貴音「春香…少しいいですか」

春香「はい。なんですか？四条さんが私に話しかけるなんて珍しいですね」

貴音「そうかもしれませんね……。ところで春香に聞きたいことがあるのですが……よろしいでしょうか？」

春香「なんですか？」

貴音「最近、伊織が愛おしくてしかたないのです」

春香「」

春香「えっと……？」

貴音「聞こえていませんでしたか？では、もう一度……」

春香「いえ！聞こえてます！聞こえてますから……！」

貴音「そうですか。安心しました……で？」

春香「何が「で？」なんですか！？」

貴音「いえ、ひんとが欲しいと思いまして」

春香「ヒント？」

貴音「と、その前に春香も座ったらどうです？」

春香「…………」

貴音「いいから、お座りください……！見上げてしゃべるのは首が疲れるのです」

春香「はい……」

貴音「春香。いい友情関係には3つの『ゆー』が必要なんです」

春香「……？」

貴音「ええ…一つ目は………「うそをつかない」です。二つ目は「うらまない」そして三つ目は相手を「敬う」…いいですよね？友情の3つの『ゆー』です」

春香「で？それがどういうことなんですか？」

貴音「それで、愛情には何が必要なのでしょうか……？」

春香「う～ん。難しい問題ですよね」

貴音「そうなのです。だから、思い悩んでいるのです」

春香「そうですねぇ……じゃあ、伊織に何かしてあげたいって思ったことはありますか？」

貴音「……？」

春香「たとえば、何か買ってあげたいとか……」

貴音「そうですね。一度伊織と一緒にしょっぴんぐに行きました」

春香「ほうほう」

～回想～
伊織「待ち合わせはこの辺のはず……」

伊織「！」

伊織「あの人たち不用心ね。あんな離れたところにカバンおいてちゃって、盗られちゃったらどうする気なのかしら」

貴音「……」ｸｽｯ

伊織「あら、貴音。待たせたわね」

貴音「いいえ、今来たところです。それより、伊織は優しいのですね」

伊織「そ、そんなんじゃないわよ。ただ、私が盗人に間違えられるのが嫌なだけ」

貴音「ｸｽｸｽ。それでいいでしょう」

伊織「なによ……もう」

貴音「では、行きましょうか」

伊織「ええ。行きましょう」

伊織「そういえば、貴音ってアクセサリーとかするの？あんまり見ないけど」

貴音「あまりしないですね。全部食費にまわってしまうので……」

伊織「あんたらしいって言えば、あんたらしいわね」

貴音「お恥ずかしい話です」

伊織「あら、いいじゃない。私は好きよ、貴音のそういうとこ」

貴音「！」ﾄﾞｷｯ

伊織「どうかした？」

貴音「いえなんでも……」

伊織「しっかりしてよね。これからあんたを死ぬほど連れまわしてやるんだから！」

貴音（これがぷろでゅーさーの言ってた「ぎゃっぷ萌」なるものなのですね）

店員「いらっしゃいませ」

伊織「あら、結構そろってるじゃない」

貴音「思っていたよりもあくせさりーには種類があるように見受けられます」

伊織「あなたはピアスはするの？」

貴音「ぴあすははさむやつだけですね」

伊織「そう。じゃあ、このネックレスなんかどう？パールが貴音にあっていると思うけれど」

貴音「いいですね。じゃあこれにしましょう。ありがとうございます、さすがですね伊織」

伊織「ファッションのことなら任せなさいよね！」

伊織「そろそろお昼ね……何か食べたいものでもあるかしら？」

貴音「そうですね……」

伊織「あのイタリアンレストランなんかどう？」

貴音「いたりあん？」

伊織「食べたことがないならなおさらよ。行きましょ」

貴音「いたりあんでは何がでるのです？」ﾜｸﾜｸ

伊織「そうね、麺類だったらスパゲッティ。パン類だったらピッツァ。他にもいろいろ」

貴音「じゅるり……」

