冬馬「休み、か……」 (97)
【注意】
・アイマスSS
・天ヶ瀬冬馬くんメイン
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AM 9:46
冬馬「……暇だ」グデー
冬馬(961プロの頃は休みなく働いてたしなー。やっぱおっさんってすごかったんだな)
冬馬「早くあの頃みたいに仕事がもらえるようにならねえとな……!」
冬馬「とはいえ、今日が休みなのは変わらねえし……。自主トレでもするか」
冬馬(……いや、待て)
冬馬「……」ピッピッピッ
冬馬「……」プルルル……
冬馬「!」ガチャッ
北斗『やあ、冬馬。チャオ☆』
冬馬「おう、いきなりかけて悪いな」
北斗『別に構わないさ。それで、どうかしたのかい?』
冬馬「いやよ、もしよかったら集まってトレーニングでもしねえか?」
北斗『ん?今日は休みだろう?』
冬馬「ああ、そうなんだが……どうにも落ち着かなくてな。961にいた頃はずっと仕事、空いた時間はひたすらレッスンだったろ?」
北斗『ああ、なるほど』
冬馬「なんか体を動かしてないと変っていうか……」
北斗『……冬馬がトレーニングしたいって言うなら、俺も付き合うよ』
冬馬「ホントか!じゃあ翔太にも連絡して『ただし!』……は?」
北斗『冬馬、一つ聞いていいかい?』
冬馬「な、なんだよ」
北斗『もしかして、休日の過ごし方がわからないんじゃないか?』
冬馬「……へ?」
北斗『考えてみると冬馬って961プロにいた頃から、休みを貰っても自主練に当ててた気がしてさ』
冬馬「そういや……そうかもな」
北斗『別に練習が悪いわけではないさ。体を動かすことが息抜きになることもあるしね。ただ、あまり根を詰める必要はないんじゃないか?』
冬馬「…………」
北斗『それでも冬馬がどうしてもトレーニングしたいって言うなら、俺も付き合うけど』
冬馬「……いや、今日はやめとくよ。悪かったな、せっかくの休みの日に」
北斗『気にするなよ。それじゃあまた明日、チャオ☆』
冬馬「おう、また明日な」ピッ
冬馬「…………」
~~~~~~~~~~
冬馬(翔太にも連絡してみたら、北斗と同じようなことを言われた)
冬馬「息抜き、か」
冬馬「……」ガサゴソ
冬馬(集めたフィギュア達……埃をかぶってるのもある)
冬馬「デビューしたての頃は、もらった給料を全部フィギュアにつぎ込んだりしたっけな……」
冬馬「………………よし!!」
冬馬「今日はひたすらダラダラして過ごすことに決定!」
冬馬「そうと決まれば、早速溜まってるアニメの消化、だぜ!」
PM 0:32
冬馬「……」グスッ
冬馬(この『Wake Up, Love Livers!』、通称WULL……タイトルから地雷臭がして避けてたが、名作中の名作じゃねえか!)
冬馬(特に最後の、穂乃果と真夢がファンの前で殴り合うシーンには思わず号泣しちまった……情けねえぜ)
冬馬(これはあの伝説のアニメ『アイカツ フロンティア』、通称IFと並ぶ傑作だ!blu-ray購入決定、だぜ!)
冬馬「っと、いけね。もう昼じゃねえか」
冬馬「なんか作るか……って材料ないな。後で買いに行かねえと夕飯も作れねえ」
冬馬「……仕方ねえ。外で食うか」
冬馬「持ち物は……財布と……」
PM 0:40
冬馬「どこにすっかな……とりあえず駅前のほうに出てきたが」
ザワザワ ネェアンタ ガヤガヤ
冬馬(にしても人多いな……一応変装はしてきたからバレねえとは思うが)
??「ちょっとアンタ」
冬馬(目立たないように動いたほうがいいよな)コソコソ
??「無視してるんじゃないわよ!」
??「ちょ、ちょっと伊織ちゃん。失礼だよ」
冬馬「んあ?」クルッ
冬馬「ってお前ら、765プロの水瀬と高槻じゃねえか」
伊織「その通りよ。さっきから声かけてたのに、無視してるんじゃないわよ」
やよい「伊織ちゃん、そんな言い方しちゃダメだよ~」
冬馬「そりゃ悪かったな、考え事してて気づかなかった」
伊織「……ふん、まぁいいわ。それで?アンタはこんなところで一人で何してるわけ?」
冬馬「昼飯食う場所探してんだよ。そっちこそ仕事か?」
伊織「今日はオフよ。やよいと買い物してたの」
やよい「今日はうちでお泊り会するんですー!」
冬馬「仲の良いこって。それにしても、そんな帽子だけでお前らよくファンに気づかれないな。オーラがないんじゃねえの?」
伊織「なっ!?し、失礼ね!言っておきますけどね、私達ちょうどファンに追いかけられてたところだったのよ!振り切ったら目の前にアンタがいたの!!」
やよい(え!?そうだったの!?)
