リヴァイ「特別な存在だからです」(275)
調査兵団の食堂。
先程まで夕食をとる兵士で賑わっていたが、今では静けさを取り戻している。
その静けさの中、リヴァイは一人座っていた。
明日は壁外調査。
そんな日はこうやって、夕食前から食堂の一番奥の椅子に陣取り、夕食終了の鐘が鳴り兵士がいなくなるまで、だらだらと食堂に居座るのだった。
席が八割程埋まっていたな、そんな事を考える。明日の夕食では同じだけ埋まる事はないだろう。
明日の調査は順調で、一人でも多くの兵士がここで再び夕食を共に出来るように…一人一人の顔を思い浮かべて
そろそろ部屋に戻るかと、席を立とうとしたところに、ガラッと扉の開く音が聞こえた。
エルド「……あれっ、兵長?どうしたんですか?」
リヴァイ「……今食い終わったとこだ」
エルド「そうなんですか…?」
エルド(食事終了の鐘がなってから結構たつのにな…?)ハッ
エルド(もしかしたら俺と同じで緊張して眠れないのか!親近感!)
エルド「あ、自分今から飲み物作るんですけど、兵長もどうですか?!」
リヴァイ「………飲む。」
エルド「了解!少々待って下さいね!」
ふんふん~と鼻歌を歌いながら台所に向かう。
リヴァイ「……上機嫌に見えるが…何か上等な酒でも手に入ったか?」
エルド「おっとスミマセン!酒ではありません!」
チッチッチッ、と指を振ってから作業に戻るので、内緒かと納得し、待つことにした。
エルド「お待たせしました!」
コトンッ
リヴァイ「………白いな…?」
エルド「はい!ホットミルクですから!」
エルド「夜眠れない時にホットミルクを飲むといいって、祖父がよく作ってくれたんです!」
エルド「だから自分は、緊張して眠れない時によく飲むんですよー」ニコニコ
エルド「ち・な・み・に・!」
エルド「カップに入ってる棒を回して下さい!」
リヴァイ「………」クルクル
リヴァイ「………黒…?」クルクル
エルド「はいっ!その棒にチョコレートがついてるんです!」
エルド「甘いのを食べると、ホッとしませんか!?心か暖まるというか!」
エルド「心も体も暖まって、ぐっすり眠れる!最高の飲み物だと思います!」
エルド「好みの濃さになったら棒を下さい!一人分には多いと思うので!」
リヴァイ「………わかった」クルクルクルクル
リヴァイ「………ん。」スッ
エルド「どうもです!」ガシッ!ポチャックルクルクルクル
リヴァイ(エルドのテンション高いな…)ズズズ
エルド「どうですか?!」ニコニコ
リヴァイ「………悪くない。」ズズズ
エルド「でしょう!いやぁ実はね、このチョコレートをホットミルクに溶かすのも祖父から教えてもらいまして!」ニコニコ
リヴァイ「………ほぅ。」ズズズ
エルド「子供の頃はよく作ってくれました!」キラキラ
リヴァイ「………いいジジィだな。」
エルド「はいっ!こんな素晴らしい物をもらえる私は、きっと特別な存在なのだと感じました!」
リヴァイ「…………」ズズズ
エルド「今では、私が作り手です!仲間にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル!」
エルド「なぜなら、彼もまた、特別な存在だからです!
リヴァイ「………………」ズズズ
エルド「……………」
リヴァイ「……………」ズズズ
エルド「………………」
リヴァイ「……これは、ホットミルクチョコレートだな」ズズズ
エルド「………………ハィ」
リヴァイ「………ヴェルタースオリジナルじゃねぇな」ズズズ
エルド「………………ハィ」
リヴァイ「……………」ズズズ
エルド「………………」
リヴァイ「………………」ズズズ
エルド「……………アノ兵長…」
リヴァイ「……………」ズズズ
エルド「………今カラ外出シテモ良イデスカ…」
リヴァイ「……駄目だ」
エルド「………デスヨネ……」
リヴァイ「…………」ズズズ
リヴァイ「……明日帰ってきたら、一緒に行くか。」コトンッ
エルド「………?!」
リヴァイ「……ヴェルタースオリジナル。買って俺にくれんだろ?」
エルド「………はいっ!」パァァッ
リヴァイ「…明日の夕食後、ここで待ち合わせだ」ガタン
リヴァイ「……遅れるなよ?」
エルド「勿論です!明日は怪我一つなく帰ってきます!」
エルド「なんたって兵長とデートですからね!」
リヴァイ「……てめぇテンションおかしすぎだ。自分の分さっさと飲んで落ち着きやがれ。」
エルド「はいっ!あ、コップは洗いますので置いてて下さい!」ズズズ
リヴァイ「……あぁ。旨かった。また頼む」
エルド「了解です!」
そうして次の日。
一つのスーパーのヴェルタースオリジナルが完売した。
~ 第一章 『出会い』 完 ~
読んでくれてありがとう!
エルドとエレン、名前似てますよね
今日の主役はエレンです。
審議所での裁判を終え、エレンの身柄は調査兵団に託される事になった。
明日になれば旧調査兵団本部に移動する事になるそうだ。
それなのに。
エレン「……今夜も地下で眠るのか…」
しかも、鎖もそのままだ。
すぐに自由になれると期待した分、再び審議所の地下に連れてこられた時のショックは大きかった。
エレン(巨人になる可能性があるからか…)
エレン(自分でもよくわかってないんだ。他人から見たら俺は化け物そのものなんだろうな)
エレン(あと一日の我慢だ…乗りきろう…)
ゴソゴソ、と諦めたようにベット潜り込む。
見張りa「リヴァイ兵長?!」
エレン(??!!!!)ビクゥッ!!!
思わず飛び起きてしまった。
リヴァイ「…よくわからん者の見張りは疲れるか?」
見張りa「そうですね…何が起こるかわからない分疲れは増えます」
見張りb「緊張がリミット限界突破しそうです!」
リヴァイ「…だろうな。…これはエルヴィンからの差し入れだ」
見張りab「酒!」
リヴァイ「……緊張をほぐす為に、と言っていた。一人一杯までだそうだ…酔うんじゃねぇぞ」
見張りa「お気遣いありがうございます!」
見張りb「酔って削がれないようにチビチビ飲みます!」
リヴァイ「……………」
見張りa(………沈黙怖い)
エレン(?!!へへへへ、兵長?!なんでここに!)ドッキンドッキン
エレン(な、なんか話してる……何を話してるんだ?!)冷ヤ汗ダラダラ
エレン(怖いな…早く行かないかな……って入ってきたああああああ!!!)ドックンドックン
リヴァイ「……気分はどうだ」カチャカチャ
エレン「………アマリヨクアリマセン……」
リヴァイ「……だろうな。」カチャン
エレン(兵長何か持って来てる……)チラッ
エレン(?!洗面器!!湯気が凄い……ッこれを俺にかける気か!!)ドックンドックン
エレン(人前であんなに蹴ってきたんだ…ここは見張り以外誰もいない、さっき話してたのもきっと口止めの事だ……!)ドックンドックン
エレン(熱湯をかけるくらい朝飯前のはずだ……畜生!)
エレン(…せめて目に入らないようにしよう)ギュッ
リヴァイ「……ほぅ?…察しがよくて助かる」ザバザバザー
エレン(…なんかザバザバ音してる…見えない分怖いな…)
リヴァイ「………いくぞ」
パシーン!!
エレン(熱ッ…くない…?なんだこれ…濡れた布?!!)フガフガ
エレン(…そうか!濡れた布で呼吸を止めようって事か!!)フガフガ!!
エレン(……って痛い痛い!擦るな!!)フガフガ!!!
エレン(……あ、冷たい感覚が…)フガフガ
リヴァイ「……おい、息の仕方忘れてんのか?」
エレン「フガァ??!!!」スハースハー!!!
エレン(あれっ布どけたのか?!気づかなかった…)スーハー
リヴァイ(……変わった奴だな…)ザバザバザー
エレン(……そうか、殺すとバレるもんな。いたぶるつもりか…)スゥハァ
リヴァイ「………上見ろ」
エレン(こ、今度はなんだ…)上向キ
パシーン!!
エレン(こ、今度は首に布が?!)グググ
エレン(…そうか!これで首を締める気だな!)ググッ
エレン(…って痛い痛い!擦るなってば!)グググ
エレン(……あ、冷たい感覚が…)スゥ
リヴァイ「……ボタンはずすぞ」スッ
エレン「ふぁっ?!!」ビクッ
エレン(……思わず目を開けてしまった。)
エレン(…て言うか何で上着のボタン外すんだ…)
リヴァイ「……上だけでいいよな」
エレン「……はい?」
パシーン!!
エレン(なんだ…っ!次は胸を強打か!?)ハッ
エレン(そうか、これで心臓のリズムを狂わす気だな…!!)バコバコ
エレン(耐えてくれ、俺の心臓…ッ!)バコバコッ
エレン(…って痛い痛い!擦ると皮が捲れちゃうだろ!!)バコバコバコバコッ
エレン(……あ、冷たい感覚…布から離れて空気に触れたからだったのか…)バコ..
リヴァイ「……ボタンはしばらく開けとくか?」
エレン「………閉めます…」
リヴァイ「………」プチプチ
エレン(…思えばどれもあまりダメージないな…)
リヴァイ「………」ザバザバザー
エレン(布、熱湯に浸けてたのか…通りでほんのり熱いなと…)
リヴァイ「………足だせ」
エレン「は、はい」ジャラジャラ
エレン(………足…布…足…)ハッ
エレン(足ツボマッサージか!痛い所を押して楽しむつもりだな?!!)イラァッ
エレン(…いや…兵長の事だ…死ぬツボとか知ってるかも…)サァァ
エレン「……兵長、足はやめとき…」プルプル
パシーン!!
エレン(ヒィッ!止めるのが遅かった…ッ!)プルプル
エレン(ぎゃあ!足の指引っ張るなっ!)プルプル
エレン(だから擦るな………こ、こす…?)プルプル
エレン「………だひゃひゃひゃひゃ!」ブハッ!!
エレン「ちょ!へいちょっ!やめ…あひゃひゃっ!」バタバタ!!!
リヴァイ「……あぁ?ふざけんな」フキフキ
エレン「くすぐっ!くすぐったいっ!で!す!」ヒーヒー!!
リヴァイ「……我慢も出来ねぇのか」フキフキ
エレン「で!できまっ!せん!っ!」アヒャヒャッ!!!
リヴァイ「………もう片方もあるぞ」フキフキ
エレン「この!!ドッ!sッ!がっひゃひゃ!」バタバタ
エレン(…………死んだ……)ヌケガラー
リヴァイ「……明日、8時に出発だ」カチャカチャ
エレン「………ソーデスカ……」
リヴァイ「……6時に迎えにくるから出発前に風呂入れ」
リヴァイ「……前入ったのはいつだ?」
エレン「………イツカイジョウマエ……カナ…」
リヴァイ「………きたねぇな…」チッ
リヴァイ(……少しはさっぱりしただろ。…これ片付けて手を洗うか…)カチャカチャスタスタ
エレン「………」チーン
エレン「……ってえぇ?!何で戻って来るんですか!!?」
リヴァイ「……飲み物を入れてきた、ついでにてめぇの分もある」ズイッ
エレン「ありがたいですけど…何故ティーポットを口に近づけるんですか」
リヴァイ「……てめぇの両手は鎖で使えねぇだろ」ズイッ
リヴァイ「……口に入れてやるのが簡単そうな容器がこれしかなかった…」ズイッ
エレン(………甘い香りだな…もしかしたらこれは……)
エレン(……………毒……………ッ!)ドクンッ
エレン(そうだ、毒に違いない!)ドクンドクン
エレン(中からじわじわといたぶる気だ!)ドクンドクン
エレン(絶対飲まない!)ギュッ
リヴァイ「………遠慮すんな」
エレン「………遠慮では……ッ!」顎ガシッ
エレン「………え。」顔クィッ↑
エレン「ガポブボガボボボ!!」ドバドバ
エレン(飲んで…飲んでしまった!)ハァハァ
エレン(味は甘かった…!だけど跳ねた所を見たらなんか黒かった…!)ハァハァ
エレン(……体が熱い…!毒のせいか!)ハァハァッ
リヴァイ(……汗かいてるな…ホットミルクチョコ飲ませてから体を拭くべきだったか…?)ズズズズ
エレン(あれ、なんか熱いの治まってきた)ハァ..
