魔王「いらっしゃい!」 男[](17)

~城~

側近「え?ペットですか?」

魔王「うん」

側近「どうせまたすぐに飽きるでしょう?駄目です」

魔王「そ、そんなことないもん!」

側近「」

魔王「ほしいほしいほしいいいいい!」ドタドタドタ

側近(先代様が亡くなってからお嬢様のわがままはエスカレートするばっかり・・・)

魔王「フ、フフ・・・いいの側近?・・・これは魔王様の命令なんだよ?逆らったら・・・」

側近「私が居なくなったらご飯の準備から掃除まで全部魔王様がやらなくちゃいけないんですよ?」

魔王「うっ・・・」

側近「お風呂でシャンプーも一人でしなくちゃいけないんですよ」

魔王「うぅっ・・・」

側近「・・・それで、一応聞きますが、今回は何を飼おうと思ってたんですか?」

魔王「えっ!?飼っていいの!?」

側近「一応聞いておくだけです」

魔王「なんだー・・・側近のケチンボ」

側近「何とでも言ってください」

魔王(あんまりケチだといつまでも結婚できないよ)

側近「大きなお世話です」

魔王「心を読まないで」

側近「本題に戻りましょう。今回は何に目を付けたんですか?」

魔王「うん!これこれ!」

側近「・・・これって」

魔王「これはまだ飼ったことないでしょ?」

側近「まぁ・・・そうですが・・・」

~職安~

男「衣食住付の職場ってないですかね?」

職員「んー・・・旅館とかはどうですか?ただほぼ休みがない状況ですけど」

男「・・・休みまで求めるのは高望み・・・ですかね?」

職安「そうですね・・・何かを得るなら何かを捨てないと・・・」

男「ですよねー・・・」

職安「一応あるにはあるんですけど・・・」

男「え?あるんですか!?」

男(・・・で紹介されたところに来てみたけれど)

男「どうみても廃ビルなんだけど」

男(もしかしてあのおじさん、裏で怖い人とつながりが・・・)

男「そんなわけないか」

男(といってもこれは気軽に入っていきづらいぞ・・・)

?「あ、すみませーん」

?「あなたが男様ですか?」

男「あ、はい・・・そうですけど」

?「よかったー。職安のほうから連絡があったんですけど本当に来てくれるか心配だったんですよー」

男「え?どういうことですか?」

?「みなさんこの廃ビルを見て帰られてしまうんですよね。ですから男様が実質初めての希望者といっても過言ではありません」

男(なんだかえらいところに来てしまったな・・・)

男「えっと・・・それでですね、職安のほうからは詳しい業務の話についてはこっちで聞けと言われたんですが」

?「あ、はい。それでは職場を案内しますのでついてきてください」

男「はい」

?「ビルの中は暗いので足元に気を付けてくださいね」

男「あ、はい」

男(本当にここが職場なのか・・・)

男「・・・・・・」

男(お母さん)

魔王「いらっしゃい!」

男(廃ビルの女子トイレに入ったら)

側近「これが・・・」

男「なんかよくわかんないところに来ちゃったよぉおお!?」

?「お、男様!?急にどうなさったんですか!?」

男「お、おかしいよね?どう見てもさっきまでトイレにいたよね!?ここはどこなの!?どう見てもトイレの一室に収まりきらない広さだよね!?」

?「だ、だいじょうぶですから。トンネルを抜けたらそこは雪国だったと同じレベルですから」

男「全然違うよぉ!」

側近「・・・淫魔さん、全く説明せずにつれてきたんですか?」

淫魔「いえ、こちらに連れてきてから説明したほうが早いと思いまして」

側近「事情も知らずにつれてこられたらこうなるのは当たり前じゃないですか・・・」

側近「えー・・・まずはお名前を教えていただけますか?」

男「お、男っていいます」

側近「初めまして。私は側近と申します。そして先ほど先導を務めたこちらが淫魔といいます」

淫魔「よろしくお願いしますね」

男「は、はぁ・・・」

側近「そしてこちらが現200代目の魔王様です」

魔王「よろしくねー」

男(こんな小さい女の子が・・・魔王?)

男「もしかして俺・・・からかわれてます?」

側近「・・・からかう?何をです?」

男「いや、だって魔王って・・・あ、もしかしてこれって映画の撮影の仕事だとか・・・」

淫魔「いえいえ、映画の撮影のお仕事ではないです」

男「それじゃあ、これは何の仕事なんですか!」

側近「あなたに頼みたいお仕事とは・・・」

男「・・・」ゴクリ

側近「魔王様のペット兼世話係をお願いしたいのです」

男「・・・要するに子守ってこt」

側近「すみませんお嬢様、男様ともう少し詳しいお話をしてきますので少々席を外します」グイッ

男「うわっ!」

魔王「あぁー・・・いっちゃった」

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