男「ちょっ、見ないでよっ!」
女「いいじゃん♪ちょっと見してー」
男「やめてってばぁー!!」
女「ほれっ!」ヒョイ
男「ふわあぁ…!」
女「なにこれ…」
女「これ男が書いたの?今の授業中に?」
男「う、うん…(なんだよこの人…全く話したこともないのに突然…)」
女「これって!あれだよね?〇〇〇ってアニメの!」
男「えっ!?し、知ってるの?」
女さんは
男女問わず、みんなから慕われる僕なんかと対極な存在
明るくて、元気で、いつも笑っている
それに対して僕は
教室の隅っこの方でちまちまと絵を描いてるようなヲタ根暗ボーイ
そんな僕が見てるようなアニメを女さんが知ってる?
女「へぇ~上手いねぇ~きみの絵」
男「えと、あのさ…」
女「ん?なに?」
男「そのさぁ…んと、あの、なんで…」
女「あぁーもう!!あんたもっとはっきり話しなさいよ!!」
男「ふえぇ…(ど、怒鳴られた…)」
モブ男「おーい、女」
モブ子「お昼御飯食べに行くよー」
女「あ、うん!今行くねー」
女「あ、話しは後でねー」
男「え、うん…(また話さなきゃダメなのか…)」
女「」ヒソヒソ
モブ男「」ヒソヒソ
モブ子「」ヒソヒソ
あぁ…またなんか言われてるなぁ…
まぁ、慣れっこだけど
男(みんな知ってる?便所飯って実際に存在するんだよー)モグモグ
男(臭い…)
男(つらい…)
ガタガタ
男(っ!?うわっ誰か入ってきた!?ここは普段誰も使わないのに…)
不良a「しっかしいいとこ見つけたなぁ~不良b」
不良b「あぁこの旧校舎のトイレはめったに、というかまったく人がこねぇからな。来るとしたら便所飯してるやつとかじゃね?」
男(びくっ…)
不良a「ギャハハ、便所飯なんかしてるのこの学校中でこいつだけだろ?なぁ、男」
男(えっ!?な、なんで!?僕がここにいるって…なんでこいつら僕のこと知って…)
男(に、逃げなきゃ…)
不良b「おいっ!なんとか言えよ!!」ゲシッ
男2「痛っ!や、やめろよ…」
男(!?僕の声…?)
不良a「おらっ!ここならお前をた~っぷり可愛がれるからな!!男!!」ゲシッゲシッ
男(え?え?どーゆーこと?声も一緒で、名前も一緒?誰なんだ?)
男2「や、やめてよぉ~!い、痛い!!」
不良a「ギャハハハ、こんな楽しいこと止められるかよ!!」
不良b「てめぇ見てっときしょいんだよ!!なよなよしやがって!!」
男2「たす…けて…」
男(た、たすけな、きゃ…)
男(で、でも…)
不良a「きもっ!きもっ!死ね!!」
不良b「きったねぇ!トイレで寝そべるなんて!!ギャハハハハ!!」
男(こ、こわ…い)ガクガク
ドガッ!バキッ!ドカドカッ!!
男(うっ…うぅ…)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
男2「ゲホッ!!ゴホッ!!うぇ…」
不良a「もうへばりやがったか…」
不良b「今日はこの辺にしとくか。行こうぜ」スタスタ
ギィ…
男2「……!?」
男「………だ、大丈夫?」
男&男2(お、同じ顔…?)
男「………ご、ごめん。その……たすけ、られ…なかった」
男「こわ…くて…」
男「その…こ、これ絆創膏…」
男2「ゴホッ…あ、ありが、とう」
キーンコーンカーンコーン
男「あ、予鈴が鳴っちゃた…」
男「だ、大丈夫?保健室に、行く?て、手を貸そ、か?」
男2「だ、大丈夫」ムクッ
男2「こんなのに、日常茶飯事だから。1人で、だい、丈夫」スタ…スタ
男「あ、…うぅ」
男(一体誰だったんだろう…。学年は?クラスは?)