リヴァイ「………そろそろ寝ろ」
エレン「…はい…」ゴソゴソin布団
エレン(巨人には効かない毒だったのか)フゥ
エレリヴ「「…………………」」
エレン(…なんで帰らないんだこの人!!)
リヴァイ「………」スッ
エレン(……ひっ!目を塞がれた!)ビクッ
リヴァイ「……………」
エレン(何されるんだ…怖い……)ビクビク
リヴァイ「……………巨人が1体…」ボソッ
エレン(…ひっ?!)ビクッ
リヴァイ「…………巨人が2体………巨人が3体………」ボソボソ
エレン(……巨人が増えてる……怖い!!!怖くて眠れない!)ガクガクブルブル
リヴァイ(……やばい眠ぃ…ついでに自分の飲み物作るんじゃなかった……)キョジンガー
エレン「……」スースー
リヴァイ(……やっと寝たか…巨人が573体目…)フゥ
リヴァイ(……見張る為に灯り消せねぇからな、ここ…)
リヴァイ(……今日は化け物扱いされたり俺に蹴られたり散々な1日だっただろうし)
リヴァイ(……まぁ…こんだけやれば少しはリラックスできただろ。)フゥ
リヴァイ(……これ渡すの忘れたな…起こすとまた大変だし手に握らせとくか…)ギュッ
次の日の朝目覚めると、右手に何かを握っていた。
そっと手を開いてみると金色を少し焦がしたような色の袋があった。
そして読めない記号が書かれていた。
迎えに来た兵長にこれは何かと聞いてみたが、知らねぇとそっぽをむかれた。
そしてしばらくすると…食べねぇのか?と聞かれた。
知ってるじゃん!!っていうかあんたしかいませんよね?!
っていうか食べ物なのか……そこまで考えて、気づいた。
………これは、毒だ。
昨日の毒が効かなかったから、更に強力な奴を用意したんだ。
自殺に見せかける為に…!!
なんて所なんだ調査兵団は!!
……絶対、生き延びてやる。
そしてこの毒を鑑定して貰うんだ。
それを証拠に調査兵団を訴えてやる!
俺の戦いはこれからだ!!
~ 第二章 『きょじんの鳴く頃に』 完 ~
読んでくれてありがとう!
今日もなんとか書けました。
二章とはちょっとテンション違います。
やっと出てきたリヴァイ班!
旧調査兵団本部の掃除も一段落。
リヴァイ班のメンバーで紅茶タイムを開いてノンビリしていた所に、嵐がやって来た。
そして言ってしまう。
エレンが禁断の一言を。
………さようならエレン。
皆何も言わず席を立った。
ペトラ「…もぅオルオ!隣に座ってるならもっと早く注意しなきゃ駄目じゃない!」
オルオ「……ふっ、ペトラ…。お前にはわからないだろうな。俺は言おうとしたんだ。」
オルオ「…しかしハンジ分隊長がエレンの前に座る方が早かった…わかるか?」
ペトラ「だからもっと早く注意しろって言ってるのよ…わかる?」
オルオ「…俺の行動を…」
ペトラ「舌抜くぞ」
エルド「…あいつら良く喧嘩しますねぇ」
リヴァイ「………仲良いんだろ」
グンタ「エレン大丈夫ですかね?」
リヴァイ「……まぁ…大丈夫だろ」
エルド「ハンジ分隊長を見た時のエレン嬉しそうでしたもんね!」
リヴァイ「……審議所の後エレンの看病してたからな」
グンタ「そっか。兵長と分隊長しか顔見知りいなかったですしね」
エルド「今日1日落ち着きなかったしねぇ…緊張してたんでしょうね」
リヴァイ「……そういやエルド、あれ役にたった……礼を言う」
エルド「………?あれとは?」キョトン
リヴァイ「……ホットミルクチョコレートとヴェルタースオリジナルだ…」
エルド「おぉ!!」パァァッ
グンタ「えっ兵長?!ヴェルタースオリジナル知ってるんですか?!」
リヴァイ「……最近エルドに教わった」
グンタ「……売り文句も?」
リヴァイ「……あぁ」
グンタ「おおぉ!意外だなぁ!」
リヴァイ「……エルヴィンの野郎にもそう言われた…」
グンタ「町の流行りものに詳しいイメージないですもん」ケタケタ
エルド「エルヴィン団長に話したんですか?」
リヴァイ「…いや…直接渡しに行ったんだがな…」
グンタ「フムフム」
~~~~~~回想中~~~~~~
リヴァイ「………エルヴィンよ」
エルヴィン「おっ?なんだ?忙しいから、悪いが手短に頼む」
リヴァイ「……すぐ済む……これをやる。」ヒョイ
エルヴィン「……おぉ?」キャッチ
エルヴィン「……………」
リヴァイ「……………」
エルヴィン「…ヴェルタースオリジナルだな」
リヴァイ「………あぁ」
エルヴィン「……売り文句は知っているのか?」
リヴァイ「………知っている…だから渡しに来た」
エルヴィン「……そうか……」
エルヴィン「………」
リヴァイ「………?」
エルヴィン「………ぶはっ!」
リヴァイ「……?!」ビクッ
エルヴィン「……いや済まない…フフッ!君が…プッ!こういうのを知っているの…っが!フフフ…意外で…フフッ!」プルプル
リヴァイ「……笑い所を教えてくれねぇか」
エルヴィン「いやいやこれはね…感動しているのだよ、リヴァイ!……フフフッ!」プルプル
リヴァイ「………削ぐぞ」
エルヴィン「まぁまぁ…!君にしては上出来なプレゼントだ!」
エルヴィン「さて、これを君に教えた素敵な方にお礼を言わねばならないな…誰なんだい?」ニヤッ
リヴァイ「……あ?エルドだ」
エルヴィン「………………」
リヴァイ(………?!)
リヴァイ(…こいつ…なんて面してやがる…)
~~~~~~~~~~~~~~~
リヴァイ「………と言う事があった」
リヴァイ「……あぁ…エルドに言ってなかったな、エルヴィンが礼を言っていた」
エルド「………は、はぃ!光栄です…が…」アセアセ
グンタ(……エルドと出来てるって勘違いされたんじゃないか…?)アセアセ
エルド(兵長絶対フォロー入れてないよな……)アセアセ
リヴァイ「……?」
リヴァイ「……そういやミケにもやった」
エルド「おぉ!ミケ分隊長!」
グンタ「どうでした?!」
リヴァイ「………廊下で出会ったんだかな…」
~~~~~~回想中~~~~~~
ミケ「………リヴァイ」スッ
リヴァイ「……ミケか…あぁ、そうだ」ゴソゴソ
ミケ「…………ヴェルタースオリジナルだろ?」
リヴァイ「……よく気づいたな…」ヒョイ
ミケ「……香りがした………大好物なんだ」キャッチ
リヴァイ「……そうか。なら良かった」
ミケ「………………」
リヴァイ「………………」
ミケ「…………あと3つあるよね」
リヴァイ「………よく気づいたな…」
ミケ「ちょーだい」
リヴァイ「………チッ」ゴソゴソ
~~~~~~~~~~~~~~~
リヴァイ「………大好物だそうだ」
エルド「それは良かった!」
グンタ「団長、ミケ分隊長と来たら…次はハンジ分隊長ですかね?」
リヴァイ「……いや、あいつにはやってない」
グンタ「……そうなんですか?」
エルド(…………おやおやぁ?)ニヤッ
リヴァイ「………エルド、てめぇ明日は朝食前にトイレ掃除だ」
エルド「……?!何故ですか!」
リヴァイ「……良からぬ事を考えてる気がした」
エルド「スゴい!なんでわかるんですか!」パァァッ
グンタ(いや否定しとこうよ)
リヴァイ(……勘とは言えねぇ雰囲気だな…)
リヴァイ「あと…ハンネスの野郎にもやったな」
グンタ「確か…駐屯兵団の?」
リヴァイ「…あぁ。溝掃除してたからな」
リヴァイ「……掃除に対する心掛けを認めた…」
エルド「ハンネスさん喜んだでしょう」
リヴァイ「……あぁ。ガキみてぇなキラキラした目でお礼を言われた」
リヴァイ「……ジジィからあぁいう目で見られることは……まぁ…初めてだったから」
リヴァイ「………ヴェルタースオリジナルは凄いな。」
エルグン((兵長照れてる…))ニコニコ
リヴァイ「あと昨日エレンにもやっといた」
エルド「おぉ!」
グンタ「それは嬉しかっただろうなぁ!」
リヴァイ「……まずホットミルクチョコレートをやったんだがな…」
エルド「おぉ!どうでした?!」
リヴァイ「……甘い、甘いと呟いていた」
エルド「チョコレートですもんね」
グンタ「チョコレートですしね」
リヴァイ「……あと……暑い、暑いと呟いていた」
エルド「ホットですもんね」
グンタ「ホットですしね」
リヴァイ「……ヴェルタースオリジナルはこっそり置いといたんだかな…」
エルド「おぉ!…どうでした?」
リヴァイ「……俺が置いといたのに気づいたみてぇで」
グンタ「それは嬉しかっただろうなぁ!」
リヴァイ「…食わないのか聞いたら涙目で顔しかめながら…」
リヴァイ「……『大事にしたいので取っときます』…と言いやがった」
エルド「涙堪えてたんでしょうね…!凄い感動してるじゃないですか!」ニコニコ
グンタ「宝物になるなぁ!」ニコニコ
リヴァイ「………そういう訳でてめぇらにもやる」スッ
つ ヴェルタースオリジナル
エルド「うおぉ!ありがとうございます!」キラキラ
グンタ「俺もこれは宝物に……!」キラキラ
リヴァイ「……いや食っとけ。まだまだあるから、またやる」
リヴァイ「……じゃ、今日は解散するか」
エルド「はい!」
グンタ「オルオとペトラはどうします?まだ喧嘩してますが」
リヴァイ「……俺が止めてくるから気にすんな」
エルド「お願いします!ではお休みなさい!」
グンタ「お休みなさい!ヴェルタースオリジナルありがとうございます!」
リヴァイ「……おぉ。」スタスタ
リヴァイ「………オイ、そこの小便小僧共」
オルオ「ぎゃああ!?兵長まで知ってるんですか!?」グオオオ!
ペトラ「いやぁああ!お嫁に行けないぃい!!」ブンブン!
リヴァイ「………生理現象だろ…気にすんな」
オルオ「…そういう訳だペトラ、気にすんな」
ペトラ「気にします!!」グァッ!
ペトラ「いいですか兵長!そういう事をポロッと言ってですねぇ!」
リヴァイ「…………」ウンウン
ペトラ「男どもが聞いて…ないわーってなって…嫁の貰い手がなくなったら……!」
リヴァイ「…………」ウンウン
ペトラ「……兵長貰ってくれるんですか?!!」クァッ!!
リヴァイ「……オルオがいるから貰い手が無くなることは無いだろ」
オルオ「?!!」
ペトラ「……却下!!」
オルオ「グハァッ!!」
ペトラ「……いいですか、兵長。私も夢見る乙女なんです」
リヴァイ「………」ウンウン
ペトラ「……兵長、白雪姫知ってます?」
リヴァイ「……まぁ…大体は」
ペトラ「…あれにね、憧れてるんです」
ペトラ「私が死んで…ピンチになった時に」
ペトラ「颯爽と現れて、目覚めのキスをしてくれるのは」
ペトラ「……兵長がいいです!」
ペトラ「兵長のキスで目覚めたい!!」
ペトラ「なんたって私のヒーローですから!」
リヴァイ「……………そうか」
ペトラ「…はぃ兵長!こういう時はノリと勢いでですねぇ」
ペトラ「任せろペトラ!と言うものです!」ビシィッ!!
リヴァイ「……任せろ……」
ペトラ「…名前もどうぞ!」
リヴァイ「…………任せろペトラ」
オルペト「「ぐはぁっっ!!」」鼻血ブハッ!!