伊織「そういうアンタこそ、帽子に眼鏡って、それで隠れてるつもりなの?ああ、アンタの知名度ってその程度だったかしら、ごめんなさい?」
冬馬「ふっ、ふざけたこと言ってんじゃねえ!!俺だって朝からファンが行列つくって大変だっから逃げ回ってたんだよ!」
伊織「本当かしら?疑わしいわね!」
冬馬「そっちこそな!」
伊織「何よ!!」
冬馬「何だよ!!」
やよい「二人ともやめなさーい!!!!」
伊織「」ビクッ
冬馬「」ビクッ
やよい「伊織ちゃんも冬馬さんも喧嘩しちゃ、めっ!」
やよい「それに……結構目立ってますよ?」
ナニナニ チワゲンカ? ゥヮャョィッョィ
伊織「……早く離れたほうが良さそうね。それじゃ。行くわよ、やよい」
やよい「あ、うん。冬馬さんもさよならー!」ブンブン
冬馬「お、おう。じゃあな…………嵐のようだったな」
冬馬「!」グゥー
冬馬「そういや昼飯まだ食ってねえ!」
PM 0:47
冬馬「くそっ、もうどこでもいいから空いてそうなところを……ん?」
冬馬「あそこのマック……というよりあそこに飾られてるおもちゃ…………ま、まさか!!」ダッ
【今ならハッピーセットを頼むと、『アイカツ フロンティア』のおもちゃが1つ付いてくるよ!】
冬馬「や、やっぱりIFのおもちゃじゃねえか!俺の目に狂いはなかったな」
冬馬「なになに?今はこの2種類のどちらかなのか。……よし、今日の昼飯は決まったな」
PM 0:51
冬馬(ハッピーセットとはいえ、二つだからな。充分腹も膨れるだろ)
冬馬(席は……一人席が空いてねえな。あんまりマナーよくねえけど二人席使うか)
冬馬(今回のハッピーセット、時期で配るおもちゃを区切ってるんだな……)
冬馬(来週も忘れずにマック行かねえと)モグモグ
PM 0:55
冬馬(やっぱ昼時だから人多いな…帽子は外しちまってるし、気づかれてもおかしくねえと思うんだが)モグモグ
冬馬(ここまでバレないってのもなんかアレだな……)
??「あれー?こんなところに冬馬がいるの」
??「え?……あ」
??「ホントだ、一人で食べてるぞ」
冬馬(つ、ついに気づかれたか!……って)
美希「どうせだし、相席にしちゃうの。響ー、そっちの二人席を」
響「くっつけるんだな、わかった」
千早「か、勝手にそんなことしていいのかしら……」
美希「いいのいいの!千早さんはミキの隣ね!」
冬馬(また765プロかよ!?)
