女「私が本来書くべきなのは彼らかも知れない」(9)

8月の某日、その日私はいつも通りに編集社にいた

いつも通り下らない芸能の記事を書いたり下らない娯楽系の記事を書いたりする

本来私が書きたい記事は真実である

なぜ日本はあれほど諸外国からのいちゃもんを我慢しなければならないのか

それも今始まったことではない、かなり前のことだ

その真実を国民に伝えたい、その思いで今の会社に入社した

だが現実はそう甘くなかった

弱単発です

小さい頃から夢を見ていたがそれが叶わないと気づいた人間だとすれば、それは私のことだ

私と同じ考えを持つ人は入社当時何人もいた

しかしほとんどが突然辞めさせられた

彼らは決して不真面目にやっていたわけではない

彼らの伝えたい真実がどうやら上にとって気にくわなかったようだ

そんなこともあってか、私は真実を捏造として伝えるようになった

分かっていた、捏造してはいけないと

しかし、下手に動けば上の思う壺

自分の立場まで脅かされてしまう

まったくこれでは昔の日本のようではないか

気づいてはいたがそれを言う勇気がない

私はそれをとことん憎んだ

ネットではマスコミはクズだのなんだの言われているが、

本当にクズしかいない訳では無いことを分かってもらいたい

それを伝えることさえままならない

いつしか私の心は腐っていた

まるで、どこかのパクリ国家のように

そんな気持ちの中、私にひとつの案が入ってくる

なんと今回の記事に自衛隊のことを入れたいから取材してこいとのこと

私はこれをチャンスととらえた

うまく行けば私が伝えたいことを伝えられるかもしれない

断る理由もなく私は承諾した

かくして私は空、陸、海のそれぞれの自衛隊について書くことになった

まず私当たったのは航空自衛隊だ

ただ単に近かったのもあるし、かなり期待したからだ

しかし、ここで事件がおこる

スクランブル警報が鳴った

所属不明機多数が東京上空に現れたのだった

急いで自衛隊員たちはF-15に乗る

30秒程で次々と基地を発進していく

しばらく見たあと私は少佐に呼ばれてブリーフィングルームにいた

少佐曰く、この事ものせてほしいとのこと

自衛隊が記事に、それも専門誌ではない普通の娯楽系に載るのは異例のことであるそうな

私はスクランブル時に撮った写真を確認しつつブリーフィングルームに向かった

ブリーフィングルームはすでにパイロット以外の隊員が集まっていた

「諸君、忙しいところすまないが先程の警報の通りスクランブルだ」

少佐の一言で緊張感が高まる

「所属不明部隊は本日午前10:34分に東京湾に襲来」

「今のところ彼らの目的は不明だが、恐らく………なんだ!?」

少佐がいいかけたところで大きな爆裂音が鳴る。正直いきなり過ぎて状況がつかめない

「何だ!?状況!!」

少佐の一声に一人のオペレーターが答える

だが帰ってきた答えは信じられないものだった

「敵襲です!巨大な航空機による攻撃と思われます!」

その日が私の全ての日常を非日常へと変えた

所属不明部隊の中に空母よりも大きい機体が確認された

その機体からの攻撃により品川、お台場エリアが壊滅状態だと言う

戦闘機による攻撃はまだないものの巨大航空機による攻撃は壮絶なものだった

政府は自衛隊の出撃を決断

陸、海、空それぞれが初めて牙を剥いた

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