貴音「……ちょろQ?」 (119)
貴音「買い物を終えた時」
『五百円以上のお買いもので福引券プレゼント!!』
貴音「……福引券を頂きました」
貴音「早速引きに行きましょう」
:
貴音「こちらを」スッ
貴音「ちなみに一等は……、なんと!! 高級霜降和牛ですか!!」
貴音「ふふふ、わたくしの秘めたる力を見せる時が来たようですね」
貴音「いざ霜降!!」ガラガラ
ポトッ
貴音「はっ!!」
貴音「白っ……!!」
貴音「いったい白は何等で」
『白 残念賞 チョロQ』
貴音「」
貴音「」
貴音「くすん」
貴音「……帰りましょう」トボトボ
カランカラン
「えーっ!? 高級しもふり和牛!? まさかそんな、うっうー……」
「おい、この子気ぃ失ったぞ!!」
「救急車ー!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
貴音「……ごちそうさまでした」
貴音「さぁ、後片付けをするとしま……」
貴音「むぅ」
貴音「ちょろQ、ですか」ヒョイ
貴音「よく見るとかわいらしい玩具ですね」
貴音「ふむ」
貴音「……あー、んんっ」
貴音「ききいっ」
貴音「がちゃ、ばたん」
貴音「貴音、お疲れ様」キリッ
貴音「あ、あなた様」ポッ
貴音「どうしてここに……?」
貴音「いやあ、向こうの収録が早く終わってさ」
貴音「わざわざ迎えに来てくれたのですか」
貴音「なんとか間に合ってよかったよ」
貴音「さあ、乗った乗った」
貴音「ふふっ、ありがとうございます」
貴音「がちゃ、ばたん」
貴音「ぶうぅん」
貴音「きいぃ、ぶうん」
貴音「きききき」
貴音「あなた様!! なんと素晴らしいてくにっくなのでしょう!!」
貴音「ははは、貴音が助手席にいるおかげだな」
貴音「な、なんと……」
貴音「それじゃあ車庫入れも一発で決めないとな」
カチカチカチカチ
貴音(あなた様の横顔が……)
カチッ
貴音「よし、入っ」パッ
シュウウウウウウウン!!
貴音「っ!?」ビクゥ
貴音「ちょろQが勝手に進みました!!」
貴音「これは面妖です」
貴音「いったいどのようにして……」
貴音「ふむ」
シュウウウン
貴音「後ろに引けばよいのですね」
貴音「真、良く出来た玩具です」
貴音「それっ」
シュウウン
貴音「もう一度」
シュウウウン
貴音「ふふふふ」
貴音「はっ!!」
貴音「廊下なら……」
シュウウウウウウウウウウン!!!!
貴音「なんとっ」
貴音「何という速さ……、それはまさに風の如く……!!」
貴音「これが、これこそが……」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
貴音「人類の英知の結集なのです!!」ドヤァ
響「……んん?」
貴音「驚きすぎて言葉も出ない様ですね、響」
響「いや、まあ、……その手に持ってるのは」
貴音「ふふふ、気づきましたか、これはちょ」
響「チョロQ?」
貴音「」
貴音「知っていたのですか」
響「知っていたも何も……、チョロQ知らない人はそういないと思うぞ」
貴音「なんと」
貴音(わたくしは昨日まで名前も知らなかったというのに)ギリッ
響「貴音?」
貴音「まあ、いいでしょう」
貴音「実はこのちょろQにはとんでもない秘密があるのですよ」
響「見たところ普通のチョロQだけど」
貴音「甘い、甘過ぎますよ響!! 砂糖の塊と見紛う程に!!」
響「そりゃ甘いなー」カチカチカチカチ
貴音「なんとこのちょろQは、自動で走」
響「行けぇ!! チョロ丸!!」シュウウン
貴音「」
響「あははははははは!! ぶつかってひっくり返ってるぞ!!」ケラケラ
響「貴音、これどこで買っ」
貴音「」
響「た、貴音?」
貴音「……自動で走ることや走らせる方法を響は知っていたのですか」
響「うん……、チョロQってそういう物じゃ……」
貴音「」
貴音「」ポロポロ
