【空の境界ss】式「幹也に会いたい…」 (37)


あれからどれくらいたったのだろうか。

私と幹也は、死ぬ寸前で救出された。

幹也に手を伸ばす――――

でも私の意識は、ここまでが限界だった。


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型月ニキかな?


目が覚めると私は知らない部屋で寝ていた。

私が目覚めると、近くにいたナースらしき人が大慌てで、部屋から出ていく。

どうやらここは病室らしい。

そこからはあまり覚えていない。

父様やら、母様やらがきて、色々とお灸を据えられた。

秋隆はフォローしてくれたけど、それでも当分は大人しくしないといけないらしい。

そんなこともあったが

以外にも退院は早かった。


家に帰る道、秋隆に送られる。

そういえば

あいつはどうしたんだろうか

秋隆に聞いてみる

どうやら幹也は、別の病院に入院しているらしい。

「式お嬢様、お見舞いにいかれますか」

秋隆がそう聞いてくる。

私は、幹也に会いたかった

でも、どうすればいいのだろうか。

私が一人で悶々としていると

秋隆が気をきかせてくれたらしい。

気がつけば

幹也が入院しているらしい病院の前だった。


ここは以前、私が入院していた場所でもあり――

懐かしさに目を細める。

病院のナースさんは、まだ私のことを覚えているのか

私が受け付けで聞こうとしたら

「黒桐幹也さんですね」と

私が聞くよりも早く答えた

病室の場所を聞き、お礼を言ってその場を離れた。

お見舞いなのだから、私は何か買っていくことした。

売店で、フルーツでも買っていこう。


「貴女何しに来たんですか」

聞き覚えのある声が響く

「――何で式がこんなところにいるのよ」

「鮮花」

身体中の熱が覚めていく――

「何で式が、どういう面をしてここにいるのよ」

鮮花の声が売店に鳴り響く。

「お、オレは幹也のお見舞いに」

「何で、どうして――」

鮮花の言葉にならない言葉

「幹也が入院しているから」

声を振り絞る

「式、貴女、幹也がどういう状態か知ってる」

鮮花の声は震えていた

「兄さんは、幹也は――」

「お見舞いに来てみれば、片目が塞がれてて」

「医者の話によればもう、満足に歩けない――!」

「おまけに身体には、薬が回ってて」

「今も苦しんでるわ」

――空気が

――――凍る

「あ、鮮花」

ピシャリ、と鮮花に遮られる。

「黙って、貴女の話なんて聞きたくないわ」

>>2

はい


鮮花は

泣いていた

かける言葉が見つからない。

事実、私が悪いのだ。

幹也を危険な目にあわせて

――――私は


「鮮花、お、オレ」

鮮花に何か言おうと

「式、入院している幹也の所に行ったら」

――――殺すわよ?

