モバP「俺は極悪プロデューサー」 (157)

P「立場を利用して>>3してやるぜ!!」

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プロデュース

P「俺は極悪人だからな。ちょっとやそっとの悪事では満足しない」

P「まずはアイドルをプロデュースして立場を確かなものにしてやるぜ!!」

P「そうだな、うちの事務所に在籍している>>6にしよう!」

若林智香。

若林智香(17)
ttp://i.imgur.com/o54PlXl.jpg



P「若林智香! お前を俺がプロデュースしてやる!」

智香「はい! よろしくお願いします!」

P「言っておくが俺のプロデュース方針には口出しさせない。どんなことでも文句を言わずにやるんだ、いいな?」

智香「えっ……」

P「嫌なら辞めても構わん。わかったら黙ってついて来い!」

智香「……わかりましたっ! 私、頑張ります!」

P「そうだ、それでいい……ククク……」


P(さて、どんな方面の仕事をとってきてやろうかな)

P(ククク……>>11なんてのも悪くないな……)

アイドルチアリーディングチームのリーダー

P「ククク……決めたぞ!」

P「智香ァ!」

智香「はいっ!」

P「お前はチアリーディングが特技だったなぁ?」

智香「はい! 応援するのが好きなんです……誰かががんばってるのを見るの、すっごくドキドキして!」

P「なら存分に応援してもらおうじゃないか……ククク……」

智香「応援、ですか? それって……」

P「アイドルチアリーディングチームのリーダーだ! ハァーッハッハッハッハ!」

智香「!」

P「どうした? 緊張してるのか?」

智香「違います! た、ただびっくりして……本当ですか!?」

P「嫌なら辞めてもらっても構わないんだぞ? さぁ、どうする?」

智香「いいえ! やります、やりたいです! ありがとうございます、プロデューサーさん!」

P「ハッハッハ、言うからには見事にこなしてくれるよなぁ……?」

智香「アタシもプロデューサーさんに負けないぐらい頑張りますから!」

P(なれない環境、思うように動かない身体)

P(クックック、焦ればいい……好きなものが嫌いになるとき! どんな表情をするんだろうなぁ?)

P(チアリーディングチームのメンバーにだって工作はした)


P「……なぁ智香。リーダーだったら、まとめられるよな?」

智香「大丈夫です、アタシ……負けません!」

P「そうか、フフフ……」


P(チームメンバーは……そう、>>22>>24>>26>>28の4人! できるものならやってみるがいいさ……ククク……)

くるみ

柑奈

ウサミン

日野茜

菜々「あっ、あなたがリーダーの智香ちゃんですね! ナナは安部菜々、永遠の17歳ですっ! ぶいっ☆」
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茜「燃えたぎる情熱! 熱いリビドー!! あぁ、燃えてきましたぁー!! 私、日野茜、17歳です!! よろしくおねがいしまーす!!!」
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くるみ「ふぇぇぇ……く、くるみでだいじょうぶかなぁ……こわいよぉ……」ダパァ…
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柑奈「おぉっと、泣かない泣かない! ラブだよラブ! 涙よりも笑顔! ラブで世界はひとつになれるんだから!」
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くるみ「ぐすっ……らぶぅ?」

柑奈「そう、ラブ! 愛だよ!」

くるみ「で、でもぉ……くるみ……バカだからぁ……」

柑奈「あはは、私も時々ちゃらんぽらんって言われるから平気平気! あ、私は有浦柑奈! ラブアンドピースで世界平和が目標の19歳です!」

くるみ「うぅ……大沼くるみでしゅ……ぐすっ、泣き虫だけど、だいじょうぶ、かなぁ……」

智香「わぁ……あっ! アタシは若林智香、17歳! 大丈夫だよ、くるみちゃん……いっしょに元気になろう!」

P(問題児ばかりを集めた)

P(年上もちゃらんぽらん、年下は泣き虫)

P(同級生は電波と熱血……さぁ、バランスが取れるかな?)