冬馬「……お前らも買い物かよ」
響「今日は三人でテレビの収録があったんだ」
美希「千早さんが緊張してて、とっても可愛かったの!」
千早「み、美希……からかわないで」
美希「ごめんなさいなの」
響「あはは……というか『も』って何?冬馬は買い物してたのか?」
冬馬「いや、さっき水瀬と高槻に会ってな。これからお泊りだとよ」
響「そっか、そういえば二人はオフだったな」
千早「水瀬さんと高槻さん、仲良いものね。……羨ましい」
美希「それなら今度、千早さんがウチに泊まりに来ればいいの!」
千早「え?いや別にそういう意味で言ったんじゃなくて」
美希「エンリョはムヨーなの!ミキのお姉ちゃんにも紹介してあげるから!」
響「美希はほんとに千早が好きだなー」
冬馬(……『女』と『女』と『女』で『姦しい』か。よく言ったもんだぜ)
響「そういえばジュピターのほうは最近どうなんだ?」
冬馬「ん?……まあ、ぼちぼちって感じだな。なんだかんだ言って黒井のおっさんの影響力ってすごかったからな。そこを離れるとなると、なかなか、な」
千早「……」
美希「大変そうなの」
冬馬「そうでもないぜ。961プロの頃からずっと応援してくれてるファンもいるし、わりと順調だ。最近はテレビの仕事とかも増えてきたしな」
響「そっか。この前北斗にも会ったけど元気そうだったし、ジュピター完全復活も近そうだな!」
冬馬「おうよ!お前らなんかすぐに追い抜いてやるぜ!」
美希「それは無理だと思うな」
冬馬「んだとっ!?……っとこんな時間か。ふん、次会ったときは俺達の実力にひれ伏すことになるぜ、覚悟しとくんだな」ガタッ
美希「あふぅ……負け犬ほどよく吠えるの」
冬馬「こ、こいつ……!」
千早「ふふ……いつか歌番組で対決できるのを楽しみにしてるわ」
冬馬「!お、おう!!……じゃあな」
美希「バイバーイ」
千早「ええ、さよなら」
響「またなー!」
PM 1:20
冬馬(予想以上に長居しちまったな)
冬馬(さっさと帰って……っと、その前にコンビニ寄ってくか)
ウィーン ラッシャッセー
冬馬(帰ってからまたアニメを見ることを考えると……菓子とジュースか)
冬馬(何にするか……ん?なんだこの表示)ピラッ
冬馬(なっ……!?『WULL × IF キャンペーン』!?)
【現在、人気アニメによるコラボキャンペーン実施中!対象商品を買うと、その場でこのキャンペーン限定のグッズがもらえるぞ!!さらに対象商品に付いてるポイントを集めて応募すると、抽選でスペシャルグッズが手に入る!!このチャンスを逃すな!!】
冬馬(ち、ちくしょう!最近ネットとかチェックしてなかったことが裏目に出た!!まさかこんなのが始まってたなんて……!)
冬馬「」チラッ
冬馬(しかもキャンペーンが始まって大分経ってる……この店にはもう限定グッズがねえ!!)
冬馬(仕方ない、午後のアニメ鑑賞会は中止だ!急いでコンビニを回らねえと!!)
PM 3:00
冬馬「……」トボトボ
冬馬(あれから10軒近くのコンビニを探し回ったが、限定商品を置いている店は見つからなかった……)
冬馬(こうしてわざわざ遠出したってのによ……)
冬馬(また場所を移動するか?だがそれでも見つからなかったら……)
冬馬「はぁ……」
??「……?あれは……ジュピターの天ヶ瀬冬馬?」
??「あら、本当。冬馬くんだわ~」
??「このような場所で出会うとは……不思議な縁があったものですね」
冬馬「あ……あんたらは」
冬馬「三浦に四条、それと竜宮小町のプロデューサーの……秋月だったか」
律子「ええ、そうよ。久しぶりね」
あずさ「冬馬くんもお仕事かしら?」
冬馬「いや、俺は今日はオフだけど……『も』ってことは仕事中か?」
律子「これからね。現場に向かってる最中よ。今はちょっと寄り道してたところ」
冬馬「寄り道?」
貴音「私のお腹が限界を迎えてしまいまして……無理を言って、『こんびに』に寄らせていただきました」ドッサリ
冬馬「そんなにたくさん……昼飯食ってなかったのかよ?」
律子「ちゃんと食べてたわよ……」
あずさ「貴音ちゃんは成長期ね~」
冬馬(四条の図体でこれ以上成長してどうすんだよ……怪獣にでもなんのか?)
貴音「」ギロッ
冬馬「な、なんだよ」ビクッ
貴音「いえ。何やら失礼なことを言われたような気がしたもので」
冬馬(なんで心読めんだよこえーよ)
冬馬「お、俺は何も言ってねえぞ」
貴音「そのようですね」ニコッ
冬馬「……」
冬馬(やっぱこいつ苦手だ……)
律子「さてと、そろそろ行かなきゃ」
貴音「それでは……」ペコリ
あずさ「冬馬くん、またね~」フリフリ
冬馬「お、おう、また、な」
冬馬「……」
冬馬(もう765プロの連中と会いませんように……)
冬馬(そういやあいつら、コンビニに行ったって言ってたよな)
冬馬(……この先にコンビニなんてあったか?)
