ジャン「ははは、なんかお腹を空かせてそうな顔をしてたからつい」
ジャン「毎回お前の顔を作り直す俺の身にもなってみろよ」
ジャン「ははは、ごめんね」
ジャン「ったく、しょうがねえな、すぐ作ってくるから待ってろ」
ジャン「ありがとうジャン」
ジャン「あれ、でもマルコの顔ってどうやってつくるんだっけ」
エレン「ようジャン、どうしたんだよ」
ジャン「お前に用はねえよ死に急ぎ野郎が」
エレン「そういうなよ、なんか困ってんだろ」
ジャン「マルコの顔が半分無くなっちまったから作り直そうと思ったんだが作り方を忘れちまってな」
エレン「なんだ、そんなことかよ。肉詰めて皮を合わせればいいだけだろ」
ジャン「それじゃあただの顔でマルコの顔にはならねえだろ」
エレン「ああそっか」
ジャン「相変わらずバカだな」
エレン「うるせーよ」
ジャン「そんなバカでも憲兵団に所属できるんだもんな」
エレン「うるせーよ」
ジャン「巨人でも憲兵団に所属できるんだもんな」
エレン「…うるせーよ」
エレン「俺はこれからバラバラになる」
ジャン「おう」
エレン「でもこれで人類は一歩踏み出せるんだ」
ジャン「おう」
エレン「あ、なんなら俺の顔半分マルコにやろうか?」
ジャン「いらねーよ、マルコがお前みたいに死に急ぎ野郎になったらどうすんだ」
エレン「だよな」
ジャン「死ね」
エレン「死ぬわ」
ジャン「おう」
ジャン「よ…よう!ミカサ!あああのさ、実は相談したいことが…!///」
ミカサ「エレンが連れて行かれてしまった全部私のせいだ」
ジャン「その、マルコがよ、半分無くなっちまって…あ、無くなったのは頭だぞ!じゃないと洒落になんねえし!ははは!」
ミカサ「エレンを連れ戻しに行かなければエレンが死んでしまう」
ジャン「でよーミカサはマルコの頭の作り方知ってっかなーって」
ミカサ「エレンが死んだら私は戦えない」
ジャン「いや別に俺だって知らないわけじゃねえんだぞ!ただちょっとど忘れしてな///」
ミカサ「エレンが死んだら私は動けない」
ジャン「おーい、ミカサ?」
ミカサ「エレンが死んだら私は…」
ジャン「おーい…聞いて…ねえ、な…」
ジャン「くそ、エレンの野郎ミカサにいつも心配してもらえていいな」
サシャ「お腹がすきました」
ジャン「サシャか、何やってんだ」
サシャ「お肉が食べたいです」
ジャン「肉はねえよ」
サシャ「お腹がすきました」
ジャン「肉ならその辺にいっぱい転がってるだろうが」
サシャ「お肉が食べたいです」
ジャン「なら自分の顔でも食ってろよ」
サシャ「人間の肉なんてまずくて食べられたもんじゃありません」
ジャン「知らねえよ」
ジャン「そんなことよりマルコの顔が巨人に食べられちまったんだよ」
サシャ「でも巨人は人間の肉を食べます」
ジャン「お前作り方とか知らねえか?」
サシャ「きっと私もいつか食べられます」
ジャン「今は巨人の生態じゃなくてマルコの話をだな」
サシャ「ならやっぱり人間の肉はおいしいんでしょうか」
ジャン「お前の味覚の話もしてねえよ」
サシャ「でも死にたくないです」
ジャン「マルコの顔」
サシャ「マルコの顔はおいしいんでしょうか」
ジャン「知らねえよ」
クリスタ「わ――――――ん」
ジャン「クリスタ、マルコの顔のつくり方って知ってるか?」
クリスタ「わ――――――ん!わ―――――――――――――ん!!」
ジャン「マルコは犬じゃねえよ」
クリスタ「わ―――――――――ん!!!」
ジャン「わんたんでもねえよ」
クリスタ「皆死んじゃったのに私は生きてる!!」
ジャン「おう」
クリスタ「生きたかった皆は死んで死にたかった私は生きてる!!!」
ジャン「マルコは死んでねえよ」
クリスタ「わ―――――――――――ん!!」
ジャン「だから犬でもねえって」
ユミル「クリスタ泣いてんじゃねえよ」
