男「朝起きたら知らない女がいる」 (38)

男「あれ?」


姉「なぁに?どうしたの?」


男「あぁいや・・・・なんでもない・・・」


姉「なによそれ~じゃあさっきの「あれ?」ってなんだったのよ」


男「いや別に・・・・・気のせいだったよ」


姉「寝ぼけてないで早く下に降りて朝ごはん食べてよ、お姉ちゃん仕事行かなきゃいけないんだから」





男(俺に姉ちゃんなんかいたっけか?)

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それにしても眠たいな、まるで何年も眠りについてたみたいだ・・・・・
時計に目をやると針が五時を指しているのが見える

そもそもなんで俺はこんな朝早くに起きたんだ?

姉「はいはいちゃっちゃと食べてちゃっちゃっと用意する」

男「あぁ、うん・・・」

姉「あ!すっかり忘れてた」

男「ん~どうしたの?」

姉「あんたが今日期末テストで早く帰ってくるんだよね」


そうか・・・学校・・・・、俺は学生だった


男「あぁ・・そうだよ」


姉「ほら1000円渡すからお昼はこれで適当なの食べな」


男「あい、ごっそさん」


姉「じゃあお姉ちゃんもう出るからね、食器はいつもみたいに食器洗い機に入れといて」


男「はいはい」


姉「じゃ、言ってきます」

男「いってらっしゃい」

部屋に戻るとハンガーに制服がかけてある


高校か中学か・・・・・いや高校生だったな俺は・・・・


男「いやに寝ぼけてるな・・・今日は」



今日は頭がボーっとしてうまく働かない、体も重い、自分が自分じゃないみたいだ
そうだ、学校に行く前に顔を洗おう、今日は期末だからシャキっとした気持ちで挑まなければ


ジャー、バシャバシャ


顔を洗っていくうちに目が覚めてきたのか意識がハッキリしてきたのがわかる


男「頭がガンガンするまるで昨日酒でも飲んだみたいだ」






そういえば昨日って何したっけ

すっと前に視線を戻すと鏡に知らない顔が映っている

誰だ?


いや、俺か・・・・俺だ・・・



男「・・・・俺ってこんな顔だったか?」


やけに頬がコケてるな・・・・、それに高校生のわりには老けて見える



男「俺って学生・・・だよな?」


気のせいかもしれないが鏡の中の俺が頷いたように見えた




男「はは・・・・疲れてんだな俺」

記憶が酷く曖昧だ
こうして毎日通ってるはずの道も見慣れない何かに見える


道もハッキリとは覚えていない、ただ身体が覚えているのか自然と足が動くのだ
そしてここのバス停でバスを待たないといけないのもわかる


男「どうしちゃったんだ俺は・・・」


キキィープシュー

そんなこんなでバスのお出ましか


男(結構人乗ってるな・・・・どっか空いてる席・・・)


?「おーい!こっちこっち!!」


奥の席で誰かが手を振ってる


?「お前の分の席取ってるぞ!早くこいって!」


男(誰だあいつ)