リヴァイ「……??!!」ビクッ
ペトラ「すいません兵長がかっこよすぎて…」フキフキ
オルオ「すいません興奮しすぎました…」フキフキ
リヴァイ「………元気なのはいい…だかな…少し落ち着け?」
ペトラ「はい…ハンカチありがとうございます」フキフキ
オルオ「ありがとうございます…兵長がハンカチ2枚持ってて助かりました」フキフキ
リヴァイ「……いや、いつも5枚持ち歩いているから気にすんな」
ペトラ(………凄い!)フキフキ
オルオ(明日から5枚持ち歩こう)フキフキ
リヴァイ「……もう解散なんだがな、その前にこれをやる」スッ
つ ヴェルタースオリジナル
オルペト「「……………!!」」
オルオ「えっと兵長……」
ペトラ「…これの意味をご存じで……?」
リヴァイ「……知ってる」
オルペト「「………………」」
リヴァイ「……オルオ!外出禁止だ!!どこにいく!!」ガシィッ!!
オルオ「離して下さい兵長!ヴェルタースオリジナル買いに行けない!!」ブンブン!
リヴァイ「…俺の部屋に10ケースあるから……っ!好きなだけ持っていけ…っ!」グググ
オルオ「………兵長ッ!!ありがとうございます!!」ブワッ!!
リヴァイ「………わかったから落ち着きやがれ、いいな?」フゥ
オルオ「落ち着きました!お部屋に取りに行ってもいいですか!」
リヴァイ「……あぁ行ってこい」
オルオ「ありがとうございます兵長愛してる!」バタバタバタ!!
リヴァイ(……変な事口走りやがって…全然落ち着いてねぇじゃねぇか…)唖然。
リヴァイ「………って落ち着けペトラ!安全ピンつけてブローチにしようとすんな!」ガシィッ!!
ペトラ「だって兵長!常に身につけていたい!!」ブンブン!!
リヴァイ「……またやるからそれは食っとけ!だから落ち着け……!」グググ
ペトラ「…兵長ッ!」ブワッ!!
リヴァイ「………ヤレヤレ……って待てペトラ!今食ったのは安全ピンだ!!」ガシィッ!!
ペトラ「わざとです!私安全ピン飲んで仮死状態になるので!!」グググ
ペトラ「ヴェルタースオリジナルを口移しで下さい!!」グググ
ペトラ「そしたら私喉詰まらせて死にますので!!」クァッ!!
リヴァイ「……いや死んだら駄目だろ!生き返れ!!って言うか落ち着け!!」グググ
ハンジ「…そうこう……でね、巨人はね……うんたらかんたら……」
エレン(…………話長ぇ…いやッ我慢我慢!)
エレン(この人は研究者だから…毒の成分も調べる事ができるはず…!)
エレン(この人も調査兵団なんだ…味方になるかどうか見極めないと…!)
こうして、旧調査兵団本部での夜は更けていく。
~ 第3章 『絆』 完 ~
あぁ…61のリヴァイのセリフが間違えてました
元気なのはいい…の後は「だがな」です
読んでくれてありがとう!
書き込みも凄く嬉しいです。
いつも題名みてギップルを召喚しています。
今日は途中までしか書けなかったんですが、投下しますね。
───殺される、と思った。
自分の意思じゃないのに伝えられない。
張り詰められた空気の中でただ一人
自分を庇ってくれたのは
以前に自分を殺そうとした人だった。
グンタ「つまり…お前が意図的に許可を破ったわけではないんだな」
エレン「ハイ…」
。
フー、と安堵のため息が辺りを包む。
そして目配せをした後、リヴァイ班の四人は一斉に手を噛んだ。
ハンジ「え?!」
エレン「ちょっと何やってるんですか!」
グンタ「…いてぇ」
エルド「これはきついな…」
ハンジ(…この空気は…多分部外者はいない方がいいよね?)
ハンジ(…私は救急箱を取ってこようかな)
キョロキョロと周りを見回し、手で出ようと合図する。
ドアを通り抜けるときに好奇心でリヴァイの方を見てみると。
ハンジ(…あ、やっべー嬉しそうな顔してるわ)プフフ
笑い声は我慢したはずだったのに、気づかれてしまった。
睨んでくる相手に、笑顔でヒラヒラと手を振って、声を出さずに『頑張ってね』と伝える。
そして音を立てないようにドアを閉めた。
救急箱を持ってくる頃には、またいつもの空気に戻るでしょう。
ペトラ「私達はあなたを頼るし、私達を頼ってほしい」
ペトラ「…私達を、信じて」
エレン「…………ッ!」ドキッ
エレン(………さっきは殺されると思った…)ドキンドキン
エレン(でも……皆から見たら、俺に殺されると思って取った行動に)ドキンドキン
エレン(…こういう形で詫びてくれてる)ドキンドキン
エレン(……頼り、頼られたいと言ってくれた)ドキンドキン
エレン(その気持ちには、応えるべきだ…)ドキンドキン
エレン「………えっと…」
エレン「……ありがとう、ございます」
ペトラ「……こちらこそありがとうエレン!」ブワッ!!
エルド「…ごめんな、怖かったよなぁ!」ブワッ!!
グンタ「…大人四人の殺気は辛かっただろっ!」ブワッ!!
オルオ「…俺は…エグッ!!謝らねぇぞっ!グスッ!!新入りめぇ!ズビッ!!」ドバドバ!!
エレン(……スゲェ!一気に泣き出した!)ビクッ!!
リヴァイ「………」つ ハンカチ4枚
ペトラ「…借りますへぃちょおおぉ」ズビズビ
エルド「……ありがとござますへぃちょおおぉ」ズビズビ
グンタ「……もう手じゃ拭い切れなかったんですへぃちょおおぉ」ズビズビ
オルオ「…俺はッ5枚持ってるんですがッ!気持ちが嬉しいので借りますへぃちょおおぉ」ズルズル
リヴァイ「……いちいち呼ばなくていい…」チラッ
エレン「………!」ビクゥッ!!
リヴァイ「……お前はいらなそうだな」ジッ
エレン「………つ、使いません!泣いてないですし!」ビクビク
エレン(……こんなに枚数持ってるなんて怪しい!)ダラダラ
エレン(…薬品染み込ませて、使う機会を伺ってたんだ!)ダラダラ
エレン(……そいやこの人…なんでさっき庇ってくれてたんだろう…?)ダラダラ??
リヴァイ(……汗が凄いな?…渡しとけば良かったか…)ジッ
エレン(………睨んでる!…怖い!)ビクッ!!
リヴァイ「……ところで、だ」
リヴァイ「……これは誰が考えた…?」
ペトエルグン「「「オルオです!!!」」」キッパリ!!
オルオ「てめぇら!ばらすなよ!先輩の威厳が無くなるだろうが!!」 クワッ!!
エレン(……いやあれだけ泣いて威厳も何もないでしょう…)
リヴァイ「……よしオルオ…こっちに来い」
オルオ「…は、はい!」
エレン(……な、なんだ…何が始まるんだ!)チラッ
ペトエルグン「「「…………」」」
エレン(…先輩達も知らなそうだ!どうしよう怖い!)ビクビク
リヴァイ「……いくぞ」
オルオ「………はいッ!」
ガシィィッ!!!
エレン(……ひっ!頭を掴んだ!)ビクッ!!
エレン(……アイアンクローか?!)ハラハラ
エレン(……って、手を左右に動かしたぁぁ!)ヒィッ!!
モシャモシャモシャモシャ!
ペトエルグン「「「………」」」
ペトエルグン「「「……ブッ!!!」」」ブハッ!!
ペトラ「オル……オルオのッ!髪が!!」アヒャヒャ!!
エルド「いっ…!いそぎんちゃくみたいに……っ!ひひっ!」ブハハハ!!
グンタ「……駄目だ我慢できねえぇ!!」ダハハ!!
エレン(……なんで…なんで笑ってられるんだ先輩達?!)ボーゼン
オルオ(……髪のセットが…でも頭撫でられた…)ポァン…♪
リヴァイ「……次にやられたい奴はいるか…?」
エレン(……殺られたい?!)ビクッ!!
ペトラ「はい!はい!はい!」シュタッ!!
エレン(なんで立候補するんだペトラさん!)ハラハラ
エレン(……待て…もしかしてこれ…)ハッ
エレン(………最後になればなるほど痛くなるんじゃないか!?)
今日はここまで。
何故あの場所に『。』があるんだ…。
ミスすみません。
読んでくれてありがとう!
今日も途中までですが、投下しますね
エレン(……きっとそうだ!ペトラさんは今迄の経験から、そう察して早めに済ませようとしたんだ!)
エレン(……よし…次は立候補してやる……!最後まで怯えて待つなんてごめんだ!)ゴゴゴ
ペトラ(うふふ兵長のナデナデ…♪)ワクワク
ペトラ(兵長のナデナデ…兵長の…)ハッ
ペトラ(…ヤバい!私がされたら髪爆発しちゃわない?!)
ペトラ(かかしとかホウキとかそんなかんじに…)ハワハワ
ペトラ(兵長の前でかかし…いやぁぁぁっ!)グスン
ペトラ(…でも撫でてもらいたい!女を捨てるわよペトラ!!)ググッ!
エレン(……ペトラさん半泣きだ…)ハラハラ
リヴァイ「……いくぞ」
ペトラ「どんとこいです!!」キッ!
エレン(…かっこいい!頑張れペトラさん!)グッ
ポフッ
エレペト((……?!))
ナデナデナデナデ
ペトラ「…………」
リヴァイ「…………」ナデナデ
ペトラ「…………」チラッ
リヴァイ「…………」ナデナデ
エレン(……えっ?!えっ?!!ゆっくり?!)
ペトラ「…………モゥダメ…///」フシュ~…ヘナヘナ
リヴァイ「……そこの椅子に座らせる」ガシッ
グンタ「了解です!」椅子ザザッ!
エレン(……えっ?!倒れた?!)
エレン(……な、何かされたのか…?!全然見えなかった!)アセアセ
リヴァイ「……さて次は…」
エレン「は、はい!俺!俺行きます!」アセッ
リヴァイ「………」
エレン「…………」ドクドク
リヴァイ「………」
エレン「…………」ドクドク
リヴァイ「……なんだやって欲しかったのか?」
エレン「ふぁっ?!」ビクッ!!
エレン(……ええっ…俺はやらなくて良かったのか?!飛んで火に入るなんとやらって事か?!)ドキドキドキ
リヴァイ(…噛んだ奴にやる予定だったが…こいつも仲間だ、やって当たり前だな…)フム
リヴァイ「……いや…気にするな…来い」
エレン(……気になるんですけど!)ビクビク
リヴァイ「……いくぞ」
エレン「……ハヒッ」
エルド(緊張してるなぁエレン)ニコニコ
グンタ(兵長からナデナデだからな~)ニコニコ
ワシッ!
エレン(…ひぃっ!痛い方だ!)ヒィィィ
エレン(……た、耐えてやる…早く楽にさせてくれ!)ガクガク
オルオ(…震えるほど嬉しいのか…流石兵長のナデナデ)フッ
ヨシヨシヨシヨシヨシ
エレン「…………」
リヴァイ「…………」ヨシヨシ
エレン「…………」
リヴァイ「…………」ヨシヨシ
エレン「…………」
リヴァイ「…………?」ヨシヨシ
エレン「…………」
リヴァイ「…グンタ椅子を。気を失ってやがる」
グンタ「了解です!」 椅子ザザッ!
エルド「エレンってば感動しすぎでしょう」アハハ
オルオ「……まだまだガキだな…」フッ
ペトラ「ちょっ…グンタ!髪っ、…ぱ!パイナップルっ!!に!」アヒャヒャ!!
グンタ「いい触り心地だって褒められたぞ!」エヘン!!
オルオ「エルドは変わらねぇな…」
エルド「結んでるからねぇ」フフフ
エレン(……俺…なんで触られた時からの記憶がないんだ…)ボー
リヴァイ「……皆を代表して……オルオ…手を出せ」
オルオ「はい兵長!」シュタ!!
