールに付いて来てくれないか?」
突然のことに幼馴染はキョトンとした顔をした。
幼「いいけど…いつの話?まさか今日とか言うんじゃ…」
男「今日だよ。女の日用品とかも買いに行かないとないからな。」
幼「あー…そうだよね。じゃあ準備しないと…」
男「なら俺外で待ってるわ」
幼「んー、はーい。」
女「なら私も一緒に外で待ってるよ」
幼「え!女ちゃんも行っちゃうの?待っててもいいのに」
突然の提案に俺もびっくりする。
先ほどの感じだと十分に打ち解けたと思えたし、もっと話したいこともたくさんあると思ったからだ
男「もっと話しててもいいんだぞ?」
女「いいの、じゃあ、外で待ってるからねー。」
男「女がいいって言うならいいけどさ…」
女「外のほうがイイこともあってさ…」
俺には分からなかったが外に出て、すこししたらそれが分かった。
男「女…まさかと思うけど…」
女「アレ?男くんは吸わないの?アチャー…てっきり吸ってると思ったんだけど」
外見からは似つかわしくなかった。
俺が吸わない人間だからてっきり彼女も吸わない人間だとばっかり思い込んでいた。
というか、彼女はいったい何を持ってコッチに来たのだろう?
女「?あ、所持物?ケータイ、タバコ、お財布、シュシュ、朝着てたパジャマ」
男「以外にいろんなモノ持ってきてるんだな…お金とかってちゃんとコッチと変わりないのか?」
女「お母さんに確認してもらったけど…男くんも見る?」
男「間違いなく一致してるけど…俺のと同じ番号とか…」
財布を出して確認する。
まったく同じ番号で紙幣が存在している。
コレ…いや、普通は気にしないし、間違いなく正規のお札だからいいのか…?
女「男く~ん…タバコ吸っていい?」
男「いいけど、その服でタバコって…女って以外にヤンチャしてたの?」
それを聞かれて女が咽た
女「そんなわけないでしょ!タバコは…いつからだっけ、男くんも何かそういうの無いの?」
そういう、やってはいけない事。
思い当たる節はある、タバコはやっていないが、一つだけ。
男「ある…ね。あんまり人のこと言えないか…」
女「でしょ?まぁ…男くんが言うとおりこの格好だし吸わないでおくよ。」
男「もしかして、だけどさ」
聞くより前に女の口が動く
女「やっぱりバレたよね。そうだよ、吸ったのは一本だけ。持ち歩いてるけど、吸わないよ。」
男「吸えると思ったの?」
女「そういうこと。やっぱり無理だよ。忘れられたのは事実だったし、私の知ってる幼馴染じゃなかった。」
女がぽつりぽつりしゃべり始めた。
俺は黙って聞くことしかできない。
ましてや自分が経験したことをすべて経験した女だからこそ何もいえない。
女「けど、そういうことできないんだよ。体が拒絶する。」
女「一番辛いときに、一回だけ、悪いことしたくて吸ったんだ。」
女「結局それっきりだけどね。でも思いとか辛さとか全部入ってるんだよ、このタバコ。」
男「あの時か…、俺はタバコじゃなくて…」
太ももを指差して横に指を動かした。
女「ソレなんだ。なにか求めてたものは得られたの?」
男「なんにも、それは女だって同じだったんだろ?」
女「そうだよ。安堵も安らぎも無かったよ。」
男「じゃあ、一番最初に自分だって気が付いたときに、
ガチャっとドアの開く音がした。
幼「じゃあ、行こうか?ん?どうしたのさ神妙な顔して?」
女「なんでもなーいよ!行こうか!」
女は空元気なのか、気持ちを切り替えたのか、元気よく歩き出した。
女だけに無理させるわけにもいかないと感じた俺も元気に振舞う
男「女、お前は何食べるつもりなんだ?」
女「生苺カスタード生クリーム~」
男「言うと思ったよ…なら俺が何食べるか分かるか?」
好物とかもやっぱり同じなんだなっと認識する。
女「生苺カスタード生クリームを先に言われたから、同じものを頼むのは気が引ける」
女「つまりソーセージツナでしょ?当たり?」
考え方をピタリとあて言い当てる
男「大当たり」
幼「すごいね!女ちゃん。やっぱり同じ人間だから分かるものなの?」
幼馴染も話しに乗ってくる。
そういえば、昔から幼馴染は超能力とかUFOとかそういうのに目が無かった。
女「分かるよ!あ、でも流石にテレパシーとかそういうのは出来ないみたい。試したんだけどね」
試したのか!?
俺の知らない間になにか女はとんでもないことを…
幼「えー!そうなの?でも考えとかわかるだけでもすごいよ!」
女「全部が全部分かるってわけじゃないけどね」
男「全部読まれたらえっらい事になる…」
幼「同じ自分なのに困ることあるの?」
いくら同じ自分でも知られては困ることの一つや二つ…
女「えっとねー、エロ画像の隠し場所、厨二病だったときの黒歴史ノート…あとねー」
男「やめてください、お願いします。そっとして置いてください」
幼「あははwwwwなんかもっとすごいことかと思ったのにwwww」
男「だいたい男なんて皆そんなもんだろ…」
幼「別に悪いとは言ってないよ。男くんもやっぱり男の子なんだなぁって」
幼馴染からそんな言葉が出るとは思っていなかった。
たしかに、男女の違いを意識してからはあんまり遊んだりはしていなかったけど。
男「そりゃそうだろ、俺だってもう人並みですよ、人並み」
それを聞いて女がクスクスと笑い出す。
お願いだから少しくらい格好つけさせてもらいたい。
女「私は男くんだから全部わかるけどねww格好つけなくてもいいときもあるんだよ?」
幼「そうだよ?そんなことしなくてもちゃんと男くんのこと分かってるつもりだし」
女「流石幼馴染ちゃん!私の大親友~」
幼「まぁね!でも、これからもっと仲良くなりたいなぁ…」
そういった幼馴染の言葉にはどこか深さがあった。
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