あかり「ママ」
結衣「なぁに、あかり?」
あかり「なんで……なんでパパはお家に帰ってこないの?」
結衣「っ」
あかり「もう、二年もお家に帰って来てないよ」
結衣「……」
あかり「ねぇなんで?」
結衣「…………それはね」
結衣「……パパがもうママのことを好きじゃなくなっちゃったからなの……」
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あかり「えっ!?」
結衣「……」
あかり「なんでママのこと好きじゃなくなっちゃったの?パパとママは凄く仲良しだったのに、なんで?」
結衣「なんでだろうね……ママがダメダメだったからかな………」
あかり「ママはダメダメなんかじゃないよ!」
結衣「あかり……」
あかり「ママはいつだってあかりやパパの為に頑張ってくれてたよ!ダメダメなんかじゃない!」
結衣「……」
あかり「パパに……パパに会いに行こうよ!」
結衣「それは……」
あかり「あかりとママがいっしょうけんめいお願いしたら戻ってきてくれるよ!」
結衣「……」
あかり「ね?ママ行こうよ……」
結衣「……あかり、ごめんね」
あかり「なんで!なんで行かないの!」
結衣「もう……ダメなの」
あかり「なん、で……」
結衣「パパね別の女の人と結婚するの……」
あかり「えっ……」
結衣「昨日ね正式に離婚が決まったの……だからもうパパとママは夫婦じゃないの」
あかり「そんなぁ……」
結衣「……ごめんね あかり」グスッ
あかり「嫌だよ、そんなの嫌だよぉ……」ウルウル
結衣「ごめんなさい」ポロポロ
あかり「パパに……会いたいよぉ……」ポロポロ
結衣「あかりぃ」ダキッ
あかり「ままぁ……」ポロポロ
ゆるゆりって作品は一度も見たことが無くて知らなかったんですが、どうやら ゆいってキャラとあかりってキャラがいるみたいですね。
驚きです!
このあかりというキャラはゆるゆりじゃない別の作品の妹キャラの名前から取ったものです。
なのでゆるゆりとはなんの関係もありません。
八幡「おい……」
結衣「なに? 八幡」チラ
あかり「なに? パパ」チラ
八幡「何じゃないだろ、日曜の朝から何やってんだよアホの子親子……」
結衣「な! アホの子じゃないよ!」プンプン
あかり「そうだよ パパ! ママはアホの子かもしれないけど、あかりはアホの子じゃないよ!」プンプン
結衣「ちょ、ちょっとあかり!?」
八幡「そうだったな、あかりはアホの子じゃなかったな」ナデナデ
八幡「(結衣がアホの子だったらその子供のあかりは『アホの子』ってことになるんだけどな)」
あかり「まったく……」プクー
結衣「ちょっと! なんであたしだけ?」
八幡「えっ? だって結衣がアホの子なのは昔から決まってるじゃん」
結衣「決まってるんだ……」
あかり「だってママ、この前あかりの宿題を手伝ってくれたけど、間違ってばっかりで全然ダメだったよね?」
結衣「そ、それは……」
八幡「マジかよ……小学ニ年生の宿題も手伝えないって……」
結衣「ち、違うの! ちょっとしたうっかりミスなの!」アセアセ
あかり「うっかりミスって感じの間違えじゃなかったような……」チラ
結衣「ぎくっ……」ビクン
八幡「お前仮にも俺と同じ大学を卒業したんだからせめて小学生の勉強くらいは出来ろよ……」
結衣「うっ……」
あかり「ママ落ち込まないで」ナデナデ
結衣「あかりぃ……」ウルウル