リヴァイ「……皆で分けろ」スッ
ボタボタボタボタ
オルペトエルグン「「「「おおおおお!!!!」」」」
エレン(……………!)ハッ
オルオ「こんなにいいんですか?!」
ペトラ「やったぁ!やったぁ!」ピョンピョン
グンタ「待ってました!」ガッツ!!
エルド「ありがとうございます!」
リヴァイ「……エルド」
エルド「はいなんでしょう!」
リヴァイ「…コイツらうるせぇから…アレ飲ませて寝かしつけろ…」
エルド「アレ…?あぁ、アレですね」ニヤッ
エルド「さ!皆台所いくぞ!」ホレホレ
グンタ「兵長は来ないんですか?」
リヴァイ「…もうしばらくここにいる」
グンタ「了解です!お休みなさい兵長!」
ペトラ「お休みなさい!」
オルオ「また夢で!」
リヴァイ「………おぅ」
ペトラ「ん~!なんか良い1日だったね!」
オルオ「…俺のお陰だな…」フッ
エルド「あはは、ありがとなぁ」アハハ
グンタ「久々に素直にオルオにお礼言わないとだ」ケタケタ
ペトラ「あはは、確かに!」
グンタ「……エレンどうした?顔色悪くないか?」
エレン「……い、いえ!大丈夫です!」ビクッ
エルド「巨人化は後遺症あるみたいだし…今日はゆっくり休もうな!」
エレン「は、はい!」
エレン(………先輩達は知らないのか…)
エレン(……さっき兵長がオルオさんに渡していた袋…)
エレン(…金色を少し焦がしたような色の…あれの、正体に!)
今日はここまで。
読んでくれてありがとう!
四章書き終えました
続きいきますね
ヒョコッ
ハンジ「……あっれリヴァイ、皆はー?」
リヴァイ「……台所だ」
ハンジ「えーそうなの?う~ん…」
リヴァイ「……どうした?」
ハンジ「いやね、救急箱を探したんだけど見つからないんだよねー」
ハンジ「皆に聞いた方が早いかなぁって思って。リヴァイ心当たりない?」
リヴァイ「……確か…エレンの手を治療した時に…」ハッ
ハンジ「……あぁ、あの外でお茶飲んでたとこに置きっぱなしにしちゃったのか!」ポン
リヴァイ「……あいつら…」ゴゴゴ
ハンジ「わー!わー!落ち着いて!バタバタしてたしそういう時もあるよ!ね?!」
ハンジ「…ごめんモブリット、救急箱取ってきて台所のあの子達の所まで持っていってくれないかな?」
モブリット「はい!行ってきます!」バタバタ
ハンジ「あっりがと~♪」ヒラヒラ
リヴァイ「………」
ハンジ「……~♪」スタスタ
リヴァイ「………」
ハンジ「………~♪」カタン
リヴァイ「……何隣に座ってやがる…」
ハンジ「いやー、リヴァイ一人じゃ寂しいかなーって思って」
リヴァイ「……勘違いしてるようだが…俺が置いてきぼりにされた訳じゃねぇ…俺が追い出したんだ」
ハンジ「ほうほう?なんでー?」
リヴァイ「……眠る前にホットミルクチョコレートでも飲ませようと思ってな……あぁ、今行くと飲めるはずだぞ?」
ハンジ「…リヴァイも一緒に飲めばいいじゃん」
リヴァイ「……いや…」
リヴァイ「……エレンがな…俺がいると緊張してるみてぇで」
リヴァイ「……まぁ、俺がいねぇ方が色々喋れるだろ」
ハンジ「はっはーん。この機会に皆と仲良くさせようって事だねぇ」ピコーン
リヴァイ「……まぁそんなとこだ」
ハンジ「兵長さんも大変だねー」フフフ
リヴァイ「………」
ハンジ「………」ニコニコ
リヴァイ「………台所行かねぇのか?」
ハンジ「え?リヴァイ行かないんならここにいるよー」
リヴァイ「………そうか」
ハンジ「そうだよー」ニコニコ
ハンジ「………~♪」フンフーン
リヴァイ「………」
ハンジ「…………~♪」フフフーン
リヴァイ「…………」ソワ…
ハンジ「…………?」
リヴァイ「…………」ソワソワ…
ハンジ「……どしたのリヴァイ?」
リヴァイ「…………チッ」ゴソゴソ
リヴァイ「………やる。」コトン コトン
ハンジ「……おぉっ?!ヴェルタースオリジナル!くれんの?!」
リヴァイ「……だからやるって言ってんだろ」
ハンジ「うはぁ!あっりがとね!あ、1個でいいよーリヴァイ食べなよ!」ルンルン
リヴァイ「…1つはモブリットにやってくれ」
ハンジ「そかそか~♪了解兵長♪」ルンルン
リヴァイ「………」
ハンジ「………あれ?」
リヴァイ「………?」
ハンジ「もしかして最近出会ったらソワソワしてたのって…」
ハンジ「……これ渡すタイミングはかってたのかな?」ニヤァ
リヴァイ「……うるせぇクソメガネ削ぐぞ」
ハンジ「あはは!気づかなくてごめんよ!もっと早く突っ込んでたら良かったね!」アヒャヒャ!!
ハンジ「…いやぁ実はね?エルヴィンとミケから聞いててさー」
リヴァイ「………」ウンウン
ハンジ「リヴァイからヴェルタースオリジナル貰ったって」
リヴァイ「………」ウン
ハンジ「だから私、いつ貰えんのかなぁーって、楽しみにしてたわけ」ニコニコ
リヴァイ「………そうか」
ハンジ「そうだよー」ニコニコ
ハンジ「…そいやリヴァイってエルドとできてんの?」
リヴァイ「……は?できてるわけねぇだろ」
ハンジ「……だよねぇ?」ウーン
リヴァイ「………?」
ハンジ「………しっかし気になるんだけどさぁ?」
リヴァイ「……?」
ハンジ「なんでこの記号で『ヴェルタースオリジナル』って読むんだろうね?」
リヴァイ「………そういやそうだな」
ハンジ「『hello』って書いてたら『ハロー』って読めるようなもんかなー?」
リヴァイ「………待てお前今何語喋った」
ハンジ「町のあちこちにポスターあるから読めなくてもわかる、みたいな」
リヴァイ「………いやお前今何語喋った」
ハンジ「ステマってやつなのかなー?」
リヴァイ「俺の話を聞け」
エルド「ふんふーん♪」ガチャガチャ
ペトラ「エルド、何飲ませてくれるの?」ワクワク
エルド「ホットミルクチョコレートだ!」フフフーン
グンタ「おぉ、噂の!」
オルオ「……チッ、ミルクチョコレートとか子供じゃねぇか…」
エルド「…兵長のお気に入りだぞ?」
オルオ「……さすが兵長、カルシウムとパワーのバランスを考えてやがる…」フッ
グンタ「もうお前黙っとけ、な?」ハハハ
ペトラ「ふふ、ホットミルクチョコレートとか久々かも!エレン飲んだことある?」
エレン「いえ、ありません」アセアセ
エルド「え?」
グンタ「え?」
エレン「え?」
グンタ「…いや、エレン飲んだことあるだろ?」
エレン「え?」
エルド「え?」
グンタ「え?」
エルド「前に兵長がエレンに飲ませたって言ってたぞ?」
エレン「えぇ?!何時ですか?!」
グンタ「確かここに移動してきた日の前日だから…エレンが地下牢にいる時じゃないか?」
エレン「えぇ?!いや、飲んでませんよ?!」アセアセ
エルド「…でも確かに言ってたぞ?」
エレン「いや、あの時飲まされたのは毒で………ッ」ハッ
エレン(しまった……!言ってしまった!)
エルド「………」
グンタ「………」
ペトラ「………」
オルオ「………」
エレン「………」
エルド「…お前何言ってるのかわかってるのかエレン!!」クァッ!!
グンタ「…兵長を愚弄するつもりかエレン!!」グァッ!!
ペトラ「…冗談でも許さないわよエレン!!」カッ!!
オルオ「…リヴァイ兵長はそんな事やらないぞエレン!!」ゴォッ!!
エレン「…ヒィィッ!!」ビクッ!!
エレン「……ごごご、ごめんなさい!でも本当なんです!」ガクガク
エルド「……あぁん?!!」クァッ
ペトラ「まだ言うのこの口は?!!」キッ
オルオ「前歯と奥歯を差し替えるぞ!!!」カッ
グンタ「………っ、待て待て待て、これじゃ昼と同じだ…」グッ
グンタ「……何か勘違いしてるのかもしれない、話を聞こう!」
エレン「グンタさん…!」ブワッ!!
エルド「……まずは…毒を飲まされたって?」
エレン「は、はい!そうです!」
グンタ「……どういう状況で?」
エレン「…えっと確か…布で虐め抜かれたあとに…」
グンタ「……布で虐め抜かれた…?」
エレン「…は、はい」
エルド「………」
グンタ「………」
ペトラ「………」
オルオ「………」
エレン「………」
エルペトオル「「「………………ッッッ!!!」」」クァッ!!
グンタ「待て待て待て!気持ちはわかるが待つんだ!」
エレン「ひえぇぇ…っ」ビクビク
エルド「…最初から話を聞こう。されたことを順番に言うんだ」
エレン「…は、はい」グスン
エレン「えっと、兵長が洗面器に熱湯入れてやってきて…」
エレン「…俺、それぶっかけられると思って…」
グンタ「……かけられたのか?」
エレン「…いえ、かけられませんでした」
ペトラ「…まぁそうでしょうね」
エレン「…目に熱湯が入らないように瞑ってたんですけど…」
エレン「したら、濡れた布で顔を押さえられて…」
エルド「なんだって?!そのまま鼻と口を押さえられたのか?!!」クワッ!!
オルオ「それとも鼻に布を詰め込まれたのか?!!」クワッ!!
エレン「…い、いえっ!なんかこう目頭とか小鼻の方を擦られて…」
ペトラ「…擦る?!」
エレン「……はい!なんかゴシゴシと…」
エレン「………ゴシゴシ…と…」
エルド「………」
グンタ「………」
ペトラ「………」
オルオ「………」
エレン「………ゴシゴシ…」
エルド「…よし、顔をゴシゴシだな。次は?」
エレン「…は、はい」
エレン「えっと、上を向けって言われて、上を向いたんですが」
エレン「したら、濡れた布で首を押さえられて…」
エルド「なんだって?!そのまま布で首を絞められたのか?!!」クワッ!!
オルオ「それとも指を喉にめり込ませられたのか?!!」クワッ!!
エレン「…い、いえっ!なんかこう顔から首にかけて、あと鎖骨の所を擦られて…」
ペトラ「…擦る?!」
エレン「……はい!なんかゴシゴシと…」
エレン「………ゴシゴシ…と…」
エルド「………」
グンタ「………」
ペトラ「………」
オルオ「………」
エレン「………ゴシゴシ…」
エルド「…よし、首をゴシゴシだな。次は?」
エレン「…は、はい」
エレン「えっと、上着のボタンを外されて…」
エレン「それから胸の辺りに布をぶつけてきて…」
エルド「なんだって?!そのまま胸を殴られたのか?!!」クワッ!!
オルオ「それとも心臓に指を突き立てられたのか?!!」クワッ!!
エレン「…い、いえっ!なんかこう皮が捲れそうなくらい擦られて…」
ペトラ「…擦る?!」
エレン「……はい!なんかゴシゴシと…」
エレン「………ゴシゴシ…と…」
エルド「………」
グンタ「………」
ペトラ「………」
オルオ「………」
エレン「………ゴシゴシ…」
エルド「…ゴシゴシはまだあるのか?」
エレン「…は、はい」
エレン「えっと、足を出せって言われて…」
グンタ「なんだって??!!」クワッ!!
ペトラ「潔癖症の兵長に足触らせたの?!!!」カッ!!
オルオ「なんなんだよ羨ましい!!!」クワッ!!
