ほむら「伝説の魔法……騎士?」 (615)


マミ「大丈夫……未来の後輩にあんまりかっこ悪い所見せられないもんね」

マミ「おしかったわね。ティロ……フィナーレ!」

さやか「かっ勝ったの?」

まどか「すごい……」

マミ「……これがグリーフシード、魔女の卵の元」

さやか「卵……」

マミ「運が良ければ時々魔女が持ち歩いてる時があるの」

キュウべえ「大丈夫この状態なら安全だよ。むしろ役に立つ貴重なモノだ」

マミ「私のソウルジェム夕べより濁っているでしょ?でもグリーフシードを使えばほら」

さやか「わぁっきれいになった」

マミ「ね?これで消耗した私の魔翌力も元通り、前に話した魔女退治の見返りって言うのがこれ」

まどか「あっ投げ……」

マミ「まだ後一度ぐらいなら使えるはずよ。あなたにあげるわ」

さやか「あっあいつ……」

マミ「暁美ほむらさん?」

ほむら「……あなたの獲物よ。あなただけのモノにすれば良い」

マミ「そう……それがあなたの答えね」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400604619


さやか「あんたせっかくマm」

???「高いな!すごいな!社会見学でこんな所に連れて来てもらえるなんて嬉しいなっなっ!」

???「喜んでるわよこの子」

???「本気でね」

???「まぁ光は単純純真一直線が取り柄だから」

光「あっあの家赤ちゃんがいる!」 ノゾキ ハ ハンザイ デス

光「ああああああ!」

???「どうしたの光!」

光「……双眼鏡切れた……」

マミ「……魔女を倒した事で結界が晴れて人が集まってきたわね」

キュウべえ「魔女や魔法少女の事はあまり話さない方が良いだろう」

キュウべえ「一旦僕も離れる事にするよ。後で落ち合おう」

マミ「そうね……私達も早めにここから離れましょう」

ほむら「…………」

まどか「ぁ……」

マミ(何か言いたそうにしながら帰って行く……人が多いから魔法少女関連の話を振れなくて帰ったのかしら?)


さやか「なんだよ転校生の奴!!」

まどか「仲良くできなのかなぁ……」

マミ「相手がそう思ってなかったら……ね?」

まどか「あっほむらちゃんさっきの子達とは別の社会見学に来た人達の列に阻まれて止まっちゃった」

さやか「さっき騒いでた子もちっちゃいからかつかえてるね。あたふたしてテンパってるな」

マミ「あっ暁美さんとぶつかった……」

さやか「ちっちゃい子謝ってるね」

まどか「ほむらちゃんも気にしてないって言ってるみたい」

マミ「小学生かしらね……きゃあ!何!?窓ガラスの外が」

さやか「まぶしいっ!」



?????「助けて……」



まどか「え?」



?????「この『世界』を助けて……」



?????「伝説の魔法騎士たちよ」


.


まどか「あっ地面が……!」

さやか「マっマミさん!?」

マミ「落ちる――!だめ!間にあわn」

ほむら「まどかああああ!!!!」










一般客「何だったのかしら今の光……」





キュウべえ「!!マミやまどか達の魔翌力反応が……消えた!?」

続きはまた今度
2、3日に一度ぐらいの更新を目標に書いていきます




?????「助けて……」



?????「伝説の」



??????「魔法騎士たちよ……」



ほむら(……私……魔法少女だけど……)



?????「……え?」




光「ぷはっ……え゛」

まどか「地面の中を潜ると」

さやか「上空を落下中だった。山より高いや」

マミ「言ってる場合じゃないでしょ!?」

???「きゃああああ!!!!」

光「わああああああああ!!!!」

????「一体何が起こったんでしょう」

???「なんなよのこれー!!」

ほむら(何が起こってるの?こんなこと今まで一度も無かった)

????「『見滝原タワーの床が抜けたんでしょうか?』」

???「どうして私達7人分だけ抜けるのよ!!」

ほむら(新手の魔女の結界?……でもこれは……)

光「火山……?海……?空に浮かんだ山……?」

光「ここはどこだ!?」


マミ「一体これは……?」

ほむら「くっ……!!考えるのは後回しよ!!巴マミ!!」

ほむら「こっちの赤い制服の子は届くけどあっちの青と緑の子達は届かない!何とか確保して!!」

マミ「!!えっええっわかったわ!鹿目さんと美樹さんも私に捕まって!!」

まどか「はっはい!」

さやか「わっわかりました!!」

マミ「ハッ!!」

???「わぁっこっ今度は何!?」

????「リボンですね。体に幾重にも巻きつく程長いですけど」

光「え?ええ?」

ほむら「舌噛むわよ口閉じてなさい!!」

ほむら「巴マミ!私達も近くに!パラシュートが一つだけあるからそれを強化して!!」

ほむら「私は乱暴な方法だけど何とか落下速度を落としてみる!!」

マミ「くっ!!人使いの荒い!!任せたわよ!!……てっ!?」

まどか「わ!?」







       ボスン



???「何これ?」

さやか「何かつるつるしたモノの上に落下して助かったけど……ほんと何これ?」

????「大きな飛び魚の様ですね」

まどか「飛び魚って本当に空を飛ぶんだ……」

光「どうなってるんだ一体!?」

光「ここはどこなんだ!!」

ほむら(……こっちが聞きたいわよ)

マミ(ここは……いやでも……)

さやか「まどか、ここってやっぱりあれだよね……」

まどか「さっきマミさんが倒したはずなのに……」

さやか「新しいヤツが現れたのかな?」


~~??????~~

????「最後の力で伝説の『魔法騎士』を『異世界』から呼んだか……」

????「しかし『魔法騎士』があのような子供とは……」

????「果たして真の『魔法騎士』となって姫君を救えるかな」

????「……しかし伝説では『魔法騎士』は……?」








~~?????~~



?????「『魔法騎士』たち……」



?????「この世界を……助けて……」



?????「…………」



?????(……『魔法騎士』たち以外の人達は誰なんだろう……?)



???「きゃああああ」

飛び魚「ぺっ」

光「わあっ!」

まどか「きゃっ」

ほむら「!!」

マミ「ちょっ」

????「あらあら」

さやか「地面が近いからって人を投げ捨てんな飛び魚おおお!!!」




さやか「ぐえっ!!!」

???「こっ腰打った……顔もっ」

????「あらあら大丈夫ですの?女の子は腰を大切にしなければ」

???「あのね……」

マミ「美樹さん……大丈夫?」

さやか「……痛いです……なんで私とあの青い子以外無事着地できてるんですか……」

さやか「赤い子は10.0って言いたくなるほど足から見事に着地して緑の子はなぜかころんって転がって無事だし」

さやか「まどかに至っては転校生にお姫様だっこされてる……」

まどか「そっその……ほっほむらちゃん……ありがとう……」

マミ「まぁ暁美さんは魔法少女だし赤い子は運動とか得意そうだから……緑の子は謎だけど」

今日はここまで
続きはまた今度


???「しかし、ここは一体どこなの?」

????「『見滝原』でこんなにたくさんの木を拝見できるなんて素敵ですわ」

さやか「確かにたくさんではあるけど……まるでジャングルだよこれ」

まどか「えっと……あのねここは……」

光「……違う……ここは『見滝原』じゃない」

???「あら、じゃどこかしら」

さやか(え……知ってるの?もしかしてこの子も魔法少女?)

まどか(魔法少女が3人も……これなら安全……かな?)

マミ(…………)

ほむら(…………)

光「わからない」

さやか「違うんかい!!」

まどか「あっあのね……落ち着いて聞いてほしいんだけど……ここは魔女の結界の中で」

????「魔女?」

まどか「あっ、えぇと魔女って言うのはその……」

さやか「簡単に言うと悪い化物の事よ。そしてこっちの金髪ロールの人はその悪い化け物を倒す正義の魔法少女なの」

???「魔法……少女?……現実と空想は分けなさいよ」

????「あら、実際に先程とは違う場所に移されたのですからあながち空想とは言いきれませんわよ?」

???「だからって魔法少女よ魔法少女!そんな漫画やアニメじゃないんだから」

????「さっきの身体に巻きついたリボンも自由に動かしていたようですから否定できないと思いますわ」


ほむら「……ここは魔女の結界じゃないわ」

まどか「え?ほむらちゃん?」

さやか「転校生!?何言ってるのよ!!あんたも見たでしょ!!海に!空に浮かんだ山!遠くに火山も!!」

????「確かに見滝原には空に山は浮かんでいませんわね」

???「火山もないわよ」

????「あら近隣の山が爆発したのかも」

???「不吉なギャグはやめてよ!!」

マミ「……私もその意見に賛成よ」

さやか「マミさん!?近くの山が爆発したって言うんですか!?!」

マミ「そっちじゃなくて魔女の結界かどうかって話よ」

ほむら「あなたもやっぱりそう思うのね」

さやか「え?それって……どう言う事ですか?」

???「どう言う事かはこっちが聞きたいんだけど……」


飛び魚「にゅっ」

さやか「わあっ!」

???「ななななによぉ!この巨大な魚は!」

????「あらきっと魚じゃありませんわ」

????「だって魚には羽は生えていませんもの」

まどか「あっ本当に羽がある……」

???「それ以前にあんな大きな魚がいたら築地の魚市場に入らないでしょ!?」

さやか「あれを食べる気!?」

???「例えよ!!」

光「…………」

マミ「あっ近づいたら危ないわ!離れなさい!!」

ほむら(くっ!魔女ではないでしょうけどあんな大きな魚が暴れたら……)

飛び魚「びちびち♥」

光「だいじょうぶ!この子大人しいよ!」

まどか「……びちびちしてつぶらな目が可愛い」

???「この状況でその子が大人しくて何になるのよ」

????「あらちゃんと良い事がありますわ」

さやか「なに?」

????「私達が自己紹介する時間ができましたわ」

マミ「いえまぁ……確かに自己紹介は必要でしょうけど……」

????「ついでに魔女とか魔法少女の事とかも教えて下さいね」


????「私は鳳凰寺風」

風「一四歳中学二年生です。血液型はA型で射手座です」

???「何で自己紹介に血液型がついてくるのよ」

風「輸血する時に困りますでしょ」

さやか「輸血って……」

???「コホン……龍咲海」

海「同じく中学二年生で一四歳よ。魚座のA型」

マミ(全員二年生以下……年上は私だけかぁ……)

光「獅堂光!」

光「十四歳、中学二年生!」

海・風「「えええええ!?」」

光「?」

海「あなた私と同じ年なの!?」

風「見えませんわー―見えませんわー―!」

まどか(私よりもちっちゃい……よしっ!)


風「私『見滝原タワー』の上でお会いした時てっきり小学生かと……だってかわいいんですもの」

海「うん、どう見ても十一歳くらいだわ」

光「ムッ」

さやか「では次はこのさやk」

???「いつまでじゃれとるんだ」

ほむら「誰!?」

マミ「あそこよ!逆光で姿が見えにくいわ!!」

まどか「あっ飛び降りた!」

???「お前達がエメロード姫が『異世界』から召喚した『伝説の騎士』達か」

マミ(子供?……でも……)

ほむら(見た目は十歳ぐらい……何か……)

まどか(こんな所で会ったんだから普通の子じゃないよね……)

???「エメロード姫は何をお考えになって、こんな子供を……」

海「ちょっと、何が子供よ。そっちこそどう見たって十歳前後じゃない!」

さやか「そうだよ!子供は子供らしくもっと年上を敬いなさいよ」

???「何が子供だ」

まどか(あっ二人が持ってた杖で殴られた)

ほむら(結構良い音がしたわね)

???「私は745歳だ」

海&さやか「えええええ!?」

風「まあお若く見えますわね」

海「若づくりで許せる限度超えてるわよ」

さやか「あんなの詐欺レベルよ」

???「ほほう」

マミ(あっ少し怒ってる……気にしてるのかしら)

ほむら(中身と外見があってない……私も周りから見たらあんな感じなのかな……)

今日はここまで
続きはまた今度


???「せっかくこのフューラを招喚して助けてやったのに礼の人事も言えんのか、この娘どもは」

飛び魚「びちびちびち」

ほむら「…………」

光「助けた?ひょっとしてこの子貴方が?」

???「そうだ。これはフューラ、私の精獣だ」

マミ(精獣……招喚…………ゴクリ)

光「なら、わかるだろ?ここはどこなんだ?一体私達はどうしてここに……」

さやか「魔女の結界じゃないって本当なの?」

???「魔女の結界?何を言ってるんだ?ここは……」



???「ここは『セフィーロ』」

???「お前達は伝説の騎士『魔法騎士』となるべくエメロード姫に招喚されたのだ」



光「伝説の騎士!?」

マミ(何それカッコイイ!?)

海「『魔法騎士』ってなによそれ」

風「新しいゲームソフトの名前みたいですわね」

ほむら「…………」

まどか「『魔法騎士』って……魔法少女とどこが違うの?」

さやか「さっさあ、名前が違うだけだったりして」

マミ「それはやっぱり伝説の武器とか振るって魔王や邪神と戦ったりするんじゃないかしら♪」

さやか「何か生き生きしてますねマミさん……」

マミ「そりゃあやっぱり伝説に語り継がれてるとか憧れるじゃない?魔法少女とかしてたら余計にね」

ほむら(……あの魔女も語り継がれてるのよね……あまり良いイメージにならないわね)

???「盛り上がってる所悪いが……『魔法騎士』になれるのはそこの三人の娘だけだ」

マミ「…………え゛……?」

光「私と」

風「私と」

海「私?」

ほむら「……そう」

さやか(マミさん……固まっちゃったよ)

まどか(ほむらちゃんもどこか残念そうだよ)


海「何でも良いから早く『見滝原タワー』に帰してよ」

???「『セフィーロ』は今危機に瀕している。お前達は伝説に従って『魔法騎士』となり、この世界を…………って」

海・風「きゃあきゃあ」

フューラ「テレテレ」

???「こら!話を聞かんかお前達!!」

海「フューラちゃんって言うの?ねね、私達を『見滝原』まで連れてって」

風「早く帰らないと社会見学が終わってしまいますわ」

光「伝説の『魔法騎士』……」

さやか「もっ燃えている……」

まどか「いいなぁ……」

ほむら(魔法騎士……セフィーロ……ここは私達のいた世界とは違う世界?)

ほむら(でも、そんな事ありえるの?誰かがあいつに願った……それならそれは誰?)

ほむら(ここが作られた世界だとしたら、そんな途方もない願いなんて……まどかしか……)

ほむら(でも、まどかは魔法少女にはなってない。何が起きてるの?)


???「精獣戻界!」

さやか「うわっ!?あの大きい飛び魚がちみっ子の持ってる杖に吸い込まれた!?」

マミ「招喚していた招喚獣を返還したのね。他にも呼び出せたりできるのかしら?」

まどか「可愛かったのに……」



???「お前達は元の世界には戻れん」



光「なんだって……?」

まどか「え……なにを……?」

???「お前達は元の世界には戻れんと言ったのだ」

さやか「何言ってんのよあんた!?」

風「どう言う事ですの?」

???「異世界からこのセフィーロに招喚された者は、自らの意志ではもう元の世界には戻れん」

海「そんな……!」

マミ「そ……れは困るわ……帰れなかったら魔女の被害が……」

ほむら「…………」


海「じゃ一生この世界にいなきゃならないの!?飛び魚ちゃんと、この若づくりのおじいちゃんと」

海「このハーゲンダッツもデニーズもモスバーガさえないこの世界で!?」

さやか「何か違くない!?」

???「なんだそれは?」


光「もう……戻れない……」


ほむら(……なんて事……このままではワルプルギスに何もかも……)

ほむら(いえ……ここはキュウべえもいない)

ほむら(と言う事は、まどかが魔法少女にはなれない?)

ほむら(魔法騎士と言うのがどんなモノなのかは分からないけれど、まどかがなる訳では無い様だし)

ほむら(ワルプルギスを放っていた場合の被害を考えなければ……)

ほむら(……ここには魔女もいないでしょうから私も巴マミもやがて……)

ほむら(それでもまどかが無事なら私は……)

今日はここまで
続きはまた今度


風「困りましたわ。私先生に提出するレポート作成が残ってますのに」

海「もう戻れないなら、レポートの心配なんてしなくていいんじゃないの?」

風「でも、共同作成のモノですから私の分担が仕上がらないと班の皆さんに御迷惑がかかってしまいますわ」

さやか「なんかずれてない?もっと気にする事あるでしょ!?」

海「私だってフェンシング部の試合明後日だったのよ。代表選手だったのに」

風「フェンシングをなさるんですの?素敵ですわねー」

海「あら、よかったら見に来てよ。御招待するわ」

さやか「いや、だから……その……」

風「よろしいんですの?」

海「ええ、明後日の午後三時国技館で……」

???「だから戻れんと言っとるだろうが!!」

さやか(もっと言ってやって!)

海「あ☆そうだった」


光「もう絶対に戻れないのか」

まどか「そんなの……嫌だよ……」

???「…………」

光「母様や兄様達や閃光にも、もう会えないのか……」

まどか「ママ……パパ……タツヤ……皆にもう……」

ほむら(…………まどか)



???「戻る方法が無い訳では無い」



風「どうすれば戻れるんですの!?」

海「ちょっと、嘘教えるとためにならないわよ!!!」

さやか「騙してたのね!」

マミ「どう言うつもり!?」

海「いくら年長者だからって身長はこっちの方が高いんですからね!」

???「こら!威嚇するな!!身長でっ」


光「教えてほしい、どうすれば『見滝原』に戻れるんだ」

まどか「お願い、教えて」



???「この『セフィーロ』を救ってほしい」



~~?????~~


?????「ザガート様、水鏡の様子はいかがでした?」

ザガート「『伝説の騎士』が『異世界』より招喚された」

?????&?????&?????&????「「「「!!」」」」

?????「それはそれは……」

?????「さすがは『セフィーロ』の『平和』と『秩序』を支えるエメロード姫」

?????「囚われの身となってもそれだけの力を使えるとは……」

?????「『伝説』と同じように『三人』?」

ザガート「……七人」

?????「へ?」

ザガート「異世界より招喚されたのは七人だ……」

?????「……何で?」

ザガート「分からん、だが招喚された異世界の者達はまだ子供だ。魔神が蘇る事は無い」

ザガート「しかし今、導師クレフの元にいる」

?????「あの目障りな魔導師の元か」

?????「それは面倒ね」

ザガート「アルシオーネ」

?????「はっ!」

ザガート「邪魔な芽は早めに摘むがよかろう」

アルシオーネ「仰せのままに」


光「そう言えば聞こえた……『見滝原タワー』の空が光った時……」

まどか「うっうん私も聞いた気がする」

風「私も聞きましたわ。確か……『この世界を助けて』」

海「『伝説の……』」

光「『魔法騎士たちよ』!」

ほむら(魔法少女よって答えたら驚いてたわね。混乱させたかしら?)

???「このセフィーロの柱であるエメロード姫が捕らわれの身となられた日から」

???「この世界の平和と秩序は失われてしまった」

ほむら(ん?なにか彼の後ろで動いた様な……)

???「皆がそれぞれ幸せに生き人や精霊、精獣達が仲良く暮らしたセフィーロは」

マミ(精霊や精獣……良いわねぇ……ハフゥ……)

???「エメロード姫を失ってから闘争と混乱であふれた悪夢の世界と化したのだ」

光「あぶない!!」

さやか「後ろ!!でっかい蜘蛛みたいなのが!!」


大蜘蛛型怪物「ゴアアアアッ!!!!!」

まどか「魔女!?」

マミ「しまっ……間に合わなっ」

ほむら(くっ!時間を……)


???「稲妻将来!」


大蜘蛛型怪物「グアアアアアッ!!!!」


光「すごい……」

海「光があの変なモノを引き裂いたわ」

さやか「マミさんより派手かも」

マミ「むっ」

ほむら「そんな所で張り合わないで」

???「あのような魔物はこのセフィーロにはいなかった」

???「この場は『精霊の森』聖なる場の一つであるこの森にも、魔物が闊歩するようになっているとは……」

???「やはり急がねばならんようだ……」

今日はここまで
続きはまた今度


光「どうしてそのお姫様がいなくなるとセフィーロは平和じゃなくなるんだ?」

マミ「確かにその因果関係がわからないわね」

???「先程も言ったようにエメロード姫はこの世界の『柱』なのだ」

光「『柱』……?」

???「エメロード姫はその祈りでこのセフィーロの平和と秩序を支えておられた」

海「祈りで?」

ほむら「そんな事可能なの?」



???「この『セフィーロ』では、何よりも『意志』が勝るのだ」

???「『信じる心』こそがこの『セフィーロ』での『力』となる」



まどか「何よりも意志が……」

光「信じる心……」

???「エメロード姫は、その平和と秩序を信じる心でセフィーロを恐怖と争いの無い平和な世界に導いて下さっていた」

???「しかし……」

海「……誰かに捕らわれてしまった……」

ほむら(つまりそのお姫様を助け出さないと、この世界はさっきみたいな魔物が闊歩する様な危険な世界になると言う事……)

ほむら(そんな世界にまどかを……あと美樹さやかを残す訳にはいかない……か)

光「誰なんだ!?そのお姫様をさらったのは!?」



???「神官・ザガート」



光「ザガート?」

???「ザガートは姫をさらい『どこか』に込じこめたのだ」

ほむら「場所はわからないの?貴方でも?」

???「ザガートは姫様に次ぐ力の持ち主」

???「それに……」

光「それに?」

???「いや、何でもない」

風「じゃさっきの元の世界に戻れる方法ってもしかして……」

マミ「そう言う事……よね」

???「さっきも言ったが、この世界では何よりも意志の力が強い」

???「姫の『願い』がお前たちをこの世界に呼んだ」

???「エメロード姫の願いどおり『伝説の魔法騎士』となって、この『セフィーロ』を救う事が出来れば姫の『願い』はかなえられ浄化される」

???「お前達は元の世界に戻れるだろう」

海「……なんだか信じられないわ」

風「完璧にRPGですわね」

さやか「魔法少女とかいるんだから、こんな事があってもおかしくない……のかな?」

マミ「それはちょっと一緒にされたくは……」

光「お姫様を救う『伝説の魔法騎士』になって……」

ほむら「……随分と勝手な事ね」

まどか「ほむらちゃん?」


ほむら「だってそうでしょ?違う世界に勝手に呼び出して帰りたかったら戦ってお姫様を救えって」

ほむら「戦いも知らないで平和に暮らしてた子に生死のかかった戦いを強要するなんて許されていい事じゃないわ」

さやか「ちょっ転校生あんた!」

???「いや……わかっている。自分達がどんなひどい事をしているか……しかし私達には他に方法はないのだ」

風「……どうして『私達』なんですの?」

海「そういえばそうね・どうしてこの『セフィーロ』の人じゃなく私たちなの?」

光「そうだ!このセフィーロの人達はどうしたんだ!?」

光「そんな大切なお姫様がさらわれてどうして黙ってるんだ!」

海「誰も助けにいかなかったの!?」

マミ「魔法とか招喚術使える人いるんでしょ?」

???「色んな魔道師、戦士、騎士達が姫を助けるためザガート達と戦った。しかし勝てなかったのだ」

海「そっそんなに強いの……」

???「もちろん今も戦っている。だが……」

???「この『セフィーロ』の者は勝てない……」

さやか「なんで?」

???「…………」

光「……どうしたんだ?」

???「何より『伝説の魔法騎士』になれるのは『異世界』の者だけだ」

風「どうしてですの?」

???「『伝説の魔法騎士』となるためには『魔神』を蘇らせなければならない」

光「『魔神』?」

マミ(これはまたワクワクするワードね)


???「その前に、その装備をなんとかせねばな」

光「装備?」

まどか「服装の事?」

???「ふむ」

光「?」

さやか「すっスカートをめくって鷲掴みに……!」

海「なんて事すんのよ!!変態!」

???「誰が変態だ!!」

ほむら「そこの変態、いいからその手を放して私達から三メート以上離れなさい」

マミ「放すのを拒否する様ならこっちにも考えがあるわ」

風「よしよし怖かったですわね」

まどか「もう大丈夫だからね」

光「何騒いでるんだ?」

海「お返しにめくってやる!」

さやか「手伝うよ!」

???「装備を確かめただけだ!そんな薄布でこれからの戦いに備えられるか!」

光「薄布?」

まどか「う……ん、制服だし装備って言うには……」


???「ていっ!!」

さやか「ああっ!?杖から出た光があの三人に纏わりついて……」

光「わあああああ」

マミ「胴と片方の肩を守る鎧と手甲とブーツになったわね」

海「なにこれ」

風「ますますRPGですわねぇ」

ほむら「……私達には何も無いのかしら?」

???「う……伝説では魔法騎士は三人だったから専用のやつしか準備しとらんかったのだ」

???「何とか用意できなくもないが……後二人分ぐらいしか……」

ほむら「そう。なら、そっちの二人に用意してあげて」

マミ「そうね……少し欲しいけど鹿目さん達の安全が大事だわ」

???「……いいのか?今のセフィーロはお前達が考えているより危険な世界だぞ」

ほむら「そんな危険な世界に一般人を招きこんどきながら今更何を言ってるの」

ほむら「それに、私達は魔法少女よ。危険な事には慣れているわ」

???「……魔法少女とは一体何だ?そんなもの私は聞いた事も無いぞ。そちらの世界の戦士の名か?」

海「魔法を使える女の子の事だけど……空想の産物ね」

風「空想の産物だった……が正しいと思いますわ。実際に不思議なリボン操ってましたし、こうして目の前にいますのですし」

???「お前達もよく知らないのか?」

光「うん。本当に魔法少女が存在してるなんて知らなかった」

今日はここまで
一~二週間ぐらい少し遠くに行かなくてはならなくなったので暫く書き込めません
続きはまた帰って来てから


マミ「そうね……これから一緒に戦う事になるのだろうし教えるわ、魔法少女と……魔女の事を」

???「魔女?女の魔導師の事か?」

マミ「違うわ。魔女は絶望を振りまく存在、私達魔法少女の倒すべき敵の事」

さやか「見た目も化け物みたいで、何かこう色々グロいの」

マミ「ヤツ等は心が弱っている人や何かに悩んでいる人を好んで餌食にするわ」

まどか「集団自殺とか原因が不明瞭な事件も大体魔女が関わってるらしいの」

ほむら「……まぁ間違ってはいないわ」

さやか「なによ?何か間違ってる?」

ほむら「……いえ……訂正するほど間違ってはいないわ」

???「……ふむ?」

マミ「説明を続けるわね。私達魔法少女はキュウべえ……えっと……」

ほむら「よく架空の魔法少女物にいる精霊とか魔法生物とか契約の獣とかその類のヤツよ」

???「フューラみたいな招喚獣の様なモノか」

ほむら「逆ね、キュウべえと契約して私達は魔法少女になったの」

マミ「その際に一つだけ何でも願い事叶えてもらえるの」

海「えっ?何それお得!」

風「魔法騎士の方にはそのような特典はないのですか?」

???「……あ~~……ないな」

光「そっそう……」


マミ「キュウべえと契約して魔法少女になったら魔女と戦う義務が生じるの」

マミ「魔法を使うとソウルジェムが濁って……まぁ魔力を消費すると考えてちょうだい」

マミ「消費した魔力は魔女が偶に落とす魔女の卵グリーフシードと呼ばれる物を使うしか回復させる方法が無いの」

マミ「キュウべえと契約して魔法少女になって魔法を使って魔女と戦い魔女が落としたグリーフシードを使って魔力を回復させる」

マミ「これが私達魔法少女よ」

???「ふむ……魔女と言うのがどの様なものかは分からないが戦う術は持っていると言う事か」

風「グリーフシードと言う魔力回復の道具は偶にしか手に入らないのでしたら取り合いにはならないのですか?」

海「あっそうか。魔法使って戦うのに魔力回復するのに数に限りがあるのなら幾ら持っているかによって生死の度合いが変わるわね」

マミ「……なるわね。だから魔法少女は普段自分の縄張りから出たりしないのだけど」

マミ「それに……魔女には使い魔って言う手下がいるんだけど……使い魔が人を襲ったら成長して魔女になる場合があるの」

マミ「グリーフシードを孕む場合もあるから……わざと犠牲を出して魔女を養殖する魔法少女もいるわ……」

光「そんな!!」

さやか「マミさんはそんな事しないよ!……どこぞの転校生と違ってね」

ほむら「……………………」

海「?それってどう言う……」

さやか「そのままの意味よ!そこの転校生は非道な魔法少女だって事!」


風「転校生とは……変わったお名前ですね」

???「そうなのか?妙な名だとは思ったが、そちらの世界では普通の名前なのかと思ってたぞ」

さやか「んな訳あるかぁあ!!!」

マミ「そう言えば私達自身の自己紹介はまだだったわね」

海「若爺さんに遮られたっけ」

???「…………」

マミ「それじゃあ私からするわね。魔法少女の巴マミよ、こちらの三人とは同じ中学校に通っているわ……中学三年生よ」

風「まぁ、先輩でしたのですね」

海(……あの胸見て同い年じゃないとは思ってたけど一つしか違わないのね……)

マミ「一人だけ年上だけど気にしないでよろしくね」

さやか「そんじゃ次は私が。マミさんの後輩で魔法少女候補やっている美樹さやか、中学二年生」

???「候補と言う事は魔法少女とやらではないのか」

さやか「う゛っ……まだ願い事が決まらなくて……こんな事に巻き込まれるんだったら早めに契約しとけば良かった……」

???「……すまん」

まどか「あっえっと……鹿目まどか、中学二年生です。私もさやかちゃんと同じ魔法少女候補やってます」

まどか「私もその……まだ願い事が決まってなくてまだ契約してないんです」

???「ふむ……だからこっちの二人に鎧を……と言う事か」

海(この子も同い年だったの……年下だと思ってた)

風(あちらの方と同じ制服着ているので中学生とは思ってましたけど……一年生かと……)


ほむら「暁美ほむら、中学二年生で魔法少女よ」

光「……さっき言ってた事は本当なのか?」

ほむら「……私が言う事は無いわ」

まどか「ほむらちゃん……」

さやか「ほらね、こいつはk」

光「答えてくれ!」

さやか「え?」

光「本当にそんな酷い事する人なのか、ちゃんと本人の口から聞きたいんだ」

まどか「……ほむらちゃんの口から……」

さやか「そんなの聞かなくても……」

風「あら、ちゃんと本人が認めてるかどうかは大事ですわ」

さやか「それは……そうかもだけど……でもだからって!」

海「聞くぐらい別にいいじゃない。本当だったらその時はその時よ」

さやか「うぅ……マミさぁ~~ん~~……」

マミ「うっ……まぁこれから一緒に旅をするんだし……あまりギクシャクするのも……ね」

さやか「まどかぁ~~っ」

まどか「その……私も……聞きたいなぁ~……って……」

さやか「味方いねぇ~~~~!!!」

???(……私には聞かないんだな)


光「それでどうなんだ?」

ほむら「……………………」

まどか「教えて、ほむらちゃん」

ほむら「……自分から進んでやるつもりはないわ」

ほむら「よっぽど追い詰められた場合は別としてね……」

光「今までした事あるのか……?」

ほむら「……無いわ」

光「そうか!」

まどか「良かった……」

マミ「……………………」

さやか「ふんっ信じられないね」

風「あら、何故ですの?」

さやか「そんなの本当の事言ってるとは限らないし、今までの転校生の態度見てたら分かるわよ!」

まどか「そんな、さやかちゃん……」

ほむら「信じてもらわなくて結構よ」

ほむら「誰も私の話を信じられないし、私も……信じないから」

さやか「なっ!この……!!」

海「はいはい喧嘩しないの。どうせこれから一緒に旅する事になるんだし、その内本当の事かどうか分かる様になるわよ」

風「そうですわね。知りあって間もないですし、色々無条件に信じろと言う方が無理がありますしね」

マミ「……そうね。これからの旅で一緒に過ごしてあなたの事信用できるか見極めさせてもらう事にするわ」

ほむら「……好きになさい」

???「よし。それでは、まどかとさやかに装備を渡すぞ……ていっ」

まどか「わっ」

さやか「ちょっ!そんないきなり」

マミ「いいなぁ~二人共」

ほむら「……これは……彼女たちと同じブーツと手袋と鎧だけど」

海「見た目、私達のより立派ね……」

風「余り物の装備が伝説の魔法騎士の専用の鎧などより良い物と言うのはどう言う事なのでしょう」

光「もしかして魔法騎士の装備って大したことないのか?」

???「そんな訳あるか!!魔法騎士の装備はこんな鎧なんかと比べ物にならんぐらい良いモノだぞ!!」

???「ったく、そんな事よりもお前達は『魔法』は使えるか?」

光「『魔法』?」

海「使える訳ないでしょ、そんなもん使えたら今頃見滝原に帰ってるわよ」

風「私も生まれて14年使った事はありませんわ」

???「『魔法』も使えんとは……」

海「ほとんどの一般女子中学生はそんなもの使用できないわよ!」

マミ「……一般……そんなもの……」

ほむら「……魔法が使えても帰れなくて悪かったわね……」

今日はここまで
続きはまた今度
色々……長かったよ……

相性が悪いのは公式の発言
ただし勝負は時の運とも言ってる

まどポでは魔女は強さが時期などで違うこともある

おりマギでは「油断してたら死んでた」とは言うが勝った

強さが変わる設定がTV版やおりマギに有効なのかは不明
TV版で油断してなかった場合にどの程度の勝ち目があるのかも不明
ただし「時の運」という以上勝ち目はあるものと思われる


???「仕方がない、お前達に魔法を一つずつ授けよう。まずは魔法騎士の三人から……」

マミ「え?そんな事が可能なの?」

さやか「おお~~異世界で魔法少女デビューになっちゃいますね」

???(……喧しい)





???「魔法伝承!」

光「――――――――」

海「――――――――」

風「――――――――」

ほむら「!?あの子達に杖から出た光が変化して……これは一体化してるの?」

光「――――――――」

まどか「炎と……」

海「――――――――」

さやか「水に……」

風「――――――――」

マミ「風が……」





???「……選ばれたようだな(ちょっとびっくり)」

さやか「ってうぉいっ!!駄目な場合もあるのかよ!!」


???「『魔法』は使う者を『選ぶ』」

???「『魔法』はこの『セフィーロ』でも特に『心』で使うものだ」

???「意志の力が魔法の成功不成功強弱の全てを決定する」

???「今お前たちの身に付いた『魔法』はお前たちを『選んだ』のだ」

ほむら「『魔法』が選ぶ……そんな事が……」

光「『魔法』……」

まどか「身体が光って……」

???「その光……やはり『魔法騎士』となるべく招喚された者か……」

海「さー好きかってぜっちょーにつかうわよっ!私、一度魔法使いになってみたかったの!ではさっそく……」

さやか「あっいいなー……ってごばぁ!?」

まどか「二人がまた杖で叩かれた……」

???「おろか者、必要のない時に魔法を使うなどもってのほかだ」

マミ「そうよ、魔法は遊び為のモノじゃないの」

海「う゛ー」

さやか「はっはいーーっ」

???「そんな事をしてみろその魔法がそのままお前の身に帰ってくるぞ」

ほむら「……ずいぶん私達の使う魔法とは違うみたいね」

マミ「そうね……」

マミ(『魔法に選ばれる』…………次は私達の番よね♪)


風「『魔法』の使用方法を教えていただけますか」

風「せっかく頂けたんですもの正しい使用方法で使わせて頂かなくては……」

風「どんな薬も使用方法を良く読んでからにしませんと、間違いがあっては困りますし」

海「ちょっと『魔法』は風邪薬じゃないのよ」

まどか(風邪薬……!)

さやか「落ち着け保険係」

???「そなた名前は」

光「獅堂 光」

???「シドウ・ヒカル?」

光「皆はヒカルって呼ぶけど」

???「ではヒカル」

海「私は龍崎海よ!」

風「私は鳳凰寺風ですわ」

さやか「私は美樹さやかよ!」

???「わかった!わかったから身長で圧倒するな!それと最後お前はさっき聞いた!」


???「コホン……」

光「―――――‐」

ほむら「あの子の頭に指を……?」

海「一体何するつもりかしら」

風「身長の小さい方どうし気が合うんじゃないでしょうか」

海「あら身長小さくてもあの人おじさんよ」

マミ「これもロリコンって言うのかしら?」

さやか「まどかも目を付けられてるかも知れないから気をつけなよ」

まどか「う……うん」

ほむら(いざとなったら……)

光「??」

???「ちょっと静かにしていろ!」

海「やーーね」

風「ねーー」




???「分かるかお前の中に『力』がある事が……今までとは違う『力』がある事が……」

光「わかる……」

光「なんだか胸の奥が熱い……何か『言葉』が浮かんできて……」

???「そうだそれがお前の『魔法』だ」

マミ(これが終われば魔法授けてくれるのよね♪)

ほむら(早く番がこないかしら……)


さやか「まどか、何かあの二人ソワソワしてない?」

まどか「うっうん……二人共魔法使える筈なのに新しい魔法欲しいのかな?」

海「贅沢ね~」

マミ「う゛っ……いいじゃない別に、こんな世界に来たんだものこの世界の魔法に興味ぐらいあるわよ。ねえ!」

ほむら「いえ、この世界じゃグリーフシードが手に入りそうにないから魔法少女の魔法以外の攻撃方法が欲しいのよ」

ほむら「これからどれだけ戦う事になるか分からないもの節約するに越した事は無いわ」

ほむら「もっとも魔法を使うための魔力が同一のものだった場合意味がないけど試す価値はあるはずよ」

マミ「……………………うん」

まどか「ほむらちゃんそんな事考えてたんだ……」

さやか「あ~~……うん……」

海「へぇ~~やっぱりプロは違うわね」

風「こころなしかワクワクしてる様に見えましたのに、流石常日頃から戦ってる方ですわね」

マミ「……そう言えば私グリーフシードのストック使いかけの一つしかないわ……暁美さんは?」

ほむら「私もそんなに多くは……三つだけね」

マミ「これは是が非でもこの世界の魔法を手に入れる必要があるわね」

ほむら(それにこの世界の魔法を手に入れればあいつとの戦いにも……その後も……)

ほむら(…………それに異世界の『魔法』って……何か格好いい……)



さやか「ん?何か森が騒がしくない?」

???「!」

まどか「本当だ、鳥がたくさん飛び立って行くよ」

マミ「あら、小さい梟みたいな鳥があの人に向かって飛んで行くわ」

ほむら「なにか耳打ちしてるみたいだけど、喋れるのかしらあれ?」

???「なんだと?ザガートの手の者が!?」

光海風まどかさやか「「「「「ザガート!?」」」」」

ほむら(このパターンは……)

マミ(魔法教えてもらう暇は無さそうね)

今日はここまで
続きはまた今度


海「ザガートって!」

光「さっき言ってたエメロード姫をさらったって言う……?」

風「と言う事は完全に悪者さんですわね」

さやか「どどどどどどうするのよ!?私達まだ『魔法』の使い方どころか貰ってないよ!?」

まどか「さやかちゃん落ち着いてよぉ!」

海「早く私にも『魔法』教えて!」

さやか「あっ私達にも早く『魔法』ちょうだい!!」



???「――――――――もう間に合わん」




海風さやかまどか「「「「えええええ!?」」」」

光「――――!」

ほむら「巴マミ」

マミ「ええ、暁美さんは皆のガードを……」





???「精獣招喚!!」



さやか「わっ!とっ鳥馬みたいなのが出てきた?」

マミ「グリフィンまたはグリフォンね、あと馬じゃなくて下半身は獅子よ。下半身が馬なのはヒッポグリフだもの」

風「あら今度は飛び魚ちゃんじゃありませんのね」

???「フューラではすぐ追いつかれてしまう、早く乗れ!!」

ほむら「まぁ逃げれるのなら無理に戦わなくても良いわね、乗りましょう」

まどか「うっうん……羽毛?が気持ち良い……」

さやか「ううっ毛の長い大きな動物に乗るのは夢だったけど、なんか違う……」

マミ「!待ってまだあの魔……魔法使いの人が!?」

光「貴方はどうするんだ!?」

???「ここに残る」

光「そんな!?」

ほむら「一人だけ残るなんて無茶よ!」

???「いいから行け!!」

さやか「うわっあっちの森が爆発したよ!?!何かやばいよ!」

まどか「あっまだあの人が残ってるのに飛び始めっ――」

光「まだ名前を聞いていない!!」

???「?」

ほむら「きょとんとしないで、貴方しかいないでしょ!」


???「クレフだ。導師クレフ」

クレフ「お前達を導き『魔法騎士』となるべく見守るのがエメロード姫との約束」

光「クレフ!!私も一緒に戦う!」

海「あぶない!」

まどか「落ちるっ落ちるっ!もう結構高く飛んでるから危ないよ!」

ほむら「今のあなたじゃ無理よ……私が行くわ。後でどうにか合流を……」

クレフ「心配ない。いいから行け」

マミ「あなた……!」

クレフ「魔法騎士達を頼む」

ほむら「――――っ」

光「クレフ!!」

クレフ「西へ行け!!西の『沈黙の森』にプレセアがいる!」

クレフ「そこで武器とモコナを……!!……っ……ぅ……ッ……!」

さやか「何!?遠くて聞こえないよ!」

光「クレフ!!」

まどか「クレフさん!!」

マミ「駄目もう声も届かない……!」


??????「お久しぶりですわ。導師クレフ」

クレフ「ザガートに与するとは、我が教え子ながらあきれた奴だな」

クレフ「アルシオーネ」

アルシオーネ「導師には感謝していますわ。さまざまな素晴らしい魔法を授けてくださいましたもの」

アルシオーネ「こんなふうに……」


アルシオーネ「 氷 尖 撃 射 !」


クレフ(アルシオーネ得意の尖った氷を撃ち放つ魔法か。だが、この程度!)