茜「菜々ちゃんと智香ちゃんは同い年なんですね! 仲良くなれると嬉しいです!!」

菜々「そ、そうですねー。ア、アハハ……元気だなぁ……」

くるみ「年上の人ばっかりで怖いのぉ……」ダパァ…

柑奈「あぁくるみちゃん、よだれよだれ」フキフキ…

智香「応援の基本は気持ち! 頑張ってほしいって気持ちを相手に届けるのが大事なんです! ……大丈夫だよ、くるみちゃん!」

くるみ「う、うん……」

茜「いいですね、友情です! 青春ですっ!! あの夕日に向かって走りましょう!!!」

菜々「い、今は昼ですよー……」

茜「なら、日が暮れるまで走りましょう!!!」

菜々「えっ」

智香「ダメだよ、茜ちゃん!」

茜「ダ、ダメですか!?」

菜々「……ほっ」

智香「だってこれからレッスンだから。終わってからならきっとちょうどいいよね☆」

茜「なるほど!!」

菜々「」

くるみ「走るのぉ……? うぅ、くるみ、走るとおむねがいたくなっちゃうのに……」

柑奈「んー、ブラのサイズあってないとか? おっきいもんね」

くるみ「うぅ……だけどみんながいうからぁ……いくの、はずかしくってぇ……ぐすっ」

柑奈「今度いっしょに見にいこうか?」

菜々「ナ、ナナも! ナナもいっしょにいきたいなー! くるみちゃんのお姉さんとして!」

柑奈「あっ、じゃあ菜々ちゃんもいっしょにいこうか? いやぁ楽しみだねぇ、えへへ」

智香「それじゃあレッスン! 身体の柔らかさは大事だからちゃんと柔軟しなきゃだよっ☆」

茜「むむむむむ……ぷはぁ! ストレッチは基本ですよね!!」

柑奈「くるみちゃん、背中押そうか?」

くるみ「ううう……おむねがじゃまだよぉ……」

菜々「ハッ……ハッ……ナ、ナナだって柔軟ぐらい……柔軟ぐらいっ……!!」

茜「わぁ、菜々ちゃんすごいですね!!」

智香「次はペアで背中をそらしてあげてねっ!」

茜「はい! 菜々ちゃん、いきますよー!!!」

菜々「えっ、ちょっとまっ……」

茜「ボンバーーーー!!!!」ジャァーンク

菜々「にゃぁーっ!!!」ゴシャァーン


くるみ「いっち、にぃ、いっち、にぃ……」

柑奈「うんうん、上手上手……智香ちゃんはいいの?」

智香「あっ、じゃあお願いします!」

柑奈「はいはい、せーのっ……」

智香「ステップの練習だよっ! よく見ててね!」

  ~~♪   ――♪


柑奈「ん~~♪ いいね、いいリズムしてる!」

智香「そうかな? えへへっ、ありがとう☆」

柑奈「じゃあ次は私が弾く番だね!」

菜々「ギ、ギター!?」

茜「かっこいいですね!!」

柑奈「ありがとー。それじゃあまずは1曲目……」

くるみ「わぁ……かっこいい……」

菜々「あのぅ、レッスンは……?」

――

智香「今日のレッスンはここまでっ☆」

茜「お疲れ様でした!!!」

菜々「ハァ……ハァ……も、だめ……」

柑奈「おっと。大丈夫?」

菜々「か、柑奈ちゃ……さん。ありがとうございます……」

柑奈「いいの、いいの。助け合いも平和のピースだよ♪」

菜々「うぅ……すみません、えーっと、ドリンクドリンク……うそ、空?」

くるみ「あ、あの……」

菜々「えっ、あぁはい! なんですか? ナナは17歳ですからピンピンしてますよ!」

くるみ「ふぇっ……あ、あのね。くるみのジュース、飲む……?」

菜々「え……いいんですか?」

くるみ「う、うん。喉、かわいたぁーって言ってたから……いらないかなぁ。くるみの、なんて……」

菜々「い、いえいえ! 本当にうれしいです! ありがとうございます、いただきまーす! んぐっ……」

菜々「ゲホッ!? エホッ、けほっ……な、なにこれ……」

くるみ「豆乳がね、身体にいいよーってママが作ってくれたの……おいしくない……? ぐすっ……」

菜々「い、いやぁ美味しいです! 嬉しいなぁ、えへ、へへへ……」

ちょっと外出
極悪Pは極悪だからだいじょーぶだいじょーぶ

茜「さて、みなさん!!」バンッ!!!