エレン「…ひえぇぇ…!」ビクッ
エルド「…それで、足をゴシゴシ?」
エレン「…は、はい!」
エレン「…それであの…笑い死にしそうでした…」
エルド「………」
グンタ「………」
ペトラ「………」
オルオ「………」
エレン「…………笑い死に……」
ペトラ「………ねぇエレン」
エレン「………ハィ」
ペトラ「………気づいたと思うけど…」
エレン「………ハィ」
ペトラ「………それって、身体拭いて貰ってるよね…?」
エレン「……………」
エレン「……いや!もしかしたらそうかもしれないですけど!毒を飲まされそうになったのは事実で!!」クァッ!!
ペトラ「まだ言うのこの坊主!!」グァッ!!
オルオ「いい加減現実見ろよ!」ギッ!!
エレン「俺は至ってクールですよ!」カッ!!
エルド「………」スッ
エレン「……?!」ビクッ
エルド「……ホットミルクチョコレートだ」
エレン「………?!」
グンタ「……飲んでみろ、エレン」
エレン「!!!」
エレン(…嗅いだことある…甘い香り)ドクンドクン
エレン(見たことある…黒い色……)ドクンドクン
エレン(………飲むのか?!これが毒ならどうするんだ?!)ドクドクドクドク
ペトラ「……エレンそれ貸して」バッ
エレン「な?!」
ペトラ「…………」グビグビグビ!!
エレン「…ちょ、ペトラさん?!」アセアセ
ペトラ「…………」
エレン「………ペトラさん?!!」
ペトラ「…………うんまい!!!」ドン!!!!
エレン「……?!」ビクッ
ペトラ「うん、ホットミルクチョコレートだよ!」ニコッ
エレン「…は、はぁ…?」
ペトラ「大丈夫、毒じゃないよ」
エレン「……!」
ペトラ「私の飲みかけで悪いけど、飲んでみて?」
エレン「……ペトラさん…!」
ペトラ「皆を信じてみてほしいな。お願いします」ペコリ
エレン「……ッ」
オルオ「おいペトラ…!こんな奴に…」
ペトラ「黙ってオルオ」
ペトラ「…もしそれが毒なら一瞬に死のう!…というかこのままだと私だけ死んじゃうね」フフフ
エレン「……ペトラさん……」
エレン(ペトラさんは俺の為に命かけてくれてる…)
エレン(ペトラさんだけじゃない…皆も俺の話をちゃんと聞いてくれた)
エレン(これはエルドさんが作ったものだ…そう、エルドさんが…)
エレン「…………」グググ…
エレン「…………」ズズッ…ゴクン
ペトラ「おぉ!やったぁ!」パチパチ
エルド「……どうだ?エレン?」
エレン「………兵長の持って来た毒と…同じような味が…します」
ペトラ「だから毒じゃないって」フフフ
グンタ「エレン頑固だなぁ」ハハ…
エレン(…おかしい…なんでだ?!兵長のも毒じゃなかったのか?!)
エレン「……あっ!」ハッ!!
エルド「どうした?」
エレン「さっき兵長が渡した黄色の袋!あれも毒です!」
エルグンペトオル「「「「…………!!!」」」」ゴゴゴ!!
エレン「……ひぃっ!!」ビクッ!!
エルド「……あれはな、ヴェルタースオリジナル」フゥッ
グンタ「まぁ、簡単に言うとクリーミーな飴ちゃんだ」
エレン「えぇっ?!あ、飴ちゃん?!」
ペトラ「…エレン知らないの?町にポスター一杯貼ってるよ」
エレン「……町にはあまり行かないので…」
オルオ「……ちっ、これだから田舎者は…」
エレン「でもよくわからない記号が書かれてましたよ?!」クワッ!!
ペトラ「よくわからないけどあれでヴェルタースオリジナルって読むのよ!」
オルオ「……誰でもそう読んでいるぞ…馬鹿め」
エレン「…で、でもそれじゃあなんで兵長に聞いた時知らないって言われたんですか?!怪しいじゃないですか!!」
グンタ「照れたんだよ」
エルド「うん、照れたな」
エレン「……………は?」
ペトラ「……ねぇ、エレンにヴェルタースオリジナルの売り文句を教えてあげるね」
──────────────
私のおじいさんがくれた初めてのキャンディー、それはヴェルタースオリジナルで私は4歳でした。
その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディーをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がおじいさん。孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら、彼もまた、特別な存在だからです。
──────────────
エレン「…………」
ペトラ「兵長、誰にでもあげてる訳じゃないと思うよ。」
エレン「…………」
ペトラ「地下牢の時から既に、エレンの事仲間だって、特別な存在だって思ってたんじゃないかな」
エレン「…………」
ペトラ「……何よりね、エレン」
ペトラ「今日、最初から最後まで巨人になった貴方をかばったのは…」
ペトラ「……兵長だったよ。」
ペトラ「……だからね、エレンも兵長の事、信じて欲しいな」
エレン「……………っ!」
エルド「……待てエレンッ!何処に行く?!」クァッ!!
エレン「………死んで…っ!死んでお詫びをさせてください!!」窓枠乗リダシッ!!
オルオ「落ち着け!ここは1階だ死ねない!」バッ!!
エレン「わかりました!2階に行きます!!」ドドド!!
ペトラ「いや2階でも絶対死ねないから!!」ダダダ!
エレン「わかりました!3階ですね!!」ドドド!!
グンタ「落ち着け!何死ねるように誘導してんだお前ら!!」バタバタ!!
エレン「そうだ!巨人になって天井に頭ぶつけて死にます!!」クワッ!!
エルド「いや俺らも死ぬから!!」ガシッ!!
オルオ「ってかお前だけ生き残るから絶対!!」ガシッ!!
エレン「離して…っ!離して下さい!!」バタバタ!!
ペトラ「わかった包丁で首を削げばいいのよ!!」バッ!!
グンタ「いいから落ち着け皆滅茶苦茶だ!!」グァッ!!
ハンジ「……モブリットおっそいなー?」
リヴァイ「……クソでも長引いてんだろ」
ハンジ「んー…」
リヴァイ「……食べねぇのか?」
ハンジ「帰り道に食べようと思ったんだけど…遅いから食べとこうかな」ガサガサ
ハンジ「……いただきまーす」カポ
リヴァイ「……どうだ?」
ハンジ「……ん、美味しいよ~」コロコロ
リヴァイ「……なら良かった」
ハンジ「……クッリィミィだねぇこれー」コロコロ
リヴァイ「……まぁそうだな」
ハンジ「リヴァイは食べないのー?」コロコロ
リヴァイ「……部屋にはあるが手持ちがない」
ハンジ「ほぅ!買い置きしてんの?!どれくらい?」
リヴァイ「……エルドから貰った分が残り8ケースと3袋…あと2ケース分オルオがラッピングしてくれた」
ハンジ「どんだけ愛されてんだよリヴァイ!!!」アヒャヒャヒャヒャ!!
ハンジ「…そかそか、じゃあ部屋にはあるけど今ないんだねー」ンー
リヴァイ「………そう言った」
ハンジ「了解ー、ちょっと待ってねー」ンー
リヴァイ「………?」
ハンジ「飴ちゃんってさー、ほっぺの内側に押し付けると味がしばらく残るよねー」ンー
リヴァイ「…………それがどうした?」
ハンジ「…よし、準備完了!」
リヴァイ「………何のだ?」
ハンジ「……味は確保したからリヴァイにあげるよ!」ニヤッ
リヴァイ「………は?」
ガシッ!
──グイッ!
リヴァイ「………………?!!!」
エレン「………ハァッハァッ」
エルド「………ゼェゼェ」
グンタ「………フゥーフーゥ 」
ペトラ「………ゴホッゴホ」
オルオ「………ヒューーー…」
一同「………………ぶっ」
\あっはははははは!/
エルド「あはは…なんかすごかったな!」アハハ!!
グンタ「もう体力残ってない…」ヒヒヒ!!
ペトラ「スッキリしたーー!!」アハハ!!
エレン「皆さん怖すぎですよ!」フハハ!!
オルオ「てめぇが全力で逃げるからだろうが!」フヒヒ!!
ペトラ「あー!なんか今日はエレンに兵長の魅力を語りたいなー!!」パタパタ
エルド「いやいや、寝かしつけろって言われてるし」ハハハ
モブリット「あ、あのぅ皆さん…」コッソリ
グンタ「あれ?モブリットさん」
モブリット「救急箱持って来たんですがお取り込み中だったので…終わりました?」
エルド「おぉ!わざわざすいません」
オルオ「………」ピコーン
オルオ「…なぁ、皆の治療をエレンの地下室でやったら語れる時間あるんじゃねぇか?」
ペトラ「オルオ!ナイスアイデア!」
グンタ「一応許可貰いに行こうか!」
エルド「じゃあ皆の分のホットミルクチョコレート作るよ!」
ペトラ「モブリットさんもどうぞー♪あ、って事はハンジ分隊長もいるのかな?」
モブリット「あ、ありがとうございます!いただこうかな」
エルド「任せて!作るよ!」クルクル
ペトラ「じゃ、私許可貰ってくるよ!飲み物もついでに持ってくね!」パタパタ
エルド「よろしくなぁ!」
グンタ「…そいやエレン、最初に兵長に貰ったヴェルタースオリジナルはどうしすたんだ?」
エレン「いつか鑑定に出そうと思って地下室の自分の部屋の棚を二重底にして隠してます」
オルオ「……どれだけ信用してなかったんだこいつ…」
エルド「………今日の俺達より酷いな…」
パタパタパタパタ
ペトラ「………」キョロキョロ
ペトラ(よし、誰もいない)コソコソ
ペトラ(この間オルオが兵長に貰ってたヴェルタースオリジナル…一袋だけ分けて貰ったんだよね)ガサガサ
ペトラ(いつ兵長に渡すか迷ってたけど…)ペリペリ
ペトラ(チョコレートだし、味隠れるよね!)ポチャン!!
ペトラ(………)クルクル
ペトラ(……いや、一個じゃ足りない…)ペリペリポチャン
ペトラ(………)クルクル
ペトラ(……いや、まだ足りない…)ペリペリポチャン
ペトラ(………)クルクル
ペトラ(………もう一個…)ペリペリポチャン
ペトラ(………)クルクル
ペトラ(……まだ…)ペリペリポチャン
ペトラ(………)クルクル
ポチャン…クルクル…
ポチャン
ペトラ「兵長~!ホットミルクお持ちしましたー……?」
バターーーーンッ!!
リヴァイ「…………削ぐ」バターン!!
ハンジ「あっはは!そんなんじゃ当たらないよリヴァイ!」ピョンピョン
リヴァイ「………大人しく捕まれクソメガネ!」ドカーン!!
ハンジ「やなこったー!あははは!……あ、ペトラ!」シュタタタタ!!
ペトラ「ハ、ハンジさん…兵長…この散らかりようは………?」
リヴァイ「………………」シマッタ
ハンジ「わ、何々?飲み物入れてくれたの?」ササササ
ペトラ「いやだからこの…椅子と机が何一つ元の位置にない状況は…?」フルフル
ハンジ「いやーリヴァイと遊んでたらさぁ!私どっちの飲み物もらったらいい?」
ペトラ「………兵長?」クルッ
リヴァイ「……………おう」
ペトラ「……おうじゃないでしょう!!二人そこに座んなさい!!」ビシィッ!!
なかなか戻って来ないペトラを心配して見に行けば
人類最強と人類の奇行種を正座させて叱りつけるペトラの姿
その背中に エレンは母の面影を見た。
~ 第四章 『晴れ渡る空』 完 ~
139のグンタのセリフが間違ってました
どうしすたんだ?×
どうしたんだ?○
ですね…まだ他にもあるうぁぁ!
124のペトラのセリフ間違えてました…
一瞬に死のう×
一緒に死のう○
笑って貰えて嬉しいです
えれ
124のペトラのセリフ間違えてました…
一瞬に死のう×
一緒に死のう○
笑って貰えて嬉しいです
エレンようやっとシガンシナ症候群治りました
二重投稿すいません…
五章書けたらまた来ます
五章書けました…
ほのぼのではありません
それでは、いきますね
…パシュッ
ヒュン…
…パシュッ
ヒュン…
…パシュッ
───巨大樹の森。
女型の巨人の捕獲に失敗し、退却合図が出された。
リヴァイ(………あいつら何処まで行ってやがる)ヒュン…
パシュッ
ヒュン…
───少し進んだ先に、繋がれた馬を見つけた。
リヴァイ(……退却命令は出ている…にも関わらずまだここに来ていない)
リヴァイ(……………迷子か…?)キョロ
リヴァイ(………?!)