クレフ「 殻 円 防 除 !!」


アルシオーネ(円形の結界で阻まれ……やはり魔法で戦うより……)

アルシオーネ「流石は我が師、セフィーロ最高位の魔導師」

クレフ「私がお前に魔法を教えたのはエメロード姫付きの魔導師として姫をお守りするためだ」

クレフ「この『セフィーロ』を脅かすための魔法など教えた覚えはないがな」

アルシオーネ「ほほほ相変わらず手厳しい事、でもお話している間はないのです導師クレフ」

アルシオーネ「そこをおどきなさい、でないと……」

クレフ「でないと……?」


アルシオーネ「 精 獣 招 喚 !!」


精獣「グルル……」

クレフ(双頭一身の犬!?)

アルシオーネ「ほほほ、まともに戦って私が貴方に勝てるはずもありませんわ」

アルシオーネ「私の目的はあの何故か七人いる『魔法騎士』の卵たちの抹殺です」

アルシオーネ「しばらくこの子のお相手をお願いしますわ。その間にあの子たちには……」

アルシオーネ「死んでいただきます」

クレフ「待て!アルシオーネ!」

精獣「ガウウウ!!!」

アルシオーネ「ではまた、導師クレフ」

クレフ(逃したか……)

クレフ(『異世界』より招喚された『魔法騎士』たち……)

クレフ(もしアルシオーネに破れるなら……『魔神』を蘇らせ『魔法騎士』になる事など不可能だ)

クレフ(『魔法騎士』の真の敵はアルシオーネなど問題にならぬほど強い)

クレフ(異世界の子供たちよ数々の苦難を乗り越えこの『セフィーロ』を救ってくれ)

アルシオーネ「……ァァァァぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁァァァァ……」

クレフ(…………今教え子が落ちて行ったような…………?)


~~少し前~~

光「クレフ……」

風「クレフさん大丈夫でしょうか」

海「だっ大丈夫よ。ほら見たでしょ」

さやか「でっかい蜘蛛見たいなの簡単に倒してたよね」

海「あんなに強いんだもん!きっとすぐやっつけちゃうわよ」

まどか「ほむらちゃんうつ伏せになって何を……きゃっ!?なにっ爆発!!?」

光「光が!!」

風「何の音でしょう」

海「きっとあいつがザガートの手先をやっつけた音よ」

さやか「そうそう、こんなに急いで逃げだす必要無かったよね」

風「でしたらあの方はどなたでしょう」

まどか「空飛ぶ馬に乗った女の人が向かってくるよ」

海「ひょっひょっとしてあれは……」

さやか「まっまさかあいつ負kってわゃああ!?」

マミ「今よ!」

ほむら「――――っ!」

海「何!?銃!?発砲音うるさっ!!?」



アルシオーネ「ああああぁぁぁぁぁァァァァ…………」



風「その長い銃みたいなのから放たれた弾が当たったみたいですね。落ちていきますわ」

ほむら「額に付けてた宝石に当たったみたいね。仕留めそこなったわ」

さやか「あんた……」

光「今の……何?」

ほむら「ライフル銃だけど?」

海「そう言う事聞いてるんじゃないわよおぉ!!!」

海「何でここで銃が出てくるのよ!?ファンタジーな世界でしょ!?第一何所に持ってたのよ!!?」

ほむら「これが私の戦い方よ。ファンタジーな世界だからってそれに合わせる必要はないでしょ?」

さやか「何所の世界に火薬臭い銃で戦う魔法少女がいるってぇのよ!!!魔法使いなさいよ!!」

マミ(私もマスケット銃が武器なんだけど……)

ほむら「銃以外の武器は爆弾ぐらいしかないわよ」

風「まあ、その左腕の盾収納機能が付いてるんですね。拳銃やライフル銃や爆弾や手榴弾がいっぱい出てきましたわ」

海「何が『魔法』少女かああぁぁぁ!!!!」

ほむら「私だって、さっきのクレフって人が使ってた様な魔法が欲しかったわよ!」

今日はここまで
続きはまた今度

時間停止自体も悪役の能力だし

>>107
承太郎「……」
ダンテ+時の腕輪「……」
仮面ライダーブレイド「……」


海「ってあいつはどうしたのよ!!まさか負けちゃったんじゃ……」

まどか「そんな……」

光「戻ろう!クレフの所へ!」

海「ちょっちょっと……!!」

光「行けば助けられるかもしれない!そのまま見捨てるなんて絶対嫌だ!!戻ろう!」

まどか「うっうん、行こう!」

風「戻ってはいけませんわ」

まどか「えっ?」

風「魔法使いさんおっしゃってましたでしょう?「この『セフィーロ』を救って欲しい」って」

風「魔法使いさんは私達があそこにとどまって手助けするより」

風「この『セフィーロ』を救うために先に進んで欲しいから鳥に乗せてくださったんです」

風「だからあの魔法使いさんの事を思うのなら絶対に戻ってはいけませんわ」

光「…………」

まどか「そんな……」

ほむら「そうね。さっきのヤツ以外に追手がいないとは限らないし先に進む方が良いでしょうね」

さやか「……冷たいんだね」

海「武器も何も無いのに戦えって言ったやつよ!今度会ったらあいつ絶対苛めてやる!」

海「あんな小憎たらしいやつがそう簡単にいなくなる訳ないわよ」

海「だいじょうぶ絶対に生きてるって」

光「――――うん!」

マミ(あら、やわらかい笑顔……何かこの子、子猫っぽいわね)


ほむら「!あぶないっ!!」

?????「 氷 尖 撃 射 !」

ほむら「っ!!」

さやか「わあっ!なに!?氷の塊が飛んできた!?」

海「あの子の盾からバリアみたいなの出て防いでくれたけど吹っ飛んだわ!このままじゃ落ちるわよ!!」

まどか「ほむらちゃん!!」

マミ「くっ暁美さん!!」

風「腕からリボンが伸びて……捕まえましたわ」

光「一体何が……」

アルシオーネ「初めまして異世界から来た『魔法騎士』の卵さんたち」

さやか「げっ!あんたは死んだはずの!?」

アルシオーネ「死んでないわよ!!油断したわ、流石は『魔法騎士』と言ったところね」

風(いえさっきのは魔法少jy……現代火器の力ですし……)

アルシオーネ「でも手ごわそうなのはそちらの二人だけ……他は本当に子供ですのね」

アルシオーネ「一人は落ちかけて宙吊り、もう一人はそれを両手で支えている……それじゃあ戦えないわよね?」

海「げっそう言えば……」

マミ(別に両手ふさがってても、私魔法使って銃撃てるんだけど……わざわざ教える事はないわね)


マミ(この距離でやり合えば皆が危ないわね……油断してるみたいだし魔法を放とうとする隙をついて反撃しましょう)

ほむら(宙吊りでも銃は撃てるわね……隙ができたら撃ちこみましょう)

さやか「ちょっちょっと、あんた達どうにかしてよ!伝説の魔法騎士なんでしょう!?」

海「無理言わないでよ!こちとらさっきまで一般の女子中学生だったのよ!」

海「あんた達も魔法少女候補なんでしょ!どうにかしてよ!!」

さやか「契約もしてないのにどうにかできる訳ないでしょう!!」

風「あらあら」

まどか「二人共……言い争ってる場合じゃないよ……」

アルシオーネ「姦しいわね。そろそろ……さようなら」

さやか「わぁ!何か持ってる杖が音を出して光ってる!!あれ絶対魔法撃つ準備だよ!!」

海「ちょっと私たちここで終わりなの!?」

風「普通のRPGは、最初っからこんな強そうな敵には遭遇しませんのにねえ。もっとレベルアップしてからでないと」

海「あの魔法使いめぇ絶対に泣くまでいじめてやる!!」

さやか「その時は手伝うよ!」

マミ(――――――)

ほむら(――――――)


まどか「私がもし契約していたら……皆ごめんなさい……」

光「…………」

海「あっ立つと危ないわよ」

風「この状況ですと立っていても座っていても安全度にはあまり大差はありませんわよ」

海「気持ちの問題よ!」

光「――――――」

さやか「あのおばさん指さして何してるのよ?」

アルシオーネ「何の真似かしら可愛いお嬢さん」



光「 炎 の 矢 !! 」



アルシオーネ「きゃああああぁぁぁァァァ……」

まどか「すっ凄い、炎でできた矢が何本もあの人に飛んで行った……」

さやか「あのおばさん、乗っていた馬から落ちてったよ!馬も消えて助かったの!?」

光「――――……」

マミ「いけない!倒れるわ!」

海風「わ――っ」


海「すごい!すごい!すごい!」

風「あれがクレフさんがおっしゃていた『魔法』ですのね」

まどか「マミさんの魔法とは違う感じだったよね」

さやか「これぞ魔法ってかんじだったね」

マミ「炎が尾を引いて綺麗な魔法だったわ……ハァ」

マミ(……やっぱり欲しいわね……)

ほむら(……よく見えなかった……早く引き上げてくれないかしら……)

光「『魔法』……あれが私の……『魔法』……」

マミ「うんしょ……うんしょ……」

さやか「リボンで縛られてる転校生が引き上げられていく……もうこのまま縛ってても良いんじゃない?」

まどか「さやかちゃん!?」

さやか「いや冗談だからね、流石に」

まどか「ほむらちゃん大丈夫だった?」

ほむら「ええっありがとう、まどか。助かったわ巴マミ」

マミ「こちらこそあの人の魔法を防いでくれて助かったわ」

海「でもこれからどうすれば良いのかしら」

風「確かクレフさんが「西へ行け」と……」

海「そうだわ西の『沈黙の森でプレセアって人に会えって、武器がどうこうって言ってたわね』」

風「そこで武器をかしていただけるんでしょうか」

海「だといいけど」

光「……………………」

まどか「ぼおぅっとしてるみたいだけど……」

海「だいじょうぶ?」

ほむら「……初めて魔法使ったからそれの影響でしょうね」

ほむら(私が初めて魔法使った時は……考えるのはやめましょう)

マミ「一種のショック状態みたいね。しばらくしたら治ると思うわ」

マミ(私が初めて魔法を使って戦った時は……今は考えない事にしましょう)

今日はここまで
続きはまた今度


海「ここが異世界だなんてなんだか悪い夢みたいね」

風「頬つねって差し上げましょうか」

海「ひゃめてぇ~~」

さやか「うわぁ~伸びるね……」

海「夢じゃないのは確かだわ」

風「ほほほ」

ほむら「とにかく西へ行ってみるしかなさそうね」

さやか「太陽があっちだから、え~と……西から昇ったお日様が……だから太陽って東に沈むんだっけ?」

まどか「さやかちゃん……」

マミ「美樹さん、それ逆だからね?」

さやか「えっ……あ……あっあははは。ジョ、ジョークですよジョーク」

風「西ってどちらでしょうか。太陽はこっちですけれど地球と同じように東から昇って西に沈むんでしょうか」

さやか「はうっ」

ほむら(訂正された上に無かった事にされたわね……)


鳥「クエーーーーーーッ!!!」

海「わあっ!なっ何なの?」

さやか「びっびっくりさせないでよ」

風「どうしたんでしょう?」

鳥「クェーーッ!クェッ!」

まどか「何か言いたい事があるのかな?」

光「きっと……場所を知っているんだ。クレフが言ってた『沈黙の森』」

ほむら「……コクコクと頷いてるわね……」

光「私達をプレセアの所へ連れて行ってくれるんだな」

マミ「ゴロゴロ鳴らして懐いてるわね……可愛いわね……」

海「よくこの子の言ってる事がわかったわね」

光「うちにも閃光(ひかり)がいるから……動物の言ってる事は何となくわかるんだ」

海「閃光って……?」

光「うちの犬だよ」

さやか「犬にしては変わった名前だね……まるで……」

光「兄弟見たいに育った、大切な犬」

ほむら(落ち込んでる……いや寂しがってる?閃光って子に会いたいの?)

海「ね、帰ったら私にその閃光紹介してよ」

風「私もお会いしたいですわ」

まどか「猫派だけど私も行っていい?ビーフジャーキー好きかな?」

さやか「私骨持ってくるよ。大きくて噛みごたえあるやつ」

光「――――――――うん!!」


~~??????~~

エメロード姫「どうか……この『セフィーロ』を救って……手遅れになる前に……」

エメロード姫「――――!」

ザガート「最後の力を振り絞ってい世界から『魔法騎士』を招喚しましたね」

エメロード姫「ザガート……」

ザガート「無駄な事はおよしなさい。エメロード姫」

ザガート「例え伝説と違って数多く招喚されたとしても『魔神』が蘇る事はない」

エメロード姫(わざと多く招喚した訳ではないのですが……)

ザガート「『伝説の魔法騎士』も誕生しない」

エメロード姫「なぜ……」

エメロード姫「なぜ神官である貴方がこんな真似をするのです……」

エメロード姫「『セフィーロ』が、この世界がどうなっても良いのですか」

ザガート「……………………」


~~沈黙の森へ鳥に乗って移動中~~

マミ「そう言えば暁美さんの固有の魔法はその盾なの?」

光「固有の魔法?」

さやか「マミさん、なんですかそれ?私達も聞いてないんですけど」

マミ「そう言えば言ってなかったわね。私達魔法少女はそれぞれ特別な魔法が使えるの」

まどか「特別?必殺技とかですか?マミさんのティロ・フィナーレの様な」

光「てぃろふぃなーれ?」

海「必殺技かぁ……良いわね。それがあれば手強い敵も一撃なんでしょ」

風「でもRPGとかでは、そう言うのは使うのに何か条件があったり消耗が激しかったりするものではありませんか?」

ほむら「盛り上がってる所悪いんだけど……固有の魔法は別に必殺技ではないわ」

マミ「願い事によってそれぞれ身に付く魔法が違うの」

マミ「……誰かの説得とかの願いだと幻惑の魔法。命を繋ぎ止める願いならリボンの魔法と言う風にね」

光「……てぃろふぃなーれは?」

マミ「そっそれは……私の決め技と言うか……」

光「必殺技?」

マミ「…………うん」

光「そうなんだ。やっぱり必殺技はあるんだ、かっこいい名前だな」

ほむら(純粋な笑顔で……巴マミ、顔が真っ赤になってるわね)

まどか「願いで……それなら固有魔法が盾の魔法のほむらちゃんの願いは……誰かを守る事?」

ほむら「……ごめんなさい……言いたくないの」

海「どうして?」

マミ「願い事は人には言いたくないって事は多々あるの……辛い事もあるから……」

まどか「ほむらちゃん……ごめん……」

ほむら「まどかが謝る事ないわ。隠し事する私が悪いのだから」

まどか「そんな事ないよ……でも無理には聞かないけどいつか教えてくれたら嬉しいな」

ほむら「……そうね……いつか……」


海「森だわ。あれかしら?」

さやか「あっ木がちょっと広く開けてる所に降りて行くよ」

マミ「ここでいいみたいね。降りましょう」





光「ありがとう」

鳥「ゴロゴロ」

ほむら(撫でると嬉しそうに喉を鳴らしてるわ……鳥って喉鳴らせるのね)

海「見て!」

まどか「丸いお家があるね」

風「どなたかのお家でしょうか」

光「あれがプレセあの家かもしれない!!」

マミ「行ってみましょう」

さやか「この鳥はどうしようか」

光「待ってて」

鳥「…………」

ほむら(泣いてる。短時間でよく懐いたわね……鳥って泣くのね)

今日はここまで
続きはまた今度


まどか「これがこの世界の家かぁ……何か外国のお家みたい」

風「ごめんください」

光「すいませーーーーん」

ほむら「……反応ないわね」

海「誰もいないのかしら?」

さやか「どうしよう。いっその事扉壊す?」

マミ「さすがにそれは……せめて鍵を開けるぐらいにしましょう。私が魔法で……あら?この扉鍵穴が……」

ほむら「無いわね。あるのは取っ手だけみたいね」

光「…………」

まどか「あっ取っ手を……」

光「わぁっ!」

まどか「開いたね。鍵かかってなかったみたい」

光「びっくりしたー」

風「鍵も掛けずに不用心ですわね」

ほむら「……………………」

海「ここで立っててもしょうがないわ。入ってみましょうよ」

風「あら、それはいけませんわ」

マミ「そうね。断りもなく家の中に入るのはちょっと……ね」

さやか「空き巣みたいだけど……TVゲームのRPGとかじゃ勝手に入るよね」

海「この世界そのものが非常識なのよ。私達が多少常識から外れた事したとしてもノープロブレムよ」

風「そうでしょうか」

ほむら「……いつまでも待ってる訳にはいかないし入りましょう」

ほむら(ここで躊躇するのは、ヤクザの事務所に武器調達する為に無断で入っていたし、今更かしら……)


まどか「……おじゃましまぁす~~」

風「あらあら」

さやか「誰もいないね。奥に行ってみる?」

ほむら「そうね、罠が無いとも限らないから気を付けて進みましょう」

光「罠って……」

マミ「壺が多いわね……あっこの石と言うか鉱物見た事ないわ、異世界の鉱物よね。ミスリルかしら」

風「まあまあ」

海「……って言ったわりには楽しそうね」

まどか「!あっちの部屋で物音がしてるよ」

海「誰かいるわ」




???「ガタガタ ガサッ」

さやか(椅子に座って何かガサゴソやってる……後ろ向いてるからどんな人かわからないよ)

光「あの……プレセアさん……ですか」

光「私達クレフから言われてここに……」

ほむら(椅子が回ってこっちを……って)

???「…………」

まどか「!?……?!!?」

さやか「えっ!?大きいマシュマロ?」

マミ「違うんじゃ……これは魔物……精獣?」

光「プ、プレセアさん……?」

???「…………」

まどか「何か、うにーーっってしてて可愛い……」

マミ(あの椅子浮いてる……帰る時にこの世界の家具とか持って帰りたいわぁ……)

ほむら「!あぶない!!」


光海風さやか「「「「わああああぁ!!!!!」」」」

マミ「……あれ?」

ほむら「まどか無事?」

まどか「うっうん、私はほむらちゃんが連れて避けてくれたから大丈夫だけど……」

まどか「みっ皆が上から落ちてきた檻に閉じ込められちゃったよ!?」

ほむら「くっ!やっぱり罠だったのね!」



????「おーーーーほほほほほ!!」



まどか「!!」

????「かかったわねモコナ!!」

ほむら「…………」

????「いつもいつも私の書斎をめちゃくちゃにしてたのはやっぱりモコナだったのね!やっと証拠をつかんだわ!」

光「…………」

????「さっどんな折檻をしてやろうかしら!」

海「…………」

????「お耳がどこまで伸びるか引っ張ってやろうかしら!」

マミ(すっかり自分に酔っているわね……)

????「それとも逆さまにして家の扉に吊るしておこうかしら!!」

さやか(何と言うか……騒がしい人ですね)

????「おーーほほほほほ」

???「ぷぅ」

????「の、ほ……」

???「ぷぅ」

????「モ、モコナ!?」

風(先程から隣で椅子に座って散らかしてる生物にようやく気が付きましたわね)


ほむら(白い身体に長い耳そして真っ赤な丸い宝石が額に……あいつに似ている……まさかね)

さやか(あっこっち向いた)

????「……………………」

海「……………………」

????「私の書斎をいつも荒してたのは貴方達?」

海「違う!!」

????「ならどうして檻の中にいるの?」

光「この部屋に入ってきたら突然この檻が天井から落ちてきたんだ」

????「この檻はこの部屋に誰か入って、書斎を荒らしたら落ちる様になってたのよ」

さやか(なにか嫌な予感が……)

????「やっぱり貴方たちが書斎にいたずらしてたのねーーっ!!」

海「違うわよっ!!なんなのーーっ」

さやか「むちゃくちゃだよこの人!!」

風「まあまあ、私達が貴方の書斎にずっといたずらするのは不可能ですわ」

風「だって七人共この『セフィーロ』に来たのはついさっきですもの」

マミ「そうね。書斎を荒らしていたのがこの数時間内でもないなら無理ね」

風「それに、ほら」

????「?」

風「あの方が好きかって絶頂に遊んでらっしゃいますわ」

???「ぷう♪ぷう♪」

????「はっ!」


????「モコナーーーー!!」

モコナ「ぷぅ」

さやか「怒ってプルプル震えてるよ」

海「とにかくこの檻を開けてよ!!」

????「だめよ」

海「―――――」

まどか(あっこけた)

????「私貴方達をお招きした覚えが全くないわ」

????「書斎を荒らしたのが貴方達でなくても侵入者である事に変わりはないもの」

光「私達は!!」

????「さっどんな折檻をしてやろうかしら!」

さやか「目がいっちゃってるよ、この人……」

????「お口がどこまで広がるか引っ張ってやろうかしら!」

マミ「自分の世界に浸りやすい性格みたいね……」

????「それとも五人一緒に釜の中でゆでてみようかしら!!!!」

海「ちょっと!私達はねぇ!!」

????「ああ、久しぶりに楽しい時間が過ごせそうよーーーー!!おほほ」

海「人の話を聞けというにーーーー!!」

光「可愛いね。モコナっていうの?」

モコナ「ぷぅ」

光「私は光だよ。獅堂 光」

モコナ「ぷぅぷう」

まどか(コクコク頷いてる……可愛い)


ほむら「……茶番は終わりにしてくれるかしら」

????「?檻の外にまだ仲間がいたの?折檻を受ける人数が七人に増えたわね♪」

ほむら「…………」

海「ちょっ!なんで銃構えてるのよ!?」

さやか「転校生あんた!!」

????「え?……え?」

ほむら「……皆を解放しなさい」

????「え……そんな!まだ折檻してないのよ!」

海「あっこの檻を開けさせるためなのね」

さやか「でも、いくらなんでもこんな事……」

風「勝手にお家にお邪魔してしまったのは本当ですし……ここは折檻されるのが妥当でしょうか」

さやか「いやそれも何か違う……」

ほむら「それが問題なのよ」

海「えっ折檻が?」

ほむら「そっちじゃなくて……いくらなんでもこんな家の中に檻の降ってくる罠を仕掛けるなんておかしいわよ」

ほむら「まるで来ると分かっていた獲物を誘い込んで捕まえるために仕込んでいたみたいに」

さやか「何言ってんの!私達が来るなんて分かる訳ないでしょう!ここに来たのほんの数時間前よ!!」

海「それに来ると分かっていたなら捕まえる理由がないわよね」

風「……いえ、理由はあります」

光「?」

風「私達がここへ来ると予測したら捕まえようと罠を仕掛けるであろう人たちに心当たりがありますわ」

さやか「そんなのいる?ここには来たばかりなのに……」

????(……話についていけない……)

ほむら「ザガート一味よ」

さやか海光????「!!」

まどか「確かにあの人達なら捕まえようとする理由もあるよ……でもなんでプレセアさんの家に……」

ほむら「ここで武器を調達しようとしている事を知られていたんでしょうね」

ほむら「この世界についてそんなに時間がたってないのに、追手を差し向けてきた様な奴等よ」

ほむら「この場所を知られていても不思議じゃないわ……恐らく本物のプレセアさんはもう……」

まどか光「「そんな!」」

????「いっいや私本物……」

ほむら「巴マミも怪しいのに気がついていたんでしょ?」

ほむら「だから檻が降って来た時も、全員は逃がせないと思ったから一緒に残って守る方についた……違う?」

さやか「本当ですかマミさん!?」

マミ「えっええ、気づいていたわよ。だって扉に鍵さえかかってなかったんだもの」

マミ「悪の魔導結社と敵対しているのに不用心すぎるわよ」

????「今何と言ったの!」

今日はここまで
続きはまた今度


マミ「え……あっ悪の魔導結社と敵対……」

光(何で顔が赤くなってるんだろ?)

????「違う!その前よ!」

マミ「入口に鍵かかってなかったの!何度も言わせないで!!」

????「うちの鍵は導師クレフの特製……」

????「この『セフィーロ』の何人たりともこの鍵なしで開ける事は不可能なはず……」

さやか「あっ服に付いてる宝石みたいな所から鍵が出てきた」

????「貴方達はひょっとして……」

????「エメロード姫に招喚された、伝説の『魔法騎士』たち……?」

マミ「私は違うわよ」

????「あれ!?」

さやか「私も違うよ」

まどか「その……私も違います」

????「えぇ…‥」

ほむら「一応言っておくけど私も違うから」

????「……なんで開けられたのよ……」

ほむら「いいから早く皆を解放しなさいよ……」


????「なんなのよ……」

まどか「あっ、たれさがってた紐引っ張ったら檻が上がったよ」

光「あの私達は……」

ほむら「待って!」

光「え?」

ほむら「巴マミ、何人か連れて鍵の確認をお願いできる?」

マミ「……そうね、わかったわ。鹿目さんはここに残っていて、他の人はついて来てちょうだい」

海「何をするのよ?」

さやか「マミさん?どうするのか分かりませんけど、転校生とまどかを一緒に残して行くのちょっと……」

風「いいから行きましょう。すぐにすみますわよ」

さやか「えっ、でっでも……」

マミ「鍵を貸してくれますか?」

????「えっええ、いいけど……」

マミ「さあ、行くわよ。すぐに帰ってくるから」

さやか「マッマミさぁ~~ん」


まどか「行っちゃった……」

ほむら「すぐ帰ってくるわよ」

まどか「あの、ほむらちゃん。マミさん達何をしに行ったの?」

????「あの……その武器そろそろ降ろしてくれないかしら……」

ほむら「まだ駄目よ」

????「…………」





マミ「行ってきたわよ」

まどか「あっおかえりなさい。何をしに行ってたんですか?」

????「ここ私の家なのに……」

マミ「ちょっと鍵の確認にね」

まどか「鍵……ですか?」

ほむら「それでどうだったの?」

海「それが、鍵かけれたと思ったのに簡単に開いたわよ」

風「念の為に一人ずつ開けられるか試してみたのですけど……全員開きましたわ」

さやか「一体何が目的だったんですかマミさん?」

マミ「この人が助かりたいが為に嘘を言ってるんじゃないかと思ったのよ。本当なら鍵がかかるはずだし嘘なら……」

さやか「鍵がかからない……と言う事はこの人……」

まどか「偽物……」


????「いえあのね……その鍵セフィーロの人には開けられないのだけど……貴方達セフィーロの人間?」

ほむら「違うわよ」

さやか「ちょおま!なんで試させた!?」

ほむら「本当は鍵がかかってこの世界の人以外でも扉が開かない場合を考えたのよ」

風「その場合もやはり嘘を吐いていたので偽物……と言う事ですね」

海「扉は開いたわよね?それじゃあこの人は……本物のプレセアさん?」

????「だから本物だって言ってるのに……」

ほむら「まだよ。その鍵で閉じた後、この人に開けれるか試してみましょう」

まどか「そっか、その鍵が偽物なら扉に鍵がかからなくてこの世界の人でも開けられるんだ」

さやか「……流石にちょっとしつこくない?」

風「いえ、他に味方がいないの状況ですから敵である可能性があり調べる事が出来るのなら調べておくべきです」

光「そっそういうものなのか……」

マミ「まあ、流石に実際に命を狙いに来てる相手がいるのだから怪しいまま放置と言う訳にはいかないわね」

海「とにかく扉が開くがどうか試せばこの人が本物かどうかわかるのよね?なら早く行きましょうよ」

ほむら「そう言う訳だから移動してもらえる?」

????「せめて武器は降ろしてよ……」


マミ「開かないわね……」

ほむら「演技ではなさそうだし、本当の事だったみたいね」

????「そう言ってるのに……」

さやか「転校生、あやまりなよ!」

ほむら「そうね、疑ってごめんなさい」

モコナ「ぷぅ」

????「なんでモコナがふんぞり返ってるのよ……」

????「しかし、セフィーロの人間じゃないって聞いたからてっきり伝説の『魔法騎士』だと思っのに……」

光「あっあの、その事なのだけど……」

海「私たち伝説の『魔法騎士』」

風「なのです」

????「…………おおうっ!」

まどか「すごく驚いてるよ」

マミ「まぁここまで長かったから……」

????「では本当に始まるのね」

????「『伝説の戦い』が……」

マミ(伝説の戦いか…………フフッ)

ほむら(伝説の戦い……気になるわね)

????「ようこそ伝説の『魔法騎士』たち」

プレセア「私はプレセア、この『セフィーロ』の最高位の創師よ」

今日はここまで
続きはまた今度
ちょっとまた少し遠いところに行かなければならなくなったので少し間が空くと思います


モコナ「ぷぅ~~」

光「わぁ」

まどか「わっ、いきなり跳び着いたら危ないよ」

プレセア「ふむ。モコナがそんなに嬉しがってるって事は……間違いなさそうね」

光「え……?」

ほむら「この白いマシュマロが懐いたからなんだって言うの?」

海(マシュマロ……そう思うと美味しそうに見えてくるわね)

プレセア「導師クレフからお話はうかがっているわ」

プレセア「もし伝説の『魔法騎士』達が訪ねてきたら武器を授けてやってくれって」

光「ここで武器を貸してもらえるのか!?」

マミ(異世界の武器って思うとワクワクするわね)

プレセア「ほほほほほほ。私は創師、武器や防具を創るのが仕事ですもの」

光「じゃ……貴方が自分で武器を……?」

さやか「えっマジっ!?」

プレセア「えへん。そうよ」

まどか「ふぁ~~……若そうに見えるのに凄いんですね」

マミ(そう言えばクレフさんも若く見えてもかなりの高齢だったのよね……ならこの人も……)


海「さすが、やれ精獣だ魔法使いだと何でもありの世界ね。武器屋までいるなんて」

ほむら(私達の世界にも魔法少女もいるし武器屋もその筋には結構……)

風「あら、でも親切ですわよね」

風「殆どのRPGでは武器はお金を貯めて買う事になっているんですもの」

さやか「ああ、魔物退治の報酬や見つけた宝物とかね」

風「無料で頂けるなんて幸せですわ」

まどか(どことなしか喜びでキラキラしている気がする……いや無料は嬉しいけど)

ほむら(確かに武器を手に入れるのに盗みに入らなくて良いのは楽ね……まぁ無断侵入自体は今回もしたけど……)

プレセア「無料じゃないわよ」

海「ええ!?お金とるの!?」

マミ「それはそうよね……」

風「やっぱり世の中甘くありませんわねぇ」

ほむら(……当たり前なんだけど喜んだ分損した気分になるわね……)

まどか「さやかちゃん、今幾ら持ってる?」

さやか「うっ……近頃恭介のお見舞いに行ってるから……その……」

光「…………」

まどか(ん?ポケットとかゴソゴソしてどうしたんだろ?)

光「……ふぇ……」

さやか(あっ飴玉しか見つからなかったからか、がっくしして泣いちゃった)


光「…………」

さやか「飴玉をプレセアさんに差し出して……ってもしかして……」

光「サイフ……鞄の中に忘れてきたみたいなんだ……今ぜんぜんお金持ってなくて……これしかなくて……」

まどか「ああっしょぼんってしてる……」

プレセア「―――――――‐」

プレセア「お金はいいのよ」

マミ「え?」

光「でも無料じゃないって……」

プレセア「ついてきて」

さやか「あっちょっ奥の方にずんずん行っちゃってるよ……追いかける?」

マミ「そりゃ追いかけない訳にはいかないでしょ」

海「無料じゃないのにお金はいらないってどう言う事なのかしら」

ほむら「……今更だけど財布があっても私達の世界のお金じゃ駄目だったわよね……」

まどか・さやか「あっ……」

風「ここで武器の代金分働くのかもしれませんわ」

海「はっ働くぅ!?」

まどか「そっ掃除や洗濯くらいならどうにか……」

さやか「働くって家事なの!?」

海「そっそんな事していたら『セフィーロ』の危機は救えないわよ!」

風「あら、プレセアさんのお宅の平穏は守れますわよ」

海・さやか「「そんなもん守りたくないわ!」」


ほむら「そんな事言ってる間についたみたいね……さっきの鍵で解錠したみたいだけど」

マミ「魔法的な鍵って良いわね……帰ったら家の鍵も作ってみようかしら」

光「わあああ」

まどか「わぁ!武器がいっぱい……」

さやか「剣や弓に鎧や盾、ブーメラン見たいのもあるよ」

ほむら(武器庫……銃とかの武器庫には入った事あるけど……あっ大砲もある)

マミ「うわぁ……うわああぁぁぁぁぁぁぁ―――――」

光「これ全部貴方が?」

プレセア「そうよ」

光「凄い……」

ほむら「何でも創れるのね。斧やモーニングスターにボウガンもあるわ」

マミ(キャーキャーあの鎧格好良い!!欲しいぃぃ!!!)

プレセア「さっ好きな武器を選びなさい」

海「え!?だってさっき無料じゃあげないって……」

風「私達この世界のお金は持ち合わせていないのですが……」

プレセア「やーねーお金はいらないって言ったでしょ」

光「じゃ何を……」

さやか「タダより高い物はないって言うけど……」

マミ(武器!?武器だけ!?鎧は駄目なの!!?)

プレセア「この中から好きな武器を選びなさい」

プレセア「でもそれは『貴方達の武器』じゃないわ。貸してあげるだけ」

海「私達の武器じゃない?」

マミ「っ!?」


プレセア「私の創る武器は不特定多数の『誰か』の為のものじゃないわ」

プレセア「ひとつひとつがたった一人の為に創られてるの。それぞれがその人の為だけのものなのよ」

ほむら(と言う事はもしかして……)

光「じゃここにあるものは……」

プレセア「そう。あなた達のものじゃないわ『貴方達の武器』はこれから創るのよ。あなた達のためだけに……」

光「私達のためだけの……」

海「――――――――」

風「――――――――」

ほむら(自分のためだけの……武器……)

マミ(あ……ああ……ああああ……あああああああああ―――――――――――――――)

さやか「ふぇ~~……」

まどか「何かマミさんの雰囲気が……」

プレセア「だからこの中からひとつ好きな武器を選びなさい」

ほむら「…………え?」

海「もしもし?でもさっきこれは私達のものじゃないって……」

プレセア「そうよ。でも武器ももたずにこの『沈黙の森』から『あそこ』に行くのは死にに行くようなものだもの」

光「『あそこ』って……?」

さやか「嫌な予感が……」

プレセア「言ったでしょ。私は貴方達だけが使える貴方達だけの為の武器を創るって」

風「ええ、お伺いしましたわ」

さやか(マミさんと転校性が凄い勢いで頷いてる……)

プレセア「『伝説の戦い』で貴方達が真の『魔法騎士』となれるよう、私はこれまでで最高の武器を創るつもり」

光「ありがとう」

まどか(……私達の分も創ってくれるよね?)