?「それでさー、昨日、ボーリングで町田の奴が馬鹿やってさ」

男「ちょ、ちょっとストップ」

?「あん?どうした?」


男「俺らって知り合い・・・だっけ?」


?「・・・・・」


男「あー・・・・・悪い・・変なこと聞い・・」


?「だっはっはっはっは!!!」


男「?」

?「面白い冗談だな!おい!くはは、びっくりさせんじゃねーよっ!」

男「え?」


?「・・・え?」



男「・・・・・」



男「ダハハ!!びびってやんのッ!!!おまぇみたいなイガ栗頭忘れたくても忘れねーっつの!!」


?「うぉい!一瞬マジで俺ってそんな空気みたいな奴なのかなーって不安になっちまっただろーがー!」

男「はっはっはっはっは!」


俺はどうやら友人の名前も思い出せないらしい


一体全体俺はどうしちまったんだ・・・・

?「二限目の物理のテストどうだったよ?」

男「ん~?まぁまぁだな」


?「ッケ!いいよな秀才君は」


男「はぁ?」

?「なんも勉強しなくてもお前みたいなタイプだと一回教科書読んだだけでマスターしちまうんだろ?」


男「あのなぁ、人を超人みたいに言うんじゃねーよ、結果の裏には血が滲むような予習復習がだな」


?「へぇへぇ、もういいっていいって」

男「ったく!ゲーム買う金があったら参考書でも買ったらどうだ?」


?「俺みたいのはな、あぁいうのは買ったら満足しちまうから駄目なんだよ」


男「駄目駄目じゃねぇか」


?「あぁそれよかこれ」


男「なんだこの袋」

?「この前言ってた漫画、持ってきてやったぜ」


男「お前なーこんなん読んでっから・・・」

?「いいからいいから、感想明日聞かせろな?な?」

男「明日って・・・期末は週末までだぞ」

姉「今日のテストどうだったの?」


男「ん、まぁまぁだったよ」

姉「しっかりしてよねお母さんからあんたの面倒見てくれって頼まれたんだから、勉強も含めて」


男「俺姉ちゃんに勉強教わったことあったっけ?」

姉「あら、中学校の頃あんだけ面倒みてあげたのにもう忘れたの?」


男「あー・・・そうだっけ」

姉「あんたねぇ・・」


テレビ【以前中国とのにらみ合いは続いており首相の・・・】

姉「・・・・そのうち戦争でも起こりそう・・・・嫌ね」


男「起こるよ」


姉「・・・・・なんで言い切れんのよ」


男「いやなんとなくだけど」


姉「なにそれ」


男「俺もよくわかんない、とりあえずごちそうさん」

姉「明日もテストなんでしょ?早く寝なさいよ」


男「はいはい」

男「この漫画・・・なんか昔読んだ気がするなー」


男「この次ぐらいでこいつ死ぬんじゃないの」

ペラ


男「ほら死んだ、あれー?読んだことはないはずなんだけどなー・・・」



男「あいつに借りた漫画・・・どれも見たことあるようなのばっかりだ・・・」


男「ふん・・・暇つぶしになると思ったけどあんまり面白くなかったな、テレビでも見るか」


ポチ  ガヤガヤ


男「・・・・」

ピッピッピッピ


男「どれもこれも見たことあるようなのばっかだな・・・・」

?「戦争起こったらどうするよ」


男「はぁ?」

?「俺は戦うぜ!、国の為に!家族の為に!ってな!」


男「家族もなにも、お前彼女もいないじゃん」

?「いるっつーの!!この前話したろ!」


男「あれ、そうだっけ?」

?「お前はどうすんだよ戦争始まったら」

男「逃げる」

?「ダッせ」


男「なんとでも言え、どんな形であれ最後まで生きてる奴が勝者なんだよ」


?「なんつーかお前らしぃって言うか、・・・・・・・・それにしても暑いな」


男「いきなり話飛んだな」


?「屋上きたらちったぁ涼しいかた思ったけどそんなことねぇなぁ・・・・」


男「これでヘバってどうすんだよ、暑くなんのはこれからだぞ」


?「しんどい・・・・早く来てくれー!冬ー!!」


男「冬がきたら夏ーっつーんだろ」


?「冬がきたら春ー!だな」


男「秋さんだけハブるってどういう了見だよ」

姉「早く起きなさい」


男「ん・・・」


姉「降りてくるとき何か羽織ったほうがいいわよ、寒いから」

男「うお!さむッ!」


姉「今雪降ってるからね、そら寒いわ」


男「雪ッ!?」


ガラガラ

男「ほんとだ・・・・・6月に雪降るなんざ聞いたことないぞ・・・」


姉「まーた寝ぼけてる」


男「え?」

姉「今は12月でしょ」

姉「どうしたの?呆けちゃって」


男「え・・・いや」


姉「何か・・」






姉「ナニかオカしいコトデモあっタ?」







男「・・・・・え、いや」



今一瞬、姉の顔が・・・・




姉「・・・ったく、出る前にちゃんと顔洗ってきなさいよ!」

男「あぁ・・・うん」


姉「明日はお父さんもお母さんも帰ってくるんだから、そんなんじゃ二人ともガッカリするわよ」


男「え・・・・父さんと母さんが?」


姉「そうよ、まさか忘れたなんて言わないでよね」


男「いや・・・そこまで寝ぼけてないよ・・・・」

?「あぁーあ早く春こねーかなー」