男(僕と同じ顔、同じ声)
男(そしてなよなよしてるところも似てたな…)
教師「………!………とこ!…」
教師「おいっ!男!!」
男「ひ、ひゃ、ひゃい!!お、起きてます!!」
教師「起きてますじゃねーよ!!教科書63ページ、早く読め!!ぼっーとすんな!!」
男「はっ、はい!!」
クスクス…フフ
男(わ…笑われてる…)
男(くそっ…)
女「男!」
男「うひゃっ!」
女「ちょ、ちょっとこんなことでビビんないでよ…」
男「ご、ごめん…なさい!!」
女「もぉ~そーやってすぐ謝んないの!」
男「…は、はい」
女「それにしても、さっきのはウケたね~」
女「男も授業中ぼっーとしたりするんだ!男、真面目だからそーゆーのない人だと思ってた」
男「…う、うん」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
男(……完全に会話が途切れた…このコミュ障め!)
女「じゃ、じゃあまた明日っ!バイバイ」
男「……あ、ぅ…サヨナラ」
男(かっこわりぃ…すげぇ気ぃ使われた)
女「」コソコソ
モブ男「」コソコソ
モブ子「」コソコソ
男(女『せっかく話しかけてやったのに全然話弾まねぇよ、あの根暗野郎』)
男(モブ男『ダメだよ、ありゃ典型的なコミュ障だってwww』)
男(モブ子『マジきもいわぁ~なんで話かけてんの?』)
男(女『ん~と、遊び?ww』)
男(モブ男&子『ギャハハハハwww』)
男(………………)
男(サイテーだな、僕)
男(帰ろ)
男(今日買うもんはこんなもんかな)
男(やぱこのスーパーは安いな)
男(あ、そうだ卵、卵)
男(あった!最後の1パック)
男2「あっ」
男「あっ」
男&男2「ど、どうも…」
読んでくれている方がいるかわかりませんが
明日からテストなので
早いですが今日はこの辺で
明日からは勉強時間の合間合間にちょくちょく投稿します
~公園~
男「え、えとーあの昼の傷は大丈夫?」
男2「あぁ…うん。最近は、こ、こんなんだから」
男「さい…きん?前まではなかったの?」
男2「う、うん、ついこないだ不良aにぶつかって、さ。そっから殴る、蹴る、の…いじめ」
男「そ、そんだけで!?ひ、ひど、い」
男2「さっき、も言ったけど、だい、丈夫。慣れたから」
男「そ、そういう問題じゃ…」
男2「じゃあ、キミが代わってくれる?ぼくと」
男「えっ…う、え…」
男2「冗談だよ。それに今までは順風満帆な人生送ってたから」
男「そ、そうなんだ…」
男2「ごめん…話に夢中になったら急に饒舌になるんだ。皮肉なもんだ」
男「あ、う、うん(僕と、一緒だ…)」
男2「じゃ、じゃ、僕は、帰る…ね」
男「あ、う、うん…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
男(不思議な子だったなぁ~)スタスタ
男(僕に顔も声もそっくりな子…)スタスタ
男(あっ!!名前聞くの忘れてた…)スタスタ
男(また会った時に聞こうか…)
男(でも彼へのいじめ、相当きつそうだ…)
男(ちらっと服の間から見えたけど、すごい痣と傷…)
男(っう!…傷まで僕と似てるのかな…)ズキッ
男「ただいまぁ~」ガチャ
母「お帰りなさい、わが息子。私にする?私にする?そ、れ、と、も私にする?(棒)」
男「ボケならせめて目を見て、十分にやりきってください。あと、気持ちが悪いです。鳥肌が立ちます。」
母「わぁーつめたーいー。ひどーいー(棒)」
男「まずは、そのサスペンスから目を離して」
母「絶対に嫌」
男「なら中途半端に絡むな!」
母「あ、そーいえばクラスの子から電話がきてたわぁー」
母「えーっと…女さんっていったかしら」
男「ふーん、わかった。あとでかけ直してみる」
男「……」
母「……」
男「……」
母「……」
男「うええっうえ!?!?!?!?」
男「ど、どーゆーこと!?え!?え!?うええ!?」
男「なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?」
母「ちょ…もう、聞こえないから、テレビ、静かにして」
男「いやっ…だってマジで意味が分からない……うえええ!?」
母「あーもーうるさいなぁ~」
母「ま、とりあえずさ」
母「友達からの電話でしょ?」
男「え、あー…うん」
母「そう…」
母「……よかったわ」ポロッ
男「…うん」
母「…中学のときのあなた…だか、ら…すごく…心配…で」ポロポロ
男「…うん、大丈夫だよ」
母「うっ、うっ…」
母「…ほら、あんたのせいで犯人誰だかわかんなかったじゃない…」
男「…ごめん。ごめんね、母さん」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プルルルプルルル
男「」ドキドキ
プルルルプルルル
男「」ドキドキ
プルル…プッ
男「っ!?」ビクッ
タダイマルスニシテイマス…
男「あぁ…」ショボン
ピーットイウハッシ…ガチャッ
男「!?!?」ビクッ
女「も、もしもし男くん!?」
男「ぁひゃ、ひゃい!!(ぐああああ、やらかした!!声裏返った!!)