くるみ「ふぇぇ……」

茜「見てください! 夕日です! 赤いですよ!」

智香「すごいねっ☆」

茜「ええ!! さぁ、走りましょう!!!」

智香「おーっ!」

  ガチャーンッ!   ドタドタタタタタタ……

菜々「え、ちょっと2人とも……いっちゃいましたね……」

くるみ「おいてかれちゃった……くるみがのんびりしてたからぁ……? ぐすっ……」

柑奈「はいはい泣かない! 2人は元気だねー。私たちもちょっと軽く運動して帰ろうか?」

くるみ「で、でもぉ……」

柑奈「そうだ、晩御飯もいっしょに食べようか? 菜々ちゃんは大丈夫?」

菜々「え、あ! 大丈夫です、でも……」

柑奈「まぁ、2人に合流できるか怪しいけれどどうにかなるなる。ラブで世界はできてるんだよっ!」

菜々「……た、体力が、そのう………」

柑奈「ん? あー、ジョギングでもして……このあたりだったら河川敷とか走ってそうだしいってみれば合流できないかな?」

――

茜「いい汗かきました!!」

智香「茜ちゃん、足速いんだね……ふぅっ。みんなは大丈夫かな?」

茜「あっ……わ、私、みんなを置いてきちゃったんですか!? しまったぁーーっ!!」

智香「茜ちゃん、すっごく楽しそうに走るから言いづらくって……大丈夫?」

茜「はい、私は元気です! でも、つい……大丈夫かな……あれ?」


  タッタッタッタ…

柑奈「おーい、はぁ……よかったぁ。無事合流できたね」

智香「みんな!」

菜々「ハァ、ハァッ、ハァッ、ハァッ……ぇほっ、ぇーぅっ……はぁっ……ハァッ、ハァ……」

くるみ「菜々しゃん、だいじょうぶぅ……? お、お背中なでるね……?」

菜々「う、うん……あり、ハァッ……と、ます……くるみちゃん……」

くるみ「えへへ……」

茜「み、みなさん……ごめんなさい!! いっしょにレッスンが楽しくって、つい! 張り切りすぎちゃいました!!」

柑奈「大丈夫、大丈夫。楽しいことっていいことよっ! 茜ちゃんが元気だっていうのはわかったし、いっぱいレッスンして走ってお腹も減ったでしょ」

柑奈「いっしょにご飯、食べにいこう? ハッピーよハッピー。ラブアンドピースってね♪」

茜「ご、ご飯……はいっ!! いきます!!!!」

菜々「も、もうちょっとあとでいいですか……ナナ、ほんのすこーしだけ、休憩を……」

くるみ「な、菜々しゃん……ぐすっ、元気になってよぉ……ぐすっ、ふぇ、ぇっ……」

菜々「げ、元気百倍! ナナはもうピンピンしてますよ!!」

くるみ「ほんとぉ……よかったぁ、よかったよぉ……ふぇぇぇぇ……」ダパァ…

菜々「く、くるみちゃん!? な、涙! あとよだれ! すごいことになってますから、ストップ、ストーップ! ほら、泣かないで! ちーんして、ちーん!」

くるみ「ずびーっ、ぐすっ、ぐすっ……」

智香「菜々ちゃん、くるみちゃんのお母さんみたいだねっ☆」

菜々「な、ななにをおっしゃいますか! ナナはお姉さんですよ、お姉さん!」

    柑奈「それじゃあ何がいいかな。ここら辺だと確か……」

    茜「ご飯! ご飯が食べたいです!!」

    柑奈「和食ってこと? んー、いいね。そんな気分になってきたよっ」

    智香「お肉もちゃんと食べないと、体力つかないからねっ☆ お腹ペコペコだし美味しく食べられそう!」

    菜々「そ、そうですねー。あは、あはは……けほ……」

    くるみ「ご飯……いっしょ……い、いいのかなぁ……えへ……」


P「……」

P「青春だな……」


P「……………………」

P「いや、違うだろ」

P「こう……こう、な?」

P「なにかちょっかいでも出してやるか……」

P「そうだな、たとえば>>65とか」

営業

P「情熱的な2人をハートとピースで整え、電波で仕上げて涙でラッピングしたこのユニット」

P「アイドルとしての魅力だけじゃなく、親しみやすさを覚えるためには露出を増やすべきだ」


P(……という名目で、安い金であちこちを回らせてやろう!)