クリスタ「わ――――――――ん!!!」
ユミル「良い子ちゃんぶって泣いてんじゃねえよ」
クリスタ「わ――――ん!!わ――――――――――ん!!!」
ジャン「ユミル、マルコの顔が半分無くなっちまったんだがつくり方知ってるか?」
ユミル「知らねえよ、もう半分探してくっつけりゃいいだろ」
ジャン「なるほど」
クリスタ「わ――――――ん!!わ―――――――――――――ん!!!!!」
ジャン「ところでクリスタはなんで鳴いてんだ」
ユミル「自分がかわいくて泣いてんだよ」
クリスタ「わ――――――――――――――――ん!!!!!!!!」
ジャン「ならしょうがないな。クリスタはかわいいもんな」
ジャン「ようコニーお前…いやいいや」
コニー「はあ?!とちゅうまでいったんだからいえよ!」
ジャン「あー…マルコの顔を見なかったか?」
コニー「まるこ?そういやみてねえな」
ジャン「いや、マルコは見たんだよ。マルコの顔だけがねえんだよ」
コニー「なにいってんだおまえ」
ジャン「だから、マルコの顔が半分無くなったんだよ、だから探してんだ」
コニー「かおがなくなったらしぬだろ」
ジャン「何言ってんだお前」
コニー「おまえこそなにいってんだ」
ジャン「マルコは優しいから巨人に顔を良くやってるだろ?」
コニー「きょじんがはいってきたのはごねんぶりなんだからよくやれるわけねえだろ」
ジャン「えっ」
コニー「えっ」
ジャン「マルコが顔をやったら俺が直してやらなきゃいけねえだろ」
コニー「むりだろ」
ジャン「でもその作り方を忘れちまってよ」
コニー「ひとがひとのあたまをつくれるわけねえだろ」
ジャン「ユミルに聞いたらもう半分探してくっつければいいって言ったから探してんだよ」
コニー「くわれたんだったらいまごろきょじんのはらのなかだからみつかるわけないだろ」
ジャン「さっきからお前が何言ってんのか全然分かんねえからもういいや」
コニー「えっ」
ジャン「えっ」
ライナー「さっきからどうしたんだジャン」
ジャン「ようライナーか、マルコの顔を探しててよ。見てないか」
ライナー「そうか、まあ俺には壁の中の人間なんか関係ないな」
ジャン「そうか」
ライナー「いや、同期の問題は俺の問題だ、探すの手伝うぞ」
ジャン「おう、よろしく頼む」
ライナー「何でだ」
ジャン「マルコの顔が半分無くなっちまったんだよ、それを探すのはいつも俺の役目だろ?」
ライナー「そうだな、俺も探すよ」
ジャン「さっきもそれ聞いたぞ」
ライナー「知らねえよそんなこと」
ライナー「皆には聞いて回ったのか?」
ジャン「ああ、けど皆見てないらしくてな。コニーには話が通じねえし」
ライナー「あんな馬鹿は知らねえ、お前も、俺に近づくなよ」
ジャン「んじゃあちょっと離れるわ」
ライナー「あ?なんで離れんだよ」
ジャン「お前が言ったんだろうが」
ライナー「そうだ、もうたくさんなんだ」
ジャン「後聞いてないのはアルミンとアニとベルトルトくらいだな」
ライナー「クリスタには聞いたか」
ジャン「クリスタはずっとワンワン鳴いてて話になんなかった」
ライナー「クリスタなんてどうでもいいんだよ、俺は故郷に帰れればいいんだから」
ジャン「そうか」
ライナー「あークリスタと結婚してえな」
ジャン「アニだ」
アニ「やあ」
ライナー「よお」
ジャン「マルコの頭見てねえか」
アニ「マルコの頭は知らないけどマルコの立体起動は見た」
ライナー「アニ、いいからさっさと巨人を集めろ」
ジャン「なんでアニが巨人を集めるんだよ」
アニ「マルコの立体起動は拾ったの」
ライナー「おとりがいればその分巨人を倒しやすくなるだろ」
ジャン「なるほど」
アニ「本当に拾っただけなの」
ジャン「立体起動は落ちてても拾っちゃダメだろ」
アニ「奪ったんじゃないんだ、拾ったんだ」
ライナー「アニ、お前疲れてるんだよ、少し休め」