八幡「母親が自分の子供に慰められてる光景とかシュール過ぎだろ……」
八幡「というか、話を戻すけど、なんなんだ? あの悪意のある寸劇は……」
結衣「それは八幡が日曜日なのに何処にも連れて行ってくれないから」
あかり「パパに嫌がらせをしようと思って」
結衣 あかり「やったんだよ!」
八幡「仲いいな……」
結衣 あかり「えへへ♪」
八幡「たっく……嫌がらせだとしても内容が酷すぎるだろ……」
結衣「だってあれくらいしないと八幡には響かないと思ったから、ねー?」チラ
あかり「ねー?」チラ
八幡「……それでもあの寸劇はメチャクチャ過ぎる」
結衣「えー、そうかな? 結構よく出来てたと思ってたんだけどな」
八幡「俺が結衣のこと嫌いになるわけないだろ//」プイッ
結衣「八幡//」カァ
あかり「もーイチャイチャしない!」
八幡「それにあかりを悲しませるような事も全体にしない」キリ
あかり「パパ//」カァ
結衣「イチャイチャしない!」
八幡「というか何処にも連れて行ってくれないって先週動物園に行ったばかりだろ……」
結衣「先週は先週!今週は今週!別物なの!」
あかり「そうだ!そうだ!」
八幡「なにその、お母さんが子供に言う『他所は他所!うちはうち!』みたいな決まり文句」
結衣「そんなのはどうでもいいから!何処かに連れてってよ!」
あかり「そうだ!そうだ!」
八幡「えー」
結衣「何処にも連れていってくれない八幡なんか嫌いになっちゃおうかなー」チラ
八幡「それはちょっと困るな……でもなぁ……」
あかり「連れてってくれないならパパのこと嫌いになる!話しかけられても無視する!」
八幡「よし!行こう!」
結衣「ちょっと!あたしの時と反応が違いすぎない!?」
あかり「やったー♪」
結衣「なんか納得行かない……」
八幡「で、今日は何処に行くんだ?」
あかり「水族館!水族館がいい!」
八幡「よし! 決まり!」
結衣「 即決!?」
八幡「あかりの行きたい所は皆の行きたいところだからな」
結衣「むー」プクー
八幡「ん?どうした河豚の真似か?」
結衣「違うよ!」
八幡「じゃぁどうしたんだ?」
結衣「あかりにばっかりデレデレしすぎ!」
八幡「自分の娘に焼きもち焼くなよ……」
あかり「ママ……」
結衣「だ、だって八幡がぁ……」シュン
八幡「はぁ……その、悪かったよ」ナデナデ
結衣「い、いいよ 別に//」カァ
あかり「パパ! あかりの頭も、撫でて! 撫でて!」ピョンピョン
八幡「はいはい」ナデナデ
結衣「えへへ♪」
あかり「えへへ♪」
八幡「はぁ……」
八幡「準備は整ったか」
結衣 あかり「はい!」
八幡「それじゃプリキュアを見たら出発だ」ピッ
テレビ「ハピネスチャージプリキュア!」
結衣「えー!!」
八幡「どうした?」
結衣「どうしたじゃないよ!直ぐに行くんじゃないの!?」
八幡「ばっかお前 プリキュアを見ないことには何も始まらないだろ」
結衣「始まるよ!」
あかり「そうだよ!」
結衣「だよね あかりからも言ってあげて」
あかり「プリキュアを見ないことには何も始まらないよ」
結衣「あかりもプリキュア大好きなんだった……」ガクッ
八幡「ほら 結衣もそんな所にいないでこっちで一緒にプリキュアを見ようぜ」
あかり「ほらママ 早く 早く」ポンポン
結衣「もー……分かったよ」
結衣「よし!今度こそ水族館へレッツ・ゴー♪」
あかり「レッツ・ゴー♪」
八幡「……」
結衣「ほら 八幡もレッツ・ゴー♪」
