キノ「風邪を引いたみたいだ」エルメス「座薬しかないよ?」 (44)

はい

キノ「えっと…それは…」
エルメス「ぜひ!入れさせて!ね!」

「そもそもなんで使う気無い癖に荷物に入れたのさ。」

深い深い森の中。泉の傍らでモトラドが言いました。話しかけた相手は泉で顔と、清潔なタオルを洗っています。

「……」

「そんな悪あがきしちゃってさ。この薬は他の薬に比べ即効性が高いからってキノも理解してるから買ったんでしょ?」

キノと呼ばれた少女は振り向きません。冷たくなったタオルを額に当てため息をついています。

「僕だって何も嫌がってるキノを茶化してるんじゃないよ。キノのためを思って言ってるんだからね。」

モトラドは呆れたように言います。どうやら本心からの言葉ではあるようですが、その言葉を受けとったキノは相変わらず不服そうです。

「分かってるよ、エルメス。」

唇を尖らせながらそう言ったキノはエルメスと呼んだモトラドのそばにシートをひき、そばの木にもたれかけました。

「でも…」

続けて喋ろうとしたキノの言葉がエルメスに遮られました。

「大体座薬の何が恥ずかしいのさ。必要な事だし、別に誰かに見られるわけでも無いんだからさぁ」

そうエルメスが言うと何か言い返そうとしていたキノはたちまち顔を赤くしました。
どうやら座薬の使用をためらっているようです。

「…はぁ」

またため息をつきながらキノは額にタオルを当て、火を起こす準備を始めました。
こういう事態に備え、良く乾いた木を荷物に入れておいた事が幸いしました。

「言い返さないってことはやっぱり座薬使うのが恥ずかしいんでしょ、キノ。まぁ分かってた事だけどね。」

エルメスの言葉には嘲るような調子も含んでいましたが、本心は心配してならない様子です。

普段、資金面から全く使わない着火剤を用いて火を起こしたキノは火が安定しだすと気だるそうに寝袋に入りだしました。
言葉はもうありませんでした。

夜も更け、虫の声も少なくなったころ。泉のそばの木の下で、大きな芋虫が動きました

「…ぅえ…」

どうやら嘔吐感から起きたキノが入った寝袋の様です。
いつも冷静で感情なさ気な彼女ですがこの時ばかりは辛さを表情にそのまま伝えています。

「喉乾いた…」

最早普段のキノの凛々しさは全く無く、寝袋から這い出た彼女の身体は力無く月明かりに照らされ、やけに女性的に見えます。

「起きてるかい?エルメス。」

キノは夕方、邪見にしてしまった相棒に声をかけましたが返事はありません。どうやら眠っているようです。

手際良く火に水を張った鍋をかけ、泉にタオルを洗いに行きました。
月がやけに明るく、泉に映った自分の顔の弱々しさに驚きそのまま眺めていると、激しい嘔吐感から自分の顔に吐き出してしまいました。

今朝から何も食べてなかったので、胃液しか出ません。目と鼻からも温かい液体を流し、苦しそうな声が泉の周りに響きます。

「はっ…か…んぉ…あ…」

胃液がで尽くしても嘔吐は止まらず息は出来ません。ようやくそれが終わり、口をゆすぎ顔を洗いなおすと火にかけた鍋を思い出し身体を引きずりながら戻りました。

「あ…吹きこぼれちゃってる…」

減ってしまったお湯をコップに入れると口につけず、ポケットから包みを取り出しました。
キノは包みを見つめながらやはりため息をつきます。

「…使うしか…無いかな」

覚悟を決めたような表情、とは言い難い表情でつぶやいたキノはコップに注いだ白湯で身体を暖めます。
そして、よし。とつぶやくとパンツのベルトを緩めました。

ベルトを緩めながらキノはふと思い出したように相棒に声をかけました。

「エルメス。起きてるかい?」

いつもような調子で声をかけたつもりが、やはりとても苦しそうです。
当のエルメスは全く返事をしません。相棒か眠っているのを確認したキノはパンツを脱ぎました。

「しゅごいのぉぉおお!ケツマンコ座薬でいっちゃうぅぅう!」

キノは自分のパースエイダー、カノンを愛液で濡れた陰部に深く挿入しながら肛門にも座薬を挿入しました。
カノンのフロントサイトは的確にキノの敏感な部分は捉えます。
そしてそのいつもの快感に加え、肛門に感じる未経験の快楽がキノを乱れさせます。

「はぁ…んっ…んんっ!ぼ、く、のぉ…おし…り…」

キノは最早エルメスの事など頭の片隅にもありません。
快楽に溺れ声を乱し森にその喘ぎ声をこだまさせました

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