男「まーた言ってら」

?「こう寒くっちゃたまんねーよ」

男「四季を楽しめよ、別の国じゃあ一年中寒かったり暑かったりするんだぜ」

?「一年中春になんねーかなぁー・・・」

男「春だったら秋のがいいな」


?「秋か・・」

男「俺はちょっと寒い方が好きなんだよ」


?「春よりも?」


男「春よか秋だなー」

姉「あら、あんたマフラーはまだ早いんじゃない?」


男「結構寒いよ、昨日雪降ってたぐらいだし」

姉「雪?昨日雪なんて降ったの?」


男「はぁ?降ったの一緒に見たろ」


姉「そうだったっけ、まだ10月なのに珍しいわね」


男「10月?」


姉「・・・何?」


男「いや・・・なんでもない・・・」

姉「それより、今日は寄り道しないでまっすぐ帰ってきなさいよ、お父さんとお母さん夕方には着くって言ってたから」


男「あぁ・・・わかった」

父「そうかそうか!お前ももう高校生かッ!!ガッハッハ」

母「あなた、飲みすぎですよ」


男「父さん、だから俺酒飲めないって」

父「気にするな!今日はいいんだ!今日は!!」


姉「もー!お父さんここで寝ちゃわないでよ!ちゃんと別の部屋に布団敷いてるんだから」

父「理恵は冷たくなったなぁ」


姉「だってお父さんとお母さん全然帰ってこないんだもんそりゃ子供はグレるわ」




父さんと母さんってこんな顔だったっけか 





父「まだ言うか!」 ガッハッハ


母「あらさっきから暗い顔して、何かあったの?」


男「え?いや・・・・なんでもないよ」


父「何かあったら父さんになんでも相談しろよ」


男「うん、わかったよ父さん」





なんだか初めて会った気がする


男「相談なんだけどな」

?「なんだよかしこまって」


男「最近実は記憶があやふやなんだよ」


?「っと言うと?」


男「自分であって自分じゃないみたいな、他の人は当たり前のように俺は認知してるけど俺はしてないみたいな」


?「記憶喪失かなんか?」

男「いやそんなんじゃないんだ、感覚的に覚えているんだけど違和感があるみたいな」


?「へぇ・・・」


男「やっぱ病気かなんかなのかな・・・俺って・・・」


?「疲れてんだよお前・・・きっと」


男「最近時間間隔も曖昧で・・・昨日の事が今日だったり、明日のことがわかったり、冬だと思ったら秋だったりもうよくわかんねーんだ・・・」


?「いいから帰って寝ろ?な?、そういう時は一発抜いてスッキリした後グッスリ寝るに限るぜ、俺の秘伝のエロDVD貸してやっから」


男「父さんと母さんが昨日家に来たんだ・・・」

?「よかったじゃねーか、ずっと会いたがってたろ」

男「会いたがってた・・・・そうだな・・・ずっと会いたかったのにな、なんかよくわかんねーけど二人のこともあんまり憶えてなくて」


?「ヨかっタジゃネーか」



男(俺は・・・お前の事もよく憶えてないんだぜ・・・・親友のお前のことも俺は・・・)

姉「タンスひっくり返して何やってんのよあんた!」


男「アルバム、どっかアルバムない?」

姉「アルバム?」


男「俺の小さい頃とか、なんでもいい昔の写真!そうだ!中学校の頃のでもいい!卒業写真とかそういうのってない?」


姉「そんなのどうするの?」


男「いやなんか・・・昔の写真が急に見たくなってさ」

ガサガサ


姉「ふぅ~ん」

?「で、あったのか?写真」


男「それが一枚もなかったんだよ」

?「なんだそりゃ」


男「おかしいと思わねーか?一枚もないんだぜ一枚も、家丸ごと焼き払うとかでもしない限りそんなことないだろ」

?「今はほらデジタルの時代だからなーノートパソコンに入ってんじゃねーのー?」

男「それも確かめたよ、でも一枚もなかった」

?「そうか」


男「にしてもお前よく俺ん家のPCがノートってわかったな」



?「お前が俺に教えてくれたんじゃねーか忘れたのか?」


男「そうだったっけ・・・」


?「ま!そんな考え込むと毒だぜ、どうだ?学校終わったら息抜きに一緒に本屋でもいかねーか?」

男「息抜きに本屋って意味がわからん、どうせ一人で行っても暇だから一緒に行ってほしいだけだろ」


?「へへ」

?「本屋って次の駅で降りるんだっけ」

男「次の次だろ、ここらででかい本屋ってあそこぐらいしかないからな」


【次世代シェルター建造計画、国が全力を挙げあなたたちの安全を保障します】


男「はっ、見ろよあの上に吊ってる広告」

?「どうした?」

男「シェルターだってよ、核戦争が起こったらあんなのに篭っててもどうしようもないっつーのにな」

?「ないよりマシさ」


男「仮に爆発から生き残ったとしてもだぜ、外の世界が無くなっちまってたら意味ねーっつの」


?「そうかなぁ」

男「なんだよ」

?「俺は生きてるだけでめっけもんだと思うぜ?お前もそう言ってたろ」

男「まぁ・・・そうは言ったけどさ、下手に助かって孤独になっちまうのは死ぬより辛いと思うぜ」

?「それには同意だな、・・・お」


ツギハー○○~ツギハー○○デス オオリノカタハ...