プレセア「だから『材料』は自分で取って来てねっ!」

さやか「うわあああ!?!三人とマミさんと転校性がすっごい勢いですっ転んだ!!?」

まどか「すってーんって音が聞こえてきそうだよ!?」

今日はここまで
続きはまた今度
あとまた暫くしたら遠い所に行かなければならなくなりそうです


海「ざ『材料』って……」

プレセア「この『セフィーロ』では創師に武器を創ってもらう騎士や戦士は、自分で『材料』を持ってくるって決まりなのよ」

風「なるほど。お金はいらないけれど無料でもないとはそう言う意味だったんですね」

さやか「あ~~……RPGとかで結構あるパターンではあるよね?」

海「ざ『材料』って……どんなものなの?やっぱり金とか銀とか銅とか」

まどか「流石にそんな高価なの大量に用意できないよ……」

風「RPGによく出てくるのはミスリルですね」

マミ「あとオリハルコンとかヒヒロイカネとかダマスカスとか」

プレセア「何それ?」

まどか「なっなんだろ?」

風「こちらの世界の鉱物ですわ。ミスリルやオリハルコンとかは違いますけど」

プレセア「ふーん。」

ほむら「こっちの世界の鉱物は何があるの?」

プレセア「色々ね。アールとかスライとかクストも丈夫だけど」

光「何が何やら全然わかんない」

さやか「大丈夫私もわかんない」

まどか「全然大丈夫じゃないよ、さやかちゃん……」


プレセア「でも『魔法騎士』が持つ武器はそんなものじゃだめよ」

プレセア「『伝説』に従って『伝説の鉱物』じゃなきゃ」

光「『伝説の鉱物』?」

マミ「伝説の武器を創る為に伝説の鉱物が必要なのね」

プレセア「そう『伝説の鉱物・エスクード』」

海「『エスクード』……」

さやか「何かどこかで聞いたような名前だね……」

プレセア「『セフィーロ』で唯一『成長する武器』が創れる鉱物よ」

光「成長?武器が?」

プレセア「『エスクード』で創った武器は持ち主の技量や精神力に合わせて成長するのよ」

海「それはお得な武器だわっ。次から次へと武器を買い替えなくても良いんですものね」

さやか「節約になるよ、流石伝説の武器だね!」

プレセア「でも」

まどか「でも?」

プレセア「持ち主が『成長』しなければ武器も『成長』しないわ」

風「考えようによっては武器を買い替えた方が楽かも知れませんわね」

風「腕を上げなくても武器が強いものだったら威力は大きいはずですから」

海・さやか「「う……」」

ほむら「既製品の爆弾より自分で作った爆弾の方が火薬の量とかも変えれて威力が上げられるみたいなものね」

光「何か違うと思う…‥」


プレセア「どちらにしろ貴方達が『魔法騎士』になるためには」

プレセア「『エスクード』で創った武器を持って武器を成長させるしかないの」

光「どうしてだ?」

ほむら「魔法騎士の敵は伝説の武器でしか倒せない……と言う事かしら?」

プレセア「『エスクード』で作った武器は『魔神』を蘇らせる事のできる『鍵』の一つだからよ」

光「『魔神』……?『鍵』……?」

マミ「クレフさんも言ってたわね。興味深い言葉だったからよく覚えてるわ」

さやか「でもそれが何なのか聞いてませんよね」

プレセア「導師クレフから何も聞いてないの?」

光「話の途中でザガートの追手がきて……私達を逃がしてくれるために一人で……」

まどか「だっ大丈夫だよ、きっと無事だよ」

プレセア「クレフ……それを知ってて……モコナを私に預けていかれたのね」

光「クレフが言ってた貴方に合って武器を……って」

光「よく聞こえなかったけど、きっと貴方に会って武器を創ってもらえって言いたかったんだと思う」

ほむら「ええ、そのはずよ。後モコナを……とか、この白く丸々と太った兎見たいな生物の事も言ってたはず」

光「『魔法騎士』となって『セフィーロ』を救ってくれってクレフは言ってた」

さやか「まあ、そうしないと元の世界に帰れないとかも言ってたけど」

光「まだこの『セフィーロ』の事はよくわからないけど私達を助けてくれたクレフに何かしたい」

光「『材料』を取ってくる。だから私達に武器を創って欲しい」

プレセア「――――ッ」

マミ「まあ、鍵とか関係なく伝説の武器は欲しいもの」


プレセア「もちろんよ。私からもお願いするわ異世界の来訪者達」

プレセア「どうかこの『セフィーロ』を救って」

光「うん!!」

まどか「私達も頑張ります!!」

プレセア「さ、そうと決まったら早く出発なさい」

さやか「ちょっ背中をぐいぐいっ押さないで」

海「その『エスクード』ってどこにあるの?」

プレセア「『あそこ』よ。きゃっ」

風「『あそこ』ってどちらでしょうか?」

プレセア「そりゃーもう『あそこ』と言えば『伝説の泉エテルナ』」

ほむら「なぜか変にテンション上がってるわね……」

光「エテルナ?」

プレセア「何人もの戦士たちが伝説の鉱物『エスクード』を求めて『エテルナ』を目指し……」

プレセア「そして誰一人帰ってこなかった」

海・さやか「ええええええ!!」

海「かっ帰ってこなかったの!?」

プレセア「ええ誰一人ね」

風「それは物騒なお話ですわね」

マミ「物騒どころの話じゃない気が……」

ほむら(魔法騎士の三人はともかく二人はここに置いて行った方が良いかしら……)


海「そっそんな所に私達いくの!?」

さやか「そんなの死にに行くようなものじゃない!?」

プレセア「ほほほ、だから武器を持って行きなさいって言ってるのよ」

海「――――っ」

まどか「あっそこら中の武器かき集めてる」

さやか「ずるい!私も私も!!」

風「二人共負けず劣らず沢山引っ掴んでますね」

プレセア「全部持って行っても良いけど」

マミ「剣や斧や槍やら十本以上……どうやってもって行く気なのかしら」

ほむら「数だけじゃなく、そんなにいろんな種類持って行っても……」

プレセア「使いこなせないわよ」

海・さやか「――――――――」

まどか「あっ二人共全部とり落とした」

海「はっ!そう言えば私達魔法が使えるんだったわ!!」

さやか「あっずるい!良いなーー!!」

風「まだ使い方もわかりませんが」

マミ「……こけたわね。随分アグレッシブな子ね」

海「私達はね。でも」

光「え」

ほむら「…………じっと見ないでちょうだい」

マミ「ふふっ可愛い後輩たちに頼られるのも悪くないわね。良いわここは大船に乗ったつもりでどーんと任せといて」

プレセア「この辺りでは魔法は使えないわよ」

マミ「え゛……」

今日はここまで
続きはまた今度


海・さやか「「えええ!?どうして!?」」

マミ「うそ……なっ何故……」

プレセア「ほんとだもん。ここは『沈黙の森』魔法の呪文は森の結界に阻まれて唱えられないの」

ほむら(魔法が使えない……いえ、それなら身体が……)

ほむら(『唱えられない』と言う事は呪文が必要のない私達の魔法は使えるのかも?)

海「やっぱりこれ全部持ってくーーーー!!」

さやか「あれとこれとそれとこっちのも」

まどか「二人共抱えきれないほど武器持ってるよ」

風「あの棒の先に金魚見たいなのがついてるのも武器なのでしょうか?」

プレセア「武器をよく見なさい」

プレセア「今の貴方達に一番合った武器がちゃんとわかるから」

プレセア「ちゃんと武器は貴方達を『呼ぶ』から」

ほむら「あの……魔法騎士の三人だけじゃなくて私達にも武器を貸してもらえるの?」

マミ「魔法が使えないと、その……攻撃手段が……」

プレセア「良いわよ。伝説にはないけど一緒に招喚されたんでしょ?……従者なのかしら?」

ほむら「いえ、魔法少女よ」

マミ「この森では魔法が使えないからただの少女かしらね……」

プレセア「??」


さやか「私達も見たら武器が呼ぶの?」

まどか「武器って私今まで包丁ぐらいしか持った事ないよぉ……」

海「包丁は武器じゃないでしょ……」

プレセア「大丈夫よ。同じ様に一番合った武器が『呼ぶ』わ」

さやか「それじゃちょっと失礼して……」

海「……っ……!……――」

ほむら(一番合った武器……銃は見当たらないから……大砲かしら)

マミ(伝説の剣とか聞いて少し取り乱したけど……マスケット銃はないわね。大砲なのかしら……持ち運びが大変そうね)

風「……。……………………」

まどか(近づいて攻撃するの恐いから飛び道具が良いなぁ)

さやか(やっぱりこう言うのは剣でしょ!ザザーッと近づいてズパッとたたっ斬る!!それでこそ勇者だよね)

光「…………、…………??」

まどか「あっ」

さやか「武器が光って浮いて……」

プレセア「ほらね」

ほむら「これが私達に一番合った武器……」


さやか「やった!剣だよ!!」

まどか「私は弓矢だよ。良かったぁ、魔物恐いから近づきたくないもん」

ほむら「……私も弓矢……」

ほむら(意外だわ……銃を使ってるから飛び道具になったのかしら……まどかと一緒ね……フフッ)

ほむら(私とまどかそれに鳳凰寺風も弓矢、美樹さやかと獅堂光と龍咲海は剣だけど龍咲海のは細いわね)

ほむら(そして巴マミが……)

マミ「ど……どうやってこれで戦えって言うのよ……」

プレセア「成せば成るわよ」

ほむら(……ムチ…………リボンが固有の魔法だからかしら……)

光「!!」

海「――――」

風「…………」

さやか「わっ!?」

まどか「わわわ!?!」

光「消えた!?」

まどか「手の所に付いてる宝石みたいのに武器が吸い込まれちゃったよお!?」

プレセア「だいじょうぶよ。その防具は導師クレフのものでしょ」

プレセア「今の武器は手の飾りの中にちゃんと入ってるわ。必要な時『願えば』ちゃんと貴方達の手に戻るから」

マミ「……その……私達は?」

プレセア「導師クレフから防具貰ってないの?それじゃあ仕方ないから普通に手に持っていくしかないわね」

マミ「うう……なんかずるい。まぁ私は鞭だから肩にでも巻いてかければ良いけど」

マミ「暁美さんはかなり大きな弓と矢筒でちょっと大変そうね」

ほむら「私の盾に収納機能あるから大丈夫よ」

マミ「……ずるい……」


光「『エテルナ』まではどうやって行けばいいんだ?」

海「ほらあの魔法使いの鳥さんがいたじゃない。精獣だっけ?」

さやか「ああ、あの鳥類なのに表情豊かな鳥ね。あの鳥なら早いしひとっ飛びだね」

プレセア「さっき言ったでしょ。ここで魔法は使えないって」

海「でも私たち、ここまでその鳥に乗ってきたのよ」

プレセア「それは導師クレフの精獣だからよ」

プレセア「『セフィーロ』最高の魔道師の魔法だからこの森まで消えずにいられたのね。きっと今頃消えてるわ」

まどか「そんなぁ~~」

風「ではどうやってその『エテルナ』まで行けばいいんでしょう」

ほむら「この世界の地理なんてわからないわ。詳しい場所教えてくれるかしら?」

プレセア「モコナが教えてくれるわ」

モコナ「ぷぅ」

光「え?!」

ほむら「…………」

まどか「ほむらちゃん……凄く嫌そうな顔してる」

プレセア「モコナは導師クレフからお預かりしていた子なの、『魔法騎士』となる者達が来たら渡してくれって」

海「この子どんな特技があるの?」

さやか「ぽやーんとしてるし何かできそうに思えないけど?」

プレセア「連れていけばわかるわ。旅に必要なモノはモコナが持っているわ。健闘を祈る!」

海「ちょちょっと、この子とどうやって会話すればいいのよ!」

さやか「こんな不思議生物の言葉わかる訳ないじゃない!」

光「私わかるよ。何となくだけど」

マミ「そっそうなの……なんと言うか凄いわね……」

風「動物に詳しい方がいらっしゃって助かりましたわね」

海「これ動物?」

ほむら・さやか「絶対に違うと思う」


~~プレセア家外~~

海「ああやっぱり鳥さんがいない」

風「あらあら」

さやか「そんなにがっくりしなくても、わかっていた事だし」

マミ「消えてると言う事は、どうやら本当に魔法は使えないみたいね」

光「ありがとうプレセア」

プレセア「『異世界』から招喚された未来の『魔法騎士』達と仲間達……名前を教えてくれる?」

光「光」

海「海よ」

風「風ですわ」

さやか「さやかよ」

まどか「まどかです」

マミ「マミです」

ほむら「暁美ほむら……ほむらよ」

プレセア「ヒカル・ウミ・フウ・サヤカ・マドカ・マミ・ホムラ、変わった名前ね」

ほむら(…………)

プレセア「必ず『エスクード』を持って帰ってらっしゃい。あなた達に素晴らしい武器を作ってあげるから」

プレセア「それに、これの感想もぜひ教えたいし。これ食べ物でしょ?」

まどか「あっさっきの飴玉」

光「うん!!」

プレセア「モコナ、みんなをお願いね」

モコナ「ぷぅ、ぷぅ」

光「いってきます!!!」

まどか「いっいってきます」

海「まぁ何とか頑張ってくるわ」

さやか「さやかちゃんも頑張っちゃいますよ!」

マミ「『エスクード』手に入れてきますね」

ほむら「帰ってきたら私達にも武器を作ってね」

風「生きてまたお会いできるとよいのですが」

海・さやか「「不吉な事言うのはやめて~~っ」」







プレセア「エメロード姫の御加護があらん事を……」

今日はここまで
続きはまた今度

>>220
地球人たちとモコナと魔神の炎神レイアースといくつかの魔法名以外に車(等)の名前じゃないのはあったっけ?


対応表としては、アンサイクロペディアの魔法騎士レイアースの項目が詳しい気がする、のだが、ギャグ成分が多いので事実とギャグの弁別が必要。

・ザガート
> イタリアのカロッツェリア、ザガートをパクったラスボス

・セフィーロ
>日産・セフィーロをパクっているのは言うまでもない

・エメロード姫
> セフィーロの柱という存在で、名前の由来となった車をすぐに売れなくし、存在感すら失わせた全く酷い姫である。

・アスコット
>名前の由来のホンダ・アスコットはこの後すぐにカタログ落ちした。

・イーグル・ビジョン
>名前はクライスラー社の大型乗用車であったイーグル・ビジョンをパクった。


あと、こんなキャラもいたらしいが忘れてたな
・シエラ
> TVアニメ版オリジナルキャラクター。プレセアの双子の妹だが、名前の由来はなぜかスズキ・ジムニーの小型乗用車バージョンである。

杏子の出番あるのかね…

>>211
まだなにか出るだけマシだよね。タルトみたいに「ない」場合は彼女やほむらみたいに用意しないとどうしようもない

>>220
登場人物が車の名前が多い某魔砲少女思い出した

>>235
エメロードの解説ひでーなw
たしかノヴァとデボネアもアニメオリジナルだったね

>>238
???「一撃必倒!!」

車関係は詳しくないんでそうじゃないかどうかは分からんが車っぽくなさそうな名前なら幾つか思い当たるな
導師(グル)、幻惑師(ラル)、剣闘師(ダル)、精獣戻界(スレイヤ)、稲妻招来(サンダス)、氷尖激射(アライア)、氷槍投射(アライル)、氷流切刃(アストラ)、精獣招喚(クレフト)、闇爆殺襲(ストラトス)
思い出せたのはこれ位だ
これ位挙げればどれかはヒットするだろう!

そういやデボネアってアニメではオリジナルキャラの名前だったけど漫画ではエメロード姫の必殺技の名前だったんだよな(「金爆殺襲」でデボネアと読む)
レイアースって漫画では前述通りルビが振ってあるけど、アニメでは漢字読みだったけどってのがあったりそもそも使われてない魔法や技が大半なんだよね


さやか「うわぁ……森だねこれ。自然って言えば良いのか、ここまで木や植物が生い茂ってるの見るの初めてかも」

まどか「鳥?虫かな?何かウケケケケケケって鳴き声が聞こえる……」

マミ「プレセアさん、こんな所に家を持つなんてやっぱり身を隠すためなのかしら」

光(……必ず帰ってくるから……プレセア……クレフ……)

ほむら「道が分かれてるわね」

海「さて、これからどっちに行けばいいのかしら?」

モコナ「ぷぅ?」

海「『伝説の泉・エテルナ』よ」

モコナ「ぷぅ?」

マミ「いや、ぷぅ?じゃなくてね」

海「『エテルナ』へ行く道よ!こっちでいいの!?それともこっち!?」

モコナ「ぷぅぷぅ」

まどか「ハシャイじゃって」

さやか「ちょっと?まさか……」

海「何……?このリアクションは……ひょっとして……」

風「ごぞんじないのかも知れませんわね」

海「ちょっとお!話が全然違うじゃない!!」

さやか「聞いてた話と違うじゃない!!」


海「『伝説の泉・エテルナ』まではこの子が知ってるってプレセアが言ってたわよね!!!!」

さやか「言ってた!!絶対に言ってたよ!!!」

モコナ「ぷぅぷぅ」

海「ねぇ、この子なんて言ってるの!?」

さやか「エテルナの事何か言ってる!?」

光「……なっなんだか一緒に旅ができるから……喜んでるみたいだけど……うれしいなぁ~~みたいな……」

光「…………あっ」

まどか(何か血管マークの怒気が見える気がする……)

海「これは遠足じゃないのよぉぉぉ!!!」

さやか「山にでも行ってお弁当食べたりしないのよぉぉぉ!!!」

風「おやつもありませんしねぇ」

海「はっそうだわ!!食料よ!確かプレセアは旅に必要な物はこの子が持ってるって言ってたわよね」

さやか「そう言えば!この丸々太った兎みたいな見た目だけど……」

海「わーーーー!!!よく考えたらこの子のどこに『旅に必要な物』がついてるって言うのぉぉ!?」

さやか「ついてる訳ないよ!!!プレセアさんの嘘吐きーーーー!!!!」

ほむら「食糧にはなるわね」

マミ「さっさすがにそれはちょっと……」

海「帰るのよ!とにかく一度プレセアの所に戻るの!!」

さやか「そうだよ!今ならまだ帰れるから食糧や地図を……」

海・さやか「…………道が……消えてる……?」


海「さっきまで見えてたプレセアの家もないわ!」

さやか「何で来た道が無くなって木が生い茂ってるの!」

風「これは戻りたくとも戻れませんわね。さすが不思議一杯の『セフィーロ』」

ほむら「こんな不思議いらないわよ……」

風「空飛ぶお魚さんやお馬さんだけじゃなく今度はいきなり来た道が消えてる森まであるんですのね」

海・さやか「「感心してる場合じゃない!」」

まどか「どっどうしよう……」

海「これじゃ私たちここでフォークダンスでも踊ってるしかないわよ!!!」

風「あら私フォークダンス得意ですわよ」

海「私もよ、特にマイムマイム」

さやか「へっへ~~ん私なんてブレイクダンス踊れちゃうよ」

まどか「みっみんな錯乱しないで」

マミ「落ち着いて!こう言う時は方角を確かめるのよ。誰かコンパス持ってる?」

ほむら「別に森を出るのが目的じゃないのだから、何所に向かうのかわからないのに方角わかっても仕方ないでしょ」

モコナ「ぷぅぷぅ」

光「モコナ!?」

まどか「あっどこに?」


モコナ「ぷぅぷぅ」

光「…………――――」

さやか「ちょっ、いきなり走りだしてどこ行くのよ!?」

まどか「モコナが、その飛び跳ねて行っちゃって……」

海「どっどうしたの?」

光「モコナがついてこいって」

ほむら「私達も行くわよ。エテルナに向かっているのかもしれないし、分かれるのは危険よ」

風「本当に動物に詳しい方がいらっしゃって助かりましたわね」

海「道を知ってるなら最初っからちゃんと案内してよぉ、寿命が23秒縮まったわよ」

マミ「なにその微妙な縮まり方は?」



~~森~~

光「モコナ!」

まどか「やっやっと追いついたぁ……」

モコナ「…………」

まどか「わっ跳びついたりしたら危ないよ」

光「足早いね、モコナ」

まどか「ふふっよくあなたに懐いてるね」

光「そうかな?偶に貴方の方をじっと見ている時あるけど」

まどか「えっそうなの?なんでかな……あれ?何か急に暗く……」

光「!」


海「もう少しゆっくり走って欲しいわ」

風「お三人ともお若いですわね」

ほむら「あれも人で数えるのね……」

さやか「いたいた。お~~い、あまりs」

光「きちゃだめだ!!」

まどか「皆逃げて!!」

???「オオオオオオオ!!!!」

海「さっ早速怪獣のご登場なの!?」

さやか「おっ大きい!そこらの木よりよっぽど大きいよ!?」

風「あれは怪獣ではなく魔物と言うのでは?確かクレフさんがそうおっしゃっていましたわ」

マミ「一つ目の巨人……サイクロプス?いえ、でも翼や尻尾もあるわね」

ほむら「敵が何かなんてどうでもいいわ!そんな事より二人を!!」

魔物「グッオオオオオ!!!!」

ほむら「!尻尾の攻撃が来る!避けなさい!!」

海「きゃああ!」

光「わっ!!」

まどか「わっわわわ!!!」

魔物「カハアッ!」

さやか「今度は火を吐いた!?本当に怪獣じゃない!!」

まどか「きゃあっ!危なかった……」


ほむら「……動きも狙いも大雑把ね」

光「え?」

マミ「そうね。こんな大人数だったのに一人もかすりもしないなんて、見た目に反して大した敵じゃなさそうね」

海「おおっ!!流石は歴戦の魔法少女達!ぱぱっとやっつけちゃって!!」

マミ「そうしたいのはやまやまだけど……武器が……」

ほむら「巴マミ、その事だけど……恐らくこの森でも私達の魔法は使えるわ」

さやか「え?そうなの!?」

マミ「本当に!?でもどうして……」

ほむら「プレセアは魔法の呪文は森の結界に阻まれて唱えられないと言っていたわ」

ほむら「でも私達の魔法は呪文なんて元々必要ない。そもそも森に入ってるのに変身が解けてないもの」

ほむら(それに本当に魔法が使えなくなったら私達は身体が……)

まどか「え?でも、マミさん魔女を倒す時いつも呪文唱えてるよ!?」

さやか「うん!私も聞いてるよ!」

光「てぃろふぃなーれ?」

まどか「うん、ティロ・フィナーレ」

マミ「……鹿目さん……実はあれ叫ばなくても撃てるの」

まどか「え!?」

ほむら「詳しい話は後!今は魔物を……」

マミ「そっそうね!魔法が使えるなら任せてちょうだい!派手に決めるわ!派手にね!」

さやか「マミさん赤くなってる……」

海「何でもいいから早く倒しちゃってちょうだい!!」

ほむら「あっ待って巴マミ。グリーフシードの残数は少ないわ」

ほむら「もしもの時の事を考えて普段は借りた武器で戦って魔法は使わないようにしましょう」

マミ「……そっそれはそうした方が良いんでしょうけど……でも……」

ほむら「それに今回は魔法騎士の三人で戦ってちょうだい」

光・海・風「えええええええっ!!!!」

今日はここまで
続きはまた今度
あとそろそろまた遠い所に行かなければならなくなりそうです


海「なんで!?どうしてよ!!?」

ほむら「話を聞いた限りでは、貴方達が成長して魔法騎士にならなければこの世界は救えないみたいじゃない」

海「まっまぁそうね……」

ほむら「それに、どれくらい戦えるのか知らなきゃ守る事も鍛える事もしづらいわ」

風「鍛える……ですか?」

ほむら「ええ、実戦が基本になるでしょうけど旅している間に私と巴マミで貴方達を鍛えるつもりよ」

まどか「実戦って……それはちょっときつ過ぎない?」

マミ「確かにきついでしょうけど、そうも言ってられないわね」

さやか「マミさん?転校生の案に賛成なんですか!?」

マミ「ええ。時間があれば安全に鍛えれたでしょうけど……そんな余裕はないみたいだし、旅もしながらじゃなおさらね」

ほむら「貴方達が『魔法騎士』なれなければ、私達もこの世界も未来はないわ。多少の無茶は覚悟して」

光「うっうん……がんばる!」

海「でっでも私達だけでって……どーすればいいぉ!?」

ほむら「武器があるでしょ?」

風「そうそう、プレセアさんに武器を貸していただいたんでしたわ」

光・海「おおっ!」

さやか「何で忘れてるのよ……」


光「――――――――」

海「――――――――」

風「――――――――」

さやか「おおっ!本当に手の宝石から武器が出てきた!」

ほむら「これは……」

マミ「へぇ……」

海「なかなか様になってるじゃない、二人共」

風「私、学校では弓道部ですの」

光「私は家が剣道の道場やってるから、小さい時からずっと剣道やってたんだ」

海「なるほど。確かに『今の私達に一番合った武器』だわね」

魔物「シャーーッ!!!」

光「!!」

まどか「ああっ今まで傍観していた魔物が襲いかかってきたよ!」

ほむら「数が多かったから誰から狙うか迷ってたんでしょうね」

マミ「それで武器を出したから優先して襲いかかってきた、と言う訳ね」

さやか「のんきに解説してる場合ですか!?今のところ皆避けてるですけど」

海「ねえ試しに魔法唱えてみてよ」

光「えっでもプレセアがここは『沈黙の森』で魔法は使えないって……」

さやか「そうだよ!使える訳ないじゃない」

風「クレフさんの精獣も消えてしまいましたしね」

海「ものは試しよ。ほら魔法だったら、あの馬に乗った女王様みたいなおばさんもやっつけられたわけだし」

海「使えたらきっと便利よ」

ほむら「……まぁ一度検証するのは良いかもしれないけど」

光「うっう、うう……うん」

光「すぅ…………炎の矢!!!!」


光「……………………」

海「……………………」

風「……………………」

まどか「……………………」

さやか「……………………」

マミ「……………………」

ほむら「……………………」

魔物「……………………」

光「はれ?」

さやか「な……何も起こらない」

まどか「しぃ……んん、とした感じが痛々しいよ……」

風「やっぱり駄目みたいですわね」

海「じゃあクレフが私達にくれた魔法が、一体何なのか全然わからないじゃないの!」

マミ「使えないのは仕方ないから武器で戦う様にしなさい!」

海「ああっせっかく『魔法少女』になれるチャンスだったのに」

風「この『沈黙の森』を抜ければきっと憧れの『魔法少女』になれますわ」

ほむら「貴方達は『魔法少女』じゃなくて『魔法騎士』になりなさい!」


魔物「シャーーアアアッ!!!」

光「!」

さやか「おおっ!あの子、体格差が十倍ぐらいあるのに剣で魔物の攻撃受け止めたよ」

光「くっ!」

風「――――――――」

まどか「あっ弓を……」

風「!」

魔物「!――――オオオオ!!!!」

さやか「うわっ目玉に命中したよ!」

海「!」

魔物「ガアアア!!!!」

マミ「脇腹を剣で斬り裂いたわね……」

まどか「あっ跳んd」

光「たああぁっ!!」

魔物「――――――――」

ほむら「頭頂部から一刀両断……やるわね」


海「やったわね!」

風「皆さんご無事で良かったですわ」



さやか「うわぁ……」

まどか「すっ凄い……」

ほむら「これは流石『魔法騎士』と言ったところかしら」

マミ「皆予想以上ね。本当に今まで普通の中学生だったのか疑問に思う程に」

まどか「本当!凄い!凄いよ皆!」

さやか「特に一刀両断した子ただ者じゃないよ!!」



海「強い強い!凄いのね」

光「――――」

ほむら(抱きしめられて撫でられてる姿は猫みたいに可愛いのに……)

海「……えっと名前は」

光「獅堂光」

海「光ね。『光』って呼んでいい?」

光「うん!!」

海「貴方は?」

風「鳳凰寺風ですわ」

海「じゃ『風』ね」

風「貴方は龍咲海さん。『海さん』ってお呼びしてよろしいですか?貴方は『光さん』でよろしいですか?」

海「これから私達は『運命共同体』なんだから呼び捨てで良いわよ」

光「私も光で良いけど」

風「いえいえ、私はさんづけでお呼びするのが親愛の証ですから」

海「へえ」

光「じゃ私は『海ちゃん』と『風ちゃん』でいいかな?」

海「いいわよ」

風「『風ちゃん』なんて呼んでいただくのは初めてですわ」

光「海ちゃん。風ちゃん」

ほむら(にこにこしながら笑顔で名前を呼んでる……気の所為か猫の耳が見える気がするわ……)

海「……光って今時珍しく純朴そうな娘さんよね」

風「ほんとうに」


さやか「ちょっとちょっと!呼び方決めてるの?私達も入れてよ!」

まどか「その……三人とも凄かったよ!何かこう……上手く言えないけど本当に凄かった!」

ほむら「ええ、思ったより動けて強かったわ。初めての実戦なのにあれは驚いたわ」

マミ「本当、これなら教えるのも楽そうだし何とかなりそうね」

海「ふっふ~~ん、もっと言っていいわよ」

風「ふふっありがとうございます。皆さんもさんづけで呼んでかまいませんか?」

マミ「ええっかまわないわよ。さっきの話聞こえてたけどさんづけで呼ぶのが親愛の証なのよね?」

さやか「じゃあ私は海みたいに呼び捨てで良い?」

海「良いけど、もう呼んでるじゃないの」

まどか「私は光ちゃんと同じでちゃんづけでも良いかな?」

光「うん!おそろいだね」

風「あらあら、風ちゃんって呼ばれるの二人目が現れましたわ」

光「皆もちゃんづけで呼んでいいのかな?」

さやか「まどかで慣れてるからどんどん呼んじゃってよ」

光「うん!『さやかちゃん』と『まどかちゃん』と『ほむらちゃん』と『マミt」

海「光、待った!」

光「え?なっなに?」

風「マミさんは年上で先輩の様ですし、ちゃんづけは失礼になりませんか?」

マミ「え?いや別n」

海「それにこれから戦い方とかを教えてくれる言わば師匠になるんだから、さんづけの方が良いんじゃないかしら?」

さやか「そう言えば、まどかもマミさんだけはさんづけで呼んでるね」

光「なるほど……それじゃあ『マミさん』って呼ぶね」

マミ「えっあっ……うん」

マミ(一人だけ皆から『さん』づけ……わかっていた事だけどやっぱり寂しい……)


海「私もマミさん以外は呼び捨てでかまわないわよね?」

さやか「OK!OK!」

マミ「私は……苗字にさんづけで良いかしら?」

風「先輩ですし、これから師事する事になるのですから呼び捨てでかまいませんわ」

マミ「いえ、鹿目さん達もそう呼んでいるからそっちの方が慣れてるのよ」

海「そう言う事なら良いと思いますよ」

さやか「え~~とこれで全員決まったかな?」

まどか「さやかちゃん、ほむらちゃんがまだだよ」

ほむら「…………」

光「 ワク ワク 」

さやか「あ~~……転校生の呼び方って……」

ほむら「フルネームで呼ぶわ」

光「え!?」

ほむら「もうその呼び方の方が慣れてるから」

光「そっそうなのか……」

海「フルネームって……珍しいわね……」

風「そんな呼び方で呼んでいただくのも初めてですわ」

さやか「なんで少し嬉しそうなのよ……」

光「名前で呼んで欲しいけど駄目かな?」

まどか「私もそっちの方が良いと思うけど……どうかな?」

ほむら「……そうね、考えとくわ」

さやか「これ絶対変える気ないよ!?」

モコナ「ぷぅ」

光「モコナ!大丈夫だった?モコナ」

海「あっこのぉお!いったいどこに隠れてたのよ!!」

さやか「いないと思ったら一人逃げてたのね!?」

モコナ「ぷぅぷぅ」

まどか「喜んでるね……」

海「ああ、全然反省してない!!この子が一体何の役に立つと言うのよ!!」

ほむら「丸々太ってるし囮になら使えるかしら?」

マミ「!今、向こうの茂みから物音が聞こえたわ!」

ほむら「皆警戒して!新手かもしれないわ!」

光「!!」

海「また魔物ぉ!?」

さやか「よぉ~~し今度は私達の番だあぁ!!行くよまどか!」

まどか「えっあっ、うっうん……」

ほむら「ばっ!ちょっちょっと待ちなさい!!」

風「武器を取り出して二人が音のしたらしき方へ駆け出しましたわ!」

マミ「鹿目さん!美樹さん!!近づいちゃ駄目!!」

魔物「シャアアアアッ!!!!」

今日はここまで
続きはまた今度
次は遠くに行く事になったので少し間が空くと思います


海「おっきな花!?」

風「花型……植物型の魔物ですわ!」

さやか「こんなの私達だけで……でえええいいっ!!!」

魔物「シャアアアッ!!!!」

マミ「美樹さんが剣で魔物を斬りつけたわ!」

光「駄目だ!あんな斬り方じゃ斬れっこない!!」

ほむら「二人共下がりなさい!!」

さやか「わっわっま……まどかぁ!!」

まどか「えっえーいっ!!」

ほむら「貴方達じゃむrきゃっ!」

マミ「危なっ!」

海「ちょっ!?こっちに飛んできたぁ!!?」

風「構えからできてませんからあれでは何所に飛ぶかわかりませんわ!」

魔物「キシャアアアアッ!!!!!」

さやか「うわっ!マっマミさぁぁん!!!」

光「駄目だ!さっきの矢で追いかけてた二人がバランス崩してる!間に合わない!!」

まどか「さやかちゃぁああん!!!」

マミ(くっ!魔法で間に合え間に合え間に合え間に合え間に合……わない!?)

魔物「ガアアアアアッ!!!!!」

ほむら(――――――っ!!!)


さやか「あっあれ?」

海「魔物の動きが……止まった?」

ほむら「いえ、これは……」

魔物「――――――――」

光海風「え!?」

まどか「魔物が真っ二つに……」

マミ「割れた……」

さやか「もっもしかして、さっきの私の攻撃で……」

ほむら「そんな訳ないでしょ。魔物本体どころかツルさえ斬れなかったのに」

さやか「うぐっ……それじゃあ一体誰が……」



????「お前たち何者だ!?」



さやか「えっ!?木の上に誰かいるよ!?」

まどか「男の子?大きな剣を持ってる、あの人が助けてくれたんだ」

さやか「そっか、お~~い!」

マミ「待って美樹さん!」

さやか「え?」

ほむら「警戒をしておきなさい、まだ味方と決まった訳じゃないのよ」

海「……敵かしら?」
                                    アルシオーネ
風「……さあ、一応『人型』はなさってますけど先程のおばさんの例もありますから安心できませんわね」
.      アルシオーネ
まどか「おばさんの仲間かも知れないんだ……」



光「あっ」

モコナ「ぷぅ」

さやか「ああっあの白いマシュマロ、あの男の子に飛んで行ったよ」

????「……!!」

マミ「まとわりついてるわね」

モコナ「ぷぅぷぅ」

????「な……なんだこれは……」

ほむら「頭の上で踊ってる……」

光海風まどかさやかマミほむら「「「「「「「……………………」」」」」」」

光「…………」

海「光の剣が……!」

風「手の飾りに戻ってしまいましたわね」

光「…………」

さやか「ちょっ!?なんで近づいて行ってるの!?」

海「光!!」

風「なるほど、光さんが戦う『意志』をなくしたから剣もなくなったんですわ」

ほむら「『意志』……」

海「戦う『意志』をなくしたって……」

さやか「あっ光が!」

海「あっだめよ!まだ敵が味方かもわからないんだから!」

光「大丈夫だ、だってモコナが……あんなに嬉しそうなんだもの」

モコナ「ぷぅ」

????「…………」

まどか(頭の上にしがみつかれてブスッとしてるけど追い払おうともしてない……良い人なのかな?)


