遊星「異議あり!その矛盾は見逃さない!」 (85)

ダークキリュー「ふははは!今日もこのエドミノシティを恐怖に陥れてやるわー!」

市民「キャー!」「助けてくれー!」

ダークキリュー「ふはははは!この町はもはや、われらダークシグナーンの物…」

??「待てーーい!」

ダークキリュー「何!?だ、誰だ!?」

??「このエドミノシティで悪を働こうなど…笑止千万!この俺が退治してくれよう!」

ダークキリュー「ま、まさか貴様は!?」

キングマン「誰が呼んだかその名前…。俺の名はキングマン!」

ポポポンポン! デレッデッデデデデデデーン デーデン!テレレー
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某日 某時刻 遊星決闘相談所

遊星「……なんだ、これ」

あー前に書いてた人か?

十六夜「知らないの遊星?今ヤングに絶大な人気番組、キングマンよ!」

ユーセイ「キングマン…。ジャックによく似た着ぐるみだな」

十六夜「ジャックを基にした特撮ものだから。…私も実は好きだったりするのよ」

ユーセイ「そうなのか。それほど人気なのか…」

十六夜「勿論、子どもたちにも人気みたいね。…龍亜とかも好きじゃないのかしら」

ユーセイ「……へー」

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某日 午前9時 遊星決闘相談所

キュイィィィィン

チュンチュン……

ユーセイ「鳥のさえずり…。もうこんな時間か。…また徹夜してしまった」

ユーセイ「いかんいかん。いつも寝るときは寝ろと、アキに言われているのに…」

トルゥゥゥゥ トルゥゥゥゥ

ユーセイ「はい、遊星決闘相…」

十六夜「ゆ、ユーセイ!た、大変よ!」

ユーセイ「アキか…どうしたんだ。そんなに慌てて」

十六夜「大変…!キングマンが!キングマンが!……敵のダークシグナーンを殺しちゃった!!」

ユーセイ「…………それって、フツーのことじゃないのか?」

十六夜「そうじゃないのよ!…と、とにかく!テレビを見て!テレビを!」

ユーセイ「朝から元気なやつだ。…分かったから落ち着け。…どれどれ」

ピッ

アナウンサー「緊急ニュースです!な、なんとぉ!コナミ撮影所で殺人事件です!」

ユーセイ「殺人……事件?」

アナウンサー「殺害容疑がかけられているのは、キングマン役の…あ!容疑者が出てきました!ち、ちょっと押さないで…!」

ユーセイ「さ、殺害だってぇぇぇ!?」

十六夜「そうなのよ!…本当に…殺しちゃったみたいなのよぉ!!!」

ユーセイ「な、なんてこった…」

アナウンサー「なお、今回は決闘が絡んでいる事件のようで…裁判は、決闘者が裁判を行う、決闘裁判が行われるようです…」

ユーセイ「決闘…裁判……またか」

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トノサマン篇か
十六夜はイザヨイでもなくアキでもなく十六夜なのね

>>4
そうです、また書くのでよろしくおねがいします
>>10
十六夜を名前のところでカタカナでかくと、ちょっとバランス的に見にくくなるんだ。だから漢字
セリフの中では原作を意識してカタカナだけどね。