P「アイドルのくせにまともなライブじゃなく地道な応援団もどき!」

P「ハァーッハッハッハッハ! 心が折れるかもなぁ!!」

P「ククク……どんな表情するのかが楽しみだぜ……」

――

――――

――


P「――というわけでな。仕事だ」

智香「応援ですかっ!?」

P「ああ。まずは地元高校の野球部、その次は別の学校のサッカー、縁日の手伝いなんてのもあるな」

智香「こ、これは……」

P(ククク……驚いてるようだな……)

智香「嬉しいです! がんばる人がたくさん見れますね!」

P「……あ?」

智香「みんなにも知らせてきます! わぁーい!」

P「……フ、フフ。強がりだな」

菜々「お仕事……お仕事なんですね!」

茜「楽しみですっ!!」

柑奈「ブラスバンド部とかとコラボして……いいね、いいねっ♪ インスピレーション湧いてきたよ! 音楽っていいよね!」

くるみ「だ、だいじょうぶかなぁ……くるみ、じゃまっていわれないかな……」

智香「大丈夫だよ、くるみちゃん。最初に、それで最後に。一番大事なことは……ここ!」

   ぽにゅっ

くるみ「……おむね?」

智香「……心だよっ☆」

くるみ「こ、こころ……うんっ……」


P(……なに、強がりだ。地味なことが続けばやる気なんて――)

― 野球部応援 ―



智香「フレー! フレー!」バッババッ

茜「がんばってくださーーーーい!!!!」



  部員A「ウオォオオオテンションあがってきたァアアアアア!!!」 ぐゎらがきぃいん!!」

  相手A「なんの俺たちも負けるかオラァァアアアア!!!!」バシーンッ!!



菜々「……最近の若者って、すごいんですねぇ」

柑奈「応援の効果って大きいんだね。これも祈りの力、かな?」

くるみ「ぐすっ……こわいよぉ……」


  部員B「……もうちょっと静かにやるぞ」

  相手B「上等だこらー……」

― サッカー部応援 ―


茜「ボールが転がってますよ!! 追いますか!? 追いかけますか!!?」

くるみ「こ、こっちにきたぁ……わぁっ!」

  ぼいーんっ
             テンッ  テンッ…

  部員C「……タイム」

   ピーッ

  部員C「……いや、無理だって。今立てないもん。無理無理」

  

菜々「ナイストラップ……でいいんですか? あれ」

智香「体を張ったナイスプレーだよっ、くるみちゃん☆」

柑奈「見るだけじゃなくって参加もする。いいよね、見るだけじゃわからないことも経験できるなんて♪」

― 縁日応援 ―

菜々「ふぅ。なんだかこうしてると子供に戻った気分です」

おっちゃん「いやぁ、嬢ちゃんたちみたいなべっぴんさんに手伝ってもらえるなんて嬉しいなぁ」

智香「えへへ、お手伝いできてアタシ達も嬉しいですから! ありがとうございますっ☆」

おばちゃん「かわいいねぇ。綿菓子食べるかい?」

くるみ「おいしいよぉ……えへへ、ありがとぉ……」

茜「わ、私もいいですか!? ありがとうございますっ!!」

おっちゃん「はー、嬢ちゃんもどうだい? こう暑いとやっぱり冷えた飲みもんのほうがいいだろ、キンキンにしてあるからな」

菜々「ありがとうございま……ハッ!? こ、これはコーラですからね!」

おっちゃん「ん? そりゃあそうだろ、ハッハッハ……」

柑奈「太鼓のリズムにギターも乗せて……うん、いいね。ハートに響く、素敵な音楽!」

― ゲートボール応援 ―

爺ちゃんA「ほいっ」

柑奈「見える……光の道が……!」

菜々「柑奈ちゃん!?」


― ボウリング応援 ―

茜「がんばれーーー!!!!!」

ボウラー「ピンが……倒れた……!?」

菜々「これってストライクでいいんですか?」


― 応援団応援 ―

くるみ「ふれぇーっ、ふれぇーっ!」ボイーンボイーン

団長「……フッ、ワシが女に負けるとはな」

団員「団長!!!」

――――

――


P(……おかしいな。そろそろ音をあげるころだと思うんだが……)

智香「あっ、プロデューサーさん! 今日のお仕事はなんですか?」

P「仕事? そうだな……いろいろ依頼が来ててな……」

智香「そうなんですかっ! 応援されたがってる人がいる……頑張ってる人がいるってことですよね! ドキドキしてきましたっ!」

P「そうか……」


P(……まったく堪えてないようだな。だが、仕事の態度はどうかな?)