八幡「いや、俺はいいよ……それより早く行くべ」
結衣「八幡のり悪すぎ!」プンプン
あかり「パパのり悪すぎ!」プンプン
八幡「はいはい」
結衣「もー」ムスッ
あかり「まったく」ムスッ
八幡「すまんすまん」ナデナデ
結衣「えへへ♪」ニコニコ
あかり「えへへ♪」ニコニコ
八幡「(ちょろすぎだろ……)」ナデナデ
結衣「あっ!」
あかり「?」
八幡「どうした?」
結衣「サイフ忘れた……」
八幡「はぁ……早く取りに行ってこい」
結衣「うん、待っててよ」
八幡「わかったわかった」
結衣「絶対置いてったりしないでよ!」
八幡「いいから早く行けって……」ジトー
あかり「ママ、早く……」ジトー
結衣「う、うん……」
あかり「あっ、ママお帰りー」
結衣「ただいまー」
八幡「もう、忘れ物はないな」
結衣「うん! だいじょっ……あっ!」
八幡「今度はなんだ」
結衣「家のカギ締めるの忘れた……」
八幡「はぁ……早く行けってこい」
結衣「う、うん……ごめんね」
八幡「いいよ」
あかり「ママ、慌てないでいいよ」
結衣「ありがとう二人とも」
あかり「あっ、ママが戻ってきた」
結衣「お待たせ」
八幡「……おい」
結衣「ん? なに?」
八幡「鞄はどうした」
結衣「あっ!」
八幡「もういい、俺が行く」
結衣「えっと……その……ごめん」シュン
八幡「いいよ」ナデナデ
あかり「あっ!」
八幡「ん?どうしたあかりも忘れ物か?」
あかり「ううん、違うよ。これが弥生ちゃんが言ってたドジッ子なんだなって思っただけ」
結衣「ドジッ子って……」ショボーン
あかり「あかり違うぞ。結衣はドジッ子じゃないぞ」
結衣「八幡」キラキラ
八幡「結衣はアホっ子だ」
結衣「なんでだしっ!」
あかり「あっ、そっかーママはアホっ子だったね」
結衣「あかりも納得しないで」
八幡「三回も連続で忘れ物してんだからアホっ子だろ」
結衣「それは……」
あかり「ママ、アホっ子確定!」
結衣「うぅ……」
八幡「しょうがないな」
結衣「八幡」パァ
八幡「アホっ子が嫌ならアホの子でもいいぞ」
結衣「どっちも一緒だし!」
八幡「流石にバレたか」
結衣「もー! あたしのことバカにしすぎ」
八幡「それじゃ行ってくる」
結衣「あっ、ちょっ、もー!八幡のバカ!」プンプン
あかり「ママ、大丈夫だよ。女の子はアホなほど可愛いっていうから」
結衣「全然大丈夫じゃない」ショボーン
あかり「あっパパが戻って来た」
結衣「え?さっき行ったばかりだよね。どうしたんだろ?」
あかり「どうしたのパパ?」
八幡「……カギ忘れてた」
あかり「似た者夫婦だね」
―水族館―
結衣「到着♪」
あかり「到着♪」
八幡「テンション高いな」
結衣「ほらほら 行くよ 八幡」グイッ
あかり「早く!早く!」グイッ
八幡「おわ!引っ張るなよ服が延びちゃうだろ」
結衣 あかり「八幡(パパ)の服なんかどうでもいいよ」
八幡「ひでぇ……つうか、まだチケット買ってないだろ」
結衣 あかり「あっ!」
八幡「やっぱり、親子だな」
結衣「あ、あかりが……」
あかり「マ、ママが……」
八幡「はいはい、今チケット買ってくるから大人しく待ってろ」
結衣 あかり「はい……」
結衣「よし! チケットも買ったしー」チラッ
あかり「今度こそー」チラッ
結衣 あかり「行こー!」
八幡「他の人の迷惑になるから大声出すな」
結衣 あかり「……はい」シュン
八幡「ほら、行くぞ」
