晴「えっ?兎角さんもう今月のおこづかい使いきっちゃったの!?」 (45)

兎角「す、すまない一ノ瀬・・・だから、少しだけおこづかいを前借りさせてくれ」

晴「前借りって。兎角さんには食費とかお洋服とか、その他の必要経費は別で渡してるんだよ?」

兎角「そ、それはわかっているんだがっ」

晴「・・・何に使っちゃったの?」

兎角「・・・。」

晴「兎角さん。何に使っちゃったの?」

兎角「・・・カレーパン」

晴「またなの!?」

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晴「兎角さん。今朝は何を食べたのか言ってみて」

兎角「・・・カレーライス」

晴「お昼は?」

兎角「カレー」

晴「夜は今から何を食べるつもりだったの?」

兎角「・・・カレー」

晴「その上で」

晴「その上で、オヤツにおこづかいを使い切っちゃうくらいに何を食べたの?」

兎角「カレーパン、です・・・」しゅん

晴「兎角さん。晴は言ったよ?」

晴「カレーパンはただでさえカロリーが高いカレーが入ってるのに、さらに揚げてあるからすっごくカロリーが高いって!」

兎角「だ、だが、小腹がすくとどうしても食べたくなってしまうんだっ!」

晴「兎角さん!兎角さんは朝もお昼も夜もカレー食べてるんだよ!?」

晴「その上オヤツまでカレーパンじゃ兎角さん太っちゃうよ!」

兎角(言えない。すでに先月に比べて1キロ太っているだなんて・・・)

晴「小腹がすいたらサラダ食べようね。って約束したでしょ?」

晴「兎角さん、晴とちゃんと約束してくれたよね?野菜もきちんと食べます。って」

兎角「でも、カレーパン、美味しいから・・・」

晴「美味しくても栄養バランスを考えて食べないとダメっ!」めっ!

兎角「ううっ・・・」しゅん

晴「兎角さん。この際兎角さんが三食カレーを食べるのは別に構いません」

晴「でもお野菜食べないと兎角さんの身体が具合悪くなっちゃうんだよ?」

晴「兎角さん、まだ若いのに成人病になっちゃったらどうするの?」

兎角「す、すまない一ノ瀬・・・」

晴「すみませんじゃありませんっ!」

晴「晴は兎角さんの健康のために言ってるんだよ?」

晴「そのためのおこづかい制なのに、もう全部使っちゃうんだもん!」ぷんすか

兎角「で、でも、やはりおこづかい1500円では一ヶ月のオヤツ代としては物足りないと言うか・・・」

晴「兎角さん!」

兎角「うっ・・・」

晴「兎角さんが『あとで必ず食べるから』って言って残したお野菜料理がどれくらい溜まってるかわかってるの?」

兎角「・・・いっぱい」

兎角 「えっ 今日はカレーライス食っていいのか!!」

晴「おかわりもいいよ!」

晴「そうだね。兎角さん、晴が作ったサラダ中途半端に手を付けて残しちゃうもんね」

晴「そのサラダを食べていればそこまで兎角さんが腹ペコになる事はなかったと思うよ」

兎角「今から食べま・・・

晴「あ、兎角さんが残した分ならお野菜が悪くなったらいけないから晴が食べたよ」

兎角「そ、そうか」

晴「兎角さん」

兎角「はい・・・」

晴「晴は怒っていますよっ」ぷくー

兎角(晴が恐い・・・)ブルブル

晴「晴が兎角さんの健康を思って毎日サラダを作っているのにっ」

晴「兎角さんはそれを食べずにカレーパンに浮気ばっかり」ぷんすか

兎角「そ、そんなわけではないんだ一ノ瀬っ!」

晴「うん、晴はわかってるよ兎角さん」

晴「兎角さん、毎日ちょっとだけでも食べてはくれてるし。日によって食べたい物と食べたくない物ってあもん」

晴「でも」

晴「兎角さんのために作ったごはんを毎日自分で食べるのはちょっとキツイかなって・・・」ぐすっ

兎角「すまない、すまない一ノ瀬・・・すまない・・・」グッ

兎角「晴・・・」ぎゅっ

晴「えへへ、やっぱり兎角さんは優しい人だね」にこっ

兎角「一ノ瀬?」

晴「あれ?」

兎角「ん?どうした一ノ瀬?」

晴「うーん。ううん、なんでもないよ兎角さん」

兎角「すまなかった一ノ瀬。一ノ瀬の心づかいはわかっていたつもりだったのだが、気付いてあげてやれなくて」

晴「いいんだよ兎角さん。わかってくれたら、晴はもう怒っていませんっ」にこっ

兎角「一ノ瀬・・・」

晴「あ、それとこれとは別として。兎角さんのおこづかいについては改めて検討の余地があるよね?」

兎角「うっ」

晴「兎角さん。晴は一ヶ月分として兎角さんにいくらおこづかいを渡しましたか?」

兎角「1500円」

晴「何に使いましたか?」

兎角「カレーパン」

晴「そうだね兎角さん。この学園の購買で
女子に人気一位のプチメロンパンに並ぶ人気。
男子生徒から人気一位のジャンボカレーパン。あれも美味しいよね」

兎角「ああ。やはりカレーは万能食だ」

晴「いくらするんでしたっけ?」

兎角「150円」

晴「その上で聞きます兎角さん。今日はおこづかいを渡してから何日目でしょうか?」

兎角「一週間・・・」

晴「もうっ!途中で2日休みをはさんでるから、一日2個食べてる計算だよ兎角さんっ!」

兎角「い、1個食べるとどうしてももう一つ欲しくなってしまうんだ!」

晴「いいえ!晴は見ましたっ!見てしまいましたっ!」

晴「兎角さんが購買ではじめからカレーパンを二つ買うのを見てしまいましたっ!」

兎角「ううっ・・・」

晴「兎角さんは学食でカレーライスを食べた後に、さらにカレーパン2個を食べていたんだよね?」

兎角「はい・・・」しゅん

晴「兎角さん。このままだと間違いなく太っちゃうよ」

兎角(すまない晴。すでに1キロ太りはじめているんだ)

