京太郎「原村部長は仏頂面」和「はいはい」 (1000)


※カップリング要素皆無
※ネタ多め


京太郎「ぶちょうがな、ぶっちょうづらでな、な?」

和「……」カキカキ

京太郎「原村ぶちょ」

和「いいから手を動かしてください、須賀副部長」

京太郎「はい」

和「……」カキカキ

京太郎「……」カキカキ

和「六月の合宿先、なんて名前でしたっけ?」

京太郎「○×荘ってとこ。住所いるか?」

和「あ、お願いします」


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京太郎「だからさ、こいつのメニューは詰め込みすぎだと思うわけよ」

和「こっちの子と質、量はそれほど変わりませんけど」

京太郎「そこは個人差だなー」

和「うーん、わかりました。そこはあなたにお任せします」

京太郎「あんま任されっぱでも困る。技術教えんのはお前の役目だからな」

和「そこはまあ、役割分担ということで」

和「……咲と優希がもう少しその分野で頼れれば、私たちももっと楽できたんでしょうけどね」ハァ

京太郎「感覚で打ってる天才の言うことなんか、天才にしか理解できねえよ」ケラケラ

和「それにしたって、あの二人ももう最上級生なんですから」

和「そのあたりの自覚をもっとですね……」ブツブツ


京太郎「あーはいはい」

和「マジメに聞いてください」

京太郎「俺に言われたって困るし」

和「それはそうですけど」

京太郎「だいたい和だって、俺の話時々無視するじゃん」

和「いつも仏頂面で悪かったですね」

京太郎「あれ、聞こえてたんだ」

和「聞こえなかったことにしたかったですよ! っていうかしたんですよ!」

和「毎度毎度どういうリアクションを私に求めてるんですか!?」

京太郎「ああいうリアクション」

和「スルー前提!?」


京太郎「いいツッコミだなやぁ」

和「勘弁してください。私の属性じゃありません」

京太郎「属性なんて言葉を和の口から聞く日が来るとは」

和「咲がやたらとそっち方面の話題振ってくるんですよ。嫌でも覚えます」

京太郎「お前が呼び捨てにするようになってから、五段飛ばしぐらいで気安くなったよな、あいつ」

和「アレと中学時代から付き合ってる須賀くんの苦労がわかりました」

京太郎「しまいにゃアレ呼ばわり。一年夏ごろのお前に見せてやりてー」

和「やめてください死んでしまいます」


京太郎「なんで呼び捨てするようになったんだっけ」

和「なんでって言われても……優希はもちろん憧も穏乃も、親しい友人はみんな呼び捨てしますし」

和「咲だけいつまでもさん付けなのも変じゃないですか」

京太郎「……あれ、俺は?」

和「京太郎って呼んでほしいですか?」ニッコリ

京太郎「一人称は『わっち』で頼むぜ」

和「お断りするでありんす」ニッコリ

京太郎「この女理解してやがる。『香辛料』も見させられたのかよ……」

和「他にも『ギアス』『まおゆう』『境ホラ』あたりを布教されました」

京太郎「あいつはなにがしたいんだ?」


和「まあ、須賀くんは須賀くんですので」

和「土下座して頼むなら名前呼びを考えてあげないでもありませんが」

京太郎「なしてそんな上から目線なのお嬢さん」

和「呼んでほしくないんですか? 呼んでもらう側でしょう須賀くんは」

和「立場の上下というものがありますからね」フフン

京太郎「この二年で性格歪んだよなお前」

和「朱に交わって赤くなったんです! 誰のせいだと思ってるんですか!?」

京太郎「主犯は竹井先輩じゃね?」

和「……ですね」

京太郎「従犯が俺と咲と優希な」

和「染谷部長帰ってきてください」


和「話を戻しますけど」

京太郎「うん」

和「須賀くんは須賀くんでいいですか?」

京太郎「哲学的な質問きたな」

和「須賀京太郎なる男子はいったい何者なんでしょうね……じゃなくって」

京太郎「ノリツッコミだ」

和「須賀くんのこと、きょ」

京太郎「ノリツッコミしたぞあの和が」

和「……」


京太郎「『じゃなくって』ってちょっと控えめにノリツッコミを」

京太郎「途中で恥ずかしくなったんだなきっと、ってぇ!」ゴン!

和「殴りますよ」

京太郎「殴ってから言うな。こんな凶暴なおっぱいに育てた覚えはありません」

和「もう一発ほしいですか?」

京太郎「あ、ちょ、口より先に手を出すな!」アセアセ

京太郎「ホントお前バイオレンスな女になったよな! 後輩に鉄拳指導とかダメだぞ今日日!」

和「須賀くんと咲とゆーきしか殴ったことありませんっ! その内八割が須賀くん宛てです!!」

京太郎「わーい全然嬉しくない特別扱い!」


和「まったく」プンプン

京太郎「で、なんだっけ。俺を名前で呼びたいって話だっけ」

和「あなたが私に呼んでほしいって話でした」

京太郎「いや別に……」

和「えっ」

京太郎「なんか想像しただけで鳥肌立つし……」

和「そこまで!?」ガーン

京太郎「今さら呼び方変えられても違和感バリバリだし……」

和「そっちが本音ですよね!?」


京太郎「ま、いいじゃん。俺らはこんな感じで」

和「そうですか?」

京太郎「一年初めの頃と較べりゃ、この上ないぐらい気楽に友達やれてるよ、俺ら」

京太郎「今さら呼び方どうこうなんて、別に気にやしねえし」

和「……まあ、あなたがそれでいいのなら」

京太郎「さ、だいぶ時間無駄にしたぞ。練習メニュー詰めようぜ」

和「無駄話だって自覚はありましたか」

京太郎「手さえ止めなきゃ、内容自体は無駄にならなかったさ」

和(……どのあたりが?)

京太郎「内容がないようなんてことはないよう! つってな!」ゲラゲラ

和「さあお次はレギュラーのメニューですよー」

京太郎「はーい」


和「優希のタコス、どうしましょう」

京太郎「そりゃあ、俺が作るっきゃねえべ」

京太郎「東京行ったならまだしも、長野で店売りのタコスを安定供給するのは無理があるぜ」

和「学食にタコスがある清澄って、実は相当おかしな学校ですよね」

京太郎「そのおかげでお前ら二人が来たんだから、とんでもない幸運でもあったけどな」

和「……おほん。でも本当にいいんですか?」

京太郎「いいも悪いもそうするしかないし」

京太郎「後輩どもにタコスが満足するレベルの優希は作れないからな」

和「……」

京太郎(そして安定のスルーである)


和「……必ずしも、優希を満足させなくともよいのでは?」

京太郎「おいおい、親友の言葉とも思えないな」

和「優希だって須賀くんに手間を取らせてまではこだわらないはずです」

和「ああいえ、タコスそのものにはこだわるでしょうけど、質という意味で」

京太郎「……判断力がコンディションに左右されるってのは、さすがのお前でも認めるところだろ?」

和「……否定はしませんけど」

京太郎「優希のコンディショニングに一番買ってるのは、やっぱりタコスだよ」

京太郎「美味いもん食って、元気出して、精一杯打つ」

京太郎「そうやってあいつは今まで、全国のエースたちと渡り合ってきたじゃんか」

京太郎「だったら今年もそのために最善を尽くす。それが仲間として、あるべき形だろ?」


和「そのためなら須賀くんは、自分の時間を犠牲にしても構わないっていうんですか?」

京太郎「……」

和「例年通り男子と女子の大会は同時に行われます」

和「優希にタコスが必要な時は、同時に須賀くんにとっても、一番大事な時間じゃないですか」

和「今年はあなたにとって……最初で最後の団体戦、なんですよ?」

京太郎「……」

和「優希のことは、ううん、女子のことは女子でなんとかします」

和「ですから須賀くんは、自分のやるべきことをしっかり」

京太郎「だから、さぁ。そこは役割分担、だろ?」

和「え?」


京太郎「なにも自己犠牲がしたくて、こんなこと言ってるんじゃないんだよ」

京太郎「お前らのできないことは俺がするし、俺のできないことはお前らがするし、でさ」

京太郎「今回の件で言えば、未熟な一年男子どもの指導とか、俺和に丸投げするつもり満々だし」

和「ま、丸投げですか」

京太郎「相談に乗るぐらいならまだしも、指導となると俺にはなぁ」

京太郎「だからそのへんお前に頼むよ……ってな具合に分け合ってくもんだろ」

京太郎「……和はそういうの、嫌かな?」

和「……いえ。嫌じゃありません」

京太郎「おお、そりゃあよかった」

京太郎「こんなこと言って断られたら恥ずかしいもんな」

和「そこまで薄情な人間に見えますか、私は」

京太郎「冷徹ではあるわなー」

和「そこは否定するところですよね!?」


京太郎「冷徹にはなれるけど、人の心がわかってないってことはないよ」

和「……あまりそういったことは自信がないのですが」

京太郎「そういう意味では、竹井先輩と同じようなもんかもなー」

和「えっ。私が、先輩と、ですか?」

京太郎「先輩はさ、目的のために取捨選択できる人だったよな」

京太郎「そんで、捨てたもんに対しても非情にはなりきれない」

京太郎「引退して以降、あの人がどれだけ俺のことを気にかけてくれたか」

京太郎「お前だって知らないわけじゃないだろ?」

和「……ええ、そうでしたね」

京太郎「なー? そういう風に男子とか女子とか関係なく支え合うのが……」

和「清澄のやり方、ということですね」クスッ

京太郎「わかってきたじゃあないか原村くん」

和「何様ですか」



ガチャ


優希「おいーっす」

咲「こんにちはー」

京太郎「よっす」

和「こんにちは」

優希「なんだ、バカに早いな二人とも」

京太郎「今日は午後の授業入れてねーんだ」

和「右に同じく」

咲「お昼から部室にいたの?」

優希「まったく、うちの部長様は生真面目なこったじぇ」ヤレヤレ

京太郎「おい俺は」


優希「のどちゃんと二人きりで何時間も、とか完全にご褒美だろこの犬!」

京太郎「仕事してたんだけどなぁ」

優希「あ、そーなのかごめん」

京太郎「いえいえ。実際ご褒美はなんももらえなかったけどな!」

和「ゲンコツなら一発差し上げましたけどね」

京太郎「そういうのもらっても趣味じゃないんで……」

和「趣味だったとしたらあげてませんからね」

咲「それにしても仲良くなったよねー二人とも。特に三年になってから」

和「……」

京太郎「露骨に嫌そうな顔すんのやめろお前」


咲「あ、そうだ和ちゃん。今朝はありがとね」

和「……」

優希「わお、こっちでも露骨に苦い顔」

京太郎「今朝ってなんかあったのか?」

咲「いやぁ。数学と倫理と世界史の教材、丸々忘れてきちゃって」テヘッ

優希「おお、もう……」

和「それでこのポンコツさんのために、私は朝から方々走り回らされたんです」ゲンナリ

咲「ポンコツ!? ねえ和ちゃんポンコツはひどくない!?」

咲「クラス同じになってからとみに扱いひどいよ和ちゃん!」

京太郎「実態はこんなもんだっただろ、和」

和「百年の恋も冷めるレベルでした」


咲「うわーん和ちゃんの私株がストップ安! 助けて京ちゃんゆーきちゃん!」

京太郎「パラメータ上げようぜ」

優希「ポンコツ直そう、さっちゃん」

咲「簡単に直ったら苦労しないもん」イジイジ

和「須賀くんがてんやわんやしてるのを傍から見てる分には面白かったんですけどね……」

京太郎「おい」

和「今にして彼女の面倒を見続けてきたあなたの偉大さがわかりました」

京太郎「惚れ直した?」ドヤ

和「そもそも惚れてないので……」

優希「私は同じクラスなったことないからわかんないや」ケラケラ

咲「うう」イジイジ


優希「にしても、後輩どもがなかなか来ないじぇ」

咲「三年は帰りのSHRなぁなぁだから、終わるの早いんじゃない?」

和「あっ」

咲「どしたの和ちゃん」

和「SHR、忘れてました」ガックリ

咲「そういえばいなかったね」

優希「いなかったからさっちゃん、私と二人で来たわけだしな」

京太郎「いいじゃん別に、あんなのいる奴だけで。俺も出なかったし」

優希「ウチの担任も無理して来なくていいっつってたじぇ」

和「でも、もしも重要な連絡事項があったりしたら! 今からでも職員室に行って……」

咲「なんもなかったよー」

和「あう」


優希「さ、のどちゃんの貴重でもない『あう』をいただいたところで、時間つぶしに一局打つか」

京太郎「さんせー」

咲「時間ないからって東風戦は、やめてよね」

京太郎「本気で東風戦したら、僕たちが君にかなうはずないだろ」

優希「それでも守りたい東場があるんだじぇ」

咲「えっやるの?」

優希「やんないやんない。ほらのどちゃんも、いつまであうあう言ってんだ」

和「言ってません!」


優希「のどちゃんもサブカル詳しくなったよなー」タン

京太郎「男子の憧れだった原村和は死んだ! いったいなぜだ!」タン

和「死んでません」タン

咲「お嬢だからさ」タン

和「いえあなたのせいですから。ロン」

咲「おおう」

和「あなたが『境界線上のホライゾン』全巻プレゼントなんてしてくれるから……!」

京太郎「去年のクリパか。軽いイジメだったよな」

和「あんなメートル級の鈍器持たされて、帰り道で職質受けないかビクビクだったんですけど」


優希「秘奥義使えたらなにがいい?」タン

京太郎「斬空天翔剣かな、やっぱ。翔王絶憐衝も捨てがたいけど」タン

和「……」タン

咲「全力全壊のB・アサルト一択だね」タン

優希「レイディアント・ロアーしか選択肢のない私への嫌がらせか」タン

和「そもそも選択肢のない私への嫌がらせでもありますよね。ロン」

優希「あん」

和「だいたいネーミングが香ばしすぎやしませんか」

咲「そういうものなんだよ和ちゃん」

??「中二心をくすぐられるよー。ちょーかっこいいよー」

京太郎「あれ今誰か……」


咲「貴志○介の新刊買ったんだけどさ」タン

優希「へー」タン

京太郎「『天使の囀り』が好きだったな、俺」タン

和「普通の文学の話もできるんですね……」タン

咲「そりゃあ文学少女だし」タン

京太郎「曲がりなりにも、な」

咲「むー、一言余計だよ」

優希「ついていけない話だじぇ。ツモ、四暗刻」パタン

京太郎「うごっ」

咲「ぐふっ」

和「ゆーきも本読みましょうね。はい点棒」ジャラ


京太郎「竹井先輩が使えそうな秘奥義って」タン

和「まだその話続いてたんですか」タン

咲「ネプテューヌレイジだね」タン

優希「古今東西だれだれが使いそうな秘奥義ゲーーーーーム」タン

和「えっ」

京太郎「野依プロ」タン

咲「グランヴァニッシュかアーステッパー。いきなり相方じゃん」

和「……じゃあ染谷先輩で」タン

咲「あったっけ……」タン

優希「焔大蛇の印」タン

京太郎「マイソロだな」タン

咲「あーそっか」


咲「お姉ちゃん」タン

和「さらに続くんですか……」

優希「セイクリッドブレイム。次池田で」タン

京太郎「さんをつけろ」タン

和「さんをつけなさいゆーき。エンシェントカタストロフィ」タン

咲「淡ちゃん」タン

京太郎「サモンフレンズか」

優希「あれ? この三人+咲ちゃんの組み合わせ、どっかで見たような」タン

咲「やめて」

京太郎「V勢なら千里山の監督とかどうよ」タン

和「煌華月衝閃ですね。流局、テンパイです」パタン


咲「お昼なに食べた?」タン

優希「無論タコス」タン

和「おそばをいただきました」

京太郎「レディースランチ」タン

咲「えっ!?」

京太郎「なぜ驚く」

咲「私あげてないよ!?」

和「私が交換してあげました」タン

咲「そんな! 私のアイデンティティーが! ひどいよ和ちゃん!」タン

和「はあ、すみません」

優希「存外ちっぽけだな、咲ちゃんのアイデンティティー」タン

京太郎「どういう意味だおい、ツモ」パタン


京太郎「しゅーきょくー」

優希「いえい、私絶好調! 1位だじぇい!」ブイッ

和「2位ですか、まあまあでした」

咲「うーん今日ダメかも。3位」

京太郎「安定の4位な俺に謝れ」

咲「謝る方がひどくない?」

京太郎「それもそうだ。今年こそ予選リーグ突破してーんだけどなー」

和「できると思いますよ」

京太郎「えっ」

咲「えっ」

優希「えっ」

和「……なんですか、みんな揃ってその顔は」


京太郎「いや、和の口からお世辞が聞けるとは思わなくてさ」

和「お世辞じゃありません」ムスッ

京太郎「お、おう」

和「私はこと麻雀に関しては、極力主観を排して客観で物を言ってきたつもりです」

和「お世辞も気休めも言いません。今のあなたの力は十分、予選リーグ突破レベルにあります」

京太郎「お、おう……!」

和「まあ県代表はきついでしょうけど」

京太郎「ですよねー」


咲「でもね。確かに京ちゃん、すごく強くなったよ」

優希「ん、だな」

京太郎「そうかぁ?」

咲「私が一年の時に戦った、加治木ゆみさんって覚えてる?」

京太郎「鶴賀の大将か」

咲「京ちゃんと加治木さん、キャリアがよく似てるんだよね。高校から麻雀始めてさ」

咲「で、今のレベルもだいたい、高三の時の加治木さんと同じぐらいだと思う」

京太郎「は? ウソだろおい、あの人普通にお前とか天江プロとかと渡り合ってたよな?」

咲「えっと、私のことは別にいいんだけど……」

優希「実際お前、普通に私らと渡り合ってるじゃんか」

京太郎「結果普通に負けてるわけだが」


和「こういうことを言うのはなんですけれど……」

和「私たち三人は一年の時から場数を踏んで、すでに全国区のエースクラスなんです」

和「その私たちに囲まれて、そうそう普通に勝たれてもらっては、こっちが困ります」

京太郎「そんなもんかな」

優希「……むしろ平気のへーで二年間打ち続けたお前の方が、私は恐ろしいじぇ」

咲「……ね。京ちゃんのメンタル、はっきりいって清澄一だよ」

京太郎「んな大層なもんでもないんだけどなぁ」

京太郎「ほら、俺ってここで麻雀覚えたし。ここ以外の環境よく知らないし」

和「……感覚が完全にマヒしてますね」タラリ

京太郎「それにあれだ、すげー時々だけど、勝たせてくれるじゃん」

和「勝たせてません! その『時々』は、私たちが普通に負けてるんです!!」

京太郎「えっマジ?」


優希「つーか後輩には普通に勝ってるじゃん」

京太郎「新入生歓迎の時、ムロとか相手にか。アレ俺が一番びびったわ」

京太郎「麻雀ってラスを引かずに済むゲームなんだ、ってあの時初めて知ったし」

咲「……ごめん」

和「……すいません」

優希「……申し訳ありませんでした」

京太郎「別にお前らが謝るよーなことでも……」ハッ

京太郎「おやまーそんなにおやま(謝)ーらなくても! なんつって! ははははは!」

優希「謝れ」

咲「謝って」

和「謝ってください」

京太郎「なんで!?」ガーン


咲「コホン。とにかく、京ちゃんはけっこー強くなりました」

優希「そんな京太郎でも代表切符が遠いのが、今の高校男子麻雀界なんだよな」

咲「加治木さんも県代表にはなれなかったし、やっぱり厳しい世界だよ」

京太郎「二個上からちょーど俺のところまで、『冬の世代』とか『谷間』とか言われてたしなぁ」

咲「京ちゃんの世代は結構人出てきたけどね」

京太郎「かもな。でも問題は……俺の下の世代だよ」

優希「なー」

咲「私、男子に交じったら県代表になれるかな」

京太郎「いくらなんでもお前はなれるよ……」


和「いえ。東京か神奈川、大阪あたりだったら咲でも万が一があるかもしれません」

和「トップグループには100%食い込むでしょうけど」

京太郎「だな。トップのレベルそのものはギリで女子が上だと思う」

優希「差があるのはそのワンランク下の人数だもんな」

和「だいたいにして、競技人口で大差があるのに有力選手が女子に偏ってた、二年前の状況がおかしかったんです」

和「統計的にはこれが普通の状態なんです。オカルトでもなんでもありません」

京太郎「ONA」

咲「ONA出たね」

優希「私らが一年だった時の中三男子どもとかマジでヤバイじぇ」

京太郎「一個下が完全に魔境とか勘弁してください」


優希「さっちゃんでも危なさそうなのゴロゴロいるもんなー」

咲「神奈川のYくんとかね」

京太郎「あいつかー。今年の男子団体、Yのとこが連覇するだろうなぁ」

和「やる前からそんな弱気でどうするんです!」

京太郎「いや、無理だろアレは」

優希「『人は消えたりしない』とか『卓上に竜巻など起こらない』とか『歌っても麻雀は強くならない』とか言いながら相手のオカルトをことごとく無力化するあいつか」

咲「強化版SOAだね」

京太郎「そんなこと言いながらあいつ、最終的に『五感を奪う麻雀』とかやるしな」

和「(そんなオカルトありえ)ないです」


咲「私的に一番キツイのは、東京のTくんだと思うな」

優希「削られた点棒を倍返ししてくる奴か」

京太郎「あいつもうドイツからスカウト来てるって噂だぜ」

咲「後は同じ東京のAくん」

優希「河の牌を拾えなくなる『氷の世界』!」

咲「神奈川といえばYくんのチームメイトのSくんも」

京太郎「6つのプレースタイル『風林火陰山雷』を使い分けるあいつだな」

咲「大阪の古豪の二年生キャプテン、Sくんもヤバイね」

京太郎「利き腕に黄金のガントレットをつけて力をセーブしてたっていう、あの?」

優希「こえー男子マジこえー」

和「最後の人完全に麻雀関係ないですよね」


京太郎「いやーきついっす。長野にはそういうのがいないとはいえ」

和「……心でどう思っていようと勝手ですけどね。後輩の前では情けない姿を見せないでくださいよ?」

京太郎「わーってる。仮にも大将なんだ、どっしり構えてるさ」

優希「清澄の大将とかどっしり構えてる感じ皆無だけどなー」

咲「え、ひどくない?」

和「そう思うんだったらもう少し貫録を……せめて落ち着きを身に付けなさい、咲」

咲「落ち着いてるよ! 私もう三年生だもん!」

優希「ほほう。ならトイレへの付き添いはもういらないよな、さっちゃーん」

咲「え」

京太郎「捜索隊も出さなくていいな、咲」

咲「え、え……ちょっと待ってお願いしますぅ!」ジワッ

和「……これが春の全国チャンプだというんだから、世も末です」ハァ


京太郎「くくっ。ま、これでこそ俺らの大将だろ。支えてやれよ、原村部長」

和「はーぁ。サポートのサポート、お願いしますね須賀副部長」

優希「私はこまけぇこと気にせず、エースとして突っ込んでくだけだじぇ!」

咲「……やっぱり私、団体戦の方が好きだなぁ。今年もよろしくね、みんなっ」


ガチャ


和「あら」

京太郎「お、やっとか」

優希「待ちくたびれたぞお前らー」

咲「みんな、こんにちはー」





「「「「「先輩たち、こんにちはー!」」」」」




和「……さ、後輩たちの前です。しゃんとしてくださいね、先輩たち」

優希「ほら言われてるし。しゃんとしなよ、さっちゃん」

咲「ほら言われてるよ。しゃんとしてよね、京ちゃん」

京太郎「ほら言われてるぞ。しゃんとしろよ、優希」

和「全員に言ったんですよッ!!!」

こんな感じで二年後の清澄一年ズがぐだぐだしてるだけのスレです
最初は長くなりましたが今後は短いのをぽつぽつ落としていこうかと
清澄以外も書きたいですね

それではご一読ありがとうございました

なんか鈍器の話で盛り上がってるんで衝動的に一本書いてしまいました
死ぬほど中身のない話なのでご注意ください


〈境界線上の……?〉


※ステマです。興味ない人は飛ばしてください。


咲「境ホラのアニメ見てて思ったんだけどさ」

優希「うん」

咲「私の身近にいる人の声が、すっごくよく聞こえてくるんだよね」

和「……」

京太郎「返答に困るネタ振りはやめろ」

咲「ぶっちゃけキャスト被りがね、もうね」

優希「あ、そういうのアリなんだ今日」

京太郎「メタ会話アリアリか」

和「聞こえません。私はなにも聞いていません。あーあー聞こえませーん」


和(私はメタ会話には加わりません。そんなメタ会話ありえないので)

咲「ウィキで数えたら33人いました。もっといるかも」

優希「多っ!」

京太郎「まあ、どっちも登場人物多いしな……」

咲「それにしたって多いよ、特に長野勢」

咲「風越は福路さん池田さんに文堂さん、さらにはコーチさんも」

咲「龍門渕は龍門渕さんと国広さん、沢村さんに執事さんまで」

咲「鶴賀はなんと津山さん以外コンプリート!」

京太郎「……確かにすげえ」


優希「清澄は?」

咲「率的には一番低くて4人。私と竹井先輩と優希ちゃんを除いてね」

京太郎「ん? 計算が合わないぞ」

咲「内木副会長、もとい元副会長を含めます。県予選のアナウンサーさんと言い換えてもよし」

優希「そう来たか」

咲「長野だと他にも私のお父さん、和ちゃんのお父さん、南浦数絵さんに藤田プロもそうだね」

咲「実にキャスト被り33人中20人が長野勢でした」

優希「……マジで多すぎだじぇ、長野」

京太郎「長野の主要キャラ八割方網羅しやがったぞ」


優希「ここまで来たらせっかくだし、残りの人も聞いときたい気が」

咲「えーっと。戒能プロ、瑞原プロ、野依プロ、大沼プロでしょ」

咲「お姉ちゃんに渋谷さん、淡ちゃんの白糸台組」

咲「ちょっと渋いところだと新子さんのお姉さんの新子望さんとか」

咲「それに埼玉越谷の副将宇津木さんとカメラマンの山口さん」

咲「最後に穏乃ちゃんに新子さん、末原さんでシメだね」

京太郎「錚々たる面子だな……」

優希「地味にプロ雀士も多いような」

咲「新人さんより実績のある人が多め、ってことなのかもね」


咲「ついでだから知らない人のために、主要キャラの説明も軽くしちゃいましょう!」フンス

和「……要りますか、その説明?」

咲「えっ」

京太郎「確かに。興味ある人は今さら説明されなくても知ってるだろうし」

優希「興味ない人はスルーするだろうし。うん、誰も得しないな。ここ咲スレだし」

咲「……やるもん! 私が布教したいんだもん! だからやるもん!」プンスカ

優希「そう……」

京太郎「あっふーん」

和「どうぞご勝手に」


咲「えっと、まずは京ちゃん。主人公です」

優希「お前ほんっっっと主人公多いな」

京太郎「空気キャラって珍しいから逆に新鮮なんだよなー」

咲「職業は芸人で持ち芸は全裸です」

京太郎「あれ? 主人公の説明だったよな?」

和「でもだいたいあってますよ」

咲「とか言ってる和ちゃんは京ちゃんの側室さんです」

和「ちょおおおおおおおおお!!!!!」

咲「通称は『ズドン巫女』あるいは『射殺巫女』他多数。あとヨゴレです」

和「やめてくださいよほんと!!!!!」

優希「……なんか段々、作風が理解できてきたじぇ」


咲「ちなみに京ちゃんの正妻は龍門渕さん。要するにヒロインです。そして毒舌です。セメントです」

京太郎「ヒロインの説明とは思えん」

咲「淡ちゃんは京ちゃんのお姉さん。基本的に狂人です」

優希「誰かまともなヤツいないの?」

咲「そうだなぁ……あっ、ハギヨシさんは気配り上手な忍者さんです」

和(※まともとは言っていません)

咲「紆余曲折を経て福路さんを嫁にしました」

優希「おお、さすが」

咲「で、もげました」

京太郎「なにが!?」

咲「正確にはもげることを世界に望まれてます」

京太郎「だからなにを!?」


咲「新子さんは腹黒で性欲に素直で、公式に同性愛者です」

和「ちょっと!? 語弊のある言い方はやめてください! 風評被害ですよ!」

咲「大沼プロはすごく爽やかで人間のできてるインキュバスです」

京太郎「最後! 最後どうした!?」

咲「内木副会長はロリコンです」

優希「え? え?」

和「……確かにそれであっていますけど」

咲「穏乃ちゃんは主人公勢力最後の良心です」

京太郎「その説明文の存在がもうだいぶ良心的じゃないよな」


咲「この他にも加治木さんがうっかり侍ヤリホンダだったり染谷先輩がリアルアマゾネスだったり沢村さんが胸部的にメイン盾だったりするんだけど、キリがないからこのあたりにしておくねっ」

優希「……ひどい」

京太郎「とにかく、ひどいってことだけはよくわかった」

和「人を選ぶ作品であることは間違いないでしょうね」

咲「そんな豪華声優陣でアニメをお送りした境界線上のホライゾン!」

優希「最新第Ⅶ巻〈下〉が6月10日に発売だじぇ!」

京太郎「アニメ3期もすでに製作が決定してるぞ!」

優希「興味のある人は今のうちに原作本を揃えよう!」

咲「全巻セットも一時期出てたし、書店でまとめ買いするとお得だよ!」

和「それだけはやめてあげてください!」


カン!

え!?三期決定したのか!?

以上、電撃文庫で最高の攻撃力を誇る境ホラのステマでした
これで終わるのはあんまりなんで、もう一本続けてどうぞ

>>79
今検索したらコラ画像に騙されてたかも
すいません、ほんとすいません!


〈清澄麻雀部OGども〉


まこ「おう、元気しとるか? 差し入れ持ってきたぞー」

部員「「「わーい!」」」

優希「まこ先輩!」

咲「こんにちは先輩!」

和「お久しぶりです、染谷先輩」

まこ「景気はどうじゃ、お前ら?」

京太郎「ケーキも出せんぐらいにぼちぼちでんがな。景気だけにな!」ゲラゲラ


咲「……」

和「……」

まこ「はっはっはこやつめ。京太郎ちょっとこっち来い」

京太郎「い、今の程度で説教すか!?」

優希「ざまぁ」

京太郎「んだとコラ」

まこ「いいから来い」

京太郎「はい」


まこ「どうじゃ部の調子は」

京太郎「新入生入ったばっかりですからねー。実際ぼちぼちですよ」

まこ「そうか。和はどうじゃ」

京太郎「先輩の姿見て思わず部長って呼びかける癖、直ってたでしょ」

まこ「直ってたな」

京太郎「そういうことです」

まこ「そういうことか」

京太郎「……実を言えば、部長を代わってくれないか、って何度か和に頼まれたことあります」

京太郎「就任一、二週間ぐらいのことでしたけどね」

まこ「ふんむ。それでお前はどう答えた?」

京太郎「俺は和が適任だと思ってる、って返しました。先輩もそうですよね?」

まこ「ん。そう思ったから、あいつを指名した」

京太郎「つまり、そういうことなんですよねー」

まこ「そういうことっちゅうわけじゃな。よし、次優希呼んできてくれ」


まこ「どうじゃエース様、調子は」

優希「片岡優希はいつでも絶好調だじぇい!」ビシッ

まこ「タコスさえあれば、な」

優希「……あはは、その通りです。頼らずにいられるようにもなりたいんだけどなー」

まこ「そうなのか」

優希「私もいつまでも、消去法エースではいられないし」

まこ「おんしはもうとっくに清澄のエースじゃ」

優希「……えへへ。そうかな」

まこ「そうだとも。実力も度量も申し分ない」

優希「ありがとうございます、先輩っ」

まこ「これからも元気印で、部員たちの先頭を走ってってくれよ」

優希「ラジャーだじぇい!」ビシッ


咲「話ってなんですか、先輩?」

まこ「最後の夏に向けて、モチベーションはどうかと思ってのう」

咲「モチベーション、ですか」

まこ「今年の長野予選、優勝候補はぶっちぎりで清澄だそうじゃな」

咲「去年とは状況が違いますね」

まこ「違うなぁ。候補の一角かつ一番手でありながら、龍門渕に敗れた去年とは」

咲「……私が天江さんに負けた、去年とは」

まこ「強かったなー、あいつ。強くなっとったと言うべきか」

咲「はい。断言してもいいけど、あの日の衣ちゃん、多分お姉ちゃんより強かったです」

まこ「断言しとらんぞ、全然」ククッ

咲「う……」


まこ「龍門渕自体は強豪じゃが、あの五人はもういない」

まこ「風越はさすがに層が厚い。が、お前ら三人が相手じゃさすがに可哀想じゃ」

まこ「鶴賀をはじめダークホースも侮れないが、やっぱり今年は清澄だと、誰もがそう思うておる」

まこ「そんな状況を皆は……お前はどう考えておるのか、聞いておきたくてな」

咲「……私はもう、負けたくありません」

まこ「ほう」

咲「和ちゃん、去年の夏からだいぶ長いこと落ち込んでました」

咲「私はなにもできなくて。京ちゃんと優希ちゃんがいなかったらって思うと」

咲「もう、あんな思いしたくないんです」グッ

まこ「……そうか」ニコ


まこ「思い出すなあ和。私に部長なんて務まらないと、ぴーぴー泣いてたあの日のことを」

和「……染谷先輩が懐古厨だとは知りませんでした」プイ

まこ「用法間違っとるぞ。まあそれはさておき……」

和「部長って、大変な仕事なんですね」

まこ「ん。わしが引き継いだ時もそう思ったよ」

和「私なんて厳しくする以外に能がない女です。みんながいなければどうなっていたことか」

まこ「特に京太郎な。あいつにはわしも随分助けられた」

和「認めるのは癪ですけど、私もです」

まこ「本当に癪だと思っとるか?」

和「すいません、ポーズです」ニコ

まこ「ははは、お前さんも言うようになったな」


和「優希の明るさと咲の優しさにも、もちろんとても救われています」

和「でもやっぱり……今の清澄は須賀くんなしでは回りません」

和「彼なしでは正直、普段の練習の段取りをするだけで、もういっぱいいっぱいです」

まこ「依存しとるのう」ケラケラ

和「あの、オフレコで頼みますよ? 言うと調子に乗りますから」

まこ「わしも人のこと言えた立場じゃあない」

まこ「お前たち後輩どもが一人立ちした、今だから言うが……」

まこ「あの夏、龍門渕に負けた日。和に部長を引き継いでお前たちを帰させた後」

まこ「わしは応援に来てくれた久の前で、散々泣き倒してしまったからな」

和「……」


まこ「前年度全国優勝校が県予選敗退。あいつの顔に泥を塗ってしまったような心地がした」

まこ「世間的には大して珍しいことでもないはずなのに」

まこ「しかしわしには、それがあんまりにも情けのうて情けのうて」

まこ「久の顔を見た途端に大爆発じゃ」

まこ「しかもあいつ、わしが泣くことを察しとったんじゃろうな。人払いまでしておった」

和「……あの人らしい、空恐ろしいまでの用意周到さです」

まこ「な。まったく、本当に凄い部長だったよ」

まこ「結局……最後まで私は、あの背中には追いつけなかったな」

和「……だとしても」

まこ「ん?」


和「私が一番尊敬しているのは、染谷先輩です」

まこ「和……」

和「偉大な創始者の後を受けても、ふてぶてしい笑みを浮かべながら決して弱音を吐かず」

和「一年間私たちを引っ張ってくれたその背中を、私はずっと副部長として見ていましたから」

和「だから私にとっては、竹井部長よりも染谷部長こそが、一番に尊敬できる人です」

まこ「はは、なんじゃ恥ずかしいなぁ」

和「まあ竹井先輩は人間的にやや尊敬しきれない部分もあったので、その点差し引いたこともありますが」

まこ「ですよねー」


まこ「どれ。それじゃあ帰る前に一局打たしてもらいたいんじゃが、構わんか部長?」

和「もちろんです」ニコ

優希「よっしゃ私が卓に入るじぇ!」

京太郎「あっずるいぞお前! 俺だって先輩と打ちてーよ!」

後輩「先輩たちこそずるいですよー!」

後輩「先輩たちはずっと染谷先輩と打ってきたんだからいいじゃないですかー!」

咲「あ、えと、私は、私は」オタオタ

和「人気者ですね、先輩」

まこ「ありがたいこっちゃのう」クツクツ


後日


久「はーいみんな、久お姉さんが差し入れ持ってきたわよーん♪」

部員「「「……」」」

咲「……」

優希「……」

和「……」

京太郎「……」

久「ちょっとちょっと、まこと対応違いすぎじゃない?」

久「まこの時なんてみんな、開口一番『わーい』って喜んでたじゃないの」

久「まこと打つ時も殺到してたし。私とまこでなにがそんなに違うっていうの?」ハテナ

京太郎「そういうところがだよ!!! 部室に監視カメラでも仕掛けてんのかあんたは!!」


久「あ、バレた?」

咲「ぶっ」

久「実はロッカーの扉の内側に」

優希「くそっここか!」バタン

久「あったら面白いのにねぇ」

優希「」ズコー

和「竹井先輩ぃ……!」

久「冗談よ冗談、怖い顔しないの」

京太郎「な、なんだ冗談すか」ホッ

久「そんなわかりやすいとこには仕掛けないわよー」

一同「「「「「「えっ」」」」」」


久「まこのカウンセリングは済んでるから、メンタル面に関しては問題なさそうね」

咲(カウンセリングだったんだあれ)