結衣 あかり「うん♪」
あかり「パパ、パンフレット見せて」
八幡「ん」スッ
あかり「ありがとうパパ♪」
八幡「どういたしまして」
あかり「ふむふむ」ジー
結衣「やっぱり、日曜だから混んでるね」
八幡「だな、そういえば昼からイルカショーがあるらしいぞ」
あかり「うむうむ」ジー
結衣「そうなの? だったら早めにお昼食べて会場に行かないと混んでるから席なくなっちゃうよね」
八幡「だな、昼の1時からショーが始まるから、この混み具合だと30分前には会場に行かないとな」
あかり「はむはむ」チラッ
結衣「お昼は水族館の中にあるレストランでいいでしょ?」
八幡「ああ」
あかり「ひむひむ」チラッチラッ
結衣「11時30分くらいに食べにいく?」
八幡「あー、でも多分レストランも混むからちょっと早いけど11時くらいに食べにいくべ」
あかり「へむへむ」チラッチラッチラッ
結衣「うん、今が……大体……えっと……9時半過ぎだから、あと1時間30分くらい時間あるね」
八幡「あれ?」
あかり「ほむほむ……」シュン
結衣「なに?八幡」
八幡「お前、腕時計は?」
あかり「まむまむ……」シュン
結衣「……えへへ♪」
八幡「笑って誤魔化すな」
あかり「……みむみむ」シュン
八幡「で?」
結衣「……なくしちゃいました」
あかり「……めむめむ」
八幡「……」
結衣「ごめんなさい」
八幡「はぁ!? 先週買ってやったばかりだろ」
結衣「うぅ……ごめんなさい」
八幡「無くすの早すぎだろ……」
結衣「二日前まではあったんだけど…………家中を探したけど見つからなくて……」
八幡「……」
結衣「ご、ごめんなさい」ウルウル
八幡「たっく……ほれ」スッ
結衣「えっ? あ、あれ? なんで八幡が時計、持ってるの!?」
八幡「昨日、隼人から渡されたんだよ」
結衣「えっ? なんで隼人くん?」
八幡「お前、二日前に優美子と姫菜と一緒にママ会だったかを葉山家で開いたんだろ」
結衣「あっ!!」
八幡「そん時に忘れてったらしいぞ」
結衣「あー……」
八幡「たっく、毎度毎度……」
結衣「……」
八幡「小学生じゃないんだからよ」
結衣「……だ、誰だって忘れ物くらいするじゃん」
八幡「お前は多すぎだ」ペシッ
結衣「あうっ」
八幡「物だってよく無くすし」
結衣「うぅ……」
八幡「もう、一児の母なんだからしっかりしろよ」
結衣「あい」チラ
八幡「……返事を可愛くしてもダメだ」
結衣「はい」シュン
八幡「分かればよろしい」ナデナデ
結衣「えへへ♪」
あかり「……」プルプル
結衣「あれ?でも昨日隼人くんから返してもらったんだよね」
八幡「ああ、そうだけど?」
結衣「じゃ、なんで昨日の内に返してくれなかったの?」
八幡「え? いや……あの……」
結衣「昨日は土曜だから何時もより帰って来るの早かったよね」
八幡「……ああ」
結衣「時計を返す時間ならいくらでもあったよね」
八幡「だな」
結衣「なんで今、渡したの?」
八幡「……忘れてた」
結衣「へー」
八幡「……」
結衣「さっきはあたしに忘れ物するなとか言ってたけどさ……」
八幡「な、なんだよ」
結衣「八幡も結構忘れ物するよね?」
八幡「うっ……」ギクッ
結衣「ここに来る前のあれはさ、あたしをフォローするためにわざとやってくれたのはわかるよ? 」
八幡「……」
結衣「あたし八幡のそういう優しいところ好きだよ//」
八幡「お、おう//」
結衣「でも、そうじゃなくてただ単に忘れ物とかもしてるよね」
