海未「ああ、そうです」

海未「これを…」

穂乃果父「これは？」

海未「この間のライブの写真です」

海未「穂乃果が写ってるのを集めました」

海未「おじさんが穂乃果から直接もらうのは憚れると思いまして」

穂乃果父「あ、ありがとう…」

ﾍﾟﾗｯ ﾍﾟﾗｯ

穂乃果父「かわいいなぁ…」ﾎﾞｿｯ

海未「そうでしょ？」ﾆﾔﾆﾔ

穂乃果父「うっ…」

海未「おじさんも素直に穂乃果ともっと触れ合ったらいいのに」

海未「世間では普通ですよ？うちは違いますが」

穂乃果父「穂乃果の前では頑固親父だからな」

穂乃果父「今さらどうしようもない」

海未「そうでしょうねぇ…」

穂乃果父「海未ちゃん」

穂乃果父「あと、この衣装なんだが…」

海未「？」

海未「これはことりが作った衣装ですよ？」

穂乃果父「そうか、ことりちゃんが…」

海未「この衣装がどうかしました？」

穂乃果父「この衣装、非常に可愛らしい衣装だと思う」

海未「え、ええ…私もそう思います」

穂乃果父「だが！」

穂乃果父「肌の露出が多すぎる！」

穂乃果父「腹が露になってるじゃないか！」

穂乃果父「父親としてこれは認められん！」

海未「…」

海未「ふ、普通ですよ…」

海未(少し前の自分なら、おじさんと同じ意見でしたね…)

穂乃果父「まあ、ありがとう…」

海未「また持ってきますよ」

穂乃果父「海未ちゃんは穂乃果の写真をたくさん持ってるんだな」

海未「えっ…」

穂乃果父「写真係がいるのかい？」

海未「ま、まあ…そんなところですね」

穂乃果父「でも、こんなに楽しそうに踊ってる娘を見ると…」

穂乃果父「この子は昔から変わらないな…」

海未「ええ…」

穂乃果父「こんなに無邪気に笑って…」

穂乃果父「はぁ…」

穂乃果父「穂乃果もいつかお嫁に行ってしまうんだよなぁ…」

海未「えっ！？」

穂乃果父「えっ？」

海未「穂乃果を嫁に出すんですか！？」

穂乃果父「？」

穂乃果父「普通そうじゃないのか？」

海未「えっ…」

海未「そ、そうですよね」ｱｾｱｾ

穂乃果父「まあ、先の話だけどな」

海未(それまでに必ず…)

穂乃果父「しかし…アイドルなんて始めて…」

穂乃果父「変な男共が寄り付かないといいんだが…」

海未「大丈夫ですよ」

海未「変な男共は寄り付いてません」

穂乃果父「変な男共は寄り付いて無いのか…よかった」

海未「ええ…変な男共は寄り付いてません」

穂乃果父「なんで繰り返して言ったんだい？」

海未「おじさんを安心させたかったんですよ」

穂乃果父「そうか、そうか」

穂乃果父「しかし、穂乃果はアイドルを始めて…少し大人になった気がする」

海未「穂乃果も日々成長をしていますからね」

海未「いつまでも子供ではないですよ」

穂乃果父「俺にとってはいつまでも可愛い子供なんだがな」

穂乃果父「子供の成長を喜ぶ一方で、寂しくもあるな」

海未「そういうものですか」

穂乃果父「反抗期もくるのだろうか…」

海未「来るんじゃないですか？」

海未「年頃ですし…」

穂乃果父「他人事の様に言うが、君も年頃だろう」

海未「私は反抗期とかは別に自覚はありません」

穂乃果父「そ、そうか…」

海未「穂乃果も大丈夫でしょう？」

海未「反抗期の様子が思い浮かびません」

穂乃果父「いや、少し心配してるんだ…」

海未「え…？」

穂乃果父「先週の日曜日の事なんだが…」

～

穂乃果父「穂乃果」

穂乃果「なぁに、お父さん」

穂乃果父「今日暇だから仕方なく、お前が行きたがってたコナンの映画に連れててってやる」

穂乃果「あー…ごめんね」

穂乃果「今日はμ′sの練習があって…」

穂乃果父「」

～

穂乃果父「これは反抗期の予兆に違いない」

海未「は？」

穂乃果父「毎年コナンの映画に行くのがお決まりだったのに！」

>変な「男」共は

あっ...(察し

海未「また来週いけばいいじゃないですか」

海未「今週の日曜日は練習ありませんし…」

穂乃果父「毎週誘うのは気が引ける」

海未「おばさんに頼んでみては？」

穂乃果父「…妻に頼むとからかわれるから嫌だ」

海未「おじさんって面倒な性格ですね」

海未「じゃあ私が上手く言っときますよ」

穂乃果父「本当かい？ありがとう」

海未「いえいえ」

穂乃果父「ああ、そうだ…」

穂乃果父「１つ聞きたいことが…」

海未「？」

海未「なんですか？」

穂乃果父「…」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

海未「おじさん、スマホ持ってたんですか」

穂乃果父「雪穂に選んでもらったんだ」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

穂乃果父「これなんだが…」

海未「写真？」

海未「！？」

海未「これは！？」

穂乃果父「海未ちゃん…何故穂乃果と…」

海未(これは大分前に公園で不意に穂乃果のほっぺにキスしてしまったときの写真…)

海未(何故この写真が！)

穂乃果父「これは本物だろう？」

海未「い、いいいいや！これは！」

穂乃果父「いくら親友だからって、キスはダメだろう！キスは！」

海未「今の世間では普通なんです！」

海未「普通！」

穂乃果父「本当かい？」

海未「本当です！誓います！」

穂乃果父「なら、よかった」

穂乃果父「しかし、相手が海未ちゃんでよかった」

穂乃果父「どこの馬の骨ともしれない野郎だったら、探しだしてぶん殴ってたところだ」

海未「あはは… 」

穂乃果父「海未ちゃん」

穂乃果父「今後とも穂乃果をよろしくお願いするよ」

海未「はい…おまかせください」

海未(これは穂乃果と私が恋仲になってもいいということですか…)

海未(それとも穂乃果の露払いをしろってことですかね…)


穂乃果「海未ちゃーん！準備できたよー！」

海未「穂乃果！」

海未「すいません、おじさん」

海未「それでは失礼しました」

穂乃果父「またおいで」

・・・・

海未「穂乃果」

穂乃果「なあに、海未ちゃん」

海未「穂乃果のお父さんは穂乃果思いのいいお父さんですね」

穂乃果「えへへ、そうかな～」

穂乃果「ありがとう！それ聞いたらお父さんも喜ぶよ」

海未「はい！」


海未(父親か…)

海未(朝から晩まで働いて…)

海未(楽しみといえば、お風呂上がりのビールと愛する家族の笑顔だけ…)



海未(おじさん…穂乃果はあなたのこと大好きですよ)

海未(だってあなたを誉められてこんなに喜んでるんですもの)

海未(羨ましいです限りです…)

海未(私もたまにはお父様に甘えてみましょうか)

おわり