ジャン「だからダメだろ」
ライナー「そうだな、兵士としてあるまじき行動だ」
アニ「ごめんなさい」
ジャン「別に謝れとは言ってねえけど」
アニ「ごめんなさいごめんなさい」
ライナー「いいからお前はさっさとエレンを奪還して来い、故郷に帰れなくなるぞ」
ジャン「なんでエレンを奪還しなきゃ故郷に帰れなくなるんだ」
アニ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ライナー「は?エレンは仲間なんだからむざむざ殺されるのを見守るのはおかしいだろ?」
ジャン「お前ほんと仲間思いだな」
アニ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ライナー「違う…俺は違うんだ…」
ジャン「その上謙虚なんだな」
アニ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ライナー「ははは、まあな」
ジャン「おい、さっきの謙虚さはどこ行ったんだよ」
アニ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ジャン「あ、ベルトルトだ、相変わらずでけえな」
ベルトルト「ははは、ところでライナーを見なかった?」
ジャン「ライナーならここにいるぞ」
ライナー「よおベルトルト、お前いつ俺の目の前からいなくなるんだよ」
ベルトルト「いないじゃないか」
ジャン「いるだろ、良く見ろよ」
ライナー「すまないベルトルト、俺を見捨てないでくれ」
ベルトルト「あ、いた」
ジャン「だろ?」
ライナー「お前がいるから俺が苦しむんだ、死ね」
ベルトルト「あ、いなくなった」
ジャン「だからいるって」
ジャン「そんなことどうでもいいんだ、マルコの顔見なかったか?」
ベルトルト「マルコならアニが立体起動引っぺがしてその辺捨ててたよ」
ライナー「違うんだ、俺は戦士なんだ」
ベルトルト「そうだねライナーは戦士だね」
ジャン「いや、マルコはいるんだよ、顔がねえんだよ」
ベルトルト「食べられたの?」
ジャン「そうだな」
ライナー「お前がいると兵士になれないんだ、おれは兵士になりたいんだ」
ベルトルト「ライナー君は戦士だろ」
ライナー「ああ、そうだった」
ジャン「お前ならなんか見てそうだなって思ったんだけど」
ベルトルト「悪いけど見てないな。新しく作れば?」
ライナー「クリスタに会いたい」
ジャン「作り方も忘れちまったんだ」
ライナー「違う、クリスタを殺そう」
ベルトルト「そうか、じゃあ探した方が手っ取り早いね」
ジャン「だろ」
ライナー「クリスタと結婚したいなあ」
ベルトルト「ああ、ところでライナーを見なかった?」
ジャン「ライナーならあっちいったぞ」
ベルトルト「そう、ありがとう」
ライナー「待ってくれベルトルト、違う、俺を置いてかないでくれ」
ジャン「どいつもこいつも何も知らねえ」
ジャン「早くしねえとマルコが腐っちまうな」
ジャン「アルミンなら何か知ってそうだな」
ジャン「おーいアルミン」
ジャン「アルミーン」
アルミン「呼んだ?」
ジャン「おう、呼んだな」
アルミン「どうしたの?」
ジャン「聞きたいことがあってな」
ジャン「マルコの顔を見なかったか?」
アルミン「顔?なんで?」
ジャン「マルコの顔が半分無くなっちまったんだよ。直さなきゃだろ」
アルミン「そうかな」
ジャン「そうだろ」
アルミン「そうかも」
ジャン「そうなんだよ」
アルミン「じゃあ探そう、マルコの顔はどう無くなってたの?」
ジャン「半分丸ごとかじられてたんだよ」
アルミン「なるほど、じゃあ巨人が吐いた塊の中にあるかもしれない」
アルミン「そこをしらみつぶしに見て行こう」
ジャン「おう、さすがアルミンだ」
アルミン「そんなことないよ」
ジャン「ここもねえな、次行くか」
