真美「まみずれたー」 (72)


書き溜めあり。一気に投下します。

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『JKですよ、JK!

 ということで、真美もとうとう高校生になりました!
 
 でも正直なところそんなに何か変わったわけではありません

 まあ入学式が終わって新生活にはそれなりにワクワクしてはいるけど……うーん

 昔は高校生って言うとすっごく大人に見えて、真美にとってはすごいお姉さんってカンジだったけどなー
(あ、周りの人には大人っぽくなったって言われるんだからね!)

でもたまに昔の写真なんかをみると、やっぱり変わったかもって思います


 やよいっちなんかは背も伸びたしおっぱいも成長したし、結構変わったよね
 話すとあんまり変わってないけど笑

 はるるんも大人っぽくなったけど、大人になってから転ぶとダメージが大きそう
 大丈夫なのかな?

 まこちんは一時伸ばしてたけど、また髪短くしたよね

 おかげでゆきぴょんと一緒にいると普通にカップルに見える……もう結婚しちゃえばいいのに

 でもおっぱいはあんまり大きくなってないかも
 本人は大きくなったって言ってるけど(まこちんね)
 
 千早お姉ちゃんなんかはいろんな意味であんまり変わってないよね
 まあ昔から大人っぽかったってのもあるのかも

 あ、でも胸の話題に反応しなくなったね
 そこに関してはもう悟りを開いてるっぽい

 ミキミキもあんまり変わってないかな。茶色になったくらい
 って結構変わったか笑笑

 そういえばいおりんもいろいろと大きくならないね
 とっくに身長は真美の方が大きくなっちゃったし

 あずさお姉ちゃん、りっちゃんとかもあんまり変わってないけど

 変わってないといえばお姫ちん。どうなってるの?ほんとに何一つ変わらないよね

 なんか真美がハタチになってもお姫ちんは何も変わらなそう……不思議


なんだか書いてたらいろいろと懐かしくなってきました、うん

ほな、また!

P.S ピヨちゃんについては忘れてるわけじゃないよ!そこは触れないのがやさしさ笑

兄ちゃんへ

真美より』



『数学わかんないよー!HELP!(;ω;)

戻ってきたら会議室まで! マミ』




『でぃあ 兄ちゃん

 この前ガッコーでシンロの紙がくばられたんだけど、どうしたらいいかなぁ?

 アイドル専門!って書きたいんだけどまだそんなに売れてるわけじゃないしマズイよねー

 フツーはトーゼン進学するんだろうけど……ぬう

 女子高生にはなりたいけどベンキョーはしたくないっす(´;ω;`)

 ってことで相談のってくりー! まみ』



『プロデューサーさんへ

 こんにちは、真美です。

 最近勉強についていけません……orz

 というか最近じゃなくてもついていけてなかったんだけど、そういうことではなくてですね

 ヘンになったって思うかもしれませんが、なんだか最近真面目に勉強したくなるのです

 真美にもなんでかわかりませんが、中学の時もっとマジメにやってればなーってときどき思います

 周りの友達はわかんなくても難しいからしょうがないとか、先生の教え方が悪いとか言ってるんだけど……

 なんか違和感を感じます

 これって真美がおかしいのかな?

 うーん、上手く言えません

 時間があったら話を聞いてくれたらうれしいです

 それでは

 真美』




コンコン

『失礼します』

「どうぞ」

ガチャ

「お疲れ様です」

「おお、お疲れ。どうした?」

「あ、すいません。特に用事はないんです」

「なんだよ」

「あはは、ちょっと最近顔出してなかったかなと思いまして」

「そうかな」


「明かりが漏れてるのが見えたので。まだ業務中ですか?」

「いや、終わってる」

「終わってましたか」

「ああ」

「……なんですか?これ」

「真美の手紙」

「……真美?」

「うん。律子もたまに貰ってただろ?」

「え、ええ、まあ。でも」

「ん?」

「これ全部ですか?」

「ああ」


「すごい量ですね。というか保存してたことに驚きなんですけど」

「そうか? 手紙って、写真同じで捨てるのはどうも気が引けないか?」

「ふむ」

「律子はファンレターとっとかないのか?」

「取っておいてますね」

「な?」

「言われてみれば」

「はは、特に俺はファンレターなんか貰うわけじゃないからな。保存場所に困ることもない」


「それで、久々に感傷に浸ってたってわけですか」

「そんなところだ。あ、そういや祝儀袋買った?」

「もちろんですよ。プロデューサーは?」

「まだ」

「早めに準備しとくに越したことはないですよ、チーフ殿」

「ご忠告どーも、サブチーフ殿」

「はいはい。ところですぐ上がります?そうなら駅までご一緒しますけど」

「そうだな。じゃあすぐ準備するからフロアで待っててくれ」

「わかりました」





「感傷……感傷、ね」


『おは!