冬馬「地図にはねえけど……」ピッ
冬馬「……行ってみっか」
PM 4:42
冬馬(秋月達が行ったコンビニは、まだ地図にも載っていない新しくできた店だった)
冬馬(運よく、そこで限定グッズのほとんどを手に入れることができた。が……)
冬馬「来たぜ……オタクの聖地、秋葉原」
冬馬(1種類だけ手に入らなかったグッズ……だがここになら間違いなくある)
冬馬「絶対に見つけ出してやるぜ……!」
冬馬(とはいえ、ここは広いからな。虱潰しに探すしかねえけど……ん?)
冬馬「あの店頭のフィギュア……まさか!?」ダッ
冬馬「や、やっぱり……IFの『星宮ランカ On stage ver.』!!」
冬馬(IFがまだ企画段階のときに予約しなければ手に入らなかった、完全受注生産品……!)
冬馬「オークションなら10万はくだらない超プレミア品だぞ……どうしてこんなところに」
店員「おっ、お客さん、お目が高いね!それはたった今出したばかりの一点モノだよ」
冬馬「まさか生で見ることができる日が来るとは……」
店員「うちの店長が、アニメを卒業するっていう友人からタダで譲り受けたものなんだけど、店長はもう持ってるらしくて。せっかくだから、一人でも多くのファンの手に渡ってほしいってね」
冬馬「ね、値段が書いてねえけど……」
店員「ああ、これから値札を貼るところだったんだ。税込で2万円ちょうどだよ」
冬馬(ぐっ……!足りねえ!!)
冬馬「すっ、すみません!すぐ戻ってくるんで、それ、キープしといてください!!」
店員「はいよー、急いでねー」
冬馬「ありがとうございます!」
冬馬(早くコンビニで金おろして来ねえと!!)
??「あの走ってる人……」
冬馬「こ、これでどうだ……」
店員「はい、確かに。それじゃあ袋を持ってくるから少し待っててね」
冬馬「はい!」
冬馬(おお……!ついに手に入れたぜ……)キラキラ
カシャッ
冬馬(こいつは一生の家宝モノだな……って、うわっ!)
カシャカシャッ
??「これは大スクープだ→!」
??「『人気グループ、ジュピターのリーダー・天ヶ瀬冬馬の裏の顔!フィギュアを見てニヤニヤ笑う彼を激写!!』……一面を飾れるね!」
冬馬「その声は……」
冬馬「亜美と真美!ついに出やがったな!!」
亜美「んっふっふ~。ヒーローは遅れて登場するものだよね→」
真美「あんまり出番がないもんだから待ちくたびれちゃったYO!」
冬馬「訳のわからねえこと言ってんじゃねえ!!」
冬馬(くそ、やけに今日は765プロの連中に会う日だとは思ったが……こいつらまで出てくるとはよ!)
