子「普通じゃないですか？」

小鳥「わ、私たちの世代にとっては普通じゃないです！」

律子「あぁ、なるほど……小鳥さんは何歳ごろから使い始めたんですか？」

小鳥「おお覚えてないです！」

律子「そうなんですか」

小鳥「は、はい……」

律子「まぁ、最近の子は早いですよ。亜美や真美は小学生のころから持ってたんですから」

小鳥「小学生で！！！！！」

律子「持ってないといろいろ不便ですからね」

小鳥「ど、どんなときに？」

律子「うーん……友達とのやり取りとか？」

小鳥「す、すごいですね、最近の子は……」

律子「暇つぶしにもなりますしね。イジって遊んだりとか」

小鳥「ど、どれくらいの頻度で……？」

律子「持ち始めたころは、暇さえあればイジってましたよ。あはは」

小鳥「そんなに！！！！！」

律子「そういえば、プロデューサーも換えたって言ってましたっけ」

小鳥「プ、プロデューサーさんも持ってるんですか！？」

律子「当然でしょう。社会人ですから」

小鳥「そ、そうですよね……」

律子「換えたばっかりだから、まだ手に馴染まないって言ってましたよ」

小鳥「馴染むとかあるんですね……」

律子「それに、最新機種だから機能が多すぎて使いこなせないって」

小鳥「振動するだけじゃないんですか！？」

律子「あはは。いまどきバイブだけの機種なんて無いですよ」

律子「バイブだけ！？バイブとは別物じゃないんですか！？」

律子「へ？バイブも込みですよ？」

小鳥「さ、最近のは凄いんですね……」

律子「まぁ、メーカー間での競争も激しいですからね」

小鳥「べ、勉強になります……」

律子「小鳥さんは常にバイブにしとく派ですか？」

小鳥「えっ！？」

律子「ほら。たまに、切り替えるの忘れたりすることあるじゃないですか」

小鳥「そ、そうなんですか？」

律子「会議中とかに音が聞こえちゃったり」

小鳥「会議中に使ってるんですか！！！！！」

律子「まぁ、最初から電源落としとけって話なんですけどね」

小鳥「そ、そうですよ！会議中はダメですよ！」

律子「ご、ごめんなさい。反省します」?

小鳥「それで…どこのメーカーのやつを……？」

律子「メーカー？いま使ってるのはソニーですけど」

小鳥「ソニーも作ってるんですか！？あのソニーも！？」

律子「シェア上位だと思いますけど」

小鳥「さすが世界のソニー……」

律子「小鳥さんのはどこのメーカーですか！？」

小鳥「ロ、ロシアのメーカーです！」

律子「えっ！す、すごいレアですね」

小鳥「いろいろ試した結果そうなりました……」

律子「ロシアのメーカーって、初めて聞きました」

小鳥「その前はベトナムのメーカーでした……」

律子「ベトナム！？」

小鳥「はい…」

律子「海外のメーカーのがお好きなんですか？」

小鳥「なんというか…国産品には無い荒っぽさが好きというか……」

律子「こ、拘ってますね」

小鳥「昔からおかしなところに拘っちゃうんです……」

律子「小鳥さんらしいと言えばらしいですけどね」

小鳥「お恥ずかしい……」

律子「でも、落としたときとか大変じゃないですか？」

小鳥「お、落とすことあるんですか！？」

律子「たまに道端とかに落ちてません？」

小鳥「み、見たことないです！」

律子「まぁ、たいがいは車に踏まれて壊れちゃってますけどね」

小鳥「もったいない……」

律子「あとは電車に置き忘れたり」

小鳥「電車に！？なんで！？」

律子「使いながらうたた寝しちゃって、起きたときにシートにポロって」

小鳥「電車の中で使うんですか！？使いながら寝ちゃうんですか！？しかもポロって！？」

律子「マナーが良いとは言えないですけどね」

小鳥「良くないです！私でも電車の中は未経験です！！！」

律子「ご、ごめんなさい。移動中暇なのでつい……」

小鳥「でも…人がたくさんいるところも悪くないかも……」

律子「え？」

小鳥「な、なんでもないです！！！」

律子「あ、もう13時すぎてる。営業行かなきゃ」

小鳥「が、頑張ってくださいね」

律子「はい！機種変更したら小鳥さんに自慢しちゃいますね、ふふ」

小鳥「た、楽しみにしてます！」

律子「それじゃあ、行ってきまーす」

小鳥「お気をつけてー」

…

……

………

小鳥「まだ子供だったのね、私……」

小鳥「……」

小鳥「携帯電マ 使用 中央線 通勤快速、っと」ｶﾀｶﾀ


小鳥「負けていられないわ。頑張るのよ、小鳥！」


お し ま い