んっふっふ~! 真美がコクられたって話、びっくりした!? だよね~笑笑

チュウガクセーになってからどんどんせくちーになってますからなあ!

ま、男子のちゅーもく集めちゃうのもちかたないね!

どう返事しよっかな~……!?

な~んてね!!

わかってるよ~ん! 真美はアイドルだかんね!!

でもでも、周りは恋愛レボリューションまっさいちゅーってかんじ!?

兄ちゃんも真美に予約入れといたほうがいいかもね!?

ぜっさん受付ちゅーだよ★☆

予約が取れるかどうかはわかんないけどね! 笑

じゃね~ん! まみ!』



『クラスの男子、ガキっぽすぎ! まじうるさいんですけどヽ(`Д´)ノ!?!?

どんな頭してんの!? ちょっと今度兄ちゃんのいけん聞かせてよ!!

まみ!』




『プロデューサー様

 今までありがとうございました!

 しつこいかもしれないですが、何回お礼を言っても言い足りない気がするのでお手紙書くことにしました。

 今はとてもすっきりしています。

 正直、最後のライブ前とか、最後の仕事をしてる時は結構悩んでました。

 顔にはなるべく出さないようにしてましたが、プロデューサーは気づいてたかもしれませんね。

 やっぱりとても楽しい仕事だったし、思い出もあるし、これでいいのかな、間違ってないのかな、という考えに最後まで答えは出ませんでした。


 今はどう感じてるかというと、結局正解とか間違いとかではないかなって思い始めてます。

 自分で選んだ選択だから。

 自分が選んだんだってちゃんと思いながらこれから先もがんばっていこうと思います。

 後悔したら過去の自分の考えをそれこそ否定しちゃうことになるかなって。

 うん、だから完璧に割り切れたわけじゃないけど、それもひっくるめて真美なんだし、それは自分自身ちゃんと信じてあげたいと思います。

 ごめんね。

 じゃなくてごめんなさい。思いつくままに書いてるのでちょっと何が言いたいかプロデューサーにはわからないかもしれません。

 とにかく、ありがとうございました!
 本当にありがとうございました!

 そしてこれからもよろしくお願いします!

 言いたかったのはこの二つです。

 それではプロデューサーもお体に気をつけて。

(ちょっと真面目モードな笑)真美より』



『兄(C)へ!!

 ホンメ→チョコですよ!ホンメ→!

 















なんてね! うっそだよ~ん!! まみ★☆』




コンコン

『失礼します』

「どうぞ」

ガチャ

「またお手紙ですか?」

「……いつも休んでるタイミングでお前が来るんだよ」

「まあ休憩中狙ってますから当然ですね」

「さいで」

「あ、それで相談なんですが……」



……


「なるほど……そういう考えもありますか。参考にさせていただきます」

「んむ」

「では失礼します」

「あ、律子?」

「はい?」

「そういえば、衣装合わせについて行ってやったんだって?」

「ふふ、はい。最もドレス自体は旦那さんと相談して決定済みだったんですけど。
合わせの日はどうしても旦那さんの都合がつかなかったんですって」

「で、律子姉さんの出番か」

「ま、そんなとこです」


「後輩に先を越された気分はどうかね?」

「……本当にいつまでたってもデリカシーがないですね」

「怒るな怒るな」

「まったく、あなたの影響かしらね……」

「ん?」

「真美にも言われましたよ。『りっちゃんは着る予定ないの?』って」

「oh……」

「『あんたには言われたくないわよ』って言ってやりましたけど」

「なはは。っていうかあいつ今だにタメ口なのか?」

「プライベートでは、ですけどね。では」ガチャ

「おう」

バタム

「プライベートでは、か」


『おっはろ~ん!まみだよー!

いまがっこーではお手紙がはやってます!

 ということで兄ちゃんにも書いてみました!(ちなみに国語のじゅぎょーちゅー笑 国語ってたいして聞いてなくてもヨユウだからね!)

 兄ちゃんって好きなたべものなに!?