晴「兎角さんはこれまであんまり自由に食べ物を買い食いしたりする機会が無くて、
それでこの学園に来てからカレーを好きなだけ食べられて嬉しい気持ちはわかります」

晴「でもね兎角さん。ものには限度というものがあります」

兎角「はい・・・」

晴「これじゃあ兎角さんのおこづかいも見直さざるを得ませんね」

兎角「そ、それだけはっ!減額だけはどうにかっ!」

晴「兎角さんはオヤツをたくさん食べたい。だけど晴は兎角さんの健康を管理したい。
うーん、この方法はあまり使いたくはなかったんだけど」

兎角「なにか良い方法があるのか!?」

晴「兎角さんが一日三回サラダを完食出来た日にだけおこづかい100円を支給する『ごほうび制』にします」

兎角「そ、それは・・・」

晴「晴もこの手段は、高校生にもなって野菜が食べられたからご褒美というのはどうかなって思っ

兎角「いいなそれは!月に3000円貰える計算だっ!」ぱぁぁ

晴「えっ・・・?」

兎角「実質おこづかい2倍じゃないか!」わくわく

晴「そ、そうだね兎角さん!」

晴(大丈夫かな?兎角さん、今まで一回もサラダを三食食べ切った事ないんだけどな)

兎角(3000円もあれば今まで以上にカレーパンが食べられるじゃないか!)

兎角(いや、それだけじゃない!今までは手が出せなかったカレーピザ280円だって買える!)じゅるり

兎角「素晴らしいアイディアだぞ晴!」

晴「えっ?えへへ、そうかな?うん、がんばろうね兎角さん!」

兎角「ああ!私は必ず野菜を食べてみせる!」どやぁ

晴(兎角さん、思ったよりこの方法ノリノリだなぁ)

晴(晴は兎角さんが間食を控えてお野菜食べてくれれば良いと思ってたけど、もう一押ししてみようかな?)

晴「それじゃあ兎角さん。今回のおこづかい制度にはボーナスを付けてみます!」

兎角「なんと!」ガタッ

兎角「おこづかいが2倍になるだけじゃなくて、更に貰えるのか!?」

兎角(なんて太っ腹なんだ晴!)

晴「はい!兎角さんがお部屋の掃除や洗濯、ゴミ出しなどを手伝ってくれた時には若干のボーナスが付きますよっ!」

兎角「おお!家事を手伝えば良いんだな!?」

晴「そうです。例えばお風呂に入る時に服を脱ぎ散らかさずにきちんと畳んだり、
カレーを食べた後には食器をシンクの水に漬けたり。それだけでも良いんですっ」

兎角「その程度、私にかかれば造作もない」ニヤリ

兎角(フフッ、今まで家事は晴が勝手にやってくれていたが、本来なら自分でしなくてはならない事)

兎角(それを今から手伝っただけでおこづかいが貰えるだと?そんなの私に得しかないじゃないかっ!)

晴(兎角さん家事に参加してくれるんだ!やったー!)

晴(晴も家事全部が得意というわけではないので助かったぁ)

晴(これからは苦手なことはどんどん兎角さんに相談出来るんだね!)にこっ

兎角「掃除やゴミ出しなら任せろ一ノ瀬!私がお前をゴミにはさわらせない!」キリッ

晴「兎角さん///」きゅん

兎角「さぁ、そうと決まればさっそく晩ご飯だ!」

晴「うん、晴もお腹ペコペコだよっ」

兎角「晩ご飯のメニューは何だ?」

晴「もちろん、晴特製のカレーライスだよ!」

兎角「よしっ!さあ食べるぞ一ノ瀬!」

晴「それと、もちろんサラダもね♪」

兎角「あ、ああ・・・」

兎角(そうだった。これから毎食サラダを食べねばならないのか・・・)

晴「はい兎角さん。サラダとカレーだよっ!」どんっ

兎角「いただきます」もぐっ

兎角(意外とサラダの量が多いな・・・)

兎角(だが、これを食べ切ればオヤツのカレーパンが食べられる!)もぐもぐ

晴(兎角さん、頑張ってるなぁ)にこにこ

晴(晴のサラダをたくさん食べれば、オヤツにカレーパンをドカ食いする事は減るはず!)

晴(兎角さんがオヤツも食べられて、健康な食生活になれるならこれが一番だよね?)

兎角「美味い!美味いぞ一ノ瀬っ!」もぐもぐ

晴「・・・えへへ///」てれてれ

晴(うん、晴も兎角さんもいっぱい笑っていられる!やっぱりこの方法が正解だったんだね!)

その後、サラダにカレーをかける事を覚えた兎角はその月に体重が2キロ増えた
月末に晴を再び激怒させた兎角は終始晴のごきげん取りに勤しむのであった


悪魔のリドル特設問題『カレー好きに野菜を食べさせるには?』完

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