P(そろそろ飽き飽きしてきただろう。その姿を見せてみろ! ちょっとでも情報が洩れれば即炎上だ)

P(叩きってのは怖いからなぁ。ハッハッハ、どれどれ調べてみるとするか……)




   「くるみちゃん最高だわ。応援するとき自分がどれだけ凶悪なのかわかってないのがずるい」

   「わかってねぇわ。茜ちゃんとか見てるだけで元気があふれて来るだろ、あの情熱でボンバーしてぇ」

   「菜々ちゃん見てるとさ、なんか胸が苦しくなるんだ……仕事に真摯っていうか。ときめくんだよね」

   「↑それ年じゃね」

   「ア?やんのかコラ」

   「はいやめやめ。世界はラブとピースでできてるんだから!」

   「……そうだな、言い過ぎたわ」

   「そうそう。さっ、今日も応援練習だぞっ☆」

   「腋毛剃れよオッサン」


P「…………」

P「……『対応が丁寧』『応援されてるはずが応援したくなった』『不良息子がラブアンドピースを掲げてボランティア始めた』」

P「そうか……ファンクラブまでできてるのか……」

P「規模も小さく、地味なもんだが……そうだな、それなら……」

P「……ククク、こいつらも調子にのっていいころだ。>>89してやるか」

重圧のかかりそうなプロスポーツの応援団の仕事を取ってくる

P「所詮、籠の中の鳥……大空は知らないままだ」

P「一気にプレッシャーをかけてやるとするか」

P「プロスポーツの応援だ。ファン以外もいるし、冷やかしだと思われたらそれだけでアウト」

P「自分のファンばかりになってぬるくなってきた環境で満足してたんだったら、心が折れるだろう」

P「フフフ……伝えた時の表情が楽しみだぜ……」




智香「プロの応援ですかっ!? 嬉しいですっ!」パァァァ…

P(輝いてやがる)

菜々「プ、プロの応援ですか!? うぅー、大丈夫かな、予習しておこう……ハッ! く、くるみちゃんは……」

くるみ「……こわい、けど。なかないもん……みんながいるから、くるみ……がんばれるの……だから……」

菜々「くるみちゃん……! えぇ、そうですよねっ! ナナも頑張りますから!」

くるみ「うんっ……が、がんば……」

菜々「くるみちゃ……ん……?」

くるみ「」ダパァ……

菜々「ひぁああ!?」

くるみ「あ、あうあう……」

茜「緊張しすぎて喉がカラカラだったので、お茶をたくさん飲んだんですけれど……ダメでしたかね?」

柑奈「あははっ、茜ちゃんも心配してあげたんでしょ? えらいえらい」

智香「よーしっ、はりきっていきましょうっ☆」

P(……本人たちはどうやら乗り気だな。唯一菜々が緊張してたが……)

P(くるみの面倒をみるうちに冷静になったか。フン、まあいい……実際どうなるかはわからない)

P(理想と現実のギャップにも人は絶望するものだ)

P「ククク……さぁて、楽しみだなぁ……」



― 当日 ―

選手A「いやぁ、今日は調子よかったよ」

選手B「こう……クるよね。胸に。答えなきゃって思う感じだった」

P(すさまじくドラマティックな大勝利しやがった)