伊織「相変わらず食いしん坊ね」ﾎﾞｿｯ

貴音「なにか？」

伊織「何でもないわ行きましょ」

貴音「うんまああ～い」

伊織「うるさいわよ。変装ばれたらどうすんの」

貴音「ですが！ですがッ！」

伊織「あんたにも困ったものね」ﾌｩ

貴音「こんなにおいしいものがあることをなぜ今まで黙っていたのですか！」

伊織「だって聞いてこなかったじゃない」

貴音「くっ……」

伊織「おいしいものが食べたかったらいつでも私に言いなさい。いいお店紹介してあげるわ」

貴音「真に嬉しゅうございます」

伊織「大げさすぎじゃない？」

貴音「パクパク」

伊織「ふふっ」

貴音「？どうかなさいましたか？」

伊織「な、なんでもないわよ！ただ、美味しそうに食べてる貴音を見てるとなんかうれしくなっただけ！」

貴音「ほめられてるのでしょうか？」

伊織「そうよ。だからありがたく思いなさいよね」

貴音「ありがとうございます。伊織」

伊織「わかればいいのよ……」

＜このど低ｎクサレ脳ミソがァ――ッ

伊織「騒がしくなってきたし、そろそろでましょ？」

貴音「ええ、ご馳走様でした」

伊織「ふぅ……結構買い込んだわね」

貴音「そうですね……そろそろ疲れてきました」

伊織「ベンチで少し休みましょ」

貴音「ええ……」

伊織「喉が渇いたわ……ちょっと買ってくるわね。あんた何がいい？」

貴音「いいえ、今日はいろいろしてくださったのです。私に買いに行かせてください」

伊織「いいわよこのくらい。で？あんたは？」

貴音「そうですか……では、お茶を」

伊織「わかったわ。ちょっと行ってくるわね」

男「おっ、かわいい子はっけーん。ナンパしーちゃお」

貴音（真、伊織は可愛いですね）

男「ねぇねぇ、キミキミ、今から俺とあそばなぁい？」

貴音「！……申し訳ありませんが人を待たせてるので」

男「少しだけでいいからさぁ、付き合ってよぉ」

貴音「こちらによらないでください」

男「あ？」

貴音「もう一度言いますけどこっちに来るなんて考えないでください」

男「テメエのようなメスにッ！何ができるってんだァッ！」

貴音「本当は一度でいいことを2度言うのは嫌いなのです。なぜなら……２度言うというのは無駄なのです…あなたの人生のために言いますが……無駄はやめた方がいいですよ」

男「舐め腐りやがってエエェェェェッ！」

ボゴォン

伊織「ぐっ」

貴音「これは…？いったい…」

男「ん？よく見ると俺が殴ったのは水瀬伊織か…？そんでこっちは四条貴音……ふははははっ」

貴音「このッ……」ｸﾞｯ

伊織「やめ……なさい……貴音…」

貴音「ですがッ！」

伊織「私……たちは…アイドルよッ！」

貴音「くっ…」

男「そうだ……それでいい。そして、俺のことを馬鹿にした四条貴音。お前には死んだことを後悔する時間をも…与えんッ！！」

P「それはどうかな？」

男「誰だ！？貴様！」

P「貴様程度の者にッ！語る舌などは持たん！」

男「どいつもこいつもバカにしやがってッ！」ｼｬｷﾝ

貴音「あなた様！男は刃物を所持しています！」

男「「帝王」はこの俺だッ！！依然変わりなくッ！」

P「無駄ァ！」ボゴォォ

男「なにッ！！」

P「生き残るのは…………この世の「真実」だけだ……真実から出た『誠の行動』は…………決して滅びはしない………」

男「グッ…ううぅ……」

P「あんたははたして滅びずにはいられるかな？」

男「真実の頂点はこの我にあるッ！！」

P「貴様の思っている実際に起こる『真実』に到達することは決してない！」

男「ホザケええええええええぇぇぇぇぇぇぇッ！！！」

P「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄アァァァァ」ドゴドゴドゴドゴドゴ