某日 某時刻 ネオドミノシティ警察署内・留置所

ユーセイ「また…決闘裁判か」

十六夜「決闘裁判…それは、決闘がらみの事件が多い、この世の中」

ユーセイ「弁護士だけでは決闘についての知識が浅い…。だからこそ、決闘者による裁判制度が設けられた」

十六夜「一見無茶な裁判方式だけど…この裁判制度のおかげで、こうやってキングマンの弁護をすることができるわ!」

ユーセイ「…一体誰に説明しているんだ?」

十六夜「そんなことより…一体キングマンを演じていた人ってどんな人なのかしら」

ユーセイ「軽く流したな…。さあ、それはニュースでもよく見えなかったしなぁ…」

十六夜「きっと、恰好よくて、爽やかなイケメンに違いないわ!…キングマンをやってるぐらいだもの!」

ユーセイ「…まあ、確かに俺のイメージもそんなものだな」

十六夜「キングマンだもの!…やっていないに違いないわ!…あ、来たわよ!」

??「あ…あのぉ……すいません。あなたが…弁護士のぉ」

ユーセイ「そ、そうだ…俺が…ふ、不動遊星…」

ドラガン「…き、恐縮です。わ、私…ドラガンと申します」

十六夜「…あ…あ………あ」

ユーセイ「ち、お、おい!」

十六夜「ユーセイ…」

ユーセイ「え?」

十六夜「この感じ…これは完璧にやってるよ!!!」

ユーセイ「おい!何言ってんだよ!!」

ドラガン「ひ、ひい!すいません!でも…私もこの風貌なので…私も悪いんですよ!!」

ユーセイ「いや、依頼人はそんなこと言わなくても…。と、とにかく!俺がこの事件の弁護をしよう!」

ドラガン「すいません。恐縮です…。この顔立ちとか…昔から怖がられてて…ロクに友達もできなかったのに…恐縮です!」

ユーセイ「恐縮の使い方間違ってないか?…」

十六夜「なんだか可哀想な人に見えてきたわ…。きっと、私達が守ってあげないといけないのね!」

ユーセイ「さっき『完璧にやってるよ!』って言ってたやつが何を言っているんだ…」

十六夜「大丈夫ですよ!…確かに、顔とか風貌はアレですけど…内面は綺麗なんですから!」

ユーセイ「フォローになってない!」

ドラガン「き、恐縮ですううううう!!」

ユーセイ「喜んでいるのか、または傷ついているのか………分からない」

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某日 某時刻 警察署前

ユーセイ「と、いうわけで弁護をすることになったわけだが」

十六夜「まずは、状況と証拠を把握しないとね!」

ルア「ゆ、ユーセイ!!あ、本当にいた!!」

十六夜「ルア!…どうしたの、こんなところに来て」

ルア「ゆ、ユーセイ!…キングマンの裁判…弁護するって、本当!?」

ユーセイ「情報を手に入れるの早すぎるだろ…。一体どこから漏れているんだ?」

ルア「アキねーちゃんのツイッターに書いてたよ」

ユーセイ「イザヨイちゃん!お前…」

十六夜「いいじゃない。どうせ…裁判は明日なんだし。…それと龍亜、私の事はイザヨイと呼んで」

ルア「なんで!?」

ユーセイ「なんでも、今はそう呼ばれたいらしい。…とあるものを意識して」

ルア「そう…。と、とにかくユーセイ!絶対にキングマンを無罪にしてくれよな!俺、信じてるから!」

十六夜「そっか…。龍亜は、キングマンの大ファンだもんね」

ルア「うん!…ここだけの話、俺コナミ撮影所には何度も行ったことあるんだぜ!」

ユーセイ「そんなに好きだったのか…」

ルア「だってさ!デッキはチーム5D'sのカードを使って、皆の魂がこもったデッキを悪を倒す…かっけーよなぁ!」

十六夜「熱い決闘も見ものよね」

ルア「うん!…デッキに入れているカードは全てピンざし。すべてはキングマンの実力次第!…俺もやってみてー!」

ユーセイ「やめた方がいいと思うがな…」

十六夜「まあ、ユーセイはいつでもガチだから…いろんな意味で」

ルア「俺もさ…こっそりと決闘を…あ!やっばい!これ以上はいっちゃいけないんだった!」

ユーセイ「?…どうしたんだ、ルア」

ルア「な…なんでもないやい!と、とにかく明日の裁判頼んだよ!キングマンを無罪にしてくれよ!」

十六夜「分かったわよ!…よし、遊星!証拠品をあつめにいくわよ!」

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某日 某時刻 ネオドミノシティ決闘裁判所

ユーセイ「しかし既に裁判の日だ」

十六夜「早い…。証拠、それだけしか集まらなかったわね」

証拠品
なぞの目玉のアイテム
キングマンの決闘盤
ダークキリューの決闘盤

ユーセイ「まあ…十分…といえば十分だ」

十六夜「どこがよ!」

ユーセイ「やめろイザヨイちゃん!…こっちを…こっちを見てるんだ…泣きそうな目で」

十六夜「…は!ど、ドラガンさん!」

ドラガン「…うぅ。私は駄目だ…どうして、どうしてあの時私は死んでおかなったのだ…。どうして私はこんな怖い顔をしているんだ…」

十六夜「あんな大柄なのに…凄いネガティブだわ」

ユーセイ「ああ。俺も驚いた…ともかく、だ。今からネガティブな発言はなしだ。依頼人が…もう泣かないようにしないと」

十六夜「そ、そうね…」

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ガクエンチョー「それでは、裁判を始めたいと思います」

ユーセイ「裁判長は…GXの学園長か」

十六夜「やっぱり…ハゲの部分を含めて六割ぐらい似てるわね」

ガクエンチョー「ふむぅ。…人気テレビ番組がらみの事件だけとあって…ちょっと緊張しますなぁ…ほほ!」

ユーセイ(ちょっと浮かれてるんじゃない!)

ガクエンチョー「そして…検事がいないわけですが…どうしたのですかな?」

カカリイン「裁判長!…ヒソヒソヒソ」

ガクエンチョー「ふむぅ。…どうやら、この裁判の結果を楽しみにしている人達の行列に巻き込まれて…ちょっと遅れているみたいですな」

十六夜「どんだけあるのかしら…行列」

ユーセイ「しかし、逆にありがたい…ここで、証拠品をしっかりとチェックしておこう」

・キングマン    残りライフ200
フィールド
レッド・デーモンズ・ドラゴン

魔法&罠
バスター・モード
聖なるバリア‐ミラーフォース‐

手札
レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター

墓地
ダーク・リゾネーター
バイス・ドラゴン
クリムゾン・ブレーダー
攻撃の無力化
クリエイト・リゾネーター
TGワーウルフ
チューニング・サポーター
禁じられた聖杯
リビングデッドの呼び声
フォース・リゾネーター
死者蘇生
エフェクト・ヴェーラー
ビッグ・ワン・ウォリアー
救世竜 セイヴァ―・ドラゴン
メタモルポッド

・ダークキリュー          残りライフ0
フィールド
インフェルニティ・デス・ドラゴン

魔法&罠
緊急同調

手札
なし
 
墓地
ヘルウェイ・パトロール
インフェルニティ・デストロイヤー
虚栄巨影
ブリキンギョ
ダーク・グレファー
ジェムナイト・パール
インフェルニティ・ビートル
インフェルニティ・ガン
インフェルニティ・ビートル
インフェルニティ・デーモン
インフェルニティ・ビートル
大地の騎士 ガイア・ナイト
攻撃の無敵化
インフェルニティ・ネクロマンサー
ガチガチガンテツ
無の煉獄

ユーセイ「ふむぅ…。墓地が多いな。まあ、当然と言えば当然だが」

十六夜「これだけ情報量があると、考えるのも大変だわ…」

キリュー「へ!そんな弱気で弁護は大丈夫かよぉ!」

ユーセイ「キリュー!?…まさか、今回の検事ってのは…」

キリュー「そうよぉ!この俺よぉ!…へっ!キングマンの相手は俺ってか…いい画になるぜ!」

十六夜「きっと、自分が悪役だからこの特撮…好きじゃないのね」

ユーセイ「なるほど」

キリュー「うるせぇ!…ふ。容姿とか雰囲気が5の検事とかぶってるとか関係ねぇ…俺は俺流でいくぜ!」

ユーセイ「てか、それが理由で検事に抜擢されたんだがな…」

ガクエンチョー「それでは検事、冒頭弁論をお願いします」

キリュー「気に食わねぇが…。まあ、遅れてきた礼だ。してやるよ」

キリュー「今回、この事件で殺されたのは…大人気特撮『キングマン』でダークキリューを演じているブレイブってやつだ」

ガクエンチョー「おやおや、とても爽やかな青年ですな。悪役にしては」

キリュー「悪役もイメージとかいろいろあるんだろうな。まあ、この特撮は演じている人は顔を出さないんだがな」

ガクエンチョー「なるほど」

キリュー「そいつを殺しちまったのが…キングマン役のドラガンって事だ」

ガクエンチョー「……なんというか、その…」

キリュー「こっちの方が悪役っぽい…か?いいんだぜ、素直になったほうが進行がスムーズだ」

ガクエンチョー「!!!!…い、いえ決してそういうわけでは!…わ、私が人を見た目で判断などしては…!」

ユーセイ「まあ…でもそりゃ戸惑うよなぁ。最初は」

十六夜「ユーセイ。それは酷いわよ!」

ユーセイ「イザヨイちゃんが言うな!」

キリュー「まるでドラマみてーな話だ。…だが、これはドラマじゃねぇ。現実だ…つまり、こいつは有罪なんだよ」

ガクエンチョー「ふむぅ。…しかし、殺害方法はどうやって…」

キリュー「へっ!…こいつを見てみなぁ」

ジャラァ…

ユーセイ「あれは…証拠品にもある、目玉のアイテム」

キリュー「こいつはよぉ…。闇の決闘ができる…闇のアイテムなのさ」

ガクエンチョー「や…闇の決闘ができる……?」

十六夜「闇のアイテムですってええええええ!?」

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ

ガクエンチョー「せ、静粛に!!…キリュー検事!これは一体…?」

キリュー「何もねぇ。…さっき言った通りさ…これは、闇のアイテムなのさ。…これを使って、闇の決闘で相手を殺したんだよ!」

ユーセイ「……やはり、そういうことか」

十六夜「ユーセイ!知ってたの?」

ユーセイ「なんとなくな…。昔、決闘の歴史本でみたことがあったから…なんとなく覚えていたんだ」

十六夜「でも、闇の決闘なんて…ただの都市伝説みたいなものでしょ!?」

キリュー「そうでもないぜ!…決闘は昔から…人を、いや世界を滅ぼしかけてきた。だからこれがあったって不思議じゃないのさ!」

十六夜「そんな馬鹿げた話…!……ありえる、かも」

ユーセイ(実際、何度もそういうことを見てきたし…)

