凛「お昼寝日和」 (47)

ポカポカな陽気に誘われて



凛は学校の屋上へとやってきた





夏もそろそろ終わるみたい





さんさん太陽は少し力を弱めて、ちょうどいいぐらいの暖かさになったから



今日は屋上でちょーっとお昼寝しようかなーって



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今日、一年生は進路相談の日で



午前中に授業が終わったの




凛と真姫ちゃんは別の日で




かよちんがいま面談中

穂乃果ちゃん達の授業が終わるまで暇になった凛は



真姫ちゃんを誘って先にダンスの練習を―――――




というわけにもいかず



真姫ちゃんは図書室で勉強中



もう真姫ちゃんまじめすぎー


もっと体動かそうよー

凛も勉強を――――って誘われたけど断っちゃった



だって勉強苦手だし



それよりも体を動かしたい―――――






そう思ったんだけど



練習着に着替えてる途中で



やっぱりお昼寝もありだにゃ。ってなっちゃって



ふらふらーって誘われるように屋上へ

がちゃりと扉を開けると




うん―――――誰もいない



お昼寝には静かな方がいいよね





「あら――――凛ちゃんやん」



ひょこっと角から顔を覗かせたのは三年生の希ちゃん

凛「希ちゃんだにゃー」


入り口から死角になってる場所にシートを敷いていて、希ちゃんはそこに座った


どうやら先に来てたみたい




あれ、三年生って授業中なんじゃ――――


希「いやー、エリちだったらどうしようかと思ってんな。凛ちゃんでよかったで」


希「ほら、子供は風の子って言うやん?ずっと部屋にこもってたら体壊すし」


希「たまにはお天道様から直接ポカポカなパワーもらわなあかんし、難しい授業はやっぱりお昼寝にかぎるで」


希「くすくす。あーこれ、エリちに内緒やで?お願いな?一応、保健室で休んでるって事になってるんよ」

あー、サボりかぁ



凛もその気持ちよーくわかる


英語の授業なんて聞いてても解らないし



それだったらいっその事、外で遊びたーい!ってなるもん





希ちゃんがこっちへおいでと、手を招いて


凛はそれに誘われようにふらふらーって

希「一年生は午前までやったね。今からダンスの練習?なら、ウチは気にせんでええから」


凛「その気だったんだけど、なんだかお昼寝したくなっちゃって―――」


くすくす。って希ちゃんが含み笑いして


希「そうやね、こんなに暖かくてお昼寝日和やもん」


希「お昼寝しない方が罰当たりやん♪」


ごろん


希ちゃんがそう言うとシートの上で寝転がった

希「ほら、凛ちゃんも――――」


凛もお邪魔して、希ちゃんの隣でごろん




ぽかぽか




とっても気持ちよくて、瞼を閉じるとすぐにでも眠ってしまいそうな―――――



がさがさ

何か音がして目を開ける



横を向くと希ちゃんが起き上がって鞄をがさがさと




凛「希ちゃん……?」



凛も起き上がって希ちゃんを呼んでみると



希「おや、もしかしたら眠っちゃってた?ならごめんな――――」


希「実は午前中に家庭科の授業があってんな」


希「それで、クッキー焼いてん―――――エリちがな」

ボソッと絵里ちゃんの名前を付けくわえる




綺麗なこげ茶色のクッキーと真っ黒なクッキーが入った袋を取り出して


凛ちゃんもどうぞーって




どれどれ、それじゃあまずは茶色の方から―――――




ぱくりと口に入れた瞬間


甘さが口の中に広がって――――美味しい


紅茶がほしいにゃ

次はこの黒いほう――――



チョコクッキーかな?




ぱくりと口に入れると


凛「ん~~~!?」


口の中で広がる強烈な塩味




思わず咳き込む


けほけほっ!

希「あはは…、焼き物やから簡単かと思ったんけどな。なんでか、ウチのだけ真っ黒になってん」


希「少し焦げただけかなーって思ったんやけど、いざ食べてみるとすっごくしょっぱくてな」


希「どうやら塩と砂糖の分量も間違えてたみていなんよ」


ペロって舌を出す希ちゃん



そんなこと言ってる場合じゃないにゃ!


み、水!水ー!!


言葉にならない声を出して水が欲しい事をアピール

おおっと、って言いながら希ちゃんが鞄から水筒を取り出して



凛はそれを受け取るとひとくち口に含んだ






ふぅ……


凛「もう、希ちゃんひどいにゃー!」



希「ごめんごめん。せっかくこんなんできたんやし、だったら皆に食べてもらいたくてな」

希「ことりちゃんと花陽ちゃんからの感想楽しみや」


ウキウキと話す希ちゃんだけど



凛はその言葉を聞いて背筋がゾクッってしたにゃ




だって甘党でお菓子大好きなあの二人だよ?