響「えっ」
貴音「うわあん、あうあうあう!!」
響「貴音!? なんで泣くのさ!?」
貴音「ひゅえああ!! びひゃああ!!」
響「貴音落ち着いて!! そんな泣き声しちゃだめだぞ!!」
貴音「ほわあああああああああああ!!」
響「やめろォ!!」
貴音「どうして、知ってい、たのですか」
響「どうしてと言われても……」
貴音「わたくしがひびきをおどろかせたかったのに!!」
貴音「わだぐぢが!! びびぎを!!」
響「頼むから落ち着いて!!」
響「……大丈夫、自分カンペキだから、な?」ポンポン
貴音「びびぎ……」
響「もっかい、見せるところから、ね?」
貴音「……はい!!」
貴音「……っ」グシグシ
貴音「いいですか、響!! なんとこのちょろQは自動で走るのですっ!!」
響「ほ、ほんとうかー」
貴音「」
響「そ、それは知らなかったぞー」
響「まさかチョロQが勝手に走るなんてなー」
響「貴音はやっぱり天才さー」
貴音「やめなさい!!」
響「ひっ」
貴音「なんですかその棒読みは!! とんだ茶番です!!」
響「……ごめん」
貴音「うっ、ぐすっ……」
響「な、泣かないでよ」
貴音「ぐしゅ、ひぐっ」
響「ほら、チョロ丸も言ってるぞ」ナカナイデー
貴音「ぢょろ丸でばありまぜん!! 面妖号でず!! わだぐぢはぞんな変な名前をづけまぜん!!」
響「なんだと!!」
貴音「何がハム蔵ですか!! 何がいぬ美ですか!!」
貴音「それならばわたくし達は皆『ひと子』ではありませんか!!」
響「『ひと子』なんてそんな変な名前と一緒にするなぁ!!」
貴音「何が違うと言うのですか!!」
貴音「はぁ、はぁ」
響「ぜぇ、ぜぇ」
貴音「もういいのです、全てはわたくしの無知が原因……」
響「貴音……」
貴音「それにも関わらず響に八つ当たりしてしまうなんて、もうわたくしに四条の名を名乗る資格はありません」
響「いや、そんなことは」
貴音「わたくしはこれから『原貴音』として生きてゆく事に」
響「た、貴音!!」
貴音「おや、これでも許してはくれませぬか……、では『原由実』として」
響「」
由実「はやー」
響「やめろォ!!」
響「二度と『原由実』は禁止だからな」
貴音「……分かりました、愛美」
響「わ・か・っ・た・か?」ギュウウ
貴音「いひゃひゃひゃひゃ!! わはりまひた!!」
響「まったく……、絶対だからな!!」
貴音「頬がちぎれるかと……」
響「それで、チョロQがどうしたの?」
貴音「今日はちょろQを買いに行こうと思いましたので、響を誘おうとしていたのです」
響「それがどうしてこんな大事に……、もちろん良いぞー」
貴音「では、行きましょう」
響「お疲れ様ー!!」
貴音「お疲れ様でした」
キヲツケテカエレヨー
貴音「いつ来ても百貨店はわくわくしますね」
響「見てるだけでも楽しめるもんなー」
貴音「玩具売り場は七階だそうです」
響「確かチョロQって専用のコースとかも売ってたような」
貴音「なんと」
響「レールをうまく繋げて一周させたりして遊べるんだぞ」
貴音「面妖」
響「あれ、『な』は?」
貴音「あまりの心の高ぶり方に思わず省略してしまいました」
響「この階全部おもちゃコーナーなのか!? すっごい広いぞ!!」
貴音「さあ、早くちょろQ達のもとへ!!」
響「ひ、引っ張るなー!!」
響「それにしても広いぞ」
貴音「」ギラギラ
響「あっ、キャッスルヴァニアファミリーだぞ!!」
響「自分『悪魔と月下のお城』とか持ってたんだよね」
貴音「響」
響「……ちゃんと探してるぞ」
響「あれ、見つからないな」
貴音「」ギラギラ
響「お、パックマン危機一髪」
貴音「そんなものはどうでもいいのですよ響」
響「ワンダーモモ変身グッズだって!!」
貴音「ぺっ」
響「ぺっ、てするな」
響「ディグダグパニック懐かしいなー!!」
貴音「」シャコシャコ
パァン!!