 好きな色は!?おんなのこのタイプは!?

 まみたちのお仕事ってなにやるの!?

 まだあんまり兄ちゃんのこと知らないし、こんどいっぱい聞くから考えておきなさい!笑

 でわでわ! まみ!』


『兄ちゃんへ

こんにちは。

 えっと、手紙書くのも久しぶりですね。

 あずさお姉ちゃん、お疲れ様でした。ってあはは、兄ちゃんに言ってもしょうがないか。

 あ、ちゃんとあずさお姉ちゃんにも言ったかんね!

 ただ、ピヨちゃんに続いてあずさお姉ちゃんもかー、と思ってお手紙書いてみた次第です、はい。

 ピヨちゃんの時は寿退社だったからまあ嬉しかったけど、あずさお姉ちゃんは引退……だよね。

 あずさお姉ちゃんだったらすぐいい相手見つけてケッコンするだろうけどね!

 うん。

 ……でもわかってても少し寂しいかなーって(やよいっち風)笑

 ちょっとおセンチ気分になっちゃいました。


 そういえば兄ちゃんもチーフプロデューサー(だっけ?)おめでとう!

 笑ったり似合わないとは言ったけど、おめでとうとは言ってなかったかもしんないのでこの場を借りて。みたいな。

 とにかく、あずさお姉ちゃんの分まで真美がんばる!

