兎角「”アイツ”とは誰のことだ？」


兎角「お前の一票で、攻勢が大きく変わるんだ。さあ、言え」

ｽﾞｲｯ


伊介「うっ……」


伊介「アイツ？ なにそれ、伊介しらなーい」ﾆｺ


兎角「……」


伊介「……」


兎角「……まあいい」ﾁｯ


伊介「……」ﾊｧ


兎角「とりあえず、首藤は座ってくれ。まず可愛らしさについて話し合おう」


凉「なんでじゃ。香子ちゃんは可愛らしさでも一級品なんじゃぞ」


兎角「一ノ瀬の、可愛さに振り分けポイント全て振ったような完璧なキュートさがわからないのか…」

兎角「……カッコよさも可愛らしさもなんて、エースで４番かお前の香子ちゃんは」


凉「しかも全ての長じゃ。エースで４番で監督じゃぞ」ｴｯﾍﾝ


兎角「……」

兎角「一ノ瀬って、見てると無意識の内に笑顔になってくる」


千足「桐ヶ谷より小さくて可愛いものの存在を私は知らない」


伊介「……」


伊介「アイツだって、カッコいいし……可愛いところもあったりするし…」


伊介「……それに、弟妹養ってんのよ？ エースで４番でオーナーじゃない。無敵じゃない」

兎角「……生田目。発言しろ」


千足「桐ヶ谷は見ての通り、見た目小学生に間違えられる体躯。それだけじゃなく、持ち物まで小学生のセンスときたものだ……抱きしめる他あるまい」


兎角「一理あるか……一ノ瀬にランドセル…」

兎角「……これはこれで…」ｳﾝｳﾝ


乙哉「しえなちゃんの寝巻き姿見た事ある？ 下のパジャマハーフパンツだからね。七分丈ですらないんだよ？？ しえなちゃんの可愛いひざ小僧丸見えなんだよ？？？ ヤバ……興奮してきちゃった…」ﾊｧﾊｧ


英「まあ皆さんお分かりにならないようなので、番場さんの魅力を知るのは私1人。それもまたよしですわ」ｸｽ


凉「わかっとらんのう……香子ちゃんには色気もあるんじゃ。エースで４番で監督兼愛人じゃ！」ﾄﾞﾔｯ



伊介「……アイツ、色気もあんのよねぇ…あっ、なんかイライラしてきた（はぁと）」ﾆｺｯ

兎角「それに一ノ瀬の名前知っているか？『晴』っていうんだ。皆に笑顔をくれる、名は体を表す好例だ」


凉「香子ちゃん、ああ香子ちゃん、香子ちゃん。（字余り）」


千足「桐ヶ谷は……ひ、柩。どうして柩というのだろうか…くっ、どこまでも私を悩ませるなキミは」ﾊｧ…


乙哉「しえなちゃんって、『しえな』だよ？ しえなってなにさ。可愛すぎでしょ。むしろよく思いついたねって感じだよ。ありがとう！しえなちゃんのご両親っ！！」ﾁｮｷﾁｮｷ…


英「真昼さん……真夜さんもいらっしゃいますが。番場さんなら例えどのような名であろうが、番場さんの魅力で名の方も素晴らしいものに感じるます。あっ、今のは番場さんの真似で…」



伊介「まあ、伊介の次にはカッコいいんじゃない？ あーでも、やっぱり何度呼んでも良い名前よね伊介って」ﾆｺ

兎角「……よし」

兎角「各自が好きに言い合うだけではまとまるものもまとまらない」


英「あら、無理にまとめる必要はなくってよ」

英「それぞれにとって誰が1番なのか。重要なのはそれだけですわ。愛らしさに貴賎無し。さあ、私は帰って番場さんとのティータイムなので。それでは皆さん、ごきげんよう」ﾆｺ


凉「香子ちゃんの名前を呼んでいたらなんだか恋しくなってきたわ。早々に帰って顔を合わせんとのう」ﾉﾋﾞ


千足「桐ヶ谷が迷子になっていたら危ない。私もこれで失礼させてもらうよ」


乙哉「よしっ、しえなちゃんのおさげイジイジしよー！ それで、よかったら髪の毛一房くらい切らせてもらおう……」ﾊｧﾊｧ



伊介「……」


伊介「ま、まあむしろアイツが伊介の魅力にゾッコンだしー…」


伊介「『1番美しいのは伊助様だぜっ』とか言ってくれるに決まってるわ。えぇ、とーぜんよね」



……


春紀「ん？ 同室の人間について？？」


鳰「そうっス」ﾆｺｯ

春紀「どうしたんだ、また急に」


鳰「ああ、話の流れっス」


晴「兎角さんは、とにかくクールで……美人さんですっ」ﾆｺ


香子「首藤も、浮世離れした美しさがあるな……」


柩「千足さんは……ぼくの王子様です」ﾆﾊﾟｯ


しえな「あまり褒めたくはないが、剣持は結構身長もあるし……くびれも中々でスタイル良いんだよな…性格はアレだが」


真昼「は、英さんも美人でその…あ、あの……」ﾓｼﾞ


春紀「うーん、そうだなぁ……あっ」

春紀「でもさあ、誰が美人とか優劣つけらんないけど」



春紀「1番エロいのは伊介様だよなっ！」ﾊﾊｯ


……


伊介「っ」ｸｼｭﾝｯ


伊介「誰か噂でもしてるのかしら…」


伊介「……わかったわぁ。春紀が伊介の事を褒めてるのね」ｸｽｯ


……


春紀「……だろう？ あの胸はエロいって！」ﾆｺﾆｺ


＜了＞