アルミン「ねえ、ジャン、マルコの顔を見つけ出してどうするの?」
ジャン「は?くっつけて元に戻すに決まってるだろ」
アルミン「どうやってくっつけるの?」
ジャン「そんなの…あれ、どうやってくっつけるんだっけ」
アルミン「ねえ、ジャン、人の顔はね、そう簡単にはくっつけられないんだよ」
ジャン「そうだっけか」
アルミン「そうなんだよ」
ジャン「そうかもしれない」
アルミン「そうなんだ」
ジャン「じゃあどうすればくっつくんだ」
アルミン「針と糸で縫いつければいいんだよ」
ジャン「何だよ、簡単じゃねえか」
アルミン「でも顔が半分もなくなった状態で生きたまま針と糸で縫いつけるのはとても難しいんだよ」
ジャン「生きたままってなんだよ、マルコは死なねえぞ」
アルミン「マルコは死なないの?」
ジャン「顔無くなったぐらいじゃな」
アルミン「じゃあ人間は顔無くなったぐらいじゃ死なないの?」
ジャン「人間は顔無くなったぐらいじゃ死ぬだろ」
アルミン「じゃあマルコは人間じゃないの?」
ジャン「マルコは人間だろ、何言ってんだ」
アルミン「そうだね、そうだったね」
アルミン「マルコは人間だ」
ジャン「おう」
アルミン「人間は巨人に頭をかじられたら死ぬんだ」
ジャン「おう」
アルミン「マルコは人間だから、人間は巨人に頭をかじられたら死ぬんだ」
ジャン「おう」
アルミン「マルコは頭をかじられたんだ」
ジャン「おう」
アルミン「だからマルコは死んだんだ」
ジャン「そうかもしれない」
アルミン「そうなんだよ」
ジャン「そうか」
アルミン「そうなんだ」
ジャン「じゃあ早く顔を縫い合わせないとな」
アルミン「うん」
ジャン「死んでるなら腐っちまうもんな」
アルミン「うん」
ジャン「虫も湧いちゃうしな」
アルミン「うん」
ジャン「顔、見つかんねえな」
アルミン「ジャン」
ジャン「ん?」
アルミン「マルコは死んだんだよ」
ジャン「おう」
アルミン「人間は死んだら生き返らないんだ」
ジャン「そうだな」
アルミン「マルコは人間で、もう死んじゃったんだ」
ジャン「そうだな」
アルミン「だからマルコはもう生き返らないんだ」
ジャン「生き返らないのか」
アルミン「生き返らないんだよ」
ジャン「顔を縫い合わせてもか」
アルミン「顔を縫い合わせてもだよ」
ジャン「じゃあどうすればいいんだ」
アルミン「どうにもできないんだ」
ジャン「俺は」
アルミン「もうどうしょうもないんだ」
ジャン「俺は」
アルミン「エレンは憲兵団に行って解剖されてしまった」
ジャン「おれは」
アルミン「ミカサもそれを妨害しようとして殺されてしまった」
ジャン「おれは…」
アルミン「サシャは落ちている死体をかじって歩いてる」
アルミン「クリスタは笑いながらユミルに殴られてる」
アルミン「ユミルは泣きながらクリスタを殴ってる」
アルミン「コニーは他人に話しかけても相手にされず泣いてる」
アルミン「アニは死体に謝り続けてる」
アルミン「ライナーは願望と責任の間をさまよい続けてる」
アルミン「ベルトルトは昔のライナーの影を探し回ってる」
アルミン「そしてジャン、君はマルコの無くなった頭を探し続けている」
アルミン「皆おかしくなってしまった」
アルミン「皆おかしくなってしまったんだ」
ジャン「なあアルミン」
アルミン「なんだい」
ジャン「これは夢かもしれない」
アルミン「そうかもね」
ジャン「目が覚めたら、いつもの寄宿舎の天井が見えるのかもしれない」
アルミン「そうかもね」
ジャン「横にはマルコがいて、いつものように一緒に朝食に向かうのかもしれない」
アルミン「そうかもね」
ジャン「ああ」
アルミン「そうかも」
ジャン「ああ」
アルミン「でも残念ながらそんな未来はもうないよ」
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ジャン「うおわああああああああ」バッ