リヴァイ(……………この声)
リヴァイ(……………まさか)パシュッ
ヒュン
リヴァイ(………戦ってんのか)パシュッ
ヒュン…
パシュッ
ヒュン
…
グンタ「…………」
リヴァイ「…………」
グンタ「…………」
リヴァイ「…………」
グンタ「…………」
リヴァイ「…………」
リヴァイ(……グンタ…いつも暴走しがちな班員をまとめてくれたな…)
リヴァイ(……俺の話もケラケラ笑いながら聞いていた…)
リヴァイ(……お前の髪、さわり心地良かったぞ…)
リヴァイ(……もっと色々な理由つけて撫でてやれば良かった…)
リヴァイ(…………)カサカサ
スッ
グンタ「…………」カポ…
リヴァイ「…………後で木から下ろしてやる…しばらく我慢しててくれ」パシュッ
ヒュン…
───帰ったら皆に配ろうと思ってたヴェルタースオリジナルが
一つ、減った。
エルド「…………」
リヴァイ「…………」
エルド「…………」
リヴァイ「…………」
エルド「…………」
リヴァイ「…………」
リヴァイ(……エルド…お前がヴェルタースオリジナルを教えてくれたおかげで…)
リヴァイ(……俺の周りでは笑い声が増えた気がする)
リヴァイ(……いつの間にか人にあげるのが楽しみになっていた…)
リヴァイ(……ホットミルクチョコレート、旨かったぞ…)
リヴァイ(…………)カサカサ
スッ
エルド「…………」カポ…
リヴァイ「…………後で迎えに来る…またな」パシュッ
ヒュン…
オルオ「…………」
リヴァイ「…………」
オルオ「…………」
リヴァイ「…………」
オルオ「…………」
リヴァイ「…………」
リヴァイ(……オルオ…最初俺の真似をしだした時…ふざけてんのかと思ってたが…)
リヴァイ(……すぐに俺を尊敬してくれてるのが伝わってきた)
リヴァイ(……まぁ…お前はお前のままで十分良い男だったと思う…)
リヴァイ(……気になってたんだが…ハンカチ、使わないと持ってる意味ねぇぞ…?)
リヴァイ(…………)カサカサ
スッ
オルオ「…………」カポ…
リヴァイ「………後で来るから…食われんじゃねぇぞ…」パシュッ
ヒュン…
ペトラ「…………」
リヴァイ「…………」
ペトラ「…………」
リヴァイ「…………」
ペトラ「…………」
リヴァイ「…………」
リヴァイ(……ペトラ…いつも犬みてぇに俺に愛情ぶつけてきたな…)
リヴァイ(……かといって…そういう関係になりたいわけでもなさそうで…俺は、それに甘えていたようだ…)
リヴァイ(……あれは確か、ハンジと二人で怒られた時……)
散々叱りつけたあと、少し温くなったミルクチョコレートを渡されて。
口にした時──心臓が、止まるかと思った。
チョコレートの陰に隠れて強烈にする、ヴェルタースオリジナルの味に
とうとうこの日が来たのか、と。
もう、一方的に愛情を与えるのは疲れたと。
自分の女にするつもりか、しないのか。
返事を求められてると思った。
期待に瞳を輝かせてるのか?
いつまでたっても答えない俺を
恨んだような瞳で見ているのか?
そっとお前を盗み見ると
…そのどれでもなかった。
………お前は、笑ってた。
……ただ嬉しそうに笑ってた。
自分が与えた愛情を、俺が受け止めてる。
それだけで、満足しているようだった。
それを見て、心底ホッとする自分がいた。
このままの関係で、いられるのだと。
リヴァイ(………多分、俺の気持ちが誰に向いてるのかも知ってたんだろうに…)
リヴァイ(……無償の愛ってのは…お前がくれたような愛情の事を言うんだろうな…)
リヴァイ(…………)カサカサ
リヴァイ「…………」カポ
ペトラ「…………」
リヴァイ「…………」
………スッ
────そっと、目を閉じる。
『……兵長、白雪姫知ってます?』
『私が死んで…ピンチになった時に』
『颯爽と現れて、目覚めのキスをしてくれるのは』
『……兵長がいいです!』
『兵長のキスで 目覚めたい!!』
───目を開ける。
先程と変わらない、光景。
リヴァイ「……悪いなペトラ…」
リヴァイ「……俺はお前の王子様にも…ヒーローにもなれねぇようだ…」
リヴァイ「…………喉、詰まらせんなよ…」
そっと頬を撫で、立ち上がり
木々の隙間の、狭い空を見上げる。
─急ごう。
エレンがこの森の何処かで戦っているはずだ。
…パシュッ
ヒュン…
…パシュッ
ヒュン…
耳を澄ませても
アンカーを発射する音と
風を切る音
木々のざわめきしか聞こえない
…パシュッ
ヒュン…
…パシュッ
後ろが、やけに広い気がする
リヴァイ「……………チッ」ギリッ
口の中では
血と、涙の味を包み隠すように
ヴェルタースオリジナルの優しい香りが広がっていた
~ 第五章 『特別な存在なのだと 感じました』 完 ~
読んでくれてありがとう。
リヴァイ班大好きです。
気を取り直して、六章行きます
やっと出てきたアルミカサ!
今しがた出来た資料を持って、大急ぎで会議に向かう。
かなり時間が過ぎてしまった。
バターーーン!!
ハンジ「ごめん!遅くなった!」
エルヴィン「……先程終わってしまったよ、ハンジ」
ハンジ「資料纏めるの大変だったんだよー!基本的な資料は出来上がる度に送ってたから大丈夫だったでしょ?」
エルヴィン「まぁ、そうだな。ここと君の部屋を往復するモブリットが大変そうだったよ」
ハンジ「あはは!彼にはチップをやってあげてね!そうそう、これ残りの資料」パサッ
ハンジ「まぁ捕捉みたいなものだから明日にでも配るといいよ!……お、エレン!」
エレン「……どうも…」ペコリ
ハンジ「どう?!巨人になった後遺症、治った?!」
エレン「………えぇ、まぁ……」
ハンジ「もうねぇ、すぐにエレンのとこ行きたかったんだけどエルヴィン人使い荒くってさぁ」アハハ
エレン「は、はぁ…」
ミカサ「…………」スッ
ハンジ「…………?」
ミカサ「…………」
ハンジ「……おぉ!確かエレンの…」ポン
エレン「……こいつミカサって言います。その横にいるのはアルミンです」
アルミン「よ、宜しくお願いします!」ペコリ!!
ミカサ「………」ペコ
ハンジ「審議所で一度会ってるよね、宜しくね!女型捕獲作戦頑張ろうね!」ニコ
ハンジ「ミカサはリヴァイと一緒にエレンを女型から奪い返したんだよね!」
ミカサ「…………はぃ」サッ
ハンジ(ありゃ?)
ミカサ「………」ウツムキ
ハンジ「女型とやりあった経験者だ!頼りにしてるよ!」ノゾキコミ
ミカサ「………はぃ」サッ
ミカサ「………」ウワムキ
ハンジ(なんぞこれ)
リヴァイ「…新兵で遊ぶなクソメガネ」カチャカチャ
ハンジ「リヴァイ!怪我の具合どう?!」
ミカサ「………っ」ビクッ!!
リヴァイ「……問題ない。しばらくは作戦に参加しないがな」コトン
ハンジ「いやーお見舞いすぐ行きたかったんだけどさぁ、エルヴィンが人使い荒くってさぁ」
リヴァイ「………てめぇが来ると悪化する」
ハンジ「それひどくね?!怪我人にイタズラしないよ!」プンプン
エルヴィン「……それはなんだい、リヴァイ?」
リヴァイ「…ホットミルクだ…チョコレートは切れてた」スッ
エルヴィン「ほう!君がこういうのを飲むのは意外だな」
リヴァイ「…エルドに教わった」
エルヴィン「……あっ、あぁすまない」アセ
リヴァイ「………?」
ハンジ(……あぁ、勘違い続行中だわ)
エレン「いただきます、兵長」
リヴァイ「…………」スッ
アルミン「あ、ありがとうございます」
リヴァイ「…………」スッ
ミカサ「…………」ペコリ
リヴァイ「…………」
ミカサ「…………ッ!」サッ!!
リヴァイ「…………」
ミカサ「…………」ウツムキ
ハンジ(なんぞあれ)
ハンジ「あれ?私の分も入れてくれたの?」
リヴァイ「……てめぇの事だから遅れても来るだろ」
ハンジ「よくわかっていらっしゃる!」アハッ
ハンジ「しっかしリヴァイ、ホットミルクお気に入りだね~」
リヴァイ「……温かくて眠りやすいそうだ」
ハンジ「……そうかぁ」
リヴァイ「……なんだてめぇ…よくミルク飲むのに何でチビなんだこいつ、とか考えてるのか?」
アルミン「ぶほぉ?!!」ブッ!!
アルミン「ごほっ!ごほっ!」
エレン「ア、アルミン?!」アセッ
リヴァイ「……ほう…つまり……アルミンは考えてるって事か…」
アルミン「い、いえ!ただ兵長がそういう冗談を言うのだと…び、びっくりしまして!」ゴホゴホ
ハンジ「嘘はいけないなぁ~アルミン」ニヤッ
アルミン「いや、ほ、本当に!」ゴホゴホッ
ミカサ「……アルミン」
アルミン「な、なんだいミカサ」ゴホゴホ
ミカサ「……アルミン、鼻から牛乳」
エルヴィン「ぶふぉ!!!」ブッ!!
エレン「だ、団長?!」アセッ
リヴァイ「………」机フキフキ
エルヴィン「ぶ、ふふ…っ!ミ、ミカサ!今のは反則だ…!」ブフッ!!
ミカサ「………?!」オロオロ
エルヴィン「………た、淡々とリズミカルに…ふふっ!」プルプル
ミカサ「わ、私は…アルミンの鼻から牛乳が出ていた…ので…」オロオロ
ハンジ「ミカサ、団長にも言ったげて!」
ミカサ「…団長、鼻から牛乳」
エルヴィン「ぶほぉ!!!!!」
ハンジ「ミカサ、名前で言ったげて!」
ミカサ「…エルヴィン、鼻から牛乳」
エルヴィン「ぶぶふぉおっ!!!!」
エレン「何やってるんですかあんたたちは!」クワッ!!
リヴァイ「………」机フキフキ
エレン「ミカサを煽らないで下さいよハンジさん!」
ハンジ「ご、ごめ…ッふふ!す、素直でつい…!」プルプル
エレン「団長も団長ですよ!笑わされるのわかってて牛乳毎回飲みますか?!」
エルヴィン「…い、いやっ…ふふっ!油断をだね…んふふっ!」プルプル
エレン「ミカサもミカサだ!団長こんなに牛乳まみれにしてどうするんだ!」
ミカサ「わ、私は……」オロオロ
アルミン(……なんか申し訳ない…)シュン
ミカサ「…わ、私は…自分の体をコントロールできる…ので…」オロオロ
エレン「はぁ?!」
ミカサ「…………」グビッ!!
エレン「…………」
ミカサ「…………」
エレン「…………」
ミカサ「…………鼻から牛乳」タラッ
エルハン「「ぶふぉお!!!!」」
エレン「何やってんだミカサ!」クワッ!!
エルヴィン「……ふっ、ふふふ!」プルプル
ハンジ「……………っ!!!」プルプル
エレン「あのなぁ!ミカサ…!」
ミカサ「…………」オロオロ
エレン「…………」
ミカサ「……エ、エレン」オロオロ
エレン「…………」
エレン「……ぶふっ!!」
ミカサ「……?!!」ビクッ!!