 チーフプロデューサーも頑張ってね笑

それでは  真美』


『兄ちゃんへ

 こんにちは。

 この前はごめんなさい。ありがとう。

 ちゃんと真面目に答えてくれたよね。ありがとう。

 正直答えを聞いたときはやっぱりね、って思ったけど、あのあと泣いちゃいました。

 でも落ち込んでばかりもいられないので、次会った時は真美の様子が変でも普通に接して下さい。

 こんなこと言われても困っちゃうよね。ごめんね。
 
 でも真美もまだ考えがまとまってなくて。うん。


 ……ひとつだけお願いです。

 これからも真美の兄ちゃんでいてください。

 手紙も書いていいかな? ダメって言われたらしょうがないけど……

 それと、これはお願いじゃなくて独り言です。

 もしだけどさ。

 大人になってさ。

 10年くらいたっても真美の気持ちが変わらなかったとしたらさ、





コンコン

『失礼します』

「……どうぞ」ガサッ

ガチャ

「まだ業務中ですか?」

「いや、もう上がるとこだ。明日だしな」

「そうですね。あ、ちょうどそのことで来たんですよ」

「なんだ?」


「明日、よければ一緒に会場まで行きません?」

「ん? 別にかまわないが……俺ただの来賓だぞ?」

「私も同じですけど?」

「へぇ、てっきり何かしら手伝いがあって早く集合、とかだと思ってた」

「ああ、意外に気を使ってくれたみたいですよ。事務所のみんなはほぼお客様扱いです。私含め」

「そうなのか」

「ええ、忙しいだろうからって。
旦那さん側と、あとは看護学校の同期さんだとか現役ナースの友人たちで受付から余興から回すみたいですよ」


「余興ってうちから誰も出ないの?」

「誰も、とは言ってませんよ」

「なぬ?」

「はあ……まったくちゃんと聞いててくださいよ。『ほぼ』お客様扱いって言ったじゃないですか」

「ああそういう……で、誰が出んの?」

「えーと、ちh……」

「……ん?」

「やっぱり内緒です」

「なんでだよ!」

「あはは、そのほうが面白いかと」

「おもっきり千早って言いかけてた気がするが」

「本番のお楽しみということで」

「むう……ま、いいか。いや、一人も出ないのはどうなんだ? って思ったからさ。
 せっかく元アイドルで事務所のみんなもいるのに」

「そのへんはちゃんと考えてると思いますよ。たぶん」

「多分かよ」



――翌日


「すいません、待ちました?」

「いいや。行こう」

「はい」

「……」

「……」

「なんだか、いつの間にか年取ったなー」

「急になんですか? っていうか私に言ってます?」

「全体的にだよ。羊のようにやってきて、鷹のように過ぎ去り、過ぎ去っては石の如くか」

「なんです? それ」

「時間」

「……はあ、そうですか」


「お前、765プロに所属してから何年経った?」

「え? えーっと、学生の時から考えると11? とか12年くらいじゃないですか」

「長いよなあ。そりゃ子供も成長して結婚するわ」

「……そうですね」

「なあ、今日一緒に帰らないか?」

「いいですけど」

「あっさりだな」

「どうせ二次会ぐらいではけるんですよね?」

「どうせって言うな。まあその予定なんだけど」

「いいですよ。じゃあ二次会後に」

「うむ」

「どうかしたんですか? 急に」

「別にー」

「まあいいですけどね。とにかく晴れ舞台なんだから、ちゃんと祝ってあげてくださいよ」

「へいへい」



――――――――――――
―――――――
――――


「じゃ、またな。みんなもあんまりハメ外しすぎるなよ」

『はーい!』

『お疲れ様でしたー』

「さてと、行くか」

「ええ」

「確か少し歩いたらタクシー溜まってるところあったよな?」

「え?」

「あ?」

「……何でもないですよー」


「なんだよ」

「……わざわざ『一緒に帰ろう』なんて言うから、ちょっともう一軒、とか思ってたんですけどね。雰囲気のいいバーとかで」

「あ、そうなの?」

「いいですよ。そういう人ですもんね」

「ぐ……あのな、なにも考えてないわけじゃないぞ?」

「え?」

「お、タクシーだ」スッ

キキッ

「ほら乗った乗った」

「どこか行くんですか?」

「いいから乗れって」

「もう……あ、お願いします」

「よっと」

「どちらまで?」

「えーと……たるき亭ってわかります?」



………


「うむ、懐かしいな、旧事務所」

「ですね」

「ほら、すぐそこに公園あっただろ。行こう」

「はい」

テクテク

「お、懐かしの砂場」

「ベンチもありますよ。ここは変わらないですね」

「10年経っても、か。よっこらせ」

「……」


「なあ、頼みがあるんだが」

「なんですか?」

「敬語を使わないで話してくれないか?」

「敬語?」

「そ」

「なんでまた。ちゃんと敬語を使えって指導してくださったのはプロデューサーですよ?」

「まあそうなんだけど……ちょっとだけ、昔みたいにさ」

「……別にいいですよ。私のお願いも聞いてくれたら」

「交換条件かよ」

「もちろん」


「わかったよ。なんだ?」

「……」

「ん?」

「……いざ敬語やめようとすると、照れくさいかも」

「じゃあやっぱりわざと使ってたんだな」

「えー……ゴホン」







「……おんぶしてよ、兄ちゃん。昔みたいにさ」

「……マジかよ」






「えー! いいじゃん!」

「俺、もうまごうことなきおっさんだぞ?」

「兄ちゃんじゃなくておっちゃんになっちゃったんだね」

「お前だって昔みたいに軽くないだろ」

「だいじょうぶだって。いけるいける!」

「ったく……おし、こい」

「……どーん!」

「あぶっ……!」

「わあ!? 兄ちゃんマジ危ないって!」

「ばか野郎!勢い付けすぎだ!」

「めんごめんご!」

「ったく」


「……重い?」

「昔よりはな」

「そりゃそうだよね」