真美「あまとうさ~、いくらモテないからってそっちの道に逃げちゃダメっしょ→」
冬馬「『あまとう』って呼ぶんじゃねえ!!つーか、何の話だ」
亜美「とぼけちゃって~。すでにネタは上がってるんだよ!この写真を見てみろ!!」バーン
冬馬「スマホで撮った写真か?……えーと」
冬馬(……どこからどう見ても俺にしか見えない男が、ニヤけ面でフィギュアの箱を掲げてる)
冬馬「……わりい、よく見えねえや。スマホごと貸してもらえるか?」
亜美「も→しょうがないな、あまとうは。はい」スッ
冬馬「ありがとよ。……あっわりー間違って写真消しちまったぜー」
亜美「な!?」
真美「なんてことするのさ!!」
冬馬「うるせえ。俺がどんな休日を過ごそうが、お前らにとやかく言われる筋合いはねえってんだ」
真美「うわーん!兄ちゃんに言いつけてやる~!」
亜美「言いつけてやる~!!」
冬馬「ん?あいつも来てんのか」
亜美「そだよ→」
真美「今日は3人でアキバデートなんだ~」
冬馬「デートでアキバって……」
真美「前からずっと行きたいって言ってたの、兄ちゃんが覚えててくれてね→」
亜美「仕事が早めに終わったから連れてきてくれたの!」
冬馬「へぇ、お守りも大変だな」
亜美真美「「どういう意味さ→!」」
冬馬「そのまんまの意味だ」
P「おい!二人とも急にいなくなるなよ……って、冬馬じゃないか」
冬馬「おっす。相変わらず大変そうじゃねえか」
P「まぁな……。今日はどうしたんだ?こんなところで」
冬馬「へ?あ、いや、別にたいしたことじゃねえよ」
真美「隊長!フィギュアを買ってたであります!」
亜美「ニヤニヤしてたであります!」
冬馬「おい!!」
P「フィギュア?それって左手に持ってるそれか?」
冬馬「な、なんでもいいだろ!」
P「別に何も言ってないだろ……って、それもしかしてIFの星宮ランカか?」
冬馬「!しっ、知ってんのか!?」
P「ああ、大ファンでな。ついさっきも、コンビニでWULLとのコラボキャンペーン商品手に入れてきたんだ」
冬馬「そうだったのか……」
冬馬(こ、こんなところに同志が……)
真美「兄ちゃんさっきから何の話してんの→」
P「意外なところで冬馬と共通の趣味が見つかったってことさ」
亜美「よくわかんな→い」
冬馬「……なあ、あんたはもうコラボ限定商品ってコンプリートしたのか?」
P「ああ、念の為に2セット揃えてあるくらいだ」
冬馬「そうか……」
P「どうかしたのか?」
冬馬「どうしても1種類だけ見つからなくてよ……まだ残ってるところを探してたんだよ」
P「それでアキバまで来たのか。……なぁ、冬馬」
冬馬「なんだよ?」
P「今日の夜、765プロの下にある『たるき亭』まで来れるか?来れるなら、そこでお前の持ってないやつあげれるんだが」
冬馬「何!?い、いいのか?」
P「全然構わないよ。ついでに一緒に夕飯でもどうかと思ってさ。まぁお前はまだ未成年だから酒は飲めないけど」
冬馬「……!すまねえ、恩に着る!」
P「ははは、気にするなって。それじゃ7時くらいに『たるき亭』で集合な」
亜美「ねぇ真美~。兄ちゃんったら亜美達とのデート中にあまとうとデートの約束してるんだけど」ヒソヒソ
真美「なんかあまとうも満更でもなさそうだよね~」ヒソヒソ
P「さてと。……どうした二人とも。何かあったのか?」
真美「べっつに→」
亜美「それより兄ちゃん。WULLってちょっと前にやってたアイドルがいっぱい出てくるアニメだよね?」
P「なんだ、詳しいな?見てたのか?」
亜美「ううん、亜美たちは見てないけど」
真美「学校で流行ってたからね」
P「なるほどなぁ。やっぱり男ってのは何歳でもアイドルってものに憧れるもんだな」
真美「も~、兄ちゃん!!」
亜美「カクウのアイドルと亜美たち、どっちが大事なのさ→!?」
P「そりゃ亜美たちに決まってるだろ。趣味はあくまで趣味だ」
P「ただ、世の中にはそう思わない人もいる。そういう人達にも認めてもらえるように、もっと頑張らないとな!」
亜美「兄ちゃん……!」
真美「うん!真美たちももっと頑張る!!」
P「よし!それじゃ、とりあえずデートの続きするか?」
亜美真美「「うん!!」」
冬馬(不満タラタラだった双子を一瞬で丸め込みやがった……流石だぜ!!)
P「それじゃあ冬馬。また夜にな」
冬馬「おう、またな。……亜美と真美も」
亜美「あまとうバイバ→イ!」
真美「まったね→!」
冬馬「ああ。…………ふぅ」
冬馬「……帰る前にもう少し物色してくか」
PM 6:03
冬馬「ただいま……」
冬馬「よいしょっと」ドサッ
冬馬(さすがに買いすぎたか……?いや、これくらいは普通の範囲だろ)
冬馬(にしてもさすが秋葉原だぜ……あそこなら何でも手に入るんじゃねえのか?)