―― ダイジェスト


   柑奈「それじゃあまずは1曲目――狙いうち!」
                                 

    茜「ううーー……じっとしてられません! みなさーん!!! 応援です!!! 応援しましょう!!!」

    菜々「いえ、いまそれを……ちょっ、茜ちゃん!? 外野席のお客さん全員回る気ですか!? ちょっとぉ!」


   智香「フレーっ! フレーっ!!」


    くるみ「がんばれーっ、がんばれーっ!」

    菜々「くるみちゃん……そうですよね、こんなに頑張ってる子がいるのに、1時間じゃ燃え尽きられません!!」


   柑奈「やっぱり愛だよね!」

   智香「そうですっ、最後に勝つのはいつだって気持ちの強い方……アタシたちは、その最後のひと絞りができるよう、応援するんです!」


      くるみ「豆乳クッキーおいしい……」

      菜々「好きだっていってましたからね。作ってきましたよー」


   茜「ボンバーーーーーーーーー!!!!」

        「「「「「ボンバァアアアアアアアアアアア!!!!!」」」」

     菜々「す、スタジアムが揺れてる……」

P「…………」

P「……運がよかったな」

P「ギリギリまで追い込まれたエースが意地を見せたり」

P「まるで高校野球のような、今日、この試合だけに全てをかけてるような……」


P「……まぁ、いい。よくないが、いい」

P「この際だから、おいておこう」

P「電話が鳴りやまない」

P「仕事の依頼か……大したもんだ」

P「なら、そろそろ本領発揮といこうか」

P「下地はできた……>>108してやるぞ、ククク……!」

世界進出

P「……そうだな。調子がいい」

P「国内でなら、そこそこの地位は築けるかもなぁ?」

P「だからこそ、身の程知らずな真似をしてもらおうか……クックック」

P「世界だ。日本を出る……文化も何もかも違う……」

P「ストレスで身体を壊すか? どうかな……フフ、ハハハ……ハァーッハッハッハァー!!」



智香「世界っ……!」

P「そうだ、怖いか? フフ、怖いだろう」

智香「はい、ドキドキしてます……でも、大丈夫です! プロデューサーさんが、できるって思ってくれたんですから!」

P「……ん?」

智香「これまでだって、ずっと……ずっと、考えてくれてたんです。だから、できます! 応えてみせますっ」

P「そ、そうか」

P(……まぁ、いい。理想と現実のギャップに苦しむだろう)

P(一度栄光が見えたから、明るい道を見つけたから……だからこそ辛い)

P(世界の壁は厚いからな……)




― アメリカ ―

柑奈「いえーい! ピース?」

おっさん「HAHAHA! Cute girl!」

茜「パンが大きいです!! すごいですよっ!!」

くるみ「ふぇぇぇ……たべきれないよぉ……」ボロボロ…

P(打ち解けてやがる)

菜々「は、はぅどーゆーどぅー?」

おっさん「Uh? HA-HA!」

菜々「の、のー! あいむ、なーなー!」

おっさん「NANA?」

菜々「い、いえーす!」

おっさん「へぇ、アンタもナナっていうんだ」

菜々「!?」

おっさん「JAPANのMANGAはサイコーだね! HAHAHA、言ってみたかったんだよ。NANAってナ!」




柑奈「弾き語りしてたら名刺もらったんだけど……こっちでの足がかりになるかな」

茜「お腹いっぱいご飯食べてたら名刺もらいました!」

智香「わわっ、大チャンスっ! みんなでがんばろーっ!」

P「……」カタカタ…

P「この名刺、本物だな」

P(しかも割と大物じゃないか。アメリカンドリームか?)

P「ハハハ……やるじゃないか……」

P「だが実際にうまくいくかは――」



――

菜々「あ、あいむうさみーん!」

観客「「「Wooooooo!!!!!!!」」」



P(大成功だな)

P「……ふぅ」

P「柑奈と菜々があんなに海外でウケるとはな……」

P「茜も智香も物怖じしない。くるみにいたっては――」


くるみ「おいしい……えへへ……たのしいね、ぷろでゅーしゃー♪」

お姉さん「Are you ready for another?」

くるみ「いいの? ありがとぉ……」


P(話せないくせにだいたいの意味を理解してる)