響「うぎゃあああ!!」
貴音「いったいどこにあるのですか!?」
響「無いはずはないと思うんだけど……、あっ!!」
貴音「ありましたか!?」
『チョロQハイブリッド!』
響「……ラジコン?」
貴音「」
響「これじゃ、ないんだよね?」
貴音「わたくしは認めません!! こんなはいてくなものがちょろQなどとは!! ちょろQのあるべき姿ではありません!!」
響(どうせ最近チョロQ知ったくせに)
響「ケータイ取り出し」ポパピプペ
響「……うげっ!?」
貴音「何か分かったのですか!?」
響「こ、これ」サッ
『スタンダードチョロQ 2009年1月をもって展開終了』
貴音「」
貴音「うぅん」バタッ
響「貴音ぇ!!」
貴音「ひっく、ぐすん」
響「しょうがないんだぞ、残念だけど」
響「……あっ」
響「今日貴音の家泊まってもいい?」
貴音「……はい、構いませんが」
響「じゃあ一旦着替え取りに行ってくるさー!!」
貴音「響!! 着替えならうちに……、あるというのに」
貴音「とりあえず、帰りましょう……」
響「えーと、あったあった」
響「どれがいいんだ? ……新しい方でいっか」
響「あとは本体とメモリー……、って安い!!」
アリガトウゴザイマシタァ
響「……よし」
貴音「悲しみが大き過ぎてわたくしの心はもう原由実」
ピンポーン
貴音「随分と早いのですね」ガチャ
響「こらあああああああああああ!!」ギュム
貴音「いひゃああああああああああ!!」
響「もう言うなって言っただろ!!」
貴音「何故、分かったのですか……」ヒリヒリ
響「それはな、自分」
響「カンペキだからさー!!」
貴音「面」
貴音「着替えならいつでも泊まれるように、と置いたのは響ではありませんか」
響「実は貴音へのプレゼントを買ってきたんだぞ!!」
貴音「……これは、げぇむ?」
響「プレイステーション、初期のだけどね」
響「そして、これがソフトさー!!」
『チョロQ3』
貴音「なんと!!」
貴音「響はいけずですっ……!!」ダキッ
響「えへへ」
貴音「このまま撫で続けて寿命を待ちたい位です」ナデナデ
響「そ、それは困るぞ!! せっかく買って来たんだから!!」
貴音「……ふふっ」
響「あははは」
響「セット完了だぞ!!」
貴音「押しますよ響」
響「いいぞ!!」
貴音「貴音、おん!!」ポチッ
ジュワアァン キラリキラリキラリキラリ ジュワアァン
貴音「ひいいいいいいいいいいい!!」
響「うぎゃあああああああああ!!」
フィユッ キラリキラリ フォンフォフォオォン フォオオン
貴音「ひいっ、ひっ、はああああ」ポチッ
響「こ、怖すぎるぞ!!」
貴音「い、今のは」
響「そういえば自分、今の起動音が苦手だったんだ……」
貴音「あまりの恐ろしさに電源を消してしまいました」
響「でも、あれを乗り切らないとチョロQには会えないぞ」
貴音「……再びわたくしが電源を入れますので、響はわたくしの両目を手で塞いで下さい」
響「じ、自分が?」
貴音「わたくしの両手は耳を塞ぐのに使いますので」
響「分かったぞ!!」
貴音「いきますよ!!」ポチッ
響「はいっ!!」サッ
響「……あれ?」
響「これ自分は」
ジュワアァン キラリキラリキラリキラリ ジュワアァン
響「うぎゃあああああああああ!!」
響「卑怯だぞたか」
フィユッ キラリキラリ フォンフォフォオォン フォオオン
響「ああああああああああああ!!」
貴音「なんとか耐える事が出来ました……」
響「もう自分、一人じゃトイレ行けない……」
貴音「は、始まりましたよ響!!」
貴音「なんと、楽しげなすたぁと画面なのでしょう……!!」キラキラ
響「……ふふっ」
貴音「なんと!! 車が選べますよ!!」
貴音「もちろん名前は『めんようごう』で」
響「『チョロまる』じゃないのか?」
貴音「『ふりぃらん』、『すぷりんとれぇす』、『ちょろQしてぃ』、どれにしましょうか……」
響(ヒビキ、無視なんて酷過ぎると思うぞ)
貴音「『すぷりんとれぇす』にしてみましょう」
響「『オーバルサーキット』しかないね」
貴音「ただ楕円で見るからに初心者向け、楽勝です」
響「……貴音ってゲームしたことあるの?」
貴音「この前『まりお』殿に初めてお目見えしました」ドヤァ
響「」
『GO!!』
貴音「すたぁとです!!」
響「いけぇ貴音!!」
貴音「早くも三位ですよ、三位!!」
響「貴音曲がらなきゃ!!」
ガガガガガガガガガン!!