冬馬(『ことり』が入手困難すぎて諦めかけてた『μ's service shot』シリーズもコンプリート!!)
冬馬(早速並べて撮影会……といきたいところだが、この後約束あるんだよな)
冬馬(仕方ねえ、続きは帰ってきてからだ)
冬馬「フィギュア達……待ってろよ!!」
一旦中断します。申し訳ありません。
再開は早くて夜、遅くて明日の昼を予定しています。
再開します。
最後まで一気に投下します。
PM 6:57
冬馬「よし、着いたな」
冬馬「時間ピッタリだけど……もう来てんのかな」
ガラッ イラッシャイマセー
店員「お一人様ですか?」
冬馬「あ、えっと待ち合わせをしてるんですけど……」
??「あ、冬馬君!こっちこっち!」
冬馬「うぇ?」
冬馬「天海に萩原に菊池……何してんだ?」
真「何って、冬馬、プロデューサーと待ち合わせしてたんでしょ?」
冬馬「ああ、そうだけど……いや、そうじゃなくて!」
冬馬「俺が聞いてるのは、なんでお前らがここにいるのかってことだよ」
春香「私達さっき事務所に帰ってきたんだけど、プロデューサーさんと一緒に夕飯食べようと思って」
雪歩「プロデューサーが『盟友と待ち合わせしてるから、一緒に食べるならたるき亭に行っててくれ』って」
冬馬「……それで肝心のあいつは?」
春香「『小鳥さんと話があるから先に行っててくれ』って。あっ、小鳥さんっていうのはうちの事務員さんのことで」
冬馬「……なるほどな」
真「とりあえず何か注文したら?」
冬馬「……そうするわ。すいませーん」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
真「それにしても、プロデューサーの『盟友』が冬馬だったなんてね」
雪歩「ちょっと驚いたよね」
冬馬「……むしろ驚いたのは俺のほうだっつーの」ボソッ
冬馬(まさか1日で765プロの奴ら全員と遭遇するとはな)
春香「?どうしたの?」
冬馬「なんでもねえ。そんなことより、お前ら仕事のほう順調そうじゃねえか。最近よくテレビで見るぜ」
春香「えへへ……ありがと。でもジュピターも最近また出るようになったよね」
冬馬「……まあ、お陰様でな」
冬馬「最近の一番人気は萩原か如月か?二人とも引っ張りだこじゃねえか」
雪歩「そ、そんなことないよ?」
冬馬「謙遜すんなって」
冬馬「萩原は元々いろいろ出てたけど、如月は最近バラエティ系の仕事増えたよな?事務所の方針か?」
真「あー、それはね」
春香「私がお願いしてるの!」
冬馬「天海が?」
春香「だって緊張してる千早ちゃんって、とっっっっても可愛いんだよ!?」
冬馬「は?」
春香「台本通りにするのも精一杯なのに、アドリブとか振られるとあたふたしちゃってね!隣にいる私についつい助けを求めちゃうの!」
冬馬「お、おう」
春香「あんな捨てられた子犬みたいな目で見つめられたら私もう……!もう!!」
冬馬「こいつ頭ヤバいんじゃねえの?」
雪歩「あはは……」
真「ま、まあ確かに千早も雪歩も最近バラエティとかもよく出るようになったよね。雪歩も慣れてきたんじゃない?」
雪歩「そ、そんな……私なんてまだまだで」
冬馬「でもラジオとかいい感じだよな。ちゃんと周りに振ったり、いい仕事してるじゃねえか」
雪歩「……ラジオ聞いてくれてるの?」
冬馬「へ?……あ、いや、偶然な!偶然、たまたまラジオをつけたらやってたから聞いてやるかって思っただけで」
真「素直じゃないなぁ」
冬馬「ちげえって言ってんだろ!本当に偶然なんだよ!!毎週楽しみになんてしてねえ!!」
雪歩「……冬馬さん」
冬馬「な、なんだよ……」
雪歩「聞いてくれて、ありがとう」ニコッ
冬馬「お、おう」ドキッ
春香「……」ニヤニヤ
真「……」ニヤニヤ
冬馬「ぐっ……!」
PM 7:16
P「悪い、遅くなった!」
冬馬「ほんとにおせーぞ!」
P「悪かったって」
春香「冬馬君、プロデューサーさんに八つ当たりしちゃダメだよ」