?「着いたみたいだぜ」

?「えーとヤングジャンプコミックスのコーナーはっと・・・」

男「また漫画かよ」


?「俺が参考書買いにここまで足を運んだと思うのか?」

男「漫画だったらネットで買えばよかったのに」


?「青いなー、こういうのは実際に手にとって購入すんのが醍醐味なんだよなー」

男「そんなもんかなー」

?「あれー見つかんないなー新刊コーナーとかにあんのかなー」

男「それだったら一階にあったぜ」

?「ちょっと行ってくるわ」

男「おう、俺ぁここで待ってるぜ」



男「ん?」

男「なんだこれ、画集かなんかかな」

ペラ

男「・・・」

男女が海を背に赤ん坊を抱いている写真が目に入る
写真は粗くピントも上手くあっていないのか若干ぼやけていたが、人目でそれが父と母だとわかった


なんでこれがここにあるだ、これはウチのアルバムか?
しかし一体誰が何の目的で置いたんだ?


辺りをチラッと見渡すが店員どころか人っこ一人いない、胸の動悸が早くなっていくのを感じる


次のページをめくると中学生くらいの姉と一緒に子供の頃の俺(?)が写っている写真があった

心なしか写真に写った姉はムスっとしているように見える

次のページからは、両親の姿が写った写真は一枚も見当たらなかった


最初のこの海を背にした一枚


両親の写真はこれだけだった



そういえばこの前あった時もこの写真と同じ格好、同じ顔だった、微塵も年をとっているようには見えなかった



そうか・・・







男「そうだ・・・・・・」



変わらないはずだ


男「父さんと母さんは俺が小さい頃死んで・・・」





その瞬間誰かが俺のアルバムをパっととりあげる

驚いて振り返ると姉がいた

姉「こんなとこで油売ってないで早く降りてきなさい、夕飯が冷めちゃうでしょ」




気がつくと俺は自分の部屋にいた、いつ帰ってきたかなんて憶えてない

でもそんなことはもうどうでもよかった



男「今日の夕飯はなに?」



姉「カレーよ」



男「・・・俺の姉さんは」


姉「?」


男「俺の本当の姉さんは料理が凄い嫌いで、毎日手間のかからない冷凍食品か作り置きのできるカレーばかりだった」


男「俺が高校に上がると姉はほとんど家に帰らなくなって、俺はいつもコンビニ弁当を買って食べてたよ」


姉「話しが見えないわ」

男「だから俺が憶えてる姉さんの料理ってカレーしかなかった、そういえばここ最近毎日カレーだったね」


姉「たまには外食する?」


男「姉さんは俺を煙たがってたよ・・・、そう考えたら今目の前にいる姉ちゃんは俺の理想の姉ちゃんだったのかもな」


黙り込む姉の横にもう一人見慣れた顔が見える、友人だ


?「お前疲れてんだよ、ゆっくり寝た方がいいぜ」



男「お前は俺の頭が作り出した理想の友達なんだ、名前が思い出せないはずだ会ったこともないんだから」


?「俺はお前の妄想なんかじゃないぜ」


男「在学中は根暗で黙々と勉強しかしない俺に友達なんかできなかった」


男「強がってたけど、俺は適当にシモネタ言って笑ったり、漫画の貸し借りしたり、一緒に暇つぶししたり、屋上で適当に将来のことを語り合う友達が欲しかったんだ」


?「ここにいるじゃねーか」


男「今思い出したよ、お前の顔どこかで見たことあったと思えば俺が高校に上がってすぐ外で一人で飯食ってたら話しかけてくれた他のクラスの生徒、そいつの顔だ」


?「・・・・名前ぐらいそん時そいつに聞いててくれりゃあ苦労しなかったんだけどな」


男「こんな俺の友達になってくれてありがとな」


?「俺らだったら一生いい友達で行けたと思ったのにな」


男「間違い無く最高の友達でいけたよ」


?「・・・・・そうだな」

男「思い出したよ俺」



姉「駄目よ」



男「この世界はとっくに滅んでて俺は今でもシェルターの中にいるんだ」


姉「なんで・・・」


男「もう終わらせてくれないか・・・・これを・・・・・止めてくれ・・・」


?「気づかなければずっとシアわせニ暮らしてイケたのニ」