ガクエンチョー「大体は分かりました…ですが、直接被告人を犯人だと…決めつける要因はないのでは?」

キリュー「あるぜ…。とりあえず、それを説明するんだったら証人を呼ぼうか。…きな!」

=================================

ガクエンチョー「証人、名前と職業を」

ミカゲ「はぁ…疲れちゃった。もう!どれだけここにくるまでに人が混んでるのよ!
    なんでこんなに交通の便が酷いわけ!?あーもう頭にくる!本当に疲れるっていうか、足にくるんです足に!
    いや、別に年齢とか、そういうのが関係しているんじゃないんですよ?ってか、そんなことは言っていませんけどね!
    そういうのじゃなくて…なんていうかな、その?あーそうそう。女よ、女!私女だから…
    アレ?なんの話をしてたんだっけ?いやねー!ホント、私こういうそそっかしいところがあってね…この前もあってね!
    まーアレよアレ。私有能な上司とか秘書みたいに思われてたけど、ちょっとそそっかしいっていうか、女の子っぽいっていうか
    そいういう部分があってもいいんじゃない?みたいな…そうそう、ギャップよギャップ!ギャップがあってもいいじゃない!
    いや、あるべきだわ!アレ…?何の話してた…!あ、そうそう!交通のことよ交通!もう!本当に腹立つわー!
    牛尾ー!どこにいるのホントにも」

ユーセイ「ち、ち、ちょっと!…黙って!本当に黙ってくれ!」

ガクエンチョー「…ふむぅ。これは…ちょっと手ごわいですなぁ。証人!名前と職業を!」

ミカゲ「え?名前と職業?狭霧 深影…セキュリティ特別捜査課長やってるんだけど!ちょっと聞いてくださいよ!いやほんと
    この前ね、パトロール言ってたらそれがもう大変なの!ナンパっていうんですか?もう!私にはアトラス様がいるのに!もう!
    と思いつつ私にやけてて…ああ!これって浮気になr」

ユーセイ「待った!!!」

十六夜「私も…歳をとったらああなるのかしら」

ユーセイ「それは本当に勘弁してくれ…」

キリュー「気を取り直して…では、説明に入る。…なぜ、被告以外は殺害ができなかったのか…」

ガクエンチョー「そうそう。…それでしたな」

キリュー「この撮影所は…正門を挟んで東と西に分かれているんだ。東が撮影スタジオ。西が小道具や楽屋ルームが並んでいる」

ガクエンチョー「ふむぅ。…ずいぶんとわかりやすいですなぁ」

キリュー「殺人が起きたのは東の第一撮影スタジオなわけだが…。第一撮影スタジオに入ることができたのは、被告だけだ」

ユーセイ「それは確かなことなのか!?」

キリュー「確かだ。…なぜなら、午前の撮影終了後、スタッフ・演者は全員西の楽屋に戻っている」

ガクエンチョー「全員…ですか」

キリュー「ああ。…昼飯を食べるため、だそうだ…。まあ、当然だな。そして、西の楽屋から東の撮影所に行くには」

ミカゲ「私がいた警備室の前を通らないといけないんです。…そして私は、ドラガン以外見ていない!」

キリュー「そういうことだ。…おそらく、被害者は東の第一スタジオに残っていたんだろう。…だから、殺すためには東のスタジオに移動するしかなかった!」

ガクエンチョー「どうして…アナタが撮影所の警備を?」

ミカゲ「コナミ撮影所は元々セキュリティが警備をしていたんですが…その日は忙しくて、警備に行けるのが私しかいなかったんです
    でもだからって何で私なのかさっぱりわからない!確かに、確かに恋人と呼べる人はいないけど!いないけど私だって暇じゃないのよ!暇じゃ!
    一体誰のもくろみなのかしらキー!!!!!やっぱりあのカーリーとかいう女?あの女か!
    でもまあ確かに色々あったのは分かるけど!分かるけどアトラス様~~~~~!!
    あー…でも、よくよく考えてみたら私って何でもできるし…ある意味勝ち組…ハッ!あ、勝ち組で思い出したんだけど、昨日のテレビ見ました?
    私ねーインタビューで映ってたんですよーウフフ!!演技とかもー完璧にやっちゃった。いやーあれはあれで、テレビに勝ったっていうの?
    なんていうかね、やっぱりカサブタみたいな」

