男「じゃあ、いってきます」

姉「いってらっしゃい」


ﾊﾞﾀﾝ　ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ




姉「……」

姉「父さん……男は平凡な日常を送ってるよ。父さんが望んでいたように……」

―学校への通り道―

男「ふぅ…今日は遅いな。やっぱ少し早かったかな……」

幼「おはよう、男」

男「！」

男「お、おはよう！幼！」

男（彼女の名前は幼。僕の幼馴染だ）

男（おさげ髪がチャームポイントの活発な女の子だ）

男（彼女といっしょに登校できるように僕はその時間帯に家から出ている）


幼「…なんかいつも男が私を待っている気がするんだけど」ｼﾞトー

男「べ、別に。気のせいじゃないの？」

男（うっ…さすが幼馴染。鋭い）

幼「じゃあ、なんでいつもこの時間に男は登校しているの？」

幼「なんか作為的なものを感じるんだけど」ｼﾞﾄｰ

男「そ、そんなこと言われてもこ、困るよ！僕はこの時間に登校すると決めているんだけだよ…」

男（本当は幼と一緒に登校するためにこの時間に登校しているんだけどね……）

幼「まあ、いっしょに登校するぐらいはいいけど、学校近くになったら離れてよね」

幼「変な噂が流れたりするのは嫌だから」

男「うん…わかったよ」

男（いつからだろ…幼が僕に対してキツくなったのは……）

男（昔は『わたしおとことけっこんするのー』って言っていた頃が懐かしいよ……）

幼「そういえば…男はまだ道場で鍛錬とかしている？」

男「…うん。父さんが死んだからって今更やめることなんてできないよ……」

幼「うんうん。男の数少ないいい点の『真面目』を抜いたら何も残らないからね」

男「ちょっとそれどういうこと！？」

幼「ふふふっ、どういうことだろうね？」ｽﾀｽﾀ

男「ちょ、ちょっと待ってよ！」

男（幼とこうして過ごせる時間を神様ありがと――）





チンピラ「おい、そこのカップル」


男（ごめんなさい、神様。前後撤回します）

チンピラ1「朝っぱらからイチャつくとはいい身分やないか。アアッ！？」

チンピラ2「おいおい、それより隣の子マジ可愛くね？」

チンピラ3「男の子よげぇ～よわそうなんですけどwwwww」




幼「男、この人たちって……」

男「幼、僕に離れないで」ｸﾞｯ

男（こえぇぇぇぇぇぇぇ！！！しかも、一人じゃなくて三人だなんて……）

チンピラ1「そこのあんちゃん。彼女の前でかっこつける所申し訳ないがな…」

チンピラ1「ワイは“能力者”なんやで」ﾆﾔ

チンピラ2「そうそう、この人はこの地域では名を馳せている人なんだぞ！」

チンピラ3「お前らみたいなただの人相手には到底勝てねーよwwwww」




男「“能力者”だって……！？」

男（今から数年前にこの土地に隕石が落ちたのが始まり……）

男（その隕石によって土地にいた人間の一部は異能力と言うべき“能力”を手に入れた）

男（”能力者”は当然一人一人違う能力を持っている）

男（能力者は自分が持っている能力によって、能力発動時に漢字一文字が現れる）

男（たとえば火を操る能力者なら＜火＞、身体能力を上げる能力者なら＜身＞…が出るのが挙げられるだろう）

男（“能力者”は一部の人間しか手に入れなれなかったことで一般人からは“化け物”扱いをされたりしているんだ）

男（政府も対応もできなく、未だに“差別”は行われている）

男（そのため普通は能力者だということは隠すんだけど……）

男（たまに自分が選ばれたものだとか思って能力を振り回すものがいる）

男（正直、“平凡な日常”を送りたい僕にとっては迷惑だ……ﾊｧ）


男（たださえこっちは“能力”に関して大変だっていうのに）

幼≪男、男≫ｺﾝｺﾝ

男≪幼？≫

幼≪もしヤバくなった私が……≫

男≪大丈夫！ここは僕がなんとかする≫

男≪だから幼は“能力”は使わないで≫

男≪幼だって“能力者”と分って騒がれたくないだろ？≫

幼「男……」




男(でも能力者相手だと“アイツ”じゃないと無理だろうな……)
※≪≫部分は小声です

チンピラ1「そろそろ、時間やな。チンピラ2、チンピラ3！男の方を頼むで」

チンピラ3「1さんだけお楽しみですかwwwwそりゃないっすよwwwww」

チンピラ1「心配しなくてもお前たちの分もとってやってやるよ」

チンピラ2「なら、心配しなくていいな」

チンピラ2「…とういう訳で悪いな、坊主」ﾊﾞﾝ

男「うぐっ…」ｸﾞｯ



幼「男！」

チンピラ3「じゃ、俺らはこいつをボコボコにしておくんでwwwww」

チンピラ2「こいつはあっちに連れておきますね」

チンピラ1「おう、頼むで」

男「ううっ……」



チンピラ1「これで二人やな。お嬢ちゃん」

幼「そ、そうですね…」

幼（男の奴…なにが『ここは僕がなんとかする』よ！）

幼（颯爽にやられているじゃない！）

幼（こうなったら男には止められていたけど、能力を……）



チンピラ1「＜封＞！」ﾃｨｨｨｨｨﾝ

チンピラの能力発動時に黒い輪のようなものが現れて、幼の両手と両足を拘束した

幼「えっ！？なにこれ！？」

チンピラ1「さっき言ったやろ？ワイは能力者やて」

チンピラ1「嬢ちゃんに付けた輪はワイの能力の＜封＞」

チンピラ1「それに付けられた人やものの動きを止めるんや」

チンピラ1「これで嬢ちゃんが能力者だろうが何もできへんな。ゲヘヘヘ」



幼(これじゃ、両手を拘束されて能力が発動できない……)

幼(もしかして私、ピンチ……？)

チンピラ1「では、嬢ちゃんの大切なものをいただくとするか。ﾃﾞｭﾌﾌﾌ」

幼(このまま私犯されちゃうの？)

幼(私の初めてはできれば“あの人”にあげたかったよ……)






？？？「おい、そこまでにしおけ。カス」

>>14訂正

チンピラ1「では、嬢ちゃんの大切なものをいただくとするか。ﾃﾞｭﾌﾌﾌ」

幼(このまま私、犯されちゃうの？)

幼(私の初めてはできれば“あの人”にあげたかったよ……)






？？？「おい、そこまでにしておけ。カス」

幼「あ、あなたは……」

チンピラ1「な、なんやて！いきなり現れて人を“カス”やと！？」

チンピラ1「お前さん何者や！？」


？？？「テメェに名乗る名はねぇが……呼び名ぐらい教えてやる」




黒「俺は黒。巷じゃ『掃除屋の黒』と呼ばれている」

はい。主役が出たところで今日は終了
中二ぽい話でやる初心者ssだけど温かい目でお願いします
誤字脱字もあると思いますがそういう時はちゃんと指摘してくれればうれしいです

続きは明日かな？