父「息子よ、話がある」
男「なんだよ父さん」
父「今まで、黙っていたが…いや、確信が持てなかっただけだが」
男「真剣な顔して、父さんらしくないな…」
父「お前には、賢者の血が流れてる」
男「は?」
父「お前には、賢者の」
男「いやもういいよ、学校行って来ます」ガタッ
父「あっ…」
男「ったく、ドラクエのやりすぎだろ」スタスタ
友「おーい、男ー」
男「お、友じゃん。おはよー」
友「おはよ、聞いてくれよ、さっきさあ」
男「おっ、雑誌が捨ててある、グラビアかわいいなー」ヒョイ
友「聞けよー」
男「やべっ、遅刻するぞ!」ダッ
友「もうこんな時間かよ!雑誌なんか読んでんなよ!」ダッ
ガラッ
男「セーフ!」
友「はあはあ…」
dqn「おう、友じゃねーか…」
友「うっ、dqn…さん」
dqn「ちょっとこっち来てくれよ」
友「あ、ああ…」
男「は、走ったせいで腹がぁ…」ギュルギュル
男「トイレへ行くか…くっ、ホームルームでられねぇ…」ヨロヨロ
ガラッ
教師「おはようさん」
生徒「おはようございます」
教師「んー…男と友、dqnがいないな…」
生徒「さっきまで教室にいました」
教師「ふーん、トイレにでも行ったのかな…じゃ、始めるぞ」
友「そ、倉庫で何をする…」
dqn「昨日パチンコ負けちまってさぁ…ちょっと貸して欲しいんだよねー」ニタニタ
友「な、何を…」カタカタ
dqn「決まってんだろぉが!金だよ!」
友「」ビクッ
dqn「貸さねーなら…こうだぞ?」チキチキチキ
友「ひっ、や、やめて…」
男「待てよ」
dqn「あぁん?」
友「お、男?」
男「下らねーことやってんな、お前も」
dqn「んだとゴラァ!ぶっ殺す!」
男「やってみろよ」
dqn「うるぁぁぁ!」ブン
パキィン
dqn「カッターが折れたぁ!?」
男「カッター代は弁償してやる、治療費は自腹だがな」コキッコキッ
dqn「覚えてろ!」ダッ
男「とんだチキン野郎だったな」
友「う、嘘だろ…うわぁぁぁ!」ダッ
男「ん…何で俺、こんな所に…教室に戻らないと!」タタタ
教師「男…遅刻だな」
男「す、すいません…」
教師「それと、放課後に俺のとこへ来い」
男「へ?なんで」
教師「学校生活に必要ない物を持ち込んだそうだな」
男「ま、まさか」
教師「いいか、放課後絶対来るんだぞ」
男「」
男「失礼します…」
教師「来たか…これだ」パサッ
男「これは…この雑誌は…」
教師「コホン、ともかく、これはこっちで処分させてもらう。いいな」
男「はい」
教師「今回だけだぞ。さあ帰れ」
男「失礼しました…」
男「はぁ…雑誌なんか拾わなきゃ良かった」トボトボ
男「メール?友か」
男「さっきはビビったよ、でも、かっこよかったぜ。お前、あんなに強かったんだな」
男「…は?」
男「ただいまー」
父「おかえり、息子よ。さて、今朝の話だが」
男「攻略の話なら今度な、バイト行って来ます」
父「お、おい、ちょっと」
男「いらっしゃいませー」
女「これ下さい」
男「は、はい、かしこまりました」
男(美人だなぁ)ニマニマ
女「…?どうも」
男「後輩」
後輩「なんスか、男先輩」
男「休憩いってくる」
後輩「もうそんな時間スか、いいっスよー」
男「ありがとう」スタスタ
後輩「…?変な先輩」
ブォンブォンパラリラパラリラ
dqn「おらぁ!男!いるんだろぉ!出てこい!」
チーマー「dqn先輩、あんなガリガリに負けたってマジ?」
dqn「るせぇ!ならお前がやってこい!」
チーマー「へっ、楽勝っすよ」
後輩「な、なんだ、チンピラどもが…」
チーマー「あ?テメエ、なにバカにしくさってんだ?おお!?」
後輩「ひっ…店長!」
店長「」ダッ
後輩「に、逃げないで下さいよ!」
チーマー「男って奴出せよ。さもないとボコんぞ」
後輩「そんな、男先輩は今…その」
男「…呼ばれた気がしたんだが」
チーマー「おー、男発見…悪いけどさ、俺にぶっ殺されてよ」ニヤ
男「店の中では静かにしてくれねえか…それにここは駐車禁止だよ、ハゲ」
チーマー「」プチッ
チーマー「お前らぁ!やっちまうぞ!」
チーマー2「ひゃはぁ!」
チーマー3「うひょひょ!」
男「はぁ…めんどくせえな」
スポポポーン
チーマー達「ぎゃっ」
dqn「終わったかぁ?…んなっ」
男「おう、そこの全裸の変態達はお前のツレか?さっさと連れて帰ってくれ」