貴音「くっ、この……」
響「……短い天下だったな」
貴音「まだ、ここからです」
クルクルクルクル
貴音「ど、どうして回っているのです!!」
響「貴音、い、いっかいブレーキを」
プップー!!
貴音「何奴!?」
響「……一周、くふっ、お、遅れ、ふひっ」
ブウウウウン
貴音「漸く調子が出て来ました!!」
響「逆……、たか、ね、逆だって……」フルフル
『10th』
貴音「」
響「あははははははは!!!! ふふっ、くくくくっ!!!!」バンバン
響「いくらなんでも酷過ぎるぞ!!!! 最下位なんて、あははは!!!!」
貴音「ぐぬぬ」
響「自分がお手本を見せるから、貴音はちゃんと学ぶが良いさー!!」
貴音「……っ!!」
響「いくらなんでもこの清掃車に負けるのは有り得ないぞ」ケラケラ
貴音「……始まりますよ」
『GO!!』
響「いけぇ、チョロ丸!!」
響「開始早々三位だぞ!! ふっふっふっ、怖い、自分の才能が怖すぎる!! やっぱり自分はカンペキ」
ガガガガガガガガガン!!
響「」
響「あ、あれ、ちょっと、ちゃんと曲がっ」
響「よし、ここから」
クルクルクルクル
響「うぎゃああああああああああ!!」
響「何で!! このっ!!」
ガガガン!! ガンッ!! プップー!!
響「ああああああああああああああ!!」
『10th』
響「」
貴音「く、くくく……」プルプル
貴音「随分と……、早かったではないですか……」
貴音「清掃車にも大きく離されながらの……、素晴らしい走りでしたよ……、くふっ」
響「ぐっ……!!」カアァ
響「……車が悪かったんだぞ!!」
貴音「なっ!?」
響「面妖号なんて変な名前だったから笑いが止まらなくてちゃんと運転できなかったさー!!」
貴音「すたぁと時に『いけぇ、ちょろ丸!!』などと抜かしていたごぉや娘はどこのどいつですか!!」
響「あー、どうりで自分のイン・アウト・インのテクニックがちゃんと出せないと思ったら……、まったく車が悪くちゃ仕方ないさー」
貴音「許しません!! 罪の無い面妖号を馬鹿にするなんてついに頭の中までごぉやで一杯になりましたか!!」
響「んがっ!? そ、そっちこそ頭の中にはラーメンが詰まってるくせに!!」
貴音「本望です!!」
響「バカだな!? やっぱり貴音はバカなんだな!?」
貴音「その減らず口を毟り取ってやりましょう!!」
響「なんだと!!」
貴音「なにを!!」
ギャー ギャー
響「……ケンカは良くないぞ、はいさい、やめやめ」ボロッ
貴音「……わたくし達、仲良しあいどる」ボロッ
響「やってみると想像以上に難しいぞ、これ」
貴音「運転がここまで技術のいるものとは……、ぷろでゅうさぁは凄いのですね」
響「……実際の運転とはちょっと違うと思うぞ」
貴音「この『ちょろQしてぃ』とはいったい?」
響「『街に出る』?」
響「うおっ」
貴音「街の中です!!」
貴音「『ぺいんとしょっぷ』?」
響「車の色を変えられるんじゃない?」
貴音「面妖号を美しくしましょう」
響「何故に紅白カラー……」