ユーセイ「待った!!!!」

キリュー「…裁判長、もう彼女に話題を振るのはやめてもらいたい。…心が、折れそうだ」

サイバンチョー「以後気を付けましょう…」

キリュー「それと、止める係は…ユーセイ。頼んだぞ」

ユーセイ「って俺かよ!」

十六夜「…でも、あの人達が言っていることが本当だとしたら…厄介ね」

ユーセイ「確かにな…。これは厄介だ」

十六夜「本当に、その道を通るしか…方法はないのかしら?」

ユーセイ「そのようだ。…俺も昨日、現場を見てきたんだが…どうやっても警備室の前を通らないといけないみたいだ」

十六夜「これは絶対絶命…かしら」

ユーセイ「かもしれない。…だが、どうにかして矛盾を見つけてやるさ…」

サイバンチョー「ふむぅ。…それでは、今回は決闘がらみの事件です。…決闘に関しての証言をお願いします」

ユーセイ「まずは…ここから崩すぞ!」

証言開始============

ミカゲ「証言?…あ、これが証言ってやつなの?キンチョ―するわー」

ミカゲ「でも…私実際見てたわけじゃないし…あ、でも音は聞こえたかも。ズドーンとか、大きい音」

ミカゲ「きっと、アトラス様のデッキだから…相手をボコボコにやってしまっていたに違いないわ!」

ミカゲ「クリムゾンブレーダーの音もしてたわね…。私もってるから知ってるのよ!」

ミカゲ「あれって使えるわよねー。相手の召喚制限できるからさー」

十六夜「あら、意外ね。…また無駄に喋るかと思ったらすんなりと終わったわ」

ユーセイ「最初はそうしようとしたらしいが、時間を無駄に使って、腕が疲れるからやめてくれ…だそうだ」

十六夜「腕が疲れる!?…時間は分かるけど、腕が疲れるって…誰が!?」

ユーセイ「裁判を傍聴している記者…ってことにしておいてくれ。よし、さっさと矛盾を暴くか」

十六夜「もう矛盾を見つけたの!すごいわ!」

ユーセイ「まあ、イザヨイちゃんは見ててよ…!」

ガクエンチョー「それでは弁護人、尋問をお願いします!」

===========尋問開始
ユーセイ「証人は…キングマンのデッキが、相手をボコボコにした…と」

ミカゲ「勿論よ!あれはアトラス様をモチーフとしたデッキ。確かに、チーム5D'sのカードも混ざってるけど…」

ユーセイ「そして、クリムゾンブレーダーが召喚し、戦っているのも聞いた。確かだな?」

ミカゲ「そ、そうよ!」

ユーセイ「異議あり!…それはありえない。クリムゾンブレーダーはおそらく…そのまま倒されたか、返り討ちにされているはずだ」

ミカゲ「そ、そんな馬鹿な!アトラス様…いえ、キングマンのカードが!」

ユーセイ「証人、被害者の墓地をご覧ください。ここには、虚栄巨影を使った…と書いてあるのですよ!」

ミカゲ「虚栄巨影…?」

キリュー「モンスターの攻撃宣言時に発動でき、モンスター一体の攻撃力を1000あげるカード」

ミカゲ「まさか…!?」

ユーセイ「おそらく、この墓地を見る限りでは…戦闘を行ったのはこの『ジェムナイト・パール』と『クリムゾン・ブレーダー』」

十六夜「この二人が戦闘し…虚栄巨影を使ったのであれば…!」

ユーセイ「クリムゾン・ブレーダーは相手を倒すことは出来ない!これは明らかに矛盾しています!」

ミカゲ「き、きゃあああああああああああ」

キリュー「異議あり!…虚栄巨影をそれ以前に使えば問題は…」

ユーセイ「異議あり!…エクシーズ素材のモンスターはどうやってもクリムゾンブレーダーの攻撃力には届かない」

キリュー「ほぅ…」

ユーセイ「そして、クリムゾンブレーダーの素材、およびジェムナイト・パール以外のモンスターを攻撃し破壊したと考えた場合…それはおかしい」

十六夜「墓地にこの順番で虚栄巨影が置かれるのはおかしい…。それじゃあ、クリムゾンブレーダーも、ジェムナイトパールも特殊召喚されないはず」

ユーセイ「そうだ!この順番で互いにシンクロ召喚、およびエクシーズ召喚するには、虚栄巨影はジェムナイト・パールに使い、クリムゾンブレーダーを倒したと考えられる!」

キリュー「ほぉ…中々やるなぁ、ユーセイ。…だが、なんだ?」

ユーセイ「……何?」

キリュー「たかだか、序盤の小さな戦闘を立証しただけだ。それじゃあ、被告の無罪を証明したことにはならないぜ」

ユーセイ(分かってる…だが、これが…小さな突破口になるかも…しれない。ここからハッタリでいくしかないか)

ユーセイ「証人!この証言は明らかに矛盾している…。アナタは、本当にあそこにいて、本当に聞いていたんですか?」

ミカゲ「な!?わ、私を疑うっていうの!?」

ユーセイ「証人の存在が怪しければ…証人も容疑者だ。なぜなら、証人はこの事件を影から操ることもできるのだから!」

十六夜「なるほど、無理やり相手を容疑者にして…情報を引き出すってことね」

ユーセイ「さあ、どうなんですか!」

ガクエンチョー「ふむぅ。…確かに、弁護人の話は無茶苦茶ですが、筋は通っています」

ミカゲ「そ、そんなぁ…!いや、だって私確かに聞いたんだもの!聞き間違いかもしれないけど!」

ユーセイ(実際のところ、きっと聞き間違いだろう。…俺もその場にいて、しっかりと理解しろと言われても…分からないだろうし)

ユーセイ「だが…叩けるところは叩かせてもらおう。なにせ情報がないんでな!」

ガクエンチョー「それでは、そのしっかりと聞いたという決闘の音…もう一度証言してもらいましょう」

=============証言開始

ミカゲ「確かに…確かに最初は違ったかもしれないけど、ちゃんと聞いたのよ!」

ミカゲ「レッド・デーモンズ・ドラゴンがの音もしてたし…それが何度も連続で相手を倒す音だってしてたわよ!」

ミカゲ「クリムゾンブレーダー?その行方は知らないわよ!もう…あいつの発言して損しちゃったじゃない!」

ミカゲ「ジェムナイトパールも何勝手に勝ってくれてんのよ!もう知らない!」

十六夜「こんどは極力あんまり喋ってないわね」

ユーセイ「さすがに俺の尋問がきいたか…。まあ、いい薬になっただろう」

十六夜「私も歳を取ってああなったら…ユーセイにそうしてもらおうかしら」

ユーセイ「本当に勘弁してくれ…。もう止める自信がない…」

ガクエンチョー「証人…そんなに怒らなくても…」

キリュー「証人、怒りなら弁護人にぶつけることをおススメするぞ」

ユーセイ「なんでだ!?」

ガクエンチョー「その怒りをぶつけられることも含めて…弁護人、尋問をお願いします」

=======尋問開始

ユーセイ(今回も…細かい点をついて…新たな情報を聞き出すか)

ユーセイ「証人は…レッド・デーモンズ・ドラゴンが連続で敵を倒した…と言っていたな」

ミカゲ「そ、そうだけど?」

ユーセイ「それはありえない!」

ミカゲ「ど、どうしてよ!」

ユーセイ「…互いの墓地を見てみよう。モンスターの蘇生などがあるから順番は分かりにくいが…順を立てていけばわかりやすだろう」

十六夜「決闘を見ていく…?」

ユーセイ「おそらく、レッド・デーモンズ・ドラゴンを出された次のターン…。キリューの手札は0枚だった」

キリュー「インフェルニティデッキにおいては、手札0枚は基本だからな」

ユーセイ「そして、引いたカードは…インフェルニティ・ビートルだった。ビートルを召喚し、効果を使い…エクシーズ召喚」

キリュー「ガチガチガンテツ…確かに、被害者の墓地にはあるな」

ユーセイ「ガチガチガンテツの効果は、素材を一つ取り除く事で破壊されない効果!つまり!ガンテツは…次のターンの戦闘で破壊はされなかった!」

ユーセイ「つまり、あなたの聞いた…レッド・デーモンズ・ドラゴンが連続で倒していく音…それはまぎれもない矛盾だ!」

ミカゲ「きゃああああああ。で、でも…レッド・デーモンズ・ドラゴンの効果で破壊されるんじゃ…!」

ユーセイ「確かに、レッド・デーモンズ・ドラゴンは守備モンスターを破壊する効果がある。だが、二つ目の素材を外せばいい話!さらに!」

キリュー「次のターンにはおそらく…被害者はインフェルニティ・デーモンを引いているはず…。特殊能力でガンをサーチして…シンクロした…だろ」

ユーセイ「………!!…そうだ、それでインフェルニティ・デス・ドラゴンを召喚して効果で破壊しているはず…。だから、連続で破壊しているなんてありえない!」

ミカゲ「きゃああああああ!」

十六夜「凄いわユーセイ!…こんなこと考えていたのね!」

ユーセイ「ああ、証拠品を預かった時、色々とパターンを考えてシュミレーションしておいた……」

十六夜「どうしてそれを今まで言わなかったのよ!…そうしたら、何かほかにいい案が…」

ユーセイ「いや…言えないんだ。どうあがいても…この決闘、最悪の結果にしかならかったんだ…」

キリュー「ふ」

十六夜「最悪の結果…?それって…?」

ユーセイ「それは後は…今は、証人を追い詰める。証人!アナタは本当にその場所にいたんですか!?」

ガクエンチョー「どうなのですか?証人!」

ミカゲ「い、いたわよ!!…本当にあそこを通ったのはドラガン一人だけだしぃ…もう!」

十六夜「本当かしら?写真とか…そういうのが一枚でもあればいいんだけど…」

ミカゲ「写真?…そ、それならあるわよ!」

十六夜「え?嘘、あるの!?」

ユーセイ「それは…ま、マズイ!?」

キリュー「聞いてねぇぞそんなの!?」

ミカゲ「バーバラさんから言わなくていいって言われてたけど…こうなったら、えーい!!」

ドンッ!