姉「黙っていれバずっとずっとシアワセだっタのニ」


男「早くシュミレーターを止めてくれッ!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





浮遊感、俺は今水の中にいる、延命カプセルの中でいくつものチューブに身体を繋がれている


いつもの光景だ



もう何百年もここにいる


俺の他にも大勢いたが、一人、また一人とカプセルの中で死んでいった
姉もすぐそばにいたが、20年ほど前から反応がなくなったっきりだ


「ナニカ フマンニナルヨウナ ヨウソガ アリマシタカ?」 

シェルターを管理する人工知能が俺に語りかける、もう何十年も前から話相手はこいつしか残っていない


男(嘘っぱちの世界にいても虚しいだけだったよ)


「アナタノキオクヲ モトニ コウセイシタ アナタダケ ノ リソウノセカイダッタハズデス」


男(記憶の構成をしっかりしてくんないと、ところどころ穴だらけだったよ)


「ソウダッタノデスカ・・イマスグ プログラムヲサイコウチク シマショウ」


男(いやいい・・・)

「デハ 仮想シュミレーター デハ ナク 他ノコトヲシテヒマヲツブシマスカ?」


男(もうわかったんだ、どれだけ時間を費やしても外に出れる日なんてこないことが」


「ケイサン デハ アト 2万4500年 ホドデ ソト ノ ホウシャセンガゲンスイ シ 人間ガ住メルヨウニナルデショウ」


男(まだ500年しか経ってなかったのか)



「ナニヲ シマショウ? デハ マタ 歴史上ノ 人物アテ クイズ ナドシマセンカ?」



男(いやもういいよ)


「デハ仮想シミュレーターノ ヨウイヲ・・・」


男(もう夢を見るのも疲れた)


「デハ・・・」


男(もう死なせてくれないか?)


「・・・・・」




「アナタ ガ イナクナルト ワタシ ハ 一人デス ソレハ トテモ寂シイ」


男(頼むよ・・・他の人と同じように俺の生命維持装置を止めてくれ・・・・)



「・・・」


男(頼む・・・・もう一人ぼっちで生きているのは辛いんだよ)









「ワカリマシタ」

――――――――――――――――――――――――――


兄「おら、いつまで寝てんだ」



男「・・・・ん」



兄「今日期末だろうが、飯作ってるからとっとと降りろ」



男「あれ?」


兄「どうした?俺の顔マジマジ見やがって」


男「いや別に・・・」



兄「・・・・・」





兄「ナニカオカシイコトデモ?」


【完】


怖い話かと思ったけど悲しい話だった

乙。
自分の手で自分を終わらせることのできない男と人工知能、どっちもつらいな。泣きながら死を望む男と泣いて謝りながら男に次の仮想現実を見せる人工知能が目に浮かんだよ。

外の世界が戦争のせいで人が住めない環境になって、生き残りは自浄作用が終わるまでシェルターの中で延命することに
しかし、寂しさからか多くの人が自ら命を絶っていった(男は寂しさに慣れていたっぽいから最後まで生きていた?)
時間が経ち、そのシェルター内の生存者が男だけとなり、男も命を絶ちたいと思うように
しかし、人工知能に自我が目覚め、寂しさから最後の一人である男を失わないようにシュミレーターに縛り付けてループ

ってことかな?
まず世界観が面白いし、最後の伏線の回収もよかったと思う
久しぶりにオリジナルssで夢中になれた
乙でした

なるほど…無駄に長く伸ばすよりもこの方がテンポが良くて一気に引き込まれた!乙

面白かった

名作乙です

こういう悲しい物語も良いですね

シュミレーターって何?
"シミュ"レーターなら聞いたことあるけど

あとボーリングって何? 地質調査でもするの?
"ボウ"リングなら分かるけど

>>34
素で間違えてた

>>34
こういうやつ、キモいよな

>>34
ハイハイ指摘してる君かっこいいねー

久しぶりの良SS

上げてしまった
サーセン

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