男「あの夏、俺とあの子はかけがえのない時間を過ごしたんだ」 (8)

―6年前、夏

父「ついたぞー」

男「おぉ!ばーちゃんちだ!」

祖母「よく来たねぇ、お菓子もジュースもあるからゆっくりするんだよ~」

男「うん!お菓子食べた後、公園行ってくる!!」

父「あんまり遠くへ行くなよー」

男「わかってるよー」

―――――

男「よっしゃー!!遊ぶぜー!!」

男「なにしよっかなー、よし!森の中を冒険しよっと!」



男「うー、奥に来すぎたかな…ちょっと暗いぞ…」

ガサガサ

男「ひっ!?」

女「ん?だれー?」

男「あ、え、えと…」

女「この辺じゃみない顔ー!」

男「お、お、おう!俺は都会から来たからな!」

女「トカイ?ってことは、旅行?」

男「まー、そんなもんだ!お前はこのへんに住んでるのか?」

女「うん!」

男「そうなのか、なにしてんだ?」

女「うんとねー、探検?」

男「そうなのか!俺は冒険してる!」

女「へええー!」

男「モンスターが出てきたら倒してやるんだ!」

女「モンスターなんていないよー?」

男「んぐっ、そういう設定なの!!」

女「せってい?」

男「うーんと、まあいいや!お前は僧侶な!」

女「そうりょ?」

男「俺が傷ついたら魔法で回復するの!」

女「魔法?回復?わけわかんないよー!!」

男「うーん…」

女「それに私だって戦いたいもん!」

男「えー…」

女「そっちが僧侶やればいいじゃん!」

男「俺も戦いたい!俺は勇者なの!」

女「ゆうしゃって強いの?私もゆうしゃ!」

男「ダメ!勇者は一人しかなれない!」

女「むう…」

男「そうだなー、じゃあお前は剣士な!」

女「けんし?」

男「剣使って戦うんだ!」

女「すごーい!私けんしやる!」

男「よっしゃあ!冒険だ!あ、お前の名前は?俺は男!」

女「私は女!」

―夕暮れ

男「そろそろ帰ろうぜー」

女「うんー!」

男「お前どっち?」

女「あっち!」

男「んじゃ一緒じゃん、途中まで一緒に行こうぜ!」

女「うんー!」



女「じゃあ私こっちだから、またねー!」

男「おう!なあ、明日も遊べるか?」

女「うん、いいよ!お昼ごはん食べてから!」

男「やった!じゃーな!!」

――――

男「そんでさ、女の子と遊んでたんだけど、あの子って誰なんだろ?」

祖母「ああ、その子なら多分、あのお屋敷の子だねえ」

男「お屋敷って、お金持ちなのか!?」

父「おー、ってことは…あいつの娘か?」

祖母「そうだよ」

父「ほー、あとで挨拶に行こうと思ってたんだが、こりゃちょうどいいな、男も来るか?」

男「うん!行く!」

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