久「だから私は今年も、技術的なコーチングに集中させてもらうわよ」

優希「いつの間にか先輩、普通に清澄のコーチだよな」

京太郎「実績抜群だからなあ」

久「咲、和、優希の三人は正直、私からアドバイスできることはもうないわね。高いレベルで完成しちゃってるもの」

和「ありがとうございます」ペコ

久「暇を見つけては基本、一、二年生を教えてあげたいところだけど……須賀くん」

京太郎「うおっと、俺すか」


久「今年の私のコーチ目標、知りたい?」

京太郎「いえ別に」

久「知りたい?」

京太郎「いえいえ別に」

久「知りたいわね?」ニッコリ

京太郎「はい知りたいです」ガックリ

久「あなたを男子個人戦の県代表にすることよ」

京太郎「はいはい俺を県代表に、ってええええええええええええええ!!!??」


久「そんな驚かなくてもいいじゃない」

咲「驚きもしますよそりゃあ」

和「本気で言ってるんですか先輩」

久「私はいつだって本気よ」

優希「半分ぐらい冗談の時があるけどな」ボソ

京太郎「俺が、県代表ですか」

久「長野には『ああいう』男子がいないって、須賀くん自分で言ってたじゃない」ニッコリ

京太郎「『こういう』女子なら俺の目の前にいたけどな!!」


久「なんならゆみにコーチに来てもらったっていいわよ」

京太郎「いや、コーチなら鶴賀行くでしょ普通……」

久「そのへんは私がなんとか交渉するわ」

久「二年前のゆみに追いついたっていうなら、今度は今のゆみを目指さないとね」

京太郎「ロクに会ったこともないのに師匠扱いして、向こうに失礼じゃないすかね」

久「気にしないわよ、あの子男前だから」

和(そういう問題でしょうか)

久「それともなに? 須賀くん、別に向上心とかない? 強くならなくてもいい?」ニッコリ

京太郎「……嫌なこと言ってくれますね。そんなに俺に構いたいんですか」


久「だって散々構ってもらったのに、私は構ってあげられなかったから」

咲「……」

優希「……」

京太郎「んなの一年の前半だけじゃないですか。先輩の気持ちは十分わかってますって」

久「えっ須賀くん、私の気持ちに気付いて……?///」ソソソ

京太郎「頬を赤らめるな顔を近づけるな!!!」

久「きもちわるいとまでは言わないのがあなたの優しさよね。で、受ける?」

京太郎「……断れるような話の流れじゃなかったでしょ」ハァ


久「決まりね。和、そういうことだから」

和「了解しました。先輩のよきようにはからってください」

久「ははーっ、原村大明神さまー」

和「何信仰の神なんですか私は」

久「そりゃおっぱ」

和「言わなくて結構! 聞かなくてもわかってましたよもー!!」

久「ありゃ、案外自意識過剰ね和ちゃん」

和「そのネタで何百回からかわれたと思ってるんですか!!!」


久「おっと。じゃあそろそろ帰るわね」

優希「打ってかないんですかー?」

久「次の講義出席ギリなのよ」

和「あの、まだ四月なんですけど」

久「部活忙しくてね。私の大学4年間での目標、知ってるでしょ。まったねーん」


ガチャ バタン


咲「インカレ制覇……か」

京太郎「ほんと、あの人はなんにも変わんねーな」

優希「私たちも負けてらんないじぇ! 目指せ、二度目の全国制覇!」

和「まったくそのとおり。それでは練習を」



ガチャ


京太郎「?」

久「ちょっと言い忘れてたんだけどさ」

咲「どうかしました?」

久「あんまり気になるようだったら、ロッカーのカメラ『は』撤去してくれていいから」

優希「!?」

久「それだけよ。じゃ、今度こそまったねーん」


バタン


一同「「「「……」」」」


京太郎「……練習の前に、部室の大掃除するか?」

和「……やっておきましょう」

優希「時間の無駄のような気もするけど」

咲「仮にあの人が本気で隠してたとしたら、私たちには絶対見つけらんないもんね」

優希「つーかこの部室ちょっと汚くないか?」

和「そういえば年末に大掃除しませんでしたね」

咲「ちょっと忙しかったからね、あの頃は」

京太郎「……もしかしてあの人、そこまで見越してありもしないカメラがどうとかほざいたんじゃ」

全員「「「「……」」」」

和「はああああ。ほんっっっっとうに、先輩たちには敵いませんね」


カン!

今後の出番があまりないであろうOG回でした
それではまた

境ホラやるな都市シリーズの宣伝もおなじゃす

三期こねーかな、天蔵もげろが加速するからアニメで是非みたい

あと点メア絡みでハギキャプお願いしゃす!


>>112
ステマは用法用量を守ってほどほどにしないといけないので…

>>117
×じゃなくて&になりますがそのうちやりますね
絡めやすそうな二人ではありますし


〈エースと副部長〉


優希「こないださー」

京太郎「んー」

優希「のどちゃん遊びに来た時さー」

京太郎「んー」

優希「イナゴの佃煮あんじゃん」

京太郎「うわ、出したのかよ」

優希「うん。卒倒しそうになってた」

京太郎「そっと卒倒しそうになってたのか」

優希「……」ゲシッ

京太郎「ああん」


京太郎「いくら面の皮が厚くなったったっつっても、あいつやっぱお嬢様なんだな」

優希「純粋な長野県人でもないしな」

京太郎「長野以外じゃ食わねーの?」

優希「つーか長野でも場所によっちゃ食わん」

京太郎「俺あんま好きじゃないんだよなぁ」

優希「ふふん。甘いな若造」

京太郎「お前いけるクチか……」

優希「一歳になる頃にはもう食べてたらしいじぇ」

京太郎「大人しく離乳食食ってろよ」


優希「ご飯のお供として優秀だぞー?」

京太郎「えー。画的にねーよ。単体で食うとか、酒のつまみにするとかならともかく」

優希「おまわりさんこいつです」

京太郎「俺は飲んでぬぇ! でもお前は酒もいけそうだな」

優希「将来のことだからなー、なんとも。京太郎はあんま辛党っぽくないな」

京太郎「お前の味覚が全体的に偏ってんだよ」

優希「タコスを侮辱したな? 絶対に許さないじぇ」

京太郎「してないしてない」


優希「タコスは私の命だからな」

京太郎「つまりお前の命は俺が握っていると」

優希「ひえーすいません、なんでもしますからそれだけはー」

京太郎「まだなんも言ってねーけど!?」

優希「ま、タコスなんて学食でいくらでも買えるんだけど」

京太郎「それじゃあ俺はお役御免かな」

優希「……ううん。やっぱ京太郎のがいいな」

京太郎「はっはっは。嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

優希「ぜひともその味を、後輩たちにも伝授していってくれたまえ」ポンポン

京太郎「味の問題かい。まあ嬉しいことには間違いないけど」


優希「この夏も作ってくれるって?」

京太郎「任しときな」

優希「そっか。うん、頼りにさせてもらう」

京太郎「最後の夏だからなー」

優希「……そだね。最後だな」

京太郎「がんばれよ」

優希「そっちこそ」

京太郎「おう、がんばる。竹井先輩にもハッパかけられちまったし」

優希「そりゃ結構」


優希「大人になったらさー」

京太郎「どうした急に」

優希「いやさ、高校生活も最後の一年なのかと思うと、ちょっぴりしんみりしてしまう優希ちゃんなのであった」

京太郎「地の文読んでるぞ」

優希「おっと失礼」

京太郎「お前でもんなこと思うのな」

優希「お前は違うの?」

京太郎「俺はなぁ……普通に大学行くだろうし」

優希「私はプロ行く」


京太郎「へえ」

優希「高卒で行けるか大卒で行くのかはわかんないけど、とにかく行く」

京太郎「断言したな。全然しんみりしてねーじゃん」

優希「口に出して自分を追い詰めたい気分だったのよん」

京太郎「男前だねぇ」

優希「……だから、その時はさ。またみんなで集まろうな。私が奢ってやるから」

京太郎「……タコスとイナゴを酒の肴に、か?」ニヤ

優希「タコスはお前が作ってこい」

京太郎「奢るんじゃねーのかよ!」


カン!


〈チャンプと部長〉


和「私は別に、王者の貫録を纏えと言ってるわけじゃないんです」

和「年相応の落ち着きを身に付けてほしい、とお願いしているだけなんです」

和「わかっていますか、咲?」

咲「はい……」

和「宮永プロになれ、とまではいいませんからせめて……」

咲「お、お姉ちゃんだってあれで、プライベートでは結構なポンコツだったんだよ!?」

咲「なんなら淡ちゃんに確かめてみてくれても」

和「咲」

咲「はい」

和「……あなたのぶちまけた麦茶でセーラー服の胸元がスケスケな私に対して、なにか言うことがあるんじゃないですか?」ニッコリ


咲「……せ、扇情的でいいんじゃないでしょうか、ぁっつぅ!!」ゴンッ!

和「しばきますよ」

咲「ねえ和ちゃんほんと怖い! 昔はそんな暴力的なおっぱいじゃなかったよね和ちゃん!?」

和「環境への適応です」

咲「帰ってきて出会った頃のあなた! あ、ダメだ出会った頃でも十分おっかなかった!」

咲「手が出ないだけで今よりよっぽどとっつきにくいおっぱ」

和「……」

咲「申し訳ありません、深く反省しております」


和「……私だって、そのあざといまでのドジっ子アピールにくらりときてた時期がありましたよ」

和「『咲さんかわいい』が全私のベスト・コモンセンスだった時期もありました」

咲「えっなにそれは」

和「まあ、若気の至りでした」

咲「ちょっと待って軽く流さないで。今結構すごいこと言ったよね」

和「何度も何度もしつこく繰り返されると、さすがにその萌え要素にも飽きが来るんです」

咲「一人で勝手に倦怠期入ってるよこの子」


和「倦怠してるだけならよかったんですけどね……」

咲「え、だけじゃないの」

和「なにしろ実害がこっちに来るので……」

咲「……~♪」

和「その無駄に上手い口笛も込みで、時折殺意がこみ上げてくるんですよ……」

咲「そこまで!?」ガーン

和「ウソです」ニッコリ

咲「ほっ」

和「正直口笛も聞くに堪えません」ニッコリ

咲「そっち!?」ガーン


和「冗談はさておき、あなたにはもうちょっと落ち着いてもらわないと困ります」

咲「うう」ショボーン

和「プロに行くんですよね?」

咲「声さえかけてもらえれば……」

和「あなたの実力をプロが放っておくわけありません」

咲「そ、それはどうも」

和「……お姉さんと天江さんに、追い付きたいんでしょう?」

咲「……うんっ」

和「だったらもう少し、世間様に恥ずかしくない立ち居振る舞いを身に付けてください。話はそれからです」ピシャリ

咲「うう」ショボーン

咲(……あの二人も結構、内面はアレだと思うんだけどなぁ)



ガチャ


和「あら」

咲「おかえりー優希ちゃん」

優希「はっはっは、のどちゃんのお説教は怖かったかいさっちゃん」

咲「口笛が下手だってこき下ろされました」

優希「うん、ごめん。話が読めない」

咲「まあ私が悪いんだけどね」

優希「そりゃそうだ。ほいのどちゃん、ジャージ取ってきたよ」

和「ありがとうございますゆーき。じゃあ着替えてきますね」

咲「ほんとごめんね、和ちゃんっ」

和「もう慣れました。次、気を付けてくださいね」


咲「承知いたしました、原村大明神さまー」ハハー

和「……それ、流行らせるつもりじゃありませんよね?」

優希「よしきた。一日一回のどちゃんを拝む習慣を部で定着させよう」

和「やめてください」

京太郎「今おっぱいの話してた?」ガラッ

和「してません」

優希「してた」

咲「してたしてた」

京太郎「そうかしてたか」

和「してませんッ!!」


カン!

原村さんが毒されたのはこういう環境です
ご一読ありがとうございました

あれ?これ京太郎スケスケのどっちを目撃してね?
そしてのどっちはレズなのか目が覚めてバイなのかどっちなんだろう?



二年でどのくらい外見が変わったのか気になるよー

K→M


>>136
京太郎はこの後滅茶苦茶ひっぱたかれました
のどちゃんの真の性的嗜好はのどちゃんのみが知ります

>>139
ティンときたので一本書きました

>>140
数か月でJ→Kなんだからなんの問題もない(確信)


〈GROW UP!〉


優希「二年で外見がどう変わったか、だとよー」

咲「優希ちゃんと京ちゃんは背ぇ伸びたよねー」

和「須賀くんは元から見上げるほどでしたけどね……」

咲「高校入った時いくつだったっけ?」

優希「143。今は157かな」

京太郎「確か182だったな。今だと、んー、190はないと思うけど。188ぐらい?」

和「……普通、高校入ってからだとそうそう背は伸びませんよね」←154cmから155cmに

咲「うう。私なんてなんら身体的成長がないのにぃ」←155cmで変わらず


優希「泣くなさっちゃん。私も胸はほとんど膨らまなかったよ」

咲「普通サイズにはなったじゃんかぁ! 優希ちゃんの裏切り者ー!」ワーン

優希「……さっちゃんよぉ。真の裏切り者は別にいるはずだじぇい?」チラッ

咲「……」チラッ

和「なぜそこでこっちを見るんですか」イラッ

京太郎「入学時点でJ、現在はMだな。間違いない」キリッ

和「~~~~~~っ!!!//////」

京太郎「トップバストは初期の95から夢のひゃくっげぶう!!!」ゴガァン!!


和「そこでしばらく死んでなさいッ!!!///」

京太郎「」

優希「見せられないよ!」

咲「全自動卓投げつけるのはやりすぎじゃない? せめて平卓にしてあげようよ」

優希「どっちにしろミンチよりひでえや」

和「……変わった箇所なら他にもあるでしょう! 髪型とか!」

優希「のどちゃん頻繁に変えるからなー。長さは昔と変わんないけど」

咲「優希ちゃんは最近ポニテだよね」

和「咲は少し伸ばしましたか? 顔のすぐ横で一房、ゴムで縛ってますね」


京太郎「」

咲「京ちゃんは髪型変わんないねー」

優希「顔つきがちょっとごつくなったかもな」

咲「喉仏とかはっきり出てきたよね。一年の頃は女装しても通りそうだったもん」

和「普通ないでしょう、182cmの女子とか」

優希「これが結構いるんだなー」

咲「井上さん(183cm)とかメガンさん(185cm)とか文堂さん(175cm)とか弘世さん(176cm)とか」

和「……そういえばいましたね。197cmの小動物系女子が、岩手の方に」


??「くしゅん! 今確かにDIOに見られた気配があったよー」

?「早くも新手のスタンド使いが、このニュージーランド行きの便に乗り込んでるってわけね」ドドドドドド

??(二人がなに言ってるのかわからなくて居心地悪い……!)

??「だる……zzz」



優希「今南の方からなにか電波が」

和「なにバカなことを言ってるんですか」

咲「とりあえず外見の変化はこんなところかな?」

京太郎「……つ、ついさっきミンチに変化させられた俺のことも、もうちょい構って……がくっ」


カン!

咲の髪型はそうですね、リリ○ルな魔法戦記の4に登場する八神女史をイメージしてもらうとわかりやすいかと
優希はなんとなく愛宕ネキっぽい雰囲気かもしれません
和と京太郎はそのまんまです、ほとんど変わってません

それじゃあ今日はもうちょっとだけ続くんじゃよ


〈エースとチャンプ〉


咲「……」タン

後輩「っ、と」タン

優希「ロン!」

咲「!」

後輩「うわぁ」ガックリ

優希「っしゃあ! 逃げ切ったじぇい!」

咲「……優希ちゃんの勝ちだね」


京太郎「よーし今日の練習ここまで!」パンパン

和「各々後片付けをして解散です。お疲れ様でした」


ワイワイガヤガヤ


優希「帰ろうぜーのどちゃん」

和「ああ、ごめんなさいゆーき。私はちょっと残ってやることがあるので」

優希「なーんだ。じゃあさっちゃん、帰ろ」

京太郎「ナチュラルに俺をスルーしやがったなてめえ」

咲「どうせ京ちゃんも残るんでしょ、副部長さん?」

京太郎「まあそうなんだけどな」



バイバーイ オツカレサマデシター


優希「どっか寄ってく?」

咲「いやぁ、もう疲れちゃったよ」

優希「あっはっは、さっちゃんとガチンコで打つのも久々だったしなー」

咲「今日はとことんやられたね……はぁ」

咲「後輩たちの前だよ? あそこまでいじめてくれなくたっていいのにー」ブスー

優希「なんのなんの。通算じゃあまだそっちの圧倒的勝ち越しだろ?」


咲「ま、そうかもね。一年の頃の貯金があるもん」

優希「おっほ、言うねぇ」

咲「事実を言っただけですー」

優希「そりゃそうだ」

咲「……追い付かせないよ」

優希「……」

咲「この貯金がなくなる時っていうのはつまり、私が完全に優希ちゃんに追い抜かれた時だもん」

咲「だから、そう簡単には追い付かせてあげない」ニコ

優希「……ホント言うようになったな」ニヤ

優希「それでこそ、私のライバル宮永咲だ」


咲「っていうか優希ちゃん強くなりすぎだよ……私自信なくしそうなんだけど」

優希「あはははっ。お互いに一年の頃から化物と当たりまくってきたけどさ」

優希「私の相手は常に圧倒的格上で、しかも本物のエースばっかだったからな」

優希「風越の福路先輩、永水の神代先輩、臨海の辻垣内先輩」

優希「極めつけが王者、宮永照先輩ときたもんだ」

優希「そりゃあ強くなんない方がおかしいって」ケラケラ


咲「強く、かぁ」

咲「優希ちゃんの強さは、苦しいところから立ち上がる強さだよね」

咲「私じゃあきっと……耐えられなかったと思う」

優希「単に私は負けず嫌いなだけだじぇ」

優希「いや? この場合実際に負けまくってるんだから、負けず嫌いってのは変かな、あはは」

咲「……負けられないと思ったことは何度もあった。勝たなきゃいけない勝負だって何度もあった」

咲「だけど……『負けたくない』って気持ちを初めて私にくれたのは、優希ちゃんだったよ」

優希「ふふ。そいつは光栄だね」


優希「まあ今日は私がボロ勝ちしたんだけどな!!」

咲「ううっ、思い出させないでよぉ。実はガチへこみ中なんだから」ガックリ

優希「やーいへこめへこめー」

咲「ぐぬぬ。明日こそは倍にして返してあげるんだからね!」

優希「ほう言ったな」

咲「言いましたともっ」

優希「じゃあちょうどそこにマックがあるから、勝ち負けを担保し合おうじゃあないか」

咲「えっ」


優希「その日勝った方が帰りに奢るってことでー」

咲「あっ……」

優希「やっほーい! 今日はさっちゃんの奢りだーい!!」ダッ

咲「うわああああちょっと待ってゆーきちゃん! 今月ピンチなの!」

咲「ブルーレイBOXとラノベの新刊と合宿費積立のトリプルパンチでー!!」

優希「だったら明日から勝ち続けるこったじぇー! すいませんチキンクリスプ5つください」

咲「ううううう……もうっ! 優希ちゃんには絶対負けないんだからねー!」


カン!


〈部長と副部長〉


京太郎「おい和、見ろよこの牌譜」

和「はい?」

京太郎「今日優希が全勝してるぞ」

和「全トップですか? すごいですね」

京太郎「出来にムラがある奴ら同士とはいえ、マジすげーな」

京太郎「あの咲が相手だぞ? 今日本で一番強い女子高生なんだぞ?」


和「確かに優希は調子にムラがあるタイプです」

和「ただ、調子が悪いなら悪いなりに対局をまとめる術を覚えましたからね」

京太郎「間違いなく技術面での成長だな。引き出しが増えてんだ」

和「その上絶好調時のパフォーマンスは上がり続ける一方。我が親友ながら恐ろしい雀士です」

京太郎「むしろ咲が心配だな……あいつメンタル弱いし」

京太郎「でもよ、なにか外的要因があって調子が悪いってわけでもなさそうなんだ」

京太郎「なんつーか、単純にスランプなのかねぇ」


和「……竹井先輩の『宮永咲評』を聞いたことがありますか?」

京太郎「んー、ない」

和「曰く、彼女の麻雀は高校一年生の段階で、すでに完成されていたそうなんです」

京太郎「……わかるようなわからないような」

京太郎「先輩だってあいつにはガンガン指導しまくってたろ?」

京太郎「それってつまり、あいつが『完成』に程遠かったからじゃないの?」

和「先輩の指導の主眼は、有り体に言えば精神論だったんです」

和「あえていちゃもんをつけることもあったそうですが、基本的に技術面に関しては口出しする必要なかった、と」


京太郎「ふーん。それってなんか悪いのか?」

和「悪いということはありません。しかし先輩はこうも言っていました」

京太郎「?」

和「宮永咲の成長は、とっくの昔に『完了』しているのではないか――と」

京太郎「……!」

和「断定まではしていませんでした。しかし可能性は捨て切れません」

京太郎「だからあいつは去年、天江衣に負けた……?」

和「……」

京太郎「一昨年よりもはるかに『成長』して帰ってきた、天江衣に……」


京太郎「うーん辛気くせえ。やだなこういう空気」

和「全員揃っている時にこうなるよりはマシでしょう」

京太郎「言えてら。で、どうすりゃいいの和ちゃん?」

和「私としては、咲は壁にぶつかっているものだと、そう思いたいところです」

和「私はまだ、あの子の麻雀に可能性を感じていますから」

和「竹井先輩もこの意見には頷いてくれました」

京太郎「……くくっ」

和「? どうかしましたか?」


京太郎「いやさ。日本屈指のデジタル打ちの言葉とも思えなくてな」

京太郎「麻雀なんて切るべき牌を切るべき時に切っとけば、それでいいんじゃなかったのか?」ニヤニヤ

和「……私はオカルトを認めません。そこを曲げればきっと、私は弱くなるでしょう」

和「そうしたらもう……咲と優希にはついていけなくなる」

京太郎「……」

和「ただ。オカルトの存在を信じている人がいるという、その事実だけは認めます」

京太郎「ふうん?」

和「一応私にも、下級生の時先輩方に迷惑をかけた、という自覚はあるんです」


京太郎「えっマジで?」

和「その『マジで』は何に対するものなんですかね」

京太郎「御想像にお任せしまーす」

和「まったく……とにかくこれならば、私のポリシーを曲げずにオカルト対策が打てます」

京太郎「物は言いようだなー」

和「朱に交わって赤くなったんです。誰のおかげだと思ってるんですか」

京太郎「少なくとも俺のおかげじゃあないな」

和「まったくそのとおり」ニッコリ

京太郎「おい」


和「とりあえず咲のことは、咲その人を信じてあげましょう」

和「信じた上で、打つべき手は打つ必要があるでしょうけど」

京太郎「具体的には?」

和「月並みですけれど、より強い相手との対局ですかね」

和「私と優希がいるこの環境でダメなんです。だったらその上をいくしかないでしょう」

京太郎「おいおい。お前ら三人より格上を引っ張り出してこいってか」

和「……無理ですかね?」


京太郎「諦めたらそこで試合終了だよ」

和「まだ始まってませんが、安西先生」

京太郎「ネタをネタとわかった上でのマジレスいくない」

和「アテがないわけではないのですが」

京太郎「あーなるほど、なんとなく察しはついた」

和「県大会後の四校合宿もありますし、私一人ではとてもとても調整が」チラッ

京太郎「言いたいことがあるならはっきり言いなさい原村さん」


和「……私はどうも交渉事が苦手なようなので、手伝ってください須賀くん」

京太郎「上目遣いで『お願いでありんす』っつったら考えてやるよ。はやくしろよ」

和「『やる』とは言ってないのが気になるところですが……コホン」

和「お願いでありーんすっ♪」キャピッ

京太郎「思いのほかノリノリ!?」

和「あらあら顔が赤いですよ須賀くん? 自分でやれって言っておいて」ニヤニヤ

京太郎「くそぅ悪女め。手伝えばいいんだろ手伝えばー!」ウガー

和「……言わなくたって、どうせ手伝ってくれたくせに」ボソッ


カン!

タコスは女子と絡めても輝く美味しい素材だと思います
でもなぜか百合だとしっくりこないんですよね
他の三人はそれなりにほもせくしゃるなアレでもしっぽりくるというのにゲフンゲフン
ご一読ありがとうございました

乙ー
同級生でやってくってわかってるけどムロとか名前出してるから、マホがみたいなーって(チラッ

乙だよー

あんまり出番はないらしいが
染谷先輩はロングヘヤー+大人ファッションで綺麗な眼鏡おねえさん、ヒッサはそんなにかわってないのにみょうな色気放ってそうなイメージ

>>177
お前の為にこれ張っておこ
ttp://livedoor.blogimg.jp/sssakich/imgs/d/6/d6c39c4c.jpg


>>176
ムロの名前とか一回しか出した覚えないのによく見つけましたね…
後輩との絡みはそのうちやります
先輩やってる元一年ズの勇姿にこうご期待

>>177
握手

>>182
天使じゃないか(歓喜)
でもまこさんはあの髪質にメガネだからこそ魅力的なんだと力説しておきます


長々ぐだぐだとすいません
今日は>>117のアイディアをいただいて一本いきます
いわゆる番外編ですね


〈執事とキャップとこどもと池田ァ!〉


東京のとある宿舎 厨房


美穂子「あら」バッ

ハギヨシ「おや」タリ

美穂子「え~っと、あなたは確か……龍門渕の執事さん?」

ハギヨシ「お見知りおきくださったとは光栄です、福路プロ」ペコ

美穂子「いえいえ、光栄だなんてそんな、私にはもったいないお言葉です」ペコ


美穂子「東京にいらしてたんですか?」

ハギヨシ「お嬢様より仰せつかりまして、こちらでも引き続き衣様の付き人を務めさせていただいております」

美穂子「まあ、そうなんですか」

ハギヨシ「福路様は厨房でなにをしていらしたのですか?」

美穂子「今日は試合がないので、チームの皆さんにサンドイッチでも振る舞おうかと思ったんです、ふふっ」クス

ハギヨシ「ご立派でいらっしゃいます」ニコ

美穂子「そんな、私なんてまだまだです。一軍に上がれたのもつい最近のことですし」


美穂子「執事さんも厨房にご用事が?」

ハギヨシ「ええ。衣様が試合に出ておいでですので、お帰りを待つ間に衣様の好きな菓子を拵えようかと」

美穂子「お菓子……」

ハギヨシ「はい。特に近頃の衣様は、羊羹を好んで召し上がられますから」ガサゴソ

ハギヨシ「このようにこし餡を常備しているのです」

美穂子「お、お羊羹!? お羊羹を一からお作りになるんですか!?」

ハギヨシ「慣れればそう難しいものではありませんよ」ニッコリ


美穂子「……なるほど。華菜が、天江さんを」

美穂子「あ、お鍋の具合はこんなものでしょうか」コトコト

ハギヨシ「ええ。『社会人にもなって一人で会場に辿りつけないとはお笑い草だ』と池田様に挑発されたようでして。それで私は留守居を」

ハギヨシ「あ、もう少しゆっくりとかき混ぜてくださって構いませんよ」

美穂子「華菜ったらもう……自分は二軍なのに、黄金ルーキーの天江さんにつっかかるなんて」

美穂子「あ、わかりました。こうですね」マゼマゼ

ハギヨシ「ははは。しかして同郷の池田様の存在は、衣様の中で大きな支えになっておりますよ」

ハギヨシ「あ、そうですそうです。さすがにお上手でいらっしゃる」


美穂子「ふう。後は冷やせばいいんですか?」

ハギヨシ「ええ。すっかり手伝っていただいてしまいましたね」

美穂子「いえそんな、私の方こそ手伝ってもらってしまって」

ハギヨシ「お互い様、ですね」ニコ

美穂子「はい」ニコ

美穂子「それにしても執事さん、料理がお上手でいらっしゃるんですね」

ハギヨシ「汗顔の至りです」

美穂子「私もそれなりに自負はあったのですけど……自信を失くしてしまいそうです」ションボリ


ハギヨシ「私の方は本職ですから」

美穂子「は、はあ。執事さんの本職は、執事さんではないのですか?」キョトン

ハギヨシ「およそ主のためになるありとあらゆる行為が、執事の本分にございますれば」

美穂子「まあ。本当に大変なお仕事なんですね」

ハギヨシ「滅私奉公こそ従者の原点。苦労というほどの苦労はありません」ニコ

美穂子「私もチームの皆のため、執事さんのような姿勢を見習わないといけませんね」ポワ

ハギヨシ「はは……そのように過分なお褒めの言葉は、少々面映ゆうございますよ」ニコニコ

美穂子「ふふっ、そんなに照れなくてもいいじゃないですか~」ポワポワ


東京のとある宿舎 ロビー


池田「ほーう、ホントに辿りつけた。ちゃんと宿舎までの道覚えてたんだな、天江」

衣「池田の分際で囀るな。第一なんとして貴様がついてくるのだ。疾く寮に帰れ」

池田「お前が執事のようかん美味いって自慢するからだろー」

衣「あに関わらんや。貴様ごときにまぼらせるハギヨシの茶菓はないぞ」

池田「二軍戦で大活躍だった華菜ちゃんには食べる権利があるし!」

衣「あるわけあるかこの懈怠者! 相も変わらず図々しい池田だな!!」ウガー


池田「ちぇ、ケチくさい奴……ん?」

衣「おお、おったなハギヨシめ。而今衣が戻っ」

池田「おい待て天江。執事さんと一緒にいるのって……」

衣「ん? ふむ、どこかで打ち見た風骨だな」

池田「キャプ、じゃなかった福路先輩じゃんか!」

衣「風越の先達とな? なにやらハギヨシと昵懇ではないか」

池田「そういや先輩のチーム、明日からこっちで試合だっけ」

衣「寝舎が同じだったのか。これは気付かなんだ」

池田「湯のみ片手になに話してるんだ……?」コソコソ


美穂子「そう、そうなんですよね~」ホワホワ

ハギヨシ「ふふ、わかりますよそのお気持ち」ホノボノ

美穂子「あ、サンドイッチどうぞ」

ハギヨシ「あ、これはどうも」パク

美穂子「考えてもみればあの二人、三年間県の決勝で顔を合わせ続けた仲ですものね」パク

ハギヨシ「こうしてプロで同じチームになったのも巡り合わせというものでしょう」

美穂子「去年のドラフト会議なんて自分の時より緊張してしまいました」

美穂子「華菜が本当に指名されるのかどうか、もう心配で心配で……」

ハギヨシ「透華お嬢様はじめ龍門渕の方々も、食い入るようにテレビを見つめておりましたね……」


美穂子「天江さんは競合確定してたんだから、下位指名の華菜とは立場が違うじゃないですか」プクー

ハギヨシ「それでも心配なものは心配なのですよ」

ハギヨシ「どれだけ成長したお姿を目の当たりにしても、ふとした折に在りし日の光景が蘇るというか」

美穂子「ああ、わかりますわかります!」

美穂子「華菜ったら昔っからすぐ調子に乗る子で。それが美点でもあるんですけど……」

ハギヨシ「危なっかしくて目が離せない、と。わかります」

ハギヨシ「今でこそ大変ご立派な淑女に成長された衣様にも、青い果実のような時代はありましたからね」チラッ

美穂子(……今でも十分青い果実なのではないかしら)


ハギヨシ「私もかれこれ10年ほど、あの方のお側に仕えておりますが……」

ハギヨシ「幸いにして余暇に飽いたことはございません」

美穂子「手間のかかる子なんですね、天江さん」

ハギヨシ「はっきりとそう申してはおりませんが」ニッコリ

美穂子「そういうことにしておいてあげます」ニッコリ

ハギヨシ「ええ、ええ。何卒何卒」

美穂子「……私なんて今は東京と埼玉で会う機会も少なくなったけど」

美穂子「顔を合わせる度についつい、どうしても世話を焼いちゃうんですよね」


ハギヨシ「それで『私ももう大人なんだから』の黄金パターンですか」

美穂子「そう! そうなんですよ!」

ハギヨシ「池田様の仰りようにも一理あるかと思われますが?」

美穂子「世話を焼かせるあの子が悪いんです。私悪くないです」プクー

ハギヨシ「ははは、そうですか。あ、羊羹どうぞ」

美穂子「あ、これはどうも……んく、もぐもぐ。ふう」オチャゴクー

ハギヨシ「……ん、もぐ。ふう」オチャゴクー

美穂子「まったく、華菜ってば本当に」

ハギヨシ「ええ、衣様はまっこと」




「「放っておけなくて、困ってしまいますよね~」」



マジで境ホラの三期が決定しましたね。
ネイトママンとかどーすんだろ。



ワキアイアイ


衣「……」コソコソ

池田「……」コソコソ

衣「池田よ」

池田「なんだ天江」

衣「……羊羹、また今度でいい?」カオマッカ

池田「……うん、いいよそれで」マッカッカ


カン!