光「助けてくれてありがとう」

????「お前達何者だ?」

光「私は獅堂光、見滝原から来たんだ」

????「……ミタキハラ?なんだそれは」

ほむら「止めなさい」

光「私達はエメロード姫に招喚され……むぐむぐ」

光「むぐぐ……海ちゃんどうして急に……?」

風「まだあの方が私達にとって『良い人』なのか『悪い人』なのかわかりません」

まどか「私には悪い人には見えないよ?」

風「もしあの方がザガートさんとやらの関係者だったら」

風「私達がエメロード姫に呼ばれて『セフィーロ』に来た『異世界』のモノだと知れたら……」

風「私たちきっとここで殺されますわ」

マミ「まぁもし襲って来ても大人しく殺されはしないけどね」

光「……でもモコナが……」

海「モコナはいつもああなのかも知れないわよ」

光「でも……助けてもらったのに……」

さやか「そっそうだよ!さっきあの子がいなかったら私危なかったんだから!」

ほむら「その事については二人には後で話があるわ」

マミ「私もよ……」

さやか「なっ何か二人が怖いんだけど……」

風「親切で助けてくださったのかは、これから確認すれば良い事ですわ」


風「私は鳳凰寺風、こちらは……」

海「龍咲海よ」

まどか「鹿目まどかです」

さやか「わたし、美樹さやか」

マミ「巴マミよ」

ほむら「……暁美ほむら」

????「多いな……」

風「よろしかったら、お名前をお聞かせいただけませんか」

????「俺はフェリオ」

フェリオ「お前たちどうして『沈黙の森』何かでうろちょろしてるんだ?」

フェリオ「ここは『魔法』も『呪文』も使えない、もちろん『魔法書』も『魔法具』もだ。使えるのは自分の『頭』と『体』だけ」

マミ(魔法書……何所かで手に入らないかしら)

ほむら(魔法具……何所かで手に入れられないかしら)

フェリオ「相当の剣技がないと生きて出られない所だぞ」

海「そう言う貴方はどうしてここにいるの?」

フェリオ「俺はこれから『エテルナ』に行くところだ」

光海風まどかさやか「「「「「『エテルナ』へ!?」」」」」

ほむら《敵かしら?》

マミ《まだ分からないわ》

海「エ……『エテルナ』に何しに行くの!?」

フェリオ「『伝説の鉱物・エスクード』を取りに」

光海風まどかさやか「「「「「えええええ!?」」」」」

ほむら《取りあえず拘束してから話を聞く?》

マミ《そうね、その方がよさそうね》

今日はここまで
続きはまた今度
色々あって腰が横に曲がってて碌に座れないから少し投下感覚が空くかも知れません


海「ちょちょっと『エスクード』ってプレセアが取ってこいって言ってた『武器のもと』よね!」

光「うっうん」

さやか「それってつまり……」

海「フェリオって子はライバルって事!?」

光「ええ!?」

まどか「そう言う事に……なるのかな?」

風「…………」

海「『エスクード』って沢山あるのかしら!?私達の分無くなっちゃわないでしょうね!?」

さやか「それは困る!!せめて私とまどかと光と海と風とマミさんの分はないと困るよ!!」

光「ほむらちゃんの分は!?」

さやか「転校生は元々魔法少女だし、どうとでもなるって」

海「マミさんも魔法少女でしょ?」

さやか「いや、ほらマミさんは……今武器が……鞭だし」

海「ああ……」

まどか「あっあの子、木の上から跳び降りてくるよ」

さやか「よっよし、何とか交渉して『エスクード』分けてもらえるよう頼んd……」

ほむら「っ!!」

フェリオ「え?――ぐえっ!?」

まどか「あっ、跳び下りてる最中にほむらちゃんの投げた石が直撃して体制を崩して落ちたよ!」

マミ「はあっ!!」

海「あっマミさんが鞭を振るってあのフェリオって子を絡めとったわ……鞭でも大丈夫そうよ?」

さやか「さすがマミさん……って二人共何やってるの!?」

ほむら「敵か味方が分からないから、取りあえず捕縛してみたわ」


フェリオ「なっ何しやがる!?」

さやか「確かに敵か味方か分からないけど、これはやりすぎじゃ……」

海「一応さっき助けてもらったんだし……ぐるぐる巻きの簀巻はさすがに……」

フェリオ「解いてくれよ!俺が一体何したって言うんだよ!!」

ほむら「剥き身の剣を手に持ったまま跳び下りて近づいてきたわ」

フェリオ「……………………いや……まぁ……」

マミ「こんな魔物がウヨウヨしている様な森に来る目的なんて『エスクード』以外にないでしょうね」

ほむら「そんな森で、私達武装をした集団を見つけて、数を頼りに先に手に入れられたら堪らないと」

ほむら「推定ライバルを蹴落としにかかった……そうも考えられるのよ」

さやか「うっう~~ん……でもちょっと攻撃的すぎじゃぁ……」

フェリオ「いやそんなつもりじゃ……単に魔物に襲われてると思って助けただけだったんだけど……」

マミ「そりゃあ美樹さんを助けてくれたのは事実だけど……武器を収めてから降りてきてくれたらここまではしなかったわ」

フェリオ「だって何所から魔物が襲ってくるかわからないから……」

ほむら「それならあのまま木の上で話すべきだったわね」

フェリオ「うっ……ぶっ武器を出したまま近づいたのは悪かったよ……」

フェリオ「でも、近づいたのは単にあの距離じゃ話をし難かったからなんだ、信じてくれよ」

まどか「嘘を言ってる様には見えないけど……」

光「信じても大丈夫じゃないか?」

ほむら「嘘は言ってないけど真実を喋っているとは限らない、そんな喋り方もあるのよ」


風「フェリオさん……でしたわよね」

フェリオ「あっ?……ああ」

さやか「風?一応、危ないかもしれないから近づかない方が良いよ」

風「『エテルナ』に行かれるんでしたわよね」

フェリオ「ああ」

ほむら「…………」

風「『エテルナ』までの道はご存じですの?」

フェリオ「さっきも言っただろう。この『沈黙の森』では魔法は一切使えない」

フェリオ「もちろん『魔法磁石』も何の役にも立たない」

まどか「魔法磁石って何だろう?」

マミ「察するに方位磁石の魔法版かな?さっき言ってた魔法具かしら」

フェリオ「『エテルナ』へはこの『沈黙の森』を通らなきゃいけない事は知ってるが、『森の出口』は自力で探すしかない」

フェリオ「だから俺に頼られても無理だぜ」

さやか「この状況で頼られてもとか言われても……」

風「『出口』は知っていますわ」

フェリオ「なんだって!?」

さやか「ちょっ!?」

海「ふ……風?」

風「…………」

まどか(にっこり人差し指を立てて笑ってる)

ほむら(黙ってろって事ね……どうするつもりかしら)


フェリオ「出口を知ってるだって?おいおい寝言は寝てから言えよ」

風「あら?どなたか眠ってらっしゃいました?」

フェリオ「…………っ」



さやか「強いて言うなら、縛られて転がされているこの人が寝ているとも言えなくはないかも」

海「いや、今そう言うのはいいから」



フェリオ「……『出口』を知ってると言うのは本当か」

風「本当ですわ。でも、信じないのならそれまでですけれど」

フェリオ「…………『出口』はどこだ」

風「……知りたいですか?」

フェリオ「お前達が知ってるのならな」

風「お教えしてもよろしいですわ」



光「風ちゃん何するつもりだろう」

海「……わかってきたわ」

マミ「……ちょっと危なっかしいわね」



風「でも条件があります」

フェリオ「条件?」

風「私達を『出口』まで一緒に連れて行って下さい」



海「ふ」

光「にゃっ?!」


光「風ちゃん!?」

海「やるわね風」

さやか「どう言う事!?」

まどか「わかんないよ!?」

マミ「……一つの手ではあるけど」

ほむら「まだ信用して良いかわかってないのに……」



風「この森には魔物がたくさんいるようですね。私達だけで、この森から脱出するのはかなり難しそうですわ」

風「だから私達と一緒にこの『沈黙の森』で行動してくだされば『出口』までご案内しますわ」

フェリオ「……嫌だと言ったら?」

風「私達の後をつけても無駄ですわよ。私達だけでは、この森からは生きて出られそうにもありませんもの」

風「貴方も遭難なさるでしょうけど」



海「にやり」

光「風ちゃんかっこいい」

さやか「えっでも魔法少女の二人がいるし生きて出られないってのは言いすぎじゃ……」

ほむら「しっ!ああ言ってた方が相手も油断するでしょ?わざわざ敵かも知れない相手に情報を渡す必要はないわ」

まどか「え?でも……」



フェリオ「…………俺は護衛ってわけか……でもあっちの二人はやたら強そうだけどな」

フェリオ「俺あっさり拘束されたし、護衛いらなくないか?」



まどか「うん……捕まえて縛り上げてるんだから、やっぱり二人の方があの人より強いと思うよね……」

今日はここまで
続きはまた今度


風「あの御二人は確かに強いですわ……ですが私や残りの方々はどう見えますか?」

フェリオ「どうって……まぁ、さっき魔物に襲われていたのは『武器を持っただけ』の女の子に見えたけど」



さやか「う……」

ほむら「的確だけどそのままね……」



風「その通りですわ」

フェリオ「ん?」

風「あちらの二人は武器を持ったのも今日が初めてなのです。それに残った私達三人も実戦は今日が初めてです」

フェリオ「なんだって?おいおい、いくらなんでも……」

風「ええ、あの御二人がいくら強いと言っても私達五人も足手まといがいたらどうなるか……」

風「少なくとも全員無事にこの森を抜けられる可能性は高くはないでしょう」

フェリオ「だから俺を護衛にって訳か……」



まどか「うぅ……分かってはいたけどやっぱり私達って足手まといだよね……」

さやか「こっこれから強くなれば良いんだよ」

ほむら「……………………」



風「『世の中持ちつ持たれつ』ですわ」

フェリオ「なんだそれは」

風「私達の国の格言ですわ」

フェリオ「国……?お前たち旅行者か?」

風「…………」

フェリオ「何所から来た?」

風「…………」



さやか「にっこり笑ってる……」

マミ「ああ言う場面であんな風に笑える子はいざとなったら恐いわよ」


フェリオ「なかなか食えない奴だな」

風「おいしく頂かれては困ってしまいますわ」

フェリオ「わかった……だからもう解いてくれ」



さやか「そう言えばまだ縛ったままでしたね」

マミ「でも……まだ安全かどうか分からないし解いていい物か……」

ほむら「巴マミ……解いて良いわ」

マミ「暁美さん?」

ほむら「信用はまだできないけど、確かに私達だけでは全員無事にこの森を抜けられるとは限らないわ」

ほむら「この世界は私達のいた世界とは違う、しかもこの森はこの世界でも特殊な場所みたいだわ」

マミ「だからこの世界の住民であるあのフェリオって子に……と言う訳ね」

ほむら「まぁ他にも理由はあるけど……」

海「他?」

ほむら「……貴方達……食糧は持ってる?」

光「……………………え?しょく……?」

ほむら「食べ物の事よ」

マミ「い……いえ……持ってないけど……」

ほむら「そうでしょうね。私も持っていないわ、抜けるまで何日かかるか分からない森の中を」

ほむら「結構な数の人数で戦闘をしながら進まなきゃいけないと言うのにね」

まどか「も、森の中なんだから果物ぐらいあるんじゃないかな?」

ほむら「どれが食べられるやつか判別できる?医者もいないし薬もないから毒のあるのとか食べたら危険よ」

マミ「……つまり他の理由って……毒見役?」

さやか「!!」


ほむら「……いえ、食べられる果物や危険な植物とかの情報を教えてもらうつもりだったのだけど……」

マミ「…………そうよね……うん、分かってたわ……」

まどか「マミさん……」



フェリオ「あ~~……これ解いてくれないか?」

風「マミさん、解いてあげていただけませんか?このまま放置して行く訳にも行きませんし」

マミ「あ、うん……」

フェリオ(何かすんなり解いてくれたな、もう少し渋るかと思ったんだが……)

さやか「うわ……鞭の跡が……」

風「あの……勝手に護衛をお願いしてしまったのですが……」

マミ「いえ、大丈夫よ。確かに私達だけじゃみんな無事にこの森を抜けられるかわからないからありがたいわ」

ほむら「でも妙な真似をしたらその時は……」

風「ええ、それで良いですわ」

フェリオ「おいおい……」

海「あの二人だけじゃなく風も……その……厳しいわね……」

さやか「あんまり怒らせないようにしよう」

まどか「うん……」


フェリオ「ふぅ……やっと解放された」

マミ「拘束してごめんなさい、それと護衛よろしくお願いするわね」

ほむら「さっきは石をぶつけてごめんなさい、この森の事詳しくないから後で色々教えてもらえると助かるわ」

フェリオ「お、おう……」

海「……魔法少女って図太くなきゃ駄目なのかしら?」

さやか「そんな事はない……と思いたい」

まどか「ん?何か今音が……」

フェリオ「!新手か!?」

さやか「うわっ!さっきの植物の魔物とよく似た魔物が飛び出してきたよ!」

魔物「シャアアアア!!!」

フェリオ「――――ッ!!」

魔物「ガアアアアッ!!!!!」

マミ「一撃で真っ二つに……御見事!」

海「良いボディガードになりそうね風」

風「私達だけではこの『沈黙の森』から何事もなく出るのは難しいですわ」

風「でもあの方がいてくださったら無事森を脱出できる確率も増えます」

マミ「彼女、なんと言うか……凄いわね」

さやか「う、うん。本当に普通の中学生だったのか疑いたくなってきますよ」

海「でも本等にモコナが『エテルナ』までの道を知ってるのかしら」

モコナ「ぷぅぷぅ」

さやか「耳閉じたり開いたりして能天気に笑って……いつも笑ってる様な顔だったけ」

海「だめかも……」

ほむら「知らなかったら捌いて燻製にでもして食料にしましょう」

マミ「……それもやむなしかしら……」


光「すごいっ!そんな大きな剣を片手で扱えるなんてすごいな!ものすごく修行したのか!?」

まどか「あんな大きい魔物を一刀両断なんてすごいですっ!私、感動しました!!」

フェリオ「ああ……」



ほむら「二人とも凄く良い笑顔で……いえ、言われた本人もつられたのか良い笑顔で答えてるわね……」



フェリオ「『エメロード姫』の為にな」

まどかさやか光海風「「「「「え」」」」」

ほむら「――――」

マミ「――――!」

フェリオ「ぼやっとここに立ってたら何匹魔物を倒してもきりがない!」

まどか「そう言えば上の方で飛んでる魔物の鳴き声が聞こえるよ」

フェリオ「どっちへ行くんだ!」

まどかさやかマミ光海風「「「「「「じぃっ」」」」」」

モコナ「…………」

ほむら(これでこいつが知らなかったら色々台無しね……その時は……)

さやか「なんでいきなりゴツイナイフ取り出してんのよ?」

モコナ「ぷぅ」

まどか「あっ……」

光「モコナの額の宝石みたいなのが……!」

海「光ってる」

マミ「!」

ほむら「宝石から光がレーザー光みたいに……これはやっぱり……」

風「モコナさんの額から出た光が差している方が『出口』ですわ」

今日はここまで
続きはまた今度


光「『エテルナ』はこの先だ、行こう!」

ほむら「フェリオって言ったわね?あなたが先頭を行って。巴マミ」

マミ「ええ、私は中心でいざと言う時に備えるわ。暁美さんは最後尾お願いね」

フェリオ「おうっ!他の奴等は俺達の間にいて魔物が襲ってきたら倒せそうな奴だけ相手しろ、無理はするなよ」

さやか「おおぅ……てきぱきと……」

海「頼もしいわね、戦力が増えて助かったわ」

フェリオ「良しっ!行くぞ!」

ほむら「あっ途中で食べられる果物とかあったら取ってね」

まどか「あっこけた」

風「勢いをつけた所で転んだので痛そうですわね」

フェリオ「いてて……あのなぁ……」

ほむら「今食糧持ってないのよ。この国の住人じゃないからどれが食べられる果物なのか分からないし」

ほむら「それとも襲ってきた魔物をさばいて食べたいのかしら?」

フェリオ「ぬ……まぁ仕方ないか。わかった、でも進むのを優先させてもらうぞ」

ほむら「それでいいわ、高い所にあるのは巴マミお願いね」

マミ「ええ……ムチで絡め取るわ。このムチある程度長さが自在に変わって使いやすいわね」

さやか「おお……マミさんがムチを気に入ってる」

ほむら「取ったやつは私に渡してくれたら盾の中に収納するわ」

フェリオ「それじゃ、今度こそ行くぞ!」


~~沈黙の森・奥?~~

ほむら「日が落ちてきたわね。そろそろ野営の準備をしましょう」

海「野営って言っても……テントも何も無いんだけど、どうするのよ?」

さやか「そこはほら……詳しそうな人がいるし、ね?」

フェリオ「俺かよ!?まぁ良いけどよ……」

マミ「薪を用意して、枯葉で寝床を作って、あっ適当な大きさの石持って来て椅子変わりにして……」

フェリオ「……俺いらなくないか?」

ほむら「知識はあっても実際にした事はないのよ……焚き火する為に少し掘った方が良いわね」

風「魔物が徘徊する危険な森で野宿するのなんて初めてですわ」

まどか「流石に皆初めてだと思うよ……」

光「あっはは。……!?モコナ?」

モコナ「ぷぅ~~」

ほむら「額の宝石からまた光が――――!?」

マミ「え?これは……テント……?」

海「と言うより卵型の家が出てきたわよ!?」

さやか「なにこの……これ……何でもありかこいつ!?」

まどか「旅に必要なモノを持ってるってこう言う事だったんだ……」

マミ「用意が無駄になったけど野宿はしなくてすみそうね……」

光「なんで残念そうなんだ?」

フェリオ「俺が使うから無駄じゃないぞ」

まどか「え?一緒に中に入らないの?」

フェリオ「会ったばかりの奴をそこまで信用するなって」

光「大丈夫だよ、私達も出会って一n」

ほむら「中に入るわよ」

風「ええ、さあ中に入りましょう。おほほ」

光「え?あ?う……うん」

フェリオ「…………」


~~テントの中~~

光海まどかさやか「「「「ぅわぁあああ~~~~」」」」

光「すっごぉ~~いぃ!」

まどか「ベッドにテーブルやソファ……」

風「パジャマまで、いたせりつくせりですわ」

海「ここはホテルか!?」

マミ「あら?テーブルに果物が……食糧用意してあったみたいね」

さやか「えっ?あんなに苦労して果物集めたのにぃ、先に言いなさいよ」

ほむら「……聞かれなかったから言わなかったのね」

モコナ「ぷぅ?」

ほむら「…………」

光「ねえ、フェリオに食べ物持って行って良い?そんなに悪い人に見えないし」

風「光さんって優しいですね。良いですよ」

光「ほんとぉ!」

風「でも、持って行くのは私です。光さんは優しすぎますから、食物でなくこのテントにお呼びしかねませんもの」

海「確かに言えてる」

まどか「駄目……なの?」

マミ「流石にそこまで信用するのはまだ早いと思うわ。彼も言ってたでしょ?会ったばっかりなのに信用するなって」

光まどか「「でも……」」

さやか「いやそれ以前に女の子ばかりの中に男が入ってくるのは……」

ほむら「向こうも居心地悪いでしょうしね」

まどか「あ……」

光「そうなのか?」

海「そう言うものなの」

光「ふ~~ん」

ほむら「食べ物は私が持って行ってくるわ、盾の中に入れたのを幾つか渡してくるわ」

風「そうですか?それではお願いしますね」


~~沈黙の森・テントの外~~

ほむら「食糧持ってきたわ、ここに置いとくから食べなさい」

フェリオ「待ってくれ」

ほむら「他に何かあるの?」

フェリオ「しばらく……そばにいてくれないか」

ほむら「……何をバカな事を」

フェリオ「一人で食事をしたくないんだ」

ほむら「…………」

フェリオ「これを食べ終わるまででいい、ただ暫くそばにいて欲しいんだ」

フェリオ「ムスッとした顔のあんたでも、いないよりましだもんな」

ほむら「……早く食べなさい」

フェリオ「……意外だな、素直に待ってくれるなんて」

ほむら「良いから食べなさい」

フェリオ「ああ……」

ほむら「…………」

フェリオ「…………」

フェリオ(とまどう姿見たかっただけなんだけど……く、食いづらい……)



~~テントの中~~

さやか「転校生、食べ物持って行くだけなのに遅いね……」

海「何か話してるのかしら?」

光「話しって?」

マミ「異世界に来てパーティーに初めて入った異世界の戦士の男の子……なるほど暁美さんも女の子ね」

まどか「いやマミさん、流石にそれは……」

風「……食べ物を持って行くのを変わったのはそう言う意図があったのですね」

まどか「え?」

さやか「ほっほぉ~~ぉ」

光「???」


ほむら「遅くなったわ」

光「あっおかえり、遅かったね」

さやか「ふっふっふ、何をしていたのかなぁ~~」

ほむら「ちょっと食事につきあってただけよ」

海「食事!つきあった!へぇ~~」

ほむら「……何かあなた達変よ?」

風「あらまあ……うふふ……」

マミ「ふふっ……暁美さんは彼の事どう思ってるのかしら?」

ほむら「何よいきなり……そうね、普段は強がって格好付けてるけど本当は寂しがりやな甘えん坊……かしら」

ほむら(そう言う意味ではあなたに似ているわね……だからさっき、私は断らなかったのかしらね)

さやか「これは決まりかな?フフフ」

海「そりゃあ確定でしょうね。ウフフ」

光「何か皆が怖い……」

まどか「流石に早合点な気がするんだけど……」

ほむら「何故生温かい目で見てくるのかしら……」

マミ「それは私の口から言えないわ……恥ずかしくて」

海「照れない照れないわかってるから、うんうん」

風「おほほほほ」

さやか「まあ、転校生を弄るのはこれくらいにしてご飯食べて寝ようか。今日はなんだかんだで色々あったから疲れたよ」

まどか「そうだね。私も、もうへとへとだよ」

ほむら「……悪いけど寝るのはもう少し後よ」

海(ひょっ!?何か空気が変わった!?)

さやか「え~~何よまだ何かあるの?大事な事じゃなかったらもう明日にしない?」

風(これは……以前弓道の先生が同じ様な雰囲気をしていたのを拝見した事があります)

ほむら「…………」

まどか「えっえっと……マ、マミさ~~ん」

マミ「ええ、私もまだ寝るのは反対よ。今日やっておかなければならない事が残ってるの」

光(マミさんも同じ様な雰囲気に……一番上の兄様が子供を叱る時の感じに似てる……)

さやか「えっマミさん?今日やっておかなければならない事って……」

ほむら「昼間、後で話があると言ったでしょ?……お説教よ」

今日はここまで
続きはまた今度


~~数十分後~~

さやか「――――――」

まどか「――――――」

光「二人共……大丈夫?」

海「まぁ、お説教されただけだし……駄目じゃない?」

風「マミさんとほむらさんのお二人で。交互に、時には一緒に、激しく熱く、極寒の吹雪の様なお説教でしたわ」

ほむら「そんな訳のわからない事してないわよ……」

マミ「とにかく二人共わかったわね?今度からむやみに攻撃しに行っては駄目よ」

さやか「はっは~~い……」

まどか「わ……わかりました……」

ほむら「それとこれから時間のある時は美樹さやかは獅堂光に剣を、まどかは私と一緒に鳳凰寺風に弓を習うわよ」

さやか「うっ……わかったよ……でも、光だけ?海には教わらなくても良いの?」

ほむら「龍咲海は剣の種類が違うわ」

海「細い剣を使ってるけど戦い方はフェンシングのやり方で戦ってるからね」

海「さやかの剣は細くはないし合わないでしょうね」

まどか「風ちゃんごめんね。教えてくれる?」

風「教えるのはかまいませんけど、ほむらさんもですか?魔物との戦闘では使えてたみたいですけど」

ほむら「弓で戦うのは初めてよ」

ほむら「以前、弓で戦う魔法少女がいたからそれの見よう見まねと魔力で無理矢理補正しながら使ってたのよ」

ほむら「でも多少なりとも魔力を使うから、できれば魔力での補正はしない様にしたいの」

まどか「そう言えば、ほむらちゃんのソウルジェム少し濁ってきてるかも」

風「なるほど。そう言う事でしたらビシバシ教えて差し上げますわ」

ほむら「御手柔らかに頼むわ」

マミ「…………私はする事が無いわね……」

モコナ「ぷぅ~~」

マミ「ふふっ……そうね、私達ね」


ほむら「さぁ、皆疲れてるだろうし今日はもう休みましょう」

海「その事なんだけど……どうやって寝る?」

光「どうやってって……ベッドで皆で寝たら良いんじゃないか?」

風「それがベッドは大きいのが一つだけあるのですが、流石に7人は無理そうです」

マミ「本来『魔法騎士』の三人用として用意したものなのでしょうね」

さやか「あれじゃ詰めても5人……まどかと光が小さいから6人でも大丈夫かな」

まどか「小さ……!」

光「そうか、最悪一人別になるんだ……なら私が……」

海「いやいや、光かまどかのどっちかが抜けたら5人までしか無理になるわよ」

風「お二人はベッドで寝るのは決定ですわね」

マミ(後輩に囲まれて寝るのは幸せそうよね……でも、ここは年長として……)

さやか「元々敵対してたし転校生が一人で寝たら良いんじゃない」

マミ「あっ?」

まどか「さやかちゃん?」

さやか「いや冗d」

ほむら「それで構わないわ」

さやか「えっちょっ……だっだからそれは……」

海「ちょっと、あんな言い方したら誰でも嫌な気分になるでしょ!?」

風「そうですわね。さやかさんも悪気があって言った訳ではないのでしょうけど……」

さやか「う゛っ……」

光「あの……さやかちゃんも本気じゃなかったと思うんだ。だから……」

ほむら「いえ、あの……別に彼女の言動で気分を害した訳ではないわよ」

さやか「へ?」


ほむら「いくらこんなテント……と言っていいか分からない家の様なテントだけど」

ほむら「追手に追われている上に魔物が大量に徘徊する森の中なのだから、一人ぐらい見張りしておくべきよ」

海「見張り……そこまでする必要あるの?」

風「しないよりした方が良いでしょうね。やはり休んでいる時が一番狙われやすいでしょうから」

さやか「見張りって……どこで見張るのよ」

ほむら「入口の前ににソファーを移動させてそこで休みながら見張るつもりよ」

光「入口を見張るのか?」

ほむら「ええ。壁とか壊されて侵入された場合は……巴マミ、皆のガードをお願い。私の盾じゃ一方向しか守れないから」

マミ「……わかったわ。何所から攻められても守れるように私は中心でいるようにするわ」

まどか「でっでも……両端にほむらちゃんとマミさんがいたら更に安全になるんじゃないかな?」

ほむら「それをしたらベッドで寝られない一人が危険になるでしょ?」

まどか「あ……そうだね」

ほむら「それじゃソファー動かすから誰か手伝ってくれないかしら」

光「うっうん、わかった」



さやか「……………………」

まどか「さやかちゃん……?」

さやか「ん……ごめん、なんでもないから」

まどか「……うん」



ほむら「それじゃあ用意もできた事だし休みましょう」

光「……やっぱり私も一緒に……」

ほむら「こっちは大丈夫だからちゃんと休みなさい」

光「でも!」

風「光さん、休むのも仕事の内ですわ」

光「でも……」

風「今日は初めての戦闘もしてお疲れでしょう。その疲れを明日にも残していたら、何か失敗をするかもしれません」

海「そうね。そしたら余計な負担をほむらにも掛けてしまうわね」

マミ「さっき鳳凰寺さんも言っていたけど、ちゃんと休むのも大事な事なのよ?」

光「……うん」


ほむら「さてと……」

さやか「ちょっと待て」

ほむら「何かしら?」

さやか「……なんで寝るのにあのおばさん撃退する時に使ったライフル銃出してるのよ……」

ほむら「無断で侵入してきた輩を撃つためよ?」

さやか「んな……」

海「その銃うるさかったでしょ!?夜中に撃ったら目が覚めちゃうじゃない!?」

さやか「そんな問題!?」

風「でも侵入者がいらっしゃったのなら敵でしょうし目が覚めた方が良いんじゃないでしょうか」

さやか「えっあ……撃つのって間違ってない……のかな?」

まどか「でも、もしフェリオさんが入ってきたら……」

光「あっそうか……撃たれても大丈夫かなぁ……フェリオ」

マミ「確実に駄目だと思うわよ」

まどか「あっ危ないよ!ほむらちゃんそれ止めよ?」

風「しかし、女性ばかりのテントに男性が無断で侵入しようするなら、多少危険でも仕方ないのではないでしょうか」

海「多少所じゃないでしょ……それ」

ほむら「……まだ信用できないから」

光「え?」

ほむら「ザガートの手下ではないと分かった訳ではないもの。もし、彼が敵で私達が油断するのを待っているとしたら」

さやか「……その場合は寝静まるのを待ってから入ってくるって事?」

風「そうでしょうね……やはり撃退の用意をしておくべきですね」

マミ「違うのなら無闇に入ってくる事はないでしょうね、だから銃を撃つ用意しておいても問題無いわね」

まどか「でっでも……違う用事で入ってきたら……」

海「違う用事って?」

まどか「その……覗き……とか」

さやか「……あ~~……」

ほむら「撃っても問題無いわね」

風「ええ」

海「自業自得よね」

光「……いいのかな?」

マミ「それじゃあ色々決まった事だし、そろそろ寝ましょうか」


~~数分後寝床の中で~~

海(今日は色々あって疲れたわ……)

海(まさか『異世界』とか『魔法少女』とか、こんなファンタジーみたいな事が本当にあるなんてね)

海(……無事に帰れるわよね…………パパ……ママ……)



さやか(この世界は本当に私達の世界じゃないんだよね……)

さやか(魔法少女関連だけでもいっぱいいっぱいだったのに異世界なんて完全にキャパオーバーだよ……)

さやか(皆心配してるかな…………恭介も心配してくれてるのかな……)

さやか(……ほんと、何だろうこの状況……)

さやか(転校生も思ったほど悪い奴じゃないのかな……もう訳わかんないよ……)



風(異世界……初めはどうなるかと思いましたが、ほむらさんやマミさん魔法少女の方がいてくださって助かりましたわ)

風(拙いですが私達も戦う事が出来ますし何とかなりそうですわね)

風(『魔法騎士』になって『セフィーロ』を救えば元の世界に……)

風(そう言えば、お土産に見滝原タワー名物の『子猫饅頭』頼まれているの忘れてましたわ)



マミ(不謹慎かもしれないけど、なんだか私……この世界に来て幸せな気がする……)

マミ(後輩の子達に囲まれて一つのベッドに寝たり)

マミ(一緒に世界を救うためにファンタジーな異世界を旅したり)

マミ(敵対していた子とも、何だかんだで共闘して和解の目ができたり)

マミ(油断できない状況だけど、誰かと一緒に同じ事をするのって楽しい……一人じゃないのって楽しい……)



光(兄様達心配してるかな……閃光も心配してるよね……)

光(『魔法騎士』になって『エメロード姫』を助けて『セフィーロ』を救えば帰れるから)

光(絶対に帰るから……だからそれまで、待っててね……)



まどか(パパ……ママ……タツヤ……)

まどか(きっと帰れるよね……ほむらちゃんもマミさんも『魔法騎士』の三人も強いもんね……)

まどか(皆が一緒ならきっと大丈夫だよ…………でも……私……足手まといだよね……)

まどか(契約……しとけば良かったなぁ……)



ほむら(『異世界セフィーロ』……こんな事今までなかったはず……)

ほむら(いえ……本来なら『魔法騎士』の三人だけが招喚されるはずだったなら、いつも知らない所で起こっていた?)

ほむら(なら、何故今回は私達も招喚されたの?)

ほむら(本当ならこんな事に関わってる暇なんて無いのに……早く帰らないとあいつが……)

今日はここまで
続きはまた今度
この時期は色々忙しいので少し間が空くかも知れません


~~次の日・森の中~~

ほむら「結構進んで来たけど、なかなか出口につかないわね……」

光「魔物の数も多いよ」

海「流石に全部は戦っていられないわね」

さやか「ひぃ……ひぃ……」

まどか「はぁ…………はぁ……」

マミ「二人共大丈夫?」

風「疲れ切ってますわね。無理もないですわ、欝蒼とした森の中を魔物と戦いながら進んでいるのですから」

まどか「な……なんで皆平気なの?」

さやか「魔法少女の二人はともかく、今まで戦った事が無かった筈の三人まで何でそんなに元気なのよ」

海「疲れてるわよ?まぁ、フェンシング……部活とかしていたから体力はある方だけど」

風「私も日頃からある程度は鍛えていますから」

光「私も昔から家の道場で……」

まどか「それだけでそんなに平気なものなの……?」

フェリオ「ほら、お前ら頑張れ。あまり長い事休んでると、また魔物が襲ってくるぞ」

さやか「ちょっ止めてよ!そんな事言うと……」

海「!!」

光「魔物だ!!」

ほむら「空を飛んでる……鳥型の魔物ね」

さやか「ほら言わないこっちゃない!」

フェリオ「俺の所為じゃない!走れ!!」

まどか「は……走るのぉ?」


さやか「なんで逃げるのさ!?」

海「どうしてあいつと戦わないの!?」

フェリオ「あの魔物には剣はきかない……お前たちそんな事もわからずにこの辺りをうろちょろしてるのか?」

ほむら(流石に今の状態じゃ、まだ飛んでる魔物を射落とす事は出来ないわね……銃を使えば……剣がきかない?)

フェリオ「お前達……旅行者とか言ってたが……本当は何者だ?剣士や騎士でないならどうして武器を……」

光海風「…………」

さやか「そんな事今聞いてる場合じゃないでしょ!?」

まどか「あの魔物、空飛んでるし早いよ!」

マミ「逃げるのは無理みたいね……」

魔物「ケェエエェン!!!」

フェリオ「追いつかれた!!」

光「ええいっ!」

さやか「やった!足を斬りs……うそぉ!?」

光「傷がふさがった!?」

フェリオ「だから言っただろう、そいつに剣は効かない!」

魔物「ケエエエンン!!!」

まどか「わわっ口から光線みたいなの吐いてきたよ!?」

海「ちょっちょっと、やたら強いわよ!」

ほむら「っ!!」

さやか「うわっ転校生の射った矢が目玉に……ってこれも効いてない!?」

風「弓も効きませんの?」

フェリオ「そいつは武器では倒せない」

海「『魔法』が使えない森で、武器も効かないなんてどうやってやっつけるのよ!?」

フェリオ「……頭を使うんだよ」

まどか「何か考えがあるの!?」

ほむら「巴マミ!」

マミ「わかってるわ!喰らいなさい!!」

魔物「グェエエェ!!!」

風「あら、マミさんが沢山の銃を何所かから出現させて放ったら魔物が穴だらけに……倒せましたわね」

海「魔法の銃弾なら効くのね……と言うかマミさんの武器も銃……魔法少女の武器って現代火器が主なの?」

フェリオ「…………」

まどか「……何か考えがあったの?」


光「やった!!」

海「……ほんっとうに魔法少女の人がいて良かったわ。いやーー強い強い」

さやか「ふっふっふ、マミさんの実力はまだこんなものじゃあないよ」

マミ「ふぅ、私達の魔法がこの森でも使えて良かったわ」

ほむら「ええ、まさか武器が効かない魔物がいるなんてね。できる限り魔法は温存したいけどそうはいかないようね」

フェリオ「何で『沈黙の森』で魔法が使えるんだ……お前ら本当に何者だ?」

まどか「えっえっと……それはその…………え?」

魔物「――――…………ッ!」

まどか「魔物がまだ生きてっ――――!?」

魔物「ケェエエエエ!!!!」

風「!!」

マミ「光線が鳳凰寺さんの方へ!?駄目!届かない!?!」

ほむら「避けなさい!」

フェリオ「ばか!なにつっ立ってるんだ!!」

風「――――」

さやか「あっ!風を庇って……」

光「風ちゃん!」

海「風!!」

まどか「二人共!……無事だ!」

さやか「とっさにフェリオが風を押し倒して光線避けたんだ!よくやったよ!!」

魔物「ッ……――――」

ほむら「……どうやら最後の力を振り絞っての攻撃だったみたいね。今度こそ死んだようね」

マミ「倒しきれなかった私のミスだわ……ごめんなさい」



風「……ありがとうございました。助かりましたわ」

風「でも……『ばか』なんて言われたのは初めてですわ」

フェリオ「……お前、ちゃんとかわいく笑えるんじゃないか」

フェリオ「昨日はちょっといじわるそうだったが、今のはかわいかったぞ」

風「…………」



さやか「あれ?風の顔、何か赤くなってない?」

まどか「うん……もしかして……ね?」


海「だいじょうぶ!?」

光「風ちゃん!!」

風「……大丈夫ですわ」

マミ「ごめんなさい。あの攻撃で倒せたと思って油断してたわ」

フェリオ「んーーあの魔物本当に死んだかな?」

風「――――――――」



さやか「……見つめてるね」

まどか「……見つめてるよ」

さやか「あれって……やっぱりあれかな?」

まどか「だと思うけど……」

ほむら「何の話をしているのあなた達?」

まどか「あっうん……その……まだ、はっきりしないんだけど……」

さやか「うん、あんたに強敵が現れたかも知れないって事」

ほむら「……もう一度聞くけど、何の話をしているの?」



モコナ「……ぷぅ~~」

光「どうしたのモコナ?首を横に振ったりして」

モコナ「ぷぅぷぅ」

光「え!?」

まどか「また額の宝石から光線が……あっ!」

光「出口だ!!」

海・さやか「やったーー!!」


マミ「思ったより早く森を抜けれたわね」

ほむら「ええ……でも気をつけないと、こう言う出口とかにはm」



さやか「やっと暗くてジメジメしてかなり不快指数の高く魔物の襲撃が不安だった森の外だぁ!!」

まどか「やっとお日さまの下に出れるね」

光「うん!」

風「さっ急ぎましょう」



マミ「えっ!?」

ほむら「ちょっと!?待ちなさい!!」

フェリオ「何を慌ててるんだ?」



海「これで憧れの魔法少女になれるわ!!」

さやか「だからあんた達は魔法騎士になりなさいって!」

モコナ「!ぷぅうう!!!」

光「モコナ?」

まどか「なっなに!?」

さやか「いきなり大声あげてどうしたのよ?」

ほむら「あぶない!!!」



?????「ニッ……」
          ア  ラ  イ  ア
?????「 氷 尖 撃 射 !」



海「きゃああああ!!!」

ほむら「――――ぁっ!!」

フェリオ「!!」

風「海さん!!」

まどか「ほむらちゃん!!」

さやか「なっ!?とっ尖った氷の塊が幾つも飛んで来て海と庇った転校生を……」

マミ「いけない!暁美さんの盾が間に合ってない!!」

マミ「あんな大きさの氷の塊が直撃したら大怪我じゃすまないわ、危険よ!早く治療を!」

光「海ちゃん!!ほむらちゃん!!」


今日はここまで
続きはまた今度


アルシオーネ「ほほほ、待ちくたびれてしまったわ」

アルシオーネ「異世界から来た『魔法騎士』の卵さんたち」

フェリオ「異世界!?」

さやか「この前襲ってきたおばさん!?」

アルシオーネ「おばっ……!?」

光「海ちゃん!ほむらちゃん!!」

まどか「いや……嫌だよ……ほむらちゃん!!海ちゃん!!」

風「……傷が深いですわ……早くお医者様にお見せしないと……」

光「…………――――ッ」

マミ「待ち伏せていたのね……ッ!」

アルシオーネ「『沈黙の森』では魔法は使えない、だからここで待っていたのよ」

アルシオーネ「あなた達が出口を探り当てて、無事森から脱出してくるのを」

アルシオーネ「あなた達に先程の御礼をするためにね!」

さやか「くっ……なんて陰険な人なの……」

アルシオーネ「最初に攻撃してきたそっちの娘は片付いたわね……残るは、そこの小さいあなたね!」

マミ(くっ……暁美さんと龍咲さんが……特に暁美さんは龍咲さんを庇ったせいで身体に何本か氷の塊が刺さったまま)

マミ(早く回復させないと手遅れになるのに、この人の相手ができるのは……私だけ……どうすれば……)

光「風ちゃん、まどかちゃん、海ちゃんとほむらちゃんをお願い」

風「光さん!」

まどか「……………………」

さやか「ちょっと!?何所行くの!?流石に今はおばさんの相手はマミさんに任せときなよ!」

マミ「獅堂さん?下がって!まだ今のあなたじゃ、あの人の相手は無理よ」

光「……よくも海ちゃんとほむらちゃんを……」

マミ「獅堂さん!?」

さやか「怒ってる……の?」

アルシオーネ「あなたは『魔法』が使えるようね」

アルシオーネ「でも、導師クレフの教え子でありエメロード姫付きの魔導師であるこのアルシオーネに勝てるかしら」

光「エメロード姫の!?」

風「……クレフさんの……教え子……」

さやか「うそ……でしょう?」


光「エメロード姫の魔導師なら、どうして私達の邪魔をするんだ!?」

マミ(まさか……この人洗脳されているの……?)