キリュー「こ、これは!」

ガクエンチョー「この写真は…!」

十六夜「まさか…!?」

ユーセイ「…………キングマンの着ぐるみ?」

キリュー「……おい、証人。これが…証拠だとぉ!?」

ユーセイ「あの様子だと、本当に聞いてなかったんだな、キリューのやつ」

ミカゲ「そうよ!このスーツを着るのはドラガンだけ!だから、これがドラガンが通った証拠なの!」

ユーセイ「……なんだろう、大分気持ちが楽になってきた」

十六夜「ええ…反撃の言葉が今頭の中でいっぱいだわ!…これで無罪判決にいけるわ!」

ユーセイ「ああ!…とりあえず言っておこう、キングマンの着ぐるみは誰でも着れる!つまり、これが被告である証拠はない!」

キリュー「ぐあああああああああ」

ガクエンチョー「証人…この写真は?」

ミカゲ「防犯カメラの写真よ。…だから誰かが通るたびに自動的にシャッターが押されるみたい。…この時間帯はこれ一枚しかなかったわ」

キリュー「ぐあああああああ!し、証人てめぇ!!!」

十六夜「キリューも新情報で混乱しているみたい!一気に行くわよ!」

ユーセイ「ああ、異議……」

??「異議あり!!!」

ユーセイ「な……なんだぁ……だ、誰ぇ?」

??「そ、その意見には異議があります!ち、ちょっと待ってもらおうかー!!」

ガクエンチョー「だ、誰ですか!アナタは!勝手に証言しないように!」

??「待って!本当に待って!その意見はちょっと違うんだってば!」

キリュー「裁判長…アレだ。一応、召喚する予定はなかったが…俺の証人だ」

ガクエンチョー「な、なんですとぉ!?…な、名前と職業は…?」

ハラルド「ハラルド…!今は映画監督をしておる!」

十六夜「あれ?…なんか、この前決闘した時とはイメージが違うような…」

ユーセイ「どうやら映画監督のやりすぎで、性格が崩壊したと見える」

十六夜「無茶苦茶だわ!そんな理論」

ハラルド「あれ?そこにいる君…かわいいねぇ…」

十六夜「え?あ、私…?」

ハラルド「ふむむむ!ひらめいた!今ひらめいたよぉ!キングマンに続く作品…!その名も『マジョコマン』」

十六夜「ま……マジョコ……」

ユーセイ「マン……?(そこはウーマンじゃないのか?)」

ハラルド「萌える!これは萌えるぞぉお!時代は魔女っ娘、そうマジョコなんだ!!ははははは!」

十六夜「ユーセイ……なんかこの人、怖い」

??「それ以上の無駄口はおよし!」

ハラルド「ひぃ!?」

??「まったく…ロクなもんじゃないねぇ…。作品はいいんだけど」

ガクエンチョー「だから!勝手に法廷に出て証言をしてはいけません!」

キリュー「……彼女も、一応俺の証人だ。…一応、召喚という形にしておいてくれ」

ガクエンチョー「……こうも身勝手な行動は困りますがね!…証人、名前と職業を」

バーバラ「バーバラ…コナミ撮影所のオーナーやってるわよ。…とある町を追い出されちゃったからね」

キリュー「…ふん、お前がいては満足できんからな」

ガクエンチョー「そういう身内のいざこざは、外でやってほしい物です。…とにかく、さっきの異議はどういう意味なのでしょうか」

バーバラ「衣装の事さ」

ガクエンチョー「衣装…というと、あのキングマンの着ぐるみ…のことでしょうか」

ハラルド「そうです。…あの衣装、実はけっこう高級なんで厳重なロッカーにしまってあるんですよ」

バーバラ「出演者以外が持ち出せないように…厳重なセキュリティがしかけられているのよ」

ハラルド「その厳重なセキュリティーっていうのが、演者しか持っていない…このセキュリティーカードなんですよ」

ガクエンチョー「つまり…それがないと着ぐるみが着ることができない…ということですか」

ハラルド「そういうことです」

ユーセイ「し、しかし!それを盗めば問題はないはず…!」

バーバラ「そうもいかないのよ坊や。このロックを解除するには…さらに暗証番号も必要ってわけ」

十六夜「暗証番号…?」

バーバラ「そう。一人一人に与えられた暗証番号。カードによって違うから、暗証番号は全て違うのよ」

ユーセイ「何…じゃあ盗み出しても…着ぐるみを着ることは出来ない…!?」

ハラルド「そしてその日いた出演者はドラガンとブレイブのみ…」

ガクエンチョー「ふむぅ…。これは…もはや決定的…ですかな」

ユーセイ「そ…そんなぁ…」

キリュー「ふ…出てこさせる予定がない証人だったが…まあいい。これで勝ちなら…別に」

ユーセイ「(ん?…待て!なぜ…なぜ出させる予定がなかったんだ!)待った!検事!なぜ出せる予定がない証人なんだ!?」

キリュー「なんでも食らいついてくる気だな…ユーセイ。まあ教えてやるよ。どうせ冥土の土産だ」

キリュー「彼女たちはな…闇の決闘が行われたとき、東の撮影スタジオにいたのさ!」

ユーセイ「な、何!?…じゃあ、彼女たちにも犯行が可能なんじゃ…!?」

ガクエンチョー「そうですぞ!キリュー検事!」

キリュー「まあそう焦るな。…ただし、いたのは殺人が起きた第一撮影スタジオじゃない。第二スタジオさ」

ユーセイ「第二…スタジオ?」

キリュー「そして闇の決闘が起きた同時刻。…突然、第二スタジオで停電が起こった。電子扉である第二スタジオは…完璧に開かなくなっちまったのさ」

ユーセイ「停電だと…。まさかそんな偶然」

キリュー「おそらく、闇の決闘の力も影響しているんだろうよ。…停電の確認はとれている。こっちで色々調べた結果、停電は本当にあったそうだ」

ガクエンチョー「ふむぅ。…二人が外に出られない以上。…闇の決闘は不可能でしょうなぁ」

ユーセイ「く…そんな」

キリュー「第一スタジオで行われていた闇の決闘を…どうやって第二スタジオに閉じ込められている人間ができるってんだよ!」

ユーセイ「く…うおおおおおおおおおおお!!」

十六夜「ゆ…ユーセイ!しっかりして!」

キリュー「くくく…。まあ、もうちょっと地獄は続くぜユーセイ」

ユーセイ「な、何!?」

キリュー「今回はお前を完膚なきまでに叩き潰してやるよ…。次の証人、きな!」

======================================

ルア「……ごめん、ユーセイ」

ユーセイ「る、龍亜!!…これは一体!?」

キリュー「彼は…事件の目撃者なんでね。しっかりと証言してもおうか」

十六夜「龍亜が…目撃者ですって!?」

キリュー「実は…東の撮影スタジオには子供が入れるサイズの穴があるんだ。…そこからこいつは侵入してきていたらしいぜ」

ユーセイ「そういえばお前…撮影を見に来ていた…と言っていたが…こういうことだったのか」

ルア「ご、ごめんよぅ!お、怒らないで…ユーセイ。悪いことだとは思っていたんだけど…つい、キングマンが見たくて…」

キリュー「証人はいつものように撮影現場に侵入し…。排気口をたどってみていたようなのだ…被告と、被害者が決闘をする瞬間をなぁ!!」

ユーセイ「な、なんだってええええええええ!!!」

ガクエンチョー「ふむぅ。…これが事実ならば、被告の有罪は免れないようです。…では証人、証言をお願いします」

========証言開始
ルア「俺…いつもみたいに、壁にある穴からスタジオに侵入したんだけど」

ルア「道がわからなくて…迷子になっちゃったんだ」

ルア「建物に入ったんだけど、どこかわからないし…人の気配がしたから近くの排気口にかくれたんだ」

ルア「そしたら、そこで決闘が始まったんだ。…なんだか黒い霧が現れて、嫌な雰囲気だった」

ルア「でも、キングマンが見えて、ちょっと元気づけられたんだ!…敵のダークキリューの声もして、これは撮影かなと思ったんだ」

ルア「黒い霧でよく見えなかったけど…。クリムゾン・ブレーダーで効果を発動するために攻撃したり」

ルア「レッド・デーモンズ・ドラゴンの死闘面白かったんだよ!リビングデッドの呼び声で復活したり、死者蘇生で復活したり」

ルア「/バスターになるのを狙って、バスター・モードを伏せている時もピリピリしてたよ!」

ユーセイ「…ルア」

ルア「ごめんなさいユーセイ。…キリューが、こうすればキングマンが助かるっていうから…俺」

十六夜「なんて汚いやつ…子供を騙すだなんて!」

キリュー「騙してなんかねぇぜ。…罪を償わせて助ける。…それは正しいことだと思うがな」

十六夜「くっ!」

ユーセイ「イザヨイちゃん。…ルアのやりたいこと、そして決意は分かった。」

十六夜「ユーセイ…」

ユーセイ「だからこそ…ルアの矛盾をここで暴き出す!」

ガクエンチョー「それでは尋問をお願いします!」

============尋問開始

ユーセイ「龍亜…。本当にキングマンを助けたいか?」

ルア「も、もちろんだよ!」

ユーセイ「そうか…。なら、お前の矛盾を暴かなければならない…」

ルア「矛盾?…それって何?」

ユーセイ「嘘みたいなもんだ。…ともかく、お前は今、嘘をついていることがある」

ルア「う、嘘だって!?俺は嘘なんて一つも…!?」

ユーセイ「あるさ。…ルア、お前は/バスターを狙って、バスター・モードをキングマンが伏せた…と言ったな」

ルア「う、うん!そうだよ!…だって、インフェルニティ・デス・ドラゴンの効果の対象にされても、バスター・モードで逃れることができるし…」

ユーセイ「それはあり得ない。…ルア、レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスターはな…。キングマンの手札にあったんだ」