目指したのは、天使しかいない空間
見ようによっては×にも見えるでしょうが>>1的には&のつもりです

番外編のみですいませんが今日はここまで
ご一読ありがとうございました

>>202
(言えない……新刊が今日発売なの忘れてたなんて言えない……)

>>202
え?マジで!?
検索してみたがなにもでんぞ?

>>210
おそらく嘘コラの犠牲者です(血涙)

衣の見た目は一切変わってません
大人なのでリボンを外して、服装も露出少なめにした程度です
なにせ大人なので


〈エースと部長〉


優希「エースと部長、かぁ」

和「藪から棒にどうしたんですか」

優希「いやー。清澄入ったばっかの頃は、まさかこういう感じになるなんて思わなくてさ」

和「……そうですね。特に私などは、人の上に立つ器ではありませんし」

優希「いやいや。一応そこは否定しておくじぇ」

和「一応ってなんですか。明確に否定してください」

優希「否定されるの前提かい」


優希「ま、高校上がったばっかりののどちゃん相手なら、私もちょっと否定しづらかっただろうな」

和「……私の麻雀には『自己』しかありませんから」

和「あの四角い宇宙における『他者』なんてものは、私にとってはただ牌を取って切るだけの機械に過ぎなかった」

和「雀士として間違っているとは今でも思ってませんけど……人間としては、どうだったんでしょうね」

優希「心配しなくてものどちゃんは変わったよ」

優希「角が取れた。四角い宇宙の外のまんまるい世界が、前よりずっとよく見えてる」

優希「私もこの二年で、のどちゃんのことますます好きになったよ」ニカッ

和「……ありがとう」ニコ


優希「私もちったあ成長できたかな?」

和「ええ。背が伸びました」

優希「ふんふむ。それからそれから?」

和「えっ」

優希「えっ」

和「……」

優希「おい黙るなのどちゃん」

和「他になにかありましたっけ」

優希「よーし表に出ろ原村ァ!」


和「いやですゆーきったら、冗談ですよ冗談」ニッコリ

優希「ちっ、営業スマイルが上手くなりやがって」

和「それはどうも」ニコニコ

優希「よもやのどちゃんにいじられる日が来るとは思わなかったじぇ……」

和「五年分のお返しですよ」

優希「こうなったらこっちもいじり返し返してやる!」

和「胸触ったら訴えますからね」

優希「女同士なんだしいいじゃないのお嬢さん、ホラホラホラ」ワキワキ


和「知っていますかゆーき」

優希「ん?」

和「女同士でもセクハラは成立するんですよ?」ニッコリ

優希「……」

和「……」ニコニコ

優希「……ちなみにですけど、大学はどちらに進学なさるご予定でしたっけ?」

和「法学部です」

優希「すいませんっしたー!!!」ジャンピングドゲザー


和「まったく。でもこうして考えてみると、私たちもずいぶん変わりましたね」

優希「ん。かーなーり変わったな、私たち」

和「優希は心も体も大きくなりました」

優希「のどちゃんは心も体も丸くなったじぇ」

和「……」

優希「でもさ。変わんないものだって確かにあるよ」

和「?」キョトン

優希「のどちゃんは私にとってこれからも、永遠に一番の親友だ」ニコ

和「……はい、嬉しいです。私にとっても優希は、世界で一番の親友です」ニコ


和「うふふ」

優希「ふふっ」

和「うふふふふ」

優希「ふっふふふ」

和「一ついいですかゆーき」

優希「はいどーぞのどちゃん」

和「……体は丸くなってませんッ!」

優希「より丸くなったのは胸だもんなー」ケラケラ

和「やかましい!!」


カン!


〈チャンプと副部長〉


咲「それでさー気付いたら弾薬が残り三ケタまで溶けててさー」

京太郎「そういう点数調整はダメなのなお前」

咲「どうしてもビスマルクが欲しかったんだよー」シクシク

京太郎「ほぼタダで手に入る赤城を嫁にした俺に隙はなかった」

咲「ちくしょう。京ちゃんなんか妖怪猫吊るしに食べられてしまえ」

京太郎「おいやめろばか……っと、マックあるな。寄ってこうぜ」

咲「えー。お財布の中身が心許ないんだよ今」

京太郎「コスパだけが売りのマックでなにいってんだ」


咲「優希ちゃんと賭けしててさー」

京太郎「ああ。負けた方が奢るってやつか」

咲「そうそれ」

京太郎「ここんとこ連戦連敗じゃねーかお前」

咲「最近じゃ優希ちゃんの方が気を遣いはじめて、だんだんチキンクリスプ頼む数が減ってきてるんだよね」

京太郎「やめればいいのにそんな賭け」

咲「なんかこう、お互い引っ込みつかなくなっちゃって」


京太郎「はーあ……わーったよ。全額俺が奢るから、とにかく行こうぜ」

咲「あ、それなら二つ向こうの通りにモスがあるからそっちでお願いします」

京太郎「奢り確定した途端図に乗ってんじゃねーぞてめー!」

咲「いいじゃん味がダンチだし」

京太郎「値段もダンチだろうが!」

咲「セットの値段で比較すればダンチってほどでもないと思うけどな」

京太郎「マック行ったら100円のしか頼まねーし俺……まあいいや、じゃあモス行くか」

咲「えっ」


京太郎「なにボケっとしてんだ咲、行くぞほら」

咲「あっ、とと。いいの?」

京太郎「お前が言い出したんじゃん」

咲「言ったけどさぁ」

京太郎「いいから来い」

咲「……ん。ありがと京ちゃん」

京太郎「素直でよろしい」

咲「えへへ」


咲「んー、おいし」パク

京太郎「自分で作った方が美味いかもな」ボソ

咲「こら、そんなこと言わないの」

京太郎「お前も内心では思ってんだろ」ヒソヒソ

咲「……こういうのはね、他人が作ったからこそおいしく感じるんだよ」ヒソヒソ

京太郎「嫌な実感こもってんなぁ。さすがに主婦歴長いだけある」

咲「ここ一年はお母さんと半々だから、もう主婦ってほどのアレでもないんだけどね」

京太郎「親父さん料理しないんだっけ」

咲「まあ仕事あるからね、しょうがないね」


京太郎「余裕あるならタコスの改良手伝ってくんね?」

咲「やだー京ちゃんってば優希ちゃんになにするつもりなのー」

京太郎「だから改良」

咲「どっちみち優希ちゃんの能力向上が目的ってことだね」

京太郎「どっちみちもクソもありません」

咲「クソとか言わないの飲食店で」

京太郎「うんk」

咲「いわせねーよ!」ビシッ


京太郎「優希のだけじゃなくて全員分作るつもりだぞ?」

咲「あ、そうなんだ」

京太郎「タコスに限らなくてもいいんだけど、そこはまあ、なんとなくな」

京太郎「お前はどんなんがいいと思うよ」

咲「んん、そうだね……一種類だけ?」

京太郎「統一感っていうか、一体感的なもの出したいからな」

京太郎「清澄全員で同じもん食ってがんばろーぜ、みたいなのな。だから基本は一種類で」

咲「なるほどなるほどー。なら味は無難にまとめるべきなのかな」

京太郎「一料理人として冒険心を失っちゃいけませんぜお嬢さん」


咲「レシピある?」

京太郎「草案ならいくつか。ほれ」

咲「ふむふむ」ペラペラ

咲「これ全部京ちゃんが考えたの?」

京太郎「師匠から伝授されたのもある」

咲「ああ、龍門渕の執事さん。仲良いよねー」ペラ

京太郎「東京行っちまったから最近は会ってないけどな」

咲「あ、これなんていいんじゃない?」グイ

京太郎「お、どれどれ?」グイ


咲「だからね、ここをドライフルーツに変えると噛み応えあっていいと思うの」

京太郎「集中力のこと考えると糖分補給も大事だしな。なるほどなるほど」

咲「上手くデコってエトペンの形にできないかなー」

京太郎「いいなそれ、和のやつ喜ぶぞ。チーズソース使えば顔はなんとかなる」

咲「和ちゃんにも手伝ってもらう? 料理上手だよ」

京太郎「うーん……せっかくだしサプライズでいこうぜ」

咲「はいな。優希ちゃんは?」

京太郎「あいつは戦力にならん」

咲「ですよねー」


京太郎「よっしゃ、ならついでにここをこうして」

咲「あっ、それならこっちはこうした方が」

京太郎「おーいいなそれ!」

咲「でしょでしょー!」


ワイワイキャッキャッ


店員(……早く帰んねーかなあのカップル)


カン!


※付き合ってません

京咲も好きだけど和と優希の絡みも好きです
親友同士だけにもっと増えてもいいと思うんですよね
それでは本日ここまでです、ご一読ありがとうございました

今更だしカップリング要素皆無だからあれだけど
京太郎が誰かと付き合い始めてるって噂が流れてオロオロするみたいなベタなのも見たかったりする

ハギヨシとキャップのウフフに嫉妬する一とかいいよね(ボソ)



やっぱり京咲がNo.1!


しかし、京太郎は赤城より加賀のが好みっぽそうだけどな……


>>240
いいですねーちょっと難しいですけどがんばってみます
まああまり期待はしないでください

>>241
貴様(向こうのスレを)見ているなッ!
どうもありがとうございます
やはりというか、あまり期待しないで待っててやってください

>>243
赤城さんも胸部装甲は立派だから…


〈かつての後輩、今の先輩〉


和「さて。それではみなさん、そろそろ部活を始めますよー」

一同「「「「「はーい!」」」」」

和「今日は……そうですね。三年を中心に回していきましょうか」チラッ

京太郎「ん」コクリ

京太郎「そんじゃあまずは、咲と優希が別々の卓に入れ」

咲「はーい」

優希「あいよ」

京太郎「この二人に対して後輩ども三人。ガンガン挑んでく感じで回すかな」


京太郎「そうだな、一年生六人が先で。適当に三人ずつ分かれろー」

マホ「うえー……」

和「こらマホちゃん、情けない声出すんじゃありません」メッ

京太郎「卓に入らない二年生八人、ちゃんと牌譜取ってろよー」

ムロ「わかりましたー」

京太郎「俺と和が後ろで見てるから、わかんないことあったら対局中でもどんどん聞いていいぞー」

優希「せんせーせんせー、どうしてのどちゃんの胸はMカップなんでしょうか、ってぇ!!」ゴツン!

和「麻雀以外の質問は一切受け付けておりませんのでみなさん気を付けてくださいね」ニッコリ

一年「「「は、はーい……」」」

ムロ(恒例行事だなぁ)


京太郎「半荘一回終わったら下級生は下級生同士、三年は三年同士で交代な」

京太郎「三年一人に下級生三人。このセットを崩さずいくぞー」

和「咲、優希。あなたたちも後輩の質問には真摯に答えるようしてくださいね?」

咲「ぜ、善処します」タラリ

優希「ふっ、任せておけい」ニヤ

和(不安です)

京太郎「えー、今日の目標! 三年四人を最低一回ずつトップから引きずり下ろすことー!」

後輩「「「ええー!?」」」


優希「おいおいお前ら、始める前から弱気になってんじゃないじぇ!」

咲「麻雀は確率のゲームだから、諦めさえしなければ大して難しい目標じゃないよ。みんな、根気良く行こう?」ニコ

和「対局してない三年二人は実質的にあなたたちの味方です。上手く活用してくださいね」

後輩「「「はーい……」」」

優希「ま、そこの犬を引きずり下ろすのが一番簡単だろうから、まずはそのへんを目標にがんばるんだな。はっはっは!」

京太郎「ちなみに三年は一回でもトップから落ちたら罰ゲームだから」

優希「!?」

咲「ちょっ」

和「いくら私たちでも罰ゲーム不可避なんですがそれは」


京太郎「後輩に順位で上取られた三年はその後輩になんか奢ること。これが罰ゲームな」

後輩「おおー!」

後輩「ん?」

後輩「なんでも奢ってくれるんですか?」

京太郎「なんでもとは言ってませーん。その先輩の良心と器の大きさに任せる方向性でー」

咲「さ、財布の痛み具合も考慮させてもらえませんかね……?」ダラダラ

優希「さっちゃん負けられないなーこりゃ」ケラケラ

京太郎「まあ学食で好きなの一品、ぐらいが健全だよな」

和「なにか他に質問がなければ……ないですね? それでは練習開始ですっ」パン!


咲「カン、カン、もいっこカン!」

後輩「うぼあー」

優希「それロン!」

マホ「はわわ」

和「ツモ切りも一つの選択肢ではありますけれど、こういう時はほら、河をよく見てください」

後輩「………………あっ、なるほど!」

京太郎「ムロ、牌譜のここ間違ってるぞ」

ムロ「え、あ? ああっ、す、すいません! えっと、ここを直せばまだ間に合うかな……?」

京太郎「へーきへーき焦んなって。後で一年の手本にするから綺麗に書いてくれよ」

ムロ(あ、それで二年が先に牌譜とりしてるんだ)


ワイワイガヤガヤ


和「相当必死ですね、咲」

京太郎「おーおーかわいそうな後輩ども。魔王モード入ってるぞーアレ」

和「あの子に一番足りていないのは闘争心。それを煽りにいく試みというわけですか?」

京太郎「あれでも昔に較べりゃはるかにマシになったけどな。仮にも全国チャンプ様だし」

和「一緒にモスに行ったそうですけどそちらの成果は?」

京太郎「悪くないんじゃないかな。楽しみにしてろよー和、ふふふっ」

和「?」キョトン

京太郎「お、そろそろ交代だな」


和「ツモ。三本場入ります」

後輩「ぐううっ」

京太郎「ノーテン」

ムロ「すいません、手牌見せてもらっていいですか?」

京太郎「おっ勘がいいなー。ほれ」パタン

ムロ(あ、当たり牌全部握り潰されてる……!)

咲「え、えーっと。次のツモ牌わかったりとかは無理?」

後輩「無理です(迫真)」

優希「うむ、腕を上げたなマホよ」モグモグ

マホ「やったー! マホ、ついに先輩にタコスを褒めてもらっちゃいましたー!」ピョンピョン

京和「「なにやってん(だ/ですか)そこぉ!!」」


ワイワイガヤガヤ


咲「あ゛ー。さすがに全トップ取るのはきついよー」グッタリ

優希「はは。あんまりアレなようなら奢る時私も一緒に行くからさ」

咲「お願い優希ちゃん! そもそも私、後輩の子と二人っきりで上手くやる自信ないんだよー!」

優希「そしてこの安定のコミュ障ぶりである」

咲「これって一回は負けるの前提だよね?」

優希「だろうな。一緒に飯食わせて先輩後輩間のコミュニケーションを取ろうって魂胆だじぇ」

咲「抜け目ないなぁ。京ちゃんのそういうところ、竹井先輩に似てきたよね」

優希「あははは! それ、本人たちが聞いたらどんな顔するだろうな!」ケラケラ


和「はい、練習そこまで!」パンパン

二年「あー」グッタリ

一年「ううぅ」ゲッソリ

マホ「あうあう」フラフラ

ムロ「」ウツロ

和「ど、どうしたんですかみんな? 阿修羅にでも扱かれたような顔をして……」オロオロ

京太郎(お前だよお前)

咲(和ちゃん穏やかな口調と態度から壮絶なスパルタ課してくるからなぁ)

優希(菩薩の顔した阿修羅だじぇ)


京太郎「んじゃー結果発表してくぞ。ほら和、あんま気にすんなって」

和「はあ」

京太郎「三年は各々、自分より上を取った下級生ののべ人数を申告してけー」

優希「私は四人。くー、やりおるなお前ら!」ニカッ

和「私は二人です。よくがんばりましたね」ニコ

京太郎「八人。ま、普通にやればこのぐらいできるんだから自信持てよ!」

咲「……ひ、一人、です。もうちょっとだったのに、悔しいぃ!」

和「本気で全勝するつもりだったんですかあなた」

優希「やろうと思って達成しかけてるあたりがまた恐ろしいな」

京太郎「俺から見りゃお前らも同類だからね?」


優希「さあ、ということは?」

京太郎「見事目標達成だ! おめっとさーん愛すべき後輩ども!」パチパチ

和「おめでとうございます」パチパチ

優希「よくやった! 感動した!」パチパチ

後輩「「「あ、ありがとうございまーす!」」」

咲「……次は全員(ゴッ)倒すからね」パチパチ

ムロ「ひっ」

マホ「ひえええ」

優希(アカン)


京太郎「特にムロ。咲を除く三人からそれぞれ一回ずつトップを取ってるな」

優希「やるじゃんかムロ、このこの!」バンバン

ムロ「あたた、あ、ありがとうございますっ」

マホ「おー」パチパチ

後輩「さすがレギュラー」パチパチ

後輩「くっそ、俺だって負けてないからな」パチパチ

和「あら? そうすると咲からトップを奪った一人というのは、いったい誰なんですか?」

咲「マホちゃんだよー」

一同「「「「!?」」」」

マホ「?」キョトン


優希「にしても腹減ったな。よし、これから駅前のタコス屋行くじぇ!」

優希「誰か一緒に行く人ー!」ノシ

マホ「はぁい! マホ行きます!」ピョンピョン

二年「行きまーす!」

二年「金! 暴食! タコス!」

二年「バクシーシ! バクシーシ!」

優希「一応言っとくけど、奢るのは私に勝った奴だけだかんな」

後輩「「「ええー! ケチー!」」」

優希「お黙り! 文句あったら私に勝てい! ではゆくぞ遥かなる地へ!」


ガチャ バタン


和「あっ、廊下は走っては……もう! ゆーきったら!」プンプン

京太郎「どうどう。堂々としてろよお牛さん、なーんつって!」

和「……」

ムロ「副部長、牛じゃなくて馬なんじゃ?」

京太郎「いい子だなぁ! ホントにムロはいい子だなぁ!」ワシワシ

ムロ「ツッコむだけでいい子認定されるんですかこの部活」

咲「あれ、裕子ちゃんはタコス食べに行かないの? 優希ちゃんに勝ったんだよね?」

ムロ「いやー、気疲れしてそれどころじゃないですよ」グッタリ


咲「裕子ちゃんも上達したねー。京ちゃんはまだしも和ちゃんと優希ちゃんに勝つなんて」

京太郎「ああん?」ギロ

咲「冗談冗談」

ムロ「……今年こそ、先輩たちに迷惑はかけたくありませんから」

咲「迷惑だなんてそんな。気負いすぎるのもよくないよ?」

ムロ「……」

咲「裕子ちゃん?」

ムロ「すいません、私ちょっと用事が。お先に失礼します」ペコ

咲「あ、え」


ガチャ バタン


和「どうしたんでしょうあの子」

京太郎「マホが咲に勝ったからじゃねーかな」

咲「え?」

京太郎「ほら、ムロはまだ一度も咲に勝ったことないしさ」

京太郎「レギュラーとして焦りみたいなの感じてるんだと思うぜ」

咲「……言ったら悪いけど今日のマホちゃん、完全なまぐれ当たりだったんだけどなぁ」

和「ええ。彼女を実戦に投入するのはまだ無理です」

和「咲に勝ったといっても確率の問題なんですから、そう気に病むこともないでしょうに」

京太郎「去年のこともあるしな。大会が迫ってきて緊張してるってのもあるんだろ」


一年「それじゃあそろそろ」

一年「僕たちも失礼しまーす」

咲「あ、お疲れさまー」


ガチャ バタン


咲「今の子たちもちょーっとだけ元気なかったよね?」

京太郎「マホ以外の一年五人。俺ら三年に今日一度も勝てなかった連中だよ」

和「あっ」

京太郎「ま、あのへんのフォローは俺が適当にやっとくから」ヒラヒラ


咲「でも……」

京太郎「いいからお前らはいつも通りにいつもの先輩やっとけ。優希みたいにさ」

和「優希みたいに、ですか」

京太郎「そーそー。元気ない奴らは俺に、元気ありすぎる奴らは優希に任せとけ」

京太郎「下手に取り繕っても逆効果だかんな。それぞれできる範囲のことやっときゃいいんだ」

咲和「「……」」

京太郎「そんじゃお先なー」


ガチャ バタン


咲「できること、かあ。優希ちゃんも京ちゃんも考えてくれてるんだね」

和「私たちは副将と大将。優希や須賀くんたちみんなが繋げてくれたものを、見事咲かせるのが仕事です」

咲「だね」

和「差し当たって私たちにできることといったら……?」

咲「学食のメニュー表見て、裕子ちゃんたちへの奢りの品でも物色しよっか」

和「それ、自分がお腹減っただけなんじゃないですか」クス

咲「違いますー先輩としての務めですー」

和「ふふっ、はいはい。それじゃあ鍵閉めるから出ましょうか」

咲「はーい」


ガチャ バタン カチッ


和「……しみじみ思いました。私の同級生が、あなたたちでよかったです」

咲「私もおんなじこと思ったよ。和ちゃんと優希ちゃんと京ちゃんと、一緒に先輩になれて……本当によかった」

和「ふふ」

咲「ふふふっ」

和「それじゃあご飯でも食べに行きましょうか」

咲「やったー!」

和「結局お腹空いてたんじゃないですか、もう」クスクス


カン!

マホちゃんの出番少なすぎるので那珂ちゃんのファンやめます……じゃなかった、リクちゃんの消化はまた今度ということで
次回あたりから他校編にも入ろうと思います
どこから行こうかなー

ではご一読ありがとうございました

清澄だけは例外的に部に残ってる四人をメインで書いてますが、他の高校はそうでもありません
というかそうしないと話が作りにくすぎるので……
例えば龍門渕ならこんな風になります↓


〈月夜の暴君龍門渕・あふたー〉


TV『さあ大将戦もいよいよ大詰めを迎えました。ホーム長野の大声援を背に逆転を目指す佐久の大将藤田』

TV『トップを守るは恵比寿のゴールデンルーキー天江衣。今年度のルーキーオブザイヤー筆頭候補』

TV『こちらも出身は長野ということで大きな声援が送られています。額には大粒の汗』

TV『大将戦開始時に12000あったリードも、みるみるうちに溶けて残りは3000弱』

TV『ここまで幾度となく超人的な闘牌を見せ、ファンを沸かせてきたこの大型新人にも試練の時が訪れています』

TV『あっとここで藤田が鳴いた! まくりの女王が仕掛けるか!? 天江が唇を軽く噛んだ! さらにリィィーーーチッ!!』


一「プロの世界はやっぱり広いねー」

純「ああ。いくら半月とはいえ、あの衣がこうも圧倒されるなんてな」

智紀「シチュエーションも悪い。『まくりの女王』相手にあんな半端なリードじゃ、むしろ逆効果」

一「誤解されがちな上に衣自身勘違いしてるけど、藤田プロって全然弱くないからね」

純「三年前のプロアマ戦だって総合得点で上回っただけ。直接対決はしてないもんな」

智紀「後は……実力うんぬん以前に、相性差もあるかも」

一「あーあるかもね」

純「高校時代の衣は基本、リードした状況での登場だったからな」


アーダコーダ アーデモナイコーデモナイ


一「……で、やけに静かだけど。だいじょぶとーか?」

透華「……別に、大丈夫ですわよ」

智紀「それはそれで意外」

純「な。もうちょっとこう、『ああ衣が、衣がぁ!』みたいな感じで取り乱すかと思ったのにな」

透華「貴女たち、主の取り乱す姿を見て楽しいんですの?」

一「うん!」ニッコリ

透華「……」ゲッソリ


透華「はあ。衣だってもう子供ではありませんわ。雛鳥はもはや私の手を離れました」

透華「苦境もあれば試練もある。挫折を味わうこともあるでしょう」

TV『逆転! 佐久フェレッターズついに逆転! 監督出ました、ここで天江を諦めます!!』

透華「……その相手が、高校時代に目をかけてくだすった藤田プロだというのは、少々皮肉ですけれど」

一「せっかくの凱旋試合だったけど、今夜は残念会になりそうだねぇ」

智紀「ハギヨシさんが上手くフォローしてくれればいいけど」

純「こういうのは酒飲んでパーッと忘れちまえばいいんだよ」

透華「ちょっと純! 私たちは全員未成年ですわよ!?」


一「そもそも衣の場合、成年してたとしても飲ませちゃいけないと思うんだけど」

智紀「体重がね……」

純「確かにあの体重にアルコールが回るのはまずい」

透華「だーかーらー! 未成年! 未成年なんですのよ!? なぜにそうも知った風な口が利けますの!?」

純「だいじょぶだいじょぶ、龍門渕に来てからは一度も飲んでないから。その点お前らに迷惑はかけないから」

透華「!?」

智紀「ドイツって怖い」

一「さすがビールの本場」

透華「そういう問題じゃありませんわよ!」


一「衣、荒れそうだよね。OG訪問どうしよっか」

透華「……ちょっと考え直した方がいいかもしれませんわね」

純「俺らも気付けばOGなんて立場か。歩のヤツ元気でやってんの?」

智紀「私は時々顔出すけど、まあキツそう」

透華「キツい? 部員を上手くまとめられておりませんの?」

智紀「モチベーション的に、っていう話。今年の長野は完全に清澄一強だから」

一「ああ……」

純「三年ブーストかかるからなー。宮永なんてただでさえ一年の頃から化物だったってのに」


一「去年も衣のプラス分だけで勝ったようなもんだったしねー」

智紀「他の二人ももう立派なモンスター。あれははっきりいって私たちでもキツい」

純「隙があるとすりゃ下級生が入るとこか? どのみち高い壁だわな」

一「それで戦意喪失しちゃってるって?」

智紀「言いすぎだけど、あえておおげさに言うならそんな感じ」

透華「まったく嘆かわしい。高い壁を打ち破ってこそ目立てるというものでしょうに」

純「はっはっは。前麻雀部をぶっ壊して更地にしたお嬢様は、さすがに言うことが違うねえ」


透華「あれは、その。彼らが勝手に出て行ったんです。追い出すつもりまではありませんでしたわ」

智紀「そこだけ聞くと言い訳くさく聞こえる」

透華「むう。まあ、多少言い訳めいたところはあるのかもしれませんが」

一「ボクらはわかってるから大丈夫だよ、とーか」ニコ

透華「……世間には長野の強豪と認識されながら、風越のかませ犬に留まるを良しとし続けた前麻雀部の体質」

透華「あれさえなければ、あんなどうしようもない決別にはならなかったでしょうに……いえ、これも言い訳ですわね」

透華「結局は私が若かったということなのでしょう。彼らには申し訳ないことをしましたわ」


純「お前がそんな風に気に病む必要はねえよ、透華」

透華「純?」

純「できそうにないことをやろうとしてるヤツを、指差して笑うだけならまだいい」

純「小市民はいつも挑戦者を笑う、ってな。どこにだってそういう輩はいる」

純「でもあいつらは小市民ですらなかった」

純「挑戦者の邪魔をしようとした。自分たちの日常を脅かす異分子と見なして、排除しようとさえした」

純「だからしょうがなかったんだよ。ああいう決着の付き方になったのは、な」

透華「……」


純「ま、それもこれも突き詰めちまえば、衣のためだけに作ったような部活だったもんなあ」

智紀「それが気が付けば、いつの間にか後輩なんてものもできて」

一「勝って、負けて、また勝って。最後には普通の部活になって、普通の青春送っちゃったねぇ」

透華「……そうですわね」クス

透華「決めました。やはり衣も部の訪問には来てもらいましょう」

智紀「いいの? 負けた直後ってことになるけど」

透華「一度決めたことを守るのは大人の責務というものですわ。衣にも責務を果たしてもらいます」

純「へへ、透華も大人になったってことか」

透華「私は昔から大人ですわよ」ツン


prrrrrrr!


一「あ、電話だよ」

透華「もしもし……まあ、本当ですの!?」

純「お、もしかして例の件か」

透華「ええ、ええ、ありがとうございます……ライセンスの申請が通りましたわよ!」

智紀「おー」パチパチ

透華「最下部リーグからのスタートとはいえ、とうとう私の野望の第一歩が踏み出されたわけです……!」

透華「そう! 他でもないこの私が選手兼監督を務めるプロ麻雀チーム――」




「『龍門渕トウカーズ』を日本一にするという、壮大なる野望の第一歩がッ!!!」




一「……」

智紀「……」

純「……」

透華「あ、あら? 存外リアクションが薄いですわね?」

智紀「名前がね……」

透華「なにか文句がありますの!?」キー

一「あはは、ボクは別にないけどねー」

純「世間的にちょっと、なあ?」

透華「その世間に対して私が最高に目立てるチーム名を付けたんですの!」

透華「目立ってなんぼ! 目立ってなんぼですわ!」


透華「数年後! 一足先にトッププロになった衣を迎えに行くのに、これ以上のネーミングなどありえませんわ!」

透華「ですから……」

一「はいはいそうだねー」

純「野望があまりに壮大すぎて、その前に衣がばーさんになっちまわないか心配だな」

一「衣っておばあちゃんになっても外見変わらなそうじゃない?」

智紀「いわゆるロリババア」

純「リアルではアリなのかそれ?」

智紀「アリかナシかでいえば、アリ」bグッ

透華「話を聞きなさぁぁぁぁぁいっっ!!!!」


カン!

例えばこんな龍門渕アフター
ロリババア衣はアリだと思います
ご一読ありがとうございました

風越行きそうなイメージあるな>>ミカちゃん

>>300
ミカちゃんは風越?
あ、いいんじゃないですかねそれで(尾田栄一郎並の感想)
ぶっちゃけ忘rもごもご

さて本日のリク消化は>>176>>240の合わせ技となっております
カップリング要素が皆無とは言い切れない部分がありますので、>>1の注意書きを信じて来てくださった方は閲覧にご注意ください
まあそんな大層なもんでもないんですが、念のためにね?


〈ToLoveるじゃん!〉


マホ「ムロせんぱーい」

ムロ「どしたのマホ」

マホ「先輩たちって仲良いですよねー」

ムロ「……言葉が足りんくてよくわからないけど、三年の先輩たちのことだよな?」

マホ「そーですそーです。すっごく仲良いですよね?」

ムロ「確かになぁ。女子同士ならまだしも、二年の男子とあのぐらい親密になれって言われたら……私には無理かも」

マホ「マホも自信ありません!」


ムロ「いやお前はなんとかなるよ。アホだし」

マホ「マホはアホじゃないのですよー!!」ピョンピョン

ムロ「アホなんて言ってない。マホって言ったんだよ」

マホ「あ、そーなんですか? ならごめんなさい!」ペッコリン

ムロ「やっぱりアホじゃないか(呆れ)」

マホ「今アホって!」

ムロ「違う違う、マホって言ったの」

マホ「あ、そーなん(ry」


ムロ「無限ループは怖いのでそろそろ話を戻そうか」

マホ「和先輩と、優希先輩と、須賀先輩と、宮永先輩って、仲良しですよね!」

ムロ「そうそうそういう話だったな。よくできました」

マホ「えへん」

ムロ「男女間の友情は成立しないってよく聞くけど、あの四人には当てはまらないと思うんだよね」

マホ「ですよね!」

ムロ「……友情、なんだよなぁ」

マホ「加山?」

ムロ「それは雄三」


ガチャ


優希「おっす」

咲「おっすおっす」

和「こんにちは」

マホ「こんにちはー!」

ムロ「おっと、噂をすれば。こんにちは先輩方」

咲「噂?」

優希「なになに、なんの話してたんだお前ら?」


咲「あーなるほど。友情ね」

和「友情ですか。確かにそうですね」

優希「違いない。友情だ」

マホ「仲良しなのはいいことですねー!」ニコニコ

ムロ「やっぱり友情ですか」

咲「んー。そうなるきっかけもなにもなかったしねえ」

和「友達のまま二年も一緒に過ごして、今さらこの関係は変わらないような気がしますね」

優希「いやーホント友情止まりでよかったじぇ」


ムロ「よかった、ですか?」

優希「そりゃーよかったに決まってるじぇ。私なんていつのどちゃんに貞操を奪われるか、もう心配で心配で」

咲「ファッ!?」

和「ちょっと! なに言い出すんですかゆーきぃ!!///」

マホ「てーそうってなんですか?」キョトン

ムロ「マホはちょっとあっち行ってようね」

咲「や、やっぱり和ちゃんってそういう趣味の人だったんだ……!」ソソソ

和「あ、いや、え、その、これはその」オロオロ


優希「おい明確に否定しないぞ」ヒソヒソ

咲「そっかぁ、やっぱ和ちゃんガチかぁ」ヒソヒソ

優希「さっちゃんも身の危険感じたことあんの?」ヒソヒソ

咲「なんていうか、日常生活の端々から感じとらざるをえないよね」ヒソヒソ

優希「私なんて中学時代に子供を産んでくれって迫られたことあるじぇ。iPS細胞片手に」ヒソヒソ

咲「きゃーなにそれホント!?」キャーキャー

和「してませんっ! 脚色しないでください! そもそもiPS細胞はまだ実用化されてません!!」

優希「あらあらやけに詳しいじゃないのお嬢さん」

咲「やっぱりレズじゃないか(憤怒)」

和「違うったら違うんです!! あれはジョークの一環なんですーーっっ!!!///」


ムロ「とまあ、こんな具合に仲良しですよね先輩方は」

咲「息の合った即興漫才を」ドヤァ

優希「楽しんでもらえたかな?」ドヤァ

マホ「おー」パチパチ

和「私は楽しんでません!! 息と血圧が上がっただけです!!!」ゼェハァ

ムロ「で? いったいどうしてこんな話を始めたわけ、マホ?」

マホ「実はですねー……須賀先輩に彼女がいるって噂を聞いたんです!」

咲「!?」

優希「!?」

和「!?」


ムロ「それほんt」

優希「おいマジかそれ!?」

咲「え、ウソでしょ? ねえウソでしょ? だって京ちゃんだよ?」

和「ええええなんですかそれ、ありえませんオカルトそんな!」

マホ「ま、マホも噂に聞いただけなので……」

ムロ(あれ、なんか三人ともすごい動揺してる? これってもしかして、副部長ワンチャンあるんじゃ?)