エレン「…は、鼻の下拭け!ひひっ!」
ミカサ「……え、え?」オロオロ
ハンジ「…無表情で鼻から牛乳…ふっ!」プルプル
エルヴィン「言うな…っハンジっんふふふ!」プルプル
アルミン(………た、堪えろッ堪えろ!)プルプル
リヴァイ「………」机フキフキ
ミカサ(……よ、よくわからない、けど)
ミカサ(…………エレンが笑ってる…)
ミカサ(…………よかった…)フッ
ハンジ「鼻から牛乳…たらしッながらっふふ!ほほえん…ふふ!」プルプル
エルヴィン「言うなっ…ハンジっ、ふふ!」プルプル
アルミン「ぶふぉ!!」ブッ!!
エレン「ふ、ふふふ!」プルプル
ミカサ「…………」
リヴァイ「…………」
ミカサ「…………ッ!」サッ!!
リヴァイ「…………」
ミカサ「…………」ウツムキ…
リヴァイ「……布巾とってくる。ハンカチじゃ間に合わねぇ」カタッ
エルヴィン「す、すまないリバ…っ!ふふ!」
リヴァイ「…………おう」スタスタ
ポフッ スタスタ
ミカサ「……?!!」バッ
エレン「…フゥ……あれ?なんで頭撫でられたんだミカサ?」
ミカサ「……わ、わからない…」オロオロ
ハンジ(………あー…、そうか…)
ハンジ「……ミカサ、リヴァイの怪我気にしてる?」
ミカサ「………!!」ビクッ
ハンジ「………やっぱり。」
エレン「……兵長の怪我、ミカサが関係あるんですか?」
ハンジ「………んー…」
ミカサ「…私が命令を無視した、から…」
ミカサ「…のに、私を庇って…」ウツムキ
エレン「……兵長が、ミカサを…」
ハンジ「……はいエレン君!ミカサ君にアドバイスありますか?」
エレン「えぇ?!…う~ん…」
エレン「……多分、兵長は…後悔はしてても、それも受け入れてると思います」
エレン「……自分で判断して、庇ったから」
エレン「だから、怪我は気にするなって意味で、頭を撫でたのかな、と」
エレン「…だからミカサが今すべき事は兵長を気にする事じゃなくて」
エレン「……自分の罪悪感と戦って…同じ間違いをしないように考える事、かな?」
ミカサ「…………」
ハンジ「ちなみにね、ミカサ」
ミカサ「……はい」
ハンジ「今リヴァイが席を立ったのは、あなたに気を使ったんだと思うよ」
ハンジ「せっかく笑ってたのに、リヴァイの顔見てすぐ表情固まるんだもん!」
ハンジ「……だから、少しでもずっと笑えるように、顔を見なくてすむよう席を立ったんだと思う」
ミカサ「………」
ハンジ「……と、まぁお姉さんの大きな独り言でした」
アルミン(…思いっきり名前呼んでたような)
ミカサ「…………」ガタッ!!
エレン「……ミカサ?」
ミカサ「……乗り越えた。伝えてくる」
エレン「……頑張れよ」ニコ
ミカサ「………ありがとう」クルッ スタスタ
ハンジ「…ミカサは立ち直った、と。……エレンは大丈夫そうだね」
エルヴィン「君はお節介おばさんの道をまっしぐらだな」フフッ
ハンジ「いいじゃんほっといてよー」アハッ
その後、納得してないお前を連れていった自分のミスだと言われて、再び落ち込んで戻ってきたミカサの手には
ヴェルタースオリジナルが握られていた。
~ 第六章 『前を向く』 完 ~
お疲の言葉、ありがとう!
五章で終わろうか悩んだけど、書きたいの書き尽くしてから終わろうと思い直しました。
前半と全然別物になるかもです。
予定ではこの後外伝が一本、本編が一本、エピローグが入ります。
外伝出来ました
ギャグにしようと思ったらシリアスに…
先に言っておくね、ファンの方すいません…。
それでは、いきます
何が起きているのか解らなかった
目の前にいる体毛で覆われた巨人
その目に見つめられたとき
思考も、体の自由も
全て、停止してしまった
獣の巨人『…それ、なんて言うんですか?』
ハァ…ッ ハァ…ッ!
自分の荒い呼吸の音が
頭に響いて痛かった
獣の巨人『その、腰のやつ』
獣の巨人『…う~ん、言語は同じはずなんだがなぁ』
獣の巨人『まぁいいか、持って帰れば』
手を伸ばしてきた
食われる…!恐怖で体を丸めてしまう
その時、鼻を掠めた
甘い匂い
獣の巨人『あぁ、やっぱりヴェルタースオリジナルだね』
………??!!!
ヴェルタースオリジナル…!
俺の、ヴェルタースオリジナルを盗ったのか!
獣の巨人『こんなにいらないな…そこの巨人、口開けて』
そこの巨人『………カパッ』
ポイ ポイ…
……俺のヴェルタースオリジナルを!
巨人の口に入れやがった!!
クルリと後ろを向く獣の巨人…
そこの巨人は、動かない
取り返すなら今のうちだ
そう考えるより早く、体は巨人の口の中に入っていた
一個、二個と集める
後ろで、獣の巨人が何かを言った気がした
獣の巨人『…なんだ、ちゃんと喋れるじゃん』
獣の巨人『しかし、なんで壁の中にヴェルタースオリジナルがあるんだー?』
~ 外伝 『甘い罠』 完 ~
読んでくれてありがとう!
好きだと言ってもらえて嬉しいです。
後お話は2つですが、最後までお付き合いしてくれると嬉しいです。
それでは、また書き終わったらきますね。
応援ありがとう!
七章、できました
それでは、いきますね
なんという1日だろう。
女型の巨人、アニ・レオンハートを捕らえ
壁の中に巨人がいることを発見し
それだけでも怒涛の1日だった、と言えるのに
ウォールローゼが突破され、巨人が侵入してきたのだ。
ハンジ「あぁあ!もうわっけわかんねぇ!」クシャクシャッ!!
リヴァイ「……騒ぐなら自分の部屋でしろ」書類ペラペラ
ハンジ「調べても調べても謎ばかりなのに!次から次に謎が来やがる!」キー!!
リヴァイ「…………」ペラペラ
ハンジ「しっかもリヴァイ戦闘参加出来ない時にさぁ!何なんだよこの人類のピンチは!」グァァッ!!
リヴァイ「……言っても仕方ねぇだろ…落ち着け」ペラペラ
ハンジ「……あー…酒飲みてぇ…」ガクッ
リヴァイ「…2時間後に出発だろうが…今は飲むな」書類ポィ
ハンジ「…うん、わかってる…わかってるよ」フー
リヴァイ「…………大丈夫かてめぇ」
ハンジ「………わっかんない…」
リヴァイ「……いや、わからねぇじゃないだろ…」
ハンジ「……うん、わかってる…大丈夫だよ…」フゥ…
リヴァイ「…………」
リヴァイ「…………」カタッ スタスタ
ハンジ「…………」ボー
リヴァイ「…………」カチャ パタン スタスタ
ハンジ「…………」
リヴァイ「………おい、風呂入ったか?」
ハンジ「………入ってないよ…会議終わって真っ直ぐリヴァイの部屋来たもん…」
リヴァイ「………じゃあ来い」グイ
ハンジ「……えー…入る気しねぇ…」ズルズル
リヴァイ「……うるせぇサッパリすんだろが…つべこべ言わずに来い」
ハンジ「……リヴァイ一緒に入ってくれんのー?」
リヴァイ「……俺は入った」
ハンジ「……そっかぁーあははー残念ー」
リヴァイ「……おい…投げやりすぎんだろ…」
チャポン…
ハンジ「……あのですねリヴァイさん」
リヴァイ「……なんだクソメガネ」
ハンジ「……何故私は風呂に入っているのを見られているんでしょう」
リヴァイ「……壁見てるから安心しろ…それに一緒に入れっつったろうが」
ハンジ「……いやあなた服着て突っ立ってるだけじゃん」
リヴァイ「……なんだ洗って欲しかったのか?」
ハンジ「………あなたでもそういう冗談いうんだねー…」
リヴァイ「………こう…怖いもんがある時に」
ハンジ「………」ウンウン
リヴァイ「……一人で風呂入んのは結構辛い時があるだろ…」
ハンジ「…………」ウン
リヴァイ「……ぽっかり空いた空間というか…響く音とか…目を瞑った時の背後とか…」
ハンジ「…………」
リヴァイ「……まぁ、仮に…その怖いもんが来ても」
ハンジ「…………」
リヴァイ「……一匹位なら…まぁ、生身でも俺が倒せるだろうが」
ハンジ「…………」
ハンジ「……リヴァイちょっとこっち来て」チョイチョイ
リヴァイ「………あ?なんだ」スタスタ
ハンジ「…………」ザバッ
顔ガシィッ!!
リヴァイ「は?!!」
ハンジ「…………」ジー
リヴァイ「……なん…だ?」
ハンジ「……ん、ありがと……」チャポン
リヴァイ「……?!意味がわからねぇ…」顔フキフキ
ハンジ「……聞きたい事あるんだけどさ」
リヴァイ「………なんだ」
ハンジ「………お風呂上がったらね」
リヴァイ「………」ウンウン
ハンジ「……私と寝るつもりだった?」
リヴァイ「……は?……寝ねぇよ」
ハンジ「……質問変えるね」
リヴァイ「………」ウンウン
ハンジ「……私を抱くつもりだった?」
リヴァイ「……抱かねぇよ」
ハンジ「……質問変えるね」
リヴァイ「………」
ハンジ「……私とセッ」
リヴァイ「さっきから意味が変わってねぇじゃねぇか?」
ハンジ「……そうだね」
リヴァイ「………そんなつもりは、ない」
ハンジ「………安心した」
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「……そうだよー」フフ
ハンジ「……まぁぶっちゃけるとね」
リヴァイ「………」
ハンジ「……私は多分、抱かれに来たんだと思う」
リヴァイ「………」
ハンジ「……もう色んな事がありすぎて、怖くて…」
ハンジ「……考えるのが嫌になって、逃げたくって」
ハンジ「ごめんね、本当に無責任なんだけど」
ハンジ「人類最強さんに全て投げつけて」
ハンジ「…俺に任せろー…守ってあげるよーって」
ハンジ「全部忘れられるくらい、抱き締めて欲しかったんだと思う」
リヴァイ「………」
ハンジ「……まぁリヴァイ優しいから、守ってくれる的な事、言ってくれた訳だけども」
ハンジ「……あなたの顔を見て…後悔したね」
ハンジ「……そんなこと考えてた自分に、後悔した」
ハンジ「……この間の、エレンやミカサを見てた時のような」
ハンジ「……すっごい心配してる顔してた」
ハンジ「……こいつ、大丈夫だろうか?て顔」
ハンジ「……今までそんな顔で見られた事無かったから」
ハンジ「…あぁ、私信頼されてたのかなぁって…」
ハンジ「認めてくれてたのに…自分で壊しちゃった」チャポチャポ…
ハンジ「……リヴァイ、さっき私の命預かったでしょ」フフフ
リヴァイ「……まぁ、そうだな」
ハンジ「……怪我してるくせにねぇ」ウフフ
ハンジ「……ちゃんと返してね、自分で自分守れるから」
リヴァイ「………」
ハンジ「……お風呂、あがっ…たらで、いいから」グスッ
ハンジ「……ごめんね、リヴァイ怪我で戦えないの辛いはずなのに」ポロポロ
ハンジ「……人類のピンチ、リヴァイのせいにしちゃってたね」グス
リヴァイ「……そうだったか?覚えてねぇ」
ハンジ「……へへ、ありがと」クスン
ハンジ「まぁそんな訳で、こんな気持ちでリヴァイと寝たくないなぁって思ったわけ」
ハンジ「だから今日は諦めてね!」アハッ
リヴァイ「……俺が抱くの前提か」
ハンジ「あはは!ごめんごめん!期待してたら悪いなぁって思って!」パチャパチャ
リヴァイ「……してねぇ」
ハンジ「あはは!またまた!」
リヴァイ「………削ぐぞ」
ハンジ「ふふ、やなこったー♪」フフフ
ハンジ「あーさっぱりした!ありがとね!じゃ、私部屋戻るわ!」サッパリ!!