ルア「え?て、手札に!?」

十六夜「バスター・モードは…対象のカードがデッキにいないと発動できない。手札にあると…もう発動は不可能」

キリュー「い、異議あり!…フツーにデッキには二枚目のレッド・デーモンズ・ドラゴン/バスターがあれば問題は…」

ユーセイ「異議あり!…それなら、証人が裁判が始まる前に言ってくれたよ…『キングマンは全てのカードをピンざし』だってな…」

キリュー「な、何ぃ!?」

ユーセイ「龍亜!…お前は本当は何を見たんだ…。バスター・モードを伏せるときにピリピリしていた?そんなのありえない!」

ルア「ユーセイ…ごめん…ごめんよぉ…お、おれ…」

ガクエンチョー「とにかく。証言に矛盾がある以上、他の証言を求めるしかないようですな」

十六夜「ユーセイ…これで新たな証言を引き出せた。けど」

ユーセイ「これ以上…龍亜を苦しめることになる…。く、だがこれがお前を救う唯一の方法なんだ…すまない」

キリュー「く…まだ状況は逆転していないんだぜ。安心するには早い」

ガクエンチョー「それでは、新たに証言をお願いします」

=============証言開始
ルア「うぅ…見た事?…そうだな、明確に見たことは」

ルア「一度は禁じられた聖杯を使って、インフェルニティ・デス・ドラゴンを倒したんだけど、また復活されたんだよね」

ルア「ネクロマンサーの効果を使われて…なんだか、見てるこっちがハラハラしたよ」

ルア「でも、メタモルポッドの効果で手札を一気に回復!…そしたらあっという間にセイヴァ―・デモン・ドラゴンを出しちゃってさ」

ルア「相手の決闘者を倒しちゃったんだよ!これは本当だよ!」

ユーセイ「これが…ルアの証言…か」

十六夜「残酷ね…こんな形の証言って…」

ユーセイ「自分が大好きな人に…今自分が言葉のナイフを刺している。…ルアも子どながらに分かっているんだ。だが」

十六夜「止めてしまえば…正しい償いはできなくなる。罪を償うことが正しい事…キリューにそう言われたのね」

ユーセイ「……ルア、お前は救い出して見せる!」

ガクエンチョー「それでは、尋問をお願いします」

===========尋問開始
ユーセイ「ルア……排気口から、そのすべてをみていたんだな」

ルア「…うん」

ユーセイ「しかし、よく排気口に入れたな。ホコリだらけだと思うんだが」

キリュー「それは週に一度、清掃係がしっかりと全ての撮影所の排気口まで掃除しているからだ。…どうやら、監督がホコリに敏感なようでね」

ユーセイ「それで入ることができた…ということか」

キリュー「事件の前日はまさにその日でな。…だから入りやすかっただろうな」

ユーセイ「…そうか。…その疑問は解けたが…。もう一つ解けない事がある」

ルア「え?」

ユーセイ「…セイヴァ―・デモン・ドラゴンが相手を倒した…これは嘘だな」

ルア「そ、そんなことないよ!俺は見たんだもん!…それに、墓地を見れば、召喚した跡があるでしょ!」

ユーセイ「確かに…それはある。…だが、被害者の墓地にも残されていたんだよ。…このカードがな!」

十六夜「『攻撃の無敵化』!?このカードは」

ユーセイ「フィールド上のモンスターは戦闘によって破壊されるが…自分は戦闘ダメージを受けないカード…ルア、きっと被害者は…これを使ったんじゃないのか?」

ルア「そ、そんなこと!?」

ユーセイ「でなければ説明ができない!セイヴァ―・デモン・ドラゴンの効果上、とてつもない攻撃力がある。…よって、ここで使わないわけがない!」

ルア「う、うわああああああああああ」

ユーセイ「裁判長!証人の証言には矛盾があり…」

キリュー「くくくくく」

ユーセイ「!?…キリュー、何がおかしい!」

キリュー「…もう満足したか?ユーセイ」

ユーセイ「何?」

キリュー「中身がどうであれ…結果はもう決まってるのさ。…たしかに、セイヴァ―・デモン・ドラゴンの事は俺も気づいていた」

ガクエンチョー「で、ではなぜ…このようなことを」

キリュー「どうせ無意味だからさ…。裁判長…セイヴァ―・デモン・ドラゴンの戦闘後…と思われる墓地をみてみな」

ガクエンチョー「無の煉獄…ですか?それ以上墓地はないようですが」

キリュー「そうだ。…つまり、それ以上の墓地はない。…つまり、決闘はそこで終わったんだよ」

ユーセイ「く…やはり、そういうことだったのか」

キリュー「そうだ。…被害者はそこで終わらせたんだ…。セイヴァ―・デモン・ドラゴンに恐れをなし、インフェルニティ・デス・ドラゴンを墓地に送るとき…サレンダーしたのさ」