咲「だってあの京ちゃんだよ? あり得ると思う二人とも?」

優希「ない」キッ

和「ないです」パリ

ムロ(あ、ないなこれ)


優希「せいぜいアイツの取り柄なんて、人よりちょっとイケメンで……」

ムロ「人よりだいぶ背が高くて……」

和「人より結構運動神経がよくて……」

マホ「人よりとっても料理がお上手で……」

咲「人よりかなり気が利くことくらいしか……」

優希「……」

ムロ「……」

和「……」

マホ「……」

咲「……」


咲「あれ? もしかして京ちゃんって、割と優良物件?」

優希「地味に声もいいしなアイツ。なんか熱狂的ファンがいそう」

ムロ「声に関しては人のこと言えないと思います、優希先輩」

和「まあ、優良物件うんぬんは、冷静になって考えてみると、そうなんですけど」

和「……」ウデグミ

和「いえ、やっぱりないです」

ムロ「はあ。ないんですか(頑なな人だなぁ)」

マホ(なにがないんだろ?)ハテナ


ムロ「むしろどのへんがないんですか?」

咲「だって腐れ縁だし」

優希「だってケンカ友達だし」

和「だって何度殴っても胸見てきますし」

ムロ「それ一歩間違えると『あり』になるパターンだと思うんですけど。最後はともかく」

和「いやでも、上手く言葉で言えないけど……ないんですよ」

咲「強いて言うならー、ギャルゲにおける主人公の三枚目な友人ポジション?」

優希「あ、それだそれ、言い得て妙だ」ポン

ムロ「副部長が聞いたら泣きますよ……」


優希「どのみち複雑なアレではあるんだよな。私たちから見た京太郎って」

咲「頼れるお兄ちゃんのようでもあれば、手間のかかる弟くんみたいでもあって」

和「どうしようもなくスケベな兄でもあれば、可愛くてしょうがない弟のようでもあるんです」

マホ「ほほー。それはものすごい複雑ですねー」

優希「信頼はしてるけどな」ニカッ

咲「うん、すっごくしてる。中学の頃からああいう人だったもん」ニパー

和「そうですね。この世で父の次に信頼できる男性だと思ってます」ニコ

和「……あ。これはオフレコですからね二人とも!」キョロキョロ

ムロ「はいはい(……副部長が聞いたら泣くかもな)」クス

マホ「はい!(……おふれこってなんでしょう?)」ハテナ


優希「そういうわけだから、彼女ができたってんなら祝福してやんないといけないよな……」ショボン

咲「そだね。ちょっとさびしいけど、しょうがないね……」ショボン

和「なんでしょうこの、ポッカリと心に穴が空いたような……」ショボン

優希「まるで、そう……」

優希「飼ってる雄猫がよそでメス引っかけて赤ん坊までこさえてたと知った時のような」

咲「あーそれだ」

和「言い得て妙です」

ムロ「……」

ムロ(結局私はなにを聞かせても副部長を泣かせることになりそうだ)シクシク


優希「なあマホ。京太郎の彼女ってどんなヤツなんだ?」

咲「あ、それ興味ある!」

マホ「えーっとですね、マホが調査したところによればー」つメモ帳

和「……ちょっと聞くのが怖いですね」

咲「娘の結婚相手に引き合わされる父親って、こんな気分なのかもね」

ムロ「肝心の娘(男)がここにいませんけどね」

マホ「いろいろと噂が飛び交ってますけど、大まかにいうと三つに分けられるみたいです!」ペラッ

優希「ほうほう」

これは逆に京太郎と誰かが本当にくっついてるオチにして、咲たちを追い込みたいですね(ゲス顔


マホ「一つ! 駅のホームで須賀先輩が彼女さんに、タコスを作ってあげる約束をしながらイチャイチャしてた!」

優希「ん?」

マホ「二つ! 裏通りのモスバーガーで須賀先輩と彼女さんが、肩を寄せ合って一冊のノートを眺めながらイチャイチャしてた!」

咲「え?」

マホ「三つ! 下校時刻ギリギリの旧校舎で須賀先輩に彼女さんが、上目遣いで『お願いでありーんすっ♪』と言いながらイチャイチャしてた!」

和「ぶっ」

ムロ「あっ(察し)」


マホ「いやーすごいですね! もう時と場所を選ばずって感じですね!」

マホ「あの須賀先輩とこんなことできる彼女さんの顔、マホ一度見てみたいです!!」

優希「……」

咲「……」

和「……」

マホ「あれ、どうかしたんですか先輩たち?」

マホ「なんだか顔が赤かったり青かったり緑がかってたりですよ?」

ムロ「ま、マホお前、悪いこと言わないから今すぐ帰っ」


ガチャ


京太郎「おいーっすみんなオラ京太郎! 遅くなっちゃってごめんちゃーい……」

優希「えくすぷろーじょおおおおおおんんっっ!!!!」

咲「らぐなろくぶれいかああああああっっ!!!!」

和「ぐれんせいてんはっきょくしきいいいいいっっ!!!!」

京太郎「またみてぎあすぅっ!!!???」


ドガガガガガガガガッ!!!


マホ「す、須賀せんぱああああああいっ!!??」

ムロ「あーっとすがくんふっとばされたー!」

京太郎「ち~ん(笑)」


和「はっ! す、須賀くん!? 大丈夫ですか須賀くんっ!?」

優希「し、しまったつい虚無の魔法を! お、起きろ犬、じゃなかった京太郎ーーーーっ!!!」

咲「うわああああああん京ちゃん起きて死なないで、ごめんね京ちゃあああああんんん!!!!」


ワーワーギャーギャー


ムロ「えー。こうして須賀副部長は、お三方の照れ隠しによって理不尽にも轟沈する羽目と相成ったのでした。ちゃんちゃん」

マホ「慢心も大破進軍もしてないのに、まったく酷い話なのです!」

ムロ「やかましい」ビシッ


カン!

実際モテそうなのは主人公の友人ポジだけどなあ

当人たちにそういうつもりがなくても周りからはそう見えるんだよ、ってお話でした
当スレの本編では今後、彼らがそういう感じになる予定はありませんのでご了承ください
ご一読ありがとうございました

>>322
次はそういう方向性でいきましょう(ゲス顔)

>>329
ボクはニセコイだと集×るりちゃんが好きです(半ギレ)

乙乙
つまりあらたそが1番可愛いんだな(中の人並みの感想)

>>336
内山さんのショタ声好き(奏者並みの感想)

友人ポジだと某泣きゲーの春原とかも好きですね
ここの京太郎ももしかするとちょびーっとだけ寄せられてるかもしれません


〈彼らのとある一日・起床編〉


咲「むにゃむにゃ……はっ!」バッ


ドタドタドタ


咲「ご、ごめんねお父さん! 今ごはん作るから……あ」

父「」クスクス

母「おはよう、咲。朝ごはんできてるわよ」ニコ

咲「あ、あはは。これはお恥ずかしいところを///」

父「恥ずかしがることなんてなんもないさ」

母「さ、早く食べて学校行きなさい。お弁当も忘れずにね」

咲「……はーい!」ニコッ


和「すー……すー……」


ピッ ピッ ピッ


和「……」ピク


ピピピpバシッ


和「う~~んっ。今日も一日がんばりましょう」スクッ

和(さて、今日の予定は……)

和(学校についたらまずは、須賀くんに昨日頼んだ資料をもらって、そのまま部室に行って咲と優希にも見せて、それから後は)ブツブツ

和「……」

和(それはそれとして……)スタスタ

和(今日はどんな髪型にしようかなーっと♪)ウキウキ


母「ふわぁ……」

父「おはよー……」

京太郎「親父、お袋、おはようさん。ちょっと待ってな、すぐできるからよ」ジュージュー

母「……」

京太郎「よしできた、召し上がれ。洗濯機もスイッチ入れといたから干すのはよろしくな」テキパキ

父「……」

京太郎「ゴミ袋縛っていいか? ゴミ捨て場の掃除当番、今週ウチだったよな。ついでにやってくるわ」ガチャ

母「……」

京太郎「カピの餌やった、砂と水換えた。おしこんなところか、そんじゃー学校行ってくるべー」タッタッタッ

父「……」

母「あの子、もういつでも嫁に行けるわね」

父「なー」


優希「zzz」

優希「zzzzz」

優希「zzzzzzz」

優希「zzzzz……はっ」パチリ

優希「……」ボー

優希「うっ、ううぅー」ノソリノソリ

優希「……」ボー

優希「……」キョロキョロ

優希「……」ボー

優希「ふわああああああ」

優希「んー」コスリコスリ

優希「……」ボー

優希「よし」












優希「寝るか」ゴロン

母「とっとと起きなさいこのバカ娘ェ!!!」バァン!


カン!

短いけどここまで
片岡さんの行動パターンに親近感を覚えた方は私と握手です
ご一読ありがとうございました

zzz→目覚まし鳴る→止める→寝る

あると思います

>>369
女片岡、目覚ましはかけない
あると思います

でわ今日もぼちぼちやっていきましょー


〈彼らのとある一日・登校編〉


ガタンゴトン ガタンゴトン


咲(ふー。この時間でも座れるのは田舎住みの特権だよね)

咲(東京とか行くたびに目まいしそうになるしなぁ。迷うし)

咲(住んでてよかった長野県。さ、カワカミンブックスでも読もっと)ガサゴソ

咲「……あれ? あーっ!」


ザワッ


咲「あ、いえっ。すいませんなんでもないです///」ペコペコ

咲(……いやーしくじったなー。まさか境ホラ最新刊と間違えて)ガサゴソ

咲(お父さんのダンベル持ってきちゃうなんて!)ゴトン

咲(重さが変わんないから気付かなかったよ。てへっ、失敗失敗!)テヘペロ

咲「……」

咲(着くまで寝てよ)


ガタンゴトン ガタンゴトン


和「……」タブレットポチー

和(この寿台の二年には要注意ですね。去年から成績が急激に伸びている)

和(東福寺は全体的に染め手を作りたがる傾向にある。指導者の方針でしょうか。理解に苦しみます)

和(平滝の南浦さんはやはり強敵です。個人として見た場合最強の敵と言ってもいい)

和(風越、鶴賀、龍門渕は……さすがにそうそうデータを取らせてはくれませんね)

和「ふーっ」

和(対戦校の研究なんて、須賀くんじゃないけど二年前の私が見たらなんていうでしょう)クス

和(星夏さん、桃子さん、歩さん)

和(今年こそ、私たちが勝たせてもらいますからね)グッ


『次はー七久保ー七久保ー。お下りの際にはお忘れ物などないよう……』


和「と、いけない。そろそろ下りないと……あら?」


ガタンゴトン ガタンゴトン


京太郎「」ボケー

京太郎(吊り革見てると懸垂で筋トレしたくなってくる……中学時代の癖か)

京太郎(っていかんいかん、公共の場だぞおい)

京太郎(スマホでもいじって気ぃ紛らわすかな)スマホポチー

京太郎(国会紛糾大臣謝罪、まあこのへんはどうでもいいや)

京太郎(野菜の収穫量が例年になく好調。いいねー、帰りにスーパー寄ってくか)

京太郎(福留もう戻ってくんの!? 西岡はともかく!?)

京太郎(お、川内と綾波改二のバレ画像が。どうしよ、見よっかな)

京太郎(新子さ……じゃなかった綾波は育てたけど夜戦バカは手つかずだからなー。改造レベルが遠い)

京太郎(ええいままよ! どうせそのうち踏む地雷だ、今踏んじまえ!)

京太郎「……」

京太郎「アイエエエエエエエ!?」


ガタンゴトン ガタンゴトン


優希「……」

優希「……」

優希「……」

優希「……」

優希「……」

優希「……」


『……はー七久保ー七久保ー。お下りの際にはお忘れ物などないよう……』


優希「……」ハッ

優希「やべ、乗り過ごした?」

優希「……」

優希「ま、いっか。もっかい寝よ……ぐぅ」


  |   |  | | |  |
  |   |  | | |  |
  |  ,,,,,、-l l l、  |
 l l /     \| |

/ ̄(_ヽ ノ::、_  | ||ヽ___,,,、-'''''´ ̄
ヽ_  ̄;;;;;ノ`   
/   ヽ::::ヽ      ,   ヽ、し',.

ヽ__,,,,:;;;;ノ      ;l     ) (_
/`´  ::、:::::ヽ   ̄ヽ; i    ノ ( ̄ヽ 
l、__;ノ;;;;;_ノ   /___

 i'    ; :) _,, 〃=iヽ<.i   '''''―-
 ヽ―==ニ-'''_ // ノ


和「『ま、いっか』じゃありませんこのおバカ! 明らかにリアクションとしておかしいでしょうが!! ちなみに七久保にはまだ止まってません!! 『次は七久保』の『次』の部分だけ聞き逃したんでしょうでどうせ!!!」

優希「おーのどちゃん、おはよー。朝っぱらから長ったらしい説明台詞をありがとー」ヒリヒリ

和「まったく! こっちはこっちでアナウンスガン無視でウツラウツラしてるインハイチャンプを発見してしまいましたしっ!」

咲「おはよーゆーきちゃーん……」ウツラウツラ


優希「おー、おはよーさっちゃーん。さっちゃんものどちゃんに起こされたん?」

咲「うん、ゲンコツで起こされちゃったー……」フラフラ

優希「公共の場で鉄拳制裁とかどうかと思いますじぇ原村部長」

和「誰のせいだと思っ」


アイエエエエエエエ!?


和「……ま・た・聞き覚えのある声がぁっ! ああもう! 行ってきますっ!」ドスドス

優希「いってらっしゃーい」

咲「らっしゃーい」

優希「……」

咲「……」

優希「zzzzz」

咲「zzzzz」


カン!

原村部長マジおかん
片岡さんと同じ行動を一度だけとったことがあります
みなさんはくれぐれも真似しないように

ではご一読ありがとうございました


〈彼らのとある一日・授業編〉


教師「つまりifを省略したことによって文頭で倒置が……」

和「……」カキカキ

教師「じゃあ原村、ここを訳してみなさい」

和「はい。『ジェニファーが僕を捨てて他の女のところに行ったよ』『えっ、それは辛かったろうに』『そうでもない、慣れっこさ』」

教師「さすが原村、素晴らしい。では次の文章を……」

和(……前から思っていたけど変なテキストですね)


キーンコーンカーンコーン


教師「よし、今日はここまで」

和「気を付け、礼!」

生徒「「「「ありがとうございましたー」」」」

和「ふう。次の教室は、っと」

咲「なんか全体的に面白みがないよ、和ちゃん!」

和「余計なお世話です!!!」


教師「結論から言うならば、長篠の戦いで着目すべき点は鉄砲三段撃ちなどではない!」

教師「三段撃ちがあったのかなかったのか、みたいな議論もあるにはあるが、そこはそもそも重要なんかじゃないんだ!」

教師「特筆すべきはこの戦いで信長が野戦築城なる戦の形式を持ち出したことで……」

咲(また始まった……この先生、戦国時代になると脱線しまくるんだよねー)

教師「そもそも戦争において自軍の戦術的戦略的有利を確保するために戦場の地形を変えるなどという発想は、我が国の歴史上およそ信長が嚆矢であると思われ……」

咲(特に信長が好き。ちょー大好き。噂によると大学の卒論も信長のこと書いたらしいし)

教師「世に名高い秀吉の備中高松水攻めも、元を辿れば横山城主時代に信長に命じられ、浅井氏の南下を物理的に堰き止めるために行った6kmもの巨大土塁の工事がその発想の土台にあると考えられ……」

咲(うわーどんどん熱が入ってく。これもう今日は授業になんないだろーなー)

京太郎「ほうほう……!」カキカキカキカキ

咲(で、なぜか京ちゃんもノリノリだし。なんで男の人ってこういうの好きかなー)ハァ


教師「はい、それじゃあ今言ったところに注意して問題演習を始めましょう」

教師「問題集19ページの2番から、はじめ!」

京太郎「……」カキカキ

京太郎「……」カキカキ

京太郎「……」カキカキ

京太郎「っ」ピタッ

京太郎「……」

京太郎(ヤバい。これは、ヤバい。掛け値なしにヤバい)

京太郎「……」

京太郎(俺は今すごく、ものすごく、ものすっごぉぉぉぉぉく)


ドドドドドドドドドドドド


京太郎(うんこに、行きたいッ!!!)キリッ


京太郎(しかしこの静けさの中、手を挙げるのは正直躊躇われる)

京太郎(なにか、なにかきっかけでもあれば……あっ)

京太郎「先生」ノ

教師「はい?」

京太郎「片岡さんが寝てます」

優希「zzzzz」スピー

教師「まーた片岡さんですか……起きなさいッ!!」バチコーン

優希「ほあちゃあああっ!?」ガタガタッ


ワハハハハ


優希「つつぅ」ヒリヒリ

教師「まったく! 何度言っても懲りない子ですね!」

京太郎「あ、トイレ行きたいんですけどいいっすか」

教師「はいはいどうぞ」ハァァ

京太郎(サンキュータコス)


教師「芭蕉の句には……」

優希(一時間目は朝起きたばっかで眠い)zzz

教師「横田ァ! 三年になったらこんぐらい読めんだろォ!!」

優希(二時間目は登校疲れが出はじめる時間だから眠い)zzz

教師「イチキュッパのビデオデッキが2割引! ボーナス一括払いで5%オフ! 今ならポイント還元が13%ついて、さていくらッ!!」

優希(三時間目は腹が空きだしてきて眠い)zzz

教師「ほわちゃー! ほーわちゃ~~~あちゃー!! はいここテストに出まーす」

優希(四時間目はカロリーを消費を極力抑えなきゃならんから眠い)zzz

教師「Oh Yeah! いいぜ、いいぜbaby!」

優希(五時間目は飯食ったばっかで眠い)zzz

教師「授業じゃ! この問題がわかる者はおるか! おらんのか!?」

優希(六時間目は一日の疲れが表出するためすこぶる眠い)zzz


キーンコーンカーンコーン


優希「よーし放課後だ、今日も一日がんばったじぇ! スカッと爽やかな気分で部活に臨めるな!」スッキリ

和「優希、ちょっとお話があります」ピキピキ


カン!

片岡さんの思考パターンに(略
短いですがご一読ありがとうございました

朝のHRから夕方のHRまで熟睡した事あったわ

爆睡王と呼ばれ、ついには昼休みにも起こしてもらえなくなった過去の自分を想起する……

>>397 >>402
どこにでもいるもんですねー
クラスに一人必ず存在する人種っていますよね、なんなんでしょあれ
あ、私は違います(迫真)

今日は他校編いっちょいきます
アホみたいに長くなったので暇な時にでも読んでやってください


〈絶対王者 白糸台・あふたー〉


淡(お昼なににしようかなー。ラーメンは昨日食べたし、ご飯系かな?)

淡(お腹減ったし、カツ丼とかがっつりいきたい気分……)

後輩A「あ、大星部長」

後輩B「淡お姉さま!」

淡「……あら、こんにちは」ニコ

A「部長もお昼学食ですか?」

B「よっ、よよよ、よろしかったらご一緒させていただけませんか!?」

淡「ふふ、もちろんいいよ。じゃあ一緒に並ぼっか」

B「やったー! お姉さまはなにになさるんですか?」

淡「えっと………………パスタ、にでもしよっかな」


淡「はい、ごちそうさまでした」

A「ごちそうさまでした」

B「でした!」

淡「それじゃあ私行くね」

B「あ……」

淡「また、部活の時にね」スタスタ

A「残念、行っちゃったわねー」

B「もうちょっとお話したかったなー。でも去りゆく後ろ姿もまた素敵……!」ウットリ

A「気品があるわよね。さすがは名門白糸台の部長兼絶対的エースだわ」


B「二年前に連覇が途切れた白糸台麻雀部」

A「最強チャンプ宮永照先輩の引退と、監督の勇退が重なるというこれ以上ない苦境」

B「しかしその逆境に負けず、いやむしろ逆境を好機として捉え」

A「部の改革を推し進めた旧チーム虎姫最後の一人」

B「それこそが大星淡お姉さま! ああお姉さま、素敵ー!」キラキラ

A「噂に聞くチーム対抗制ってのもそれなりの利点はあった気がするけどね」

A「でも私、今の白糸台もすごいいい部だと思うよ」

B「ちゃんと覇権も奪回したもんね!」

A「去年決勝の龍門渕との死闘は伝説に残ると思うわけよ」

B「敵は暴君天江衣! それでも一歩も引かずに立ち向かい、見事栄冠を掴んだ我らが部長!」

AB「「ああ、かっこいいなぁ……!」」キラキラ


放課後


淡「……」スタスタ

副部長「ああ部長、ちょうどいいところに」

淡「……どうかしたの?」

副部長「今日ちょっと用事ができちゃって。部室の鍵、お願いしてもいいですか?」ジャラ

淡「ん、いいよ」

副部長「ありがとう」

淡「それだけ?」

副部長「……あ、うん。それだけです」

淡「そ。じゃー行くね」スタスタ

副部長「……」


淡「鍵、かーぎっと」ガチャガチャ

淡(そういえば、自分で部室の鍵を開けるなんて初めてだなぁ)

淡(三年になってからは副部長が開けてくれてたし、それより前は)

淡(それより、前は)

淡「……」

淡(はーあ、なにしんみりしてんだか。さ、今日も練習し)ガチャ


ビュゴオオオオオオオオオ


淡「は?」


淡「え、なにこれ? なに、なんで部室で竜巻なんて……竜巻? まさか!?」


ビュゴオオオオオオオオオ


照「やっほー照だょ」ノシ ブンブンブゥン!!

淡「」

照「……あれ、外した?」

淡「」

照「せっかく人が歓迎のコークスクリュー竜巻で出迎えてあげたのに、哀しいほど薄いリアクション」(´・ω・`)

淡「て、て、て」

照「てっちり?」

淡「てっ……宮永先輩っ!? ななな、なにしてるんですかこんなところで!?」


照「他人行儀な呼び方、先輩寂しい。せっかく人がはるばる横浜から来てあげたのに」(´・ω・`)

淡「いやせいぜい電車で一時間だし……ってそんなことどうでもいいでしょう!? 私の質問に答えt」

照「それに、私だけじゃないよ」

淡「えっ」


ゾロゾロ


菫「おお、やっと来たな大星部長殿」

尭深「みんなの憧れ大星部長……」

誠子「きゃー淡お姉さま素敵! 抱いて!」

淡「」


菫「いやあ、私は感動したぞ大星」

淡「え、あ、はい」

菫「あのどうしようもないじゃじゃ馬娘が、よくぞここまで立派な部長に……うっ、うう」グスッ

淡「な、なにも泣かなくても……」

誠子「えー。私はあのどうしようもない大星の方がよかったですけどねー」

淡「どっ……」ヒクヒク

尭深「『数えくらいくれてやる』とか言っちゃう淡ちゃんが?」

淡「はうっ!///」モンゼツ

誠子「そうそう。『高校100年生』とか『私のためのハンデ付けご苦労様でーす』とか言っちゃう淡お姉さまが」

淡「~~~~~~~っ!!!///」ジタバタ


菫「そういえば来客用の茶菓子をつまみ食いして照に罪をなすりつけたことがあったな」

淡「う」

照「あれはひどかった。菫、私の言い分をまったく信じないし」パクパク

菫「ひどいのはお前の前科の数だ。大星が前科一犯ならお前は百犯だからな?」

照「……! 淡が前科一犯なら、私は前科百犯だよ!」ドヤァ

菫「馬鹿なのか?」ニヤ

淡「も、もうやめてぇ……///」

誠子「100って数字好きだったよね、大星」

尭深「なにかにつけて100を絡めて自分の大人ぶりをアピールしたがる淡ちゃん、かわいかったね……」オチャゴクー

淡「うわあああああああ!!! も、もうやめて! ホントにお願いだから、もう許してよおおおお!!///」ジタバタジタバタ


淡「帰ってきたOGに黒歴史掘り起こされた……死にたい」グッタリ

照「え、黒歴史だったの?」キョトン

菫(こいつは本気でわかってなさそうだからタチが悪いんだよな)

淡「ええ、そりゃーもう。今のやりとりを部員の前でばらされたら私は腹を切ります」

誠子「大星が好き勝手やってた頃はチーム制だったしねー」

尭深「同級生でも当時の淡ちゃんの言動を知ってる子はあんまりいなさそうだね」

淡「そうなんです。だから本当に勘弁してくださいお願いします」

照「昔の口調に戻したら考えてあげる」モグモグ

誠子(※勘弁するとは言ってない)

淡「えぇ……(困惑)」


淡「はーぁ、テルって相変わらずフリーダムだよね。これでいい?」ヤレヤレ

誠子「フリーダムさなら昔のお前も負けてなかったけどな」

照「うん、うん。やっぱり淡はフリーダムな方がいい」

淡「人の成長ぶりガン無視ですかそうですか」

照「でも、淡だってその方が楽でしょ?」

淡「……!」

照「無理して仮面を被るのも、時として部長には必要なことかもしれないけど」

菫「……」

照「そのために淡が無理して、苦しんでたら、そのことで嫌な思いをする人だっているんだよ?」


淡「……テルーだってマスコミの前では猫被ってるじゃん」プイ

照「私にはお菓子っていう逃げ道があるから。今の私があるのはお菓子のおかげです」ポリポリ

菫「そこはウソでもチームメイトのおかげって言っておけよ」

照「おっほん。それはともかく。逃げ道を用意しておくのは別に恥ずかしいことじゃない」

誠子「先輩の言う通り。そりゃあたまには無理するのも悪くないけどさ」

尭深「今の淡ちゃん、休む暇もなく無理し続けてるみたいだから。それじゃあいつかパンクしちゃうよ……?」

淡「……いいもん、別に。パンクしたって」

菫「大星っ」


淡「だって、だって! 私は、そうしなきゃいけないんだもん!!」

淡「……私のせいで途切れた、絶対王者白糸台の三連覇」

淡「テルとスミレがいなくなって、たかみ先輩と亦野先輩が必死になって部を立て直して」

淡「それで、二人も、っ、卒業、しちゃって」

淡「私一人に、なって。私はそれを、無駄にしたくなくて!」

淡「だからぁ! 私は、私は一人でも、白糸台を優勝させなくちゃいけないんだもん……!」

淡「そうじゃなかったら――あなたたちに顔向けなんてできないッ!!」


淡「はーっ、はーっ」

照「……」

菫「……」

尭深「……」

誠子「……とりあえずさ、一ついいかな」

淡「……なんですか」

誠子「『一人』っていうのは、お前の思い上がりなんじゃない、大星?」

尭深「そうだよ淡ちゃん。あなたには素敵な後輩だって、頼りになる副部長だって……」


淡「副部長、副部長? あはっ、あの子かぁ。覚えてないの、みんな?」

菫「……なにをだ」

淡「私が二年前、あの子に……どれだけひどいことをしたのか」

照「……」

淡「新入生歓迎マッチ。新入生と上級生が二人ずつ。私と同卓した新入生は、あの子だった」

尭深「そういえばそうだったね」

淡「試合は私の一人勝ち。上級生も寄せ付けずにボロ勝ち。対照的にあの子はハコ割れ」

誠子(ちなみに、様子見でいってボロ負けした上級生のうちの一人が、私なワケだけど)

淡「そんなあの子に私は言いました。悪気もなく言い放ちましたッ!」




『弱いんだから、入るのやめとけば? きっと長続きしないよ』




淡「最低。ほんっと、最っ低」

淡「なにが最低って、あの瞬間、私はあの子の顔すら見てなかった」

淡「私にこんなこと言われた瞬間、あの子がどんな顔をしたのかすら……覚えてないのッ!!」

照「……ふうん」

淡「……」

照「それで?」

淡「え?」

照「もしかして、まだ謝ってないの、そのこと?」


淡「と、とっくに謝ったよ。一年の夏、インハイが終わった直後に」

照「うんうん。許してもらえたの?」

淡「……一応は」

照「じゃあそれで話はお終い、めでたしめでたし」パチパチ

淡「そ、そんな簡単な話じゃないでしょ!?」

照「そうかな」

淡「そうなのっ! 現にあの子は、二年経った今になっても、私と事務的な会話しかしてくれない!」

淡「部活以外で喋ったこともほとんどない。あの子の性格も好みも、なんにも知らない!」

淡「こんな状態で、許してもらえてるわけなんかないでしょ……っ!」


菫「どうだかな、それは。ここまでの話を聞く限りでは、むしろお前の方から彼女を避けているようにも聞こえるが?」

淡「……そんなことない」プイ

誠子「ふーん?」ニヤニヤ

淡「なにその顔。亦野先輩のクセに」ムスッ

誠子「あはは、それでこそ大星だ。なに、こういうことは本人に聞くのが一番早いと思ってさ」スタスタ

淡「?」

誠子「よっと」


ガチャ


副部長「……や、やっほ///」ノ

誠子「ま、こういうことよ」

淡「」


尭深「淡ちゃん、今日一日で四、五回絶句してますね……」オチャゴクー

照「こいついつも絶句してんな」ヒョイパク

菫「お前はいつもなにか口にしてるな」

誠子「なになに大星、天然バカからそういう芸風に変えたの?」

淡「なっ、ななな、ななななな、なんで」

菫「そもそも今日私たちが集まったのは、この子に相談されたからなんだけどな」

淡「え゛」

菫「おかしいと思わなかったのか? 私たちは鍵のかかった部室の中でお前を待ち伏せしていたんだぞ?」

淡「あっ!」


副部長「ごめんなさい部長。余計なお世話かな、とも思ったんだけど」

淡「え、あ、う」

副部長「最近のあなた、見てられなくて。だけど本当のあなたを知らない私たちには、どうしようもなくて」

副部長「それで先輩たちを頼りにさせてもらったの」

副部長「……もちろんあなたに対して、思うところはいろいろあるよ?」

副部長「ぶっちゃけ今でも、それなりに根には持ってる」

淡「っ」ギリッ

副部長「でも私は、あなたが白糸台麻雀部のためにどれだけがんばったのか知ってるから」

淡「!」

副部長「そこは間違いなく認めてるから。だから副部長にだって立候補したんだけど……」

副部長「あはは。伝わってなかったんだね、やっぱ」


淡「……」

菫「いい仲間を持ったな、大星」ポンポン

尭深「結局淡ちゃんって、本質的なところが変わってないね」クス

誠子「『一人でも優勝させなきゃいけない』んだっけ?」ニヤニヤ

照「なにかと背伸びしたがるところは昔のまま。なんだかんだ淡らしいお話でしたとさ」バクバク

淡「う、あ、あうぅ///」

副部長「あ、あはは。まあ言葉に出さなかった私も悪かったわ」

淡「い、いいよ別に、そんなの……」モジモジ


副部長「あー、そう? 許してくれます?」

淡「許してもらうっていうなら私の方だって……その、昔のこととか、今のこととか」

副部長「そう。じゃあおあいこな感じですかね」

淡「あ、うん」

副部長「ならおあいこついでに、もう一個許して許してもらいたいことがあるんだけど」スタスタ

淡「……?」

副部長「いやー、うん、ホント。先に謝っておくね、ごめんなさい!」ペコ


ガチャ


A「わわわっ」ガタッ

B「ぬわーっ!!」ゴロゴロー

淡「」


菫「うおっと」

照「なにこの子たち?」ムシャムシャ

誠子「あー、宮永先輩たちは知りませんよね」

尭深「今の二年生で、淡ちゃんの一個下の子たちです」

淡「あ、え、う、お、あ、え、い……?」

誠子「発声練習かな?」

副部長「ごめんね部長。実は部室の前でスタンバってたの、私だけじゃなかったんです」


ゾロゾロ ゾロゾロ ゾロゾロゾロゾロ


副部長「……だけじゃないというか、その。部員全員200人でスタンバってたというか」

淡「」


A「大星部長ごめんなさい! まさかあの優雅な微笑みの裏にそんな苦悩を抱えていたなんて……くっ、気付かなかった己の愚かしさが恨めしいわっ!!」

淡「」

B「お姉さま! ああ淡お姉さま! お姉さまは黒歴史すら甘美です! もっと! もっと私たちにすべてをさらけ出してちゃってくださーい!!」

淡「」

部員「あ・わ・い!」

部員「「あ・わ・い! あ、そーれ!」」

部員「「「A・W・A・I・あ・わ・い!!」」」

淡「」

淡「」

淡「」


副部長「えっと、その。一応言い訳をしておくとね?」

副部長「部の全員に、部長が抱えてる問題を知っておいてほしかった、というか」

副部長「ほら、せっかく部長や先代亦野部長らの活躍で、風通しがよくなったことだし、ね?」

副部長「……いやその、まさかOGの方々が黒歴史の暴露を始めるとは、さすがに思わなかったんだけど」

副部長「ってちょっと聞いてる? もしもーし?」

淡「」

誠子「まあなんだ。悪い奴じゃあなかったよ」

尭深「今となってはすべてがいい思い出だね」オチャゴクー

副部長「えぇ……(困惑)」


菫「大星、部員たちがお前を呼んでいるぞ」

淡「」

照「なにか答えてあげなきゃ。ほら淡お姉さまってば」モキュモキュ

淡「……ぁ」

照「ん?」

淡「…………ぁ、あ」

照「ん、んん?」

淡「……」


「ぴゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっあああああああああああああああああああああああぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa~~~~~~~~~~~~~~~……………………」


副部長「ぶっ、部長!? 部長ー!! 誰か追いかけて! 自決用の刃物を探しに行った可能性があります!!」

A「一年は私に着いてきなさい、家庭科室を固めるわよ!」

B「二年来て、私たちは宿直室だよ! 待ってて淡お姉さまぁぁぁ!!!!」

誠子「見事なチームワークだ……」

尭深「関心はするけどどこもおかしくはないね……」オチャゴクー

照「お菓子おいしい」バリボリ

菫「ふふ。お前たちが淡を支えてくれる限り、白糸台麻雀部は安泰のようだな」

菫「これからもあの本性じゃじゃ馬を、どうかよろしく頼むぞ……!」ガシッ

副部長「なにいい話でまとめようとしてるんですか!?」ガーン


カン!

まああれです、二年あれば劇的に変わった人もいるということで
え、長くて読む気にならない?
成長し黒歴史を過去としたあわあわが過去をほじくり返されて涙目になるお話だ、と理解していただければ問題ありません

要するに淡を赤面悶絶させたかっただけです
ご一読ありがとうございました

今年の白糸台は無類の団結力を発揮しそうだ
どこかのジャッジメントな白黒はお姉さまprpr愛で1年生レギュラーになりそうだ


優しい世界

>>446
CV:花田煌さんかな?

>>447
まさにこのスレのコンセプトです

深淵を覗きこむ時覗き返されてうんぬんかんぬん
黒歴史のない人間なんていないんでほどほどにしましょうね(戒め)
では今日もぼちぼち、短いですがいってみます


〈Roof-topで会いましょう〉


カランカラン


久「こんにちわ~」

まこ「いらっしゃ……なんじゃ久か」

久「ご挨拶ねぇ、お得意様に向かって。客足が遠のいても知らないわよ?」

まこ「お生憎様、絶好調じゃ」

久「その割には閑古鳥が鳴いてるけど?」

まこ「さっきまではいたんじゃがのう。大方お前の禍々しい気配にでも当てられたんじゃろうて」

久「まっ、酷い言い草ね」


まこ「講義はどうした。この時間は入っとるはずじゃろ」

久「ちょっとー、それより先に注文取ってよ。客よ客」

まこ「水だけで延々三時間粘った女がなにか言うとるわ。というわけで、ほれ水」ゴト

久「あ、あはは……あれはー、うん。悪かったわよ、さすがに」

久「でもほら! 今日はちゃんと財布持ってきてるから!」

まこ「大学に行くのに財布も持たん人種がおるとはカルチャーショックだった」

久「私の大学だとそう珍しいことでもないんだけどね」

まこ「類は友を呼ぶ、か……」


まこ「ま、一応聞いてはやるか。ご注文は?」

久「『ご主人様』は?」

まこ「……」

久「ねーえー、誰の発案でここがメイド喫茶になったと思ってるの?」ニヤニヤ

久「ほら、ほらほらぁ。元祖ご主人様に対してなにか言うことがあるでしょってぇっ!!」ゴン!!