「ふむ、でもまだおんぶくらいはできるか。さすが俺」

「歩いて歩いて!」

「へいへい」

「うわー懐かしいな……」

「お前ら中二くらいからあんまりくっついてこなくなったもんな」

「ま、お年頃ってやつだよね。たぶん」


「ま、お年頃ってやつだよね! たぶん」

「……胸が大きくなったな」

「うわー、変態だよ、ヘンタイ!」

「成長を褒めてるだけだ」

「ま、オトナの女になったってことだよね」

「大人になったか」

「うん……なっちゃったよ」

「……」


「……今日の亜美、綺麗だったね」

「だな。気分は父親だったよ」

「泣きそうになった?」

「正直ちょっとまずい時も何回かあった」

「……亜美ね、人気の看護師さんなんだよ。すごいよね」

「今だに針刺すの苦手って怖いこと言ってたぞ。今日じゃないけど」

「あ、それ真美も聞いた」

「……でもお前だってすごいんじゃないか?」

「そうかな?」


「まさかお前がプロデューサーになるとはな。こうしておんぶしてた頃は夢にも思わなかったよ」

「へへー、まあね」

「そういえば、サブチーフには敬語使ってないんだって?」

「へ? 使ってるよ?」

「普段。会社以外の時」

「ああ、うん。まずい?」

「うーん」

「だって会社以外ではりっちゃんはりっちゃんじゃん。メリハリだよ、メリハリ!」

「ま、律子が許してるんだったらいいんじゃないか。でもさ」

「うん?」

「なんで俺にはいつも敬語なんだ?」


「……秘密」

「なんでだよ」

「なんでも!」

「ふーん」

「……なにさ」

「別に。それよりもう下ろすぞ。腰痛い」

「……うん」


「……っと。あー疲れた」

「へへー、ありがとね!兄ちゃん」

「どういたしまして」

「ところで兄ちゃんこそなんで敬語やめろなんて言ったの?」

「ちょっと昔を思い出したくなったんだよ」

「ふーん」

「それとな」

「なに?」


「……これ、わかるか?」

「……」

「……」

「……わかるに決まってんじゃん」

「そうか」

「まだ持っててくれたんだね」

「まあな」

「読んでいい?」

「たぶん恥ずかしい内容だぞ」

「わかってるよ……真美が書いたんだし」




………



「……」

「懐かしかったか」

「恥ずかしかった、かな」

「ははは」

「……ねえ兄ちゃん」

「ん?」

「……10年」

「……」

「10年、経ったよ」

「……そうだな」


「……」

「……」

「……何か言ってよ」

「あー、うん」

「……」

「……もしかしてだが、まだ待っててくれてるのか?」

「……もしかして、なんてシツレイだよ」

「シツレイか」

「うん」

「すまん」

「……」

「……」

「……謝んないでよ」

「そうだな、シツレイだもんな」

「そうだよ……」



「わかった。ありがとうな。それと」

「……」






「――長い間、待たせてしまったな」




コンコン

『失礼します』

「どうぞー」

ガチャ

「律子か」

「真美じゃなくてすいませんね」

「なんだそれ」


「あの子、ここ何日かすごく元気なんですよねー、なんでですかねー」

「……ナンデカナー」

「ま、いいですけど。これ資料です」

「はいよ」

「お昼までにチェックお願いしますね」

「ああ」

「そうそう」

「ん?」

「なんとなく今思い出したんですけど、真美ってプロデューサー殿に意識して敬語使ってるって知ってます?」


「……そうかな?」

「そうなんですよ」

「なんでかな?」

「誰かさんに大人っぽく見られたいんですって。あ、見られたかった、ですかね」

「そうなの」

「そうなんですよ」

「シラナカッタナー」

「ま、その必要もなくなったみたいですけどね」

「へー……」

「それではリア充爆発しろ失礼しますね」ガチャ

「えっ?」




「に・い・ちゃーん!」ガチャ

「……真美くん。ノックは?」

「こんこん! それよりお昼食べに行こーよ! お昼!」

「あのな」

「もー真美お腹ペコペコだよー! さ、早く早く!」

「聞けよ!」

「ん? なあに?」


「お前な、会社では敬語使えって何回も言ってるだろ?」

「いいじゃーん! この部屋どーせ兄ちゃんしかいないでしょ?」

「他に誰もいないとはいえ敬語は使うの! ノックもするの! 常識だろが!」

「すいませんでした総統閣下!」

「……本当にわかってるのか?」

「んもー! わかってるって!」

「……」

「それに真美すっごく待ったんだよ! ちょっとぐらいハメ外してもいいって思うな!」

「会社は会社だって思うな! 仕事は仕事!」

「はーい! 次からは気をつけますチーフ殿!」


「ったく……ところで」

「んー?」

「待ったって昼飯のことか? それとも10年間ってこと?」

「……!!」

「ははは、なんてな」

「もう! 兄ちゃんの馬鹿!! セクハラ大魔神!!!」

「はいはいうるさいうるさい。行くならさっさと行くぞ」

「……うん!」






 ……10年くらい真美の気持ちが変わらなかったとしたらさ、

 その時はもう一回、兄ちゃんの気持ちを聞きたいです。

 真美たちの関係がプロデューサーとアイドルじゃなくなってたら。

 その時はちゃんと兄ちゃんの気持ち、教えてくれるのかな。

 ……なんてね。

 それじゃ、次会った時はいつも通りでよろしくね!

 PS. 上では「もし」って書いたけど、きっと真美の気持ちは10年たっても変わらないよ!!



 大好きな兄ちゃんへ!     真美より!』







以上です。読んでくれた方ありがとうございました&お疲れさまでした。
もうすぐ亜美真美誕生祭ですね。
アイマスOFAが発売されてもお祝いSSが減らなければいいなあ。ぺろぺろ

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