冬馬「これは正当な抗議だ!」
P「なんでこんなに怒ってるんだ?」ヒソヒソ
真「3対1でからかわれたのが嫌だったみたいで」ヒソヒソ
P「まったく……。おい、冬馬」
冬馬「なんだよ」
P「ほら、例のやつ」スッ
冬馬「……!」
P「ここでは開けないでくれよ。説明が面倒だからな」
冬馬「……ありがとよ」ボソッ
P「はは、どういたしまして」
雪歩「プロデューサー?今何を渡したんですか?」
P「ん、まぁな。気にするな」
真「余計気になるんですけど」
P「男の秘密だ」
冬馬「おう」
春香「怪し~……」
P「さてと。俺も何か注文するかな」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
真「プロデューサーが冬馬とそんなに仲良しなんて知りませんでしたよ」
P「ん?そんなにたいしたことはないぞ。仕事場でバッタリ会ったときとかに、ちょっと話すくらいだ」
冬馬「メアドも知らないし……って、そうだ。後でメアド教えてくれよ」
冬馬「おう、わかった」
春香「……かなり仲良いと思うんですけど」
P「そうか?」
冬馬「男同士の付き合いってのは、女には理解できないもんなんだよ」
雪歩(男同士の突き合い!?)
春香「一緒に遊んだりとかは?」
P「ネット使ってゲームで対戦したりするくらいだ」
真「充分親密じゃないですか。というかプロデューサー、亜美と真美に誘われたときは『うちにはネット環境ない』って断ってませんでした?」
P「そのときは本当になかったんだよ。冬馬と遊ぶために繋いだんだ」
雪歩(濃密な繋がり!?)
P「なんか冬馬と遊ぶのは無性に楽しくてなぁ。若い頃を思い出すっていうか……相性がいいのかも」
雪歩(冬馬の若い体と相性がよくて毎日が楽しい!?)
雪歩「………………」
真「雪歩?どうかしたの?」
雪歩「……ううん、なんでもないの。なんでも」ニコッ
冬馬「精神年齢が幼稚なんじゃねえの?今日だってあの双子と楽しそうに遊んでたじゃねえか」
春香「そうなの?」
冬馬「おう。侍らせてアキバでデートしてたぜ?」
雪歩「!?」
P「ちっ、違う!あれはそういうんじゃない!おい、冬馬!!」
冬馬「んだよ、本当のことじゃねえか」
雪歩「……」
P「あれはそういうあれじゃないの!お前だってお守りみたいだって言ってただろ!?」
冬馬「わかったって。そんな必死になるなよ、からかっただけだろ?」
P「まったく……」
真「でも、いいなー。プロデューサー、今度はボクとデートしてくださいよ」
春香「あっ、真ずるーい!」
P「ダメだダメだ。デートなんてしません!」
雪歩「……」
PM 7:51
冬馬「なんかすげえ長居しちまったな。俺はもう帰るけど」
P「えー?もう少しいないか?」
春香「すいません、プロデューサーさん。私もそろそろ帰らないと……日付変わっちゃう」
P「……仕方ないな、今日は解散だ。皆気をつけて帰るんだぞ~」
冬馬「随分酔っ払ってるみてえだけど……あんたこそ大丈夫か?」
P「へーきへーき」
冬馬「そうかよ……それじゃ、またな」
春香「冬馬君、バイバイ」
真「じゃあね!」
雪歩「またね」
P「また遊ぼうなー」
春香「それじゃ、私達も帰ろっか」
真「そうだね」
雪歩「……」
春香「雪歩?」
真「帰らないの?」
雪歩「私、ちょっとプロデューサーに話があるから……春香ちゃん達は先に帰ってて?」
春香「そう?それじゃあ先に帰ってるね」
真「またね、雪歩」
雪歩「二人ともバイバイ」
P「あれ?雪歩、まだ残ってたのか?早く帰ったほうが……」
雪歩「プロデューサー」
P「……はい」
雪歩「ちょっとお話、いいですか?」ニコッ
PM 10:35
冬馬「ふぅ……」
冬馬「……なんか休日なのに全然休めなかった気がするな」
冬馬「……………ま、こういう日も、たまには悪くねえ、かもな」
冬馬「明日からも頑張らなきゃな!!」
冬馬「……」