光「この『セフィーロ』が危ないって、クレフから聞いてないのか!?」

アルシオーネ「知っていてよ、でもそれがどうしたの?」

光「エメロード姫はこの『セフィーロ』を支える『柱』なんだろう!?そのエメロード姫が神官ザガートにさらわれたのに……」



フェリオ「やっぱりそうか」

風「…………――――」



アルシオーネ「私はそのザガート様にお仕えしているのよ」

さやか「なっ……んで……!?」

光「どうしてそんな奴に!?」



アルシオーネ「あの方を、愛しているから」



光「――――――――っ」

さやか「え…………」

マミ「っ…………!避けて!!」

アルシオーネ「  氷  槍  投  射  !!」


風「光さんあぶない!!」


光「っ!――――!!――――――ッ!」


さやか「わっ!す、凄い……撃ってきた氷の塊、全部飛び跳ねて避けちゃったよ」

マミ「でも、彼女一人だけ孤立させられたわ……そう簡単に合流させてくれないでしょうね」


アルシオーネ「ほほほ、身が軽い事。でも今度はそうはいかなくてよ」

アルシオーネ「そこのお嬢さんたちの様に、血まみれにしてあげる」



まどか「っ!」



光「…………――――海ちゃんとほむらちゃんにケガさせたな……」

光「海ちゃんとほむらちゃんと皆はこの『セフィーロ』で一緒に戦う大切な『仲間』なのに……」



風「光さん……」

さやか「なっなに?光の周りが……」

マミ「これは……獅堂さん自身から何かが沸き起こってる?」



光「   炎   の   矢   !!   」



アルシオーネ「!! 殻 円 防 除 !!」



マミ「!獅堂さんの放った炎の矢を球状の障壁で防いだ……いえ、これは……」


アルシオーネ「っ!」


さやか「いくつか障壁突き抜けて、おばさんにダメージ与えてる……凄い……」

マミ「強く……なってる?」


アルシオーネ「……さっきより魔法の力が増している……」



風「『意志』の力……」

風「海さんとほむらさんを傷つけられて怒った光さんの『意志』の力が魔法をパワーアップさせたんですわ」

さやか「そう言えば魔法をくれた時、あいつが……クレフが言ってた!」

さやか「【『魔法』は『心』で使うものだ、『意志』の力が『魔法』の成功、不成功、強弱の全てを決定する】って!」

マミ「……これなら……獅堂さん!その人の相手をお願い!私は二人を治療するから何とか持ち堪えて!!」



光「!!わかった!!二人をお願い!!」


マミ「鹿目さん!鳳凰寺さん!二人は!?」

まどか「マっマミさぁ~~ん、ほっほむらちゃんも海ちゃんも凄い血で目を……目を開けてくれないんです!」

風「二人共まだ意識が戻っていません。出血も止まってません」

風「……特にほむらさんは、出血が増えるので抜く訳にはいかなくて身体に氷の塊が刺さったままです」

フェリオ「治療魔法は使えるのか?もし使えないのならこいつは……」

まどか「やめて!!」

マミ「死なせるものですか!回復魔法をかけるわ、まずは重傷な暁美さんから……」

ほむら「……わ……たしは……いい……」

まどか「ほむらちゃん!?気がついたの!!?」

マミ「暁美さん!?喋らないで!今回復するから!」

ほむら「巴……マミ……私はいいから……龍咲海をお願い……ゴホッ!」

マミ「えっ?」

まどか「何言ってるのほむらちゃん!!?」

フェリオ「バカ言ってるんじゃねえ!!じっとしていろ!」

風「海さんは大丈夫……とは言えませんけど、ほむらさんの方がどう見ても大怪我です。あなたから治療するべきですわ」

ほむら「私は……魔法少女よ!これくらいの……ゲホッ!……怪我で死にはしないわ」

マミ「でっでも……」

ほむら「自分でも気休め程度には回復ができる……龍咲海はまだ身体は一般人と変わらないわ、だから……」

マミ「……わかったわ」

まどか「マミさん!?」

マミ「でも、龍咲さんが危ない所を超えたらあなたの回復を優先するわよ……これは譲れないわ」

ほむら「……頑固ね……わかったわ」

フェリオ「お前もそうとう頑固だろうが……」

まどか「ほむらちゃん……」

まどか(……こんなに怪我してるのに海ちゃんを…………光ちゃんも今戦ってる……私は……)


アルシオーネ「……短時間にそれほど魔法の力を成長させられるとは……さすが『魔法騎士』」

アルシオーネ「でも、その程度では私は倒せなくてよ」

さやか「へんっ!光の魔法でへたり込んでるのに何言ってるn……わぁっ!?」

光「っ!」

さやか「さっきの光みたいに何かおばさんの周りが渦巻いてる!?これって魔力ってやつ!?」


アルシオーネ「   氷   流   切   刃   !!」



フェリオ「あの魔導師……今度は本気だぞ!」

ほむら「ぐっ……」

ほむら(広範囲に氷が津波の様に隆起して襲ってる……あの子一人じゃもたない……)

ほむら(なのに……私は動くどころか、だんだんと意識が朦朧と…………このままじゃあの子が……どうすれば……)

風「――――っ」

フェリオ「……おまえ達も、あのちっこいのも俺に助けて欲しいとは言わないんだな」

まどか「!たs……」

風「――――――――あなたには『沈黙の森』の出口までご一緒いただくと約束していただきました」

まどか「風ちゃん……」

ほむら「……………………」

風「それ以上望むのはただのわがままですわ」


風「これは私達の戦いです」


フェリオ「――――――――」

まどか(……私達の戦い……そうだ……私達の戦いなんだ……私達で何とかしなくちゃ駄目なんだ!)

まどか「……私……行ってくる!!」

ほむら「!?まっ……まどか……?」

風「まどかさん!?」

フェリオ「無茶だ!武器も碌に使えないんじゃ足手まといが関の山だ、大人しくしていろ!」

まどか「無茶でもなんでもいいよ!このままじゃ光ちゃんが……例え武器が使えなくても囮ぐらいはできるはずだよ!」

まどか「光ちゃんが……仲間が危ないのにじっとなんてしていられないよ!怪我は後でマミさんに治してもらえば良いし」

ほむら「やっやめて……まどか……っ!」

まどか「ほむらちゃんは休んでて、風ちゃんほむらちゃんをお願い」

風「まどかさん……」

まどか「行ってくる!!フェリオさん二人をいざと言う時守ってください!」

フェリオ「あっ待て!……くそっ行っちまいやがった」

ほむら「っ……くっ……行かなくちゃ……」

風「ほむらさん!?今動いてはいけません!」

ほむら「放して!まどかが……まどかがっ!!」

フェリオ「その状態で行っても死にに行くだけだ!落ち着け!!」

ほむら「まどかあああああ!!!!!」

今日はここまで
続きはまた今度


マミ「鹿目さん!?なにやってるの!戻って!!」


まどか「嫌です!!」


マミ「鹿目さん!?」


まどか「ほむらちゃんや海ちゃんが傷つけられて光ちゃんが戦ってるのに、じっとなんてしてられません!」

まどか「……していたくないんです!!私だって戦います!戦えます!!」


マミ「だからってそんな無茶を……」


まどか「ごめんなさい!お説教は後でお願いします!」


マミ「待ちなさい!鹿目s」

海「――――――――」

マミ(っ……今龍咲さんを放ってはいけない……鹿目さん……お願いだから無茶はしないで……)



さやか「わわっ光が押されてる!どうしよう……どうしたら良いの?」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「まどか?前の方に出てきたら危ないよ!?」

まどか「それはさやかちゃんもでしょ」

さやか「それは……そうなんだけど、光一人に任せる訳にはいかないよ……私に何ができるかわからないけど」

まどか「うん、私も同じだよ。光ちゃんを放っておくなんてできない、だから一緒に戦いにきたの」

さやか「なっ何言ってるの!?いくらなんでも足手まといになるだけだって!私達魔法使えないんだよ」

まどか「うん、確かに魔法は使えないけどプレセアさんに借りた武器はあるし」

まどか「直接攻撃当てられなくても牽制にはなると思うの、光ちゃんの手助けになるよ」

さやか「それは……そうかも……だけど……」

まどか「それに……ほむらちゃんと海ちゃんを傷つけられて怒ってるの光ちゃんだけじゃないよ、私も怒ってるの」

さやか「……わかった、私も戦うよ!」

まどか「流石にさやかちゃんの武器剣だし、二人共魔法撃ちあってるから近づくのは無理だよ」

さやか「あ、うん……」


さやか「あっでも、あんたまだ弓は……」

まどか「さやかちゃんは待ってて!」

さやか「あっちょっ!?まどかぁ!」



まどか(まだうまく矢を飛ばせないのは私が一番わかってる)

まどか(でも……でも!ほむらちゃんや海ちゃんが傷つけられて、光ちゃんも危ないのにほうっておくなんてできないよ!)


光「はぁっ!はぁっ!」

アルシオーネ「ほほほ、避けてるだけで精一杯かしら?『魔法騎士』のお嬢さん!!」


まどか(光ちゃんが押されてる……今助けるから!)

まどか「届いて!」



さやか「あっまどかの撃った矢が、おばさんにちゃんと向かってる!まどかいつの間にそんなに上達したの……」



アルシオーネ「ん?……フン」

光「えっ、矢?風ちゃん……まどかちゃん!?」



さやか「あぁ!駄目だ、おばさんの周りにあるバリアみたいなのに矢が弾かれた!」



まどか「そんな……これじゃあ牽制にもならないよ……」


アルシオーネ「その程度じゃ私の魔法は撃ち抜けないわよ」

アルシオーネ「後で相手してあげるから、この娘がやられるのを大人しく見てなさい!」

光「っ!まどかちゃん下がって!!この人の相手は私に任せて!!」


まどか「っ――――」

まどか(駄目……なの?私じゃ助ける事できないの?)

まどか(私が魔法少女なら……力が欲しい……契約していたら……キュウべえ……!)


さやか「まどか……」

さやか(まどか……凄く悔しそう……あんなまどか見た事ない……)

さやか(できるかもわからないのに必死になってあがいて、少しでも助けになる様にって)

さやか(届いたはずのそれすらも意味がなくて……無力で……悔しいんだ……)

さやか(私は見ていただけ……何やってるのよ私は……!)



アルシオーネ「さあっ助けも助けにならなかったのだから、もう後がないわよ!」

光「くっ!」


まどか「光ちゃん!」

まどか(どうすれば……どうすればいいの?魔法少女には変身できない、魔法は使えない、矢は射っても弾かれる……)

まどか(早くしないと光ちゃんが……!!)


光「くぁっ!」

アルシオーネ「終わりよ!『魔法騎士』!!」


まどか「だめ……だめえええええ!!!!!」


さやか「でやああああ!!!!!!」


アルシオーネ「なっ!?」

光「さやかちゃん!?剣を……投げて!?」

アルシオーネ「ちっ!そんな程度弾かれて何の意味も……」


さやか「意識がそれただけで十分!光!!」


光「!  炎  の  矢  !!」

アルシオーネ「くっ! 殻 円 防 除 !!」


さやか「防がれた!ちぇっおしい!」



アルシオーネ「小癪なマネを! 氷 槍 投 射 !!」

光「くっ!」


さやか「わっわっ!氷の塊飛ばすなぁ!!」


まどか「さやかちゃん!」


アルシオーネ「剣を投げてはもう何もできないでしょう!後でお返ししてあげるから大人しくしていなさい!」


まどか(どうしよう……あの人の言うとおり、さやかちゃんにはもう武器が無いから何も……)

まどか(でも、私の矢じゃ弾かれて牽制にも……でも……やるしかないんだ!)

まどか「てぇい!」


アルシオーネ「フン!そんなものとどきもしないわよ」

アルシオーネ「さあ、まずは貴方から片づけさせて貰うわよ!」

光「――――!」


まどか「やっぱり弾かれる……でも他にできる事は……どうすれば良いの……」



フェリオ「信じろ!」



まどか「え!?」


さやか「フェリオ?」



フェリオ「この『セフィーロ』は意志の世界なんだ!『信じる心』が『力』になる!矢があいつにとどくと信じるんだ!!」

フェリオ「そうすればきっととどく!」



まどか「『信じる心』が…………」


さやか「『力』に……」


まどか「――――――――」

まどか(信じる……私の矢がとどくと…………)

まどか(正直よくわからないけど……でも……信じる事で光ちゃんや皆を助ける事が出来るのなら……信じる)

まどか(私の矢が届いて助けになるって信じてみせる!!)

まどか「当たってえぇぇ!!!」


アルシオーネ「また懲りずに矢を射ってきて、そんなの効かないと……がっ!?!」


さやか「やった!!まどかの矢がおばさんのバリアみたいなの突き抜けて命中したよ!!」


まどか「や……やったぁ!!」


さやか「凄いよまどか!!あんたやったんだよ!!」


光「――――!まだだ!まだ終わってない!!」


まどか「え?」


さやか「そんな!?頭に命中したのに……あっ、おばさんの額につけてた宝石みたいなのが壊れてる」

さやか「またあれに当たって直撃しなかったの!?」


アルシオーネ「がっ……よくも……よくもやってくれたわね!!」

アルシオーネ「  氷  尖  撃  射  !!」


さやか「げっ!海と転校生がやられた魔法だ!まどかああぁ!!!」


光「まどかちゃん避けて!!!」


まどか「あ…………」

まどか(駄目だ……間に合わない……避けれないなら鎧で……駄目、とても防げそうに思えない……そんな……)

まどか(これで終わり……なの?私死んじゃうの?)

まどか(……少しでも役に立てれたのかな…………なら……いいか……ごめんね、ママ、パパ、たつや)

まどか(……さやかちゃん、光ちゃん、風ちゃん、フェリオさん、マミさん……海ちゃん……ほむらちゃん……)

まどか「――――――――っ」


さやか「まどかあああああ!!!!!!」


光「土埃が起こって見えない!まどかちゃんは無事なのか!?返事して!まどかちゃん!!」


アルシオーネ「まず一人……あんな子供が私の魔法喰らって生きてる訳…………!?」

光「あ――――」


さやか「まど……――――っ!」


まどか「――――――――?」

まどか(あれ?……生き……てる?それ所がどこも痛くない?)

まどか「何で…………え……」

まどか「――――ほむらちゃん――――」

ほむら「――――――――」


さやか「転校生!?間に入って盾のバリアみたいなので防いだの!?……よ……よかったぁ~~」


まどか「ほ……ほむらちゃん……?」

ほむら「――――良かった……」

まどか「え?」

ほむら「守れ……た――――」

まどか「たっ倒れ……ほむらちゃん!!?」


光「ほむらちゃん!!血が!さっきの怪我が治ってない!?そんな……あんな状態で庇ったりしたら……」

今日はここまで
続きはまた今度


まどか「ほむらちゃんん!ほむらちゃんんん!!いや……いやああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ほむら「……………………」


さやか「て……転校生……?……血があんなにいっぱい……意識もないの…………死……」

さやか「や……やだ……こんな……こんなぁ……」


風「そんな……さっきまで、ほむらさんここに……」

フェリオ「くっ!いつの間に……あいつが助かってもお前が倒れちゃ駄目だろうが!」


アルシオーネ「あの傷で私の魔法を防ぐなんて……流石は『魔法騎士』の卵ね」

アルシオーネ「でもいくらしぶとくても、そんな無茶をしたんじゃもうその娘は助からないわね」

光「――――っ!!」

アルシオーネ「次はあなた達の番よ!まとめて終わらせてあげるわ!」



マミ「暁美さん……!」

マミ(駄目!鹿目さんも美樹さんも暁美さんの惨状を見て半狂乱になってる……)

マミ(あのままじゃ獅堂さんが二人を守りながら戦う事に……それにもたもたしていたら暁美さんが手遅れに……)

マミ(龍咲さんの傷も思ったより酷い……このままじゃ皆……)

海「…………う……」

マミ「龍咲さん!気がついたのね!大丈夫!?」

海「……皆は……」

マミ「今あの黒ずくめのおばさんと戦闘中よ」

海「!!」



アルシオーネ「   氷   流   切   刃   !!」

光「っ!!」

まどか「やだ……やだよぅ……」


海「……皆……戦えるのが光一人じゃ危ないわ……」

マミ「駄目よ!私の魔法で少しは治ったはずだけど今動いたら傷が……!!」

海「……でも……光が……光を皆を助けなきゃ……」

マミ「龍咲さん……でも……」

モコナ「ぷぅ」

マミ「あなた……」

海「モコナ……心配してくれてるの?」

モコナ「ぷぅぷう」

海「あなたの本当のご主人様の……あの生意気な魔法使いに……ちゃんと『魔法』を習っておけば良かった……」

海「そうしたら……皆を助けられたのに……」

マミ「……………………」

海「皆を助ける『魔法』……『魔法』が欲しい……『魔法』が……欲しい!!」


モコナ「――――――――」


マミ「えっ!?この子の額の宝石が光って……!さっきまで『赤』だったのに『青』に変わったわ!」


モコナ「――――――――」

海「――――――――」


マミ「龍咲さん!!何!?宝玉から龍咲さんの額に光の線が……」


???≪……ウミ……聞こえるか、ウミ……≫

海≪……クレフ……?≫

クレフ≪そうだ、このモコナを通じてお前の心に直接語りかけている。聞こえるか?≫

海「聞こえるわ」


マミ「え?何を言ってるの……もしかして龍咲さん……その光を通じて、この子『モコナ』と会話しているの?」


クレフ≪お前は皆を助けたいと願った、皆を助けるために『魔法』が欲しいと願った≫

海「助けたい……皆を助ける『魔法』が欲しい!!」


マミ「これは!?龍咲さんの胸のあたりから光が……もしかしてこの子、モコナも『魔法』を授ける事が出来ると言うの?」

マミ「そんな事が出来るなんて……いったい……」


クレフ≪わかるか?お前の中に『力』がある事が、今までと違う『力』がある事が……≫

海「わかるわ……胸の奥があつい……『言葉』が……『言葉』が浮かんでくる……」

≪それがお前の『魔法』だ≫


光「っ!」

まどか「うぁ……ぅぅ……」

ほむら「……………………」

さやか「あぅ……うぁああ……」


風「まどかさん!さやかさん!!気をしっかりもってください!」

フェリオ「怪我人だからって覆いかぶさって盾になろうとするな!避けろ!また魔法が来るぞ!!」


アルシオーネ「   氷   槍   投   射   !!」


さやか「わあああ!!!」

まどか「やだ……いやあああ!!!!!」

光「――――!」



マミ「皆!くっ……龍咲さん!加勢に行ってくるから貴方は安静に……!?」

海「――――――――」

マミ「な……なに?龍咲さんの周りに水が集まって……これは龍咲さんの魔法?」




海「     水     の     龍     !!!」




アルシオーネ「なっ!?きゃああああ!!!」



マミ「ぅあ!?……龍咲さんの放った、水でできた龍があの魔導師の人を飲み込んだ……」


さやか「え?……なっなに?……助かった……の?」

まどか「ぁ…………」

ほむら「……………………」



マミ「凄い……魔導師の人が付けていた頭の飾りだけしか残ってない……食べたの?」

海「――――――――」

マミ「倒れ……龍咲さん!!!」


光「海ちゃん!!」


マミ「龍咲さん!!」

風「海さん!」

光「海ちゃん!海ちゃん!!」

海「……光……だいじょうぶだった?」

光「うん!海ちゃんが助けてくれたから!海ちゃんの『魔法』で助けてくれたから大丈夫だ!」

海「よかった……光って、なんだかほっとけないんだもの……妹みたいに可愛くて……一生懸命で……」

マミ「無茶をして……塞がっていた傷も開いてるじゃないの!」

海「風も……皆も……怪我はない……?」

風「……ええ、海さんの『魔法』で敵もちゃんと倒せましたわ」

海「よかった……私たちどうなっちゃうかわからないけど……この『セフィーロ』に7人そろって呼ばれたんだもんね……」

マミ「龍咲さん?いけない!意識が……!」

光「海ちゃん!海ちゃん!」

フェリオ「おい!怪我人運んで来たぞ!」

まどか「マミさん!ほむらちゃんが……ほむらちゃんが……」

さやか「転校生の血が……血が止まらないんです!マミさん魔法で治療を……海!?」

さやか「そんなまだ怪我が……さっき魔法使って助けてくれたのに……」

フェリオ「おいおい……二人共そんなに持ちそうにないぞ、二人同時に回復できるのか?」

マミ「――――っ、できるだけの事はやってみるわ……けど……」

フェリオ「……そうかよ……くそっ……」

まどか「そんな……ほむらちゃん……海ちゃん……なんで……なんで、こんな……」

さやか「転校生……海…………風?」

風「……海さんは私達を助けてくださいました。私達を助けるために……『魔法』を使ってくださいました……」

風「今度は私の番ですわ……」

さやか「私の番って……どうするつもり?」

風「マミさん、海さんがどうして『魔法』を使える様になったのか知っていたら教えてくださいませんか?」

マミ「それは……その子、モコナの額の宝石から光が出て、そうしたら龍咲さんがモコナと会話し始めて……」

マミ「たぶんだけど、その時にモコナが……」

風「なるほど……モコナさんの額の宝石から光が出て、海さんは『魔法』が使えるように……」

まどか「モコナの額の宝石……それで『魔法』が……」

風「モコナさん……私に『魔法』をください」

風「海さんとほむらさんを助けたいんです。二人を助けるための『魔法』をください!!」

モコナ「――――――――」


さやか「うおっ!?モコナの額の宝石から光が……レーザ?」

光「風ちゃん!!」

マミ「今度は額の飾りが『緑』になった!」

さやか「今度は緑って、さっきは違ったんですか!?」

マミ「龍咲さんの時は『青』だったわ。それぞれの魔法の属性で色が変わるのかしら……」


???≪……フゥ……≫

風「……あなたはクレフ……?」

クレフ≪そうだ≫


マミ「え?クレフって……モコナと話してたんじゃなかったの?」


風「……私に『魔法』を教えてください」

クレフ≪もうお前の『魔法』は、お前の中にある≫

風「胸の奥から何か『言葉』が……」

クレフ≪そうだ、その力がお前の『魔法』だ≫

クレフ≪お前達はそれぞれ仲間を思いやる『心』で『魔法』を習得したんだ≫

風「――――――――――――――――」

クレフ≪忘れるな、この『セフィーロ』では何よりも『意志』の『力』が勝るのだ≫

クレフ≪『信じる心』こそが、この『セフィーロ』での『力』となるのだ≫



風「     癒     し     の     風     」



さやか「なっ何!?風から出た風が転校生と海に纏わりついてるの?」

マミ「これは!二人の傷が治ってる……しかも、とてつもなく速く修復しているわ」

まどか「あ……あぁ……」

海「――――ぁ」

光「海ちゃん!!!」

ほむら「――――――――…………ぅ……これは……?」

まどか「ほむらちゃん!!!」

さやか「おおっ!!やったああ!!二人共傷が完全に治ったよ!!」

風「ふぅ……『信じる心』が……『力』になる……」

マミ「本当にとんでもないわねこの世界は……」

今日はここまで
続きはまた今度
すいません遅くなってしまって


光「海ちゃん!ほむらちゃん!よかったほんとによかった!」

まどか「もうどこも痛くない?ケガも平気?」

海「大丈夫よ二人共」

ほむら「ええ……不思議なほど痛みも怪我も無いわ」

ほむら「これは誰かの『魔法』なの?」

マミ「鳳凰寺さんの『魔法』よ。あれだけの怪我をあっという間に治してしまうなんて反則モノよね」

海「ありがとう風」

ほむら「感謝するわ……」

風「いいえ、海さんの魔法がなければ私達全員あのおばさんに殺されていたかも知れませんし」

風「ほむらさんが最初に海さんを庇ってくださらなかったらその魔法も使う事もできなかったでしょう」

風「海さん、ほむらさん、ありがとうございます」

海「ほむら、私からもありがとう」

ほむら「え……えぇ……」

風「光さん、まどかさん、さやかさんもあのおばさんと戦ってくれて本当にありがとう」

まどか「そんな……」

さやか「あはは……あまりやくに立てなかったけどね」

光「――――っ」

マミ(頭をぶんぶん横に振ってる……)

光「私達は仲間だ、まだ出会ったばかりだけどこの『セフィーロ』で七人きりの大切な大切な『仲間』だ」

さやか(七人きり……結構多い気が……)

光「私一人でこの『セフィーロ』に招喚されてたら寂しかったかもしれないけど」

光「海ちゃんと風ちゃんとまどかちゃんとほむらちゃんとさやかちゃんとマミさんがいてくれたから一緒に頑張れる」

マミ(やっぱり多いわよね……)

光「『仲間』がいるとおもうと『力』がわいてくるんだ」


まどか「……………………」

海「……………………」

さやか「……………………」

風「……………………」

マミ「……………………」

ほむら「……………………」

光「…………     !    」

光「……ひょっとして……そう思ってるのって……私だけ……かな……」

光「あの、あのっ『仲間』だって言ったの迷惑だったかな」

光「皆に聞いてないのにかってに皆のこと『仲間』なんて……」

さやか(赤くなってる……けど……何か聞いてるこっちが照れる……)

海「光ってほんっとうに今どき珍しい『いい子』よね」

風『ほんとうに。私こんな可愛い方と『仲間』になれて幸せですわ』

マミ「『仲間』がいると思うと『力』がわいてくる……良い言葉だわ!」

まどか「マミさん……」

さやか「同意はするけど繰り返さないであげてください……」

モコナ「ぷぅ」

光「――――――――」

ほむら(喜んでる……猫の耳とシッポが見えそうな喜び方ね……)


海「私も光を助けたいと思ったら『力』がわいて来たわ」

海「大切な『仲間』の光をあのおばさんの魔の手から救わなきゃと思ったら勇気が出て、自然と『言葉』が出てきた」

光「海ちゃん……」

海「何が何だかわからないしどうして私達七人がこんな目にあうのか理不尽ではあるけど」

海「元の世界『見滝原』に戻るために力を合わせて頑張りましょ。これからもよろしく光」

風「私もよろしくお願いいたしますわ」

光「……風ちゃん……」

さやか「もちろん私もよろしくね」

まどか「私も『仲間』でいいんだよね?」

マミ「ふふ……『見滝原』に戻ってもずっと皆『仲間』でもいいわよね?」

ほむら「………………………………」

光「……みんな……」

ほむら(……『仲間』…………私は…………)

さやか「それはそうと」

光「?どうしたの?」

さやか「もぉっ、こぉっ、なぁぁ~~ぁ」

海「……猫なで声で気持ち悪いわよ……」

モコナ「……ぷぅ」

風「モコナさんも引いてますわ」

さやか「そんな事はどうでもいいの!モコナ、クレフと連絡取れるんだよね!しかも魔法を使える様にできてたよね!?」

海「えっ……ええ……だから私も風も魔法使う事ができたんだし……」

さやか「と言う事は、私達も魔法覚える事できるんじゃない!?」

まどか「!!そうなの!?モコナ!?」

モコナ「ぷぅ?」

さやか「ぷぅ?じゃなくて!クレフと連絡取れるなら私達にも魔法を授けてくれる事もできるんじゃないの!?」

光「わぁ!それじゃあ、みんな魔法使える様になるんだ!」

まどか「モッモコナ!お願い!私も魔法使える様にして!」

さやか「私も!私も!」

マミ「……できるのなら私もお願いしたいけど……」

ほむら「無理……でしょうね……」

さやか「え!?なっなんで……やってみないとわからないでしょ!?」

海「私も無理だとと思うわ」

風「私も同意見です。先程もモコナさんを通してクレフさんは魔法を授けてくれたのではなく使い方を教えてくれたのです」

海「そうそう、それも不思議な魔法の力で教えてくれたと言うより助言?本当に教えてくれただけだったわ」

風「恐らくは電話とかみたいに会話はできても直接何かを寄こす事とかはできないのでしょう」

ほむら「やっぱりそう上手くはいかないわよね……」

まどか「そっそんなぁ~~……本当なのモコナ?」

さやか「そんなの、それこそ魔法で解決とかできないの!?」

モコナ「ぷぅぷぅ」

マミ「興味なさそうに踊ってるわね……キュウべえも直接会ってじゃなかったら契約できないみたいだったから」

マミ「この世界の魔法も離れていたら授かる事できないんじゃないかしら」

まどか「……そう……ですか……」


フェリオ「やっぱり妙だと思った」

光「フェリオ……」

ほむら(そう言えばいたわね……忘れてたわ……)

フェリオ「お前達があの『伝説の魔法騎士』だったんだな」

まどか「あ……」

光「騙すつもりはなかったんだ……!でも……」

フェリオ「俺が敵か味方かわからないから警戒したのか」

風「……すみません」

マミ「ごめんなさい……」

フェリオ「賢明だな」

光海風まどかさやかマミ「「「「「「え?!」」」」」」

ほむら「……いやに物わかりが良いわね」

フェリオ「さっきからの会話を聞いているとお前達は力を合わせてエメロード姫を救う決意をしたようだ」

光「皆。本当の事、フェリオに話したい」

まどか「私も……話した方が良いと思う」

さやか「うん、私も賛成」

ほむら「まぁ……敵だったらさっきの戦いの時にチャンスは幾らでもあったでしょうから信用しても大丈夫だとは思けど」

光「私達は『見滝原』からきたんだ」

まどか「突然『見滝原タワー』の床が抜けて気がついたら、この『セフィーロ』にいたの」

光「そして……『クレフ』と言う名の魔法使いにあってこの『セフィーロ』を救ってほしいって言われたんだ」

フェリオ「導師クレフにあったのか!あの『セフィーロ』最高の魔導師に!」

海「あのおぢさんって有名人だったのね」

風「そのようですわね」

さやか「若づくりなのに」

ほむら(この場にいたら「だれが若づくりのおぢさんだっ!」とか怒りそうね)

マミ(『セフィーロ』最高の魔導師……ワクワクする響きね。今度会ったら色んな話聞いてみたいわ)


フェリオ「ヒカル達を招喚したのは……」

光「エメロード姫だってクレフは言ってた」

フェリオ「さっきエメロード姫をさらったのは神官ザガートだって言ったな」

まどか「それもクレフさんが教えてくれたの」

ほむら「……言った覚えないわね」

マミ「え?いえ、さっき……ってそう言えば、あの時暁美さん気絶してたわね」

海「私も覚えがないから最初の不意打ちの後かしら?」

さやか「そうね。そうそう、あのおばさんクレフの教え子でエメロード姫付きの魔導師でザガートの事好きらしいよ」

ほむら「……その話、後で詳しく聞かせてちょうだい」

フェリオ「やっと納得がいった、なぜ平和なはずの『セフィーロ』に魔物が闊歩しているのか」

まどか(クレフさんも魔物はいなかったって言ってたっけ……)

フェリオ「常春なはずの『セフィーロ』に天変地異が続いているのか」

ほむら(天変地異……今の時点でそこまで影響あるのね……)

海「今度はあなたの番よ、私達は自分の正体を明かしたわ。あなたは何者なの?」

フェリオ「……エメロード姫の知り合いだ」

光海風まどかさやか「「「「「  ?  ?  ?  」」」」」

マミ≪……訳ありみたいね≫

ほむら≪敵じゃないのなら無理に聞きださなくてもいいでしょうから触らないでおきましょう≫

フェリオ「『伝説』は本当だったんだな」

マミ「その話詳しく!」

ほむら「『伝説』ってどんな『伝説』なの!?」

フェリオ「え?お……おぉ……」

風「クレフさんもプレセアさんも口にしてらっしゃいましたが、内容はお聞きできなかったんです」

さやか「伝説のってよく言われてるけど伝説の内容しらないから気になってるのよね」

フェリオ「そっそうか……『伝承』だよ、きちんとした文章にもなっていない口伝えに伝えられている『伝説』」



フェリオ「この『セフィーロ』の『柱』に異変が起こった時」

フェリオ「『異世界』から招喚された者が『伝説の魔法騎士』となって『魔神』の『力』を借りて戦う」




今日はここまで
続きはまた今度
次はまだ近いうちに


光「そうだ、クレフも『魔法騎士』になるには『魔神』を蘇らせなきゃならないって言ってた」

ほむら「『魔神』……詳しくはわからないのかしら?」

フェリオ「ああ、少なくとも俺は知らない」

海「でもどうして『伝説の魔法騎士』は『異世界』の人間じゃなきゃいけないの?」

海「この『セフィーロ』にもあなたみたいな強い人はたくさんいるでしょうに」

さやか「そうだよね、若年寄りみたいなクレフだってああ見えて強かったし」

フェリオ「俺もそれが納得いかなかったんだ」

フェリオ「だから『エテルナ』で『エスクード』を取って俺が『伝説の騎士』になれないか試してみるつもりだった」

風「そう言えばクレフさんはたくさんの魔導師さんや戦士さん達が」

風「エメロード姫を救うために戦ったとおっしゃっていましたわ」

フェリオ「相手が神官ザガートなら当然だ勝てるわけがない」

まどか「当然って……」

海「そ、そ、そ、そ、そんなに強いの?」

フェリオ「 め ち ゃ く ち ゃ 強 い 」

海「せっかくの決心に地震がきそうよ」

さやか「だ、だ、だ、だ、だいじょうぶだよ『伝説の魔法騎士』って言われてるぐらいなんだし、たぶんきっと……ね?」

ほむら「私に聞かれても困るわよ……」

風「でもそんなにお強いのなら、なおさら『異世界』の者では無理なのでは?」

風「この『セフィーロ』の常識もわかりませんし。私達の世界では、魔物が道路をのしのし歩いたりしませんもの」

マミ(魔女の結界内なら歩いてるけど……)

風「ゲーム内ではプレイヤーは皆勇者ですけれど」

海「そうそう『伝説の魔法騎士』なんてゲームの中の話よ」

ほむら(魔法少女も物語だけの存在と思ってたわ……)

フェリオ「それは俺にもわからない。しかし『伝説』は確かに実現してしまったようだな」


フェリオ「『セフィーロ』の『柱』であるエメロード姫が神官ザガートにさらわれた」

まどか「うん……」

フェリオ「姫が今どんな状態で何所にいるかは全くわからないが」

フェリオ「『柱』を失った『セフィーロ』は居住区にまで魔物が出没し地震や嵐が相次いでいる」

マミ(クレフさんも言ってたわね。魔物は本来存在しないって……)

フェリオ「この世界の『魔物』は人々の『不安』の具現だ、『柱』はこの『世界』の全てをその『意志』の『力』で支えている」

フェリオ「『セフィーロ』が常に平和で人々の暮らしやすい『世界』であるようにと祈るエメロード姫の『心』が」

フェリオ「『セフィーロ』を異常気象の無い豊かで美しい世界に保っていたんだ」

さやか「エメロード姫がこの世界を守ってるんだね……」

フェリオ「しかし今姫の『心』はこの『セフィーロ』について祈る事が出来ない状態らしい」

フェリオ「だから空は荒れ大地は鳴く、そのため人々は不安と恐怖に包まれその『負』の『心』が『魔物』を作りあげるんだ」

ほむら「……………………」

光「じゃ、あの魔物たちは……」

フェリオ「全部『心』が現実化したものだ」



クレフ「この世界では何よりも『意志』が勝るのだ」



光「……『心』……不安と恐怖の『心』が……あの『魔物』達を生む……」

風「人の『精神力』が『平和』をもたらし、同じ『精神力』が『破壊』も呼んでしまう……」

海「『セフィーロ』本当に……不思議な世界ね……」

さやか「不思議と言うか……『魔物』が不安と恐怖煽ってたら延々と『魔物』が生まれ続けるんじゃ……」

フェリオ「人々はおびえている」

フェリオ「何人かの魔導師、騎士、戦士達が異変の原因はエメロード姫に何かあったためではと思い……」

フェリオ「エメロード姫を助けようと姫のいる『城』を目指したが帰ってこなかった」

光「『城』……?」

マミ(姫って言うぐらいだからお城に住んでたのね……中世風のお城かしら?)

風「その魔導師さん達も皆さん貴方の様に『伝説の魔法騎士』になるべく戦いに出られたのですね」

フェリオ「いや」

フェリオ「『伝説の魔法騎士』の事を知っているのは、この『セフィーロ』の『柱』であるエメロード姫に近しい者だけだ」


風「え……?じゃあなたは……」

フェリオ「あはははーー」

さやか「なに?いきなり笑いだして……」

ほむら「何か誤魔化したい……言いたくない事があるみたいね」

フェリオ「うっ……うーーん……しかし、エメロード姫が『異世界』から『伝説の魔法騎士』を招喚したと言う事は」

フェリオ「『異世界』の者しか『伝説の魔法騎士』になれないと言うのは本当らしいな」

風「…………」


モコナ「――――――――」


光「モコナの額の飾りが……」

さやか「うわっ!?光ってまた光線だしたよ!」

海「今度はいつものように赤く光っているわ」

モコナ「ぷぅぷぅ」

まどか「これってやっぱり……」

光「……『伝説の泉エテルナ』への道を教えてるんだ」

フェリオ「…………」

まどか「え?そっちは森だよ?」

光「フェリオ!」

フェリオ「約束は『沈黙の森』の出口までだ」

ほむら「確かに森の出口までが条件だったわね」

さやか「……魔法騎士に自分はなれないのがわかったから帰るの?」

マミ「たぶんエメロードを救う為に違う方法を探しに行くつもりなんでしょうね……あら?鳳凰寺さんと見つめあって……」

風「……――……――」

フェリオ「…………――――」

さやか「耳に付けていたピアスだかイヤリングだか外して風に手渡したよ!?」

風「……これは……」

フェリオ「お前にやる」

風「でも……私にはさしあげる物が……」


フェリオ「――――――――」

風「        」

風「――――――――」


海「何事ーー?!」

まどか「え!?いっ今、風ちゃんの手を取って手の甲にキッ……キスを……」

光「???」


フェリオ「ちゃんと礼はいただいた」

ほむら「……キザね」

さやか「うっうん……キザだね……」

マミ(……あ……その…………ちゅ……注意した方が良いかしら……)

フェリオ「――」

まどか「あっ木の上に飛び移って……」

フェリオ「近いうちにまた会おう」

ほむら「ちょっと!待ち……」

フェリオ「『伝説の魔法騎士』たち」

まどか「……行っちゃった……」

風「――――――――」

海「何あいつ!?妙に様になってたわね。まるで王子様見たいで……あーーびっくり……」

さやか「うーん。羨ましい様な、だからって実際にされるのは恥ずかしい様な……とんでもないわね」

光「?」

海「……って、風!」

光「まっかっか」

マミ「まるでショートケーキのイチゴみたいに真っ赤になってるわね」

風「――――――――」

海「どうしたの?風!」

風「はっ……な、なななななんでもありませんわ」

海「真っ赤よ風」

さやか「汗もたっぷりかいてるよ」

風「えっえっえっ!?」

海「……風、あなた……」

さやか「これは決定的ね……」

まどか「さやかちゃんと海ちゃんがニヤリって笑って風ちゃんを見てる……」

モコナ「ぷぅぷぅ」

光「モコナが早く行こうって」

風「い、いきましょう!光さん、海さん、まどかさん、ほむらさん、さやかさん、マミさん」

光「風ちゃんそっちじゃないよ」

マミ「色々いっぱいいっぱいみたいね」

ほむら「……………………」

さやか「あ~~転校生?残念だったね」

マミ「大丈夫よ、きっとまたチャンスはあるわ。あの人手が早いし」

まどか「あのマミさん……その言い方はちょっと……」

ほむら「だから何の話よ……」

さやか「いや、その……何か静かだったしショックでうちひしがれてるのかと……」

ほむら「何のショックよ?……黙ってたのはちょっと考え事していたからよ」

マミ「ええ、わかってるわ。大丈夫よ、あなたはまだ若いんだから次があるわ」

まどか「あ……あはは……」

ほむら「……何を言ってるかわからないけど、考えていたのは……」

ほむら「元々『出口』がわからなかったから一緒に来ていたのに、そのまま森に戻って大丈夫なの?と思ったのよ」

まどかさやかマミ光海風「「「「「「…………あ」」」」」」


~~?????~~

????「くすくす……情けないなぁ」

?????「ほんとだよ。あんな子供に負けちゃうなんて」

?????「やはり、伝説どおり『魔法騎士』は『セフィーロ』を救うべく戦う……か」

ザガート「――――」

ザガート(気になるのは伝説よりも数多く招喚された事……)

ザガート(アルシオーネを討破る程の魔法を使った者もいれば、障壁さえ破る事もできない者もいる……)

ザガート(『魔法騎士』は伝説通り三人だとしたら、残りの者達は戦う力はないのか?)