八幡「……」
結衣「八幡が仕事で必要な書類を家に忘れた時にわざわざ会社まで届けたのって誰だっけ?」
八幡「結衣です」
結衣「それも一回や二回じゃないよね? 何回くらいだっけ?」
八幡「わかりません」
結衣「八幡さ、最近思ったんだけどあたしに甘えすぎじゃない?」
八幡「……」
結衣「確かにもっとあたしに甘えてって言ったよ? でもあたしが言った甘えてはこういうことじゃないよ?」
八幡「……」
結衣「少しだらしないよ」
八幡「……」
結衣「もう、一児のパパなんだからしっかりしてよね」
八幡「あい」チラッ
結衣「可愛く返事をしてもダメっ」
八幡「はい」シュン
結衣「分かればよろしい」ギュー
八幡「おわ! おい、抱きつくなよ//」カァ
結衣「えー、だってさっき八幡もやってくれたじゃん」ギュー
八幡「俺は抱きついてない。頭を撫でただけだ」
結衣「あれ?そうだっけ?……でもいいじゃん♪」ギュー
八幡「お前はもう少し人目を気にしろ」
結衣「あたしに抱きつかれるのそんなに、いや?」
八幡「……い、嫌じゃねぇよ」フイッ
結衣「えへへ♪」ギュー
八幡「たっく」ナデナデ
あかり「いい加減にしろーー!!」
八幡 結衣「うわ!?」
あかり「さっきから、あかりが大人しくしていたらなんなの!」
八幡「お、落ち着けあかり」
結衣「ど、どうしたの?」
あかり「どうしたの? じゃないよ! 子供ほったらかしてなに夫婦でイチャイチャしてるのさ!」
八幡「あー……」フイッ
結衣「いやー……」フイッ
あかり「水族館に来たのになんか不穏な空気が流れて来たと思ったらイチャイチャして かと思ったら また 不穏な空気が流れてきて と思ったらイチャイチャして!」プンプン
八幡 結衣「……」
あかり「人目も気にしないで付き合いたてのバカップルみたいにイチャイチャイチャイチャ」プンプン
八幡 結衣「すみません」
あかり「あかりがせっかくボケてるのに二人とも気付かないし……」プンスコ
八幡「ボケ?」
あかり「『はむはむ』とか『めむめむ』とかボケてたの!」
結衣「気がつかなかった……」
あかり「二人がイチャイチャしてる横であかりは二人に構ってほしくて健気にずっっっっっっっっっっっっっと!ボケてたの!」
八幡「(なんか、言ってんなって思ってたけどボケてたのか……)」
あかり「むーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
八幡「あ、あかり悪かったって」ナデナデ
結衣「ご、ごめんね? あかり」ナデナデ
あかり「なでなでしてもダメっ」プイッ
八幡 結衣「あかり……」
あかり「…………あかりのことぎゅうってしてくれたら許してあげてもいいけど……」チラ
八幡「ふっ」チラ
結衣「ふふ」チラ
あかり「ふん」フンス
八幡 結衣「ごめんな(ね)」ギュー
あかり「……今回だけは特別に許してあげる//」プイッ
八幡「どうも」ニコニコ
結衣「ありがとう」ニコニコ
あかり「えへへ♪」ギュー
あかり「あっ!見て見てママが泳いでるよ!」
八幡「へーどれどれ……ぷっ、ホントだ結衣が泳いでる」
結衣「ホント? どこどこ」キョロキョロ
あかり「ほら、あそこ」
フグ「……」
結衣「何でだしっ!」ペシッ
八幡「イテッ、なんで俺?」
結衣「八幡があたしのことフグなんって言うからでしょ」
八幡「そうだけどよ」
あかり「パパが悪い」ウンウン