こんな塩辛いクッキーなんて食べさせられたりしたら―――――

きっと、お菓子に対する冒涜だよ!ってすごく怒って



一週間くらい口聞いてもらえないにゃ




凛が慌てて希ちゃんを説得したんだよ



最初は聞き流す程度だったんだけど


凛の説得が届いたのか、希ちゃんの血の気がサーって引いて

希「そ、そうやね。あの二人にはあかんね………」


でも、すぐにいつもの調子に戻って


希「だったら海未ちゃんと真姫ちゃんに食べてもらお♪」




もう凛はどうなっても知らないにゃー

そんな他愛もない話をしていると



ポカポカ陽気に負けてきたのか欠伸が出て




希「おおっと、ウチらお昼寝しにきたんやったね」


そういえばそうだったにゃ



希ちゃんと一緒に横になって再び目を閉じる

ポカポカ



体が温かい



全身で太陽のパワーを受け取って



すぐにでも眠ってしまいそうだにゃ






ここにお布団があれば最高なんだけどにゃー

もそもそ――――




もそもそ――――




隣で何かが動く音



そして希ちゃんがすごく慌てながら起き上がり


希「あかん、エリちがくる!」



ええっ!?

って凛は関係ないからこのまま寝てても――――



だらー、って睡眠モードに移行しようとしたんだけど



希ちゃんにグイッと引っ張られて、隅っこまで連れていかれて




希ちゃんはテキパキとシートを片付けて凛の隣に




そしてすぐに

ガチャリと扉が開く音と


絵里「希、心配して保健室に様子観に行ったのに――――どうしてサボってるのよ!?」


絵里ちゃんの怒鳴り声


わわっ、本当に絵里ちゃんだにゃ


ここからじゃ、絵里ちゃんは見えないけれど


きっとすっごく怒ってるよね



―――――あれ、希ちゃんと一緒に隠れてるってことは



もし見つかったら凛も一緒に怒られるの?

絵里「ああ――――もうっ!いったいどこに行ったのよー!」


バタンと勢いよく扉が閉まり、階段を下りていく音がして



凛と希ちゃんは、ふぅ………とため息をついた




凛「希ちゃんすごいにゃー。なんで絵里ちゃんが来るってわかったの?」


希「んー、そんなんドスドス足音立てて階段昇ってたらだいたい予想つくよ」

希「それよりお昼寝を再開―――――」


希ちゃんが視線を校庭に移す




二年生が体育の授業中みたい




よーく見ると穂乃果ちゃん達がいる


凛が、おーい!って手を振ったんだけど



気付いていないみたい

あ―――――ことりちゃんがこっちに気付いた



ことりちゃんが手を振って


それに気付いたのか穂乃果ちゃんも大きく手を振って――――



凛「希ちゃん、凛たちに気が付いたみたいだにゃー」

希「よかったなぁ。でも残念やね。穂乃果ちゃん達も自習だったらお昼寝できるのに」


希「あ、せや。もういっその事今日は練習もお休みしてお昼寝なんて―――――」



ここまで言って希ちゃんが、ごめんごめん。って



自分では気が付かなかったけど


どうやらほっぺたがぷくーって膨れていたみたい

ほっぺたがぷくーってなった理由は、きっと凛が欲張りだからなんだと思う



お昼寝したさ半分


体を動かしたさ半分








でも――――半分じゃ満足できない




凛は欲張りさんなんだから




ぜーんぶほしいにゃ


だから今はうーんと寝て、後で皆と一緒にうーんと練習するにゃ

希「ほら、ウチが腕枕したげるから許してな?―――――きっと寝心地ええから」



希ちゃんがシートを敷き直して


ごろんと寝転がって腕を差し出した





腕枕――――いいかも




でも――――

凛「凛はこっちがいいにゃー」


と、希ちゃんの胸に飛び込む


凛「ふかふかだにゃー」




わわっ、っと慌てる希ちゃん



希「もう、凛ちゃん大胆やね。くすくす。でも確かにこっちの方が寝心地ええやろうね♪」


希「ウチも試してみたいなぁ。凛ちゃんはやく大きくなってな?」

もう、意地悪言ってー


ぷんぷんと怒ったけどすぐに睡魔が襲って――――





お日様の暖かな日差しと、希ちゃんの温かい体温のあったかサンドイッチで






凛はすぐに深い眠りに落ちた

キーンコーンカーンコーン




チャイムが凛の目覚まし時計代わりになった





目をこしこしこすって起き上がると




希「おはようさん。ぐっすり眠っとたなぁ。ウチももう少しこうしておきたいけど――――」


希「そろそろ教室に戻らなあかんから、いったんお別れやね」


希「凛ちゃんはもう少し寝とく?寝とくなら練習始まる頃に起こすけど」



希ちゃんが教室に帰るって事は、3時間くらい寝てたみたい

かよちんも面談終わって部室にいるだろうし


ふるふると首を横に振る




希「そう?それじゃ途中まで一緒に行こか」



ぐーっと背伸びをして


凛「うん!たーっぷりお昼寝もしたし練習いつもより頑張れそうだにゃ!」

あー。とーっても気持ちよかった


明日はかよちんと真姫ちゃんを誘ってみようかにゃ



うん―――――ぜーったいそれがいい!








気分も上々



階段を勢いよく降りる





元気満タン星空凛



今日も元気に力いっぱい頑張るにゃー!






おしまい

いつもより短めですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
ことうみが思ったより進まないので、前作スレ辺りでリクエストのあった凛ちゃんを書かせてもらいました。

ことうみにすると言ったな、あれは嘘だ。

乙乙

のどかだ…


良かったら過去作教えて欲しい

モバマスSSではなかったか

>>38
ヤマなしオチなしなんだかすみません。

>>40
トリップを検索→SSまとめ速報に全部あります。

>>41
そういえばモバマスにも同じ名前のキャラいますね。

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