ザガート(一体どうなっている……)

?????「ね、ザガード」

ザガート「…………」

?????「僕に行かせてよ。あのお姉ちゃん達と遊んでみたいな」

ザガート「……よかろう、アスコット」

アスコット「――――くすくす――――いってきます」


今日はここまで
続きはまた今度



フェリオ「約束は『沈黙の森』の出口までだ」
ほむら「元々『出口』がわからなかったから一緒に来ていたのに、そのまま森に戻って大丈夫なの?と思ったのよ」

ほむらに言われるまでその発想が無かった…


光「っ!!」

さやか「やったぁ!一気に、二体魔物倒したよ」

まどか「森から出られたのに、まだ植物みたいな魔物が襲ってくるんだね」

海「本当にこれが『不安』の具現化なの?」

光「……倒した時の手応えもあるのに……」

マミ「私達の世界にも魔女とか使い魔はいたけど……」

ほむら「……魔女や使い魔とは、また違うわね。動植物的で、モンスター……魔物そのものなイメージね」

モコナ「ぷぅぷぅ」

光「モコナがこの先だって!」



まどかほむらマミさやか光海風「「「!!」」」


海「ちょっと……」

海「ここのどこに『泉』があるのよ」

さやか「岩だらけ……と言うか岩に囲まれてる」

風「……水らしきものは見当たりませんわね」

ほむら「やけに根元が細くて上面が広い円形の土台みたいなのがあるくらいね」

モコナ「ぷぅぷぅ」

まどか「すごく良い事をしたと思っている顔してるよ……」

さやか海「「モコナーーーーーーーー!!!」」

マミ(二人に叫ばれても得意そうに胸をはってる……けっこう図太い精神してるわね……)

海「確かに、あのおばさんと戦った時は助かったわよ。モコナがいなきゃクレフに『魔法』を教えてもらえなかった」

さやか「あの時モコナがいなかったら、今頃私達はおばさんの氷の魔法で標本みたいにされてたかもしれない」

さやか海「でも!それとこれは別よ!」

光「海ちゃん、さやかちゃんこわい……」

まどか「ヒートアップしてるね……」

海「私達は戦う決意をしたのよ!だから『伝説の泉 エテルナ』にいきたいの!」

さやか「泉があるどころか……どどーーんとのっぱらーっだよ……」

海「誰が原っぱに案内したと言ったの!」

海「こんなお弁当でも広げたくなるような場所……」

風「あら、ほんとうにお弁当を食べるのに適した場所ですこと」

マミ「ぺしぺし叩いちゃ駄目よ……」


モコナ「ぷぅぷぅ」

海「『泉』なんてどこにもないじゃない!」

さやか「こんな何も無い所で一体どうしろって言うのよ!」

光「あ……あれ?」

まどか「え?」

風「どうなさったんですの?光さん」

光「あの『線』なんだろう」

海「『線』?」

ほむら「何を…………鳳凰寺風……その目の前の土台の上に浮かんでいるのは……」

風「…………」

風「『線』ですわね」

マミ「まごうことなく『線』ね」

海「なっ何これ?」

風「……わかりませんわ……ただ『線』があるだけですわね」

さやか「『線』って……浮いてるものだったけ……摘めるし……」

モコナ「ぷぅぷぅ」

光「あっ待ってモコナ!」

まどか「一人で何所か行ったら駄目だよ……ああっ岩の上に登ったりしたら危ないよ」

海「何でこんな所に『線』が横たわってるのよ」

風「さぁ『セフィーロ』は不思議なところですから」

さやか「不思議にも限度があるでしょ!」

海「不思議はいいけど『伝説の泉 エテルナ』はどこなのよぉ!?」


まどか光「あああああ!!!」


ほむら「まどか!?」

海「どうしたの光!」


光「皆!見て!」


マミ「一体どうしたの?」


まどか「えっと……その、説明しづらいんでとにかく見て下さい」


さやか「見ろって……その二人が登っている岩の上から?」

ほむら「何かあったみたいね……登ってみましょう」


風「うんしょ」

海「うんしょ」

さやか「うんしょ」

マミ「っと……」

ほむら「っ……」

さやか「……皆が一生懸命岩をよじ登ってる横でジャンプしただけで飛び乗るなんて……ずるい……」

マミ「そっそう言われても……」

ほむら「魔法少女なんだからこれくらい当たり前でしょう。そんな事より、一体何が……」

海「?」

さやか「??」

ほむらマミさやか海風「!?」

海「ああああああ!い、いずみ!?」

ほむら「さっきの土台に泉が……」

さやか「こっこれってやっぱり……」

風「こ……これが『伝説の泉 エテルナ』!?」

海「だってさっきは何も無かったわよ!」

まどか「あっ光ちゃん、飛び降りたら危ないよ」


光「あの『線』だ」


海「え?」

さやか「あの『線』って……さっきの横たわってた『線』?」


光「この『泉』上から見ないと『線』にしか見えないんだ」


マミ「そんな事が……」

風「なるほど……二次元、つまり平面的な『泉』なんですね」

モコナ「ぷぅぷぅ」

海「……で。この『泉』のどこに『エスクード』があるのよ」

さやか「そう言えば……岩はあるけど……」

海「ただ『泉』があるだけで鉱物らしき物なんて見当たらないわよ」

まどか「それはやっぱり……」


光「……この中……じゃないかな」


さやか海「えええええ!?」

海「な……なんて非常識な……」

さやか「こっ鉱物って水の中に沈んでいる物……なの?」

風「ほんとうに『セフィーロ』は不思議でいっぱいですわね」

海「不思議じゃすまないわよ!」

さやか「魔女の結界でもこんな妙なのないわよ!」

マミ「いえ、結構あるわよ」

ほむら「抽象画みたいなのや、パソコンの画面の中みたいな結界はあったわ」

さやか「そ、そう……いや、問題はそこじゃなくて!」

海「私達はこの妙な泉『エテルナ』で伝説の鉱物『エスクード』を取ってこなきゃならないのよ!」

さやか「武器を作るんだからそれなりの大きさの筈の鉱物を!」

海「この、厚みのまったくない泉で!」

風「『妙な泉』ではありませんわ『伝説の泉』ですわ」

海「こんな横から見たら線に見える泉『妙な泉・エテルナ』でじゅうぶんよ!」

さやか「釣り糸垂らしたら突き抜けそうな厚みの泉が『伝説の泉』なんて不釣り合いだよ!『妙な泉』があってるよ!」

海「決めたわ!あなたは今日から『妙な泉・エテルナ』よ!」

風「海さん、さやかさん『セフィーロ』の方々がなれ親しんでいらっしゃったお名前を変えてしまっては、後々問題が……」

光「わあっ!」

海「どうしたの!?光!」

さやか「えっ、何!?」

風「光さん!」

まどか「光ちゃんが抱いていたモコナが、いきなり跳び出して……」

海「モコナ!?」

マミ「あっちょっと、そこは泉……ええ!?」

光「モコナ!!」

海「……消えちゃった……」

ほむら「泉に入ったと言うより吸収される見たいに消えたわね……」

光「モコナ!ああーーっ、モコナ!」

風「……泉は……やっぱりこの中の様ですわね」

ほむら「やっぱり、そう示すために飛び込んだのでしょうね」

海「でも深さもわからないし水の中での呼吸はどうするの?」

さやか「そうだよ!魚でもなきゃ水の中で呼吸なんてできないよ」

風「さあ」

さやか海「…………」

風「入ってみないとわかりませんわねえ」

海「ああ、やっぱり不幸の連続なのね~~」

さやか「うぅ~~本当に潜るしかないのぉ……」

光「……私いく」

海「光……」

光「モコナはきっとこの中に『伝説の鉱物エスクード』がある事を教えてくれたんだと思う」

光「私は『魔法騎士』になるって決めた。だから『エスクード』を取ってこなきゃ」


光「がんばろう!」

さやか「よっしゃ!そうと決まったら、早速皆でババ~~ンと取ってきちゃおう」

ほむら「いえ、中がどうなってるかわからないわ。探索と、もしもの時の救助要員の二手に分かれましょう」

さやか「え」

マミ「確かにそうね。それなら泉の中に入るのは精々三人ぐらいかしら」

光「あ……う、うん……」

マミ(……すっごく中に入りたいけど……伝説の鉱石……でも……)

マミ「いざとなったらリボンを伸ばして引き上げる事が出来るから、私は外で待機してるわ」

まどか「それなら私は中に……行きたい……かも」

さやか「わっ私も中に入りたい!」

海「私も行くわよ。ここまで来て待ってるだけなんてごめんよ」

光「え……私も入りたいけど……人数もう超えてるよ」


ほむら「……まどか。あなたは外で救助要員をしてちょうだい」

まどか「なっなんで!?私が……その……足手まとい……だから?」

ほむら「そうじゃないわ。泉と言うんだから見た目がこんなでも中は水でしょうね」

海「そりゃそうでしょう。これで中が水じゃなかったら、もう泉じゃないわよ」

さやか「『妙な泉・エテルナ』じゃなくて『妙なエテルナ』だね」

まどか「……えっと……」

ほむら「中で何が起こるかわからないわ。だから武器の使えない私とあなたと鳳凰寺風は中に入れないわ」

まどか「あ……弓だから……」

さやか「そっか、そりゃ水の中じゃ弓矢は使えないか」

風「いえ、私も行かせて下さい」

まどか「え!?風ちゃん……?」

風「フェリオやプレセアさんが言っていた伝説では『魔法騎士』が『魔神』を蘇らせるのに必要なのが」

風「『伝説の鉱物エスクード』で創った『武器』」

マミ「ええ、そうね」

風「こうも言いましたわ……『何人もの戦士たちが伝説の鉱物『エスクード』を求めて『エテルナ』を目指し……』」

風「『そして誰一人帰ってこなかった』……と」

ほむら「……なるほど、そう言う事ね」

光「えっと……何が?」

さやか「今ので何かわかったの?」

ほむら「あの森……いくら魔法が使えなくて道に迷うからってこの世界の戦士達が一人も辿り着けないのはおかしいわ」

海「うん、まぁ……フェリオだって結構強かったし、時間をかけたら一人でも森を抜けれたかもしれないわね」

ほむら「つまり本当の帰ってこれなかった理由は……」

風「この泉なのではないでしょうか」

まどか「ええ!?でっでも……それなら水の中で武器の使えない風ちゃんは危険なんじゃ……」

風「いえ、伝説では『魔法騎士』が『エスクード』を手に入れる事になっています」

マミ「つまり泉の中に『魔法騎士』に反応する何か、または試練みたいなモノがあると考えているのね?」

風「はい」

ほむら「……わかったわ『魔法騎士』の三人が泉に入って、他は泉の外で待機してましょう」

今日はここまで
続きはまた今度


海「…………」

光「ごく」


さやか「さっき登った岩の上から飛び込むんだよね……」

まどか「結構高いけど……大丈夫かな?」

ほむら「泉自体が浮いているし、他に飛び降れそうなのがないのだから仕方ないわ」

マミ「まぁ、お腹から落ちなければ大丈夫でしょう」


光海風「「「せーの」」」


さやか「いった!飛び込んだよ!」

ほむら「……浮いている泉から突き抜ける事なく入れたみたいね」

まどか「あんなに細い泉なのに結構水しぶきが上がって……改めて見るとすごく不思議だね……」

マミ「魔女の結界の入口と同じで、中は全く違うのかも知れないわね」



光(うっぁ――泉の中は普通に水だ……)

海(思ったより……深い……)

風(っ……いっ息が……持ちません……)

光(く……苦しい……)

海(うっ渦が、水の流れが……)

風(いけません……三人バラバラに流されて……)

光(海ちゃん……風ちゃん……)



光「ハッ」

光(水がない……ここは……私だけ何処かに流れ着いたのか?)

光「海ちゃん!風ちゃん!」

光(返事がない……真っ暗だし何も見え……何か目みたいなのが光った!?)

光「……なんだ……!?」

光(魔物か?何か犬みたいな影が……え!?)

光「閃光!?ど……どうして!?」



海「光!風!どこなの!?」

海(気がついたら、まっ暗闇の中一人……)

海「……はぐれたのかしら……」

海(ハッ!!後ろに気配!魔物!?)

海(今は私一人なんだから油断なんかしてられないわね)

海(……魔物じゃない?人影?……え?なんで?)

海「パ……パパ……ママ……」



風「ここは……あの泉の中でしょうか……」

風「海さん命名『妙な泉・エテルナ』の……」

風(私一人……やはりこれは……)

風(ハッ!背後から足音が!武器を出して構えときませんと……)

風(弓を構えてるのが見えているはずなのに、だんだんと近づいて……)

風「ハッ」

風(これは一体どうした事でしょう……この姿は……)

風「私!?」


光(そんな……閃光は……元の世界の私の家に……)

光「……閃光……だよね」

光(よく似た犬……いや、見間違う訳ない……本物だ)

光「どうしてこんな所にいるんだ……」

閃光「――――ッ!」

光「閃光!?」

光(わっ!?飛びかかって……?)

光「どうしたの閃光!!」

閃光「グルルルル――――!」

光(――!のしかかられて噛まれ――――!!)

光「閃光!私だ!光だよ!聞こえないの!?」

閃光「グルル……!」

光(……なんでそんな……)

光「……閃光……」



海「パパ……ママ……」

海「どうしてここにいるの!?これ夢なの!?」

海「ここは確か『セフィーロ』の『エテルナ』の中で……それとも『セフィーロ』に来た事じたい夢なの!?」

父母「――――」

海「きゃあああああ!」

海(なんでパパとママが衝撃波みたいなのを……)

海「……この痛みは……夢じゃないわね……」



風(……鏡……ではありませんわね)

ふう「――――」

風(あら、笑いかけたら笑い返してくれまし……!)

ふう「――――!」

風(矢を射ってきましたわ!……左腕に当たりましたか)

風「海さんの言うとおり『不幸の連続』ですわね」

風(お返しをしませんとね――)

風「――!」

ふう「――――」

風(左肩に命中しま――)

風「!」

風(……私の左肩に怪我が……鎧も壊れて……)

風「……命中したのはあちらの方ですのに……なぜ……」

ふう「――――!」

風(また射って――!)

風「!」

風(避けきれなくて顔に傷が……ハッ)

ふう「――――」

風(同じ場所に傷が……顔だけではなく腕や肩の怪我まで……)

風(……私が傷つくと……あの人も傷つく……と言う事は……あれは……『私』……?)


ほむら「……三人が飛びこんでから、もう結構時間が経つわね」

まどか「まだ帰ってこないよ……大丈夫かなぁ?」

さやか「あの中って息できてるのかな……」

マミ「モコナも飛び込んだままだから、たぶん大丈夫だと思うけど」

さやか「あっそうか、息できるって知ってなきゃ自分まで飛びこんだりしませんよね」

ほむら「この世界でも珍しい謎生物みたいだから、水の中で呼吸できてもおかしくわないわよ」

まどか「それは……否定したいけどできない……けど……」

ほむら「……まぁ、導師クレフが案内のために用意したみたいだから大丈夫でしょう……たぶん」

まどか「そっそうだよね!案内してるんだから危ない所通らないよね」

さやか(……通ってきた森、めちゃくちゃ危険地帯だったよね……)

マミ「そろそろ心配になってくるけど……調べる方法が……」

さやか「顔だけつけて見てみます?」

ほむら「やめておきなさい。あの謎生物が飛び込んだ時、吸い込まれるように消えたでしょ」

マミ「下手したら、そのまま同じように吸い込まれる可能性もあるわね」

まどか「そんな……それじゃあ、私達何もできないんですか?」

マミ「とりあえず私のリボンをのばして探ってみるわ、念のため離れていて」

さやか「はい……水の中に長い何かを垂らしてるのって釣りしてるみたいですね」

まどか「さやかちゃん……釣れるのは魚じゃなくて光ちゃん達だよ」

さやか「いっいや、わかってるけどそう言う風に見えたってだけで……」

マミ「……いえ、残念だけどボウズね」

ほむら「ボウズって……釣果無しって事よね?もしかして泉の中に入れなかったの?」

マミ「中には入れたけど入れただけね。あの子達や『伝説の鉱物』だけじゃなくて、魚すらも見つけられなかったわ」

まどか「空中に浮いてる泉ですし、魚はもともといないんじゃ……」

さやか「えっと……海達が迷子になったって事ですか?」

マミ「迷子と言うか、元々私のリボンは索敵用じゃないから……触ったりしたらわかるんだけど」

ほむら「つまりリボンを伸ばした範囲には三人はいないと言うことね」

マミ「ええ、これ以上はリボンだけじゃ調べようがないわね……どうしましょう」

さやか「どうしましょうって……どうしましょう?」


ほむら「……仕方ない、私が潜って様子見てくるわ」

まどか「ほむらちゃん!?私がって、一人でいくの?」

さやか「ちょっと待ってよ、私達も行くわよ!そのために泉の中に入らないで外で待機してたんだから」

ほむら「全員で行ったら引き上げる役がいなくなるでしょ。今回は戦いに行くんじゃなくて調べに行くのよ」

さやか「でも、もし中で何かあったのなら弓矢が武器のあんたじゃ水の中じゃどうにもならないんでしょ!だから私が……」

ほむら「大丈夫よ。元々持ってる方の武器を使うから……爆弾とか」

まどか「爆弾って……」

さやか「で、でも調べるのなら人手があった方が……」

ほむら「もし、泉の中が水中なら呼吸ができないわ」

ほむら「魔法少女の私なら、魔力を使って暫くは潜っていられるから探索がしやすいの」

マミ「そうね、救助に行くのにいちいち息継ぎに戻る訳にはいかないし、戻れるかもわからないものね」

さやか「でも、それならマミさんだって……」

ほむら「巴マミには外からリボンの方を頼みたいのよ。念のために、私にくくりつけて何かあったら引き上げて欲しいの」

マミ「ええ、任せて。全員で中に入って、また敵が来たら危険だし外で見張ってるわ」

まどか「そっか……あのおばさんの仲間が、また来ないとは限らないんだ……」

さやか「……わかったよ……皆の事、任せたからね」

マミ「多めに持って行って、彼女達にくくりつけてくれたら引っ張るなりして合図して。そしたらこっちに引っ張り上げるわ」

ほむら「それじゃあ行ってくるわ、もし潜ってる間に敵が来たらすぐに引き上げてちょうだい」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「……すぐに三人共引連れて戻ってくるわ……――っ!」

さやか「うわっ!地面から直接飛び込んだ!?軽く3,4mは垂直に跳んだよ」

マミ「魔法少女だもの、それぐらい簡単よ」

まどか(やっぱり今のままじゃ……私……何もできない……)

今日はここまで
続きはまた今度


ほむら(――――水が……水中の上、外から見て想像していた以上に中は広いみたいね)

マミ《暁美さん、聞こえる?》

ほむら《巴マミ?リボン越しならテレパシーが通じるみたいね》



マミ「うん、リボンがあればテレパシーで連絡が取れるわね」

さやか「それじゃあ、転校生が中継すれば中がどうなってるのか私達にもわかるんですね」

まどか「ほむらちゃんは無事……危険じゃないんですか?」

マミ「待って、今中の様子を……」

マミ《暁美さん、どう?泉の中は?》

ほむら《水中ね。普通に水があるわ……思った以上に中は広いわね、近くにあの子たちの姿はないわ》

マミ「中は水中で広いらしいわ。三人は近くにいないみたいね……」

さやか「水の中か……これって泳げなかったら『エスクード』探すの無理なんじゃ……」

まどか「泳げても、息継ぎ無しに探すのは無理なんじゃ……三人とも大丈夫かな……」

ほむら《取りあえずこのまま探しに……え?》

マミ《暁美さん?》

ほむら《渦が……流される!?》

マミ《!!今引き戻すわ!》

まどか「マミさん?」

さやか「どうかしたんですか?何か慌ててる様な……」

マミ「水の流れが急になって、暁美さんが流されそうなの!一旦引きあげるわ!」

まどか「ほむらちゃん!!」

さやか「はっ早く引きあげないと転校生が……」

マミ「それはわかってるけど……流れが強すぎるのか重くて中々……」



ほむら(くっ……流れが急すぎる……ろくに身動きができない……)

ほむら(もしかして、これが『エスクード』を手に入れる為の試練なの……それならこの水の流れの先に三人が……)

マミ《暁美さん!どうにか持ち堪えて!どうにかして引っ張り上げるから!》

ほむら《駄目……リボンが千切れかけてる……っ……もう持たない……!》

マミ《そんな……》

ほむら《巴マミ、聞いて……こんなに急に水の流れが変わるなんて変だわ》

ほむら《もしかしたら、これが『試練』と関係があるのかもしれない……》

ほむら《それなら、この水の流れの先に三人がいるのかも……》

マミ《それは……否定はできないけど……あなた、もしかして……》

ほむら《水の流れに乗ってみるわ》

マミ《危険よ、とても賛成できないわ》

ほむら《私が危険と言う事は先にいるであろう三人はもっと危険と言う事よ》

ほむら《それに……今のままじゃ泉の外に出れそうにないから選択肢はないわ》

マミ《……っ……》

ほむら《巴マミ、あなたはそっちの二人をお願い。こっちはこっちで、どうにかしてみるわ》

マミ《…………絶対みんな無事で帰ってきなさい……それが条件》

ほむら《やれるだけの事はしてみるわ……それじゃあ、二人の事任せたわよ》

マミ《暁美さん!……リボンが……………………任せたわよ》
.


まどか「マミさん!ほむらちゃんは……ほむらちゃんは!!」

さやか「どうなったんですか!?リボン引っ張るの止めたみたいですけど、中が落ち着いたから今調べてるんですよね?」

マミ「……リボンが千切れたわ」

まどか「そっそんな……」

さやか「どっどうするんですか!?早く助けなきゃ……転校生だけじゃなくて海や光達も……」

まどか「助けに行きましょう!きっと今ならまだ間に合う……」

マミ「二人共落ち着いて」

さやか「落ち付いている場合ですか!?早くしないと皆が……」

マミ「暁美さんはあの激しくなった水の流れが、試練と関係があるのかも知れないと言っていたわ」

マミ「水の流れの先に三人がいるかも知れないともね」

まどか「そっそれじゃあマミさん……まさか……」

マミ「……待つしかないわ……」

さやか「そんな……」

まどか「――――っ!」

マミ「外から中を調べる手段はもうないわ……信じましょう『魔法騎士』の卵の三人と『魔法少女』の暁美さんを」

さやか「ぅ…………くそぉ……」

まどか(力が……力があったら……)



ほむら「……っ……」

ほむら(ここは……水中じゃないみたいね……)

ほむら(暗い……獅堂 光達は……いないわね)

ほむら(やっぱり、これは『エスクード』を手に入れる為の試練なのでしょうね)

ほむら(この後何かがあり、それを突破しないと外には出れないと考えた方が良いみたいね)

ほむら(取りあえず何処かに移動を…………何かいるわね)

??「…………」

ほむら(暗くて姿がよく見えないわね……小柄な……まどかや獅堂光ぐらいの大き……さ……)

ほむら「!?」

ほむら(そんな……どうして……)

ほむら「ま……まど……か……」

まどか「…………」

ほむら(何かの……間違いよ……)

まどか「…………」

ほむら「なん……で……魔法少女に……なってるの……」

.


まどか「――――」

ほむら「っ!」

ほむら(魔力で作った矢を射ってきた?)

まどか「…………」

ほむら「まどか!?話を……」

まどか「――――」

ほむら(また攻撃を……でも……)

まどか「…………」

ほむら「……威力が弱い?」

まどか「…………」

ほむら「まどか?……まさか……」

まどか「――――」

ほむら「っ!」



光「やめて閃光!どうして!?」

光「小さいころから一緒だったじゃないか…………私が嬉しい時も悲しい時も、ずっとそばにいてくれた……」

光「私は閃光が大好きだっていつも言ってたじゃないか……なのにどうして!?」

閃光「グルルル」

光「!」

閃光「!」

光(飛びかかってきた閃光を剣で!)

光「閃光!!」

光(首から血が出て……)

閃光「――!」

光(!……首に……閃光が……噛みつい……)

光「閃光……どうして……?」

光「私の事……嫌いになったのか……?」

.


海「パパ!ママ!やめて!!」

父母「――――」

海「きゃあっ」

海(衝撃波が!このままじゃ……)

海「  水  の  龍  !!」

父母「――――!」

海(当たった……二人が倒れて……)

海「パパ!ママ!!」

父母「――――」

海(衝撃波が……直撃……)

海(だめ……パパとママを攻撃なんてできない……!!)



風「ハア……ハア……相手を……攻撃すれば……私も傷つく……」

ふう「…………」

風「私が攻撃されれば相手も傷つく……」

風「私が……私を攻撃するなんて……」

風「相手を攻撃したらすべて自分のダメージになるなんてどうすれば良いんでしょう……」

風「それに……あちらはまだ余裕がありそうですわ」

ふう「――――」

風「!!」

風(矢で服を縫いとめられて……!)

風「――ッ」

風(顔の横に掠める様に矢が……)

.



?????≪ 魔 法 騎 士 た ち よ !! ≫


光「何だ!?」


海「だれ?」


風「今のは……どなたが……」


ほむら「この声は……」


?????≪異世界の少女たちよ≫


光「……その声は……『見滝原タワー』で聞いた……あの……」


海「ひょっとして私達を『セフィーロ』に招喚した……」


風「エメロード姫……?」


ほむら「…………」


エメロード姫「私は……『セフィーロ』のエメロード」

エメロード姫「異世界の少女たちよ、悲しみに心を支配されてはいけません」


光「エメロード姫!どこにいるんだ!?」


エメロード姫「異世界の少女よ。心を強く持って、そして考えて」

エメロード姫「今あなた達の前にあるのは、あなた達の『大切なもの』ですか」


光「大切な友達だ!私が泣いてる時隣にずっといてくれた!転んだら傷の心配してくれた!」

光「人間の言葉は話せないけど、でもそのかわり『心』でわかりあえる大切な友達なんだ!」


海「大切な両親よ」

海「私は社会人になったら一生懸命働いて、パパやママが私を成人するまで育てるために使ってくれた物を全部返すの」

海「子供は親の貯金箱みたいなものなんだから」

海「私は養育費はもちろん、何より両親が私に注いでくれた愛情を全部覚えて」

海「心の中に貯めて置いて少しずつ返して行くつもりよ!」

海「まだ全然返してないのにパパとママと戦うなんてできる訳ないでしょ!!」


風「私は私が大切ですわ」

風「もし、私に何かあったらお父様やお母様やお姉さま……」

風「私を愛してくださる方達を悲しませる事になってしまいますもの」

風「私はまだ子供で、愛してくださる皆様に何もできません」

風「だからせめて、私が幸せである事が私ができる精一杯の事なんです」

風「だから、私は私が大切ですわ」


ほむら「…………」

ほむら「大切よ……何よりも……最後に残った私の――――」

ほむら「……大切な……友達よ」

.


エメロード姫≪では考えて。あなた達の『大切なもの』は、あなた達に危害を加えたりするでしょうか≫


光海風「!」

ほむら「…………」


エメロード姫≪あなた達が『大切なものは』あなた達が苦しみ傷つくことを望むでしょうか≫

エメロード姫≪よく考えて……そして……『伝説の鉱物・エスクード』を……≫


海「消えた……」


光「違う……閃光はこんな事しない……閃光はいつも優しくて……私を守ってくれた」

光「これは閃光じゃない!!」


海「パパやママは……私に衝撃波を発射したりしないわよ」


風「この傷は後で回復魔法で直す事にしますわ」


ほむら「敵対したまどかは……もっと怖いわ……」

まどか「――――」

ほむら「こんな私の盾で簡単に防げるような力じゃない……」

ほむら「やっぱり偽物……でも……例え偽物たとしても……」


光「よくも閃光の姿で攻撃したな!」


海「円満家庭に波風立てないでよね!」


風「私に何かあったら家の者が心配しますわ!」



光「      紅      い      稲      妻      !!      」



海「      蒼      い      竜      巻      !!      」



風「      碧      の      疾      風      !!      」



ほむら「私は、また……あなたを殺すのね」


.

今日はここまで
続きはまた今度


閃光「――――――」


父母「――――――」


ふう「――――――」


まどか「――――――」


光「なんだ!?」

光(閃光だったのが姿が変わって……)


海(パパとママが水晶みたいな石に……)

海「ひょっとして……」


風(私が鉱石に……と言う事は……)

風「これが……」


ほむら「……………………」


光「 『 伝 説 の 鉱 物 ・ エ ス ク ー ド 』」

光(!)


海(『エスクード』らしき物に触ったら光りが……!)


風(これは……甲冑が……)


光海風「クレフがくれた甲冑が変化した……!?」


光「クレフがくれた……甲冑……」


海「なんだか前のより……立派になったみたいだわ」


風「この甲冑は『変化する甲冑』なんですわ」


光(っ!?……空間が揺らめいて……)

.


さやか「……転校生が泉に入ってから結構経ちましたよね……」

マミ「……ええ」

まどか「……………………」

さやか「どうしましょう……流石にそろそろどうにかしないとまずいんじゃ……」

マミ「どうにかって言っても……どうするの?」

さやか「それは……思いつかない……です……けど……」

マミ「何もできずに落ち着かないのはわかるわ……でも、こう言う時にこそ焦っては駄目よ」

さやか「……はい……」

まどか「……ほむらちゃん……光ちゃん……海ちゃん……風ちゃん…………戻って来て……」

マミ「鹿目さん……大丈夫よ!獅堂さんよ龍崎さんと鳳凰寺さんは『伝説の魔法騎士』だし」

マミ「暁美さんだって魔法少女なんだから、きっともうすぐ『エスクード』をとって帰ってくるわ」

まどか「……そうですよね……皆強いですし……」

マミ「ええ、信じましょう」

まどか「……………………」

さやか「でも……気になってる事があるんです」

マミ「えっ、なにが気になってるの?」

まどか「?」

さやか「伝説では『エスクード』って『魔法騎士』しか手に入れられないって言ってましたよね……」

さやか「手に入れようとして、何人もこの妙な泉に向かって帰ってこなかったとも」

さやか「これって本当に『魔法騎士』しか手に入らないんだとしたら、そうじゃない転校生は……」

まどか「やめて!!」

さやか「……ごめん……」

マミ「……それでも……今できる事は信じる事しかないの……」

まどか「……………………」

さやか「……………………」

マミ「この『セフィーロ』では『信じる心』が『力』になる……だから、信じましょう。それが助けになる様に……」

さやか「マミさん……」

まどか「……はい……」

マミ「…………あら?」

さやか「泉が……『妙な泉・エテルナ』が光ってる!?」

まどか「試練終わったの!?皆……」

マミ「!泉の上に人影が……」

.


ほむら光海風「「「「――――――――」」」」

まどか「みんな!!」

さやか「光も海も風も転校生も皆いるよ!泉の上に浮いてるよ!」

マミ「意識はないみたいだけど……無事だったのね……よかった……」

モコナ「ぷぅぷぅ!」

さやか「うわっ!?モコナ、あんたいつの間に……」

マミ(あっ、この子の事……忘れてたわ……)

ほむら光海風「「「「――……」」」」

まどか「あっ気がついたみたい」

モコナ「ぷぅ、ぷぅ」

光「あ!モコナ!」

光海風「「「はっ」」」

ほむら「…………」

海「ういてる!ういてる~~!」

さやか「あわあわしてるよ」

マミ「まぁ、気がついたら泉の上に浮いてたら……ねぇ」

????「あせらなくても大丈夫よ」

まどか「え?」

光「プレセア!!」

海「どうしてここに!?」

さやか「また、いつの間に……モコナと一緒で、気がつかなかったわ」

プレセア「……モコナと一緒にされるのは……」

.


風「再会を喜ぶのも良いのですが」

マミ「どうしたの?」

風「早く何とかしないとまた海さん命名『妙な泉・エテルナ』に落ちてしまいますわ」

海「おぶおぶおぶ」

さやか「そんな手で羽ばたいても飛べないでしょ……」

プレセア「大丈夫よ、そうやって『エテルナ』の上に立っていられるって事はちゃんと見つけたんでしょ?」

プレセア「『伝説の鉱物・エスクード』を」

まどか「あっ羽ばたいてたのがピタッと止まった」

光「はっそうだ!『エスクード』は!?」

プレセア「頭の上を見て」

マミ「四人の上に人抱えはある結晶見たいなのが浮いてるわ、それぞれ色が違うのね」

まどか「光ちゃんの上にあるのが赤で、海ちゃんが青、風ちゃんは緑、ほむらちゃんのは紫なんだ……」

さやか「これが『伝説の鉱物・エスクード』……」

ほむら「……………………」

まどか「ほむらちゃん……?」

プレセア「さ、降りてらっしゃい『伝説の魔法騎士』達、『セフィーロ』で最高位の『創師』であるこのプレセアが」

プレセア「その『伝説の鉱物・エスクード』で最高の武器を作ってあげるわ」

プレセア「『魔法騎士』にふさわしい武器を」

さやか「一人『魔法騎士』じゃなくて魔法少女がいるんだけど」

プレセア「さ、降りてらっしゃい『伝説の魔法騎士』達と魔法少女、『セフィーロ』で最高位の『創師』であるこのプレセアが」

プレセア「その『伝説の鉱物・エスクード』で最高の武器を作ってあげるわ」

プレセア「『魔法騎士』と魔法少女にふさわしい武器を」

さやか「言いなおしたよ、この人」

.


光海風「「「――――――――」」」

さやか「三人共降りてきたね、エスクード持ってたら泉の上に浮いていられるんだね……あれ?」

ほむら「……………………」

まどか「ほむらちゃん?」

マミ「暁美さんどうかしたの?エスクード見上げたままじっとしちゃって……」

プレセア「ホムラ?あの……ちゃんとあなたの分も武器創るから降りて来てくれないかしら」

プレセア「『魔法騎士』じゃないホムラがエスクードを手に入れる事ができるとはおも……」

ほむら「うあああああああああああああああ!!!!!!!!」

まどか「ほむらちゃん!?」

光「ど、どうしたんだ!?」

さやか「なっ何!?転校生が発狂した!?」

海「あっエスクードを……」

風「いけません!」

マミ「暁美さん!止めなさい!!」

ほむら「放してえぇ!!放しなさい!!!」

さやか「あ……あぶなかったぁ……マミさんが転校生をリボンで縛って捕まえなかったら、エスクード破壊されてたよ」

ほむら「こんな!こんな『モノ』の為に!!」

まどか「やっ止めて!ほむらちゃん!!」

光「駄目だ!落ち付いてほむらちゃん!」

海「せっかく苦労して取ってきたのに何も創らないで壊すなんてもったいないでしょ!」

さやか「そんな事言ってる場合!?一体どうしたって言うのよ?」

風「恐らく泉の中での試練で錯乱したのでしょう!ほむらさん、あれは幻……偽物だったんです!」

ほむら「ぅあああああああ!!!!!!!」

マミ「暁美さんがこんなになるなんて……幻って言ってたけど何があったの?」

風「親しい人の姿で襲いかかってきたんです、それを倒すのが試練だったのですけど……私の場合は私自身でした」

海「私はパパとママだったわ」

マミ「――っ」

光「私は閃光……犬だけど、ずっと小さな時からいる大事な友達だ」

さやか「つまり転校生は誰か親しい人と戦ってこんな風になったて言うの?幾らなんでも、それだけでこんな……」

マミ「……いえ、何となくだけどわかったわ……」

さやか「マミさん?」

マミ「もしその人がすでに死んでいて、それを倒さなければならなかったとしたら……」

まどか「っ――――」

海「……私達はまだマシな試練だったってわけね」

.

