勇者「おお、過激ですね」(9)

勇者「一撃で腕が吹き飛んでしまいました」

魔王「……腕吹っ飛ばした我が言うのもなんだが平然としすぎじゃあないか?」

勇者「慣れですねー」

魔王「慣れってすごいな」

勇者「勇者なので痛い目はたくさんしてきましたので腕が吹き飛んだところで今さらですね」

魔王「腕吹き飛んでそのレベルか……よっと」

ゴッ

勇者「ごぼごぼごぼぼぼ」

魔王「ふむふむ、『喉もよく潰された』と」

勇者「ごぼぼぼ?」

魔王「なぜ言ってることがわかるか?配下のアンデットどもと会話すればそのうちわかってくるのだ」

勇者「ごぼぼぼー」

期待されると変な汁が出ます。

側近「魔王様っ!ご無事ですかっ!」

魔王「おお、ジュース買いにいかせてた側近」

勇者「ごぼごぼごぼん」

魔王「『説明口調お疲れさまです』か…」

側近「ゲエーー勇者がいると慌てて戻ればよりにもよって『無謀の勇者』ですか」

魔王「うん?知ってるのか側近」

側近「はい、魔王様その勇者はですね……」

魔王「側近がいちいち気持ち悪いを挟むので無駄に長くなった……」

『無謀の勇者』
魔法や武術の腕は並みと、勇者にしては弱い。
また、堅牢な防具を装備しているでもなく強力な防御術も持っていないのでこれも弱い。
特筆すべきは異様なまでの痛覚の鈍さと化け物じみた再生力であり、脳と心臓、それに魂を同時に消滅させても再生してきたと言った報告がなされている。
アンデットのお株を奪わんばかりの復活っぷりに魔王軍の士気は挫かれ倒している。

魔王「うーん、我驚いた」ジュースぐびぐび

勇者「本当に驚いてますか?」←再生した

魔王「うんうん、キモいってだけで士気を挫かれ倒している我の軍隊に」

勇者「人間側も挫かれてるんですよね、頑張っているんですけどねー」

側近「魔王様……その、勇者の討伐をですね」

魔王「弱いし、脆い、我の脅威にならないから飼う」

側近「……あー、わかりました、部下たちには私が言っておきます……(嗚呼、頭痛が痛い……)」

勇者「突然のペット扱い」

魔王「だって、お前に勝ち目ないし、かといって我がお前を殺せる自信もないから、近くに置いて部下の士気を挫かれないようにしようかと」

勇者「まあ、痛覚は鈍ってますが痛いのは痛いので、これ以上痛くさせないなら飼い殺しもいいですかね」

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