まこ「ご注文はいかがなさいますか、ご主人様?」ニコッ

久「ぼ、暴力メイドってのも悪くないわね……ぐふっ」

まこ「なんもいらんのじゃな?」

久「オムライスとりんごジュースください」

まこ「毎度」


まこ「で、話を戻すが」

久「んぐ?」モグゴキュ

まこ「講義はどうした」

久「もぐもきゅ、んっ、んん……ふう」

久「さすがはまこ、私の時間割まで把握してるなんて。さすがは一心同体少女隊♪」

まこ「冗談でもやめろ。身の毛がよだつ。あと福路プロに刺される」

久「その冗談こそ本人の前で言うとガチへこみするから勘弁してあげてね」

まこ「あー……気を付ける。あのつぶらな瞳に涙が浮かぶかと思うと心が痛い」

久「大好きねぇ」

まこ「ファンだからな。天江に話題をさらわれた感はあるが、それでもれっきとした地元のスターじゃ」


久「『私そんな、人様に暴力振るったりなんてしません……』っていじけちゃうわね、きっと。かわいいわよねー」ケラケラ

まこ「ううむ。かわいいのには同意するが」

久「でしょー?」

まこ「ワシの知る限り最高の大和撫子なのになぁ、美穂子の姐さん」

まこ「久なんぞと関わったせいで一部界隈で妙な風評を立てられて、まったくかわいそうじゃて」

久「いや、さすがにそれは私のせいじゃないと思うんだけど……」

まこ「いいやお前のせいじゃ。お前の存在そのものがもう、な」

久「そげな理不尽な」


まこ「ええい、また話が逸れたぞ! 講義はどうした講義は!」

久「サ・ボ・り♪」

まこ「お・ま・え・なぁ~!」

久「いーのよ出席取らない講義だから。期末テストなんて大してむずくもないし」

まこ「調子こきおってこのアマ……! 後から泣きを見ても知らんぞ!」

久「その時は助けてね、ま~こちゃんっ」

まこ「大学も学部も学年も違う相手のテス勉なんぞどうやって助けろと」

久「こうやって私のストレス解消に付き合ってくれればいいのよん」

まこ「わりゃあここになにしに来とんじゃい!!」


まこ「……ん。そろそろ上がらんといかんな」

久「あれ? まこってこの時間講義入れてないわよね?」

まこ「部の練習じゃ。ウチらもインカレ目指しとるんでな」

久「そ。お会計は?」

まこ「奥に親父がおるから呼んでくれ。じゃあな」

久「ん。がんばってね」

まこ「ああ、がんばる……なあ」

久「なぁに?」

まこ「久。私は今度こそ、お前を超えてみせるよ」

久「……ふふ。楽しみにしてるわね、まこ」


まこ「ああそうだ、最後に一つだけ」

久「?」キョトン

まこ「ワシがおらん時のシフトの子から、セクハラをはたらく女子大生に迷惑しちょるという愁訴があった」

久「あらあらどこの誰かしらねー、おっさんくさい女子大生だこと」

まこ「身長165cm前後、髪は茶、おさげの女で決め台詞は『あなたの瞳って綺麗ね』だそうな。歯が浮くな」

久「……」

まこ「久」

久「あ、あーらやだまこったら嫉妬ぉ?」

まこ「あ゛?」ギロ


久「これはもしかして、ちょっかいを出すのは私だけにしておいて(はぁと)っていう暗黙のサイn」

まこ「」ブチッ

久「あ」

まこ「久ぁぁぁぁーーーーっっ!!! そこに直りゃあこのたあけぇぇぇっ!!!」

久「釣りはいらねえ取っときなってね!」ダッ

まこ「待たんかこのしごんぼうが! 今日という今日はしごーするで覚悟せんかい!!」ダッ

久「そんなことしてると練習に遅刻するわよー!」

まこ「サボり魔に言われとうないわッ!!!」


カン!

清澄で一番このコンビが好きかもしれません
一年ズが入る前の二人きりの麻雀部とか、妄想の余地はたっぷりありますね
ご一読ありがとうございました


ヒッサがタラシという風潮はよろしくないと思うの
でもあれだけ社交性あるのに1年間もぼっちを通した理由は何なのか興味はある
悪待ちだけでは説明つかない忍耐力

>>482
はい、確かによくないですね
以後気を付けます
まあタラシといってもここの久さんはガチのアレではありませんが…

部長の話はきっとそのうち小林先生がなんとかしてくれるでしょう
京太郎の中学時代まで構想を練っている人です、考えてないわけがありません


〈彼らのとある一日・昼食編〉


優希「めっしー♪ めっしー♪」ウキウキ

京太郎「さっきまでグースカいってたくせにコイツは……」

和「お昼になった途端にこれです。本当に困った子なんですから」ハァァ

咲「あはは。和ちゃん、優希ちゃんのお母さんみたい」

和「この歳であんな大きな娘を持ったつもりはありません!」キッ

咲「あ、あはは……優希ちゃんなに食べる?」

優希「愚問なり。無論タコスよ」

京太郎「芸のないやっちゃな。ちなみにどんなタコスがあるんだ?」

優希「んー、さすがに学食のメニューだから、そこまで種類はないんだけど」


優希「まずは典型的な、肉をメインにして巻くタコスだな。豚肉のパストール、牛肉のスアデーロ、ソーセージのロンガニーサ、臓物のトリッパ」

優希「タコス・デ・ギサドースっていういわゆる煮こみタコスもあるぞ、トマトソースのチチャロン・コン・サルサ・ローハとか血詰ソーセージのモロンガとか卵を絡めるウェーボ系とか、メキシコ風カツレツを使ったミラネーサなんて個人的には好きだ」

優希「豚を前面に押し出したタコス体系もあるぞ、ひれ肉のマシーサばら肉のコスティーヤ豚の鼻を使ったトロンパ珍しいところではしっぽのコリータってのもあるな、なにせ一匹につき一本しかないから滅多に味わえないまさに幻の一品だじぇ!」

京太郎「あ、もういいです」

和「……というか普通に多くないですか、種類」

咲「清澄食堂恐るべし」


京太郎「さ、俺はなに食うかな」

咲「え、レディースランチじゃないの?」

和「え、レディースランチじゃないんですか?」

優希「え、レディースランチじゃないのか?」

京太郎「え、なにこのリアクション。そんなに俺レディース食ってるイメージある?」

優希「ある」

和「あります」

咲「だって京ちゃん、他に個性ないし」


京太郎「お前なぁ! 言っていいこととなー! 悪いことってのがあるんだぞー!」グリグリ

咲「いっ、あいたたたた!! ごごごごめんなさい!」

和「それでなにを食べるんですか?」

京太郎「あー」キョロキョロ

京太郎「……」

京太郎「レディースで」

三人「「「……」」」

京太郎「いやすいません、他に食いたいもんが思い付かなくて……ほんとごめんなさい咲さん、だから魔王モードはやめてぇ!!」


和「やれやれ。それじゃあ私のと交換しましょう」ハァ

京太郎「へっへっへ、ありがとうごぜえやすお代官様」

和「大明神の次は代官ですか」

優希「なにをお召し上がりになりやすおっぱい代官サマ、あだぁっ!!」ゴツン!

和「うーん。正直そんなにお腹いっぱい食べたい気分でもないので」ウデグミ

咲「和ちゃん食細いよねー」

京太郎「あの身体でなぁ」


和「身体は関係ないでしょう」

優希「胸に行く分どっから来てんだよって話でほわちゃあっ!!!」ゴツン!!

和「胸はもっと関係ないでしょう……決めました、購買のパンにします」

京太郎「ほいほい、じゃあ俺が行ってきますよっと」タッタッ

和「一つでいいですからねー」

京太郎「わかってるー」

咲「じゃあ私たちは席取りしよっか」

優希「つつぅ。そうすっか」


京太郎「ほらよ、おっきいメロンパン」

和「(なにか含みを感じるチョイスですけど)ありがとうございます。レディースランチこちらになります」ペコ

京太郎「これはどうもご丁寧に」ペコ

優希「タコスが一つー二つー三つー♪」ウキウキ

京太郎「あれ? 咲はなんも頼んでねーの?」

咲「あ、私は今日ね……」ゴソゴソ

咲「お弁当、あるから。ふふふっ」


優希「わ、珍しい」

和「美味しそうですね……!」

京太郎「咲の弁当か。懐かしいなー、中学時代を思い出すぜ」

京太郎「朝練するようになってからお前、ほとんど作らなくなったよな?」

咲「えっとね。これはね。昨日の夜ね、頼んでね」

咲「お母さんに、作ってもらったんだぁ」ニコッ

三人「「「……」」」

咲「あ、あれ? どうかしたみんな?」


ナデナデナデナデナデ


咲「ふわっ!?///」


咲「わっ、わわわ! さささ、三人とも急にどうしたのぉ!?///」

京太郎「まあ気にすんな、大人しく撫でられとけ」ナデナデ

和「ああどうしましょう、咲さんかわいい病再発しそう……っ!!///」ナデナデ

優希「再発したっていいんだじぇ? 私と一緒に落ちるとこまで落ちよう、のどちゃん?」ナデナデ

咲「いや、あの、意味がよくわかりません!///」

京太郎「いいからお袋さんの弁当食ってろって」ナデナデ

和「はうう……///」ナデナデ

優希「よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」ナデナデ

咲「こんな状況じゃ食べられませぇぇぇんっっ!!!!///」


カン!

咲さんかわいい(真実)
ご一読ありがとうございました

仲良くて良いわー
後輩の視点とか絡みも興味あるな

咲ちゃん可愛い
あと原作の咲ちゃんの腰つきは作者さんすごく力入れて描いてるんじゃないかってくらいエロいと思います

もはや雀卓に座ってなくても発動できんのか魔王モード
というか発言からすると「魔王」が公称になってそうなのが怖い

>>507
いくらでも書きようはありますねー
考えておきます

>>508
そうか、腰か…


〈彼らのとある一日・部活編〉


カチャカチャ カチッ


和「鍵開けましたよー」

一同「「「「はーい」」」」


ゾロゾロ


和「さてと、欠席連絡は」スマホポチー

和(アルバイトに家業の手伝い、二人だけ。うん、予定通りですね)

和(今日のメニューは実戦半分ぐらいに留めましょうか)

和(全員にデジタルを極めさせることもありませんけど、麻雀の基礎はやはりデジタルです)

和(とすると、あれがこうしてこうなって……)ブツブツ

咲「和ちゃーん?」

和「あ、今行きまーす」


和「それでは練習始め!」パン!


ワイワイガヤガヤ


マホ「和先輩! マホはなにをすればいいですか?」

和「マホちゃんにはマホちゃんだけの特別メニューを用意してますよ」ニコ

マホ「特別! マホだけ! なんだかやる気が湧いてきましたっ!」

和「私が厳選した『何切る問題』集です」ドサッドサドサドサドサ

マホ「えっ」

和「とりあえずは100問連続正解を目指しましょうか。間違えたら最初からカウントし直しで」ニコニコ

マホ「えっ」

和「問題総数は2000を超えているので安心して間違えてくださいね。それが終わったら次は……」

マホ「えっ……………………えっ?」


咲「ロン」

優希「ロン!」

咲「リンシャンツモ」

優希「ローン!」

咲「っ……カン! リンシャンカイホウ!」

優希「ぬう、ツモ!」

咲「ロン!」

優希「ロン!!」

咲「ロン!!!」

優希「ロォン!!!!」


後輩「最近この二人の対局怖すぎぃ!」

後輩「大会まではまだまだ時間があるってのに、気合い入ってるぜ!」

後輩「さすがは春の全国1位と全国7位……」

後輩「普段の練習でも決して手を抜かない。それが強さの源ってわけね」

後輩「いったいなにが先輩たちをそこまで突き動かすというの……?」

後輩「バカねそんなの決まってんでしょ!」

後輩「ええ! 二度目の全国制覇以外なにがあるっていうのよ!」

後輩「うおおおおお俺たちも負けてられないぜ!!!」

後輩「」

後輩「」

ムロ「同卓してるのが二人ほど死んでるんですがそれは」


優希「……」バチッ

咲「……」バチバチッ

後輩「それにしても鬼気迫る表情ね……」

後輩「ああ。あの烈火のごとき形相の裏で、いったいどんな冷徹な思考が渦巻いていることやら」

京太郎「……」

和「……」



優希(今日はタコスが特売なんだ、絶対に奢ってもらうじぇさっちゃぁん……!!)ゴゴゴゴゴゴ

咲(これ以上削られたら夏コミの軍資金にまで影響しかねない……! 絶対に負けてあげないからね優希ちゃん……!!)ドドドドドド



京太郎(とか思ってるなあの顔は)

和(とか思ってますねあの顔は)


ムロ「あっ副部長! なにしてるんですか!」

京太郎「なにって、紅茶淹れてんだけど」コポポポポ

ムロ「そういう雑用は私たち下級生がやりますからっ」

ムロ「いくら熟練の雑用スキルがあるといっても、先輩にそんなことさせられませんよ」

ムロ「今は人数も男手も十分にありますし……ってなにしてるんですか」

京太郎「んー? 牌譜のしまい方がちょっと雑だったんで、ついでに整理を」テキパキ

ムロ「だーかーらー!」

京太郎「あ、こことここ間違ってるぞ。この完成形じゃこの点にはならない。後で直しといてな」

ムロ「……えっ? あの、さっきからずっと整理してたんですか?」

京太郎「今お前が喋ってる間にやったんだよ」シレッ

ムロ「三十秒もありませんでしたけど!?」ガーン


優希「おーい、誰か買い出し行ってきてー!」

京太郎「それならもう済ませてあるぞー。茶葉と電池とゴミ袋だろ?」

優希「おーさすがは京太郎。ありがとなー」

京太郎「どーいたしまして。ん? どうかしたかムロ?」

ムロ「いえ、なんかこう、受け入れがたい能力差に頭痛が……」フラフラ

京太郎「紅茶飲む?」

ムロ「私はいいので他のみんなに振る舞ってあげてください……」フラフラ

京太郎「もう振る舞ったけど」

咲「うまい!」

マホ「もう一杯!」

ムロ「だからいつの間に!?」ガーン


和「須賀くん。ちょっと男子の練習メニューについて相談が」

京太郎「あいよ。今こっちの卓点検してるから、それ終わったらっと、よし終了」スタスタ

ムロ「……」

マホ「あーうー。五筒が空を飛んで、バーッって光が、あはは……あれ?」

ムロ「……」

マホ「ムロ先輩、ぼーっとしちゃってだいじょぶですかー?」

ムロ「」ガクッ

マホ「先輩!?」

ムロ「勝てない……! 私たち下級生が束になっても、あの人には……ッ!!」

マホ「須賀先輩ってそんなに強いんですか!?」ガーン

ムロ「下手すると三年女子のお三方が一度にかかっても……!」

マホ「えええええそんなに!!??」ガガーン


カン!

どんどん京太郎が完璧な嫁になっていきますが私のせいではありません
きっとどこかのHさんのせいです
ご一読ありがとうございました

スキルアップの起爆剤が煩悩だとしたら

おつおつ
京太郎の仕事力0.3ハギーくらいはありそうな雰囲気だ

>>529
咲ちゃんは父と二人暮らしだったので家事はほぼ一通りできるはず、したがって定義によるけど女子力かなり高い
のどっちも料理はできそうだし咲さんかわいい病を再発しなければ少し頭が固いだけで清楚な女子
なお、タコスは女子力皆無の模様

>>524-525
アリですね…

>>526
いえいえまだ0.08ハギーくらいでしょう(適当)

>>530
当スレの三人娘はおおむねこんな感じです
というかだいたい原作準拠のはずです

優希はこのスレでは乙女度を犠牲に男前度を獲得してしまっているので…
その気になればできるんでしょうけどね

そしてその三人の合計値を軽く上回る女子力(雑用力)の持ち主が京太郎です


〈彼らのとある一日・下校編〉


優希「くっ、今日は引き分けか」

咲「だねー」ホッ

優希「しゃーないさっちゃん、奢りじゃなくてもいいからタコス屋行こう。今日特売なんだじぇ!」

咲「ごめんね優希ちゃん。私今日無理なんだ」

優希「あっ。そういやそうか」

咲「というわけで、お先っ!」ピュー

京太郎「おー速いこと速いこと」

和「よっぽど楽しみなんですね」クス

優希「んじゃ、私らも帰るかー」


咲「はっはっはっ」

咲「ぜぇ、はぁ」

咲「……よし」

咲「はっ、はっ、はーっ」

咲「んっ、はあ、っ!」


ガタンゴトン ガタンゴトン


男「……さっきからあの子、電車の中を疾走してますね」ヒソヒソ

男「よっぽど気が急いてるんだろうなぁ」ヒソヒソ


優希「へいおっちゃん!」

店主「おう嬢ちゃん、今日は一人かい?」

優希「まーね。とりあえずトリッパ一つ!」

店主「珍しいこともあるもんだね。だいたい友達なり後輩なりと一緒にゾロゾロ来るってのに」

優希「今日に限ってどいつもこいつも付き合い悪くてさー」

店主「そりゃあ残念だ。ほいトリッパ」

優希「ったくせっかくのタコス祭りだってのに」モグモグ

店主「祭りだなんて宣伝した覚えはないがねぇ」

優希「私一人いりゃあ十分祭りだじぇ!」バクバク

店主(多分お友だちは、今日の嬢ちゃんのペースにはついていけないと判断したんだろうな……)タラリ


優希「ごっそさん」ケフゥ

店主「いつにもまして速いなぁ……」

優希「よし、お次はサルサローハ!」

店主「へいお待ち」

優希「もぐもぐんぐんぐ」

店主「……」

優希「うしごちそうさま、ってコリータあるじゃんか! いっただきぃー!」

店主「ほいお待ちぃ……なあ嬢ちゃん」

優希「あい?」モキュモキュ

店主「買い食いが過ぎて親御さんに怒られても、俺ぁ責任取れねえからな?」

優希「ぎくっ」


ガタンゴトン ガタンゴトン


和(あら、メールが来てますね。一応優先席からは離れて)スタスタ

和(誰からでしょう?)スマホポチー


『ゆみ先輩がそっちのコーチやるって聞いたんですけど。どういうことっすかのどっち私を裏切ったんすか、むしろ先輩が私たちを裏切ったんすか!? 十秒以内に返答せよ』


和(……竹井先輩ったら、情報伝達がうまくいってないじゃないですか)ハァ

和「っていうか十秒って!」


ザワッ


和「あっ。ああいえ、申し訳ありません、なんでもないです///」ペコペコ


和「……」ポチポチ


『知りません。桃子さんのせいで恥をかきました。絶交です。アドレス変えちゃいます』

『えええええええ意味かんないっすとりあえずず事情の説明を』

『原村和です☆アドレス変更しました⇒supernodocchi@ipsweb.ne.jp』

『ホントに変えるんかい! そして教えてくれるんかい!』

『いいツッコミです』

『のどっちにツッコミを批評される日が来ようとは露ほども思わなかったっす』


和「ふふっ」クスクス

和(『別に加治木さんが清澄に鞍替えしたとか、そういう話じゃありません。安心して下さいね』と……いえ)

和(電車を降りて電話しましょう。その方がきっと楽しいです)クス


京太郎「おっちゃん、今日トマトどうよ」

八百屋「よう京ちゃん! 今晩はなににすんだい?」

京太郎「おばちゃん牛肉ちょーだーい」

肉屋「あら京ちゃん。今学校帰りかい?」

京太郎「魚……切り身かな、うん。三つくれ」

魚屋「三つなんて言わずに、ほれおまけだ! 持ってきな京ちゃん!」

京太郎「おっサンキュー!」


「京ちゃんこっちも見てっておくれ!」

「京ちゃん! 安くしとくよ!」

「京ちゃん!」

「京ちゃん!!」

「京ちゃん!!!」


ワイワイガヤガヤ


女「あの、なんですかあれ?」

雑貨屋「なんだあんた知らないのかい。ウチの商店街じゃ日常茶飯事の光景だよ」

女「久々の里帰りなもので」

雑貨屋「あの子は近所に住んでる高校生でね。男の子とは思えないほど目端と気が利いてるのさ」

雑貨屋「なんでもさる高名なお家に仕える、超絶素敵滅法執事の薫陶を受けた、とかなんとか」

女「……へえ」キラーン

雑貨屋「娘の婿に来てほしい、って思ってる連中が引っ切りなしでね。あの人気ってわけさ」

雑貨屋「娘がいないところはいっそ息子の嫁でもいいからって」

女「えぇ……(困惑)」

雑貨屋「実はウチもそのクチでねぇ。最近息子を洗脳してるのさ、『男でも別にいいじゃないか』って」

女「なにそれこわい」


カン!

多分同世代の女の子には完璧すぎてモテないんでしょうね
まあ男でも別にいっか(錯乱)
ご一読ありがとうございました

女子力(男子力)
これもうわかんねえな

さ、今日もぼちぼちやっていきましょー


〈彼らのとある一日・帰宅編〉


京太郎「ただいまー。さー夜飯作るべー」

母「また買い出しまで自分でしてきて。たまにはお母さんにも働かせてちょうだいよ」

京太郎「いいじゃん、趣味なんだよ」

母「料理が趣味の男子高校生ねぇ……ま、いまどき別に珍しいことでもないんだろうけど」

京太郎「そうそう、料理ぐらいふつーふつー。それに……」

母「それに?」

京太郎「モテそうだろ?」ニヤ

母「……女の立場から言わせてもらうと、あんまり料理が出来すぎる男ってのも考えものよ」

京太郎「えっ!?」ガーン


優希「ただいまー」

母「はいおかえり」

優希「おやすみー」

母「ちょい待ち」

優希「……な、なんでしょうお母様。私は部活帰りでとても疲れているのですが」

母「疲れてる割には血色がよろしくていらっしゃるのね優希さん?」ニッコリ

優希「……」

母「……」

優希「おやすみなさーい!!」ピュー

母「待ちなさいこの大バカ娘! また帰りにタコスバカ食いしてきたわね!? 食べてくるなら前もって連絡しろってあれほど言ったでしょー!?」


咲「ただいま、っと、あれ?」

咲(玄関の靴の数、朝出てった時から変わってない。ってことは)

咲「……はああ」ヘタァ

咲(きっと予定が変わったんだ。しょうがないよね、忙しい身なんだから)

咲(しょうがない……よね……)

咲「はああああ……早く着替えなきゃ……」


ガチャ


咲「え?」


照「あっ」

咲「あっ」

照「……」

咲「……」

照「お菓子」

咲「えっ」

照「お菓子、あんまりなかったから。商店街に買い物行ってたの」

咲「あ、うん……そうなんだ」

照「今帰り? 部活?」


咲「そりゃあ、まあ。私、一応はほら、アレだし」

照「チャンピオン。うん、おめでとう」

咲「ど、どういたしまして」ペコ

照「……」

咲「……」

照「おかえり」

咲「あ、うん。ただいま」

照「……違うね」

咲「え?」

照「こういう時って、おかえり、じゃないよね」





「ただいま――咲」





咲「……」ジワッ

照「!? ちょっと、なんで泣くの」オロオロ

咲「だ、だって。だって、お姉ちゃんがぁ」グスッ

照「わ、私のせい!?」

咲「ふっ、んん、うええっ。そうだよ、お姉ちゃんのせいだよぉ」ゴシゴシ

照「ええええ、そんなバカな」

咲「……いつまで」

照「え?」

咲「いつまで、こっちにいられるんだっけ?」グスッ


照「前もって言っておいたと思うんだけど。明日からこっちで三連戦だから……」

咲「三日、かぁ」

照「時間の許す限りは家にいるようにするから。特に土日は」

咲「……うん」

照「だから。いっぱい一緒に過ごして。いっぱいお菓子を食べて」

咲「……うん」

照「……いっぱいお喋り、しよう?」ニコ

咲「……うん!」ニコ


照「そうと決まったらまずは晩ご飯」ヌギヌギ

咲「あっと、私も靴脱ぐの忘れてた」ヌギヌギ

照「ところでさっき、商店街ですごいもの見たよ」

咲「京ちゃんでしょそれ。商店街のアイドル(男子高校生)の」

照「えっなんで言う前にわかるの。っていうか京ちゃんって誰」

咲「まあそれはご飯の時にでも」

照「もったいぶらないでよ」

咲「それよりも今日学校でねー……」

照「ふんふむ……」


和「お父様、お母様、おやすみなさい」ペコ

母「はい、おやすみ和」

父「おやすみ……ああ、ちょっと待ちなさい」

和「はい?」

父「和。お前は今、楽しいか?」

和「……はい、とても」ニコ

父「そうか。ならいいんだ」

母「ふふ」クスクス

父「なにがおかしいんだ」

母「いえなにも?」クスクス

和「ふふっ。それでは失礼します」


ガチャ バタン ポフン


和「ふー……」

和(ベッドの魔力とはなぜかくも甘美なものなのでしょうか……)ゴロゴロ

和(一日の疲れが癒されます……エトペン~)モフモフ

和(咲、お姉さんと仲良くやれてるといいんですけど)

和(慣れない相手にはコミュ障が出る子だから心配です……)

和(横浜戦の観戦チケットも押さえたかったですけど、さすがに部員全員分は、ちょっと)

和(明日は部室のテレビで見る。土日はまあ、その時になったら考えるとして)

和「……」ブツブツ

和(こんなところですかね。明日も一日がんばるとしましょう)




(それではみなさんよい夢を。おやすみなさい)



カン!

私はエトペンになりたい
そして絹ちゃんに蹴られたい

それはさておきご一読ありがとうございました
みなさんよい夢を、おやすみなさい

テルテルの所属チームは横浜ロードスターズ、わっかんねープロの後輩です
和からすると地元チームの対戦相手、という感覚で「横浜戦」という言葉を使ったのでしょう

ちょっとお待たせした分、今回はアホ長くなりました
例によって暇な時にでも読んでやってください


〈受け継がれる伝説 阿知賀・あふたー〉


ガラッ


穏乃「おっじゃまっしまーす!!」

後輩「「「「お邪魔しまーす!!」」」」

憧「そんな大きな声出さなくてもいいから。お邪魔しまーす」

玄「阿知賀女子学院麻雀部の皆さま、ようこそ松実館へ」ニコ

玄「若輩者ではありますが、当旅館の女将を務めさせていただいております。松実玄と申します」ペコリ


穏乃「よっ若女将!」

憧「案外サマになってるじゃないのよ、玄」

玄「むっ、憧ちゃんは一言余計だよー」ムスー

憧「早速化けの皮が一枚はがれたわよ」

玄「……おほん。本日は一泊二日の短期合宿ということで、当旅館をご利用いただき誠にありがとうございます」

玄「滞在中の皆さまのお世話は、私と姉の宥が務めさせていただきます。どうぞごゆるりとお過ごしくださいませ」ペコリ


穏乃「おー」パチパチ

後輩「「「「おー」」」」パチパチ

玄「ふふーん」エッヘン

憧「そうやってすぐ調子に乗るところが見てて不安になんのよ……宥姉もいるの?」

玄「うん、この土日は大学とかなんもないらしいし。お姉ちゃん、特別用事でもない限りは出歩かないから」

憧「そこだけ聞くとちょっとアレよね」

穏乃「あはは。まあでも、ホントのことだもんねー」

玄「むしろこっちの方から下手に出歩かないようお願いしてます……」


憧「宥姉ちゃんと電車通学できてるの? 大阪まで結構かかるでしょ?」

玄「いやいやいやいや。できなかったら大学生になんてなれないから」

憧「うんまあ、そうなんだけどさ」

穏乃「なんかこう、無性に心配になるというか」

憧「あの性格に容姿だもの。電車乗って痴漢に遭わないのか、とか」

玄「とりあえずー……『満員電車あったかーい』って喜んでたよ」

穏乃「……」

憧「そう来たか……」


ゾロゾロ


宥「あ……みんな、いらっしゃぁい」ヌクヌク

一同「「「「お邪魔してまーす」」」」

宥「って、今のみんなはお客様だもんね。これじゃあダメだね」

宥「ちょっと待っててね、今出るからね……うんしょ、よいしょ」

後輩(こたつだ……)

後輩(こたつだよなあれ……)

後輩(初夏も近いのにこたつ……?)


宥「失礼いたしました皆さま。松実館の仲居見習いをしております、松実宥と申します」ペコリ

宥「それではお部屋にご案内を……うう、寒い」ブルブル

穏乃「うーん、相変わらずですね宥さん」

憧「持って生まれた体質だもん、しょうがないわよねー」

宥「うん……でも最近は、なるべく黒い服を着て、熱を蓄える術を覚えたから……」ブルブル

宥「もう少し……あと少しで、振動による自己発熱を会得できそうなの……」ブルブル

憧(……変温動物?)

穏乃「大学ってそんなことも研究してるんですか!?」ガーン

憧「アンタの頭の中で経営学科ってのはどういう場所なの?」


憧「はいちゅうもーく!」パンパン


シーン


憧「よろしい。これから二日にわたって、みっちりと練習メニューを組んでいるわけだけど」

憧「練習を開始する前に、この二日間私たちを教えてくれるコーチを紹介します」

後輩「コーチ?」

後輩「高鴨先輩、聞いてました?」

穏乃「いやあ、私も今初めて……合宿のことは全部憧任せだったし」


宥「失礼しま~す」

玄「さっきぶりです!」

穏乃「あ! コーチってもしかして、宥さんと玄さんのことですか?」

憧「まー半分は当たりね。OGの松実宥先輩と、松実玄先輩です」

宥「みんなよろしくね~」ニコニコ

玄「ふふふ。阿知賀のドラゴンロード、ここに復活です!」ドヤァ

憧「全員あらためて、礼!」ペコ

穏乃「よろしくお願いします!」ペコ

後輩「「「「よろしくお願いします!」」」」ペコ


穏乃「でも憧、今『半分』当たりって言わなかった?」

憧「言ったわね」

玄「ふふふのふ。本日は皆さんにスペシャルゲストがいらしていますよっ」

穏乃「すぺしゃるげすと……?」ハテナ

玄「鷺森プロ、どーぞ!!」


ガラッ


灼「ど、どうも皆さん。はじめましての人ははじめまして。大宮ハートビーツの鷺森灼です……」ペコ

後輩「「「おおおおおおおお!!!」」」


穏乃「灼さんだー! お久しぶりです!」

一年「すっごーい! プロよプロ!」

一年「阿知賀の星、鷺森灼! 本物だー!」

灼「///」

宥「鷺森プロは二軍の遠征中ということで、非常に限られた時間ではありますが、皆さんのコーチをしてくださいます」ニコニコ

灼「よ、よろしくお願いします///」ペコペコ

穏乃「すごいね憧! こんな偶然あるんだね!」

憧「偶然のワケないでしょアホシズ。こっちで調整して向こうに日程合わせたのよ」


玄「ふっふっふ。それでは役者も揃ったところで」

宥「みんながんばって練習しようね~」

灼「ちょっと厳しめに行くから、覚悟してほし……」ゴッ

憧「去年一昨年と阿知賀を全国に導いた、正真正銘全国クラスの雀士があんたらの相手よ」

憧「そこそこの地獄は見せてもらえるだろうから――全員死ぬ気でやるように」

穏乃「うわー! なんか気合い入ってきたなー!!」

後輩「「「「……」」」」


翌日夜


憧「えー、それではこの度の短期合宿の、無事の成功を祝いまして……」

五人「「「「「カンパーイ!」」」」」

灼「ん、ジュースおいし」ゴク

宥「生姜湯あったかーい」ヌクヌク

灼「本当に相変わらずですね、宥さん……」タラリ

玄「あれ、下級生の子たちは来ないの?」

穏乃「なんか部屋でうんうんうなされてます。風邪でも引いちゃいましたかね?」


宥「またこのメンバーで集まれてよかったね」

穏乃「元祖阿知賀勢揃いですねっ!」

憧「少なくとも晴絵の代から阿知賀麻雀部はあったでしょ」

穏乃「ん? じゃあえっと、元祖新生阿知賀……?」ムムム

憧「意味分かんないわよ」

玄「後は赤土先生さえいればなー」

灼「ハルちゃんは二軍の私と違って忙しいし、しょうがないと思……」

灼(まあ、本当は二軍だって暇なしなんだけど)ゴク


玄「赤土先生といえばさ。私、灼ちゃんは絶対、先生と同じチームに行きたがると思ってたよ」

穏乃「あ! 私も私も!」

憧「確かに。同じ土俵の上とはいえ、今じゃあ敵同士だもんね」

灼「別に、私が行きたいチームを選べるわけじゃないし……」

穏乃「赤土さんと同じとこにだけ行きたーい! って言っちゃえばよかったんじゃないですか?」

穏乃「ほら、何年か前にそう言って、メジャー(中国)に渡った男子プロがいたじゃないですか」

宥「いたねぇ。福岡のK選手だったっけ?」

玄「日本を代表する大スター、Iさんを追いかけて海を渡ったんだよね! 純愛ってヤツですな!」

憧「男同士なんですがそれは……」


灼「私は……本当のところ、プロになるつもりだってなかったぐらいだったから」

灼「こうしてハルちゃんと同じ世界に来れて、それで今度は、私が後輩たちに夢を与える立場になれた」

灼「それだけでも、十分幸せかなって思……」

玄「灼ちゃん、最後の最後まで鷺森レーンのこと心配してたもんね」

宥「でも結果として、灼ちゃんの選択は正解だったと思うよ?」

穏乃「そうですよ! お客さん、前よりいっぱい来るようになってますから!」

灼「私も今回里帰りして、びっくりした……」

憧「ローカル番組にも取り上げられてたわよ。『あの鷺森灼の鷺森レーン!』って」

灼「うう、恥ずかし……でもまあ、おばあちゃんの役に立てたなら、よかったかな」ニコ


穏乃「ねえねえ灼さん、プロってどんな感じですか!?」

玄「牌のお姉さん(30)には会えた? あのおもちとお近づきになれるなんて……うひひ、灼ちゃんうらやましい……」ワキワキ

灼「相変わらずだね玄は……私の話もいいけど、みんなの近況も聞きたいかな」

憧「そう言われたって、麻雀部も相変わらずよ」

宥「そうだね。私も大学生活に慣れただけで、あんまり話すことも……あ、そうだ」

穏乃「なにかあったんですか?」

宥「麻雀部にね、パンサーズの愛宕洋榎さんの、妹さんが入ってきたの。絹絵ちゃんっていうんだけど」

憧「ぶっ! は、初耳よ宥姉!?」ゴホゴホ

穏乃「愛宕絹絵さん、って確か……」

灼「姫松の人だね。去年は大将だった」


玄「おもちのおっきかった人なのです!」ガタッ

憧「いいから座ってろ。宥姉のチームって園城寺怜さんもいたわよね……?」

宥「そうだよ~。怜ちゃんと絹絵ちゃんは、大学出てプロを目指したいらしいから~」

穏乃「清水谷さんとお姉さんを追いかけるつもりなんですね!」

宥「うん。それなら私も、できる限り協力しようかなぁって」ゴゴゴ

灼(これは……宥さんすごいやる気になってる……)タラリ

玄(妹キャラに弱いからなー、お姉ちゃん)

憧(今年のインカレの勢力図が、塗り替わるかもわかんないわね……)タラリ

灼「……玄は? 玄は女将さんになって、いろいろと環境も変わったでしょ?」

玄「ラブリー玄ちゃんはお手伝い歴が長いので、実はそれほど生活環境変わってません!」フンス

憧「威張る意味がわからん」


灼「それじゃあそうだね、例えば憧なんかは」

灼「……」

灼「うう」ズーン

憧「ちょっと、急にどうしたのよ灼さん」

灼「憧はまたファッションのセンスが良くなったと思……」

灼「私なんて首都圏に住んでても、いまだに都会のセンスについていけないのに」イジイジ

憧「んなことで落ち込まなくても。たぬきさんTシャツ似合ってるのに」

灼「あれ着るとチームメイトから生温い目で見られてすごく辛い……」グスッ

宥「お、落ち込まないで灼ちゃん?」ナデナデ


穏乃「そーいえば憧、そんな服持ってたっけ?」

憧「これこないだ東京で買ったばっかだもん。淡に流行りのショップ連れてってもらったのよ」

穏乃「え、なにそれ! 私聞いてない!」

憧「あんたファッションとか興味ないでしょ?」

穏乃「うん!」

玄「そこで胸張っちゃうあたりが穏乃ちゃんらしいなー」

灼「気が合うね、穏乃」ガシッ

穏乃「はいっ、灼さん!」ガシッ

憧「なに通じ合ってんだか……」


宥「憧ちゃんは、大星さんとは友達なんだね~」

憧「淡とはなにかと気が合うのよね。ファッションの好みとか音楽の好みとか」

玄「あー、そんな感じするね」

穏乃「憧、いつの間に大星さんと仲良くなってたの?」

憧「むしろあたしゃ、あんたと淡がアドレスすら交換してないことにまず驚かされたわよ」

穏乃「うっ」

灼「それは意外。インハイとかで結構喋ってた印象だったけど」

憧「向こうが強烈にシズをライバル視してるのよ……いや、正確には『してた』かな」


玄「今は違うの?」

憧「あの子も部長になってから、いろいろ大変みたいでねー。大人になったっていうのかな」

灼「全国屈指の名門校、その部長だもん。確かに大変だと思……」

穏乃「私はもっと大星さんと仲良くなりたいんだけどなー」

宥「全国に進めば、きっと機会はあると思うよ」ニコ

穏乃「はいっ! そのためにもがんばります!」

玄「その意気その意気! がんばれ阿知賀ー!」ヤンヤヤンヤ

憧「……」

灼(……憧?)