貴音「らぁめんぺいんとです」
響「なんだか救急車ちっくだぞ」
貴音「」
貴音「響!! 駅です!!」
響「やったぞ!!」
貴音「響!! 下水道です!!」
響「やったぞ!!」
貴音「響!! お城ですよ!!!!」
響「やったぞ貴音えええええ!!!!」
貴音「何奴!?」
響「落石だ!!」
『クラッシュしました』
響「選べるコースが増えたね」
貴音「沢山回りましたからね」
響「でも、まずは『オーバルサーキット』をちゃんと走れるようになってからだぞ」
貴音「街内を駆け巡って来た今のわたくしなら!!」
『10th』
響「街もかなりぶつかりながら回ってたもんね……」
貴音「ぐぬぬ」
『10th』
貴音「いったい何が悪いのでしょうか」
響「うーん」
『10th』
貴音「路面の状態が良く無かったのですね……」
響「関係……、無いぞ……」
『10th』
貴音「しかし、この敗北でわたくしは何かを……」ウツラウツラ
響「……うん」コクリコクリ
貴音「や、やりました……」
貴音「ついに……、ついにわたくしは……」
響「……zzz」
『8th』
貴音「……zzz」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ピンポーン
響「はいさい、貴音!! 今日は決闘を申し込みに来たんだぞ!!」
貴音「なんと!! まさか右手のそれは……」
響「ふっ、コントローラーさー」チラッ
貴音「……分かりました、受けて立ちましょう」
貴音「響が来ない間、わたくしは鍛練に鍛練を重ねてきたのです……!!」
響「たかだか二日じゃあ、あって無いようなものだぞ」
貴音「今ではもう、『してぃ』の皆から『おぉばるのしゅうまっは』と恐れられるまでになったのですから」
響「なっ!? じゃあ、最高順位は……」
貴音「『ふぃふす』、ですかね」ファサ
響「そ、そんな!!」
響「どうして……、身体が震えて……」ガクガク
貴音「ふふっ、今なら取り下げたって構わないのですよ?」
響「まだだ……、まだ自分には取って置きがある!!」バッ
貴音「ま、まさかっ!!」
貴音「めもりぃかぁど!!」
響「ふっふっふ」
響「今から自分は決闘の準備をするから、貴音は最後の晩餐でも楽しんでいればいいさー!!」
貴音「くっ、ここは従う他ありません……!!」グゥ
響「データをコピーして、と」
響「おっ、なかなかお金も貯まってる」
響「こんなアンポンタンな車は乗り捨ててやるさー!!」
貴音「ずるずる!!」
響「完成さー!!」
響「パーツも買い揃えたし、見た目も見るからに速そうだぞ!!」
貴音「ふぅ……、こちらも準備は整いましたよ」
響「早速勝負だ!!」
貴音「信じていますよ、面妖号」
響「いくぞ……」
『GO!!』
貴音「たあっ!!」
響「いっけぇ!!」
ガンガンガンガン!!
ガガガン!! ガンガン!!
響「こ、このっ」
貴音「そぉれ!!」
キキーッ!! クルクルクルクル!!
響「おっと!!」
貴音「しまった!!」
ガシャン!! ガガガガ!!