鮮花にそう言われた。

怖い

恐い

コワイ

これほど怒った鮮花を見たことがなかった。

自分に向けられた怒りとは

これほど怖いとは思わなかった。

鮮花が怖い


その後のことを私はよく覚えていない

途中、秋隆が何か話しかけてきたようだけど

私は何も聞いていなかった。

気がついたらアパートのベッドで

寝ていた。

喉が渇く――

私は起き上がって、冷蔵庫に向かう

その時、ふと、わきに置いた鏡に目が止まる。

酷い顔だ。

泣きはらした目が赤く腫れている。

こんなの幹也に見せられないな

と幹也のことを考え

鮮花の言葉を思い出す。

――[ピーーー]わよ

ダメだ今の幹也にあいにいかせる顔がない


水を飲み

また寝ることにする。

目が覚める。

喉が渇く――

時計を見てみる

まだ寝てから時間はあまりたっていない。

私は、水を飲もうと冷蔵庫に――

瞬間吐き気がした。

急いで洗面所に向かい、吐瀉物を吐き出す。

何回めかの嘔吐で身体の不快感が薄れていく。

どうしたのか、風邪でも引いたのか。

ううん、そんなはずはない

まだあの事を引きずっているのか。

私は不安に思いながら口を濯ぎ

またベッドに戻る。

そのまま、身体を丸める。





――――幹也に会いたい


あれから幾日もたち

学校帰りに

幹也が入院している、病院の前まで通う日が続く。

中には入らない。

ただ、幹也の病室の前をぼぉっと眺めるだけ。

そうしてまた家に帰る。

ベッドでまとまる。

正直、あの日から身体の調子はよくない。

時々、気分がひどく落ち込み

何回も吐いてしまう。

それは、私が弱いからなのか。

それに最近は、酸っぱい果物とかが食べたくなる。

果物を食べ、吐き、寝る生活。

幹也が見たらどう思うかな、と考えてクスリと笑う。

幹也のことを考えていたら

不思議なことに身体の不快感が薄れていく。


今のうちに寝ることにする。

布団の中で身体を丸める。



枕を幹也に見立てて、抱き締める。






――――早く幹也に会いたい


朝、目が覚める。

体調は、あまりよくない。

秋隆も心配してくれるが

今日の私は、体調が気にならないほど受かれていた。

幹也の退院まで一週間をきったと、秋隆から報告があったからだ。

思わず、顔が緩んでしまう。

けど、それもつかの間

また、吐き気が

こらえる、大分なれてきた。

この嘔吐間に加えて、生理痛まで被っていたら

…あまり考えたくない

――生理痛?

そういえば、生理が全然きていない。

最後にきたのはいつか

何ヵ月前だったような…


生理が来なくて楽だなと

考えていたんだけれど











――――まさか


私は、急いで薬局で妊娠検査薬を買う。

家に帰る。

結果は――

陽性だった。

でもいつ

他の奴なんて考えられない。

相手は、幹也しかいない。

確かに、その、み幹也と

その、シたけれど…

「ってことは、私がお母さんで、幹也がお父さんってこと――――!」

思わず、声が出る。

どうしよう…

妊娠だなんて…

幹也になんて言おう

私は、嬉しいけれど

幹也は――――


泣きそうになる

どうしよう

幹也に嫌われたら

私は生きていけない

ううん、大丈夫まだ決まった訳じゃない

明日、学校が終わったら病院に行こう。

病院には秋隆が付き添いできてくれた。

私は良いといったのだけど

秋隆はどうしてもついてくると聞かないから

ほおっておくことにした。

秋隆はずっと落ち着かない面影で待合室をうろうろしてる。

「両儀さーん、両儀式さーんお入りください」

どうやら私は呼ばれたようだ。


――
――――
――――――

「おめでとうございます。ご懐妊です」

医者は淡々と私に事実を言った。

妊娠してまもないこと

あまり、はげしく動いたら流産してしまうから大人しくすること。

その他色々と聞かされた。


病院の帰り道、秋隆が恐る恐る聞いてきた。

「それで、式お嬢様」

「妊娠しています」

せっかくだから答えてやることにした。

「それでお相手は」

「幹也よ、何か文句あるのかしら」

「いえ、ありません」

そうだろう

後ろの席から小さくガッツポーズしているのが見えるのだから


色々と悩んだりしたけれど

その日はきた

私は桜の木の下で待つことにした。

幹也が病院から出てくる。

半月ぶりに見た幹也の顔

目は髪で隠してある

やっぱりダメだったのか。

そうして、幹也とたわいもない話をする。

そして、幹也が言ってくれた言葉

こっちの背筋が凍るような台詞を言ってくる


無視してやろうか

そう思ったけど一度くらい私の気持ちを言葉に出してもいいだろう。

それに昔の式だって…

私は、幹也に精一杯の告白をしてやる。

ふふ、驚いてる。

やっぱり、幹也は幹也だ。

子供ができたって、私を嫌いになったりはしないだろう。

全く、無駄な心配をしたものだ。



幹也と手を繋ぐ

暖かい、それで安心する大きな手のひら

私は、ニヤけそうになる頬の緩みを冷静に押さえながら

幹也の手を引く

早くアパートに帰って

幹也に報告したい。

私が犯した罪の意識は消えないだろう

でも、幹也がこの子と私を一緒に背負ってくれると信じて


私は、新しい人生を三人で歩いていきたい。




―――ああ、幸せは

―――未来への福音で


――――――満ちている

そう

彼の夢は――

織が夢見た私と幹也の証しは――






――――確かに、生き続けるのだから

【空の境界ss】式「幹也に会いたい」

?終わり?

見てくれた方
ありがうございました。
やっぱりらっきょはいいですね
書いてるだけで幸せでした。
それではまた、よろしくお願いします。

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