dqn「ちくしょう、覚えてろ!」ダッ
後輩「先輩かっけぇ…」
男「うっ…急に疲れが…ん?おい、休憩時間だぞ後輩、早く行ってこい」
後輩「先輩…今のを何も無かったかのように…かっけぇッス!ありがとうございます!」
男「??…おう」
男「やっと終わったか、お先ー」
後輩「はいっス」
男「ただいま」
父「おかえり」ジッ
男「…なんだよ」
父「いや…」
父「やはり、あいつには…」
父「先祖の賢者の血が流れている」
第一話 完
第二話
男「日曜日…学校もバイトもない」
父「良かったな」
男「父さん、いつになったら仕事探すんだ?」
父「息子よ…最近、変わった事が起きていないか?」
男「話そらすなよ」
父「例えば、自分の意識が無くなっているような感覚…」
男「!」
父「気が付けば、さっきと違う場所や状況」
男「…」
父「賢者の血が、お前自身を取り込もうとしている」
男「そ、そんな訳ないだろ、変な妄想やめろよ」
父「例えば、興奮状態からさめた時には、自分の意識は」
男「う、うるさい!…ビデオ屋行ってくる」ガタッ
父「…あ、待ってよまだ話してるのに」
男「こないだからおかしい」スタスタ
男「俺も、父さんの言動も」
男「…チッ」
後輩「いらっしゃいませ…って先輩」
男「おう……これにしよう」
後輩「元気ないっスねぇ…って、ヤらしい物見るんスね、これで元気になりたいんスか?」
男「ははは、そうだな…お前、女のクセにデリカシーないな」
後輩「あははは、ありがとうございましたー」
男「…」スタスタ
男「ただいま」ガチャ
男「父さんはいないか…」
ガタタン
男「か、帰って来たのか」アセアセ
父「逃げろ、息子よ!」
男「ど、どうしたんだよ」
父「隣の家から火が出ている!早くするんだ!」
男「なんだって!くっ…」バタッ
父「早く…?おい、どうした!」
男「ガタガタ騒ぐな」ムクッ
父「まさか…」
男「確かに火がでている、すでにこの家に燃え移っているな」
男「ハアーッ!」カッ
父「!?眩しいっ…」
男「火は消えたぞ、お前のやるべき事はなんだ?」
父「!中の人間が無事か確かめに行く!」
男「それでいい」
男「ん?なんで俺、立ち上がってんだ?」
男「なんか煙たいし…あっ、ビデオ終わってるし」
男「…最初から見るか」
父「息子よ、近所の人達は無事だったようだ」
男「は、何の話?」
父「さっきの火事だ」
男「だから何の話?」
父「そうか、やはり意識を…賢者の血が濃くなっているのか、もしくは…」
男「マジで何の話だよ…」
翌日
男「学校行って来ます」
父「待ってよ」
男「何で俺が出かけると止めるんだよ」ガチャ
男「おっ、友だ」
友「おう、男!この間は…ありがとな」
男「…?」
友「それより、ニュース見たかよ、お前の家の隣の火事!」
男「火事なんてあったのか?」
友「ええーっ知らないのかよ!」
男「多分、出かけてたな」
友「ある意味ラッキーだな、お前」
男「おい、もうこんな時間だぞ!」
友「うおっ、遅刻する!」
キーンコーンカーンコーン
男「やっと終わったかぁ…月曜日ってだるいな」
友「帰ろうぜ、男ー」
男「おう」
男「しかし、みんなが聞いてくるよな」
友「何が?」
男「火事だよ、俺知らねっての」
友「ははっしょうがないさ、それに皆無事だったらしいしさ」
男「ふーん」
ブロロロ
男「あ、あぶねぇ!車が!」
友「え、うわぁ!」ドガッ
おばさん「きゃあー!ひき逃げよ!」
男「友、友ー!」
友「」シーン
男「救急車を…かあっ、頭がぁ…」ガクッ
男「この男を、死なせはしない…」ポワッ
おばさん「なにしてんのあんた!だれか!来てー!」
男「カアアッ!」
友「はっ!」ムク
おばさん「ひえっ、起き上がった!あんた、大丈夫かい?」
友「え、なになに?どうなってんの?今、俺、車にひかれたよな…」
男「ん…どうした友、そんなとこ座って」
おばさん「とりあえず、私はそこの交番にかけ込むから!」ダダダ
男「なにあのおばさん?」
友「さあ…あ、転んだ」
男「いいから帰ろうぜ」
友「あ、お、ああ…すげー痛かったんだが…夢?」
男「ただいま」
父「おかえり、息子よ」
男「じゃ、バイトに行って来ます」
父「あぁん待って早い」
男「」シカト
第二話 完
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