響「ぬぬぬぬ」グイーム
貴音「むむむむ」グイーム
貴音「……っ!!」
響「……っ!!」
響「やったああああああああああああ!!」1st
貴音「」2nd
貴音「も、もう一度!!」
『GO!!』
響「ここだ!!」グイーム
貴音「くっ!!」グイーム
響「連勝だぞ!!」1st
貴音「」2nd
貴音「……響!!」
『GO!!』
響「何度やっても同じさー!!」グイーム
貴音「ああっ!!」グイーム
響「よしっ!!」1st
貴音「」
響「まあ、自分はカンペキだからな!! 余裕で勝て」
貴音「」ジワッ
響「えっ」
貴音「……っ!!」バシッ
響「た、貴音?」
貴音「……っ!! っ!!」バシッバシッ
響「痛い!! 痛いぞ貴音!!」
貴音「うわああああああああん!!!!」
貴音「どうして……!! わたくしは練習したのに……!!」ポロポロ
響「貴音……」ギュッ
貴音「わたくしは……、わたくしは……!!」
響「おー、よしよし」ポンポン
貴音「ひぐっ、……うぅ」
響「もう一回、な?」
貴音「……もういやです」
響「次は分かんないぞ?」
貴音「……はい」
『GO!!』
貴音「っ!! すたぁと直後でもうこのような差が……」
響「……ん?」
響「面妖号異常に遅くない?」
貴音「いえ、全てはわたくしの腕が未熟な故……」
響「……もしかして」
響「貴音、ちゃんとパーツで面妖号強化した?」
貴音「はい、それなりのぱぁつを買いました」
響「……装備させた?」
貴音「えっ」
響「一回中断して」
響「……ほら、面妖号初期仕様のままだぞ!!」
貴音「」
響「貴音はおっちょこちょいだなー」
貴音「むむむ」カアァ
貴音「……新生面妖号です!! 響、再戦を!!」
響「受けて立つさー!!」
『GO!!』
響「うぎゃあ!!」
貴音「なんという速さ……!!」
貴音「やりましたあああああああ!!」1st
響「くぁー、負けたかー」2nd
貴音「もしかして今のわたくしなら……」
貴音「響!!」
響「分かってる、『オーバルサーキット』に挑みにいくんでしょ?」
響「今の貴音なら狙えるよ、……表彰台」ニカッ
貴音「……ありがとうございます!!」
『GO!!』
響「スタート!! ダッシュだ貴音!!」
貴音「今までのわたくしとは違うのですよ!!」
ブウウウウウウウン!!
響「速い、速いよ貴音!!」
貴音「落ち着いて、押し過ぎず……」
キュッキュッキュッキュッ!!
響「こんなに、短いコースだったのか……」
貴音「漸く本性を現したようですね、『おぉばる』」
響「そのまま!! いけるぞ!!」
貴音「はあっ、はあっ!!」
ググググググググ!!
響「貴音!! ラスト1周だぞ!!」
貴音「くっ、んんっ!!」
響「なるべく内側を!! 最短距離を意識して!!」
貴音「分かっています!! こうでしょう!!」
貴音「っ!! しまっ」
ク、クル
響「っ!!」
『よろしくお願いしますね、面妖号』
『次は必ずや、きちんと走破してみせますから』
『どのちょろQよりも、面妖号、あなたが一番ですよ』
『信じていますよ、面妖号』
―――――――面妖号!!
貴音「はあっ!!!!!!」グッ
キイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!
響「これは、もしかして……、ドリフトってやつじゃ……」
貴音「面妖号!!!!」
ビュウウウウウウウウウン!!
『FINISH』ピコン
『2nd』パッ
響「やったああああああああああああああ!!!!」ダキッ
貴音「あああああああああああああああああ!!!!」フルフル
貴音「やりました!! わたくしは遂に!!」
響「見てた!! 自分ちゃんと見てたぞ!!」
貴音「この時をどんなにっ……!!」ポロポロ
響「うん……、うん……!!」グスッ
貴音「面妖号……!!」
響「でも、これで終わり、……じゃないぞ」
貴音「ええ、ここからはいよいよ、他のこぉすへの挑戦が始まります」
響「いけるさ、……貴音なら」
貴音「響、あなたも共に、ですよ」
響「面妖号とチョロ丸も……!!」
貴音「ふふっ、頼もしい限りです」
響「早速、次のコースだぞ!!」
貴音「はいっ!!」
貴音「わたくし達の戦いは、まだまだこれからです!!」
終
チョロQ展開終了は本当にショック、冗談抜きで涙が溢れた
あとキャッスルヴァニアって765じゃなくて573だったぞ……