冬馬「その前に、今日揃えたフィギュアの撮影会しねえと」イソイソ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「亜美ちゃん真美ちゃんと3Pデートって……どういうことですか?」
「3Pデート!?そんなことしてないぞ!!」
「でもさっき!」
「あ、あれは亜美と真美が前からアキバに興味があるって言ってたから連れていっただけなんだって!」
「ああいうところは危ないから大人が付いていってやらないと……」
「……彼女の私とは全然デートしてくれないのに」
「一昨日しただろ!?雪歩は人気アイドルなんだ。そう頻繁にデートなんてできない!」
「だいたい亜美と真美だぞ?子供相手に嫉妬なんて」
「こういうときだけそんなこと言って……!私が誘っても『子供だから』って相手にしてくれないのに!!」
「雪歩はまだ未成年なんだから当然だろ!?」
「……も未成年なのに」ボソッ
「へ?」
「同じ未成年なのに、私はダメで冬馬さんはいいんですか!?」
「な、何の話だ?」
「冬馬さんとは、掘ったり掘られたり毎日楽しんでるくせに!」
「そんなことした覚えはないぞ!?」
「さっき渡した何かも、本当は指輪とかバイブとかそういうものなんじゃないですか!?」
「断固違う!中身は言えないけど、絶対に違う!!」
「……ロリコンでガチホモなプロデューサーは…………」
「ゆ、雪歩?」
「穴掘って埋めてあげますぅ!!」
「頼むから落ち着いてくれぇ!!」
翌日
冬馬「おっす、北斗」
北斗「やぁ、冬馬☆有意義な休日は送れたかい?」
冬馬「まぁまぁ、だな」
北斗「はは、それはよかった」
翔太「あっ、冬馬くんおはよー!今大変なことになってるね」
冬馬「大変なこと?」
北斗「何かあったのか?」
翔太「あれ?二人とも知らないの?ネット見ればすぐに分かるよ~」
冬馬「は?……あれ、ニューストップに俺の名前が…………って」
『ジュピターの天ヶ瀬冬馬、オタクの聖地でフィギュア漁り!?』
冬馬「なんじゃこりゃああああああああああああああああああああ!?」
冬馬「おい!!亜美真美!!!」
亜美「およ?あまとうじゃん。テレビ局で会うなんて珍しいね→」
真美「どしたの?そんなに慌てて」
冬馬「『どしたの?』じゃねえ!!後あまとうでもねえよ!!」
冬馬「てめえらだろ!ネットに俺の写真流したの!!」
真美「あり?ばれちゃった?」
冬馬「当たり前だろ!!なんてことしやがる!!だいたい、昨日の写真は俺がちゃんと消したはずだぞ!?」
真美「まだまだ甘いな→あまとうは」
冬馬「なに!?」
亜美「最近のスマホにはクラウドサービスってのがあって、写真を撮ると自動的にネットにバックアップしてくれるんだよ→」
真美「だから本体から消しただけじゃ意味ないんだYO!」
冬馬「な、なんだと……!?」
真美「だいたいそこまで気にすることないんじゃない?」
亜美「そ→そ→。なんか『親近感が湧いた』とかって男の人のファンが増えたらしいよ→?」
冬馬「そ、そうなのか?」
真美「別に減るもんじゃないんだしさ→」
亜美「むしろ感謝してほしいくらいだよ」
冬馬「た、確かに損はしてない気が……」
亜美(ちょろいな→)
真美(あまとうちょろすぎ)
亜美「ま、勝手にプライベート写真公開しちゃったのは悪かったからさ、今度オワビのシナを送るね!」
真美「楽しみにしててね→」
冬馬「あ、ああ……」
数日後
冬馬「双子から荷物が届いた」
冬馬「中身は……アニメのDVD?」
冬馬「えっと、タイトルは……」
冬馬「『ラブライブ XENOGLOSSIA』?」
完
後日、そこにはロボットアニメにハマりガンプラを買い漁る天ヶ瀬冬馬の姿があったとさ。
読んでくださった方、ありがとうございました。
冬馬くんのことが好きです。でも雪歩のことはもーっと好きです。
誤字気づかなかった……ごめん冬馬くん許して何でもするから
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