八幡「あかりには言われたくないけどな」
結衣「次は深海魚コーナーに行こうよ」
八幡「別にいいけどなんでだ?」
あかり「?」
結衣「八幡に似た魚が沢山泳いでるから」
八幡「俺の目はあそこまで酷くないぞ」
結衣「えー、そうかな?」
あかり「でもたまにパパの目って酷いことになってるよね♪」
八幡「あかりはたまに酷いことに言うよな」
あかり「そう?」
結衣「まっ、八幡の目は全盛期よりはましになったけどね」
八幡「全盛期ってなんだよ」
結衣「でも残業が続いた日とかは酷いことになってるよ」
八幡「えっ? そんなに酷いのか?」
結衣 あかり「うん♪」ニコッ
八幡「そんな可愛い笑顔で肯定されると余計 心に来るからやめろ……」
結衣 あかり「か、可愛いって//」カァ
八幡「ほら、タコみたいな顔してないで次行くぞ」
結衣 あかり「タコってなんだしっ!」
あかり「わー♪ パパがいっぱい泳いでる♪」ニコニコ
結衣「ホントだ♪ 八幡がいっぱい♪」ニコニコ
八幡「言っておくけど、お前らが思ってる以上に俺の心は傷ついてるからな」
あかり「タコって言った仕返しだよ?♪」
結衣「うわっ この魚気持ち悪い」
あかり「ホントだ。気持ち悪い」
八幡「深海魚コーナーにはもう来たくない……」シュン
結衣「パパが泣いちゃうからこれくらいにしておこうか♪」ニコニコ
あかり「そうだね♪ 」ニコニコ
八幡「はぁ……次は何を見る?」
あかり「ペンギンさん! ペンギンさんが見たい!」ピョンピョン
結衣「じゃ、ペンギンさんコーナーに」チラ
あかり「レッツ」チラ
八幡「……はぁ……ごー」
あかり「パパテンション低すぎ」
結衣「八幡しっかり」
八幡「お前らのせいでテンション下がってるんだけどな」
あかり「もう一回いくよ」
結衣「八幡次はしっかりね」
八幡「へいへい」
結衣「ペンギンさんコーナーに」チラ
あかり「レッツ」チラ
八幡「ゴーー!!」ピョン
結衣 あかり「……」
八幡「えっ? なんで?」
あかり「ご、ごめんねパパ」
結衣「八幡は悪くないから」
あかり「思ってた以上にパパがのりのりだったから……」
結衣「さっきと高低差がありすぎて耳がキーンってなっただけだから」
八幡「もう、絶対にやらないからな」
あかり「ママどうしようパパが拗ねちゃった」
結衣「大丈夫、あかりとあたしがぎゅうってしたら直るから」
八幡「そんなことしなくていいから」
あかり「そっか、じゃ、早速」
八幡「ちょっ、まっ」
結衣 あかり「ぎゅうー」ギュー
八幡「//」
あかり「パパ照れてる♪」ギュー
結衣「可愛い♪」ギュー
八幡「だから、お前らはもう少し人目を気にしろ」
結衣 あかり「えへへ♪」ニパァ
八幡「(その笑顔は反則だろ……)」
あかり「パパ、ママ!ペンギンさん! ペンギンさんがたくさん歩いてる!超可愛い♪」
結衣「ホントだ、超可愛い♪」
あかり「いなー、あかりペンギンさんのことぎゅうってしたいな」
結衣「あっ!あたしもしたい」
八幡「……」
あかり「もこもこしてて気持ち良さそうだよね♪」
結衣「だね♪」
八幡「……」
結衣「てこてこ歩いてる姿が愛らしいね♪」
あかり「たまらないね♪」
八幡「……」ムスッ
あかり「あっこけた」
結衣「でも、可愛いね♪」
あかり「だね♪」
八幡「なぁ、知ってるか? 」
結衣 あかり「なに?」
八幡「ペンギンの語源ってラテン語で肥満って意味らしいぞ。そう考えてペンギンを見て見るとメタボなサラリーマンが営業で外回りしてるみたいだな」