女「ごめんね、突然家に電話しちゃって…お母さんなんか言ってなかった?」
男「い、いや…だ、大丈夫れす…(ろれつが回らん…)」
女「…あ、それでね、なんで電話したのかっていうとね…」
男「う、うん…」ゴクッ
女「あの…今週の日曜空いてる…?」
男「」
女「あれ?男くん?男!?」
男「はっ!(あまりのことに意識が…)」
男(な、なんだって突然…?なんなんだ一体…)
女「大丈夫?」
男「あ、はい!!」
女「ごめんね、突然だから困るよね…」
男「い、いやいやいや!そ、そんなことな、い…!」
男「…に、日曜あ、空いてるよ…」
女「ほ、本当っ!?やったぁー!!じゃあ集合場所とか時間を話し合おう!!」
男「うん…(神様…ありがとう…)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
女「…………それじゃあ日曜日10時に駅前で!」
男「う、うぅん…」
女「じゃあ、また明日ね。バイバイー」ガチャ
男「……………………」
男(うわあああああああ)
男(おわあああああああ)
男(ぐわあああああああ)
男(なんだ、なんだ、なんだ!?わっけわかんないっ!!)
男(女さんが僕をデートに!?まず電話の時点でも意味がわかんないのに!!!!)
男(なんだこれええええーー!!!!)
男「うぐおわああああああ!!」
母「うるせぇ!!バカ息子!!」
男(あ、声出ちゃった…)
男「……今日はとりあえず寝よ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
男「…………ったい…………い……………痛いよっ!やめてよ」
いじめっ子a「うるっせぇよ!!きしょくのわりぃ声出しやがってよぉ!!」ガンッ
男「うっ!!」
いじめっ子b「暗いヲタク野郎、そんでもってこの女みてぇな顔!!」アタマガシッ
男「うぁあ…」
いじめっ子b「キモいっ!!」バシッ
男「うぐあぁ…」
いじめっ子c「今日はなにしよっかー」
いじめっ子c「そーだ♪全裸で校舎一周ランニングでもしてもらおっか」ニコッ
男「え…!?そ、そんな…」
いじめっ子c「え?なに?あんたに決定権はないからね?これは僕らの遊びだから」
男「うぇ…うぅ」グスッ
いじめっ子a「ほらっ、脱げよ」
男「い、いやあぁ…」
いじめっ子b「ほら早くしろよ、ドカスが!!」バシッ
男「ぐっ…あ」
男「やめて…嫌だ……………やめて」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
男「…や………め………」
男「やめて!!!!」
男「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
男(嫌な夢を見たな……)
男(悪いことほど鮮明に覚えてるなんて、人間もうまくできちゃいないな)
女『じゃあ、また明日ね。バイバイー』
男(女さんは…彼女の陰にはなにもないかな…)
男(…やめよう。何事も疑うのは…よくない)
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