リヴァイ「……今ミルク温めてるから少し待て。それ持ってけ」
ハンジ「おぉ!チョコレートはあるの?」
リヴァイ「……ある。じゃあ入れるか」
ハンジ「やった、楽しみ」フフ
リヴァイ「あぁ、それと…」スッ
ハンジ「…わぉ!ヴェルタースオリジナル!」
リヴァイ「……お前の事は、認めてる」
ハンジ「あはは!ありがとー♪あ、ちょっと待って!」タタタ ゴソゴソ
ハンジ「…じゃーん!私も買って来たのだよ!」
リヴァイ「…ほう、くれんのか?」
ハンジ「うん!」ガサガサ パクッ
リヴァイ「…………は?」
ハンジ「あ、リヴァイも自分の食べて!」
リヴァイ「…………」ガサガサ…パク
ハンジ「ありがとー♪」サスサス
リヴァイ「……頬を撫でんな」
ハンジ「逃げないんだねー」サスサス
リヴァイ「……まぁ…今日は、特別に」
ハンジ「…んじゃ、交換会しちゃってもいいのかな?」
リヴァイ「……3回行き来する位なら」
ハンジ「ふふ、ありがとー♪」
それは甘くてクリーミーで
こんな素敵なキャンディーを交換できる私は
きっと特別な存在なのだと思いました
~ヴェルタースオリジナル体験記
ハンジ・ゾエの投稿より~
鼻を摘ままれた気がした。
気にしなかった。
おでこを押された気がした。
気にしなかった。
襟を引っ張られた気がした。
気にしなかった。
顔を優しく包まれた気がした。
気のせいだった。
ハンジ「………いっっってぇえええ!クソいってえぇ!!」ギャーー!!!
ハンジ「何すんだよリヴァイ!!力一杯耳引っ張ったら痛いだろ!!」
リヴァイ「……さっさと止めねぇからだろが」ゴゴゴ
ハンジ「なんだよ!それならもちょっと普通に止めてよ!」プンプン!!!
リヴァイ「……てめぇ……人がどんだけ…」ピキッ
ハンジ「……そんなに長いことしてたんだね…ごめん…」ガクッ
リヴァイ「……お前本当に生き急ぎすぎだ」クルクル
ハンジ「モブリットに足向けて寝れないわ」アハハ!!
リヴァイ「……元気だな」クルクルクル
ハンジ「おかげさまで!」
リヴァイ「……できたぞ」つ マグカップ
ハンジ「うぁぁああ!現実が一気に押し寄せてきたぁぁぁ!!」ギャーー!!!
ハンジ「…まぁ自分なりに精一杯頑張ってみるよ」フゥ
リヴァイ「………悪いな」
ハンジ「ほらもうその顔止めてー…もう許してくんないかなぁ!」ウゥッ
ハンジ「そういう訳で!時間ギリギリまで部屋で調べものしてくるわ!」シュタ!!
リヴァイ「……おう」
ハンジ「……あっそうだ」
リヴァイ「…………?」
ハンジ「私ね、ヴェルタースオリジナル、リヴァイにしかあげてないよ!」
リヴァイ「………俺も交換会とやらはペトラとお前しかしてねぇ」
ハンジ「うッはぁ、正直者すぎるでしょー」アハハ!!
リヴァイ「……調べものすんだろ?早く行ってこい」
ハンジ「ん、任せて!!」
そう、それは とても甘くてクリーミーで
そんな素晴らしいものを 与えたいと思うのは
それは、きっと─────
~第七章 『特別な存在だからです』 完 ~
こんばんは。
エピローグ、できました。
それでは、いきますね。
エルミハ区に向かう途中。
立ち寄った休憩所で、私はアルミンを探した。
ミカサ「…アルミン」タタタ
アルミン「あ、ミカサ!エレンは?」
ミカサ「まだ馬車で寝ている。…リヴァイ、兵長が、見てる」
アルミン「そっか!じゃあ僕がそろそろ休憩交代に戻らなきゃ」
ミカサ「いえ。ベルトルトを貰って来た。ので、それを食べ終えたら来いと言っていた」ゴソゴソ
アルミン「え?ベルトルト?」
ミカサ「…確かポケットに…」ゴソゴソ
アルミン「……ベルトルト・フーバー?」
ミカサ「いいえ。ベルトルト・オリジナル」
アルミン「……もしかしてヴェルタースオリジナル?」
ミカサ「そう、それ」ハイ
アルミン「適当すぎるよミカサ!」アハハ
ミカサ「……実は相談がある。食べながら聞いてほしい」コロコロ
アルミン「うん、どうしたの?」モグモグ
ミカサ「……リヴァイ、兵長、の事なのだけど」コロコロ
アルミン「…うん」
ミカサ「…困惑している。」
アルミン「……な、何に?」
ミカサ「…リヴァイ、兵長に」
アルミン(まだ名前呼ぶのに抵抗があるんだね…)モグモグ
ミカサ「私の経験では…私より強い大人の男は」
ミカサ「私の、大事な家族を奪っていった、そういう悪い奴だった」
ミカサ「…のに、リヴァイ、兵長は、私を庇って、エレンも助けてくれた」
ミカサ「……気も、使ってくれた」
アルミン「うん」モグモグ
ミカサ「……わからない。彼は悪い奴ではないの?」
アルミン「…僕にとっては大事な親友二人を助けてくれた恩人だよ」モグモグ
ミカサ「アルミン…私もアルミンが大事」
アルミン「あはは、ありがとう」フフッ
ミカサ「あと…さっきの、馬車で」
ミカサ「…彼が、同じ馬車に乗って来たときに、少し、体の力が抜けた」
アルミン「あー…、それは安心感じゃないかな?僕も感じたし」
ミカサ「安心感?」
アルミン「…あぁそうか!ミカサは普段与える側だからね。う~ん、なんて説明したらいいのかなぁ…こう…なんか…」ウーン
ミカサ「アルミンでも説明出来ない事あるのね」フフッ
アルミン「まだまだ勉強しなきゃだよ」アハハ
アルミン「リヴァイ兵長ってさ、結構兵士を観察してるよね」
ミカサ「確かに、よく目を向けている」ウン
アルミン「見守ってくれてるんだなぁって、少し嬉しくならない?」
アルミン「なんだかお父さんみたいだよね」フフ
ミカサ「……お父さん」
ミカサ「アルミン、それはあり得ない。こう言ってはなんだけど…」
ミカサ「私は、お父さんもグリシャおじさんも、3秒で倒せる自信がある。でも彼は、1時間かけても倒せる気がしない」
アルミン「待って待って待って!何で倒せる倒せないの話になるの?!」ハワワワ!!
ミカサ「私の経験では、優しい大人の男の人は、私より弱い」
アルミン「うーん、ミカサはね、多分こう…根本的な所から勘違いをしてると思うんだ」
ミカサ「………なんだろう」
アルミン「ミカサより強い大人の男の人が、悪い人だとは限らないよ?」
アルミン「ただミカサの場合は、前例があるから、それに捕らわれてて…」
アルミン「エレンは、ミカサを助けてくれた、家族だよね?」
ミカサ「…………そう…」
アルミン「じゃあ、リヴァイ兵長も、ミカサを助けてくれた家族、にはならないの?まぁ、これは極端だけども」
ミカサ「……………」
ミカサ「………笑わないで聞いてほしい」
アルミン「うん、なんだい?」
ミカサ「……本当に笑わないで聞いてほしいんだけれど…」モジモジ
アルミン「大丈夫だよ!どうしたの?」
ミカサ「……実は、リヴァイ、兵長、の背中が、大きく見える時がある」
ミカサ「あり得ない、のに、大きく見える」
アルミン(さりげなく酷い事を…)
ミカサ「……笑ってない?」ノゾキコミ
アルミン「笑ってない笑ってない!」ブンブン!
アルミン「でもそうだね、それだとやっぱり、お父さんを重ねてるんだと思うよ」フフ
ミカサ「……わからない」
アルミン「ミカサは元々、血縁がなくても家族、が身に付いてるからさ」
ミカサ「でも、エレンに感じる感情と、違う」
アルミン「あ…う~ん、これは僕が言ってもいいのかな…」ウーン
ミカサ「なんだろう」
アルミン「さっきはね、家族なんて言っちゃったけど……ミカサがね、エレンに感じてるのは多分…、あの…」
アルミン「………恋なんだと思うよ」
ミカサ「……アルミンは、時々、面白い事を言う」
アルミン「…まぁ、僕はミカサじゃないから、予測でしかないんだけども…でも、なんか、ごめんね…?」
ミカサ「聞いたのは私。アルミンは気にしないで」
ミカサ「……少し、考えてみる」
アルミン「うん…ってあぁっ!キャンディーすでに口にないや!僕馬車に戻るね!」ハワワ!!
ミカサ「…うん、ありがとう」
慌てて馬車に向かうアルミンを見てると、途中で振り返り、柱を指差しながら『おいでおいで』とジェスチャーをしてきた。
なんだろう?
私が気づいて歩き出したのを見て、再びアルミンは馬車に向かって走って行った。
アルミンが指差した柱の前にたどり着く。そこには、お爺さんと子供が写っているポスターが貼られていた。
よくわからない記号の横に『ヴェルタースオリジナル』と書かれている。
そして、さっき貰ったキャンディーの写真。
そして…これは、なんだろう?
短い小説を、私は読み始めた。
子供の頃に、お爺さんに貰った【特別な存在だと感じる事ができた】美味しいキャンディーを、【特別な存在である】孫に与える、そういうストーリーだった。
ヴェルタースオリジナル……さっき、リヴァイ兵長から、貰ったもの。
以前、貰った時の事を思い出してみる。
エレンは、俺も何度か貰ったと、嬉しそうに話していた。
アルミンは、食べたことがないから感想聞かせてね、と言っていた。
そう。その時彼は、私の分、1つをくれていたのだ。
でも、今日は私に、アルミンの分も、と渡してきた。
そして、私が見る限り、他の人にはあげていない。
誰にでも、配っている訳ではない……。
──つまり、なっているのだ。
私達3人は、彼の、特別な存在に。
馬車に目をやる。
アルミンと交代で、彼が休憩に入る為に馬車から降りようとしていた。
足を怪我している。大丈夫だろうか。そう思った時に、馬車の横に立っていたハンジ分隊長が手を差しのべていた。
少し苦々しい表情をしながらも手をとり、降りてから何かを話している。礼でも言っているのだろうか。
その光景を見て、微笑ましく思う。エレンならこうはいかないだろう。
そう、エレンなら………。
──ドクン、と心臓が高鳴った。
………気づいてしまった。
エレンなら、まず、この光景を見ることがない、ということに。
あれが、もし、エレンなら。
私は、すぐに走りだし、ハンジ分隊長を押し退け、自分が手を差しのべるだろう。
そして、エレンに叱られる。
それでも、私は、エレンを他の女に触らせたくない。
エレンの世話は、私がしたい。
私のエレンで、いてほしい。
……そう、これは、独占欲。
そしてこの気持ちの元は……
……………これは、きっと、恋なのだ。
──アルミンは、すごい。
私でないのに、私の気持ちを見抜いていた。
と、すると…彼への感情も、恐らく……。
私が見ているのに気がついたのか、彼がこちらを向く。
視線が、重なる。
今日は、目を、逸らさなかった。
しばらく見つめあっていると、彼の横で何かがヒラヒラしているのに気付いた。
そちらを見るとハンジ分隊長が笑顔で手を振っている。
ぺこり、と頭を下げて返事をする。
再び彼を見る。既に周りの風景に目をやっていた。
若く見えるが、それなりの年齢だと聞いている。
戦闘に参加できるのは、10年……長くて15年位だろうか。
それまでに、私は彼を越えよう。
そして、人類最強の肩書きを手にしよう。
決意を胸に、歩き出す。
母の印を、何の疑問も持たずに受け継いだように。
私が彼の肩書きを受け継ぐのは、至極当然の事に感じた。
~ エピローグ 『紡いでいく、自由の翼』 完 ~
以上です。
ss初めて書くので、突っ込み所満載かと思われますが、書ききったぞ!!やった!
読んでくれて、ありがとうございました!
応援してくれて、ありがとうございました!
それでは、皆さんに。
つ ヴェルタースオリジナル
あなたもまた、特別な存在だからです。
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