希「にこ、愛してる」 (43)
・のぞにこ
・3年の10月末
という設定
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―部室―
ガラガラ
希「あ、にこっち」
にこ「どうしたの、今日は練習休みよ」
希「ん~、ちょっと暇しててな。にこっちこそ、何してるん?」
にこ「…今日中に出せって。数学の課題」
希「にこっち数学苦手やろ? 教えてあげよか?」
にこ「それには及びませんよー…」カリカリ
希「…………」ジーッ
にこ「集中できないから見ないでくれる?」カキカキ
希「………」チラッ
5分後
にこ「…やっと終わった、ちょっと出してくるから」スタスタ
希「行ってらっしゃい……」
ガラガラ
希「暇やな……」スタスタ
希「……ん?」
希「(にこっちのカバンの中に付いとるの、これウチと一緒に買ったストラップやん…)」
希「(大切にしてくれてるんやな…ウチのは…どこにやったんやっけ)」
10分後
ガラガラ
にこ「はぁ、なんか知んないけどすっごい怒られたんだけど…年取ると怒りっぽくなるのかしら」
希「にこっちがサボるからやん、ふふっ、そういうとこ変わらんなぁ~」クスッ
にこ「…うっさいわね。はぁ、さっさと帰ろ」荷物ガサゴソ
希「……」
希「……」ワシワシ
にこ「!? 急に、何してんのよぉ!!?」
希「うーん、大きさ、変わらんなぁ…あの時から」ワシワシ
にこ「は、はぁ!? こらっ、ちょっと、やめなさいよぉ!!」ドンッ
希「うわっ!」ヨロ
にこ「何なのよアンタ…」
希「久しぶりに触ってみたくなったんよ、にこっちのお胸はあの頃のままやね」
にこ「ケンカ売ってんの?」
希「…にこは、変わってしもうたん?」
にこ「は? …何のことよ」
希「ウチは、変わってないよ、にこへの気持ち」
にこ「……」
希「にこは何で、ウチを振ったん? まだ…教えてもらってないよ」
にこ「別に……理由なんて無いわよ」
希「嘘や、ちゃんと教えて!」
にこ「……飽きたからよ」
希「……そうなんや」
にこ「…そうよ」
希「じゃあもう大丈夫やな! 別れて1年近くになるし! にこっちだってそろそろウチが恋しくなってきたんとちゃうん!?ん??」ズイッ
にこ「ヴェ!? なんでそうなんのよ! 別に恋しくなんかないわよ!」
希「ウチはにこっちの事、忘れたことなかったんやけどなぁ…」
にこ「にこは全部忘れたわよ」
希「お揃いのキーホルダー」
にこ「え」
希「カバンの内ポケットに付けとるやん」
にこ「…アンタ、勝手に見たわね」ジロ
希「たまたま見えただけやもーん。…ウチ嬉しかったわ、ウチはまだにこの中に居るんやなって、思った」
にこ「…もったいなかっただけよ」
希「ウチは振られてすぐに外したけどな」
にこ「アンタまさか捨てたの!!?」
希「? 外しただけやで?」ニコニコ
にこ「……//」カァァ
希「捨てるわけ、ないやん?(どこやったか忘れたけど)」ホホエミ
にこ「…あっそ//」
希「……今日、うちに、寄ってかへん?」
にこ「…今日は、ダメ…もう帰って夕飯作らないと」
希「そう…」
にこ「……明日は大丈夫、一日中」
希「! うち、明日誰も居らんから、練習終わったら泊りにき?」
にこ「…うん」
―翌日・部室―
穂乃果「いやぁ、今日も練習キツかったね」
ことり「ライブ近いからね、しょうがないねぇ~」
凛「はぁ、土曜日なのにもういつもの放課後と同じ時間にゃ!海未ちゃん気合い入りすぎにゃ!」