ユーセイ「異議あり!だが、その推理だと墓地に無の煉獄があるのはおかしい!」

キリュー「手札がポロリとおちて墓地にたまたま無の煉獄がはいっちまった…ってところじゃねーのか?」

ユーセイ「ぐうう!!」

キリュー「まあ、なんでもいい!とにかく決闘はそこで終わってるんだ。…違う形であろうとなかろうと…キングマンがダークキリューに勝ってるんだからよぉ!」

ユーセイ「う……うわあああああああ(……勝て……ない)」

十六夜「ゆ、ユーセイ!しっかりして!…あなたがあきらめたら…どうするのよ!」

ユーセイ「イザヨイちゃん…でも!」

ルア「ユーセイ……ユーセイ!あきらめないで!」

ユーセイ「龍亜…」

ルア「確かに…今の俺は足でまといだとおもう。ううん、邪魔してると思う!…けど…こんなところで、ユーセイの諦める姿なんて…みたくないよ!」

ユーセイ「龍亜…そうだ。龍亜の諦めない力が…龍亜をシグナ―にしたんだ…。俺が…諦めてどうする!」

キリュー「くくく。あきらめも肝心だぜ、ユーセイ。…勝ったもんを、どうやって負けにするんだよ」

ユーセイ「考えろ…。そうだ、発想!発想の逆転…」

十六夜「そうよ。…発想を逆転させるの…それが弁護人として、決闘者としての最後の武器よ!」

ユーセイ「発想の逆転……。!…そ、そうだ!…逆転…そうか!分かったぞ!」

キリュー「裁判長…。もう話し合うことはねぇ…。さっさと判決を出しちまいな」

ガクエンチョー「そうですな。…これ以上の審議は必要なしとみなします。判決を……」

ユーセイ「異議あり!!!!」

キリュー「なんだぁ?…まだ諦めてねーのか」

ユーセイ「見つけた…。ああ、この決闘の中における…最大の矛盾をな!」

キリュー「……何?」

ユーセイ「……龍亜!」

ルア「え?」

ユーセイ「龍亜…本当の事を教えてくれ…。キングマンは…本当は、負けたんじゃないのか!?」

キリュー「な、なにぃ!?ユーセイ、何を言い出す!?」

十六夜「そ、そうよ…この墓地やフィールドから、どうやってキングマンが逆転負けするのよ」

ユーセイ「俺は最大の矛盾に気づいた…。それは、被害者の最後の手札!」

十六夜「手札?」

ユーセイ「ルアは言った…『メタモルポッドを使って…』と…ならば、当然被害者の手札も五枚なければいけないはず!」

十六夜「あ…」

キリュー「な……何!?」

ユーセイ「だが、被害者のものとされる決闘盤および手札には…そのような形跡が一つもない!これは、明らかに矛盾しています!」

ガクエンチョー「そ、そういえばああああ」

ユーセイ「なあ、龍亜!本当の事を話してくれ!…キングマンは…負けたんじゃないのか!!?」

ルア「………う、うわああああああ!!!き、キングマンがぁ…ま、負けるはずがないんだあああああ」

十六夜「る、龍亜……」

ルア「……ぐっすん。……うう。ユーセイの言うとおりだよ…。本当はさ、キングマン…負けたんだよ、相手に」

ユーセイ「龍亜…よくぞ言った!」

ガクエンチョー「証人!どうしてそのような嘘を!」

ルア「だって!正義の味方のキングマンだぞ!…負けるなんてありえないのに…負けちゃうだなんて…!そんなの嘘だあああ!」

キリュー「ガキのわがままかよ…。……あ?き、キングマンが…負けた?だと?」

ユーセイ「そうだ。…この決闘で、キングマンが負けたんだ。思えば、おかしな矛盾ばかりだった…深影さんも、龍亜も」

十六夜「まるで…キングマンが勝った…というような矛盾。深影さんはフツーに間違いだったけど」

ユーセイ「そこで俺は気づいた…。じゃあ、キングマンが勝った…という事実自体が矛盾なんじゃないかってね」

キリュー「だ、だが…これによって何が変わるっていうんだ…!」

ユーセイ「まだわからないのか?…これによって、敗者はキングマン。敗者は死ぬ…ならば、キングマンに入っていた人は…」

キリュー「被害者である…ブレイブ。…じゃあ、警備室の目の前を通ったのも…ブレイブ!?」

ユーセイ「その通り!…これによって、東の撮影スタジオにいた人間は四人に絞られる」

十六夜「被害者、龍亜、そしてハラルドとバーバラ」

ユーセイ「龍亜、本当にお前はスタジオの排気口の中にいたのか?」

ルア「う、うん!…どこかは分からないけど…。逃げ出す時も、見つからないように逃げるのに必死だったから…」

ユーセイ「ならば簡単な事だ…。龍亜がいた場所には、被害者と…もう一人誰かがいる場所」

キリュー「まさか!?」

ユーセイ「そうだ!…停電して動けないと思われていた第二撮影スタジオ…あそこにしか人はいない!」

十六夜「ユーセイ!」

ユーセイ「俺はここで…ハラルド、そしてバーバラを…告発する!」

=============================
バーバラ「告発されたから…ここに立ったけど…」

ユーセイ「先程言ったように、もう犯人候補は絞られました。…そして、それは被告ではない」

バーバラ「何を言って…。なんなら、そこの龍亜っていう坊やの可能性もあるじゃないか」

ユーセイ「排気口に隠れていた…。その証言をもとに、第二撮影スタジオの指紋をとれば、龍亜の行動がわかるはずだ」

バーバラ「ぐ…もし、排気口から指紋が出れば」

ユーセイ「勿論。龍亜の証言が適応される。…そして、アンタらが犯人だということが…立証される。そこには、アンタらしかいなかったんだからな」

バーバラ「ほ、他の人間が……」

ユーセイ「電子ロックは停電により機能せず、ロックしたままだった…。どこからも侵入不可能だ」

バーバラ「う…じ、じゃあ……」

ユーセイ「アンタたちは…。闇の決闘に勝ち、怪しまれないように決闘盤に細工。そして、第一撮影スタジオへと運んだ」

>>71
ググってくるわ
ありがとう

