橘純一「転校生?」(9)
橘「しかも女の子ってホント?」
梅原「この情報屋梅原の情報信用しろって大将」
薫「くだらないこと言ってんじゃないわよバカども、転校生ってだけで珍しいんだから性別なんてどっちでもいいじゃない」
橘「バカとはなんだ!」
梅原「その差はでかいぞ!」
薫「はいはい」
高橋「はい、席について~」
高橋「転校生を紹介します!朝比奈さん、入ってきて~」
涼風「朝比奈涼風です!これから宜しくお願いします!」
橘「美人だぞ!やったな梅原」
梅原「大勝利だな大将!」
高橋「はいはい、静かに~朝比奈さん、席は橘くんの隣ね」
橘「やったぞ!」
梅原「羨ましいぜ大将…」
涼風「宜しく」
橘「宜しく!!!」
涼風「え?何でそんなに元気いっぱい?」
橘「気にしないで!こっちの事だから!」
絢辻「残念だけど橘くん、これから朝比奈さんに色々と学校のことを教えに行かなきゃいけないの」
橘「そんなぁ…」
絢辻「ごめんね」
薫「良かったね涼風ちゃん、変態に捕まらなくて」
橘「変態じゃない!欲望に忠実なだけだ」
涼風「そ、そうなんだ…」
涼風『変な人…』
橘「んじゃ後でね~朝比奈さん!」
涼風「ハハハ」
橘「今日から僕の人生は薔薇色だぞ~!」
モブ「あいつはやめとけって」
橘「え?」
モブ「中学一緒だったけど、細かいことは気にしまくるし、陸上部だったんだけどストイックすぎて疎まれぎみだったし、怒るとすぐ手が出るし」
橘「ふーん…」
薫「でもそうやって先に決めつけて嫌いって言うのあたし嫌いだからしないかな」
梅原「当たり前だよ!な、大将」
橘「当然」
橘『っていうか性格のキツイ美人に叩かれるなんて男の夢じゃないか!くぅ~こんなに早く願いが叶うだなんて!』
ガラガラ
絢辻「みんな、そろそろ授業始まるわよ」
薫「お帰り!あたし棚町薫、ヨロシクね~」
涼風「朝比奈涼風です、ヨロシク」
梅原「梅原です」
キリッ
涼風「は、はぁ…」
涼風「あ、そうだ…えーっと」
橘「純一です!」
涼風「純一くん、教科書とかまだ無いから貸してくれる?」
橘「いいよ!」
放課後
橘「あんまり喋れなかった…」
梅原「はっはっは!まぁ気にすんなよ」
橘「気にするよ」
梅原「一緒に帰ろうぜ…な?」
橘「悪いけどちょっと先生から手伝いの要請が」
梅原「あちゃー、頑張れよ大将」
橘「おう」
職員室
高橋「それじゃコレ朝比奈さんにお願い」
橘「え?朝比奈さんもう帰ったんじゃ?」
高橋「体育館で走り高跳びの自主練してるわ」
橘「転校初日で…」
高橋「凄いわよね…だからあんなにスタイルいいのかな…」
橘「麻耶ちゃんも充分だよ」
高橋「ちゃん付けしない!」
橘「…はい」
体育館
橘「朝比奈さん、確かにストイックだな…」
ガラガラ
涼風「ちょっ!」
橘「ごっ、ごめん!着替えてる最中とは思わなくて!」
涼風「この…変態!」
バアアアン
橘「ゲブウウウウ」
涼風「いきなりなんなのよ!転校初日からこんななんて信じられない!」
橘「…ありがとうございます」
涼風「は!?」
橘「ご褒美を貰ったぞ…」
涼風「へ、変態…」
橘「もっと言ってくださ…ハッ!いかんいかん!何かに目覚めるところだった!取り乱してごめん…実はこのプリント渡すように麻耶ちゃんに言われてて」
涼風「麻耶ちゃん?」
橘「高橋先生の事だよ」
涼風「ああ、なるほどね…ありがとう」
橘「うん」
涼風「それと…悪かったわよ、勘違いで殴って」
橘「いや、こっちもノックもしないでいきなり入ってごめん…お詫びに片付け手伝うよ」
涼風「ご、ごめん…ありがとう」
橘『よし!朝比奈さんの汗が染み付いたマットを片付けるぞ!その前に』
くんかくんか
橘「今のうちに嗅ぎ溜めしておこう」
涼風「ちょっと…何…してんの?」
橘「しまった!バレた!」
涼風「この、変態!!!」
バアアアン
橘「ありがとうございます!」
涼風「さっさと片付けるわよ」
橘「わかりました…」
橘『怒ると怖いな…』
橘「ねぇ、朝比奈さん、この後一緒に帰らない?」
涼風「セクハラしない?」
橘「天地神明に誓ってしないよ!」
涼風「ならいいけど…」
帰り道
橘「朝比奈さん、どうしてあんなにストイックにできるの?」
涼風「いつもああじゃないわよ!ただ、もうすぐクリスマスでしょ?その辺になると冬の大会が近くなるのよ」
橘「へー、やっぱり全国とか狙ってるんだ」
涼風「うん、ある人との約束でね」
橘「ある人?」
涼風「そ!だからサボるわけにいかないのよ!」
橘「そっか、でも辛くならない?」
涼風「確かに練習はキツイときもあるし、みんながこんな練習ばっかりで普段結構冷たいからどう思われてるのかなって思うときはあるけど、しょうがないよ!」
橘「ふーん、何か朝比奈さんはカッコいいね」
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