結衣「……」ジー
あかり「……」ジー
八幡「……」チラ
あかり「全然、可愛くない……」シュン
結衣「ホントだ……」シュン
八幡「(罪悪感がやばい……)」
結衣「次、行こうよ……」
あかり「うん……」
八幡「大人気なかったな」
あかり「サメだ! サメがいるよ!」
結衣「あっホントだ」
あかり「あれ?」
結衣「ん? どうしたのあかり」
あかり「なんであのサメさんは他の魚を食べないの?」
結衣「あー、確かに」
あかり「何でかな?」
結衣「きっとお腹いっぱいだからじゃない?」
あかり「そっか」
八幡「それもあるけど、他にも理由があるんだよ」
あかり「他にも?」
八幡「ああ、500種類くらいいるサメの多くが魚を襲わなかったりするんだ」
結衣「そうなの!?」
八幡「人間を襲うって言われてるサメで30種類くらいだったかな」
あかり「ほー」
結衣「じゃ、サメは何を食べるの?」
八幡「プランクトン食べたり、貝やカニを食べたり、あとは弱った魚だったら襲って食べたりするな」
結衣「そうなんだ」
八幡「基本的に魚類は自分の口より大きい餌は食べないから色々な魚を一緒の空間に入れる時は身体の大きさを調整させて襲わせないようにしてるんだよ」
あかり「ほへー」
八幡「それにサメは肉食魚の中でも比較的大人しい性格なんだ」
結衣「サメが?」
八幡「ああ」
あかり「あかり、サメは凶暴だと思ってた」
八幡「種類にもよるがな、あっでも血の匂いを嗅ぐと興奮して凶暴になったりするな」
結衣「流石はハチぺディア」
あかり「パパってサメに似てるよね」
八幡「そうか?」
あかり「うん、普段のパパは大人しいけど、この前あかりが指を切って血が出た時に救急車って興奮してたからサメと同じだね♪」
八幡「そりゃ世界一大切なあかりの指から血が出てたんだからしょうがない」
結衣「親バカ過ぎ」
あかり「でも、あの時のパパの慌てようは以上だよ。指から血がちょっと出ただけなのにあかりちょっと引いちゃったもん」ジトッ
八幡「すまん」
あかり「まっ、それだけパパがあかりのことを思ってくれてるって事だもんね」ニコッ
八幡「あ、あかりぃ」キラキラ
結衣「八幡チョロすぎ……」ムスッ
八幡「そろそろ昼飯食べにいくか」
あかり「え、もうごはん食べるの?」
結衣「お昼からイルカショーがあるから早めに食べるんだよ」
あかり「ふーん」
八幡「あんまりお腹減ってないのか?」
あかり「ううん、お腹は減ってるっていったら減ってるけど……」
結衣「ん? どうしたの?」
八幡「まだ、見てたいのか?」
あかり「えっと……行きたい所があるんだけど」
結衣「そうなの? だったらそこに行ってからお昼ごはんにする?」
あかり「うん♪」
結衣「八幡もいいよね」
八幡「ああ、構わないぞ。で、どこに行きたいんだ」
あかり「お化け屋敷」
八幡 結衣「お化け屋敷!?」
あかり「パンフレットにね 載ってたの」
八幡「へー水族館なのにそんなのがあるんだな」
結衣「どんな感じなんだろうね」
あかり「早く行こう♪」
八幡「はいはい」
あかり「あっ! あれだ!」
八幡「以外と空いてるな」
結衣「ホントだね」
係員「ここから先は海賊たちの墓場となっています。一度入った者は二度と戻ってはこれない恐ろしい場所です。それでもいくと言う勇敢な人はどうぞ中へお入りください」
きゃーー!!
うわぁーー!!
