ナルガクルガ(……今日も、来たのか) (15)
村娘「……」
【グルルルル・・・】
村娘「……」
村娘「今日は調子が良さそうですね…?」
村娘「ごめんなさい、今日は食べ物は持ってきて無いんです……けど」
村娘「それで良ければ……いいですか?」
村娘「貴方を描かせて下さい」
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決まって樹海の中央にある泉に、この娘は来る。
人間の癖に私を恐れずに晴れた日は必ず来るのだ。
村娘「……」サラサラ
そして、描くのである。
あの黒い線を出す棒で、薄く白い板の様な物に。
『迅竜』と恐れられている私を、描くのだ。
【……】
(全く……眠い……)
これだけ晴れていて、これだけ環境の良い所で大人しくしていては私も眠くなる。
ましてや泉の周囲は丁度良い風もある。
程好い微睡み、程好い風、そして……。
村娘「ぁ……寝ちゃったのかな」
村娘「……」サラサラ
人間と共にいるとは思えない程の、この静寂さだ。
私は眠る。
恐らくこのあとに私をこの娘が起こして不機嫌になるだろうが、それを分かっていても眠気には逆らえなかった。
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