深夜


憧「……」

灼「憧、まだ寝ないの? 明日からまた学校でしょ?」

憧「灼さん……」

灼「縁側でたそがれてみたりなんかして、青春だね。まあ今は夜中だけど」

憧「……」

灼「なにか、悩みごと?」


憧「わかっちゃいますか?」

灼「またそんな、変に改まって……わかるよ。二年も一緒にいたんだから」

憧「……二年。そう、二年。灼さんは二年間、私たちの部長だったのよね」

灼「より正確には、一年半弱、だけど」

憧「はいはい正確にはそうですね、ごめんなさい」クスクス

灼「憧……部長の役目は、大変?」

憧「……私は」


穏乃「……」

玄「憧ちゃん戻ってこないねー」ゴロン

穏乃「わ、わわわっ! 玄さん起きてたんですか!?」

玄「せっかくの穏乃ちゃんたちとのお泊りだもーん」

宥「すぐに寝ちゃったらもったいない、だよね」ニコ

穏乃「宥さんまで……」

宥「憧ちゃん、どうかしたのかな。穏乃ちゃんは知ってる?」

穏乃「……」ゴロン

玄「むむむ、露骨に知ってるって顔だねー」キラーン


穏乃「やっぱり先輩たちには、隠しごとなんかできませんね」ハァ

玄「それじゃあ……?」

穏乃「憧の悩みごとならわかってます。阿知賀の部長新子憧の悩みは、いつだって一つですから……ねえ、玄さん、宥さん?」

宥「なぁに?」

穏乃「今年の阿知賀は――晩成に勝てると思いますか?」

玄「……」

宥「……」

穏乃「……つまりは、そういうことですよね」


穏乃「春は近畿大会っていう大きなくくりがあったから、晩成に勝つ必要はなかった……らしいです」

穏乃「それに私自身は、戦っても負けるつもりなんて、ぜんっぜんありません。勝つ気満々です」フンス

穏乃「……でも、私よりずっと頭のいい憧は、きっと『そう』思ってる。理解できちゃってる」

穏乃「それって要するに、客観的には、晩成の方が強いってことなんだと思います」

玄「……」

宥「そうだね……否定はできないね」

玄「お、お姉ちゃん!」

宥「心が拒んでも、頭が否定できないから。だから憧ちゃんは悩んでる、ってことなんだよね……」


憧「私、怖い。怖いの灼さん」

灼「……」

憧「晩成は強い。強いに決まってる。弱いわけがない」

憧「一昨年の、五人が揃ってた阿知賀は強かった。全国でも通用したんだもん、もちろん強いチームだった」

憧「その一昨年の阿知賀が、奇襲でどうにか勝ちを拾えたのが、晩成っていうチームだった」

灼「そうだったね」

憧「去年は宥姉の穴を埋めきれなかった。対策もきっちりされた。大将戦の時点で、敗色濃厚だった」

憧「シズが本物のエースだったから紙一重でまくれた。勝負を分けたのはそこだけだった」

灼「そう、だったね」


憧「それで、今年。今年はもう、玄も……灼さんもいない」

灼「……」

憧「晩成にはいる。あそこは毎年、コンスタントに一人はいる」

憧「ドラゴンロードなんて最悪の初見殺しを前に、しっかりとプラス収支を保った、かつてのエース小走プロ」

憧「あの人みたいに強かな打ち手が、間違いなくいる」

灼「岡橋初瀬さん、だね」

憧「……」コクリ


憧「今年はシズまで繋げないかもしれない。シズを頭に持ってきても、作ったリードを保てないかもしれない」

憧「実力の、戦力の差について、考えれば考えるほど、去年の夏のことを思い出しちゃう」

憧「和が急に電話してきて、泣きながらっ、『全国にはいけません、ごめんなさい』って」

憧「私、当たり障りのないことしか言ってあげられなくて」

憧「今年は私が、その立場になるかもしれなくて!!」

灼「……」

憧「……怖いよ。怖いよ、灼さん。私、怖いっ……!」

憧「晴絵が、灼さんが、宥姉が玄が残していってくれたものを」

憧「全部、全部全部全部――私がぶち壊しにしちゃうんじゃないかって!!!」


灼「……」

憧「どっ、どうしても、それ、それし、か、考えられなく、なっちゃうのぉ……!」グスッ

灼「憧」ギュッ

憧「ふえっ」ビク

灼「憧、大丈夫だよ。大丈夫だから、落ち着いて……」ナデナデ

憧「……」

灼「大丈夫、大丈夫……」ナデナデ

憧「……」ギュッ


灼「落ち着いた?」

憧「お、お恥ずかしいところをお見せしました///」

灼「大丈夫。恥ずかしくなんてない」ニコ

憧「……灼さんらしくもなく、根拠のない気休めを気安く言うのね」プイ

灼「ふふ。根拠はないかもだけど、実績ならあるよ」

憧「実績?」

灼「私もね。ハルちゃんがプロに行っちゃって、宥さんも引退しちゃって。去年は不安でいっぱいだった」


灼「そんな時、宥さんに相談……というかまあ、無理矢理悩みを聞き出されたというか」

憧「えっ!? ゆ、宥姉が無理矢理!?」

灼「肝心なところでは、意外と押しが強い人だと思うよ。私もあの時初めて知ったけど」クス

灼「それで、今私が憧にしたみたいに、抱きしめられて。頭も撫でられて」

灼「私が泣きやむまで、『大丈夫』って。あのあったかい声で、励まし続けてくれたの」

憧「……」

灼「その後阿知賀女子がどうなったのかは、憧も知ってのとおり……」ニコ

憧「知らなかった……」


灼「もちろん、私と憧じゃ置かれた状況が違うし、麻雀に絶対はない」

灼「阿知賀が晩成に勝つ確率は、限りなく低いのかもしれない」

憧「……それでも、諦めちゃダメってことよね」

憧「部長の私が始まる前から弱気じゃ、勝てるもんも勝てなくなっちゃうし」グッ

憧「だから、絶対。絶対勝つって、そう思」

灼「『絶対勝つ』、なんて気負わなくてもいい」

憧「は?」

灼「どんなにがんばったって勝てない時はある。麻雀は本質的にギャンブルなんだから、運にだけは勝てない」

憧「ちょ、ちょっと! 人がせっかく意気込んでるっていうのに……!」


灼「憧。『絶対』は麻雀にはないの」

憧「そ、そりゃあそうだけど」

灼「『絶対』は、他のところにあるの」

憧「??」

灼「あなたたちが最善を尽くして戦って、その結果」

灼「仮に、万が一、力が及ばなかったとしても」

灼「ハルちゃんが、私たちが積み上げてきたものは、そんなことで『絶対』に壊れたりなんかしない」

憧「……!」


灼「カッコつけて言ってはみたけど、要するに憧は考えすぎなの」

灼「奈良にいくつ高校があると思ってるの。晩成が何年連続で勝ち抜いたと思ってるの?」

憧「……」

灼「勝って当然の勝負なんてあり得ないんだから」

灼「負けたって、なにも恥ずかしいことなんてないんだから」

灼「始まってもいない勝負の、過程ならまだしも結末なんて、今から考えなくてもいい」

憧「そう、よね。そうなのよ、ね……」ホッ


穏乃「私が考えてることは、自分で言うのもアレだけど、すごく単純なんです」

穏乃「『麻雀は楽しい』。だから『思う存分遊びたい』。で、『勝ちたい』」

穏乃「これだけ。ホント、これだけなんですっ」ニカッ

玄「穏乃ちゃんらしくていいねー」

宥「本当。穏乃ちゃんは変わらないね」


ガラッ


憧「アンタぐらい気楽にやれたら誰も苦労しないってのよ、アホシズ」

灼「でもそれって、簡単そうに見えて一番難しいことだと思……」


穏乃「憧……もうだいじょぶなの?」

憧「多分ね。また肩に力が入りすぎてたら、その時はシズが引っぱたいてちょうだい」

穏乃「うんっ! 思いっきりぶっ飛ばしてあげるからね!」

憧「なんだろう微妙に話が噛み合ってないような」

玄「んっふっふ~。灼ちゃんはー、憧ちゃんと二人っきりでなにしてたのかな~?」ニヤニヤ

灼「昔、私と宥さんがしてたみたいに、イチャイチャしてた」

玄「!?」

憧「ぶっ!」

穏乃「?」

宥「あー……」ナットク


玄「えっなに!? なになにどういうことですのだ!?」

玄「私の一番の親友と最愛のお姉ちゃんがキマシタワー!?!?」

玄「そんでもってかわいい後輩に寝取られー!?!?!?」

憧「ばっ、声でかいわよバカクロ! そんなんじゃないったら!///」

玄「なーんだ」チッ

穏乃「キマシ……? ねと、ねら……??」

宥「穏乃ちゃんはこれからも、そのままの穏乃ちゃんでいてね……」ホロリ

灼「まあそれはさておき」

憧「さておくな!!」


灼「……」ズーン

憧「そんでもってなんか勝手に落ち込みはじめてるし」

宥「だ、大丈夫? お腹痛いの灼ちゃん?」オロオロ

灼「……感触が同じだった」

穏乃「完食?」

憧「感触」

玄「ん……?」ピコーン

宥「なんの感触なの、灼ちゃん?」

灼「……」





「宥さんと憧で、抱きついた時の感触が」





玄「」ガタッ

憧「こっち見んじゃないわよエロクロ!///」

宥「///」

穏乃「……」ズーン

灼「穏乃は知ってたんだね」

穏乃「はい……最近の憧、どんどん育ってて……」

穏乃「その上、実はものすごーく着やせするタイプで……」ズズーン

玄「ほう、ほほう、ほほうほう!」

憧「シズぅぅぅぅ!! 余計なこと言ってんじゃないわよぉぉぉ!!!!」


穏乃「なんで憧といい大星さんといい片岡さんといい二条さんといい、みんな私を置いていくんだろう」イジイジ

穏乃「和と真屋さんは最初っからオバケおっぱいだし」イジイジ

穏乃「もう私の味方は咲ぐらいしか……」イジイジ

灼「大丈夫だよ穏乃。私はすべて(ファッションとおもち)において穏乃の味方だから」ギュッ

穏乃「灼さぁん……!」ダキッ

灼「よしよし」ナデナデ

憧「こ、この女ったらしが……! そんなとこまで晴絵のレジェンドっぷりを受け継がなくても、ってひゃあああんんっ!///」ビクビクッ

玄「くうううっ。このおもちの質を見誤るとは、まさしく松実玄一生の不覚っ」モミモミ


憧「ひゃ、ふうん、離せこのセクハラ女将ぃぃ!!///」

玄「」モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ

憧「聞いちゃいねえ! た、助けて灼さ」

灼「私とやえ先輩と穏乃で『奈良盆地貧乳雀士同盟』を組めばいいと思……!」グッ

穏乃「いいですねやりましょう! そしてすべての巨乳に復讐を!」ギュルーン

憧「なんか洗脳されてるぅぅぅぅぅ!!! こ、こうなったら宥姉! 宥姉だけが最後の頼」

宥「………………今日も阿知賀はあったかいね~」ニコ

憧「投げるなああああああああああああああああっっっっ!!!!!!」


カン!

晩成編の予定はありませんが、奈良だとやえさんが一番好きです
晩成編の予定はありませんが
ご一読ありがとうございました

乙だあ
阿知賀はもう一年経てば元こどもクラブの面子が入ってくるんだな

ギバ子は何故かめっちゃ淑やかな美人さんに成長してるイメージある

おつー
異能持ちばっかだからコーチとしては役に立ちそうにないwwせいぜい異能相手の気構えくらいしか身に付かんのじゃなかろうか

>>636
そうなんですよねー、ギリギリ被りません
これもあって二年後の阿知賀は戦力的に辛いでしょうね

>>640
ほう……

>>641
荒川病院や龍門渕とやった時みたいな感じになるのでしょう
レイプ慣れしとけということですね


〈襲来〉


TV『さあ中堅戦も半ば、ここで横浜宮永が連荘。ノってきました昨年度のルーキーオブザイヤー』

TV『高卒二年目の若手でありながら、強豪ロードスターズにあってガッチリとレギュラーの座を確保しております』

優希「宮永先輩すげー!」

咲「ふふーん」ドヤァ

和「とはいえ、相手もさすがにトッププロですね」

京太郎「高校レベルじゃほとんど誰も止められなかったあの連荘が、軒並み二、三回で終わってるもんなぁ」


優希「その分一発目を高めで狙う傾向にあるみたいだじぇ」

咲「守備の固さも相変わらずだし、やっぱりお姉ちゃんはすごいよ!」

和(去年咲を圧倒した天江さんよりも、この人はさらに先を行ってますね)ヒソヒソ

京太郎(高一の時は素人目にも、この姉妹は同格ぐらいに見えたんだけどなぁ)ヒソヒソ

和(成長したということでしょう、宮永プロの方が)

京太郎(うへえ……まだ成長し続けてんのかよこのバケモンは)

和(この人を呼べさえすれば、スランプ気味の咲にとって一番の薬になるんでしょうけど……)ブツブツ


コンコン


優希「ん? 誰か来たな」

京太郎「どうぞー、開いてますよー」


ガチャ


照「……」

一同「「「「「……」」」」」

TV『中堅戦終了。リーグ戦首位の横浜は現在、トップに僅差の二位。宮永、個人としては11000のプラスでバトンを繋ぎます』

照「来ちゃった☆」テヘ




「「「「「えええええええええええええええええええ!!?!?!?!」」」」」




優希「なっ、なな、ななななな」

照「あ、片岡さん久しぶり。二年前の決勝以来だね」ペコ

優希「あっいえ、こちらこそお久しぶりです」ペコ

和「あの、これ今、しあ、試合、テレビでっ」

照「ん……これ、録画放送じゃない? 試合なら一時間ぐらい前に終わってるし」

和「えっ!? 新聞新聞……あ、本当です!」

照「咲には言っておいたと思うんだけど」

咲「そういえば言うの忘れてた☆」テヘッ

和「またあなたですかこのポンコツチャンピオン!!!」


ムロ「ほ、本物だ……!」

後輩「宮永照だ……!!」

後輩「生テルテルだ……!」

マホ「……!!!」←感動のあまり言葉にならない

京太郎「すげー……俺も実物見んのは初めてだわ……」

照「あ」

京太郎「ん?」


照「京ちゃんだ。やっほー京ちゃん」ノシ

京太郎「!?」

和「!?」

優希「!?」

ムロ「!?」

マホ「!?」

後輩「「「「「!?」」」」」


優希「おいどういうことだ犬ぅ!!」

和「お、お知り合いだったんですか!?」

京太郎「今初見だっつったばっかだろーが!」

ムロ「で、でもでも、宮永先輩と副部長は、幼なじみなんですよね!?」

マホ「ほほー! それなら昔どっかで会っててもおかしくありませんねっ!」

京太郎「咲との付き合いは中学からだっつーの! 多分この人が上京した後の話だ!」

照「ねえねえ京ちゃん。君、高校卒業したら私のマネージャーにならない?」


京太郎「アンタはちょっと黙っててください! 今事態の収拾つけてるところ……で……」

照「あ、そうなの。ゴメンね」(´・ω・`)

京太郎「……」

和「……」

優希「……」

ムロ「……」

マホ「……」

後輩「「「「「……」」」」」





「「「「「ええええええええええええええぇぇええええええええええええええぇえええええええええええええええええっっっ!!!!!!!!!?!???!?!!?!?」」」」」





咲「えーっと、要するにね。かくかくしかじかというわけで」

和「はあ。商店街のアイドル京ちゃん、ですか」

優希「そこで京太郎に目を付けた、と」

京太郎(アイドル扱いされてるとは知らなかった)

和「というか咲! もうちょっと早く介入してきてください!」

咲「なんか割り込むタイミング見失っちゃって」

優希「本音は?」

咲「黙ってた方が面白いかなーって」

和「……! …………!!!」←憤りのあまり言葉にならない


優希「先輩先輩! 一応言っとくと、コイツに性染色体Yとしての機能を求めるのは無駄だじぇ……ですよ!」

京太郎「さすがにあんまりだろその言いようは!!」

照「ああ大丈夫、心配しないで。『そういうの』は求めてないから」

咲「……お姉ちゃん、彼氏とかいないの?」

照「ナンパされてお茶までなら結構するんだけどね」

和「えっ」

照「なぜか私が口を開いた瞬間、潮が引くようにみんな去っていくの」モグモグ

咲「……」

京太郎(別に俺だって、貧乳はお断りだからいいけどさ)イジイジ


京太郎「あー、えー、それで……マネージャーってのはいったいなんの話なんですか?」

照「恭子がうるさいの。『いい加減アンタの面倒ばっか見てられへん』って」ポリポリ

京太郎「恭子?」

咲「……横浜ロードスターズの、末原恭子さんだよ」ボソ

和「姫松女子の大将を務めていた方ですね」

京太郎「ああ、咲の天敵か」

咲「あの人にだけは一生勝てる気がしません……」カタカタ

照「実力は咲の方が上なのに。不思議だね」

優希「魔物に付き纏われる星の下にでも生まれてるのか、あの人……」


照「恭子自身は今一軍半ぐらいの選手なんだけど、同期だからって理由だけでゴールデンルーキーたる私のお世話を上から押し付けられちゃって」パクパク

照「練習の時も自然に私と組まされるから、常時カタカタいってるような感じで、でも実力はモリモリ上がってて」ボリボリ

照「そんなこんなでだいぶ苦労してるみたい」モグモグ

和「よくもまあ、そこまで他人事みたいに話せますね……」

優希「ある種、尊敬に値するな」

照「それである日、とうとう我慢の限界が来ちゃったみたいで、さっきの台詞が出たの。かわいそうな私」

京太郎(かわいそうな末原さん)ホロリ


照「とはいえ、恭子には恭子のプロ人生があることだし。確かにいつまでも迷惑はかけられない」

照「菫がプロ入りしてくるにはあと三年待たなきゃいけないし」

咲「弘世さんのことはもう放っておいてあげようよぉ」シクシク

照「うん、それも一理あるね」

優希「一理……?」

照「そこで一念発起して、個人マネージャーを付けよう、という結論に至った次第でして」

和「……一念発起した結果、自分自身で更生しよう、という結論には至らなかったわけですか」

照「私は身の程を弁えているので」フンス

京太郎「ツッコミどころ多すぎんだろ……」アタマカカエ


照「で、どう京ちゃん?」

京太郎「まずその呼び方やめてください。死ぬほどむず痒いです」

照「´・ω・`」

京太郎「そんな顔してもダメ!」

照「えー」

優希「すでに名コンビの香りが漂ってるんですが」ヒソヒソ

和「言わないであげてください。須賀くんがかわいそうすぎます」ヒソヒソ

咲「京ちゃんならいけると思うんだけどなー」

和「なにしろ咲の腐れ縁をやっているぐらいですからね……」


京太郎「俺はよく知らないんすけど、麻雀プロにマネージャーってよくあることなんですか?」

照「さあ?」

京太郎「さあ、て」

ムロ「あ、私聞いたことあります。トッププロの中でも特に人気のある人は、マスコミ向けの事務所と契約することがあるって」

マホ「先輩物知りー!」

京太郎「(いたのかムロマホ)おう、説明ありがとうな」

照「ありがとう」ペコ

京太郎「本来アンタが説明するべきことなんだよ!!」


照「それで。どう、須賀くん?」モキュモキュ

照「君なら多分、東京でプロと契約するよりもよっぽど、私のニーズに合うと思う」パクパク

京太郎「話が唐突すぎて頭が痛いです……でも、ちょっと考えさせてください」

咲「あ」

和「えっ」

優希「お?」

照「比較的前向きに検討してくれる、と受け取ってもいいのかな」

京太郎「……プロの付き人、正直な話興味はありますね。今のところ、興味の域を出るもんじゃありませんけど」

照「なるほどなるほど」ヒョイパク

京太郎「そろそろ口に物詰めるのやめません?」


照「わかった。今はこれ以上の話はしない。これ、一応渡しておくから」つ名刺

京太郎「普通に受験生になるつもりでいたんで、すぐにどうこうってお返事はできませんけど……」

照「志望校は?」

京太郎「第一志望は東京の方です」

照「それなら、大学通いながらでも別にいいよ」

京太郎「あの……宮永さんは全国を飛び回るトッププロでいらっしゃるはずですよね?」

照「気が向いた時にだけ身の回りの世話をしてくれればいいから」

京太郎「んなマネがいてたまるか!! 人生を左右する選択肢かと思ったらただのバイトの誘いじゃないですかー!!」ガビーン


照「他には自宅の掃除とか洗濯とか……あ、あとお菓子とかも作ってくれると嬉しいな」

京太郎「ただの家政夫じゃねーかッ!!!」

照「いいじゃん、家政夫京ちゃん。似合う似合う」パチパチ

京太郎「似合いたくねぇぇぇ……っ!」

咲(でも似合う)

優希(これは似合う)

和(間違いなく似合います)


カン!


※京太郎に飼育い……付き人フラグが立ちました

やっぱ京ちゃんは誰かのお世話してるのが似合いますね
テルテル襲来編はもう少し続きます
この人は動かしてて楽しいです
だからこそ人気キャラなのかもしれません

ご一読ありがとうございました

むしろあまりに立派なお世話っぷりに惹かれて、よそから移籍してくるとか……

1番書き辛いというか予測付け辛いのは臨海かな

あぁ、そっか
アラサーたちはネタじゃなく三十路に入った頃なんだな…

>>675
東京にガチ執事がいますからそっちも人気かもしれません

>>681
臨海難しいですよね
でもこのスレ的にはそれほどではないかも
個人的には有珠山が難しいです

>>683
三十路の慕ちゃん…


〈照のいる日常〉


照「それじゃあこの話は一段落ということで」

和「あの……宮永プロ?」

照「照でいいよ」

和「あ、はい。それでは照さん、本日はどのような御用向きでいらしたのでしょう?」

優希「まさか犬ごときをスカウトするためだけに来た、ということもありますまい」

京太郎「なさそうでもないのが怖いけどな……」

照「用というほどのことでもない。暇だから遊びに来ただけ」ポリポリ


優希「……暇?」

京太郎「あなた、遠征中のトッププロですよね?」

和「そもそもOGでもないのにどうして……」アタマカカエ

咲「ご、ごめんねみんな。実をいうと私のせいなの」

照「咲」

咲「いいから、お姉ちゃん」

照「……」モグモグ

優希「どういうことだじぇ?」


咲「再びかくかくしかじか」

優希「四角いムーヴ」

京太郎「コンテ新登場」

和「古いです」バッサリ

咲「シリーズの歴史は結構長いから……」

照「お見事。菫や恭子を彷彿とさせる見事なツッコミスキル」パチパチ

和「あなたの妹さんのせいですッ!!」


優希「なるほどねー。お姉ちゃんとずっと一緒にいたいってか」ニヤニヤ

京太郎「愛されてるねぇ」ニヤニヤ

咲「///」

和「///」

京太郎「なんでお前まで照れてんだ」

優希「話しかけてやるな京太郎。のどちゃんは今持病の発作と闘ってるんだ」

和「サキサンカワイイ」ボソ

京太郎「哀れなもんだ……」

照「仕方ない。咲がかわいいのが悪い。なにしろ私の妹だし」フンス


和「んっ、えっへんおっほん!///」

和「とりあえず照さんは、麻雀部を見学なさっていくということで?」

照「ん。それでいい。今日はもうずっとオフだし」

京太郎「マジか……」

照「マジ」

優希「さすがにちょっと緊張するなぁ」

照「まあまあ、あまり私のことは気にせずに。空気みたいなものだと思って」ボリボリ

咲(お菓子をボリボリ貪る空気……?)


優希「ロン!」

照「片岡さんはあの時よりもすごい強くなったね」

優希「へへっ。ありがとうございます!」

照「『打ってて楽しい』っていうのが全身から伝わってくる。片岡さんの麻雀、私は好きだな」

優希「いやぁそれほどでも///」

京太郎「お世辞お世辞」

優希「うるせーやい」

照「……お世辞じゃないんだけどな」モグモグ

京太郎「えっ」


優希「ふふーん」ドヤァ

照「私と打って最初から最後まで闘志を失わなかった人っていうのは、高校時代本当に珍しかった」

照「片岡さんの他にはそれこそ、辻垣内さんや荒川さんぐらいじゃなかったかな」パク

京太郎「おお、すげえ名前が出たな」

優希「……照先輩や辻垣内先輩をはじめ、強者に叩きのめされるところから私の高校生活は始まったようなものなんで」

照「それが今では、全国7位だっけ? 本当にすごいことだと思うよ」ニコ

京太郎(先輩やけにお前のことを買ってるな)ヒソヒソ

優希(確かに……なんでだろ?)


照「お菓子なくなった」(´・ω・`)

咲「そのペースで食べてたら当たり前だよ……」

京太郎「まさかあの宮永照がお菓子狂だったとはなぁ。どれ、それじゃあなんか作りますかね」

照「えっ」

京太郎「なんかリクエストあります?」

照「え、あ……そ、それじゃあプリンが食べたいなー、なんて言ってみたり」

京太郎「いいっすよ。ちょうど冷蔵庫に作り置きがあったはずなんで」

照「!?」


照「おいひい」モグモグ

和「ですね」モグモグ

照「まさか本当に出てくるなんて……清澄の人が羨ましい。いつもこんなの食べてるの?」

和「いつもじゃありません。須賀くんはれっきとした選手です。普段の雑用は下級生に任せてます」ムスッ

照「でもプリン出てきた」

和「……やるなって言っても気が付くとやってるんです」シクシク

照(ますますウチに欲しいなぁ)パク


照「今の部長は原村さんだっけ」

和「はい、私ですが」

照「咲は部活では、どう?」

和「まるで親御さんみたいなことを言うんですね」クス

照「……そういう顔をする資格がないのはわかってる。でも、やっぱりあの子は私の妹だから」

和「あ……すいません。そういうつもりで言ったわけでは」アタフタ

照「わかってる。気にしないで」

和「はあ」


和「それでその時咲が……」

照「苦労してるんだね。咲のポンコツっぷりは誰に似たものやら」

和(あなたです)

ムロ「あっ、あの! お話中すいませんっ!」

和「あら?」

マホ「宮永プロさん! よろしければ、ささサインいただけましゅか!」ペコ

和「……大丈夫ですか、照さん?」

照「いいよ。書くものある?」

ムロ「ここ、こちらに用意してあります! 色紙も!」


照「なんで部室に色紙が……?」サラサラ

和「入学式が終わったばかりの頃、サインを求める新入生がポツポツやってきまして。主に咲目当てで」

照「へえ、テンパったでしょあの子。『ムロちゃん江』、『マホちゃん江』っと」サラサラ

和「それはもう。こちらとしても断りはしたんですが」

照「そういうのは時間が経てば落ち着くよ。はいできた」つサイン

マホ「ありがとうございます! うわー達筆ですねー!」キラキラ

照「ふふん」ドヤァ

ムロ(いや……多分これは……)

和「単純に字が下手なだけでしょう」バッサリ

照「えっ!?」ガーン


咲「ふう、ちょっと休憩っ」

照「楽しそうだね、咲」

咲「あ、お姉ちゃん」

照「原村さんたちにもいろいろ話を聞かせてもらったよ。咲が高校生活を過ごしてるのはこういう場所なんだね」

咲「……京ちゃんがこの部室に連れてきてくれて」

咲「和ちゃんが麻雀と向き合わせてくれて」

咲「優希ちゃんが、竹井先輩が、染谷先輩が……ううん、それだけじゃない」

咲「いろんな人が、私に麻雀の楽しさを思い出させてくれた」

照「……」

咲「本当に私――清澄に来てよかった」ニコ


照「そっか。よかった」ホッ

照「咲は昔から内向的な子だったから、友だちと上手くやれてるのか心配だった」

咲「お姉ちゃんに言われたくありませーん」ベー

照「私はこの通りの愛されキャラだから」ドヤァ

咲「殴りたいこの笑顔」

照「……明るく楽しくやれてるみたいで、お姉ちゃんとしては一安心」

照「部活の友だちもいい人たちばかりみたいだし、よかったよかった」

咲「でしょー?」

照「だけどできれば他の友だちも……そう、クラスメイトとかも紹介してくれると嬉しいな」

咲「えっ」


照「なにしろ咲はかわいいから、クラスでも大人気のはず」

咲「……」

照「同性の友だちはもちろん、男子からも言い寄られてたりして……アレ、なんかちょっとムカついてきたぞ」

咲「……」

照「というわけだから咲。ちょっと適当な友だちと、明日にでもお話しさせて?」ニコニコ

照「大丈夫、電話でお話しするだけだから。強制的に卓に着かせたりしないから」ニッコニッコ

照「さ、誰を紹介してくれるのかな?」ウキウキ

咲「……それじゃあとりあえず、高鴨穏乃ちゃんで」

照「あれっ!?」


カン!

クラスと部活で微妙にキャラ違う人っていましたよね
ご一読ありがとうございました

麻雀関連以外の友達は…

おつおつ
咲ちゃんのスランプ解消はまだ?和が照に相談するかとも思ったがしなかったのか省略されただけなのか


咲さんは麻雀でトラウマ背負って内向的になってしまったけど
結局は麻雀を通さないと友達作るの難しいんだよきっと

そこに触れずにある程度親しくなったのが京ちゃん
きっかけを貰って、1日で強行突破したのがのどっち
ていうことだと思う

>>704
クラス替え直後でまだ慣れてないだけだから(震え声)

>>708
まあスランプはそう簡単には治りませんよ

>>710
麻雀関連なら2、30人は友だちいるでしょうね


それでは大変遅くなりましたがテルー襲来編を続けていきましょう


〈宮永照〉


照「あ、このようかんもおいひい」モグモグ

京太郎「食った質量はどこに消えてるんですかね……」

優希「暴食のホムンクルスかなにか?」

和「……今日一日で、照さんに抱いていた様々なイメージが崩れ去りました」

咲「あ、あははは。お、お姉ちゃんは明日も試合あるんだよね?」アセアセ

照「ある。多分中堅で出る」ヒョイパク

京太郎「プロリーグって事前にオーダー決めないんでしたっけ?」


照「少なくともトップリーグはそうみたいだね」パクパク

優希「予め相手に教えておくのは先鋒だけだじぇ」

咲「交代のタイミングもいろいろなんだよね?」

和「必ず交代しなければならないのが二半荘ごとの開始時。要するに、1チーム最低5人は出場しなければいけないわけです」

京太郎「ほー」

咲「へー」

優希「……麻雀部なら常識として知っておいてほしかったじぇ」

照「はー」メモメモ

和「……いえあの、麻雀プロなら常識以前の問題として知っておいてください」


和「お時間の方大丈夫ですか?」

照「余裕。全然。この後の予定は家帰ってお菓子食べるだけだから」

京太郎「アンタお菓子食う以外の予定ないんすか?」

和「ならば……大変不躾なお願いだとは思うのですが」

照「打ちたい?」

咲「……」

優希「……」

京太郎「……」

和「……はい」


照「いいよ。というか、頼まれなくてもこっちから頼もうかと思ってた」

和「! ありがとうございます!」

照「面子はもちろん、清澄の誇るトリプルエースで揃えてくれるよね?」

優希「……おいのどちゃん、本気か?」

和「私はいつでも本気です」

咲「お姉ちゃん、なんでかもったいぶって、家では私となかなか打ってくれなかったんだけど……」

咲「最初から、こうするつもりだったんだね」

照「特に深い考えはない。『雀士宮永咲』の調子がどうこうとかは、私には関係ない」

咲「……」

京太郎(やっぱお見通しか)


照「ただそこに雀卓があって、強い雀士がいて、楽しい闘いができる」

照「私が麻雀を打つ理由は――それだけだよ」ゴッ

優希「っ」ゾクッ

照「うすうす気が付いてるとは思うけれど」

和「……」ビリビリ

照「私、高校時代とは比べものにならないほど、強くなってるから」

京太郎(後ろで見てるだけなのに、腕の震えが止まんねぇ……)ブルッ

照「咲。天江衣さんに、私はプロで勝ってるよ。確かあの日は満月だった」

咲「ッ!!」ギリッ




「それじゃあ、麻雀を楽しもう?」




照「終局だね」パタン

咲「……」

優希「……」

和「……」

京太郎「……」

ムロマホ「「……」」

後輩「「「「「……」」」」」


シーーーーーーン


京太郎(マジかよ、おい)

京太郎(勝てないとは思ってた。三人がかりでもキツいだろうとは、素人目にもわかってた)

京太郎(ただ……こんな……こんな結果……!)

ムロ「さ……三人同時に、トビ終了……ッ!」

照「……」

京太郎(全国1位と、5位と、7位だぞ)

京太郎(揃いも揃って、日本の女子高生で十指に入る化物どもだぞ)

京太郎(その三人で、半荘一回も持たないとか、ウソだろ……!?)