ユーセイ「近くには車があるだろうし、最低、ハラルドに運んでもらえばいい」

バーバラ「ち……ちがうわ……」

ユーセイ「被害者が来ていたキングマンの衣装を脱がしたのは、捜査をかく乱するため…決闘盤は、元々キングマンの着ぐるみについてきたら…利用しただけ」

バーバラ「うぅ………ああああああああ」

ユーセイ「第一撮影スタジオに誰もいない以上…第二撮影スタジオのあなたたちしか…不可能なんだ!」

バーバラ「ああああああああああああ!!!」

==================================

ガクエンチョー「…なんとも不思議な事件でした。キングマンが負けるはずがないという思い込み、そしてその情熱…更に偶然が…事件を混乱させたようですね」

キリュー「二人とも洗いざらい話してくれたよ…。決闘盤からカードを抜いて細工したことも、闇の決闘をしたこともな」

ガクエンチョー「なぜ…闇の決闘なんて」

キリュー「どうやら、あのバーバラって女と、ブレイブって男の間には色々とあったらしい。…男と女のことだ。何があっても不思議じゃない」

ガクエンチョー「それだけ…なのでしょうか」

キリュー「闇のアイテムは人を操るらしいからな…。ちょっとの怨みや妬みで反応されて…ブレイブって男が操作されちまったんだろう。…どっちも可哀想だ」

ガクエンチョー「つまり…被害者は返り討ちにあったと…?」

キリュー「何にせよ…。被害者は全員かもしれねーな。バーバラって女も…殺したくもない相手、無理やり殺しちまったんだ」

ガクエンチョー「なんとも…不思議な事件です。…とにかく、被告人に判決を言い渡します!」

無     罪

ガクエンチョー「本日は…これにて閉廷!」

===============================
某日 某時刻 ネオドミノシティ決闘裁判所控室

ドラガン「む…無罪…私が無罪…!」

十六夜「やったね!ドラガンさん!…これで救われたんですよ!」

ユーセイ「ああ。…これで、一件落着だ」

ルア「………」

ユーセイ「…ルア」

ルア「…ごめんなさい、ユーセイ。…俺、誤解して…間違えて…皆に迷惑を…」

ユーセイ「…何を言っているんだ!龍亜!」

ルア「え?」

ユーセイ「お前の想いがあったからこそ…無罪を勝ち取ることができたんじゃないか!」

ルア「でも…俺」

ユーセイ「確かに、自分勝手なところはあった。…だが、それは決して間違いじゃない。キリューの言っていた…罪を償うということも…決して間違いじゃない」

ルア「ユーセイ…」

ユーセイ「龍亜、世の中は間違いだらけだ。簡単には分からないだろう。…だから、俺達仲間と一緒に…考えていけばいい。だから、もう自分勝手な事はするな!」

ルア「…ごめん、なさい」

十六夜「…ふふ、そのことがわかったら。さっさと帰って勉強するわよ!」

ルア「えー…勘弁してくれよー」

ドラガン「はは……あ、ユーセイさん…今回はありがとうございます」

龍亜じゃなくて龍亞な

ユーセイ「え?ああ…はい」

ドラガン「でも…どうしても納得できなんです。…どうして、ブレイブは私のキングマンの衣装を…」

ユーセイ「あー…」

ドラガン「きっと…彼はオーナーを殺した後…私に罪をなすりつける作戦だったんでしょうか…。私、そんなに恨まれて…!」

ユーセイ「そうじゃないと思います…きっと」

ドラガン「え?」

ユーセイ「きっと…闇の力に負けたくなかったんじゃないかな?」

ドラガン「闇の…力?」

ユーセイ「ああ。どうやって闇のアイテムを手に入れたのかは分からない。…けど、決して自らすすんで手に入れた物ではないはずだ」

ドラガン「確かに…あんなものは手に入れたくもない」

ユーセイ「だからこそ、負けたくなかった。こんなものに…負けたくない。そう思っていると…彼はヒーローに頼りたかった」

ドラガン「ヒーロー?…キングマン…ですか」

ユーセイ「ああ。…ほら、寂しいときとか、心細いときって…ヒーローに頼りたい…。そんな気がすると思う。…だから、結果的にあーゆー行動をしたのかなぁ…と俺は勝手に思う」

>>77
今まで正しい方使ってると思ってた…ごめんなさい

ドラガン「無理やりすぎません?」

ユーセイ「確かにな。…まあ、どうあがいても妄想しかできないことも確かだ。特に、闇の力に支配された人の心なんて…分かるはずもない」

ドラガン「まあ…確かにわからないですけど」

ユーセイ「それに、そういう戸惑いがあったからこそ…バーバラに負けたんじゃないのかな」

ドラガン「戸惑い…確かに、それがなければ、オーナーには勝てそうですもんね」

ユーセイ「ああ…。殺したくない。俺は誰も殺したくない。闇の力には屈しない。…その気持ちがあったからこそ…負けたんだ。…いや、闇の力に勝ったというべきか」

ドラガン「…そうですね。…ほんと、惜しい人たちを亡くしてしまった…」

ユーセイ「大丈夫…まだ、まだやり直せる。まだな」

だけど、俺達はこの時…まさか、あんな事件に巻き込まれるだなんて…知りもしなかった。
D....L.....2..ゴ..ウ..ジ..ケ..ン.ヲ..ワ.ス.レ.ル........ナ

毎度毎度長いssで申し訳ない…時間かかりすぎだわ
多分、これでもう終わりだと思います…。次回はもうないかなー…と…たぶんね
だってこれ書いてると腕が痛いんだもん。主に深影オバちゃんのセリフ

>>72
あとよろしければいいので
遊星「異議あり!明らかに矛盾しています」
というssも書いてあります
こちらは無印の第一話。前に紹介してもらった者は無印の第二話になってます

ありがとうございます!

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