書き溜めは無いけど番外編のようなものを投下していきたい
『都市伝説』
真美「ねぇねぇはるるん、三回聞くと死んじゃう曲ってなんだっけ? あのゆーめいなやつ」
春香「それ聞いたことある、なんだっけ……」
春香「あ、『エリーゼのために』だよ」
真美「それそれ!! でも、そんなの信じられないよね→」
春香「そんな事いったら私なんか十数回聞いてるよ?」
真美「不死身のはるるん」ドヤッ
春香「えー、かわいくないなぁ」
『テレテレテレテレレン♪』
貴音『くっ……』10th
貴音「清掃車に抜かれた回数など百は超えて……」ガクガク
『コインキャッチレース』
響「よし、一枚目!!」
響「ラッキー、二枚目もすぐ見つかっ」
貴音「三枚目です」
響「なっ!?」
貴音「四枚目、わたくしの勝ちですね」
響「は、早過ぎるぞ……!!」
貴音「ふっ」ドヤァ
貴音(まさか『してぃ』を延々とぐるぐる回って遊んでいたのが役に立つとは……)
『体感レッスン』
貴音「響は曲がる際、はんどるの返しが甘いのです」
響「うーん、どんな感じにすればいいんだ?」
貴音「こう入ったら……、こうです!!」フリッ
響「こう入って……、こうか?」フリ
貴音「違います!! このように!!」フリッ
響「こ、こうか!!」フリッ
律子「こら!! アイドルがむやみやたらにお尻を振らないの!!」
P(眼福眼福)ニヘラ
やよい「うわぁ」
『現実』
P「貴音、お疲れ様」キリッ
貴音「あ、あなた様」ポッ
貴音「どうしてここに……?」
P「いやあ、向こうの収録が早く終わってさ」
貴音「わざわざ迎えに来てくれたのですか」
P「なんとか間に合ってよかったよ」
P「さあ、乗った乗った」
貴音「ふふっ、ありがとうございます」
ブーン キィー
貴音「全然違います!! もっと車体を滑らせて!!」グイッ
P「や、やめっ!! 危ない!! うわあああああああああ!!」
『ミステリーハウス』
貴音「響、この『みすてりぃはうす』はとても恐ろしいこぉすなのです」ガタガタ
響「自分、お化けとかへっちゃらさー!!」
貴音「自分以外のちょろQの色が真っ黒になっているのです」
響「別に怖くなんかないぞ?」
貴音「さらにはピアノが勝手に曲を奏でたり」
響「んー、なんかありがちだな」
貴音「……何故か万年最下位の清掃車が一位になるのです」
『テレテレテレテレレン♪』
響「うぎゃああああああああああ!!」
『水陸両用』
貴音「げぇむのちょろQは水の中でも走る事が出来ました」
貴音「ならば、この面妖号も走れるとは思いませんか」
響「そ、そうだなー、走れるに違いないさー」
カチカチカチカチ
貴音「信じていますよ、面妖号」
カチッ
貴音「さあっ!!」
ブクブクブクブク
響「……」
貴音「……」
響「……沈んだな」
貴音「……はい」
『天才肌の敗北』
貴音「美希は何でも簡単にこなしてしまいますからね」
響「皆が時間を掛ける物でもあっという間に終わらしてたりするからな」
美希「うーん、そうかな?」クイッ
貴音「真、羨ましい限りです」
響「カンペキな自分でも、憧れるさー」
美希「ありがとなの」
『10th』
美希「」
貴音「美希、まだまだですね」プゲラ
響「えー、美希でも出来ないのかー」プゲラ
『タマネギ貴音』
美希「先生と呼ぶの!!」
貴音「直線もかぁぶも、全ては心です」ドヤァ
美希「お手本を見せて欲しいの」
貴音「……いいでしょう」
『4th』
貴音「まぁ、こんなものでしょう」ファサ
響(オーバル、さらには守りの走りで……!!)
『マッドスペシャル』
貴音「あの常に一位のちょろQはいったい……」
貴音「異常なまでの加速力」
貴音「直線での伸び」
貴音「曲がり角で見せる切れのある動き」
貴音「動と静のめりはり」
貴音「うーん……」
雪歩「きゃあああああああああ!!!!」
貴音「何奴!?」
カサカサ
貴音「……はっ!?」
はい、おしまい!!
ありがとう、タカラ&タムソフト
そしてごめんなさい、はらみー
以下濃厚なチョロQ×アイマスコラボスレ
ちなみにオーバルサーキットは
マッドスペシャルが自分のチョロQと同じ性能になって1位取るのが難しいという
意外な難関コースだったりする
このSSまとめへのコメント
このssは、話の元になったゲームを知ってるか否かで評価が変わると思うな。昔このゲームでチョロQのカスタムしまくったなー。