照「……」

優希(……誰だ、この人。こんな雀士私は知らない)

優希(私が二年前に闘った『宮永照』と、今私と打ったこの人とじゃあ)

優希(レベルが、なにもかもが、違いすぎる。天と地だ)

和「……」グッタリ

京太郎(一半荘打った程度で疲れてる和なんて初めて見たな……)

和(忠告は予め受けていました。かつてとは比べものにならない、と)

和(それを受けて上方修正した想定を、なお上回る実力差)

和(このザマでは咲のスランプどうこうの話じゃあない……!)


咲「……」チラッ

照「……」ポリポリ

咲「……」

照「?」

咲(プロの世界には、お姉ちゃんより強い人、どのぐらいいるんだろう?)

咲(中堅。今日の試合で、お姉ちゃんのポジションは中堅だった)

咲(中堅。多分あれがそのまま、チーム内でのお姉ちゃんの立ち位置だと思う)

咲(中堅、かぁ。このお姉ちゃんでさえ、中の上か、せいぜい上の下……)


シーーーーーーン


照「……」

京太郎(それにしてもこの空気の中、憎らしいほど平然としてやがるぜ)

京太郎(今日のポンコツぶりでまったく忘れかけてたけど)

京太郎(この人は近い将来、日本の女子麻雀界を背負って立つほどの存在なんだよなぁ……)

照「……」ブツブツ

京太郎「ん?」

照「……」ブツブツブツ

京太郎「……」ソーッ


照「……」

照(言えない……この空気じゃ言い出し辛い……)

照(久々に咲と打つからってなんかテンション上がっちゃって)

照(直前のリーグ戦がなんかいい具合の調整になっちゃって」

照「今日この瞬間に限っては、人生でも一、二を争うレベルの絶好調だった、とか」

照「今さら言い出し辛い……」

京太郎「あの」

照「え、あ、な↑にっ?(裏声)」

照「ふ、ふふふ、ふふふのふ。さてはプロの世界の奥深さに慄いちゃったのかな」フフン

京太郎「後半、声に出てました」

照「」


咲「……ぷっ」

和「ふふ」

優希「あはははは!」

照「え、あ、え」

咲「お、お姉ちゃんは相変わらずだなぁ……!」

優希「いやーちょっと安心したじぇ。ショックはショックだったけど」

和「ええ。実力だの調子うんぬんだのは関係なしに……その抜けっぷりを見ると安堵させられますね」クスクス

照「」ガーン


マホ「場の雰囲気が一気に和やかになりましたっ」ホッ

ムロ「まさか宮永プロはここまで計算に入れて……?」

照「あっ、そ、そう! それそれ実はそのとおり! なんもかんも計算ど」

京太郎「いやそれはない」

優希「ないじぇ」

咲「ないね」

和「ないです」

照「」ガーン


咲「遠いなぁ、お姉ちゃんは……改めて思い知らされちゃった」ニコ

咲「そう簡単には追いつかせてもらえそうにないね」

和「……」ニコ

照「生半可はおろか一級品の覚悟を決めても、そうそう私には追いつけないよ」

照「なにしろ私は、咲と違って努力の人だから」フンス

京太郎「どの口が言いますか」

照「京ちゃんひどい」シクシク

京太郎「京ちゃん言うな!」

咲「とにかく、うんっ。私の決意も固まったよ」

咲「お姉ちゃん。いつか私もお姉ちゃんに、天江さんに、末原さんに追いついてみせるんだからね!」ビシッ

照(恭子は周回遅れだけどね)


カーカー


照「ん。いい時間になったから帰ろうかな」

優希「明日はテレビで応援してます、照先輩!」

照「テレビ? 会場来てくれないの?」(´・ω・`)

咲「私はもちろんおと……両親と行くけど」

京太郎「清澄麻雀部は咲を除いて17人もいますからね。さすがにチケット代が……」

照「そんなの私が手配するよ」

和「えっ!? い、いえしかし、そんな」ワタワタ


照「遠慮しなくていい。家族や友だちを呼ぶぐらいはプロならみんなやってる」

和「友だちといっても『妹さんの友だち』でしょう」

優希「そういうのもアリなんですか?」

照「? そんなことないよ?」

京太郎「やっぱダメなんじゃないすか」

照「ああ、いや……そっちじゃなくて、友だち」

咲「??」

照「だって一緒におしゃべりして、一緒にお菓子食べて、一緒の卓に座ったんだもん」





「清澄のみんなはもう――私の友だちだよ?」





京太郎「……」

優希「……」

和「……」

咲「……」

ムロマホ「「……」」

後輩「「「「「……」」」」」


シーーーーーーーン


照「あ、あれ? なんか外した?」アセアセ


マホ「」バタン

照「ひゃう」ビクッ

マホ「……」ピクッピクピク

照「ゆ、夢乃さん?」

マホ「う、うへ、えへへ……て、テルテルと友だち……マホ幸せすぎて……あへへ……」ピクピク

ムロ「ああっ! マホが感動のあまり泡を吹いて倒れた!!」

照「えええええええええ!?」ガーン


ワーワーギャーギャー


咲「……」

和「私、一つわかったんですけど」

咲「え?」

京太郎「ん。宮永ポンコツ姉妹の見分け方だろ」

優希「ああ。それなら私もわかった」

咲「えっ!?」


優希「ギャルゲーで攻略されそうなのが妹で」

和「攻略しそうなのが姉です」

咲「えええええっっ!?!?」ガビーン

京太郎「コミュ力のあるなしで見分けてもいいぞ」

咲「それはやめてください」

和「……まあ、なんにせよいいお姉さんですね」クス


カン!

受け攻めどっちかっていったらそりゃ攻めですよね
ご一読ありがとうございました

おつ!
やはり天使だったな……

乙、ってか和全国5位だったんだ……

>>749
基本的に天使しかいない優しい世界です

>>752
上級生が抜けて3年ブーストかかれば多少はね?
原作個人戦ですらリッツ補正でこのぐらいやりそうですが


〈魑魅魍魎が跳梁跋扈〉


ワァァァァァァァァ


京太郎「というわけで、やってきました現地観戦」

和「誰向けの説明なんですかそれ」

咲「お姉ちゃんがんばれー!」

優希「照先輩がんばれー!」

久「テルテルがんばれー!」

和「そしてなにナチュラルに混じってるんですか竹井先輩っ!」

咲「しかもいつの間にか友だちになってる風だしっ!!」

京太郎「どこルートで俺らの隣席のチケット確保したんすか……」アタマカカエ

久「えっホントに聞きたい?」

一同「「「「遠慮しておきます」」」」


久「まこもこっち来てお姉さんの応援しなさいよ」

まこ「……」

優希「なんか普通にいた!」ガーン

咲「染谷先輩、どうしてここに?」

まこ「……久に」

優希「あ、もういいです」

咲「だいたいわかっちゃいました」

まこ「」シクシク


京太郎「なんで一人だけちょっと席離れてるんすか染谷先輩?」

まこ「ワシゃあ福路プロの敵を応援する気はない」

優希「福路先輩は今回一軍帯同してませんけど?」

まこ「それでもじゃっ」

久「まこの美穂子好きはガチだからねー」

咲「えっ」

和「ま、まさか染谷先輩///」ポッ

優希「なぜ顔を赤らめる」

まこ「紛らわしい言い方をするなダアホ! ガチのファンってぇだけじゃ!///」

久「清澄に入る頃にはもう、美穂子の隠れファンだったのよこの子」クックッ

京太郎「そうだったんすか?」


久「その一方で私なんて、中学時代美穂子に会ってたこととかさっぱり忘れてたんだけどねー」ケラケラ

京太郎「ひでえ」

咲「それにしたって、合同合宿とかインハイで宿舎一緒だった時もありましたけど」

優希「染谷先輩じぇんじぇんそんな素振りなかったじぇ?」

まこ「……」

久「咲。あなたが夏コミの会場でエレクトさ○る先生に偶然出会ってしまったらどういう行動をとる?」

咲「……テンパってなにも言えなくなります」

久「つまりそういうことよ。まこってばクールを装って内心ガチガチだったんだから」

まこ「っ///」

京太郎「そんなことより今女子大生の口からは聞きたくない固有名詞が出たような……(いや俺は大好きだけどね?)」

優希「例えとしては最低かつ最高に酷い部類だじぇ……」

和「理解している私たちもどうなんだという話ですが」


『試合しゅーーりょーーー!!』


京太郎「なーんて最低の会話してるうちに試合終わったぞオイ!」

和「横浜の勝ちですか。まあ普通ですね」

久「いやいやいや。怒涛の活躍だったわよ、咲のお姉さん」

まこ「見てみい。今日の横浜のリード分、宮永プロがほとんど一人で叩き出しとるぞ」

優希「昨日からの流れ+さっちゃん観戦補正かかったなありゃ」

咲「全力投球すぎて明日からが心配だなぁ……」

京太郎(補足説明。数日後長野を去った照さんは、妹分不足からか無事不調期に入りましたとさ)


京太郎「ま、なにはともあれ終わった終わった」

久「みんなはこの後どうするの?」

まこ「普通に考えればチケットの礼に顔を出すなり、外で待ち合わせするなりじゃな」

和「それなんですが、実は先ほど照さんから連絡がありまして」

咲「チームの先輩に捕まって、飲み会へ連行されたそうです」ガックリ

まこ「宮永プロは確か未成年じゃあなかったか?」

咲「はい。お姉ちゃん遅生まれだから、まだ19です」

まこ「……」

京太郎(スイーツだな)

優希(ああ、絶対甘味に釣られたな)


和「こちらが事前に約束をしていたわけでもありませんから。残念ですけどしょうがないですね」

久「それもそうね。じゃあみんな、私たちとご飯でも行かない?」

京太郎「お、先輩方の奢りですか」

優希「やったータダ飯だー!」

後輩「「「「「「やったー!!」」」」」」

まこ「この人数相手に奢れるかッ!! ちゅーかいたんか一二年生ども!!」


ワーワーギャーギャー


咲(……お姉ちゃんが飲み会に行ったってことは、もしかして)

咲(…………いや、まさか。いくら『あの人』でも、そこまで凶悪な星の下に生まれついたなんてことは)

咲(………………ないよね?)




「「「「「カンパーイ!!」」」」」




靖子「んっ、ごきゅ、ぷっはー!!」ゴトッ

靖子「んまい! 試合後のビールはやっぱうまいわー!」


【佐久フェレッターズ大将 藤田靖子】


はやり「靖子ちゃんってばメッ☆女の子がそんな飲み方しちゃダーメ♪」

はやり「お嫁さんにいけなくなっちゃうゾ?」


【大宮ハートビーツ副将 瑞原はやり(30)】


晴絵「瑞原さん……藤田(旧姓)プロはとっくにお嫁に行ってますよ」

晴絵「本来なら旦那さんの姓で呼ばなきゃいけないんでしょうけどね」


【伊達ホワイトホース先鋒 赤土晴絵】


咏「本人が仕事の時は今まで通りっつってんだからいーんじゃないですか?」

咏「あ、あと瑞原さんのそれは高度な自虐ネタなんですかねい? わっかんねーけど!」ケラケラ


【横浜ロードスターズ先鋒 三尋木咏】


はやり「……」ズーン

咏「やべ、想定の上を行くガチへこみした」

靖子「三尋木あんた、後で謝っときなさいよ」グビッ

咏「後ででいいのん?」

晴絵「この状態になるとしばらく周囲の音聞こえなくなるからね。あ、宮永さんお酒ちょーだい」

照「はいただいま……瑞原さんはなにかあったんですか?」トクトクトク

照「あ、そこの店員さん。チョコケーキください」


【横浜ロードスターズ中堅 宮永照】


晴絵「ありがとさん。なんかこないだ友だちの結婚式出たらしくてさ」グビッ

照「はあ。あ、店員さん抹茶アイスください」

咏「あー……やっちまったか」

靖子「キツイよねーうんうん。さすがにあの歳になるとさぁ」

晴絵「それがね、話はそこで終わりじゃないのよ。結婚式のために島根戻ったら、なんとその席で」

咏「その席で?」

晴絵「式挙げたのとは別の友だちが、1歳になるぐらいの赤ちゃん抱えてたんだって!」

咏「……わあお」

照「わあお。あ、クリームソーダください」

靖子「……ま、元気出してくださいよ。瑞原さんならいくらでもいい人見つかりますって」ポンポン

はやり「ぐふっ」

晴絵「今の追撃になってなかった?」


靖子「それじゃーこっからは瑞原さんを励ます会ということで! じゃんじゃん飲むぞー!」

照「あい」バクバクバクバク

晴絵(私もそろそろ人のこと笑えない歳なんだけどなぁ)

晴絵「……ま、今はいっか! とりあえず飲もー!」

咏「さんせー。あ、恭ちゃんもそんなとこいないでさ、こっち来て飲みなって~」


ワイワイガヤガヤ


恭子「……お断りします。未成年なんで」ポツーン


【横浜ロードスターズ控え 末原恭子】


咏「なんでい、付き合い悪いのー」ケラケラ


はやり「うー」ズーン

恭子(……なんで私ここにおんのやろ)サスリサスリ

恭子(いや、ほんまなんでやねん。なんで照のアホに付きおうてるとこういうことになんねん)

恭子(んでもってなんで三尋木さんが絡んでくんねん!)

恭子(アンタが絡むと大抵、ますますどうしようもないことになんねんで!)

恭子(雲の上のトッププロたち。私ごとき一軍半では話しかけるのもおこがましい相手)

恭子(なんでそんな人らの集まりに私みたいなんが混じって)

恭子(その上牌のお姉さん(30)の背中さする羽目になっとんねん!)←でも自発的に始めた

はやり「あーいい、そこいいよ、もうちょっと上シクヨロ」

恭子(ああ、今日も今日とて胃薬が手放せない……普通の飲み会させてーや……)キリキリ


晴絵「そういえば席一つ空いてるね。誰か来るの?」

靖子「いや、私はなにも聞いてませんけど」

咏「……」ニヤリ

恭子(……なんだろうこの懐かしくもおぞましい感覚は)ブルッ

咏「ま、ま、ま! 空いてる分には構わないっしょ。さ、じゃんじゃん食ってじゃんじゃん」


ガラッ


郁乃「じゃ~ん! 呼ばれなくても飛びててじゃじゃんじゃ~ん! いくのんやで~♪」


【姫松高校監督 赤阪郁乃】


恭子「ぶふうううううううっっっっ!!!???」


郁乃「あっ末原ちゃんやん。ほんまに奇遇やなぁ、懐かしのいくのんやで~?」

恭子「なっ、ななななん、なんなんなん、なんでここに」ワナワナ

咏「あれ? 恩師との感動の再会をサプライズ演出したつもりだったんだけどねい」

恭子「」

咏「粋な計らいだと思ったんだけどなー喜んでもらえると思ったんだけどなー(棒)」

恭子「アンタの仕業かこの愉快犯っっ!!!」

郁乃「す~え~は~ら~ちゅわ~~ん♪」

恭子「寄んな触んな近寄んな息を吹きかけんなやこのド畜生ぉぉぉぉぉ!!!!!」

咏「仲良きことは美しき哉、ってか! あっはっはっは!!」ケラケラ


恭子「アンタの施した魔改造のせいで私は……私はなぁ……!!」

郁乃「ええやんそんな昔のことぉ。宮永妹ちゃんにやって無事勝てたんやし~」

恭子「じゃかあしゃあああああああっっ!!!!」

咏「ぎゃっはっはっはっは!! いいぞもっとやれー!」ケラケラケラ


ワーワーギャーギャー


靖子(かわいそうに……)

晴絵(かわいそうに……)

はやり(結婚したい……)

照(アイスおいひい)パク


カン!

はい、一旦ここまでとしておきましょう
テルテルもそうだけど末原先輩も主人公の素質ありますね
よって次回も末原先輩受難編です
ご一読ありがとうございました

乙!
てっきりテルーが京太郎を次期マネージャーとして自慢してえらいことになるとかだと思ってた
末原さんは不憫かわいい

ふと思ったが、京太郎が正式採用されて安定した収入を期待できるようになったら、恋人としてはダメだったが結婚相手として見た場合は咲和タコスからの評価はどうなるだろう

今更だけど末原さん誕生日だったのにヒデーハナシダナー(棒)

いき遅れに照さんが京太郎を自慢してほしい。

>>777 >>784
ほう……

>>779
ふむふむ
そのうちやってみますね

>>783
末原さん誕生日おめでとう(棒)


〈そこに愛はあるか〉


咏「恭ちゃん恭ちゃん、お酌したげるねん」トクトク

恭子「あ、これはどうもご丁寧に……未成年やっちゅーとんやろがい! 飲まれへんわ! フライデーされたらむしろアンタのプロ人生が終わるでアホンダラぁぁっ!!!」

咏「あっはっはっは!!」ケラケラ

恭子「笑いごととちゃうわこの狂人がッ!!」



晴絵「藤田さん、最近どうよ? 旦那さんと仲良くやってる?」

靖子「悪くないとは思いますけど。アレとの付き合いもいい加減長いし、結婚したからって劇的ななにかがあるわけでもないですよ?」

はやり「……そんなこと言って裏ではイチャついてるんでしょそーなんでしょ」ヒック


照「恭子恭子、お腹減った」

恭子「おのれで勝手に頼んどけガキやあるまいし! ちゅーかさっきまで普通に注文しとったやろ!」

照「お菓子食べたい。けどメニューにない」(´・ω・`)

恭子「コンビニでもなんでもええから行ってこいやこのポンコツぅ! ほれ繋ぎのポッキー!」

照「わーい」



靖子「母校の調子どうです?」

晴絵「今年はねー……本人たちの前では言わんけど、厳しいだろうなぁ」

はやり「……既婚の友だちが顧問やってます」ヒック


郁乃「末原ちゃん末原ちゃん♪」

恭子「……」

郁乃「末原ちゃーん?」

恭子「……」

郁乃「末原ちゃんやーい。無視は寂しいわ、いくのん泣いてまうでー?」

恭子「……」

郁乃「なんやしょうのない子やなぁ。この春ついに編集が完了した『末原ちゃんマル秘改造記録集』をようつべにうpする許可もらおうと思てはるばる来たのに」

恭子「おんどれロクな死に方せんぞこんド畜生があああああっっっ!!!!」



はやり「いいなって思った人はだいたい既婚なんだよね……」ヒック

晴絵「あーわかる。マジわかる」グビグビ

靖子(ノーコメント)グビッ


咏「でっひゃっひゃっひゃ!! 今日も恭ちゃんはからかい甲斐があるなーえりちゃんとおんなじくらいあるなー今日ちゃんだけになー、なんつって!」ケラケラ

照「恭子、レジ行ったら10円足りなかったら貸して。お店の人待たせちゃってるの」

郁乃「最近頑張ってるらしいやん末原ちゅわぁん♪ どや、ここらで一発再改造を施して一気に一軍定着を狙うっちゅーんは?」ワキワキ

恭子「……」ピキピキ



靖子「……そろそろ助け舟出します?」

晴絵「>そっとしておこう」

はやり「私たちで手に負えるレベルの嵐じゃないと思うなー」


はやり「でもあの子、末原恭子ちゃんだったっけ? 咏ちゃんに気に入られてるってことは……」

靖子「将来性あるってことなんですかね?」

晴絵「……」

はやり「うーん。インハイでは宮永の咲ちゃんに一度完勝したくらいで、後は目立った実績なかったとおもうんだけどな?」

靖子「本人は大学進学するつもりだったらしいですしね。プロ志望出したのもダメ元だったとか聞きましたよ」

はやり「晴絵ちゃんはどう思う?」

晴絵「……なんていうか」

靖子「なんていうか?」

晴絵「親近感湧くよね、あの子見てると」

はやり「うん?」

靖子「ああ、わかるような気はする」


晴絵「親近感だとちょっと違うかな。親しみやすいというか、理解しやすいというか。そんな感じですよ」

はやり「あー、うんうん。それならわかるよ☆」

晴絵「どこまでも常人なんですよね、あの子は。悪く言ってしまえば凡人なんです」

晴絵「プロの世界には一般人が理解できないような怪物が、ままいますよね」

靖子「瑞原さんとかね」

はやり「……アイドルであることを抜きにしても、私にその肩書きはちょっと重いかな★」

晴絵「はは……でもあの末原って子は、どこまでいっても凡人です」

晴絵「誰だろうと、半分ニワカだろうと理解できる」

晴絵「あの子の麻雀を、そしてその瞬間瞬間の、考え方というか、想いというか、そういうものを」

晴絵「末原恭子はどこまでいっても人々の『理解が及ぶ』常人で」

晴絵「そして――常人のまま、狂人の領域に踏み込もうとしている」

靖子「へえ?」


晴絵「どう表現していいか、ホント難しいんですけどね」

晴絵「彼女自身の立脚している場所が、そのまま天才たちの世界、ってわけでは決してないんですよ」

晴絵「天才たちのテリトリーのど真ん中に、ポツンと『末原恭子』色の領地が孤立してる、って言えばいいのかな」

靖子(よく考えなくても最悪の状況だな、それ)タラリ

はやり「それってもしかして、さ」

晴絵「はい」

はやり「恭子ちゃんが、天才ちゃんたちの中に割り込んだんじゃあなくて……」

晴絵「そう。天才たちが、図らずもあの子を取り囲んだんですよ」

靖子「……この場合『謀られて』と言うべきじゃないですかね? 誰にとは言わんけど」


照「もぐもぐもぐもぐ」

恭子「……腹ぁくちたか?」

照「ん」コクリ

恭子「そらよかった」グッタリ

咏「ぎょーざしゅーまいてばからあげ、うへ、うへへ……ぐぴーすぴー」

恭子「こっちは酔わせて潰して、っと。問題は……」

郁乃「あーあーこれなんかええわなぁ、なあ懐かしいやろ末原ちゃぁん♪ どや、思いっきり引き伸ばしてこの店の軒先に飾ってもらうっちゅうんは! 新生末原ちゃん伝説の第一歩としてほどよい退廃具合やで~にゃははははは!!!!」ゲラゲラ

恭子「問題はこいつや……ッ!!」アタマカカエ


ワーワーギャーギャー


はやり「……」

靖子「……」

晴絵「……」

照「? なんの話してたんですか?」トコトコ

靖子(さてはこいつ食うだけ食って暇になったな)

晴絵「なに、大したことじゃあないよ。凡人を喰った天才と、天才を狩った凡人が出会った時、どんな化学反応が起こるのか」

はやり「その行く末が楽しみだなぁ、っていうだけの話かな♪」

照「……なるほど」


靖子「若人どもの行く末といえば、各々方自分のチームの若手はどんな感じです?」

はやり「ハートビーツは将来安泰♪ 照ちゃんの同級生で有望な子がいるよ☆」

照「えっと、大宮といえば福路さんですか?」

靖子「いいですよね、福路。魔物と呼ばれた連中がプロで力を発揮できないまま終わることもある中、安定して成績を残してる」

照「私も高校時代に当たったことがあります。堅実で隙のない、いい雀士です」

晴絵「なにより、伸びしろがたっぷり残ってるのがいい。確かに将来有望だわ、あの子は」

はやり「付け加えるならルックスも抜群! そしてそれ以上に性格が美人!」

はやり「『牌のお姉さん』を継いでもらうならあの子かな」ボソッ

靖子(さすがにそろそろバトンタッチしたいんだろうな……)

はやり「でもすでに彼氏がいるって噂があるんだよね……」ズーン

晴絵「マジすか」

はやり「それも超絶イケメンかつ高身長で家事万能さらにはさる由緒正しき名家に仕えるパーフェクト執事さんだっていう噂がまことしやかに」ズズーン

靖子(……あれ、なんかそれ)

照(……どっかで聞いたことあるような)


晴絵「は、ハートビーツには他にもいい若手がいますよね! ね、瑞原さん!」アセアセ

はやり「……晴絵ちゃんの教え子さんも、ただいま二軍で猛特訓中だったかな」

晴絵「身内自慢になっちゃいましたけど……どうです瑞原さん、あの子は。通用しそうですか?」

はやり「それはー、晴絵ちゃんの方がよくわかってるんじゃないかな?」

靖子「赤土さんは雀士を見る目があるものね」クツクツ

照「ん」コクリ

晴絵「私としちゃあ第三者の意見も聞きたいんですけどね……」

はやり「それじゃあはやりは晴絵ちゃんと同意見♪」

靖子「右に同じく。で、赤土さんの見解は?」

晴絵「……やれやれ。灼に限って通用しないわけがないでしょう」

晴絵「なにしろ――この私の愛弟子なんだから」ニヤリ

実際某執事Hさんとキャップはお似合いな気がする


靖子「はっはっは、こりゃいいわ! で、肝心の自チームはどうなんです?」

晴絵「んー。宮永さんと同世代繋がりで、ってことならウチには竜華がいるかな」

照「ああ、清水谷さん」

晴絵「あの子なんでか知らないけど阿知賀びいきなんだよねー。その縁で結構仲良くしてんのね」

照「プロに入ってから壁に当たってる、って噂で聞きましたけど……」

晴絵「正確にいえば、『当たってた』かな」

照「それじゃあ……?」

晴絵「ん。大阪に残った親友が、大学で私の教え子と一緒になったらしくてさ」

晴絵「それで、なんていうか……燃え上がるものがあったみたいなんだよね」

はやり「いい話だねー」ニコニコ

晴絵「……いい話ならよかったのになー」ゲッソリ

三人「「「?」」」


晴絵「ま、ウチのへ……げふんげふん若手の話はこんなところで。佐久はどうよ?」

靖子「フェレッターズでここ一、二年のうちに入った高卒というと……」ウーン

照(そこを縛る意味ってあるのかな)

靖子「あ、いたいた。奈良から来た小走っていうのがいたわ」ポン

晴絵「おおっと。晩成のエースですか」

はやり「なんだか晴絵ちゃんに縁のある子ばっかだね☆」

晴絵「縁があるというほどでも……でもいい雀士ではありましたよ。対応力がある」

晴絵「阿知賀の松実妹の能力を、公式戦で初お披露目したのが小走相手でしてね」

照「アレは、初めて見たら面食らうと思います、誰でも」

晴絵「でしょ? だってのに、初見であそこまで食い下がられるとは思わなかったっつーの」

晴絵「小走やえ。まぎれもなく全国レベルの雀士だったわ」

はやり「でも、そこから先のレベルで戦うための、なにか一つ尖った武器がない……ってところかな?」

靖子「ご名答。現状、そのあたりで燻ってる感がありますね……」


はやり「誰しもが、めでたしめでたし万々歳、っていうわけにはいかないんだね……」

晴絵「まあ、そういう世界ですから」

靖子「その点アンタは恵まれてるのよ、宮永? そのへんちゃんとわかってる?」

照「む。もちろんわかってます」

照「それで、この流れだと私が若手自慢する番ですよね」ワクワク

靖子「いやいや、アンタ自身がその若手でしょうに」

照「´・ω・`」

はやり「自慢話したいんだ……」

靖子「したいなら好きにすりゃあいいけどさぁ」

照「でもネタがないです」(´・ω・`)

靖子「知るかッ!」

晴絵「そういえば宮永さん、凱旋試合だったのよね。妹さんにはもう会った?」

照「……! そうだ、そのあたりで面白い話があります。恭子恭子、こっち来て」クイクイ

はやり「?」


恭子「なんやねん……こちとらただでさえこのキチガイの相手で疲れとんねんで……」グッタリ

郁乃「末原ちゃんってばひ~ど~い~」←そのキチガイ

恭子「この上なんや? あの妹の自慢話ってんならお断りやで」ゲッソリ

照「それは魅力的な提案ではあるけれど。違う」

恭子「そら蠱惑的な回答やな。で?」

照「優良物件な男の人、見つかったよ」

恭子「!?」

靖子「!?」

晴絵「!?」

はやり「!?」

郁乃「!?」

咏「!?」

照(あ、咏さん起きた)


恭子「なな、なん、なんなん、なに言うて」パクパク

はやり「ちょっとその話詳しく!」ズイッ

照「ええっと……(>>315あたりを見上げながら)まずは人よりちょっとイケメン(プラス福山潤似のボイス)で」

郁乃「ほーん……」

照「人よりだいぶ背が高くて(180後半)」

晴絵「高っ」

照「人より結構運動神経がよくて(中学時代ハンドボールで県準優勝)」

靖子「はあ」

照「人よりとっても料理がお上手で(執事直伝)」

咏「ほほう?」ジュルリ

照「人よりかなり気が利く(雑用を超えた雑用をさらに超えた雑用)らしいです」

はやり「ふんふむっ」


恭子「なんやそら、腹立つぐらいハイスペックなやっちゃな。ほんまに実在しとるんか?」

照「いるいる。清澄高校の須賀京太郎くんっていう子」

恭子「息を吸うように個人情報漏洩すんのやめーや!」

晴絵「……」

はやり「……」

咏「どしたのお二人さん」

晴絵「二十歳前に負けた……」ズーン

はやり「良子ちゃん靖子ちゃんに続いて照ちゃんにまで裏切られた……」ズーン

靖子「なんか裏切り者認定されてるし」

郁乃「wwwwwwwwww」

恭子「笑うなや! 悪魔かおどれは!!」

>>805
・スペック高過ぎて逆に
・つーか、結構人気高いのに気付いてない
・清澄麻雀部三人娘と自然にカップルっぽい行動(特に咲さんは一年の頃から嫁さん扱い)

こんなとこじゃね


咏「いやー、でも実際おでれーた。こりゃーびっくらこいたねい」

はやり「照ちゃんが恋人ゲットかぁ……やっぱり最後は若さが勝つのかな……」ズズーン

晴絵「ああ、また瑞原さんが自分の殻に!」

照「あ、大丈夫です。瑞原さんが落ち込むことないと思います」

靖子「ん?」

照「私たちの間に愛とかないので」

恭子「!?」

照「あるのはあくまで……ええっと、そう。肉体(労働)的な契約だけですので」

一同「「「「「「!?!?!?」」」」」」

郁乃さん笑ってる余裕あるンすか


恭子「お、ま、それはいったい」


prrrrrrr


照「あ、ごめんなさい電話。もしもし……あ、咲? うん、うん……わかった」

照「すいません。家の者が心配してるので、そろそろ帰ろうかと思います」

照「それでは失礼します。本日はお誘いいただきありがとうございました」ペッコリン


スタスタ アリアトーッザシター!


恭子「……」

靖子「……」

晴絵「……」

はやり「……」

郁乃「……」

咏「……」

一同「「「「「「えっ?」」」」」」


カン!

>>798
あくまで噂だから(震え声)

>>809
そんなところでしょう
それ以外にあるとしたら>>1の都合以外のなにものでもありません

>>812
いくのんはなー結婚してるのかなー……?
正直原作の方でしててもギリギリ納得できないでもない気がします


言うほど恭ちゃん受難編になりませんでしたね
むしろアラサー受難編でした
そして後々の京ちゃん受難編の幕開けでもあります

最近ペース落ちてきててすいません
もうちょっとこの状況は続くと思います

それでは久々でしたが、ご一読ありがとうございました

そろそろ(京太郎的)ラスボスすこやんの登場かな、と思わないでもない今日この頃
でも他校編もたっぷり残ってるしなー
まあ細々と続けていきましょうか


〈彼氏彼女の恋愛事情〉


優希「というわけで恋バナしようじぇ!」

和「どういうわけなんですかね……」

京太郎「つーか男のいるとこで始めんなよな……」

咲「いきなり恋バナなんて言われてもなぁ。和ちゃんじゃああるまいし、そんなネタないよ?」

和「いやどういう意味ですかそれ」

咲「だって和ちゃんモテるじゃん!」

優希「そうだモテんだろ原村ー! この裏切り者ー!」

和「……///」プイ


京太郎「確かに和はモテるよな。麻雀部が好成績なおかげもあって、普通に学校のアイドルだ」

和「ちょ、ちょっと須賀くん」

京太郎「特に下級生からの人気が尋常じゃねえもん」

和「///」

咲「なにしろ彼女はアイドル並のルックス!」

優希「メロンと見紛うでかいおっぱい!」

咲「CV小清水亜美!」

優希「極めつけは淫乱キャラの代名詞、ピンク髪!」

京太郎「とまあこんな具合に、新参ホイホイとして必要なすべての要素を備えた薄い本要員として……」


ゴン! ゴン! ゴゴンゴン!!


優希「」チーン

京太郎「」チーン

咲「つっつつぅ~~~~!!!」ヒリヒリ

和「殴りましたけどいいですよね」

咲「とうとう事後承諾制に!?」


優希「ってぇ……しょうがないじゃん、のどちゃんマジでモテるんだしさー」

京太郎「こいつの本性を知らないヤツ限定だけどな」

和「なんですか本性って」ギロ

京太郎「すぐ人を殴るところに決まってんだろ!」

和「誰が殴らせてるんですか誰が!」

咲「でもさあ和ちゃん。実際のところ、告白されたことあるでしょ?」

和「……ないわけではありませんけれど」

優希「で、そのうちの誰か一人でも申し出を受けたことは?」

和「……ないわけですけれど」


咲「ええっ、和ちゃん贅沢だよそれは。私たちの中で一番モテるのにー」

優希「のどちゃんで経験ナシとかホントやめてくれ! 将来に希望が持てなくなるだろ!!」

和「知りませんそんなの」プイ

京太郎「でもさ、なんで受けなかったんだ? 本当にただの一人も、和のお眼鏡に適うヤツいなかったのか?」

和「いえ、相手の男性の問題ではないというか」

優希「じゃあどういう問題さ」

和「正直私………………………………」

三人「「「?」」」

和「いえ、なんでもありません」


京太郎「いやいや、なんでもないってことはないだろ」

和「……」

咲「そんな思わせぶりなこと言わないでさー」

和「……」

優希「さあのどちゃん、勇気を出して言ってみよう! 『正直私』?」

和「……男の人に、あまり興味なくて」ボソ

三人「「「うわあ……」」」

和「そういう反応されるのが見え見えだから言わなかったんですっ!! 言っておきますけど私ノーマルですからね!? 異性への興味が薄いってだけですぐ同性愛者に結び付ける風潮ははっきり言っていかがなものかと思われますー!!///」

三人「「「またまたご冗談を」」」

和「あーもー!///」ウガー


和「全部わかっててやってましたよねあなたたちぃ……///」プシュー

優希「あっははは! さ、モテる女をからかって溜飲を下げたところで」

咲「現実に戻ろうか……」ズーン

京太郎「なんでモテねーんだろ俺ら……」ズーン

咲(京ちゃんその気になれば多分モテるよ)

優希(と励ましの言葉をかけてやることもできるが、正直癪なのでやめとこーっと)

京太郎「ナンパだって連戦連敗だしよー、なにがいけねーんだよなにが」ズズーン

和「あの雑用の洪水を乗りこなす隙間でそんなことしてたんですか(困惑)」

和(というか、須賀くんの顔面偏差値からしてその状況は解せませんね……?)


