輝夜「そろそろ働くか……」(7)

永琳「姫様、今何と……」

輝夜「世間からニート扱いされるのも我慢できなくなっちゃって。 なんか良い所無い?」

永琳「……え」

永琳「そうでしたか……姫様も御成長なさいましたね。 優曇華、ちょっと耳を」

うどんげ「はい……?」

永琳「働ける場所知らない?」コソコソ

うどんげ「働ける場所……あっ、紅魔館がメイドを募集していましたよ」コソコソ

輝夜「?」

永琳「姫様、紅魔館でメイドとして働いてみてはどうでしょうか。 従者は礼儀が重要ですから良い経験になると思います」

輝夜「あの吸血鬼とナイフを持ったメイドの所? 悪くはないわね」

永琳「では優曇華、それを紅魔館に伝えておきなさい。 翌日には姫様と御一緒に紅魔館へ向かうつもりなのでそれまでに」

うどんげ「了解です、師匠」

輝夜「募集事項は無いの?」

永琳「はい。 あそこは妖精でも御給料は紅茶とお菓子ですが受け入れてくれますし」

輝夜「へぇ……」

ー翌日ー

輝夜「全部紅色……大きいし、周りの空気と浮かれている建物ね……」

永琳「きっと慣れれば何とも思わなくなりますよ」

輝夜「そこに眠そうに立ってるのは誰?」

永琳「門番さんですよ。 おはようございます」

美鈴「あっ、おはようございます。 お隣の黒髪の方が新しく入って来られる方ですよね?」

永琳「えぇ」

美鈴「少しここで御待ち下さい。 咲夜さーん、来ましたよー」テクテク

咲夜「えぇ、今行くわ」テクテク

咲夜「紅魔館へようこそ。 まずは手続きと従者としての基本を教えますのでとりあえず館内へ入りましょう。 ついて来て下さい」

輝夜「随分と口調が違うわね」コソコソ

永琳「紅魔館で働いて居る際は話が別なんでしょうね」コソコソ

咲夜「? 早くしないと置いて行ってしまいますよ?」

輝夜「……あぁっ、待って!」テクテク

永琳「そう急がずに……」テクテク

咲夜「……それにしても、蓬菜人が働くなんて珍しいわね。 しかも月では姫だったんでしょ?」テクテク

輝夜(また口調変わった……)テクテク

輝夜「これでも元月人よ。 月人の恐ろしさ、貴女もあの2人から味わったハズ」テクテク

咲夜「月、人……」ピタッ

永琳「……」ピタッ

輝夜「?」テクテク

永琳「……ひ、姫様は大変好奇心の強い御方ですからね」テクテク

永琳(ニート扱いから抜け出す為とはとても言えない……)テクテク

咲夜「そ、そう……。 着いたわよ、入りなさい」ガチャ

輝夜「ここは何室?」

咲夜「面会室よ。 お客様が来た時に話し合う場ね。 今日は時間がないから、正式にメイドになれば各部屋の場所を教えてあげるわ」

永琳「洒落た面会室ですね。 家具の配置も参考になります」

咲夜「ありがとう。 とりあえず、そこのソファーに座って待ってなさい」バタンッ

輝夜「洋風ね……永遠亭とはかけ離れているわ……」

永琳「吸血鬼が住んでいますから、当然の事でしょう。 いつも座布団を使っている私達にとって、このソファーはフカフカで座り心地が良いですね」

輝夜「そうね……何だか眠たくなってきちゃったわ」

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