海未「己に克つに、事々物々時に臨みて克つようにては克ち得られぬ也。兼て気象を以て克ち居れよと也。精進あるのみです!」ギラギラ
凛「また変なやる気スイッチ入っちゃってる…」
花陽「あ、希ちゃん、そのストラップ可愛いね!」
ことり「ホントだぁ~、猫ちゃんかわいい」脳トロボイス
希「ウチの大切なストラップなんよ」
穂乃果「あ! も し か し て、いい人からのプレゼントだったりして~!!」
希「ん~、どうやろなぁ」
凛「あ~! アヤシーにゃぁ~!!」
にこ「……」
絵里「(あれって…確か…)」
ガヤガヤ
にこ「一回帰って、行くから」コゴエ
希「…」ウナズキ
―えりのぞ・帰り道―
絵里「ねぇ希」
希「どしたん?」
絵里「バッグに付けてるストラップ…昔付けてた…」
希「…にこっちとお揃いのストラップやで」
絵里「何か、あったの?」
希「何かあるかもしれんし、無いかもしれんね」
絵里「…そう、頑張ってね」ニコ
希「…うん」
―希の家―
ピンポーン
ガチャ
希「いらっしゃい」
にこ「…うん」
希「飲み物準備するから、部屋行ってて?」
にこ「分かった」
―希の部屋―
にこ「…」
にこ「(……変わってないわね、匂いも、何もかも)」
にこ「(…にこも、変わった? いいや…)」
ガチャッ
希「おまたせ、紅茶でええ?」
にこ「うん、ありがと」
希「はい、どうぞ」
にこ「いただきます…最近、肌寒くなってきたわね」ズズ
希「せやね…なんか切なくなる季節や…」ズズ
にこ「ふぅ……ちょっと早いけど、夕飯、にこが作ろうか?」
希「ほんま? にこっちの手料理久しぶりやわぁ、楽しみ」ニコ
にこ「…材料あるの?」
希「一通りあったと思うよ、下行こか」
―キッチン―
トントントントン
希「……」ジーッ
トントン…
にこ「…なによ」
希「お姉さんの顔になってる」
にこ「…あっそ//」
トントントン……
―リビング―
にこのぞ「いただきまーす」
希「うん、おいしい!」ハフハフ
にこ「そう?よかった」
希「にこっちの肉じゃがは最高やなぁ、毎日作ってほしいわぁ」
にこ「肉じゃがだけでいいの? 他にもいろいろ出来るのに」フフン
希「そやね…もっと知りたい」
にこ「……まぁ、たまになら作ってあげてもいいわよ」
希「楽しみ…」
希「そういえば、今日は妹ちゃんたちは良かったん?」
にこ「うん、親戚の家に泊まりに行く予定だったから…にこは明日も練習だし、今日はどうしようかと思ってたのよ」
希「…これって運命やんね」
にこ「何の運命よ、何の。…ごちそうさま」
希「ごちそうさま、美味しかったわぁ」
にこ「お粗末様」
ピピー ピピー ピピー
にこ「ん? 何の音?」
希「お風呂沸いたんよ、にこっち、先に入ってき?」
にこ「あー…うん、分かったわ」スタスタ
―お風呂―
にこ「ふぅ…」
にこ「(…やっぱり、今日)」
にこ「………」
にこ「……希」ポツリ
―リビング―
希「(ふぅ、洗い物も終わったし…あとは…)」
ガチャッ
にこ「上がったわよ…洗い物済ませちゃった?」
希「うん、そんなに多くなかったし、すぐ終わったで」
にこ「あぁ…ありがと」
希「じゃあ、ウチ入ってくるわ。にこっち、部屋に上がっててくれる? 寒かったら暖房付けていいし、自由にくつろいでてええから」
にこ「…分かったわ」
―お風呂―
希「(にこっち、気付いとるかな…)」
希「(……まぁ、あからさまやったしな)」
希「……にこ」ポツリ
希「…緊張してきた//」カァァ
―希の部屋―
にこ「(…ちょっと寒いわね、暖房付けよ)」
ピピッ
にこ「……」