優希「普段どんなナンパしてんのお前? 顔だけはいいんだから、やり方に問題があんのかもしんねーじぇ」

京太郎「ナンパにやり方もクソもねーよ。あと一言余計だタコス」

和「それはそうですけど」

咲「そのへん歩いてる人に声かけるだけだもんね(私にはできないけど)」

京太郎「んー。まずはザッと人ごみを見渡します」

和「ふむ」

京太郎「次に『揺れ』を探知します」

咲「ん?」

京太郎「一流のナンパ師ともなると着やせするタイプにも惑わされず、正確な探知が可能となります」

優希「お、おう」


京太郎「後はその結果に従って声をかけ、敬愛をこめた一礼をその素晴らしきおっぱ」

和「あ、もういいです。もうわかりました」

京太郎「マジで!? なんでダメなのかも!?」

和「はい」

京太郎「じゃあどう改善すべきなのかも!?」

和「はい」

京太郎「おせーて和せんせー! なんでもしますから!」ドゲザー

和「イヤですこの変態」ニッコリ

京太郎「ええええええええええええええ!?!?!?」ガーン


咲「京ちゃんがモテない理由が、その紙一重な残念さにあることはよーくわかったけど」

優希「ぶっちゃけどーでもいい。犬がモテないのなんて大自然の摂理だしな」

京太郎「えぇ……」

優希「問題は! なんで私らがモテないのかってことだじぇ!」

咲「……」

優希「おかしいだろ! 絶対変だろ! そりゃーのどちゃんに比べればワンランク以上落ちることは認めるじぇ!?」

和「お、おっほん///」

優希「でも! だからって! ここまで非モテなのはおかしいよ! だって私らそれなりに美少女だじぇ!?」

優希「咲ちゃんに至っては美少女麻雀ストーリーの主人公だぞ!? 公式のお墨付きで美少女なんだよ!?」

咲「あの、もうそのへんでやめてもらえますか、いろいろと痛むので」ジクジク


京太郎「優希がモテない理由はなんとなくわかる気がするんだよな」

優希「犬の分際でなんだとぅ!」

京太郎「お前さぁ……成長するにつれて男前になってるんだよ」

優希「えっ」

和「まあそんなところでしょうね」

優希「のどちゃんまで!?」

咲「優希ちゃん背が伸びて、髪も伸ばしてキュッとくくって、ホント『アネゴ』って感じなんだよね」

咲「愛宕さんのお姉さんの方と辻垣内さんを、足して2で割った感じ?」

和「どちらかというと、『惚れる』より『慕う』人の方が多いのではないかと」

京太郎「やったね優希ちゃん! 人望が増えるよ!」

優希「嬉しいけど嬉しくねええええええ!!!!!」

和「その言葉遣いも高校入学当初より男勝りになってきていますよ」

優希「ぐはぁっ!」


京太郎「優希さぁお前、女友達より男友達の方が多いだろ」

優希「え……? えっと、にのしのろのやの……」ブツブツ

優希「本当だ! 微妙に男の方が多い!!」

京太郎「やっぱりな」

咲(今100回以上指折りしたよね優希ちゃん)グスッ

和「なるほど。須賀くんが『異性として見た時に問題がある』タイプだとすれば……」

咲「優希ちゃんは『そもそも異性として見られない』タイプなんだね!」

京太郎「ぐふっ」

優希「がはっ」


京太郎「……そこまで言うなら咲ぃっ!」

咲「え?」

優希「最後にあんさんがモテない理由もきっちりあげつらってやるじぇぇぇ……!」

咲「えっ……で、できれば遠慮させていただきたく」

京太郎「コミュ障」

優希「コミュ障」

和「コミュニケーション能力に問題があるかと」

京太郎「ついでに魔王っぷりもな」

咲「がはあああああああっっっ!!!!」グサッ


優希「私たちとの初対面だって、ある意味ではひどかったもんなー」

和「事情があったとはいえ、出会って即舐めプ&『今日はこれ上がってもいいですか』ですからね」

優希「我ながらよくコレと親友になれたもんだよ」

和「まったくです」

咲「」グサグサッ

京太郎「そのへんはさすがに解消されたけどさ、お前いい加減に麻雀以外のコミュニケーションツール身に着けろって」

咲「だ、だだだだって! 『ついったー』とか『らいん』とか『めーる』とか『でんわ』とかよくわかんないし……!」グスッ

京太郎「おい後半二つ」

優希「1年の秋から持ちはじめてもう一年半は経つでしょさっちゃん」

咲「わかんないものはわかんないのぉ!」ウルウル

優希「……京太郎とのどちゃんがいなかった場合にさっちゃんがどんな高校生活を送っていたのかと思うと、涙を禁じ得ないわ……」

咲「私だって考えたくないよぉぉぉ!!!」ウワーン


和「須賀くん」ヒソッ

京太郎「ん?」

和「……実際、咲はモテますよね?」

京太郎「……実際、モテる。アレは『異性からの好意に気が付かないタイプ』の亜種だからな」

和「いわゆる『守ってあげたくなる女の子』ですからね。亜種というのは……」

京太郎「知らない男と二人きりになると、テンパった挙句逃げ出す。中学時代に偶然現場を見たことあるぜ」

和「やっぱり」ガックリ

京太郎「男に告白する暇すら与えないし、咲の方もロクに男の表情とか見ちゃいない」

京太郎「よって本人には、モテるという自覚がいっっっっっさい、ない」

和「なんというか……哀しいですね……」


ガチャ


ムロ「こんにちは、先輩方。今日も早いですね」

和「あら、こんにちは」

モブ男「例によって三年は授業早上がりっすか? 羨ましいなちきしょー」

京太郎「おおモブ男。麻雀歴の長さから男子団体戦では先鋒を務め、さらには次期副部長の座も内定しているというモブ男じゃないか」

モブ男「なにその説明口調怖い」

優希「次期部長殿と揃ってご出勤かい。結構結構」

マホ「マホもいますよっ!」ピョコ

咲「あ、マホちゃんこんにちはー」


ムロ「はあ。なんでモテないのか、ですか」

咲「そうなんだよー」シクシク

モブ男「先輩たちのレベルで恋人ナシとか、後輩たちがこれからの高校生活に希望持てませんよ……」

優希「お前らは恋愛経験とかあったりすんの……?」オソルオソル

ムロ「まさか」アハハ

男「んな暇ないっすよ」アハハ

京太郎「」ホッ

マホ「マホはありますよー」ニパー

和「………………………………えっ」

マホ「ちゅーもしたことありますよー///」クネッ

優希「wwww!?wwWwwWww!wwwWW!?!!!??wwww」


マホ「マホが小四の時に、クラスの男の子に好きですって言われてー」

咲「な、なんだ、小学生の話か……」ゼェハァ

マホ「バレンタインにチョコ渡す時に、ほっぺにちゅーしてー///」

京太郎「な、なんだほっぺか……」ゼーゼー

マホ「でもですね、小六の時にその子が転校しちゃって以来、一度も会ってなくてー」

和「あ、そ、そうなんですか……まあ小学生の恋なんて、得てしてそういうものですし」

優希「な、なんだよマホめビビらせやがって。どうせこんなオチだろうとは」

マホ「でもでもお手紙のやりとりはずっと続けててー」エヘヘ

優希「思ってたけど……えっ」


マホ「この春スマホも買ってもらったけど、あえてお手紙だけでやりとりしててー」

ムロ「……」

マホ「写真とかも見てないんですよー? おっきくなったらいつか、直接会おうねって約束してるんです///」モジモジ

モブ男「……」

マホ「マホ、もうその日が楽しみで楽しみで……///」ポワポワ

ムロ(……じゅ)

モブ男(純愛……ッ!)

ムロ(それも聞いてる方が恥ずかしくなるほどの、甘酸っぱい純愛ぃぃ……!!)カァァァァ

モブ男(こんな青春ストライクど真ん中なラブソングの歌詞をまさかの夢乃に聞かされた、先輩たちのリアクションやいかに……!?)チラッ


和「」

優希「」

京太郎「」

咲「」


シーーーーーーーン


ムロ「し……」

モブ男「死んでる……」

マホ「ええええええええええええええっっっ!?!? どどど、どうしたんですか先輩たち!? めでぃっく、めでぃーっく! じゃなかった保健医のせんせぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


ガチャッバタン! ドタドタドタ…


ムロ「……」

モブ男「……」

ムロ「美男美女には彼らなりの悩みがあるもんなんだね」

モブ男「なー。俺らみたいなモブ顔とは違う悩みがなー」

ムロ「……」

モブ男「……」

ムロ「付き合いはじめましたって言わなくて正解だったね」ボソ

モブ男「なー」ボソ


カン!

同窓会あるある:意外な子がわりとアッサリ結婚してたりする
哀しいなぁ……

ご一読ありがとうございました


恋愛欲求薄いのはやばいぞー和
アラサーも終わりそうになってから焦ることに

>>864
マホの件で終りでもよかったんだろうけどパチッと締めるのに加えて
>>1はムロを幸せにしてあげたかったんだよきっと
男の影がほとんどない作品のうえ2年後だしモブ用意しないと
>>871
だがC.V.くぎゅのままである

別にここ京太郎スレってわけじゃないだろ


>>873
CV釘宮にもいろいろ種類はあるから…
と思ったけどアネゴキャラが一人たりとも思い浮かびませんでした

>>879
まあそうですね
このスレに特定の主人公はいませんし
強いて言えば清澄の四人が主人公なので清澄スレです


諸事情により次のレスから酉を変えます
ではぼちぼちやっていきましょう


〈彼氏彼女のパイ事情〉


優希「というわけでおっぱいの話しよーぜ!」

和「帰ります」ガタッ

京太郎「おいおいちょっと待てよ和」

咲「そうだよ和ちゃん落ち着いて。別に和ちゃんを話のメインに据えようってわけじゃないんだから」

和「それ以前の問題なんですよ! なにが悲しくて女3男1の集まりでお…………む、胸の話しなきゃいけないんですか!!///」

京太郎「そこにおっぱいがあるからさ」キリッ

和「私見ながら言うのやめてください!! やっぱり大元は私じゃないですか!!」


京太郎「やっぱり胸はでかいのが一番だよな」

優希「なー」

咲「うーん……」

和「以降私の方を見たら話の流れに関係なく殴りますからね?」ニコ

京太郎「和よりでかい奴はさすがにそうそういねえよなあ……」

優希「単純にデカさを追い求めるなら、やっぱり永水の石戸先輩かな」

咲「おっきかったねー石戸さん。今でも時々夢に見るよ」

京太郎「おいその夢俺にも見せろ」

和「ねえやっぱり帰っていいですか?」


京太郎「石戸さんって高校卒業後の話あんま聞かないよな」

咲「それ言ったら永水の人みんながだけどね」

優希「あそこは誰もプロ行かなかったしなー」

和「(やっとマジメな話に……)オカルトに偏っていた感は否めませんが、確かな実力者が揃っていただけに惜しい気はしますね」

京太郎「ホント、あの胸が世に出ないとか惜しいわ」ガックリ

和「……」

咲「まあ本職巫女さんだからね、しょうがないね」

優希「それを言ったらそもそもなんで麻雀打ってたんだって話だけど」


優希「同じ永水なら私は神代先輩のおっぱいの方が好きだな」

京太郎「なんだよデカさなら石戸さんの方が上だろ? 宗旨替えすんのかよ」

咲「優希ちゃん一緒に卓囲んだしねぇ」

優希「うん、そのへんの思い出補正もあるかも。でもなによりあの柔らかそうな感じがたまらん」

京太郎「あーそうかそうきたか、デカさとやーらかさを両立させたいタイプかお前」

優希「ただデカいだけ、とか下品なんだよ犬ぅ」ケラケラ

京太郎「あ?」

和「……」


優希「デカけりゃそれでいい、なんて所詮は揉めない男の空想上でしか成立しない理想論だじぇ」

京太郎「……くっ」

和「女なら揉めるかのような言い草やめてください」

咲「確かに石戸さんは重そうだったなぁ。肩こるんだろうなアレ……」

優希「牌にパイが乗っかってたもんね。なにあれギャグ? そういうネタ?」

京太郎「石戸さんの胸マジ異常事態。俺コマに映ってないところでガン見してたわ」

和「映ってたコマなんてありましたっけ」

咲「やめてさしあげて」


京太郎「なるほどな。男から見ていい! と思ったものが女の立場からでも同じとは限らないのか」

咲「当たり前のことではあるけどね」

優希「その点神代先輩のおっぱいには浮遊感があるッ」

京太郎「うーん、言われてみればそう見えなくもない」

優希「中身は詰まってるのにふわふわという、この矛盾した感覚!」

京太郎「やべえそそるわ」

咲「うーん……」

和(女子高生3人で男子高校生を囲んで、本当になんの話をしてるんでしょうか……)ゲッソリ


咲「私のイチオシは二人とはちょっと趣が違うんだよね」

和「自分から話題を提起していくんですか(困惑)」

咲「ズバリ、私のイチオシは福路美穂子さんだよっ」ビシィ

優希「ほう……!」

京太郎「『美乳』で攻めてきたか……!」

咲「なんか最近福路さんの話題多いよねー」アハハ

和「こんなことで話題にされていると本人が聞いたらどう思うでしょうね……」

優希「へーきへーきあの人天使だから」

京太郎「どーせ笑って許してくれるから」

咲「でも心の奥底ではちょっと納得いかなくて涙目だったりするから」

優希「だがそれがいい!」

京咲「「いい!!」」

和「ちょっと全員で埼玉の方向いて土下座しましょうか」


京太郎「麻雀界って爆乳~魔乳クラスが多いから感覚マヒしてるけどさ。あの人普通にデカいよな」

咲「一般的な感覚からしたらね……」ズーン

優希「決して普乳ではない。かといって巨乳と断言するのもなにか違う」

京太郎「『美乳』。うん、この言葉がこれほどしっくりくる人も珍しいな」

咲「絶対上の人補正あるよね」

和「なんて?」

咲「(おっぱいの)上の人補正」

和「……」


京太郎「ああ……それは認める」

優希「私が男だったら嫁にしたい」

咲「福路さんホント天使。竹井先輩と加治木さんと風越の人たちが羨ましい……はぁ」

和「なんで普段からこんなこと言ってる人たちにレズ扱いされなきゃいけないんでしょう」

優希「のどちゃんだからしゃーない」

咲「仕方ないね」

京太郎「せっかくだし和も理想のおっぱいについて語ろうぜ」

和「この流れで言うわけないでしょうが! というかこの流れでなくとも言いません!!」


優希「のどちゃんの、ちょっといいとこみてみったい!」パン

咲「それおーっぱい!」パン

京太郎「おーっぱい!!」パン

和「いつの間にか脱ぐ流れになってません!?」ガーン

京太郎「お前が脱ぎたいと思うんなら、それが答えだと思うよ」

和「落第点ですけどね!?」

優希「で、いつ脱ぐの?」

和「いつまでも脱ぎません!!」

咲「理想の胸のサイズは?」

和「手のひらで覆って少し隙間ができるぐらいのサイズです!!!」


京太郎「……」

優希「……」

咲「……」


シーーーーーン


和「……はっ」

京太郎「あ、うん……そっか」ソソソ

和「いえ、あの」

優希「のどちゃんも疲れてたんだな……」ソソソ

和「待って、ちが」

咲「大丈夫だよわかってるよ和ちゃん。今までからかってたのも9割9分ネタだし、今のもそういうんじゃないって……うん、わかってるから、信じてるからね」ソソソ

和「ならどうしてみんな後ろずさっていってるんですか!?」


部室外廊下


マホ「今日も練習がんばりますっ」フンス

ムロ「その意気だぞマホ。私も負けてられないね」

マホ「それにしても先輩たちってすごいですよねー」

ムロ「うん。末はああいう雀士になりたいもんだよ」


ギャーギャー


マホ「あれ? なんだか部室が騒がしいですね」

ムロ「本当だ。ちょっとドアの隙間から様子を……」コソコソ


和「だから違うんですこれは好みというよりは理想というかホントこの胸困るんです肩こるし男の人には変な目で見られるしそりゃあ贅沢で傲慢な悩みだとはわかっていますよだけどあくまで届かない理想像としてですねっていうかなんでこんな時だけそんなローテンションでマジに受け止めてるんですかせめていつも通りにからかってくださいよーーーっっ!!!」ウワーン

三人「「「うん、わかってる。わかってるから」」」ニッコリ

和「絶対わかってませんーーーーーーっっ!!!!」ウワーン

咲「でも実際問題、貧乳にも人権は認められるべきだよね」ゴゴゴ

優希「貧乳はもうそろそろハッキリと言うべきなのですッッ!! 巨乳は保護されているッッ!!!」

京太郎「保護してる側としては耳が痛いぜ、ふっ」

和「いつ誰がなにを保護したんですって!?」ウワーン

優希「半狂乱ながらもツッコミを怠らない常識人の鑑」


ワーワーギャーギャー


ムロ「……」ソットジ

マホ「ムロ先輩? なにがあったんですか?」

ムロ「マホ」

マホ「はい?」

ムロ「ああいう雀士にはなっちゃダメだぞ」

マホ「えっ」


カン!

どう考えてもキャップの美乳がナンバーワンなので議論の余地はありませんね
ご一読ありがとうございました


〈彼氏彼女のソシャゲ事情〉


※とてつもなくしょうもない話です(予防線)


東風《というわけで艦これの話しようじぇ!》

のどっち《……まあ別にいいですけど》

東風《夏イベどうだった?》

KYO《磯風GET》

Saki《掘れるだけの娘は掘りました》

のどっち《相変わらずガチってますね……私は提督歴も浅いし、大淀さんで止めました》

東風《ラストダンスが、ラストダnスが、あは、あははhhhhh》

Saki《自分からダメージを受けにいくスタイル》

KYO《ライフで受ける!》

Saki《そういうとこホント男らしいよね》

のどっち《いえそれはなにか違うのでは》


のどっち《それにしても……》

KYO《?》

のどっち《麻雀部員がネト麻のロビーに集まってするのがソシャゲの話ってどうなんです?》

東風《いーじゃん麻雀の話ならいつも部室でしてるし》

のどっち《してませんから。最近したの胸と恋愛の話だけですから》

Saki《じゃあどの艦娘の胸が好きでケッコンしたのは誰かって話を》

のどっち《しません》

KYO《ボクは愛宕っぱい! 嫁は赤城! でも最近雲乳に浮気気味!》

のどっち《しないって言ってるでしょうが!!》

KYO《なあのどっち、某奈良の幼なじみさんに「パンパカパーン」って言ってもらえないかどうか》

のどっち《頼みません!!!》


東風《のどちゃんが艦これ始めたのは意外だった》

Saki《ねー。こういうの興味ないかと》

のどっち《私をサブカル方面に引きずりこんだ張本人が抜け抜けと……》

のどっち《まあ私もネットは人並み以上にやりますから》

のどっち《ネト麻の待ち時間に任務を軽くこなすぐらいなら悪くないかな、と》

KYO《そう言っていた彼女であったが》

東風《時間が経つにつれ優先順位が逆転》

Saki《今では疲労抜きの合間にネト麻で息抜きする立派な提督です》

のどっち《そういった事実は一切ありませんが……そうならないように注意しておきましょう》


東風《通常マップはどこまで行ったの?》

のどっち《まだ南方海域も開放していません。正規空母もロクに揃っていないので》

KYO《あー、それでMI作戦諦めたのか》

のどっち《もうベタオリ一択です。一度突撃して連合艦隊の雰囲気だけは味わっておきましたが》

KYO《下手に手出すと資源食うからな、あれは》

Saki《そういう効率判断、のどっちちゃんらしいといえばらしいよね》

のどっち《6~7割運に左右される状況下から、知恵を絞って良い結果を掴みとる》

のどっち《という点では、艦これには麻雀と通じるものがあるのかもしれません》

のどっち《正直、こういうゲームは性に合います》

東風《お、おう……そういう捉え方もあるのか》

Saki《可能な限りの手を打ち尽くしたら後は運ゲーになる、ってことでもあるけどね》


Saki《東風ちゃんはー?》

東風《いやだいやだもう夜戦いやだカットインこわいこわい》

KYO《5-3か……》

のどっち《噂に聞く夜戦マップですか。いつか挑戦するのが楽しみです》

東風《楽しくねーよ! なんでよりにもよってあそこがゲージ付きなんだよ! 一回突破で許してくれよう!》

Saki《そこを越えれば天国の東京急行だからがんばって!》

東風《さらにそこを越えたらさらなる地獄のサーモン北じゃないですかー!》

KYO《(EXだから攻略しなくても)ええんやで。まあ俺らはしたけど》

東風《ちくしょうこのガチ提督どもが! KYOはともかくSaっちゃんはいつの間にそこまでになったんだよー!》


KYO《確かにSakiもタイピングとか早くなったよな。二人で苦労して教えた甲斐あったぜ》

東風《いつの間にか私らの茶番についてこれるようになったもんな……》

Saki《ふふーん》

のどっち《まず茶番についていきたくないんですが》

Saki《ネト麻を始めとするゲーム系だけはなんとか! なんとか覚えたからね!》

のどっち《「ソシャゲを始めとする」に訂正してください》

東風《家電話じゃない電話を取ることすらロクにできないのにね》

KYO《お前のスマホお前が携帯してない時の方が繋がる確率高いからな。リビング置きっぱで親御さんが出てくれたことが何回あったか》

Saki《あびゃびゅわ》

のどっち《現実世界でその声出さないでくださいよ》


Saki《ま、まあいいじゃないですかみなさんー。こうしてチャットは上手くできてるんだしー》

KYO《終わったことにしたいのは勝手だけどな。まったく手間ぁかけさせられたよなのどっち》

のどっち《ええKYOくん。初めてですよ……この私をここまで疲れさせたおバカさんは》

東風《じわじわとなぶり殺しにしてくれるぞ》

Saki《ひえー》

のどっち《スマホを電話以外の用途に使ってるんですかあなた?》

Saki《つ、使ってるに決まってるでしょ! 私だって現代人だよ!?》

東風《なにに?》

Saki《…………GF(仮)に》

のどっち《結局ソシャゲじゃないですか!!》


東風《あれは一時期CMがネタになったことぐらいしか知らないんだけど》

KYO《丹下ボイスの「クロエ・ルメールです」だな》

Saki《そうだ、KYOちゃんKYOちゃん! ついに清澄センバツが完成したよ!》

のどっち《なんの話ですか》

KYO《ガルフレにはCV伊○静の将棋部先輩とCV白石○子の風紀委員とCV○宮理恵のテニス部員とCV小清水亜○の考古学者志望が出てくるんだよ》

KYO《センバツってのは要するにデッキとかフロントとか第一艦隊とかと同じだ》

Saki《みんな「こっち」とは演技が違うから新鮮な気分になれるよー》

東風《またメタネタだよ(笑)》

のどっち《そんなメタネタありえません》

Saki《とかいいつつ最近ののどっちちゃん、メタネタにも時々反応しちゃってるよ》

のどっち《そ、そんなオカルト……》


東風《ところでSakintさん》

Saki《なにか用かな?》

東風《清澄センバツという割には一人足りない気がするんですが》

Saki《……》

東風《グラットンすごいですね》

のどっち《わざわざ三点リーダをタイプするあたり実はまだ心に余裕があることが窺えますね》

KYO《こないんだよなーCV植○キャラ。近頃ボイス実装されたおっぱい書道部先輩がCVた○はし智秋だったからワンチャンある気はするんだけど》

Saki《ワンチャン! ワンチャン!》

KYO《あっちなみに俺の清澄センバツの穴はバスト三ケタのおっぱい書道部先輩で埋めました》

のどっち《結局胸ですか》


Saki《ひどいよKYOちゃんの裏切り者! 私なんて最後の一枠をCV中原○衣の恋バナ大好き先輩かCV福○香織のオカルト部部長かCV寿○菜子のドS女王様にするかで悩んでたのにー!》

東風《最後ちょっと気になるな……》

のどっち《どうあれ、豪華声優陣とやらを売り物にした十把一絡げのソーシャルゲームには変わりないでしょう》

のどっち《あなたたちはあくまで麻雀部員なのですから、艦これともどもあまり熱中しすぎないようにですね……》

KYO《ふぅん。甘いなのどっち》

Saki《いつからガルフレが普通のソシャゲだと錯覚していた?》

のどっち《なん……ですって……》

東風《いちいちノッてあげるのどちゃんものどちゃんである》


KYO《まあ聞け。なんと今やっているガルフレのイベントではな……》

Saki《敵キャラクターのボイスを――あの秋元羊○さんが当ててるんだよっ!!》

東風《!?》

のどっち《流派東方不敗ッ!?》

東風《ちょっと師匠! なにしてんすか!》

のどっち《……いや、待ってください。そもそも敵キャラってなんですか》

東風《ガルフレって要するにギャルゲ系のソシャゲだろ? なんで男の敵が出てくんの》

のどっち《恋敵……にしては渋すぎますよね》


Saki《まあ、恋敵といえば恋敵かな?》

KYO《ちなみにそれ以前のイベントだと千○繁、小山○也、○塚運昇、麦○、堀○賢雄(敬称略)が敵キャラだったぞ》

東風《えっなにそれは(ドン引き)》

のどっち《意味がまったくわかりません……》

Saki《いったいどういうことなのか知りたい君は、今すぐ「ガールフレンド(仮)」で検索検索ぅ!》

KYO《『咲-Saki-』に出演しているあの声優さんも多数登場! やってみるとわかるけど結構頭おかしいゲームだぞ! ゲーム性ほとんどねーけど!》

東風《謎のステマ枠やめろ》

のどっち《こんなふざけたステマがあってたまりますか》


カン!

クロエ・ルメールさんすき
大淀改の新グラほんとすき

ご一読ありがとうございました
しょうもないステマですいませんでした
みんなも母港拡張、しよう!


〈彼氏彼女の家庭事情〉


優希「というわけで家の話しようじぇ!」

京太郎「別に俺らはいいけど」

和「……」

咲「あ、いいよいいよ。しようよ家族の話」ウキウキ

京太郎(あ、したいんだな家族自慢)

和「気を遣った側としてはそこでウキウキされるとちょっぴりセンチな気分になります」

優希「まあ咲ちゃんはおかーさん帰ってきたからしゃーない」

咲「今さら私たちの間に気遣いなんていらない……でしょ?」キラン

和「私としてはもう少し気を遣ってほしいです、すべてにおいて」

咲「あれっ!?」ガーン


咲「じゃあまずは家屋について!」

優希「ここはやっぱりのどちゃんちだろ。弁護士の家に相応しい豪邸だじぇ!」

和「一般的な家屋より立派であることは確かですが、豪邸というほどのものでも……」

京太郎「あれ? でも和んちって引越してきたんだよな?」

和「それがなにか?」

京太郎「で、一年の時に優勝できなかったら転校させられてたんだよな?」

和「……」

京太郎「それでこっちに一軒家を構えてるってのは」

和「借家です」

京太郎「えっ」

和「借家です。でないと話に筋が通りません。よって借家です」

京太郎「アッハイ」


咲「私んちは普通かなぁ。元々は四人で暮らしてたから結構広めに感じるけど」

優希「そのさらに前は二人暮らしだったわけだしね」

咲「お姉ちゃんが行ったら部屋ががらんとしちゃったよ……でもすぐに慣れると思う……だから……」

京太郎「ドラえもんかな?」

咲「私が一人前にならないと、お姉ちゃんが安心して横浜に行けないんだー!!」

優希「一人前になった結果がアレ(魔王)だよ!!!」

和「むしろ横浜に行った照さんの方が心配なんですが」

京太郎「行っちまったテルえもんだな」

優希「四次元ポケットにお菓子詰めこんでそう」

和「末原さんが側にいるとはいえ、きちんと生活できているのか不安になりますね……」

京太郎「……そういや、いつか他人事じゃなくなるかもしれないんだった」ズーン

咲「その時はお姉ちゃんをお願いね、京ちゃんっ」ニコ

京太郎「へいへい。そう言われると弱いな」クックッ


京太郎「で、俺と優希んちは特に説明することもない普通の家。以上」

咲「いやいやいや」

優希「待て待て待て。私んちに関しては確かにその通りだけど、待て」

京太郎「?」

和「カピバラ飼ってますよね?」

京太郎「うん、それが?」

咲「これはもう考察スレなりで散々語り尽くされてることなんだけどさ……」

優希「カピバラって金かかんだろ?」

京太郎「そうかぁ? ……いや、言われてみればそうかもな」

咲「京ちゃんち、カピちゃん専用プールがあるぐらいだもんね」


和「考察スレとやらがなにかはわかりませんが、維持費は相当な額に上るはずですよね」

和「須賀くんのお家はかなり裕福な部類なのでは?」

京太郎「いや、家屋そのものは咲んちと大差ないんだけどな……」

咲「確かに……」

優希「お前の父ちゃんなにやってる人なの?」

京太郎「んなこたぁ俺が聞きたい」

和「えっ」

京太郎「ま、動物が好きでそこに関しては金に糸目つけない人なんだろうな」

京太郎「俺にかけてる年間維持費よりも、カピにかけてるそれの方が多いんじゃね?」ケラケラ

咲「えー……」

優希「これ笑うとこ?」


京太郎「ペットの話は家族の話題出たらしようと思ってたんだけどな」

和「まあ、この話を掘り下げても得るものがなさそうですしね」

優希「じゃあ家族の話いくか!」

咲「家族といえば、和ちゃんちも結構複雑だよねー」

和「ええ。両親と私の三人家族。父は弁護士、母は検事を務めております」

京太郎「そういや検事は転勤あんだっけ」

優希「2年ごとにな。だから清澄に入る時、のどちゃんのお母さんは単身赴任しちゃったんだけど」

咲「えへへ。この春戻ってきたんだよね!」

和「ええ。大変珍しいことではありますが……」

和「たっての転属希望が受け入れられて、このたびもう一度長野勤務ということになりました」ニコ


京太郎「俺とタコスは今度こそ変わったことないよな? 俺がカピ飼ってるのは別として」

優希「ん。ウチの父ちゃんはしがないサラリーマンで、母ちゃんはどこにでもいる専業主婦」

優希「これがまた口うるさい母ちゃんでさー」

和「会ったことありますけど、まさに大きくなった優希って感じでしたね」

咲「簡単に想像がつくね」クス

京太郎「親父さん嫁と娘の尻に敷かれてそうだな……」

優希「お、よくわかったじゃん。父ちゃんは対照的に気弱でさー」ケラケラ

優希「ところで私一人っ子設定確定してるっけ?」

京太郎「俺はともかくお前にいたらほっとかれないだろ」

咲「メタ読みだねー」

和「だからそういうのやめてください」


京太郎「俺んちも父母子の三人、プラス一匹だな。あれ、一頭か?」

咲「カピちゃんかわいいよねー」

和「……ええ。かわいいですよね///」モジモジ

優希「いっぺんのどちゃんに抱かせてやれよ」

京太郎「俺を!?」ガタッ


ガシッボカッドカッ


京太郎「」チーン

和「カピちゃん、抱かせてもらえませんか……?」ウルウル

優希「さんざっぱら殴った後でこの上目遣いである」

咲「和ちゃんって女としても怖くなったよね」


京太郎「いっつう……別に抱かせてやってもいいけどさ」

和「本当ですかっ!?」キラキラ

咲(かわいい)

優希(かわいい)

京太郎「ハッキリ言って、抱き心地はよくないぞ」

和「えっ」

京太郎「カピバラの体毛は固いからな。山盛りのタワシを両手で掻き抱いたことあるか?」

咲「……そういえばそうだったね」

優希「夢も希望もねえや」

和「ふえ……カピちゃん……」グスッ

京太郎「えええええ!? ななな、泣くなよお前!」ワタワタ

優希「なーかした、なーかしたー」


和「……おっほん。お恥ずかしいところを///」

優希「あー珍しいもん見れた」ケラケラ

京太郎(マジビビった……)

咲「それじゃー最後は私だねっ」

優希「よっ待ってました!」

咲「宮永家は現在、私とお父さんとお母さんの三人暮らしとなっております」

和「どんな人です?」

咲「お父さんはちょっとぶっきらぼうだけど優しい人」

京太郎「男のツンデレとか誰得だろ……」

咲「そこ、怒るよ」

京太郎「ごめんな」

咲「ん、許す」


咲「お母さんは……怖いです」

優希「えっ」

和「そういえば昔、お年玉を麻雀で取り上げられたって」

咲「あ、うん。アレは基本お母さん主導。お父さんに誘われたこともあるにはあったけどね」

京太郎(よく考えなくてもこの一家麻雀モンスターばっかだよな)ヒソ

優希(まったくだじぇ)ヒソ

咲「お母さん普段は優しいんだけど、勝負事となると鬼だから」アハハ

京太郎「勝って怒られたってのは?」

咲「それは、まあ……うん」タラリ

京太郎「?」


咲「……」

優希「でもさー。子供のお年玉を取り上げるって、いくらなんでもやりすぎだと思うんだけど」

京太郎「確かにちょっとなぁ。それ聞いた時は俺も引いたわ」

和(私はどちらかというと、そんな経緯であんな打ち方を身に付けた咲にこそ引きましたが)

咲「あー……うん、そうね、ひどいよね」

京太郎「??」

和「煮え切りませんね……よし、ここは照さんに聞いてみましょう」

咲「え゛」

京太郎「あ、じゃあ俺が。名刺名刺っと」ピポパ


照『やっほー京ちゃん……そんな機嫌悪くしないでもいいじゃない』

照『え? なに? お年玉麻雀?』

照『うん、懐かしいね。負けたら「半分」取り上げられて、銀行の私たちの口座に預けられちゃうの』

照『全額自由に使いたかったら勝て、ってことだね。最終的には自分のお金ではあるんだけど』

照『負けて取り上げられる度、それをわかってない咲がぐずってたっけ』クス

照『やっぱり子供にとって目先のお年玉っていうのは死活問題だから』

照『勝ったら怒られた? そんなことあったかな……』

照『あっ。そういえば一度、お母さんがお酒入ってる時にグダグダで負けて』

照『「このやろーよくもやったなーがおー」とか、ふざけて騒いだことがあったような』

照『え? いやいや。だって。常識で考えてみてよ』

照『実の子供相手に勝ったらお年玉巻き上げて、負けたら逆ギレする親とか……ないでしょ?』


京太郎「……どうも、ありがとうございました」ピッ

和「……」

優希「……」

咲「……」ダラダラダラダラ

京太郎「斯くして少女は麻雀に絶望し、そして魔王が生まれた――か」

和「想像だにしないほど壮絶()な過去でしたね」

優希「コードギ○スかなにか?」

京太郎「我が名は――(プラマイ)ゼロッ!!」

和「しっかりしなさいサキーシュ! 今度こそ完璧に(プラマイ)ゼロをッ……演じきられても困りますね」

優希「というわけでこれ、今度の雑誌インタビューで喋っていい?」

咲「それだけはやめてーーー!!!」ウワーン


カン!

さて、いい具合に残りが少なくなってきましたね
ここで次スレを立ててしまいましょう、というか立てました

京太郎「原村部長は」優希「おっぱい大明神」和「しばきますよ」
京太郎「原村部長は」優希「おっぱい大明神」和「しばきますよ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410789094/)

このスレはもし埋まるようなら埋めてくださってかまいません
埋まらないなら埋まらないでなにか考えます

それでは皆様、ここまでご愛読ありがとうございました
新スレでも変わらぬご愛顧をいただければ幸いです

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