男「なん！！？だとォッ」

伊織「やった……」ｶﾞｸｯ

貴音「伊織……？伊織！？」

伊織「ん…んむぅ……ここは……？」

貴音「良かった！目を覚ましたのですね！」

伊織「あれ？あんたなんで？私たちさっきまでショッピングを……」

貴音「ぷろでゅーさーと真美が助けてくれたのですよ」

伊織「あいつと真美が？」

貴音「ええ……真美とぷろでゅーさーはどうやらでぇと中だったようです。さっき入ったいたりあんれすとらんで勉強会もやってたみたいですけどね」

伊織「ハッ！……そうだっ！あいつ！あの男はッ！？」

貴音「心配いりませんよ。あの方はつかまりました」

伊織「……」

伊織「でも、あの男にも事情があったのかしらね……」

貴音「真、伊織は優しいのですね…ですが、私たちがここまで到達したことが……完全なる…勝利なのです。これでいいんです」

伊織「……」

貴音「『運命』とは『眠れる奴隷』なのです……私たちはそれを解き放つことができました……それが勝利なんです」

伊織「そう…かもね……」

貴音「……」

伊織「最後にこんなことになっちゃってごめんなさいね」

貴音「いいえ、誰も悪くありません」

伊織「いやよ、わたしは……」

貴音「だったらもう一度、しょっぴんぐすればいいじゃありませんか」

伊織「そうね…わかったわ！次こそはいいデートにするんだからッ！」

貴音「ええッ！……って、でぇと？」

伊織「……ハッ！」

春香「ｲｲﾊﾅｼﾀﾞﾅｰ」

貴音「で、どうすれば……」

春香「は？」

貴音「どうすれば伊織の好感度なるものを上げられるのでしょうか？」

春香「あんたもう爆発しなよ」

貴音「おっと！伊織との約束の時間がっ！ではまた、春香……」

春香「……」

亜美「ただいまー」

春香「ｸﾞｽｯ」

亜美「どうしたの！？はるるん！どこか痛いの？」

春香「あみぃぃぃぃ大好きだよぉぉぉぉぉぉ」

亜美「ハハハ……亜美もだよ」ﾁｭｯ

end

真美「にいちゃーん？」

P「真美悪いがデート中止だ！伊織は運んでくれ」

真美「う、うん。なにがあったかわからないけど双海病院は近くだから猛ダッシュするね！」

P「おう！任せたぞ！貴音もな」

貴音「私のせいで……！こんな……」

P「貴音！」

貴音「……」

P「自分を見失うな」

貴音「はい」

P「ところで……死んだふりをしているなッ！おまえ………」

男「…………！？」

P「そしておまえは………考えている。俺が近くに行けば『隠し持っているナイフでオレを殺し勝利は自分の方だ』」

男「…………！」

P「確かに近接ではそっちの方が有利だろう。だが、俺の力は射程２ｍ以内の近距離パワー型。一瞬に叩き込めば確実にとどめを刺すことができるッ！」

男「……」

P「そのままじっとしていれば……何もしないと約束しよう」ｽｯ

男「近づくんじゃあねーぜッ！このマヌケがぁああああ―――ッ」

男「やはり俺の勝ちだァァ――――くらえッ！！」

P「WRYYYYYYYY！！」ドゴォ

男「ささっきじ…じっとしていれば…な…なにもしないって、い…言ったくせに………」

P「自分を知れ…そんなオイシイ話が………あると思うのか？お前のような人間に」

男「なんてひどい野…」ゴァ

P「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

P「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」

P「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァアアアアア」

P「…」ｸﾙｯ

燃えるゴミは月・水・金

ドグシャァ

P「やれやれだぜ」

end