にこ「……」ウロウロ
にこ「(あっ…にことの写真、これ、去年の夏のやつだ……ずっと飾ってたの…?)」
にこ「(友達…だったけど、去年の夏の前から付き合い始めて、去年の今頃…別れて)」
にこ「(何で別れたんだっけ…それに、今日希が付けてきたストラップ…やっぱり、今から…)」
にこ「うああぁぁ! 考えるのやめやめ!!」ベッドニダイブ
にこ「……希の、匂いだ…」
にこ「………zz」
20分後
ガチャッ
希「にこ」
希「……?」
希「にこ?」スタスタ
にこ「……」zzz
希「(えぇ!? にこっち寝てるやん! せっかく下着とワイシャツだけで来たのに…!!)」
希「(こんなん、ウチ…まるっきり、道化やん)」ガッカリ
希「(……やっぱり、にこっち可愛いなぁ、髪の毛、ふわふわや)」ナデナデ
希「(……ウチ…やっぱり、にこのこと、好き)」ナデナデ
にこ「…ん、ふぅ、あぁ、お風呂上がったんd…!!!?? な、ななな、何よその格好!!?」ビックリ
希「ねぇ…にこ」
にこ「え、な、何?」
希「…」ガシッ
にこ「え、何よ!?」
希「ウチ、にこのことが好きです。付き合ってください」ズイ
にこ「え、急になn
希「好きです!!」ズイズイ
にこ「うぅ、近い///」ドキドキ
希「好き」
にこ「……まぁ、にこも」
希「付き合ってください」
にこ「………いいよ、希」
希「…にこ」
にこ「…希」
チュッ
希「にこぉ!!!」ガバッ
にこ「ちょっ!! あっ」イヤァ-!!
―この後、滅茶苦茶アレした―
―事後・ベッド―
希「………」
にこ「…希、アンタどんだけよ」
希「…今までずっと我慢してきたんやもん」
にこ「だからって…あんなに激しく//」
希「にこが、急に別れるとか言い出して…」グス
にこ「ぇ、希?」
希「にこに振られて、ウチ何かにこに嫌われることしたんやろうかって、毎日毎日、悩んで悩んで…にこは理由なんにも、教えてくれんし…」ポロポロ
にこ「……」
希「ウチずーっとにこのこと好きやったのに!!うぅ…グスグス」ゴウキュウ
にこ「…言うから、理由。泣き止んで? 希…」
希「うん…教えて」グスグス
にこ「………その、なんて言うか、拗ねたというか、嫉妬というか…」モジモジ
希「よう分からん…」グスグス
にこ「…やっぱやめない?」
希「…イヤ」グスグス
にこ「……希の、やさしさが、苦しくなったのよ」
希「……」グスグス
にこ「……アイドル研究部をみんな辞めちゃって、学校で一人ぼっちになっちゃって、そんな時、希が話しかけてくれたのよね」
にこ「にこ、すっごく嬉しかった。あの頃は本当につらかったから…ありがとう、希」
希「…うん」グス
にこ「そのうち部室にも来てくれるようになって、そして告白してくれて…正直女同士だから、戸惑ったけど…希なら、いいかなって…」
にこ「二人で色んな所に行って、色んな事をして、ますます希を好きになったわ…」
にこ「希が生徒会副会長になるって聞いた時も、すごく嬉しかった。希が今まで頑張ってきた結果だし、彼女としても、鼻が高いじゃない? でもにこは苦しくなったの」
希「…ぇ」グス
にこ「希の推薦人のスピーチ。あの子のスピーチ、0点よ。希の良いところ、全然分かってない! にこのほうがもっと希の良いところを一杯いっぱい言えるのに、スピーチするのは……にこじゃないの」
にこ「選挙の時期は、希とあまり一緒に居られなかったから、つい考えちゃうの。にこと希の違いを…」
希「…」
にこ「希はあんなに人望があるのに、にこには…無いわ」