マルコ「ぎゃっ?!」
ジャン「う、うう…」
マルコ「なんだよジャン!朝からうるさいんだよ!」
ジャン「は?!マルコ?!お、おま…生きてたのかよ!」ガバッ
マルコ「生きてるよ!ジャンが朝から大声出すから心臓止まりそうだったけどね!」
ジャン「そ、そう、そうか!ははははは!」
マルコ「な、何?」
ジャン「別に、何でもねえよ」
マルコ「何だよ気持ち悪い」
ジャン「ああ?!」
ジャン「誰が気持ち悪いだ!誰が!」
マルコ「ホントのこと言ったまでだろ」
ライナー「おーいお前ら朝からうるせえよ、もうちょっと静かに寝かせてくれ」
ジャン「気持ち悪いはライナーのホモ趣味みたいなこと言うんだよ!」
ライナー「あ?!誰がホモだ誰が!」
ジャン「いつもベルトルトとおホモ達してんだろうが!」
ベルトルト「ちょ、ライナーは良いけど僕はホモじゃないよ!」
ライナー「ベルトルトお前!裏切ったな!」
コニー「え?!お前らホモだったの?!」
ライナー「だーまためんどくせえ奴が!」
マルコ「ははは」
マルコ「ねえジャン」
ジャン「あ?なんだよ」
マルコ「よかったね」
ジャン「ん?」
マルコ「全部夢で」
ジャン「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
アルミン「ねえジャン」
アルミン「ジャン」
アルミン「夢の中に逃げてもかまわないよ」
アルミン「夢の中に逃げてもかまわないよね?」
アルミン「ねえだからさ」
アルミン「僕は」
アルミン「僕は夢の中に逃げることにするよ」
アルミン「僕を蔑まないでくれ」
アルミン「僕を恨まないでくれ」
アルミン「僕を憎まないでくれ」
アルミン「僕は」
アルミン「僕は」
アルミン「もうこの世界とさよならすることにしたよ」
アルミン「ねえ、もうさ」
アルミン「もうさ」
アルミン「こんなつらい世界、さよならしよう」
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ジャン「おいマルコ」
ジャン「お前また巨人に顔やったのかよ」
ジャン「ははは」
ジャン「なんかお腹を空かせてそうな顔をしてたから」
ジャン「つい」
ジャン「毎回お前の顔を作り直」
ジャン「す俺の身にもなってみろよ」
ジャン「ははは、ごめ」
ジャン「んね」
ジャン「ったく、しょうがね」
ジャン「ねえな、すぐ作ってくるから待ってろ」
ジャン「あ」
ジャン「りがとうジャン」
ジャン「…あれ、でもマルコの顔ってどうやってつくるんだっけ」
ジャン「…まあ誰かに聞けば分かるか」
ジャン「…」
ジャン「…」
ジャン「…」
ジャン「…エレンいねえなあ」
ジャン「…ミカサいねえなあ」
ジャン「…アルミンもいねえなあ」
ジャン「…」
ジャン「…」
ジャン「…誰もいねえなあ」
ジャン「…」
ジャン「…誰も、いねえよ…こんちくしょう…」
ジャン「誰か」
ジャン「誰か」
ジャン「マルコを助けてやってくれ」
ジャン「誰か…皆を…」
ジャン「…俺を…」
ジャン「…俺を、俺を」
ジャン「助けてくれよ…」
ジャン「もう一度だけでいいから…」
ジャン「あの日々を返してくれよ…」
『ジャン』
ジャン「アルミン」
『なんだい』
ジャン「これは夢かもしれない」
『そうかもね』
ジャン「目が覚めたら、いつもの寄宿舎の天井が見えるのかもしれない」
『そうかもね』
ジャン「横にはマルコがいて、いつものように一緒に朝食に向かうのかもしれない」
『そうかもね』
ジャン「ああ」
『そうかも』
ジャン「…ああ…」
『でもね』
ジャン「でも残念ながらそんな未来はもうないよ」
おわり
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