今日はここまで
続きはまた今度


~~暫く後~~

ほむら「……ごめんなさい……迷惑かけたわ……」

まどか「そんな事ないよ!そんな事……」

光「……もう、大丈夫なのか?」

ほむら「ええ……」

海「まだ顔色悪いわよ、もう少し休んでた方が良いんじゃない?」

風「回復魔法も使えますよ」

ほむら「そこまでする事じゃないわ……大丈夫だから……大丈夫……」

さやか「良いから、もう少し休んでなよ」

ほむら「でも……」

さやか「どうせ次、私達が泉に入ってる間暇なんだし」

ほむら「え……?」

さやか「初めは『魔法騎士』しか『エスクード』取ってこれないのかと思ったけど、転校生だって取ってこれたんだし」

さやか「試練の方も内容はもうわかってるんだから大丈夫でしょ」

海「それは……そうかもだけど……」

風「しかし、改めて考えると危険かもしれませんよ」

さやか「大丈夫だって、出てくる敵は偽物だってわかってるし何とかなるでしょ」

光「うっう~~ん……そうかなぁ?」

さやか「今後を考えるなら戦力は多い方が良いでしょ?なら、手に入れられるモノは手に入れなくちゃ」

海「私達は手の宝石に入れてるけどね」

さやか「そうそう……って、それは違うでしょ!」

まどか「そっか……私達も『エスクード』手に入れようと思ったら手に入れる事できるんだ……」

ほむら「駄目よ!」

まどか「え……」

ほむら「例え偽物だとわかっていても、敵対して攻撃してくるのには変わりないわ」

ほむら「『魔法騎士』の三人は魔法が使えたし……私は魔法少女だったから戦えた」

ほむら「でも、魔法も使えない武器だけしか攻撃手段の無い今のあなた達の技量では危険すぎるわ」

まどか「そんな……でも……」

さやか「転校生……へっ平気だってこんなの例のおばさんと戦うのと比べたら……」

ほむら「それに……」

さやか「大した事……へ?」

ほむら「偽物だとわかっていても、大切な人を躊躇わずに自分の手で殺すのは難しいし……苦しいわ……」

まどか「ぁ……」


マミ「……泉の中で誰と会ったか話せる?」

まどか「マミさん!?」

風「苦しいのなら話せば少しは楽になるかもしれません」

さやか「…………」

ほむら「ごめんなさい……できれば思い出したくないわ……」

マミ「そう……無理に話さなくてもいいわ」

マミ「ただ、一人で抱えてるのが辛くなったら言いなさい。少しぐらい甘えても良いのだから」

海「そうそう、せっかくの仲間なんだし頼りなさいな」

ほむら「……ええ、ありがとう……でも大丈夫よ」

さやか「そっその……ごめん……でっでも、やっぱり『エスクード』は欲しいよ……」

光「さやかちゃん……」

さやか「今回の事でも思ったんだ……私とまどかは魔法少女じゃないし、まして『魔法騎士』でもない」

さやか「『力』がない……このままじゃ何もできないよ……」

光「そんな事……」

まどか「……私もそう思う」

光「え?まどかちゃん?」

まどか「もし、私達に『力』があったら助ける事ができたかもしれない……そう考えるの……」

風「いえ、今回は試練だったのですから途中で助けたら駄目だったと」

まどか「今回だけじゃないよ……初めてあのおばさんに追いかけられた時とか、森で魔物と戦った時とか」

まどか「森の出口でおばさんに襲われてほむらちゃんや海ちゃんが怪我させられた時とか」

まどか「足手まといにしかなってないよ……私に『力』があったらって何回も思ってた……」

光「そんな事!おばさんに襲われた時には、矢をおばさんに命中させて助けてくれたじゃないか」

まどか「あの時もおばさんの額の宝石に当たって何の意味無かったよ」

まどか「その所為でほむらちゃんに無理をさせて傷を広げる様な事に……結局足手まといにしかなってないよ……」

さやか「まどか……やっぱり、私達には『力』が……『エスクード』が必要なんだよ」

海「さやか……まどか……」

ほむら「この泉は今までの戦いとは違うのよ!?」

風「無理に挑戦する必要はありませんし、危なくなっても途中で誰かが助ける事は不可能です」

まどか「それでも……『力』が欲しい……挑戦したい」


ほむら「っ……そっそうだ、それなら私の取ってきた『エスクード』を使ってまどかの武器を作れば良いわ」

まどか「えっ!?そっそんな事できないよ!ほむらちゃんが命がけで取ってきたものなんだから」

ほむら「いいえ、私には前から使っている武器があるから、どうしても新しい武器がいる訳じゃないの」

ほむら「まどかの武器が強くなれば、戦力の底上げはできるのだから悪い話じゃないわ」

ほむら「新たに危険を犯さずに戦力を上げれるのよ」

まどか「でっでも……」

さやか「……私は?」

ほむら「…………」

海「あっ目をそらしたわよ」

光「『エスクード』一つしか無いもんね……」

風「ほむらさんとまどかさんは武器が同じですから、まどかさんの方に渡した方が良いでしょうし……」

海「やっぱり『エスクード』製の武器も、今のと同じ種類の武器になるのかしら?」

さやか「まどかはそれで良いとしても、私とマミさんは取りに行くよ。戦力は増えるに越した事ないでしょ?」

まどか「私も行くよ!このままの何もしないで貰ったら、結局足引っ張ってるのと同じだもん」

ほむら「まどか……でも!」

プレセア「あの……その『エスクード』はホムラが手に入れたものだから、それで武器を作ってもホムラしか使えないわよ」

ほむら「え……」

まどか「……やっぱり自分で手に入れなくちゃ駄目なんだ……行こう、さやかちゃん!マミさん!」

さやか「うん!」

ほむら「待っ……」

マミ「二人共、その前に聞かせてくれる?」

まどか「え?マミさん?」

さやか「聞かせるって……何をですか?」

マミ「……戦う力が……『エスクード』を手に入れる為にあなた達は、大事な人を攻撃……いえ……殺せる?」


まどか「マっマミさん!?何を言ってるんですか!?」

さやか「殺せる……って、大事な人って言っても偽物……幻なんですよ?」

マミ「……初めから幻と決めて挑んでも『エスクード』を手に入れる事はできないんじゃないかしら」

まどか「どうして……」

マミ「この試練は、泉の中に一緒に入ってもバラバラに引き離されるのには意味があると思うの」

さやか「意味?」

マミ「ええ、一人になって大切なモノ達が襲ってくるのは試されているのでしょうね」

ほむら「…………」

さやか「試されているって……何を……」

光「……『心』?」

まどか「『心』……」

マミ「私もそう思うわ……『心』……『心の強さ』をしるさなければ……」

さやか「……倒しても『エスクード』は手に入らない……」

マミ「初めから偽物、幻と思い作業の様に倒しても手に入らない……もしくは倒せないかもね」

海「こう言う試練のお約束ってやつね」

風「この『セフィーロ』では十分あり得そうですね……」

まどか「…………」

さやか「っ……私達が甘い考えだったと言うのはわかりました……でも、マミさんなら……」

マミ「……私はそんなに強い人間じゃないわ」

さやか「え?」

マミ「もし……死んだ両親が出てきたら偽物だとしても撃てるかわからない……撃ちたくない……そう思うの」

まどか「マミさん……」

ほむら「巴マミ……」

マミ「暁美さんがどんなに辛い決断をしたか、少しは理解しているつもりよ」

マミ「だからこそ、私では無理だと……そうわかるの……ごめんなさい」


さやか「……謝らないでください、私達の考えが浅かっただけですよ」

まどか「うん……マミさんは悪くありません」

光「二人共……」

まどか「もし泉の中に入って出てきたのが、パパやママやタツヤ……まだ小さい弟なら」

まどか「偽物とわかっていても本当に攻撃できたか自信ないです」

さやか「楽に強い武器手に入れて強くなろうとしても無理なんだね、あ~~ざんねん」

マミ「……ふふっ、そうね地道に強くなって行きましょう」

ほむら「…………」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「まどか?」

まどか「ほむらちゃんが取ってきた『エスクード』は、ちゃんとほむらちゃんの武器を作ってもらってね」

ほむら「……ええ」

海「まぁ、取ってきた本人の武器しか作れないんじゃ譲る訳にもいかないしね」

風「自分だけの武器を創るのって大変ですわね」

プレセア「そろそろ武器作って良いかしら?」

さやか「あっうん、お待たせしました、って……作るの……ここで?『妙な泉・エテルナ』以外は岩とかしかないけど……」

マミ「どう作るかは知らないけど……炉とかはどうするの?」

光「マミさん、ワクワクしてる?」

ほむら「武器を作る所見るの初めてでしょうからね……そう言うの好きそうだし」

海「ほむらはドキドキしてそうね」

ほむら「…………」

風(ほむらさん、少し赤くなってますわ)

プレセア「炉?使わないわよ」

マミ「え?……熔かした金属を鎚とかでカーンカーンって……」

プレセア「しないわよ」

マミ「え……」

プレセア「しない」

マミ「……そう……」

まどか(マミさん、しょぼんとしてる……)

今日はここまで
続きはまた今度


光「プップレセア!?」

プレセア「――――」

さやか「なんで服脱いでるの!?」

まどか「着ている服を脱いで、羽衣……と言ったらいいのかな?」

ほむら「ヒラヒラしていて、透けている布みたいなのを纏ってるわね」

マミ「あっその布で『エスクード』を掴んだ……いえ、包んでるわ」

さやか「プレセアさん踊り出したよ!?」

まどか「……凄い……」

ほむら「魔力……かしら?光が纏わりついて、舞う度に『エスクード』の形が変わっているわ」

光「……プレセア……きれいだ……」

海「武器って……ああやって作るのね……」

風「不思議な光景ですわね」




まどか「もう、大体の形は出来てきたみたい」

さやか「早いよ、まだそんなに時間たってないのに」

マミ「これがこの世界の武器の作り方……素晴らしいモノを見せてもらったわね」

プレセア「――――――――」

ほむら「動きが止まって纏わっていたモノが放れていく……終わったの?」

さやか「剣が3本浮いてる……赤いのと青いのと緑の剣が……」

光「この剣は……」

プレセア「それが……『魔法騎士』の武器よ」

プレセア「あなた達のために作ったあなた達にしか使えない」

プレセア「この世、でたった一つの武器よ」

.


光「プレセアから借りてた武器が……」

さやか「うわっ!なんか飛び出してきた?」

海「勝手に出ていったわ」

まどか「あっ、プレセアさんの所に……」

プレセア「今のあなた達には『伝説の鉱物・エスクード』で作ったその武器の方がふさわしいからよ」

マミ「消えた……何処かに収納したの?」

ほむら「……私の武器は?」

光「そう言えば……」

海「見ないわね?」

プレセア「それは……これから……作るから……一度に作れないから、先に『魔法騎士』の武器を優先したのよ……」

まどか「プレセアさん……辛そう」

マミ「どうやら武器を作るのに、かなり体力を消耗するみたいね」

さやか「ちょっと休憩してからの方が良いんじゃ……」

プレセア「いいえ……このまま皆の武器を作るわ」

風「ふらついてます、休憩なさった方が……皆?」

海「残ってる『エスクード』ってほむらのだけよね?もしかして……」

プレセア「まどかと、さやかと、マミの武器も作るわ……『エスクード』じゃないけどね」

さやか「ええっ!?作れるの?」

プレセア「ええ、成長はしないし……素材が劣るけど……作れるわよ」

まどか「でも……プレセアさん、フラフラしてて……」

光「作るにしても、やっぱり休憩してからの方が良いよ」

さやか「そうそう、そんなに急がなくても誰も急かさないからさ」

プレセア「……私が急ぎたいのよ……」

さやか「え?」

プレセア「……いえ、なんでもないわ……とにかく、すぐ作るから休憩は後で良いわ」

マミ「…………」

まどか「なんでそこまで……」

ほむら「考えてみたら当たり前なのかも……」

まどか「?」

ほむら「私達にとってはこの『セフィーロ』は異世界でも、彼女にとっては生まれた故郷」

ほむら「その故郷が危機に瀕していて、その上知人の安否が不明となると焦りもするわね」

光「知人……クレフの事か……」

まどか「でっでも、だからって無理したらプレセアさんが……」

風「だからと言って、焦らずにいられるかと言われたら無理でしょうし……どうしましょう」

マミ「……私の武器は作らなくて良いわ」

さやか「マミさん!?」
.


海「どうしたんですか!?あんなに楽しみにしてたのに」

マミ「一つでも作るのが少なくなれば、プレセアさんの負担は少なくなるはずよ」

光「それはそうかも知れないけど……」

マミ「わたしは武器は本来使ってるのがあるから大丈夫よ、それに……」

風「それに?」

マミ「成長しないし……それなら今借りてるのでも良いかなって……」

さやか「マミさん……」

まどか「それなら……私も作らなくて良いよ」

ほむら「あなたまで……」

まどか「私があまり役にたってないのわかってるから……少し武器が良くなったとしてもそれは変わらないと思うし」

さやか「……そうだね、今は武器が強くなっても意味がないよ。私達自身が強くならなきゃさ、だから私もいいや」

海「言いたい事はわかるけど……」

まどか「それに、風ちゃんみたいに武器が変わるかもしれないし、私剣持って魔物に近寄って斬りかかるなんて無理だよ」

まどか「それなら今のままが良いなって……」

さやか「私は武器の種類は変わらないかもだけど、今のままじゃ剣でも金属バットでもあまり変わらないから良いやって」

プレセア「……いいの?確かにあなた達は『魔法騎士』じゃないからどうしても必要な訳じゃないけど」

さやか「いいよ、私『魔法騎士』より『魔法少女』の方があってるみたいだしね」

まどか「うん。自分の為の武器が手に入らないのは残念だけどね」

マミ「また次の機会にお願いするわ……エスクード、確実に手に入れられるようになったらね」

ほむら「……私は……」

まどか「ほむらちゃんは作ってもらってね」

さやか「そうそう、せっかく『エスクード』あるんだしね」

マミ「成長する自分の為の武器が手に入るなんて羨ましいんだから、ちゃんと作ってもらいなさいね」

海「本当に羨ましそう……」

ほむら「……プレセア、お願いするわ」

プレセア「ええ、最高の武器を作ってあげるわ」

海「もし、マミさんが『エスクード』手に入れてたら、武器鞭から変わってたのかしら?」

マミ「……!」
.


プレセア「――――――――」

まどか「やっぱり武器作ってるプレセアさん、きれいだね……」

光「うん……」

さやか「思わず見とれちゃうね……」

風「エスクードの形が整ってきたみたいです。どうやら、もう完成みたいですね」

マミ「今回は、一人分だから早いわね」

ほむら「…………」

海「ソワソワしてるわね……あれ?」

光「武器の形が……剣じゃないね」

まどか「剣以外になるんだ……『エスクード』で武器作ったら、全部剣になるのかと思ってたよ」

マミ「『魔法騎士』の武器だから剣になったのかもね。本来なら、それぞれの適性の武器の形になるんでしょうし」

さやか「つまり、もしマミさんが手に入れてたら『伝説の鉱物・エスクード』製の鞭……鉱物?」

風「終わったみたいですね、これはやっぱり……」

ほむら「……弓……」

まどか「濃い紫色の弓……きれい……」

さやか「あれ?弓だけで矢が無いよ」

海「確かに無いわね、矢は自作しなきゃ駄目なのかしら?」

ほむら「っ!盾が震えてる……」

光「私達の時と同じで、借りてた武器が出ようとしてるんだ」

さやか「借りてた弓と矢が出て……出て……出てこないんだけど」

マミ「この世界の魔法で作った収納先じゃないから自分では出てこれないのかしら……」

ほむら「…………」

風「ほむらさんが引っ張り出したら飛び出し行きましたわ」
.


プレセア「――――」

光「プレセア!!」

さやか「言わんこっちゃない!プレセアさん無理しすぎ、倒れたよ!」

光「プレセア!だいじょうぶ!?」

プレセア「……だ……い……じょうぶよ……ちょっと『心』を使いきっちゃっただけ……」

光「本当に!?本当にだいじょうぶか!?」

まどか「今にも意識が飛びそうに見えるよ……辛そう……」

ほむら「倒れるほど消耗してまで作ったのね……本当に『心』が籠った武器なのね」

海「ありがとう、プレセア。素敵な武器を作ってくれて」

風「本当にありがとうございます」

プレセア「……あなた達……その防具は……」

さやか「え?あっそう言えば三人のつけてた鎧が変わってる」

まどか「片方しかなかった肩の部分の鎧が両肩に変わってるよ」

海「そうよ!この甲冑、突然変化したの!」

風「『エテルナ』の中で『エスクード』を手に入れたら、突然甲冑が光ってこの形に変わったんですわ」

光「風ちゃんも!?」

海「光もなの!?」

プレセア「……その防具は……導師クレフが授けたものね」

プレセア「……導師クレフはあなた達に『成長する防具』を授けたのよ」

プレセア「その『成長する武器』達と同じように『変化』していく『防具』を」

光「成長……」

マミ「なるほど……見た目鹿目さん達の方が立派な鎧なのに、魔法騎士の鎧の方が比べ物にならないぐらい良い物」

マミ「って言ってたのは成長していくからなのね」

まどか「クレフさんが鎧くれた時に言ってましたね」

海「そう言えば『伝説の鉱物・エスクード』は『セフィーロ』で唯一『成長する武器』が作れる鉱物だって言ってたわね」

プレセア「そうよ、『伝説の鉱物・エスクード』で作った武器はそれを持つ者の『心』の強さに合わせて『成長』していくの」

プレセア「あなた達の剣もそれが『真の姿』ではないわ」

光「これが本当の姿じゃない……?」

ほむら「私の弓も?」

プレセア「そうよ、あなた達の『心』の強さがその武器を『成長』させていくの」

プレセア「この『セフィーロ』ではどんな事も『心』が決定するわ」

プレセア「武器の出来、不出来も。魔法の成功、不成功も。――そして」

プレセア「『未来』さえも」

.

今日はここまで
続きはまた今度


プレセア「私はあなた達のためにそれぞれの『武器』を作ったわ、あなた達が好きになったから」

プレセア「あなた達に強くなって欲しいから……その『心』で武器を作ったわ」

光「プレセア……ありがとう」

ほむら「……ありがとう」

さやか「……初めて会った時、けっこうひどい事したと思うんだけど……」

海「う゛っ……」

マミ「必要な事だったと思うけど……それでもここまで好きだって言ってくれてるのだから良い人よね」

まどか「優しいんですね、プレセアさん」

プレセア「ヒカル」

光「何?」

プレセア「ウミ……フウ……ホムラ……マドカ……サヤカ……マミ……」

プレセア「死んじゃ……だめよ」

光「うん!」

まどか「はい!」

さやか「縁起でもないよ!」

マミ「大丈夫よ、死なせないわ」

ほむら「…………」

風「?」


モコナ「ぷぅ」

まどか「うん?あれ……額の宝石が光って……わっ!?」

ほむら「光線が……これは……魔法陣を書いてるの?」

マミ「結構大きいわね……何か出てくるわ」

光「わあぁぁぁ!!」

さやか「何……これ?羽が生えてる円い台……って言ったらいいの?」

モコナ「ぷぅぷぅ」

海「それに乗れって言ってるのかしら」

風「まぁ海さん、モコナさんの言葉がおわかりになるんですね。すばらしいですわ」

海「これを食べろってもし言ってるなら流石に温和な私もエキサイトするわよ」

ほむら「羽の部分なら食べられるでしょうけど……乗り物……なんでしょうね」

モコナ「ぷぅぷぅ!!」

光「これに乗れって!」

まどか「やっぱり乗り物なんだ……」

さやか「乗るのはいいけど、これ手すりも無い台に羽が生えてるだけだから乗るの結構怖いよ……」

プレセア「いきなさい『魔法騎士』たちと仲間たち」

プレセア「『魔法騎士』となるためには『魔神』を蘇らせなければならない」

プレセア「それにあなた達が手にしているその『武器』は『魔神』を蘇らせる『鍵』でもあるのよ」

光「『魔神』を、蘇らせる……『鍵』……」

ほむら「…………」

さやか「いや期待してる所悪いけど、転校生のは流石に違うんじゃ……」

ほむら「……別に期待してないわ……」

さやか「あ、うん……」

マミ「まぁ、もしかしたら蘇らせる事ができるかもしれないし、何かの時の予備や代理も可能かもしれないわね」


風「『魔神』っていったいどんなものなのでしょうか」

さやか「今まで詳しく説明してくれる人いなかったし謎だよね」

マミ「『鍵』は手に入ったんだし次は『魔神』でしょうし、もうその時が来るのを楽しみにしてましょ」

プレセア「モコナが『魔神』のいる場所に案内してくれるわ」

海「ま、またこの子の案内……?」

さやか「あ、頭痛くなる……」

モコナ「ぷぅぷぅ!!」

まどか「まかせてって言ってるみたいに張りきってるね」

ほむら「…………はぁ……」

光「!!」

マミ「剣が……」

光「また飾りの中に消えた……」

風「持ち歩かなくて良いのは便利ですわね」

海「こんなのがあれば学校でも便利よね、鞄とか体操着とか全部この中に入れて……」

まどか「でも、手ぶらで学校に行くのはちょっと変な感じがするじゃないかな」

風「その前に学校に通うには見滝原に戻らなくては」

海「はっ」

さやか「そう言えば、転校生は元々同じようなの持ってるけど日常でも使って……あれ?」

ほむら「…………」

まどか「ほむらちゃんの弓が……震えてる?」

光「ど、どうしたんだ?」

マミ「これは……武器が何か伝えたい事があるんじゃないかしら?」

さやか「ああ、ありそう。物語とかでよくありますもんね」

ほむら「いえ、単に他の武器見たいに消えたかったけど、さっき借りてた武器が盾の中から出られなかった様に」

ほむら「盾の中には勝手に出入りできないから困ってただけのようね」

マミ「…………そう……」

さやか「あ~~……うん、盾の中に入れたら静かになったね……」


プレセア「いきなさいヒカル・ウミ・フウ・マドカ・ホムラ・サヤカ・マミ」

光「でもプレセアが心配だ……」

まどか「まだ息も落ち着いてないし、辛そうだもんね……」

プレセア「――――私は大丈夫よ。さ、行きなさい」

光「でも……!」

プレセア「ヒカルに貰った食べ物すごくおいしかったわ」

光「ほんとうに!?」

さやか「食べ物って……そう言えば飴を武器のお金の代わりに渡してたっけ」

光「たしか、もう一コだけどこかに……」

マミ「スカートのポケットを探してるけど……あれだけ戦ったり動いていたんだから落してるんじゃ……」

ほむら「エテルナの中は水中だったし落してなくても水に……」

まどか「いや……うん、入ってないから詳しくはわからないけど、皆濡れてる様に見えなかったし大丈夫じゃないかな」

プレセア「『帰って』きたらぜひもう一つ欲しいわ」

ほむら「ああ……そう言うことね」

まどか「プレセアさんに飴を渡すためには、無事に帰ってこなきゃ駄目だね」

光「うん!絶対帰ってくる。プレセアが作ってくれた武器をちゃんと『成長』させて帰ってくる」

プレセア「待ってるわ」

マミ「さあ、そろそろ行くわね。皆モコナが出した乗り物に乗りこんで」

海「形状から言って飛ぶんだろうけど……これ七人+おまけ乗って飛べるの?」

ほむら「元々は『魔法騎士』の三人を想定して用意してたんでしょうけど……大丈夫でしょ、多分」

海「最後の一言はいらないわよ!不安になるじゃない……」

風「まぁまぁ、落ちる時は皆いっしょです」

さやか「そう言う事が言いたいんじゃないと思うけど……皆乗ったね」

まどか「うん」

モコナ「ぷぅ~~」

光「わっ羽が羽ばたいて浮いたよ」

まどか「もうこんなに高い、まだちゃんとプレセアさんにお別れしてないよ」


光「プレセアありがとう!」

海「ありがとうプレセア」

風「本当にありがとうございました」

まどか「ありがとうプレセアさん!」

さやか「ありがとうございました……ほら転校生も」

ほむら「……感謝してるわ」

マミ「ふふっ……プレセアさん、お世話になりました」

海「戻ってきたら私がケーキ焼いてあげるわ。得意なのよ」

マミ「あら、いいわね。私も得意だから手伝うわ、豪勢なの作りましょう」


プレセア「ケーキって何?」


海「食べ物よ」

さやか「甘くて美味しいお菓子よ……私は食べる専門だけどね」

風「『セフィーロ』にケーキの材料があるでしょうか」

海「『心』でなんとかするわよ」

まどか「『心』で材料どうにかなるの?」


プレセア「楽しみにしてるわ」


ほむら「スピードが速いわ、もうそろそろ声も届かない距離になるわね」

光「プレセアほんとうにほんとうにありがとう!」


プレセア「モコナ!皆を頼んだわよ!」


モコナ「 ぷ ぅ ー ー ー ー ! 」



プレセア(…‥もう見えなくなったわね……)

プレセア「――――!……ゼェ……ゼェ……」

プレセア(エメロード姫……どうかこれからも、あの異世界の少女たちをお守りください……)

プレセア(ヒカル・ウミ・フウ・マドカ・ホムラ・サヤカ・マミ……必ず帰ってくるのよ……)

今日はここまで
続きはまた今度


海「さて、今度はどこへいくのモコナ」

さやか「モコナ?」

モコナ「ぷぅぷぅ」

海「モコナ――――!!!!」

さやか「何かないの!?地図とか額の宝石から光線はなって方向指すとか」

モコナ「ぷぅぷぅ」

海「『ぷぅぷぅ』じゃない!次の行き先はどこなの!?」

モコナ「――――」

さやか「のほほーーんとした顔してるよ!」

海「このおお!!」

風「まあまあ海さん、さやかさん、そんなにエキサイトしては血圧が上がりましてよ」

まどか「大声あげるから、モコナ光ちゃんの背中に隠れちゃったよ」

ほむら「……聞かれないから言わないのでもなく、聞かれても言わないのね」

マミ「いやまあ……喋る事できないでしょうしね」

風「『沈黙の森』への道もモコナさんがちゃんと知ってらした事ですし」

風「この乗り物もモコナさんの額の飾りから出たものですし、クレフさんとの通信までモコナさんを通じてできました」

風「モコナさんも色々考えてらっしゃるんですねきっと」

海「……この子が……?色々考えてるって……?これのどこが何か考えてる顔なのよ!?」

さやか「どう見ても何も考えてないね?」

風「あら、思慮深げですわ」

モコナ「ぷぅぷぅ」

海「ふぅっ」

まどか「鼻で笑った……」


光「あっ」

海「どうしたの?光」

ほむら「敵?」

マミ「……鳥が飛んでるぐらいで、それらしい姿はないわね」

光「この景色……」

風「景色が何か?」

まどか「あっ……この景色……」

光「よく見て、私達が最初にこの『セフィーロ』に招喚された時見たのと同じ景色だ」

さやか「え、あっ……そっか……」

光「海、空に浮かんだ山、それに……火山」

海「突然見滝原タワーの床が抜けたんでびっくりしちゃって、はっきり覚えてないけど……確かにあの時見た景色ね」

マミ「異世界……『セフィーロ』でしか見られない景色ね」

光「これが……『セフィーロ』……きれいだ……」

まどか「……うん……これが『セフィーロ』なんだ……」

ほむら「…………っ!」

海「な……何!?」

マミ「皆!どこかに捕まって!」

光「わあぁぁぁあ」

海「お、落ちてる!これ、ものすごいスピードで落ちてるわよ!」

さやか「何なの!?人数多すぎて、重量オーバーだったの!?」

風「このままだと海面に激突しますわね」

海「モコナーー!なんとかしてよーー!」

モコナ「ぷぅぷぅ!」

さやか「何で嬉しそうに笑ってるのよ!?」

ほむら「こいつ……!」

まどか「駄目!もう海に……」

光「ぶつかる!!」

海「また水に潜るのぉ!?『妙な泉・エテルナ』で水中は堪能したわよぉ!」

モコナ「――――――――」

マミ「額の宝石が光が……」

風「シャボン玉に包まれてしまいましたわ」

まどか「ガラス……じゃないよね、シャボン玉の膜みたいのが……水の中透けて見えて綺麗……」

海「モコナ!こんな事できるなら最初からしてよ――――」

さやか「……表情変わらないね」

海「こ……この子わかってて、私達が困るのを楽しんでるんじゃないでしょうね」

ほむら「その可能性は高いわね……」


まどか「どんどん海の底に沈んで行ってるよ……」

マミ「海溝に入っていく……」

マミ(海の中の長く大きい海溝ってワクワクするわね)

海「見て!」

まどか「……すごい……」

風「『神殿』……のようですわね」

マミ「魔法陣と……龍……の紋章?角がやたらと長いけど」

ほむら「かなり大きいわね……なんでこんな海の底に……」

海「――――――――」

さやか「えっ?ちょっと、何か急に海が光り出したよ!?」

光「海ちゃんどうしたの!?」

海「……わからない……!」

まどか「これって神殿に近づいたから……?」

ほむら「神殿の中に入るわよ!何があるかわからないから気を付けて!」

さやか「えっ?わっ、この中水が無いよ」

マミ「あっ……神殿の床に着地したらシャボンが消えたわね。降りろって事かしら」

光「ちゃんと空気がある!ここは……どこなんだろう……」

まどか「水が……遮る物もないのに水が入ってきてない」

風「エアカーテンみたいですわね」

海「この『海の神殿』に『魔神』がいるのよ……」

光「海ちゃんどうして知ってるんだ!?」

さやか「ちょっと一人で奥に行ったら危ないよ!」

風「海さん!」

ほむら「これは……意識が無い……と言うより何かに操られての?」

マミ「神殿の奥にある何かに導かれている……と言う事でしょうね」

さやか「何かって……何?」

マミ「伝説の順番的に考えて……」

まどか「……『魔神』……」

ほむら「私達も追うわよ」


まどか「あっあれ……」

光「あれは……龍……?」

マミ「ドラゴンの……彫刻……いえ壁画かしら」

さやか「大きい……ゲームとかに出てくる西洋の竜みたいですね」

ほむら「『魔神』と関係が?……『エテルナ』の時みたいに、どこかで戦って勝てば従えられるのかも……」

海「…………」

風「海さん!危ないですわ!」

さやか「ちょっ……無警戒に近付いて、何があるかわからないんだから危ないよ!」

モコナ「ぷぅ!」

風「モコナさん……」

さやか「いきなり、とうせんぼなんてしてきてどうしたのよ?」

まどか「行くな……って事?」

ほむら「……変になって操る様に招かれたのが龍咲海だけで、他の『魔法騎士』の二人は何ともなっていない……」

マミ「これは龍咲さんの試練……と言う事なのね」


海「――――――――」


さやか「え?うわっ!海が近づいたら壁画が光って……」

光「龍が出てきた!」

風「モコナさん、海さんは大丈夫ですの?」

モコナ「ぷぅ」

さやか「コクと頷いてるけど信じて良いんでしょうね?」

ほむら「……巴マミ……危険と判断したら動くわよ」

マミ「ええ……でも『魔法騎士』の試練なのだとしたら……見極めが大変ね」



???<  我  が  名  は  『  セ  レ  ス  』  >


セレス< 伝 説 の 『 魔 法 騎 士 』 の み が 触 れ る 事 の で き る 伝 説 の 『 魔 神 』 >


.


光「『魔神』!?『魔神』って龍の事だったのか!?」

さやか「って事は、あれに乗って戦うの!?って言うか喋ったよ!」

ほむら(『魔法騎士』のみ……)

マミ(……触れないのね……)

まどか(何か二人が残念そう……)


海「――――――――」


?????「くすくす、あんまり遅いんで待ちくたびれちゃったよ」


光「誰だ!?」

まどか「後ろに!?……え?」

光「こ……子供……?」

さやか「こんな海の底に?」

ほむら「……普通の子供じゃないでしょうね」

さやか「武器構えなくても……いや、こんな所にいるんだし正しいのかな?」

マミ「こんにちは、あなたのお名前はなんて言うのかしら?」


?????「こんにちはお姉ちゃんたち、ぼくの名前はアスコット」

アスコット「ぼくね、ザガートに頼まれてお姉ちゃん達を殺しにきたんだ」


光「何だって!?」

まどか「そんな……こんな所まで……しかもこんな子供が……」

ほむら「……ザガートの追手なら元々の武器使った方がよさそうね」

マミ「ええ……子供だからって手加減はなしね」

さやか「……し……神殿は壊さないでくださいね?」

今日はここまで
続きはまた今度


アスコット「― ― ― ― ― ――――……」

光「な、なんだ!?」

さやか「あの子、呪文唱えながら魔法陣みたいなのを浮かび上がらせてるよ」

風「皆さん、気をつけて」

アスコット「 魔 獣 招 喚 !! 」

まどか「え?魔法陣から何か……」

光「魔物だ!」

風「何もない空間から、とつぜん出てきましたわ」

さやか「招喚獣ってやつ!?こんなの幾らでも呼び出せるなんて卑怯じゃない!」

魔物「ガアアアア!……ア?――――!?」

アスコット「わあああああ!?」

さやか「爆発した……転校生、それ……ロケットランチャー?」

ほむら「ええ、あからさまに魔法陣が浮かび上がっていたから狙いやすかったわ」

アスコット「ふぅん、ちょっとは魔法が使えるんだね。今のはやられる前に消したけど……」

まどか「今のは魔法じゃ……」

マミ「しっ!言わなければわからないわ」

アスコット「強いなあ、お姉ちゃん達。アルシオーネが負けるわけだね」

光「アルシオーネ……じゃ仲間なのか!?」

さやか「あの変な格好をしたおばさんの……」

アスコット「きゃはは、仲間?仲間なんかじゃないよ、あんなおばさん」

ほむら「…………」

アスコット「火の魔法を使うんだね、じゃ次は……― ― ― ― ― ――――……」

アスコット「魔獣招喚!!」

まどか「また魔法陣から魔物が……」

さやか「しかも燃えているような身体の魔物……ってまさか……」
.


光「 炎 の 矢 !! 」

さやか「あっ」

魔物「――――――――」

まどか「光ちゃんの魔法を……食べちゃった……」

光「魔法が効かない!?」

さやか「やっぱり……これって見た目通り……」

風「……相手は火の属性を持っているのかも知れません」

光「火?」

まどか「そっか……だから炎の矢を、あんなに美味しそうに食べたんだ」

風「『火』に『火』の魔法では、まさしく『火に油』状態ですわ」

光「そんな……!じゃ、風ちゃんの魔法も……」

さやか「そう言えば風の魔法って……」

風「私の魔法は、どうも『風』に関するものの様です……」

風「『火』を『風』であおれば……」

光「もっと燃える……!」

まどか「飛び火して範囲が広がるかも……」

さやか「そっか、二人の魔法じゃあの魔物倒しようがないんだ……」

風「火に対抗できるのは……」


光・風「「 『水』 !! 」」

まどか・さやか「「海」ちゃん」


ほむら「…………」

マミ「…………」

.


海「伝説の『魔神』……」


セレス<『魔法騎士』となるべく招喚された異世界の少女よ>

セレス<汝が我を『まとう』にふさわしい者である『証』を我の前に示せ>


海「『証』……?」


セレス<汝が力を我が前に示せ>

セレス<『伝説の魔法騎士』となるにふさわしい『心』の強さを我の前に示せ>


海「『心』の……強さ……」


光「わああぁぁ!」

風「きゃあぁぁ!」

まどか「きゃあぁぁ!」

さやか「うわあぁぁ!」


海(爆発!?今の悲鳴は!?)

.


アスコット「!」


海(子供?皆は……無事?今の爆発は……あの子がやったの?)


アスコット「よくもやったな、僕の友達を……!」


海「……友達……?」


アスコット「魔獣招喚!!」

マミ「魔法陣から出る時に隙があるわね」

アスコット「何所を攻撃して……」

魔獣「――――!?」

アスコット「え?リ、リボンが生えた?縛られて……」

マミ「ティロ・ボレー!!」

魔獣「ギョエエエ!!」

アスコット「うわぁぁぁ!!」


さやか「うわっ魔物がマミさんの沢山の銃で……」

光「てぃろぼれー?……てぃろふぃなーれ、じゃないの?」

風「決め技とおっしゃってましたし、ティロ・フィナーレはとどめに使うのではないでしょうか?」


アスコット「魔獣招喚!!」

ほむら「一つの魔法陣で一度に大量に招喚できるの!?」

マミ「これは思ったより厄介ね」


さやか「わっ!あんなに大量に魔物が……」

まどか「ほむらちゃんとマミさんだけで大丈夫かな……」

光「……私も戦ってくる!」

風「私も行きます。お二人はここで待っていて下さい」

まどか「わっわたし達もいくよ!」

さやか「そうだよ!あんなに魔物が多いんだから私たちだって……」


海「ちょっと何があったの!?」


.


光「海ちゃん!魔神はどうしたんだ?」

海「『証』やら『心』の強さを見せろとか言ってたけど、今はこっち優先よ」

まどか「魔神ほっぽってきちゃったの!?」

さやか「うわっ、あの龍こっち見てるよ!?」


セレス「…………」


海「後よ後、それより何があったのよ。ザガートの追手?」

まどか「いいのかなぁ……」

光「ザガートの追手がきて、今ほむらちゃんとマミさんが戦ってるんだ」

風「相手は子供に見えますが、魔法陣から魔物を招喚して襲ってきます」

風「属性を持っている魔物もいて、光さんの魔法も食べられたりしたのですが……お二人には関係ありませんでした」

海「まぁ……一人は魔法の銃で、もう一人は本物の銃だもんね」

まどか「二人は、なぜか魔物だけを直接攻撃してるの……あの子捕まえるのかな?」

さやか「それで、思ったより魔物の数が多く招喚できるみたいだから私達も手伝おうとしてたところなの」

海「なるほど……でも二人共優勢みたいだけど……手伝いいるの?」



アスコット「うわあぁぁぁ!!」

魔獣「ギャアアアッ!!」

ほむら「巴マミ!」

マミ「ええ、行くわよ!ティロ・エスプr……」

ほむら「技名は叫ばないでいいわ」

魔獣「ギョエエエ!!」

アスコット「うわあぁあぁ!!」



さやか「うわぁ……転校生がマシンガンやロケットランチャーでなぎ払って、マミさんも沢山の銃や大砲で一斉に……」

海「近づいたらまきぞえ喰らいそうなんだけど……神殿大丈夫なのこれ?」

光「加勢したいけど、出るまくが無いよ……これが魔法少女の本来の戦い方……」

風「爆発などが起きて危ないですから、もう少し離れていましょうか……神殿が壊れたら、もれなく全員海の底ですけど」

まどか「ううっいいのかなぁ……あれ?あの子こっちを見てる様な……」



アスコット「そのお姉ちゃん達を捕まえろ!」


.