にこ「希は誰にでも優しい、包み込んでくれるような安心感があるわ。にこにも優しくしてくれた、優しさを与えてくれた…でもにこは希から貰うばかりで、与えるものはないの…にこはいつも頼ってばかり」
にこ「もし、にこが希の前から居なくなっても、希は全然平気なんじゃないかなって…思ったの」
にこ「だから、希を振ってみた。これで希が…泣いてくれたら、にこも希に必要とされてるんだって思ったから」
にこ「だけど、希…ケロっとしてるんだもん…やっぱりにこは要らないんだと…思ったのよ…でも、希も悩んでたのよね…ごめんなさい」ポロポロ
希「……にこも悩んでたんやね、気づいてあげられんで、ごめんな?」ギュッ
にこ「にこも、グスッ…希の事、ずっと好きだったよ」ポロポロ
希「にこ、愛してる」
にこ「希…」
チュッ
―朝―
希「ん…ふぁぁ…今は…7時か」マドロミ
希「(いつの間にか寝てもうたんやね…ぁ、ウチら裸や…//)」
希「(うわぁ、にこっちエッロ…)」
希「……」
希「……」ワシワシ
にこ「ん…んん!? ちょ、ちょっと触んないで!」ビクッ
希「おはよう、にこ」ニコ
にこ「うわぁ! 裸のままだったわ…//」
希「にこの身体、綺麗やなぁ」ジロジロ
にこ「あ、あんまり見ないで……希、アンタ本当、大きいわね…」
希「ウチの自慢やで」
にこ「……シャワーでも浴びようかしら」
希「せやね…あっ」
にこ「どうしたの?」
希「お風呂の保温、昨日から付けっぱやった……一緒に入らへん?」
にこ「いいけど…確信犯じゃないでしょうね?」
希「ま、まさか…もったいない事した…」
―お風呂―
チャポン
希「ふぅ…しかし、にこ可愛かったわぁ。したの3回目やっけ?」
にこ「数えてんじゃないわよ!!」
希「だってぇ、にこいつも妹ちゃんのお世話あるから、なかなか二人きりになれんで寂しかったんやもん…部室では、さすがに無理やし」
にこ「……言ってくれたら、いくらでも時間作ったのに…」
希「じゃあ、これからは言お」ニコ
にこ「受験近いんだけど…」
希「その後一緒に勉強すればええやん?」
にこ「……そんな風に、あの頃ももっと、色々言ってくれたら良かったのに…」
にこ「大体、振った後も普通に、平気な感じで話しかけて来て…希が分かんなかったわよ…」
希「だって、にこを一人ぼっちに出来んやん?」
にこ「ホント、優しいわ…希は」
―リビング―
にこ「簡単にハムエッグでいいかしら」
希「うん、ウチはトースト焼くわ」
にこのぞ「いただきまーす」
希「…」mgmg
にこ「…」mgmg
希「…幸せやなぁ、にこと相思相愛! 恥じらいの朝チュン!!」
にこ「…そうね、悪くないわ」
希「……デレた?」
にこ「そうよ……希も、たまにはデレなさいよ」チュッ
希「……うん」///
―部室―
凛「あー! にこちゃん、希ちゃんと同じストラップ付けてるにゃ!」
穂乃果「もしや…お二人さ~ん、付き合ってるんじゃないの~??」ニヤニヤ
希「せやで、にこと付き合い始めたんや」ドヤッ
まきりんぱなほのうみこと「!?」
にこ「違うわよ」
海未「び、ビックリしました…変な冗談やめてください!」
にこ「よりを戻したのよ」
まきりんぱんほのうみこと「」
絵里「(…おめでとう、にこ、希)」
終
以上です。
初めてSS書いてみました、駄文失礼!
ちなみに冒頭は金曜日、土日も練習があったという設定でした。
このSSまとめへのコメント
ええやん
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