P「……海外進出の成功か。ハハハ、俺のプロデュースもなかなかのものだ」

P「あいつらも自信も実力もついた」

P「これですべての準備は整った!! ここまで計算通りだ!!」

P「そう、最後に>>125をするためのな!!」

トップアイドルに

P「ハーッハッハッハ! そう、日本でのマイナーながら堅実な人気のある応援団」

P「しかし海外ではそれなりに名の通ったアーティスト」

P「その実態はアイドル。話題性も十分」

P「……」


P「……トップアイドルに、手が届くか」

P「フン……気に入らないな」

P「……」

P「智香、いいか?」

智香「はいっ、なんですか?」

P「これからはお前がリーダーとしてより全員を引っ張る必要がある……柑奈や菜々とも協力しろ」

智香「大丈夫ですよ! アタシたち、すっごく調子も良くてこれなら――」

P「ああ、これなら俺がいなくても平気だろう」

智香「……えっ?」

P「どうした、呆けた顔だな……そうだ、そういう顔が見たかった」

智香「プ、プロデューサーさん!? どうして!」

P「トップアイドルになるにあたって、必要なのはドラマ性だ。利用できるものは利用しろ」

智香「そ、そんなのわかりませんっ!」

P「わからなくても、するんだ。舞台は作ってやる、あとは使うだけでいい」

智香「な、なんで……」

P「地道な活動から、一気に海外へ。そして帰国後はガラパゴス化が進みつつある日本に新しい風を吹き込む」

P「そのグローバルな視点と……あと一押し。ドラマティックなエピソードでもあればいいだろう?」

智香「そのために、辞めちゃうんですかっ!?」

P「ああ。俺は極悪プロデューサー……近くにいてもいいことなんかないぞ?」

智香「極悪なんて、そんなことありませんっ!」

P「ククク……お前たちは俺の予想をことごとく上回った。プロデューサーなんていなくても問題ないだろう」

智香「だけど、そんなことしたら……」

P「俺か? 俺は今、お前をみて最ッ高に楽しいよ……それで十分だ」

智香「っ……!」

P「トップアイドルになって、せいぜい輝け」

P(……正直、ここから落とすのは面倒だ)

P(人気がありすぎる。バカ正直すぎる。売らなきゃいけない事情もない)

P(舞台が整いすぎた。もともとメディアへの露出以外での人気を作ってる)

P(なら、まあ……正道を歩かせてやろう。少しばかりの負け惜しみといっしょにな)


智香「……」

P「……おい、智香? まだ何かあるのか?」

智香「茜ちゃん直伝っ……トラァーーーイッ!!!」ドゴォッ!

P「げほぁっ!? な、なにを……」

智香「アタシはっ!」

P「……!?」

智香「アタシは、プロデューサーさんがいなくなっちゃうなんて嫌ですっ!」

P「だからって、何の真似だ……言ったはずだ。どんなことも文句言わずにやれってな」

智香「はい、だからアタシ……頑張りました。それで、いろんな人に応援してもらえるようになりました!」

P「だったら、いいだろ? これは最後の命令だ……」

智香「嫌です! 言ったはずですよ……アタシ、応援するのが好きだって!」

P「……何を言ってるんだ? だから、その機会なら用意しただろう」

智香「はいっ。でも……だけど、アタシが応援するのが好きなのは!」

智香「……好き、なのは。がんばってるところを、みることなんです。その力に、なれることなんです!」

P「……」

智香「アタシ、知ってます。プロデューサーさんがたくさんがんばってること……アタシ達のために、してくれたこと!」

P「……それもこれも、前フリだ。さっきのでお話は終わってるんだよ」

智香「どんな理由でもいいんです! アタシには、それで十分好きになる理由になったから!」

P「……おい?」

智香「……プロデューサーさん、好きです。イヤです……離れたくないですっ……」

P「あー……ぁー……まったく、俺の計画をことごとく台無しにしやがって、お前は……!」

智香「グスッ……あたし、だってぇっ……」

P「……もう少しだけだ。もう少し、いい案が浮かぶまで付き合ってやる」

智香「……!」

P「……俺も日和ったかな」

智香「プロデューサーさん……」

P「勘違いするな。俺の最高の……最悪のシナリオが完成したら容赦なく叩き落とすつもりだ」

智香「はいっ、がんばります!」

P「……ったく。だから調子が狂うんだ。何一つうまく……いや、悪くいかない……」ブツブツ…

智香「プロデューサーさん、悪いことに向いてないんですよっ☆」

P「ほっとけ。言っておくが俺はその気になれば――」

智香「あ。だけどひとつだけ……すごーく悪いことしてたかもっ?」

P「……なんだ?」


        Chu☆

智香「――恋泥棒ですっ!」




      柑奈「ねーらーいーうーちー♪ ……おわりっ」

以上、お粗末

おかげさまで極悪でした

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