八幡「以外と怖そうだな」
結衣 あかり「うん」ギュッ
係員「なお、注意事項としまして脅かし役を殴る蹴るなどしないようお願い申し上げます」
八幡「急に現実的になったな」
結衣 あかり「うん」
係員「次のお客様、前にどうぞ」
あかり「はぁーい♪」
係員「あら、いいお返事ね」ニコッ
あかり「ありがとうございます♪」
係員「でも、大丈夫かな? ここはそうとう怖いよ?」ニヤリ
あかり「だ、大丈夫だもん!」
係員「本当に?」
あかり「あ、あかりにはパパとママが着いてるもん」
結衣「ごめんあかり……あたし、こういうの苦手なの……」
あかり「えっ……で、でもパパは大丈夫だよね。前に幽霊なんて怖くないって言ってたもんね」
八幡「ああ、お化け屋敷の幽霊なんて怖くないな。怖いのは人間だ」
あかり「よかった」ホッ
結衣「あっ……」チラ
八幡「……だから、人が脅かすタイプのお化け屋敷が一番怖い」
あかり「パパの意気地無し! 」
係員「あはは……」
結衣「係員のお姉さんにまで呆れられてるし」
係員「あっオッケーみたいですけど………やめますか?」
あかり「大丈夫です。入ります」
係員「大丈夫?」
あかり「情けないパパとママの代わりにあかりが頑張ります」
係員「そう?……」チラ
結衣「大丈夫です。苦手ですけど」
係員「そうですか、では逝ってらっしゃいませー」ニヤリ
あかり「情けないパパとママはあかりの後ろからしっかり着いてきてね」
八幡 結衣「はい」
あかり「ぎゃーー!!!」
八幡「うわっ!……あかりの声か」
あかり「ガイコツが喋った!ガイコツが喋ったよーー!」ギュッ
八幡「大丈夫だから、な?」
結衣「ひっ!……なんだ八幡か」
八幡「どういうことだよ!」
お化け役1「あぁ……」
あかり「ふぎゃーーー!!!」
八幡 結衣「うわっ」ビクン
あかり「頭がない!頭が!」
八幡「あかりの叫び声の方が怖いんだけど……」
結衣「あかり落ち着いて大丈夫だから」ナデナデ
あかり「もう、やだぁ……お家に帰るぅ……」ポロポロ
八幡「あかり、パパが出口まで抱っこしてやるからおいで」
あかり「うん」グスッ
お化け役2「ぶう!」バッ
あかり「うぎゃーーー!!」
八幡「空気読めや!」
お化け役2「す、すみません!!」ペコリ
結衣「ほら、大丈夫だよ。空気が読めないダメなお化けはパパがやっつけてくれたから」
あかり「うん……」グスッ
八幡「ちっ」ギロ
お化け役2「ひっ……」サッ
八幡「ほら、おいで」
あかり「ぱぱぁ……」ギュー
八幡「音が聞こえないように自分で耳を塞いでろよ」ギュー
あかり「うん」スッ
八幡「よし、逝くか」ニヤリ
結衣「ふざけないで!」ペシッ
八幡「イテッ……」
結衣「あ、あたしだって怖いんだからそんな変な冗談言わないで」
八幡「へいへい……ほら」スッ
結衣「うん」ギュッ
あかり「……」ギュー
八幡「んじゃ、さっさとゴールしちまうか」
係員2「はぁーい♪お疲れちゃんでしたー♪」パチパチ
結衣 あかり「……」グッタリ
八幡「はぁ……疲れた。つうかなげぇよ……(流石に片腕だけであかりを抱っこするには無理があったな……腕が大変なことになってる)」グッタリ
係員2「皆さんが無事に帰ってこれてー♪ 私、超ハッピー♪」キャピン
八幡 結衣 あかり「(うぜぇ……)」
係員2「出口はあちらでぇーす♪ また来て下さいね♪ 待ってまぁーす♪」テヘペロ
あかり「沢山泣いたからお腹すいちゃった」
結衣「あたしもお腹すいちゃったー」
八幡「んじゃ、昼飯食べにいくか」
あかり「うん♪」
藁の楯を見ながらこれ書いてたら凄く悲しくなっちゃったよ。
今日はここまでです。
続きは月曜日に♪
このSSまとめへのコメント
寸劇かい!こっわ!こわすぎや!
つづいて!お願い!