今日はここまで
続きはまた今度


さやか「ちょっ!?こっち来たよ!?」

光「ほむらちゃんとマミさんは!?」

まどか「魔物が大量にいてこっちにこれなさそう……」


マミ「くっ、どきなさい!」

魔獣「ギョエエエ!!」

ほむら「魔物が邪魔でまどか達の方に行けない……」


アスコット「そのお姉ちゃん達をこっちにこさせちゃ駄目だよ!」


魔獣「――――――――」

さやか「うわわっ、この魔物さっきの光の魔法を食べた魔物だよ」

光「ボロボロ……ダメージを負ってるのに向かってくるのか」

風「今にも倒れそうでも、私や光さんの魔法では倒せないでしょうからですね」

まどか「冷静に言ってる場合じゃないよ」

海「  水  の  龍  !  」

魔獣「――――――――!」

さやか「あ……今度は、海の魔法の龍が魔物を食べた……」


アスコット「うわああ!また僕の友達を……」


海「また……さっきも友達って……」


さやか「ええい、こうなったらやってやる!」

まどか「さやかちゃん!?」

海「下がって!魔法を食べた属性持っている魔物は武器が効かないタイプかもしれないわよ」

風「今海さんが倒しましたけど、一体だけとは限りません」

さやか「なに。要は、マミさん達が向こうの魔物を全滅させるまで時間を稼げばいいんでしょ」

光「それはそうかも知れないけど……あんなにたくさんの魔物がいるんだからどれくらい時間が掛るか……」



マミ「これで終わりよ!」

魔物「グガアアア!」


アスコット「うわあ!向こうの皆やられちゃった!」


光「……大丈夫そうだね」


マミ「よし!こっちの魔物はすべて倒せたわね」

ほむら「まどか達の方へ――――!」


セレス<……………………>


ほむら「魔神が……」

マミ「こっちを見ている……」


セレス<……………………>


ほむら「まさか……手を出すなと言うの?」

マミ「え?それって……」

ほむら「『魔法騎士』の試練……」

マミ「そんな!ザガートの追手を試練に利用しようって言うの!?」


セレス<……………………>


ほむら「否定をしないと言う事はそう言う事なんでしょうね」

マミ「『魔法騎士』の三人だけできりぬけろって事?……それは……できるかもしれないけど危険ね」

ほむら「まd……鹿目まどかと美樹さやかもいるわ、さっきの魔物達と同じぐらいの強さの魔物と乱戦になったら……」

マミ「……覚悟を決めましょうか」

ほむら「巴マミ……勝てると思う?」

マミ「正直、楽に勝てるとは思えないわね。何せ相手が『伝説の魔神』なのだから」


セレス<……………………>


ほむら(ここは海の底の神殿、魔神に狙われたのなら全員を連れて逃げるのは私の魔法を使っても無理そうね)

ほむら「……しばらく様子を見ましょう」

マミ「え……でも……」

ほむら「本当に危険になったら、魔神にも邪魔されずに助ける方法があるわ」

ほむら「いざとなったらそれを使うし……試練と言うなら彼女達に乗り越えさせなければいけないでしょうし」

ほむら「守ってばかりじゃ強くはなれないわ、彼女達には強くなってもらわなければ困るもの」

マミ「……本当に助ける事は出来るのね?」

ほむら「そこは保証するわ」

マミ「……わかったわ……皆を信じましょう。でも、本当に危なくなったら全力で介入するわよ」

ほむら「ええ、最悪この神殿を壊してでも助けるわ」


セレス<……………………>


まどか「え……二人が来ないよ?」


アスコット「え!?」


さやか「何で……」

光「あ……魔神が二人の方をじっと見てる」

風「これは、魔神が御二人の邪魔を……いえ、見ているだけで何かしている様子はありませんね」

海「このパターンはもしかして……『魔法騎士』の試練だから魔法少女の二人は手を出せないって事?」

さやか「漫画や物語の中で偶にあるよね、本人達以外手を出せないってパターン……」

まどか「……さやかちゃんと私はいいのかな?」

さやか「あ~~……戦ってないから戦力外と思われてるんじゃない?」

まどか「戦力外……」

さやか「でも、そのおかげで一緒に戦えるんだから逆に良かったんじゃない?」

風「危ないですけど……ここで下がってもらっても狙われない所まで下がるのは不可能ですし」

光「それにあっちは数が多い……」

海「一緒に戦ってくれる?」

まどか・さやか「「うん!」」


アスコット「よくわからないけど……あっちのお姉ちゃん達が戦わないんなら……!」

アスコット「みんな!そのお姉ちゃん達をやっつけちゃえ!!」


さやか「来た!」

光「まどかちゃんとさやかちゃんは、後ろで援護をお願い!」

まどか「うっうん!」

さやか「え?私遠距離攻撃は……」



ほむら「始まった……」

マミ「ああ……獅堂さん危ない!」

ほむら「美樹さやか、剣を投げてどうするの!」

マミ「龍咲さん!後ろ!」

ほむら「まどか!弓を射っても足を止めちゃ駄目よ!」

マミ「ハラハラするわ……助けに入りたい」

ほむら「気持ちはわかるけど……でも……」


セレス<……………………>


マミ「……わかってるわ……かなりの数の魔物と魔神まで敵に回ったら、どうなるかわからないもの」

ほむら「……いっその事、魔神に奇襲をかけて動けない程度にダメージを与えて……」

マミ「それは考えたけど……そんな事した後で力を借してくれるかしら?」

ほむら「それが問題なのよね……『魔神』の力を借りなければ『魔法騎士』になれないかも知れないし……」

マミ「皆に頑張ってもらうしかないわね……」



まどか「どっどうにか戦えてるよ」

さやか「こいつ等、数は多いけど戦えないほと強くないよ」

まどか「と言うより『魔法騎士』の三人が強くなってる?」

風「やあああ!」

さやか「風も、前まで弓を使ってたと思えないほど剣が様になってるね」

まどか「これが『エスクード』の武器……」

さやか「これなら勝てるよ!私も負けてられない!くらえええぇ……ぇ?」

魔獣「――――――――!」

まどか「その魔物!武器が効かないタイプだよ!危ない!!」

さやか「うそ!?避けr……」


さやか「…………あれ?痛くない?」

まどか「光ちゃん!!」

さやか「え?」

光「うっ……」

さやか「うっ嘘……私の代わりに魔物の攻撃を……」

風「光さん!」

海「  水  の  龍  !  」

魔獣「―――――――!」


アスコット「ああ!また食べられた!」


光「だ……大丈夫……まだ戦えるよ……」

風「いけません!今、回復をしますからじっとしていてください!」

まどか「光ちゃん!大丈夫!?」

さやか「ごっごめん……私が油断したから……」



ほむら「集まっては駄目よ!散りなさい!」

マミ「鹿目さん!美樹さん!」


アスコット「今だ!」


魔獣「――――――――!!」

さやか「あ――――」

光「わああぁぁ!」

風「きゃあぁぁ!」

まどか「うわあぁぁ!」

海「爆発……みんな!光!風!まどか!さやか!」



マミ「魔物の魔法が爆発した!?美樹さん!」

ほむら「まどか!まどか!?」


セレス<……………………>

今日はここまで
続きはまた今度


光「う……」

風「――――――」


海「光!風!」


まどか「……ぁ」

さやか「うぅ……」



ほむら「まどか!」

マミ「美樹さん!」



海「光……風……まどか……さやか……」

光「…………」



ほむら「皆、気を失ってるけどまだ生きてる……」

マミ「早く治療しないと……でも……」


セレス<……………………>


アスコット「弱いなー弱いなー、あっちのお姉ちゃん達は強いのに弱いなー、ぼく弱い奴大嫌いなんだよね」


海「――――」



ほむら「…………」

マミ「…………」


アスコット「だからアルシオーネ……あのおばさんも嫌いだ、お姉ちゃんみたいな弱いのに簡単にやられちゃんだもん」


海「光と風とまどかとさやかに、怪我させたわね」


アスコット「いっけえっ!あのお姉ちゃんもやっつけちゃえ!!」

魔獣「――――――!」


海「  水  の  龍  !  」


魔獣「っ!」



マミ「一飲みに……さっきまでより魔法の勢いが増したように見える……」

ほむら「……『心の強さが力になる』……龍咲海の、まどかや獅堂光達が傷つけられた『怒り』で強くなったと言うの?」

マミ「『魔神』の思惑通りと言う訳ね……」


セレス<……………………>


アスコット「よくもやったな僕の友達を……!」


海「……………………」


アスコット「 魔 獣 招 喚 !! 」

魔獣「――――――――」



マミ「大きいのが出てきたわね」

ほむら「『水の龍』に食べられない様にでしょうね」



海「   蒼   い   竜   巻   !!   」

魔獣「ギョエエエ」



ほむら「あっ竜巻に飲まれた」



アスコット「うわぁぁぁ!」


アスコット「 魔 獣 招 喚 !! 」


マミ「!また大量に出してきたわね」

ほむら「今戦えるのは龍咲海一人、まずいかもしれないわね」



海「  水  の  龍  !  」

魔獣「ギャアアアッ」



マミ「2体を一撃で……でも……」



海(しまった!倒しきれなかった魔物が……!)

魔獣「――――――――」



マミ「駄目ね……暁美さん!」

ほむら「ええ――――っ!」



風「   守   り   の   風   !   」


海「!」

魔獣「――――――――」



ほむら「風の防壁?」

マミ「この魔法は……」



海「風!」

風「……また別の魔法を編み出せましたわね」

海「風!」



マミ「気絶した……無理したのね」

ほむら「後ろ!魔物が……」



光「   紅   い   稲   妻   !   」

魔獣「――――――――」

海「光!」

光「……海ちゃん……だ、だいじょうぶ……」

海「光こそ大丈夫なの!?」

光「――――…………」

海「光!光!!」



ほむら「獅堂光も気を失ったようね……」

マミ「……無茶をする子達ね……『魔法騎士』か……」


セレス<……………………>


魔獣「――――――」

海「ハッ!」



マミ「龍咲さんと獅堂さん達の間に魔物が……」

ほむら「さっきの獅堂光の魔法で魔物の数は減ったけど、まだ数は多いわ……このままじゃ……」



海「きゃあっ!」

魔獣「――――――――」


アスコット「なかなかやるじゃない、お姉ちゃん」


海(しまった!光達と、どんどん離されちゃう!)

海「光!風!さやか!まどか!返事をして!」

魔獣「――――――――」

海「光!風!さやか!まどか!」


アスコット「…………。そのお姉ちゃん達を捕まえ……」



ほむら「流石にそれは見過ごせないわ」

マミ「え?」

光風まどかさやか「「「「――――――――」」」」


セレス<!?!>



アスコット「な……なんで……お姉ちゃん達が、あっちのお姉ちゃん達の所に……」


海「しゅ……瞬間移動した?」



ほむら「龍咲海!こっちは任せなさい、元々その魔神が呼んだのはあなただけだった、これはあなたの試練よ」

ほむら「だから、この子たちを助けても構わないわよね?」


セレス<……………………>


海「……私の試練……」


セレス<……汝が力我が前に示せ>

セレス<『伝説の魔法騎士』となるにふさわしい『心』の強さを我が前に示せ>


海「『心』の強さ……」


アスコット「ふっふん!そんな変なお姉ちゃんたちなんていらないやい」

アスコット「怪我で自分も死んじゃうかもしれないのにお姉ちゃんを守るために魔法を使うなんてバカだな――」


海「バカ……ですって?」



ほむら「無駄に怒らせて……バカはどっちかしらね」



アスコット「バカだよ、他人のために怪我するなんてバカに決まってる」


海「……あやまりなさい」


アスコット「何か言った?」

魔獣「――――――――」



マミ「魔物が!速……」



海「  水  の  龍  !  」

魔獣「――――――――!」



ほむら「あっさり倒した……どんどん強くなって行くわね」



アスコット「あわ……あわ……」

海「あやまりなさい」

アスコット「マ…… 魔 獣 招 喚 ! 」

海「――――」

魔獣「――っ」



マミ「今度は出た所を剣で一撃……そのまま距離を詰めてるし、これは勝負あったわね」



アスコット「わああああああ!」

海「あやまりなさい!」

アスコット「な、な、な、何であやまんなきゃなんないんだよ」

海「私の友達を侮辱したわ!」

アスコット「友達?」

海「そうよ!光と風は私の大切な『友達』でかけがえのない『仲間』なのよ!侮辱するのは絶対に許さないわ!」

アスコット「友……だち……?」

魔獣「グル……」



ほむら「『友達』……か……」

まどか「――――――――」

今日はここまで
続きはまた今度


魔獣「――――――――」



マミ「!りゅ――」



海「  蒼  い  竜  巻  !!  」

魔獣「ギャアアアア」



マミ「……助けはもういらないわね」



アスコット「あああ!僕の友達によくも!」

海「友達?」

アスコット「そうだよ!あの子たちは僕の友達なのに!」

海「――――」



マミ「あっ……」

ほむら「ビンタしたわね……」




海「友達に攻撃させるなんてよくできるわね!」

海「友達が私達にやっつけられたり怪我させられたりして平気なの!?」

アスコット「平気じゃない!」

海「だったら!私が友達に怪我させられて、なぜ怒るのかよくわかるでしょ!?」

アスコット「ぅぇ……」

海「「あなたも友達が怪我をしたら悲しいでしょ!?」

海「友達が危なかったら助けてあげたいと思うでしょ!?」

アスコット「……………………」

魔獣「――――」



ほむら「魔物が……大人しくなった……」

マミ「言葉とかわかるのね……」


海「その子達があなたの友達なの?」

アスコット「そうだよ、でもみんなこんな変な姿してるのは友達じゃないって……」

アスコット「これは魔物だから仲よくしちゃいけないって……うぐっ……えぐっ……」



ほむら「あ……」

マミ「泣いちゃったわね……」

ほむら「……クレフと違って見た目通りの年齢なのかしらね」



アスコット「誰もこの子たちが本当は優しいんだってわかってくれなくて……」

海「わかるわ」

アスコット「え……!?」

海「この子たち、あなたの事心配してるわ」

海「私が光達を心配するのと同じ様にあなたを心配してるわ」

アスコット「――――――――」



マミ「……私にとってのキュウべえとの関係と同じかしらね」

ほむら「……………………」

ほむら「もう近付いても良いかしら?」


セレス<……………………>


ほむら「それ所じゃなさそうね」

マミ「念のため、もう少し待ってみましょう」



海「ねぇあなた名前は?」

アスコット「あ、アスコット」

海「は?マスカット?おいしそうな名前ね」

アスコット「アスコット!!」

海「アスコットね。ね、私達の事嫌い?」

アスコット「え、べっ別に嫌いって訳じゃ……」

海「じゃ、どうして私達を攻撃してきたの?」

アスコット「ザガートが……」

海「ザガート!?」

アスコット「お姉ちゃん達が『魔法騎士』って言うのになったら困るって……」

海「アスコットはザガートの仲間なの?」

アスコット「違うよ」



マミ「え?」

ほむら「……ザガートに頼まれてと言っていたから仲間なのだと思って攻撃していたのだけど……やりすぎたかしら……」


海「じゃどうして?なぜザガートの言う事を聞くの?」

アスコット「…………ちょっと前にお城からお使いが来て……ザガートがこいって……」

アスコット「僕、招喚士だから……きっとお城で何かを招喚する為に呼ばれたと思ったんだけど!」

アスコット「エメロード姫の神官ザガートが力を貸せって」

海「それだけでザガートについたの!?」

アスコット「だって友達と一緒で良いって!ずっとお城で暮らせばいいって!うえーん」

アスコット「みんな友達の事嫌ってて、避けてて!!何所へ行っても邪魔者扱いされるんだもん!」

海「あなたの友達は一般の皆様にご迷惑をかけた事があるの?暴れたり誰かに危害を加えたり……」

アスコット「ないよ!僕が頼まなければ絶対に暴れたりしないもん!」

海「じゃあ胸を張ってなさい!」

アスコット「――――」

海「あなたの友達は顔は怖いけど良い子たちなんでしょ!?それをあなたが信じてあげなくてどうするの!?」

海「自分に恥ずかしい所がないなら、誰が文句言ってもちゃんと胸張って生きてればいいのよ!」

海「ザガートの手下になって悪い事させたらこの子たち本当に『悪い子』になっちゃうのよ!」

海「あなたがこの子たちを『悪い子』にしちゃうのよ!それでもいいの!?」

アスコット「……やだ……」

海「私とあっちの皆もね初めて会ってまだちょっとしかたってないけど大切な友達なのよ」

海「誰にだって誇れる大切な仲間よ、みんながいれば私もっと強くなれるわ、もっと頑張れるわ」

海「もっともっと自分が好きになれるわ」

海「あなたもこの子たちがどうすれば『しあわせ』になれるか考えてあげなきゃ」

アスコット「ごめんなさい」

海「私もあなたの友達を攻撃してごめんね」



マミ「……あれだけ殲滅したから……罪悪感が……」

ほむら「わかってるから……言わなくてもいいわ……」


海「――――――――」



マミ「なっなに!?」

ほむら「龍咲海が光って……」



アスコット「――――」

海「――――――――」



光風まどかさやか「「「「――――――」」」」

マミ「皆の怪我が治って……」

ほむら「それだけじゃないわ、獅堂光と鳳凰寺風の鎧が大きく……」

マミ「龍咲さんも……それに剣が割れて……あれは柄の所に何か意匠が……」

ほむら「成長している……龍咲海だけじゃなく二人も……?『魔法騎士』は連動……繋がっているの?」



海「鎧がまた変化したわ!それに剣も……」

海「……龍!?」

セレス<『伝説の魔法騎士』よ、汝の友を思う『心』の強さ>

セレス<  確  か  に  認  め  た  >


ほむら「今度は魔神が光って……」

マミ「変化しているの?……あれは人型に……え?」


海「ロ……ロボット……」

マミ「か……カッコいい……」

ほむら(タンクローリーとかなら魔力で運転できるのだけど……動かせるかしら)

光「ん……うに?」

風「??いつの間に……?」

まどか「あっあれ?」

さやか「寝てた?……あれ?」

ほむら「起きたのね、今の状況は……見ればわかるわね」


セレス<しかし汝の『心』は、まだ我を『まとう』には十分ではない>

セレス<真の『魔法騎士』となって目覚めた時、我はまた汝の前に姿を現そう>


さやか「え?何!?人型巨大ロボット!?」

まどか「なっなにか光ってるよ!?」

マミ「龍咲さんの鎧の宝石に吸い込まれて……」

海「き……消えた……あんな大っきなものが……」

光風まどかさやか「「「「見ちゃった」」」」

ほむら「……見て余計に混乱したみたいね……」

光「??あ、あれ……龍……だったんだよね……」

風「『魔神』って巨大ロボットだったんですね」

マミ「『魔法騎士』以外もコックピットに一緒に乗る事は出来るのかしら?」

まどか「でも一緒に乗り込んだ場合、一緒に戦うのは無理になるんじゃ……」

海「はっ!大丈夫?光!風!さやか!まどか!」

まどか「えっと……爆発に巻き込まれたはずなんだけど……」

さやか「なぜか、全然怪我とかしてないね……」

アスコット「あ……あの……」

光風まどかさやか「「「「はっ」」」」

さやか「この子はザガートの……!」

海「大丈夫よ、皆」

光「にゃ?」

ほむら「…………」

アスコット「……ご、ごめんなさい」

光「? ?  ?」

まどか「え?……えぇ?」

ほむら「……お仕置きはした方が良いかしら?」

アスコット「!?」

マミ「それじゃあ……お尻ペンペンぐらいで……」

アスコット「!?!」

今日はここまで
続きはまた今度


~~?????~~

ザガート「『魔神』の一つが蘇った……」

?????「まぁアスコットはまだ子供やさかいなあ、詰めが甘いのはしょうがないで」

?????「ほな、次はうちの番やな」

カルディナ「この超プリティでナイスバディなカルディナさまの!ほな、いっちょもんだろか」

ザガート「……『魔法騎士』かは分からないが、アスコットとの戦いを『見て』いた限りでは、二人程手強いのがいる」

カルディナ「とは言っても、可愛らしいお嬢様がたやさかい大丈夫やろ」

ザガート「…………」

カルディナ「『お仕置き』はうちも受けとうないし頑張ってくるわ」


さやか「また、この乗り物に乗って行くのか……今度は急に落ちないでよね」

まどか「透明なガラスみたいなのが張ってあるから、水の中見えて綺麗なんだけどね……」

光「大丈夫かなぁアスコット、海の中に残してきちゃって……」

海「地上まで送るって言ったのに先を急ぐだろうからって……」

ほむら「元々一人であそこまで来ていたのだから、帰る事ぐらいできるでしょう」

風「気を使ってくださったんですわ、私達が急いでいるのは事実ですもの」

まどか「気を使ったと言うか……二人に怯えていたからじゃ……」

さやか「トラウマになってなきゃ良いけど……」

海「……ザガートを倒せば、アスコットもアスコットの友達も仲良く一緒に暮らせるかしら……」

光「海ちゃん……」

マミ「大丈夫よ、きっと……あんなに仲が良いんですもの」

海「クレフに、あの生意気な若づくりのおじさんに頼んでみるわ」

まどか「頼むって……何を?」

海「どこかにアスコットが友達と一緒に暮らせる所がないか紹介してほしいって」

海「745年も生きてるんだもの!きっとどこか良い場所知ってるはずよ!」

光「うん!」

さやか「だっ大丈夫かなぁ……」

風「魔導師さんは不動産屋さんではないのでは」

ほむら「土地を融通するのではなくて、一緒に暮らせそうな地域を紹介してもらうだけだから……」


モコナ「ぷうぷう」

さやか「あっまた何所に行って……」

海「モコナーーーー!!」

マミ「りゅ、龍咲さん?どうしたの、いきなり大声を上げてモコナを捕まえたりして」

海「今度と言う今度はちゃんと答えてもらうわよ!」

モコナ「ぷう?」

海「毎回毎回どうして戦闘になると失踪するのよ!」

まどか「……あ~~……」

海「ひょっとして私達が困ってるのを見て楽しんでいるんじゃないでしょうね」

ほむら「確かにそこは、はっきりさせときたいわね」

モコナ「――――」

まどか「え?何か様子が変だよ」

海「な、何よ……どうしたの?」

モコナ「…………」

さやか「何か難しい顔してるよ、むーーんとか唸ってそうな顔を……!?」

マミ「あっキスした」

光風「「――――」」

ほむら「獅堂光と鳳凰寺風の二人が凄い勢いで転んだわね」

まどか「あのタイミングでキスをするとは思わなかったもんね……頬にだけど」

海「モコナーー!!」

モコナ「ぷうぷう」

海「今回と言う今回は許さないわよぉ!そのふわふわの体の中身がなんなのか、絶対に確かめてやるわ!」

光「はっあわわっ」

さやか「あっそれ賛成!ふわもこしてる犬に水かけた時みたいに、中身判明させてガッカリしてやろう!」

ほむら「獅堂光の背中に隠れてるけど……笑ってるわね。困ってるのは獅堂光だけみたいね」

まどか「光ちゃんが逃げて二人が追いかけてる……」

マミ「ちょっ……三人共走り回らないで!狭いのだから危ないわよ」


風「あらあら高いですわねぇ」

海「え!」

さやか「何、急に?」

風「ほら、もうこんなに高い所まで登ってしまったみたいですわ」

さやか「高い所って、ここ海の中……ああ、海底って標高高い山いっぱいあるんだっけ……ってぇ!?」

海「きゃああああ!い……いつの間に空の上まで来ちゃったの~~」

まどか「地面が……あんなに遠い……」

マミ「いつの間にか雲の上にまで上がってたのね」

海「ちょっと高いわよ!高いわよ!」

光「――――」

さやか「何これ何これ!本当に高いよ!」

まどか「何か三人共目を回してるよ」

マミ「獅堂さん龍咲さん、美樹さんもビックリしすぎよ……ってモコナも目を回してない!?」

ほむら「新しい遊びだと思ってるんでしょ……確かに高いわね、この世界に初めて来た時と同じくらいの高さかしら」

風「くすくす、ほんとうに」

海「モコナ!この乗り物大丈夫なんでしょうねっ!こんな高さから落ちたらしゃれじゃすまないわよ!」

さやか「そうだよ!こんだけ高かったら水だってコンクリート並に硬くなるんだからね!」

風「大丈夫ですわ」

まどか「え?何か考えがあるの風ちゃん?」

風「この高さから落ちたらすぐ気絶してしまって、痛いと思う間もなく頭に輪を載せられますわ」

ほむら「巴マミ、パラシュート持っていて。いざとなったらこれを強化してなんとかして」

マミ「この世界に来た時に言っていたパラシュートね」

マミ「そう言えば、あの時言っていた乱暴な方法で落下速度を減速させる方法って……」

ほむら「爆弾を下に落として、その爆発を盾と魔法で爆風を調節してパラシュートに……」

マミ「あっ、もういいわ……止めてって言う訳にもいかないのよね……」


光「ハッ!見て!」

まどか「え!?あれ……何?大きい透明な……水晶の島……?」

光「あれは……『セフィーロ』に来た時に見た、空に浮かんだ山だ……」

マミ「空に浮かぶ水晶でできた山……ファンタジーね!」

ほむら「『セフィーロ』の事だから水晶ではなくて、この世界の鉱物かもしれないけど」

風「――――――――」
  フウ カゼ
海「風!風だわ!」
     カゼ           フウ            カゼ
さやか「風が纏わりついて風を……これ普通の風じゃないよ」

光「風ちゃん!」

風「……ここは……『空の神殿』です。この中に……『魔神』がいるんですわ……」

光「……風ちゃん……」

ほむら「これは……『魔神』……?」

風「――――――――」

マミ「鳳凰寺さん飛んで……」

光「風ちゃん!」

海「風ーーーー!」

まどか「風ちゃん!消えちゃった……」

光「風ちゃんーーーー!!」

ほむら「獅堂光!」

モコナ「ぷぅ!」

光「モコナ!」

ほむら「あ……」

まどか「光ちゃんの足にしがみついて……光ちゃんを止めたの?」

光「追うなって言ってるの?風ちゃんにはやる事があるからって……?」

モコナ「ぷぅ」

さやか「頷いてる……やっぱり『魔神』が呼んだんだよね?」

海「ちょっと、本当に風は大丈夫なんでしょうね!?なんだか人が違っちゃったみたいだったわよ!」

マミ「意識があるのに意識がない様な状態……白昼夢……いえ一種のトランス状態と言えば良いのかしら」

ほむら「『魔神』が呼んで導いているらしいわ」

光「海ちゃんもああだったよ、あの海中にあった神殿で……」

海「?なんの事?」

さやか「覚えてないんだ……」

今日はここまで
続きはまた今度


海「ひゃああああ!」

まどか「うああああ……」

海「ほ、ほんとうにこの山、空に浮かんでるのね」

海「確かにここから落ちたら、痛いと思う間もなく天使モードだわ」

さやか「天使モードって、羽と輪っかと白い服だよね……着たくないなぁ」

光「これが……風ちゃんの言ってた『空の神殿』」

ほむら「『海の神殿』と比べると色々違うみたいね」

マミ「あっちは海の底なのに水が入ってこなくて神秘的だったわね」

マミ「こっちは岩……水晶かしら?所々に浮かんでいて、まさに空の浮かぶ神の住む場所って感じね」

ほむら「どう言う感じよ……」

さやか「うっうん、言ってることわかりますよ……厳かな雰囲気がありますよね」

海「まぁ、大きい空に浮かんでいる山に神殿の入口みたいな穴が開いてるんだもの、何かいそうな感じはするわよね」

ほむら「……ちょっと周囲を見てくるわ」

光「ほむらちゃん、周囲って……ここ以外には小さめな岩が浮いてるだけで何かある様に見えないけど……」

まどか「……ザガートの追手?」

ほむら「えっ、ええ……『海の神殿』の時の様に待ち伏せされているかもしれないから……」

光「一人で行くの?それなら私も一緒に……」

まどか「私も!」

ほむら「いえ、この神殿部分以外は岩山みたいになってるわ、もし足を踏み外せば地上まで真っ逆様よ」

さやか「うっ……ここ雲より高いんだよね……見滝原タワーよりも高いよね」

ほむら「危ないからここにいてちょうだい」

海「でも危ないのはあなたも一緒でしょ?もし追手と遭遇したら戦いになるだろうし一人じゃ……」

マミ「戦いになるからよ」

海「え?」


マミ「戦いになった場合神殿部分以外は足場が悪いわ、まだあなた達じゃ無理よ」

海「ま、魔法でなら……」

まどか「私、弓だから……って言っても駄目ですよね……」

マミ「ええ……全く動かずに戦う事なんかできはしないわ」

さやか「……動かずにいたり纏まっていたりしたら、この前見たいに……」

ほむら「私と巴マミなら慣れてるからどうとでもなるから……」

光「慣れてる?」

さやか「ああ……魔女の結界での戦いの事?」

まどか「あの中、変な空間だったもんね……」

ほむら「魔女の結界はそれぞれ中は違うわ、空の上にロープを何本か張られただけの結界もあったわ」

光「いつもそんな所で戦ってたんだ……」

まどか「…………」

海「それならマミさんと二人で行ったら良いんじゃ……」

ほむら「巴マミと私のどちらかは残った方が良いわ」

マミ「そうね、もし二人で行ってこっち側が襲撃されたらどうなるか……」

マミ「皆成長してるから負けなかったとしても、誰か大怪我か最悪……」

まどか「……今治療できる風ちゃんもいないから……」

光「そうか……もしもの事考えたら、どっちかはいた方が良いのか……」

ほむら「まぁ、念の為に軽く見まわってくるだけだから……海の神殿の時の事考えたらすでに中にいる事も……」

マミ「その時は任せておいて、懲らしめてふん縛っておくわ」

ほむら「すでに鳳凰寺風は『魔神』の所に呼ばれているわ。私もすぐ戻るわ、急ぎましょう」

光「あっほむらちゃん……行っちゃった」


まどか「……うん、私達も風ちゃんと『魔神』の所に行こう」

さやか「ここ天井高いですね、やっぱり『魔神』が巨大ロボットだからなのかな?」

マミ「まぁ、あの姿になった時天井にぶつかったりしたら格好悪いし崩れたりしたら危険だものね」

光「ここに『魔神』がいるのか……海ちゃんの胸飾りの中に入ったみたいな『魔神』が……」

マミ「――――!」

?????「お早いおこしで!」

光「誰だ!?」

さやか「敵!?」

?????「もーーう」

?????「こんなビュリホでワンダホなうちを、こないに待たして悪いお嬢様がたやで!」

海「ちょ、ちょっと、あれ大阪弁じゃないの……?」

光「ううううう……うん……」

まどか「そうだと……思うけど……なんで?」

海「セフィーロの言語形態には大阪弁も含まれてるの?それともセフィーロにも大阪があるの?」

さやか「見た目マントを着たあれな格好のお姉さんだけど……敵なの?」

?????「うちはカルディナ、お嬢様の名前は?」

光「し、獅堂光」

海「龍咲海よ」

さやか「美樹さやか」

まどか「鹿目まどかです……」

マミ「……巴マミよ」

カルディナ「シドウ・ヒカル?リュウザキ・ウミ?ミキ・サヤカにカナメ・マドカ?最後はト……ト……マミやっけ?」

カルディナ「けったいな名前やなぁ」

海「悪かったわね!」

マミ「…………」

カルディナ「もう一人のお嬢様は、なんちゅう名前なん?」

光「もう一人って……」

海「風ね!風がどこにいるか知ってるの?」

まどか(ほむらちゃんの事じゃないのかな……?)

マミ(鹿目さん……?警戒してるのはいいけど……張り詰め過ぎてるわね……)

カルディナ「フウちゃんかいな、あのお嬢様は」

光「風ちゃんを知ってるのか!?」

カルディナ「うん、知っとるよ」

海「何所にいるの!?教えて!」

さやか「嘘じゃないよね!?」

カルディナ「だいじょうぶ、だいじょうぶ、すぐに会わせたるさかい」

光「ありがとう!」

マミ(信用はできないわね……罠かしら……何か仕掛けてきたらリボンで拘束しましょう)

さやか(いやぁ、この世界に来てエメロード姫かザガートの関係者ぐらいしか会ってないから一般人に会うの初めてだよ)

さやか(……って、一般人がこんな空の上の神殿にいる訳ないよねぇ……)


カルディナ「いやぁ、そない素直に礼言われたら困ってしまうなぁ」

カルディナ「なんせうちは……」

カルディナ「ザガートはんの関係者なんやから……」

光「 ザ ガ ー ト ! ? 」

さやか(やっぱり!しかも何か……お…………)

マミ(リボンで――――ぁ……しまっ…………これ……)

まどか「――――ぁ…………ほ…………ち……――――」




風「――――――――」

?????<伝説の『魔法騎士』よ>

風「…………」

風(風が……集まって……竜巻みたいに――――)

?????<我を『まとう』べく、この『空の神殿』を訪れた者よ>

風(風の中……何かが……大きい……羽……風がおさまって……)

?????<我が名は 『 ウ ィ ン ダ ム 』 >

ウィンダム<『魔法騎士』を待ち、ここに眠り続ける伝説の『魔神』>

風「……鳥……四枚の羽を持った……鳥……」

?????「「――――――――」」

風「はっ!――――光さん、海さん」

光「…………」

風「『魔神』が私に話しかけてきたんです、ほらあそこに……?」

風「きゃああ!!」

風(後ろから斬られた!?でも後ろには光さんや海さんが……)

海「…………」

風「!――う……海さん……なぜ……」

光「――――」

風「光さん!?」

風(光さんも剣を!?っ!)

光「…………」

風(なんとか避けれましたけど……何故二人が……他の皆は一体……)


?????「あーーははははは、お嬢様は逃げるんが上手やなあ!」


風「ハッ」


?????「あ、自己紹介が遅れまして」

?????「うちはカルディナ」

カルディナ「本業は踊り子なんやけど、踊りで人を操ったり相手に幻覚見せたりできる『幻惑師』でもあるんや」


風「『幻惑師』のカルディナさんですわね……」


カルディナ「おお、礼儀正しい娘さんやなあ、ごっつぅ気に入ったで」

カルディナ「と言う事でその二人はうちに操られてんねん、でお嬢様を殺すように命令してある」

カルディナ「他の三人も、もう一人のごっつぃ強いらしい黒髪のお嬢様を殺すように命令してあるから助けはこないで」


ほむら「ハァッ……ハァッ……くっ!」

マミ「――――――――」

ほむら「……ハァッ……ハァッ…………巴……マミ……」

さやか「――――――――」

ほむら「フッ!……ハァ……ハァ…………美樹さやか……」

まどか「――――――――」

ほむら「……まどか……!」

ほむら「なんで…………なんでいつも……こんな……!」

まどか「――!」

ほむら「こんな『異世界』に来てまで!私は!あなた達と――――!!」

今日はここまで
続きはまた今度


マミ「!」

ほむら「っ!止めなさい!」

さやか「――――!」

ほむら「くっ……」

まどか「――――――」

ほむら「まどか……」

ほむら(エスクードの時の様な幻じゃない……)

ほむら(皆、意識がない、操られてる……でも……)

マミ「――――」

ほむら(……動きに精彩がない……これなら……)

まどか「…………」

さやか「…………」

マミ「…………」

ほむら(倒す事は…………っ…………逃げる……訳にもいかない……)

ほむら(今の状態の三人を置いて行く訳にはいかない)

ほむら(恐らく、操ってる敵の目的は魔法騎士の三人……)

ほむら(巴マミも操られているのなら、一緒にいた筈の獅堂光と龍咲海も抗えてるとは思えない)

ほむら(鳳凰寺風を二人に襲わせて、まどか達は私が邪魔に入らない様に抑えておく役回り……)

ほむら(今この三人を無視して向かえば方法を変えてくるかもしれない……何でも言う事を聞く人質みたいなモノだもの)

ほむら(それこそ自決する様に仕向けてくるかも……)

ほむら(相手にとって元々全員殺すのが目的なはず……役に立たないなら生かしておく理由はない……)

ほむら(人質は一人でも残ってたら良いと思い、何人か見せしめにと殺されたりしたら……)

ほむら(今は手こずってる風に見せかけて、何とか少しずつでも鳳凰寺風がいるはずの神殿の奥に向かうしか……)

ほむら(でも……合流できたとしても、何とかする手が……)

ほむら(せめて操ってる敵が分かれば……仕留める事はできるのに……)


マミ「――!」

ほむら「リボンを……!」

マミ「――――――――」

ほむら「ふぅ……」

ほむら(やっぱり何時もの巴マミより反応が遅い……これならリボンを操って来ても避ける事は出来る……けど……)

マミ「…………」

ほむら(……この人に銃を向けられるのは……嫌なモノね……)

さやか「――――!」

ほむら「美樹……さやか……!」

ほむら(操られてる所為か剣を振る動きが大胆になってる……まるで自分が傷つくのを考えに入れてない見たいに……)

さやか「…………」

ほむら(魔法少女じゃない今は攻撃受けたら危ないと言うのに……同じなのね……)

ほむら「くっ!」

まどか「――――」

ほむら「まどか……」

ほむら(まどかに射られてる…………何度も考えた……何時かまどかに――事になるかもって……でも!)

ほむら(これは操られてるだけ……まどかの意思じゃない!)

ほむら「……こんなの……絶対に許せない!!」


風「……あなたもザガート関係の方……ですわね」

風(この際どい格好した方も、ザガートからの刺客……)

カルディナ「じつは……」

風(何か深刻そうな……もしかしてアスコットさんと同じ様に何か已むに已まれぬ理由が……)

カルディナ「お金もろてん」

風「――――――――」

カルディナ「うちはもろたお金分働く、プロフェッショナルな『踊り子』あーんど『幻惑師』やさかいなあ」

カルディナ「ま、人間真面目に働くんが一番やで」

風「…………」

風(言ってる事は、正しいかも知れませんけど……)

カルディナ「と言う事で状況説明は終わりや、ほな続きいこか」

光「――――――――」

海「――――――――」

風「光さん!海さん!」

風(二人同時に……避けきれない!)

光「!」

風「――!」

風(押さえつけられて……剣を出して盾に……)

風「……ハッ」

風(魔神が……)


ウィンダム<『魔法騎士』となるべくこの世界を訪れた少女よ>

ウィンダム<汝が我を『まとう』にふさわしい者である『証』を我の前に示せ>


(汝が力……『魔法騎士』となるにふさわしい『心』の力を我の前に示せ)

風「『心』の力……」

海「――――」

風「『セフィーロ』では」

光「――――」

風「全てを『心』が決定する」

風「『信じる心の強さ』が……『未来』を決める……」

風(クレフさん……プレセアさん……フェリオ……皆、言ってました……)

風「……――――」


風「   戒   め   の   風   !!   」


光「――――」

海「――――」


カルディナ(なんや?風が魔法騎士の二人に纏わりついて……拘束したんかいな?)


風「――――!」


カルディナ「!!」

カルディナ(うわっ、一気に間合いを詰めて首元に剣が……)


カルディナ「おみごと!さすが『魔法騎士』になるお嬢様は違うわ!そんな魔法が使えるとは!」

カルディナ「いや、ほんまに御見それしましたっ。ほな……」


ほむら「鳳凰寺風!」


風「ほむらさん!ご無事でしたか」

カルディナ「ありゃ、むこうさんも来たんかいな。向かわせたお嬢様がたは……」


マミ「――――――――」

さやか「――――――――」

まどか「――――――――」


カルディナ「全員無事かいな……つまりろくに反撃もしないで、あのお強そうなお嬢様の攻撃を捌ききったんかいな」

カルディナ「しかも、わざわざこっちに誘導までして……ほんまにあっちのお嬢様は『魔法騎士』じゃないんかいな?」

風「ほむらさん、マミさん達も……」


ほむら「操られてるわね。そっちは……二人が風に……新しい魔法覚えたのね」

ほむら「そして状況を見るにその怪しすぎる格好のが……」


風「ザガートからの刺客の、『幻惑師』のカルディナさんです」


ほむら「まどか達を操った犯人……」


カルディナ「そんなに強く見つめられたら怖いわぁ……だから次の手いこか」

風「!」


ほむら「身が軽い……けど、絶対に逃がさない!」


カルディナ「お客が二人何はちょっとさみしいけど。ま、しゃーないな」

カルディナ「♪♪」


ほむら(この状況で踊り出した?……まさか!?)


風(な……なんですの……?か、体が……!)

風(体が……勝手に……!)


ほむら(しまった……体が勝手に動いてる……これが『幻惑師』の力……)


カルディナ「お。二人共、ええ感じにうちの幻惑にはまってくれたみたいやな」


ほむら(このままじゃ、まどか達に……?)

ほむら(攻撃が来ない……まどか達の動きが止まってる?どうして……)

ほむら(もしかして一緒に操るのは無理なのかしら……いえ、動きが止まっているって事はまだ操られたままのはず)

ほむら(何か他の目的が……まさか!?)


風(ぐ……勝手に光さんと海さんの所に……止まらない……!)

風(ほむらさんもマミさん達の所に移動させられて……やめ……)


カルディナ「♪」


風「!!」

光「――――――――」

風「光さん!」

風(剣で光さんを斬っ……!)


カルディナ「♪」


風「!!」

海「――――――――」

風「海さん!!」


カルディナ「ほいほいっと!やあ、気持ちよう操られてくれてうち嬉しいわ!」

カルディナ「伝説の『魔法騎士』とかちゅうたいそうな名前やけど」

カルディナ「ま、可愛らしいお嬢様がたやさかいこんなもんやろ。あははは」


風(――……――……)


カルディナ「あっちのお嬢様はどう……へ?」


ほむら「――――っ……ぁ……!」


カルディナ「耐えてるんかいな?こっちのお嬢様はごっついなぁ」

カルディナ「でも、耐えとっても辛いだけやで、はよ楽になりいな」


ほむら「ぐ……あぁ――!」


風(ほ……むらさん……)


カルディナ「ん?なんや?お腹のあたりから血が流れとるで?もしかしてそっちの娘に撃たれて怪我しとったんかいな」

カルディナ「そんなに踏ん張っとたら、血がどばどばでて痛いやろ?もう諦め」


ほむら「…………ち……い……」


カルディナ「ん?」


ほむら「もう……撃ちたくない……また……みんなを……まどかを……殺したく……ない……」

ほむら「もうあんな事嫌なのよ!!!」


カルディナ「うぇ!?ゆっくりやけど幻惑かかっとるのにこっちに動き出した!?ちょっこれヤバいんちゃうん!?」

今日はここまで
続きはまた今度

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom