夏海「韓国からの転校生?」 (52)

一穂「韓国からの転校生キム・ボランさん
   それじゃあ、自己紹介して貰おうか」

キム「よろしく」ムス

一穂「それだけでいいの?」

キム(コクリ)

一穂「海外から来てまだ緊張してるのかな?。
   それじゃあ、なっつんの隣の席でいいか」

夏海「キム・ボランさんだっけ?
私は、越谷夏海って言うんだ。よろしくね」

キム「…」ツン

夏海「なんか、嫌われてる!?」

夏海「なんか、嫌われてる!?」

小鞠「夏海は絡みずらいからね。初対面だと話しづらいよね」

夏海「実の姉にそんな事言われてショックなんですけど
   そうなの?ほたるん」

蛍(なんで、私に振るの?)
 「そ、そんなことないですよ。夏海先輩は誰にでも優しくていい人なんですけどね…」

夏海「けど…?」

蛍「すみませんなんでもないです」

夏海「途中まで言いかけてそりゃないでしょう」
   あ、キムピョンもう帰るの?」

小鞠「キムピョンって…」

キム「…」

夏海「ちょっと待ちなよ。せっかく隣の席になったんだしさ
   韓国のこととかいろいろ聞かせてよ」

キム「…」

夏海「あれ?ひょっとして日本語通じなかったりして?」

小鞠「自己紹介の時よろしくって言ってたでしょう」

蛍「ほ、ほらきっと緊張してるんですよ。私も初めはそうでしたし」

夏海「だと、いいんだけど…」

翌日

夏海「おはよう!キムピョン」

キム「…」

夏海「あれ?おかしいな。やっぱ日本語が…」

小鞠「変なあだ名つけたから怒ってるんじゃないの?」

夏海「えーうそー。いいと思ったんだけどな」

蛍「私もいいと思いますけど、勝手に付けるのはどうかと」

れんげ「なっつんの感性はわからない人もいると思うのん」

夏海「そうか、それで口聞いてくれないのか」

小鞠「今のうちに謝っておいたほうがいいんじゃないの?」

夏海「そうするよ。」

夏海「ごめんキムさん、変なあだ名付けたこと怒ってるんでしょう?
   この通り謝るから。仲直りしよう」

キム「…仲直り?」

夏海「そう、仲直り」

キム「そもそもあなたとケンカなんてしてませんけど」

夏海「だって私が変なあだ名付けたからそれで口聞いてくれないんじゃ…」

キム「あなたと私ケンカするような間柄じゃないですし」

夏海「じゃあ、なんで口聞いてくれないの?」

キム「あなた…いや日本人が嫌いだからです」

夏海「じゃあ、私が原因じゃないのか。よかった。」

小鞠「いや、よくないだろう」
蛍「なにか日本人にまつわるつらい過去でもあるんでしょうか」

夏海「日本人にいじめられてたことがあってそれがトラウマとか?」

れんげ「うち、ニュースで見たことあるん。
    日本と韓国との間にはいっぱい問題あるのん」

小鞠「歴史問題って奴?」

れんげ「そんな感じだったのん」

蛍「一部には過激な人もいるとは聞きますけど」

夏海「うーん、よくわからないけど。このままでいいはずはないよ。」

小鞠「それはわかってるけど」

蛍「歴史問題とかありますからね」

夏海「それがなんだって言うの?
   その歴史問題って言うのは私らとキムさんが
   仲良くできないのとなにか関係あるわけ?」

小鞠「さっきの発言からして日本人を嫌ってるみたいだし」

蛍「無理に話しかけたりしないほうがいいかと」

れんげ「うちもそう思うん」

夏海「だからこそ、私が誤解を解かなくちゃ」

蛍「夏海先輩どこに行くんですか?」

小鞠「キムさんの所に行くつもりならやめときなって」

夏海「止めても無駄だよ。わたしは行くから」

小鞠「あーあ、行っちゃったよ、変な所ガンコだからな」

蛍「夏海先輩、大丈夫でしょうか」

小鞠「夏海の奴歴史もよくわかってないみたいだし
   失言しかねないからな。ここは、大人の私が見守ってあげないとね」

蛍「小鞠先輩が行くなら私も行きます」

れんげ「うちもいくん」

夏海「確か、最近引っ越して来た家がこの辺にあったよな」

小鞠「まさか、自宅に乗り込む気か?」

蛍「まぁ、女の子どうしですし大丈夫かと」

夏海「ごめんください。」

キムの母「あらあら、ボランのお友達かしら」

夏海「まぁ、そんなところです」

キムの母「あの子日本人の友達なんて絶対つくらないって言ってたのに
     とりあえずあがってちょうだいな」

夏海「おじゃまします」

キムの母「ボラン、お友達がいらしゃってるわよ」

ボラン「友達!?」

キムの母「越谷夏海さんよ」

ボラン「私、そいつ嫌い帰れ!」

キムの母「なんてこと言うの!ボラン」

夏海「いや、いいんです。勝手に来た私が悪いんで」

キムの母「ごめんなさいね。あの子父親の影響で日本人にアレルギー
     持ってるみたいで。」

夏海「父親の影響?」

キムの母「相当右寄りな人でね、幼少期からボランに対して
     日本人の全てが悪人のように言ってたから」

夏海「そんなことないのに」

キムの母「私も、前はそういう考えだったけど日本に留学してから
     考えが変ったわ。そりゃ変な人はどこにでもいるけど
     周りの人はみんないい人だったから。
     夫にもそのことを話したんだけど聞き入れて貰えなくてね
     それでここにきたんだけど」

夏海「だから、あんな態度を…」

キムの母「ごめんなさいね、あの子にはよく言い聞かせておくから」

夏海「いえ、気にしないで下さい。そのうち慣れますよ
   ここの人みんないい人ですから。」

キムの母「ボランがなにかしたら私まで言って下さいね」

夏海「だから、大丈夫ですって」

小鞠「おお、出て来た」

れんげ「無事は確認できたのん」

蛍「犯罪組織のアジトじゃないんですから」

夏海「なにやってるの?こんなところで」

小鞠「夏海のことが心配で見守ってたんだよ」

れんげ「なっつんケガはないんか?」

夏海「みんな大げさだな、相手だって人間なんだから話せばわかるよ」

蛍「それで、キムさんとはどうだったんですか」

夏海「アハハ、やっぱり私とは話したくないってさ」

小鞠「あれほどやめとけって言ったのに」

夏海「でも、お母さんから興味深い話は聞けたよ」

夏海「キムさんお父さんや学校から相当偏った教育を受けてたらしいんだよ」

小鞠「なんかそういう話聞いたことあるような」

蛍「なるほど、それならあんな態度にもなりますよね」

れんげ「うちも、父ちゃんから言われたら信じちゃうかもしれないのんな」

夏海「だろ、そこでだよ私らがキムさんの日本人に対する誤解を解いてあげようと思うんだけど」

小鞠「どうせ、私たちがやらなくても夏海一人でやる気なんでしょう?」

夏海「そのつもりだけど、みんなにも協力して貰えると助かる」

れんげ「じゃあ、うちも協力するん。一人ぼっちは寂しいのんな」

夏海「おう、れんちょんそうこなくっちゃ」

蛍「私も協力します、なんかモヤモヤしてるの嫌なんで」

小鞠「この流れで私だけ協力しないってわけにもいかないでしょう」

兄貴「うんうん」(うなずく)

夏海「これで役者はそろったね。後はどうやって日本人の良さを伝えるかだけど」

蛍「自分がして貰ったら嬉しいことを考えたらいいんじゃないですか?」

夏海「自分がして貰ったら嬉しいことか」

小鞠「突然言われても意外と思いつかないもんだね」

蛍「私はすぐに思いつくんですけどね…」

小鞠(なんで私のほうを見てるんだろう?)

夏海「やっぱり、お金かな。お年玉貰えるとうれしいもんね」

小鞠「お金をくれる人がいい人ってこの場合の良い人とは
   ちょっと違うような…」

れんげ「人のこころも金で買えるんか?」

夏海「冗談だって冗談」

小鞠「まったく、こっちは真面目に考えてるのに」

夏海「ごめん、ごめん。」

蛍「それじゃあ、異文化交流なんてどうでしょうか」

夏海「異文化交流?」

蛍「お互いの文化を交換し合うんですよ」

夏海「文化っていっても正直韓国の文化とかあまり知らないし」

小鞠「申し訳ないけど韓国の文化って言われてもあまりピンとこないな」

れんげ「うち焼き肉なら大好きなのん」

夏海「焼き肉って…それはただの料理だよ」

蛍「難しく考えなくてもそういうのでいいんだと思いますよ」

夏海「じゃあさ、焼き肉パーティーしようよ」

小鞠「それ自分が楽しみたいだけでしょう」

夏海「もちろんキムさんも呼んでさ」

蛍「そこが問題なんですよね、肝心なキムさんが来てくれるかどうか」

夏海「大丈夫そこは私に任せてよ」

小鞠「一度失敗してるのによく言うよ」

夏海「大丈夫、今度は秘策があるんだから」

蛍「じゃあ、今度の日曜日にしましょうか?」

小鞠「場所はどこにするの?」

夏海「やっぱり学校でしょう」

小鞠「先生許してくれるかな?」

夏海「理由を言えばかず姉だってきっとわかってくれるよ」

れんげ「うちもねぇねぇに話してみるん」

パーティー当日

小鞠「えー、キムさんまだ来てないの?」

蛍「本当に大丈夫なんですか?」

夏海「あぁー見ててよ。今から呼んでくるからさ」

ピンポーン

夏海「ごめんくださーい」

キムの母「あら夏海ちゃん。まさか、またボランがなにかしでかしたんじゃ」

夏海「いえ、ちょっとキムチを分けて貰いたいと思いまして」

キムの母「…?別に構いませんけど」

夏海「いやー焼き肉パーティーをやるっていうのに肝心なキムチを忘れてしまいましてね」

夏海「それじゃあ、ちょっと味見を…うわあーなんだこれは
   日本で売ってるキムチと全然違うな本場のキムチってこんなにまずいんですか?」

キムの母「いきなりなにを言いだすんです!?」

夏海「やっぱり日本の物が一番だな。」

ボラン「おいお前!私が黙ってるからって調子に乗るなよ」

夏海(来た来た)

キムの母「やめなさい、ボラン」

ボラン「母さんへの侮辱は許さない」

夏海「やめときなってどんなに虚勢を張ったところで所詮
   日本には敵わないんだからさ」

ボラン「韓国人は優秀、あなた達よりも優れてるね」

夏海「じゃあさ、その証拠をみせてよ」

ボラン「証拠?」

夏海「私とキムさんどっちが優れてるか勝負しようよ」

ボラン「望むところね」

夏海「じゃあ、学校で勝負だ」

れんげ「なっつん遅いのんな」

蛍「説得でもしてるんですかね?」

小鞠「どうせ、また門前払いでしょう」

夏海「おーい、みんな連れてきたよ」

小鞠「えっ!うそー!」

蛍「確かにいますよキムさん」

れんげ「でも、なんか様子が変だのん」

蛍「怒ってる?」

ボラン「さぁーなにで勝負する?」

夏海「その前に腹ごしらえだよ」

ボラン「焼き肉?」

蛍「キムさんの歓迎会を兼ねて夏海先輩が計画したんですよ」

れんげ「案はうちがだしたんよ」

小鞠「せっかく来たんだから食べなよ」

ボラン「まさか、最初からそのつもりで…」

夏海「騙すような真似してごめん。
   これくらいしないと来てくれないかとおもってさ。
   お母さんにはあとで謝っとくから」

一穂「特別に高いお肉買ってきたんだからね。
   本場の味には叶わないかもしれないけど」

ボラン「あなた達なんのためにこんなことを…
    私は日本人は嫌い、もちろんあなた達も
    私の事は嫌いなはず」

夏海「そんなこと誰が言った?」

ボラン「だって父さんが…日本人は韓国人に酷いことをしたって」

夏海「正直、歴史とかよくわからないけど。
   それはそれ私たちは私たちなんじゃない?」

ボラン「そ、それは…」

夏海「あーもう、湿っぽい話しなんてなしなし!
   こういうのはね楽しんだもんが勝ちなんだよ
   ほら、スタミナ付けないと」

ボラン「こんなに沢山貰っても…」

夏海「キムさんがこんなに弱気でどうするの
   さっきまでの威勢はどうした」

泣きだすボラン。

ボラン「すまなかった」

小鞠「どうしたの?突然」

ボラン「私、日本人のこと誤解してた、あなた達いい人だ。」

夏海「いやー照れますな」

ボラン「特に夏海、私があんな態度とったのに私を気にかけてくれた
    心の中では嬉しかったけど父さんの言葉が脳に染み付いてて
    つい冷たい態度を取ってしまった。
    なんて、お詫びしたらいいか」

夏海「いいってそんなこと私はみんなが仲良く出来ればそれで満足だから」

蛍「よかった、誤解が解けたみたいで」

小鞠「一時はどうなるかと思ったけど夏海にしてはよくやったな」

れんげ「なっつんお手柄なのん」

夏海「ねぇー韓国の遊びとか教えてよ」

ボラン「ええ、いいですよ」

れんげ「日本の遊びも教えてあげるのん」

小鞠「韓国の女優さんって大人って感じだよね」

夏海「そりゃ、みんな大人だからな」

蛍「この、キムチおいしいですね」

兄貴(グッジョブ)d



特別編「焼き肉パーティーをした」

おわり

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